JP3991265B2 - 整畦機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば畦の造成作業や修復作業等に用いられる整畦機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の整畦機として、例えば、特許第2564230号公報に示す如く、走行機体に連結機構により機枠を上下動自在に連結し、機枠に旧畦上に土を盛り上げる盛土ローターをもつ盛土機構を設け、該盛土機構の進行方向後方位置に畦面を回転整畦可能な回転整畦体からなる整畦機構を設けて構成した構造のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来構造の場合、上記盛土ローターにより旧畦上に泥土を盛り上げる際、泥土内の土砂や石が盛上刃に衝突し、その衝突力が直接的に盛土刃に掛かり、盛土刃や伝導系統を損傷することがあるという不都合を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、走行機体と、該走行機体に連結される機枠と、該機枠に設けられ、旧畦上に土を盛り上げる盛土ローターをもつ盛土機構と、該盛土機構に設けられ、該盛土ローターに掛かる盛土抵抗を緩衝可能な緩衝機構と、該盛土機構の進行方向後方位置に設けられ、畦面を整畦可能な整畦体をもつ整畦機構とを備えてなり、上記緩衝機構として、上記盛土ローターを、駆動回転するローター軸部、該ローター軸部に回動可能に嵌装された盛土刃部をもつローター胴及び該ローター軸部に回り止め状に嵌装されたフランジ板により形成し、該ローター胴に該ローター胴の回転中心を中心とする円弧状の長穴部を形成し、該長穴部に該盛土刃部に掛かる盛土抵抗を緩衝可能なボルト挿通穴をもつ弾性材を嵌着し、該フランジ板に該ボルト挿通穴に挿通して連結ボルトを固定してなることを特徴とする整畦機にある。
【0005】
又、請求項2記載の発明は、上記盛土機構の進行方向前方位置に旧畦を削土可能な削土機構を備えてなることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1乃至図10は本発明の実施の形態例を示し、1は走行機体であって、この場合トラクタが用いられ、走行機体1の後部に三点リンク式の連結機構2により機枠3を上下動可能に連結して構成している。
【0007】
4は整畦機構であって、この場合、上記機枠3に支持ブラケット5を突設し、支持ブラケット5に軸受筒部6を設け、軸受筒部6の後部に軸受部7を設け、軸受部7に駆動軸8を軸受し、一方、機枠3に走行機体1に設けられた動力取出軸9により自在継手10を介して回転する主軸11を軸受すると共に主軸11により伝導機構12を介して回転する伝達軸13を横設し、上記駆動軸8の一方端部と伝達軸13との間に自在継手14を架設し、駆動軸8の他方端部に畦W面を回転整畦可能な回転整畦体15である整畦体16を配設して構成している。
【0008】
この場合、上記整畦体16は、畦Wの上面W1を整畦可能な上面整畦部15a及び畦Wの一方側面W2を整畦可能な側面整畦部15bからなり、この上面整畦部15a及び側面整畦部15bは、互いに結合されて鼓状をなすローター枠体16aの外周面部に間隔置いて圧締面部K・Dを形成すると共に隣り合う圧締面部K・Dの間を通穴F・Cとして形成し、上面整畦部15a及び側面整畦部15bの回転方向前方位置の圧締面部K・D側から隣り合う後方位置の圧締面部K・Dの外面に至る長さの圧締板体G・Eを配設し、この圧締板体G・Eは可撓性を有するナイロン樹脂や塩化ビニール樹脂等の合成樹脂やステンレスやバネ鋼等の等の金属からなる外的負荷により弾性的に撓み得る材質の可撓性板材により形成され、ローター枠体16aの中心軸筒16bを駆動軸8に挿通固定し、しかして、主軸11の回転により回転整畦体15を図中矢印方向に回転させ、回転整畦体15の上面整畦部15a及び側面整畦部15bの外周面の圧締板体G・Eの回転接触により畦Wの上面W1及び一方側面W2を締圧整畦するように構成している。
【0009】
17は盛土機構であって、この場合、上記軸受筒部6に中間軸18を軸受し、中間軸18の一方端部と駆動軸8との間に歯車機構8aを設け、中間軸18の他方端部に盛土ローター19を設け、中間軸18の回転により盛土ローター19を図中矢印方向に回転させるように構成している。
【0010】
20は緩衝機構であって、この場合、盛土ローター19はローター軸部19aと盛土刃部19bとからなり、このローター軸部19aと盛土刃部19bとの間に盛土刃部19に掛かる盛土抵抗を緩衝可能な緩衝機構20を設けている。
【0011】
