JP4096280B2 - 整畦機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば畦の造成作業や修復作業等に用いられる整畦機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の整畦機としては、特開昭51−141212号公報、実公昭51−47785号公報、実開昭53−102411号公報、実開昭53−20316号公報、特開昭51−100409号公報、実開昭60−119209号公報、実開昭61−175905号公報、特開昭61−47103号公報、特開昭61−212202号公報、実開昭62−1507号公報、実開昭61−158105号公報、実開平3−79605号公報、実開平5−60207号公報に示す構造のものが知られている。
【0003】
これらの従来構造にあっては、走行機体に連結機構により機枠を上下動可能に連結し、機枠に盛土機構としての旧畦上に土を跳ね上げる回転ロータをその回転軸線を畦造成方向と平行又は交差する方向に設け、機枠に回転ロータの上方及び畦の上方にカバー部材を設け、回転ロータの進行方向後方位置に畦の上面及び畦の一方側面に合わせた形状の整畦体を設け、かつ該走行機体の動力取出軸を駆動源として整畦体を往復畦叩動作させるクランク式又は油圧式の畦叩機構を設け、走行機体を旧畦に沿って走行させ、回転ロータで圃場中の泥土を旧畦上に盛り上げ、この盛土を整畦体の畦叩き動作により叩き付けるようにして構成したものである。
【0004】
また他の従来構造にあっては、整畦機構として、走行機体の動力取出軸を駆動源として整畦体を振動動作させる振動機構を設けて構成し、旧畦上に盛り上げられた盛土を整畦体の振動動作により締め付けるように構成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来構造の場合、地方により相異する畦の土質や天候等の作業条件によっては、必ずしも満足した整畦作業を行い得ないことがあるという不都合を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、走行機体に連結機構により機枠を連結し、該機枠に旧畦上に土を盛り上げる盛土機構を設け、該盛土機構の進行方向後方位置に畦の上面及び一方側面を回転整畦可能な回転整畦体をもつ整畦機構を設けてなり、上記回転整畦体は畦の上面及び一方側面に沿う折曲形状の複数個の稜杆を撓み間隔を置いて回転方向に環状に配列してなる骨組回転体の外周面部分に可撓性を有する外被体を覆設して構成されていることを特徴とする整畦機にある。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記外被体は可撓性を有する金属や合成樹脂、弾性ゴムからなることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1乃至図8は本発明の実施の形態例を示し、1は走行機体であって、この場合トラクタが用いられ、走行機体1の後部に三点リンク式の連結機構2により機枠3を上下動可能に連結している。
【0009】
4は盛土機構であって、この場合回転ロータからなる盛土体5から構成され、この盛土体5はロータ胴5aの外周に複数個の掻上刃5bを突設すると共にロータ胴5aに取付軸5cを突設してなり、上記機枠3に盛土体5をその回転軸線を畦造成方向と平行にして回転自在に取付け、機枠3に走行機体1に設けられた動力取出軸6により回転する主軸7を軸受し、盛土体5を主軸7より変向用ギヤ列8及びチェーン機構9を介して回転させ、この盛土体5の回転により畦際の圃場面Mの土を削出軌跡Nをもって削出して旧畦に向けて跳ね上げて盛り上げるように構成している。
【0010】
10はカバー部材であって、この場合上記機枠3に取り付けられ、上記盛土体5の上方及び畦Wの上方を覆う形状に形成され、カバー部材10の畦側に側部カバー部材11が上下動自在に取り付けられている。
【0011】
12は整畦機構であって、この場合畦W面としての畦の上面W1を回転整畦可能な上面整畦部13a及び一方側面W2を回転整畦可能な側面整畦部13bからなる回転整畦体13と、この回転整畦体13を回転軸線P回りに矢印方向の下向強制回転させる回転機構14とからなり、回転整畦体13の回転軸線Pを水平軸線Lに対して角度θ分傾いた斜め方向に配置して回転整畦体13の全体形状を鼓形状に形成して構成している。
【0012】