この場合、上記中間軸18の他方端部を六角軸状のローター軸部19aに形成し、盛土刃部19bとして、軸筒21aにフランジ板21bを設け、軸筒21aの内周面をローター軸部19aに回り止め状に嵌挿可能な六角穴状に形成し、軸筒21aの外周面にローター胴21cを嵌装し、ローター胴21cになた状のローター刃21dを複数個突設し、ローター胴21cに三個の長穴部21eを三個形成し、長穴部21eにゴムや弾性を有する合成樹脂等の弾性材21fを嵌着し、弾性材21fにボルト挿通穴21gを形成し、フランジ板21b及びボルト挿通穴21gに連結ボルト21hを挿通すると共に軸筒21aに遊嵌挿したフランジ板21jに挿通し、連結ボルト21hにナット21kを螺着し、フランジ板21bとフランジ板21jとによりローター胴21cを回動可能に挟装して構成している。
【0012】
しかして、上記ローター刃21dに盛土抵抗が掛かると、ローター胴21cは回転方向と逆方向に回転し、連結ボルト21hにより弾性材21fは弾性圧縮して撓み、この撓みによりローター胴21cは軸筒21aに対してわずかに逆回転し、しかして、この弾性材21fにより盛土刃部19bに掛かる盛土抵抗は緩衝されることになる。
【0013】
22は削土機構であって、上記盛土機構17の進行方向前方位置に設けられ、
この場合、上記軸受筒部6の前端部にチェーンケース23を突設し、チェーンケース23の先端部に支持軸24を回転自在に設け、支持軸24に削土ローター25を取付け、上記中間軸18と支持軸24との間にチェーン機構26及び歯車機構27を介装し、削土ローター25の回転により盛土ローター19の前方位置の旧畦Wを予め削土するように構成している。
【0014】
この実施の形態例は上記構成であるから、走行機体1を旧畦に沿って走行し、動力取出軸9を回転すると、一方では盛土機構17の盛土ローター19が畦際や旧畦Wの泥土を旧畦上に連続的に跳ね上げて盛り上げ、他方では走行機体1の動力取出軸9を駆動源として整畦機構4が駆動され、整畦体16は畦面に回転接触して畦W面を回転整畦により締め付けることができ、走行機体1の走行速度に対して整畦体16としての回転整畦体15の回転速度を高めることにより回転整畦体15は畦W面に回転滑り接触し、この回転すべり接触により畦W面を円滑かつ強固に締圧整畦することができ、この際、上記盛土機構17に盛土ローター19に掛かる盛土抵抗を緩衝可能な緩衝機構20を設けているから、泥土内の土砂や石が盛上ローター19に衝突し、この衝突力による盛土抵抗を緩衝することができ、盛土ローター19や伝導系統の損傷を抑制することができ、それだけ、良好に整畦作業を行うことができる。
【0015】
又、この際、上記盛土ローター19はローター軸部19aと盛刃部19bとからなり、ローター軸部19aと盛土刃部19bとの間に盛土刃部19bに掛かる盛土抵抗を緩衝可能な弾性材21fをもつ上記緩衝機構20を設け、上記緩衝機構20として、上記盛土ローター19を、駆動回転するローター軸部19a、ローター軸部19aに回動可能に嵌装された盛土刃部19bをもつローター胴21c及びローター軸部21cに回り止め状に嵌装されたフランジ板21b・21jにより形成し、ローター胴21cにローター胴21cの回転中心を中心とする円弧状の長穴部21eを形成し、長穴部21eに盛土刃部19bに掛かる盛土抵抗を緩衝可能なボルト挿通穴21gをもつ弾性材21fを嵌着し、フランジ板21b・21jにボルト挿通穴21gに挿通して連結ボルト21hを固定しているから、ローター軸部19aに対する盛土刃部19bの逆回転時に弾性材21fは緩衝作用をなして衝突力による盛土抵抗を緩衝することができ、盛土ローター19や伝導系統の損傷を抑制することができ、又、この場合、上記盛土機構17の進行方向前方位置に旧畦Wを削土可能な削土機構22を備えてなるから、削土機構22により旧畦面を予め削土でき、この削土された畦面上に盛土機構17の盛土ローター19により盛土することになるから、旧畦土と盛土との結着性を高めることができ、それだけ強固な畦を得ることができる。
【0016】
又、この場合、整畦体16として、回転整畦体15が用いられ、回転整畦体15は上面整畦部15a及び側面整畦部15bからなり、この回転整畦体15に圧締面部K・Dを通穴F・Cを存して間隔を置いて複数個形成すると共に側面整畦部15b及び上面整畦部15aに回転方向前方位置の圧締面部K・D側から隣り合う後方位置の圧締面部K・Dに至る長さの圧締板体G・Eを配設して構成しているから、回転整畦体15の図中矢印方向としての走行機体1の前進を助長する方向の回転に伴い圧締板体G・Eは徐々に盛土を締圧すると共に圧締面部K・Dにより圧締板体G・Eを介して強く締圧され、この複数個の圧締面部K・Dの存在により断続的に締圧され、複数個の圧締面部K・Dの存在により、回転整畦体15の全外周面で締圧する構造に比べて締圧面積が小さくなることにより締圧力を大きくすることができ、それだけ強固に畦を締め付けることができ、かつ、隣り合う圧締面部K・K、D・Dの間に通穴F・Cを形成しているので、通穴F・Cにより一層断続的に畦面を締圧することになり、それだけ強固に締圧することができ、又、この場合、上記圧締板体G・Eは可撓性を有する金属や合成樹脂等により製作しているので、圧締板体G・Eは撓み動作しつつ盛土を徐々に締圧することができ、回転整畦体15への土の付着現象を抑制することができ、良好な整畦作業を行うことができる。
【0017】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、整畦機構4、整畦体16、盛土機構17、盛土ローター19、緩衝機構20、削土機構22の構造や形状等は適宜変更して設計されるものである。
【0018】
【発明の効果】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、走行機体を旧畦に沿って走行すると、一方では盛土機構の盛土ローターが畦際や旧畦の泥土を旧畦上に連続的に跳ね上げて盛り上げ、他方では整畦機構が駆動され、整畦体は畦面を整畦することになり、この際、上記盛土機構に盛土ローターに掛かる盛土抵抗を緩衝可能な緩衝機構を設け、上記緩衝機構として、上記盛土ローターを、駆動回転するローター軸部、該ローター軸部に回動可能に嵌装された盛土刃部をもつローター胴及び該ローター軸部に回り止め状に嵌装されたフランジ板により形成し、該ローター胴に該ローター胴の回転中心を中心とする円弧状の長穴部を形成し、該長穴部に該盛土刃部に掛かる盛土抵抗を緩衝可能なボルト挿通穴をもつ弾性材を嵌着し、該フランジ板に該ボルト挿通穴に挿通して連結ボルトを固定しているから、泥土内の土砂や石が盛上ローターに衝突し、この衝突力による盛土抵抗を緩衝することができ、盛土ローターや伝導系統の損傷を抑制することができ、それだけ、良好に整畦作業を行うことができ、衝突力を受けてローター軸部に対する盛土刃部の逆回転時に弾性材は緩衝作用をなして衝突力による盛土抵抗を緩衝することができ、盛土ローターや伝導系統の損傷を抑制することができる。
【0019】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記盛土機構の進行方向前方位置に旧畦を削土可能な削土機構を備えてなるから、削土機構により旧畦面を予め削土でき、この削土された畦面上に盛土機構の盛土ローターにより盛土することになるから、旧畦土と盛土との結着性を高めることができ、それだけ強固な畦を得ることができる。
【0020】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態例の全体側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態例の拡大側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態例の拡大平面図である。
【図4】 本発明の実施の形態例の全体後面図である。
【図5】 本発明の実施の形態例の全体前断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態例の部分分解斜視図である。
【図10】 本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【符号の説明】
W 畦
1 上面
2 側面
1 走行機体
2 連結機構
3 機枠
4 整畦機構
16 整畦体
17 盛土機構
19 盛土ローター
19a ローター軸部
19b 盛土刃部
20 緩衝機構
21c ローター胴
21b フランジ板
21e 長穴部
21f 弾性材
21g ボルト挿通穴
21j フランジ板
22 削土機構

Claims (2)

  1. 走行機体と、該走行機体に連結される機枠と、該機枠に設けられ、旧畦上に土を盛り上げる盛土ローターをもつ盛土機構と、該盛土機構に設けられ、該盛土ローターに掛かる盛土抵抗を緩衝可能な緩衝機構と、該盛土機構の進行方向後方位置に設けられ、畦面を整畦可能な整畦体をもつ整畦機構とを備えてなり、上記緩衝機構として、上記盛土ローターを、駆動回転するローター軸部、該ローター軸部に回動可能に嵌装された盛土刃部をもつローター胴及び該ローター軸部に回り止め状に嵌装されたフランジ板により形成し、該ローター胴に該ローター胴の回転中心を中心とする円弧状の長穴部を形成し、該長穴部に該盛土刃部に掛かる盛土抵抗を緩衝可能なボルト挿通穴をもつ弾性材を嵌着し、該フランジ板に該ボルト挿通穴に挿通して連結ボルトを固定してなることを特徴とする整畦機。
  2. 上記盛土機構の進行方向前方位置に旧畦を削土可能な削土機構を備えてなることを特徴とする請求項1記載の整畦機。
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