又、この場合、回転整畦体13は回転軸線P上に支持軸筒15を配置し、支持軸筒15に放射状に八個の突杆15aを突設すると共に支持軸筒15の先端部外周面に径小部15bを形成し、径小部15bに嵌合筒16を嵌挿配置し、嵌合筒16に放射状に八個の突杆17を突設すると共に支持軸筒15と嵌合筒16とをボルト18により連結し、各突杆15aに畦Wの一方側面W2に適合した形状の側部稜杆19bを固着すると共に各突杆17に畦Wの上面W1に適合した形状の上部稜杆19aを固着し、側部稜杆19bと上部稜杆19aとを位置決めピン20により対向状に位置決めして畦Wの上面W1及び一方側面W2に適合した形状たる畦Wの上面W 1 及び一方側面W 2 に沿う折曲形状の稜杆19に形成し、稜杆19としては丸棒や丸筒状、板状のものがあり、この撓み間隔Fを置いて回転方向に環状に配列された畦W面としての畦の上面W1及び一方側面W2に適合した形状の八個の稜杆19からなる骨組回転体21の外周面部分に可撓性を有する金属や合成樹脂、弾性ゴムから鼓筒状の外被体22をボルトやリベット等の止着部材23により稜杆19に固着覆設して構成している。
【0013】
この場合、回転機構14は、上記機枠3に取付枠24を取付け、取付枠24にブラケット25を突設し、ブラケット25に軸受筒26を取付け、この軸受筒26に駆動軸27を回転自在に横設し、上記機枠3の後部側面に枠体28を設け、枠体28内に歯車機構29及びチェーン機構30を内装し、枠体28の下部に伝導軸31を横設し、伝導軸31と主軸7とを歯車機構29とチェーン機構30とにより伝導連結すると共に駆動軸27と伝導軸31とを伸縮自在な自在継手32により連結し、この駆動軸27に回転整畦体13の中心に配置した支持軸筒15を挿通すると共に止着ピン33により固定連結し、しかして、主軸7の回転により回転整畦体13を図中矢印方向の下向き回転させ、回転整畦体13の外周面部分の回転接触により畦Wの一方側面W2を締圧整畦すると共に畦Wの上面W1を締圧整畦するように構成している。
【0014】
尚、上記外被体22は上面整畦部13a及び側面整畦部13bに亙る一体の鼓筒状に形成されているが、上面整畦部13a又は側面整畦部13b毎に二個の又は複数個の外被体を形成して骨組回転体21の外周面部分に覆設することもあり、勿論板状材を骨組回転体21の外周面部分に巻装固定することもあり、又、外被体22の材質としては可撓性を有するプレス絞り加工された金属や射出成型された合成樹脂、弾性ゴムやナイロン樹脂や塩化ビニール樹脂等の合成樹脂板により製作により製作されるものである。
【0015】
34は削土機構であって、この場合カバー部材10に中間軸35を進行方向前後方向に軸架すると共に保持枠36を中間軸35と同心上に上下揺動自在に枢着し、保持枠36の先端部にロータ軸37を回転自在に取付け、ロータ軸37に複数個のナギナタ状の刃体をもつ削土ロータ38を取付け、主軸7と中間軸35との間にチェーン機構39を掛回すると共に中間軸35とロータ軸37との間にチェーン機構40を架設し、上記盛土機構4の盛土体5の進行方向前方位置の旧畦の上面部分を主軸7により回転する削土ロータ38によって削出軌跡Sをもって回転削土するように構成したものである。
【0016】
この実施の形態例は上記構成であるから、走行機体1を旧畦に沿って走行し、動力取出軸6を回転すると一方では盛土機構4の盛土体5としての回転ロータが畦際の圃場泥土を旧畦上に連続的に跳ね上げて盛り上げ、カバー部材10は盛土体5の上方及び畦側方への泥土飛散を防止し、跳ね上げられた泥土は外方飛散を防がれて自重落下し、他方では走行機体1の動力取出軸6を駆動源として整畦機構12が駆動され、回転整畦体13は回転機構14により矢印方向に下向き回転し、この際、上記回転整畦体13は畦Wの上面W1及び一方側面W2 に沿う折曲形状の複数個の稜杆19を撓み間隔Fを置いて回転方向に環状に配列してなる骨組回転体21の外周面部分に可撓性を有する外被体22を覆設して構成されているから、図7の如く、回転整畦体13の図中矢印方向の下向き回転に伴い可撓性を有する外被体22は撓み空間Fの存在により盛土Kにより押圧されて内方に撓んで凹状部F1により盛土Kを掴み込む作用をなし、次いで、更なる回転整畦体13の回転により、その掴み込まれた盛土K1は回転方向後方の稜杆19により外被体22を介して締圧され、回転整畦体13の連続回転によりこれら締圧作用が繰り返し行われ、真円状の回転整畦体の全外周面で締圧する構造に比べて、盛土Kを断続的に締める締圧動作を得ることができ、かつ、稜杆19による締圧のため、締圧面積が小さくなることにより締圧力を大きくすることができ、しかも、外被体22の撓み空間Fにおいて形成される凹状部F1により盛土を掴み込む作用を得ることができ、掴み込んだ盛土K1を稜杆19により圧締することになり、それだけ盛土Kを効率的に締め付けることができ、走行機体1の走行速度に対して回転整畦体13の回転速度を高めることにより回転整畦体13の外周面部分は畦面に回転滑り接触し、この回転すべり接触により畦Wの一方側面W2及び畦Wの上面W1を円滑かつ強固に締圧整畦することができ、一層堅牢な畦を得ることができる。
【0017】
又、この場合、上記回転整畦体13は畦Wの上面W1及び一方側面W2に適合した形状の複数個の稜杆19を撓み間隔を置いて環状に配列してなる骨組回転体21の外周面部分に可撓性を有する外被体22を覆設して構成しているから、畦Wの上面W1及び一方側面W2を同時に締圧することができ、それだけ良好に整畦することができ、又、この場合、上記外被体22は可撓性を有する金属や合成樹脂、弾性ゴムからなるので、容易に製作することができるとともに製作コストを低減することができる。
【0018】
又、この場合、削土機構34により旧畦面を予め削土でき、この削土された畦面上に盛土機構4により盛土することになるから、旧畦土と盛土との結着性を高めることができ、それだけ強固な畦を得ることができる。
【0019】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば盛土機構4として、畦造成方向に対して交差する方向の回転軸線をもつ回転ロータを採用することもでき、又、上記実施の形態例における回転整畦体13を油圧式や偏心ウエイト方式の振動機構により振動させたり、又、クランク方式や油圧方式からなる畦叩き機構により畦叩き運動させる付加構造を採用することもあり、又、回転整畦体13の大きさや形状、即ち、回転整畦体の回転軸線Pを水平方向にして円筒状の上面整畦部13a及び円錐状の側面整畦部13bからなる回転整畦体に形成することもでき、又、外被体の材質等は適宜変更して設計される。
【0020】
【発明の効果】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、走行機体を旧畦に沿って走行すると、一方では盛土機構が旧畦上に土を盛り上げ、他方では整畦機構が駆動されて回転整畦体が回転し、回転整畦体は畦の上面及び一方側面に沿う折曲形状の複数個の稜杆を撓み間隔を置いて回転方向に環状に配列してなる骨組回転体の外周面部分に可撓性を有する外被体を覆設して構成されているから、回転整畦体の回転に伴い可撓性を有する外被体は撓み空間の存在により盛土により押圧されて内方に撓んで盛土を掴み込む作用をなし、更なる回転整畦体の回転により、その掴み込まれた盛土は回転方向後方の稜杆により外被体を介して締圧され、回転整畦体の連続回転によりこれら締圧作用が繰り返し行われ、盛土を断続的に締める締圧動作を得ることができ、稜杆による締圧のため締圧面積が小さくなることにより締圧力を大きくすることができ、しかも、外被体の撓み空間において形成される凹状部により盛土を掴み込む作用を得ることができ、掴み込んだ盛土を稜杆により圧締することになり、それだけ盛土を効率的に締め付けることができ、一層堅牢な畦を得ることができ、かつ、上記回転整畦体は畦の上面及び一方側面に沿う折曲形状の複数個の稜杆を撓み間隔を置いて回転方向に環状に配列してなる骨組回転体の外周面部分に可撓性を有する外被体を覆設して構成しているから、畦の上面及び一方側面を同時に締圧することができ、それだけ良好に整畦することができる。
【0021】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記外被体は可撓性を有する金属や合成樹脂、弾性ゴムからなるので、容易に製作することができるとともに製作コストを低減することができる。
【0022】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態例の全体側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態例の拡大側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態例の平断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態例の後面図である。
【図5】 本発明の実施の形態例の前面図である。
【図6】 本発明の実施の形態例の拡大断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態例の部分分解斜視図である。
【符号の説明】
W 畦
W1 上面
W2 側面
F 撓み空間
1 走行機体
2 連結機構
3 機枠
4 盛土機構
12 整畦機構
13 回転整畦体
19 稜杆
21 骨組回転体
22 外被体
Claims (2)
- 走行機体に連結機構により機枠を連結し、該機枠に旧畦上に土を盛り上げる盛土機構を設け、該盛土機構の進行方向後方位置に畦の上面及び一方側面を回転整畦可能な回転整畦体をもつ整畦機構を設けてなり、上記回転整畦体は畦の上面及び一方側面に沿う折曲形状の複数個の稜杆を撓み間隔を置いて回転方向に環状に配列してなる骨組回転体の外周面部分に可撓性を有する外被体を覆設して構成されていることを特徴とする整畦機。
- 上記外被体は可撓性を有する金属や合成樹脂、弾性ゴムからなることを特徴とする請求項1記載の整畦機。
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