JP3921606B2 - 整畦機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば畦の造成作業や修復作業等に用いられる整畦機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の整畦機として、例えば、特許第2564230号公報に示す如く、走行機体に連結機構により機枠を上下動自在に連結し、機枠に旧畦上に土を盛り上げる盛土機構を設け、盛土機構により盛り上げられる土の外方飛散を防ぐ土飛散防止体を設け、盛土機構の進行方向後方位置に畦面を回転整畦可能な回転整畦体からなる整畦機構を設けた構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来構造の場合、上記土飛散防止体として、四角板状のカバー体の長手方向の下辺縁部を畦の上面に摺接可能に配置した構造となっており、かつ、このカバー体の進行方向前部をそり状に形成すると共に下辺縁部をL状に折曲形成した構造となっており、このため、カバー体は畦の上面を摺接しつつ進行するので、畦に硬土や石等が存在すると、これらに前部が衝突してカバー体の進行が不円滑となることがあり、畦の上面とカバー体の下辺縁部との間に間隙が生じ、盛土効率を低下させることがあるという不都合を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、走行機体と、該走行機体に連結される機枠と、該機枠に設けられ、旧畦上に土を盛り上げる盛土機構と、該盛土機構により盛り上げられる土の外方飛散を防ぐ土飛散防止体と、該盛土機構の進行方向後方位置に設けられ、畦面を整畦可能な整畦体をもつ整畦機構とを備えてなり、上記土飛散防止体は上記畦上を転動可能な転動盤体からなることを特徴とする整畦機にある。
【0005】
又、請求項2記載の発明は、上記転動盤体を上下動機構により上記畦の起伏に倣って上下動自在に設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記上下動機構は平行リンク機構からなることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1乃至図8は本発明の実施の形態例を示し、1は走行機体であって、この場合トラクタが用いられ、走行機体1の後部に三点リンク式の連結機構2により機枠3を上下動可能に連結して構成している。
【0007】
4は整畦機構であって、この場合、上記機枠3に支持ブラケット5を突設し、支持ブラケット5に軸受筒部6を設け、軸受筒部6の後部に軸受部7を設け、軸受部7に駆動軸8を軸受し、一方、機枠3に走行機体1に設けられた動力取出軸9により自在継手10を介して回転する主軸11を軸受すると共に主軸11により伝導機構12を介して回転する伝達軸13を横設し、上記駆動軸8の一方端部と伝達軸13との間に自在継手14を架設し、駆動軸8の他方端部に畦W面を回転整畦可能な回転整畦体15である整畦体16を配設して構成している。
【0008】
この場合、上記整畦体16は、畦Wの上面W1を整畦可能な上面整畦部15a及び畦Wの一方側面W2を整畦可能な側面整畦部15bからなり、この上面整畦部15a及び側面整畦部15bは、互いに結合されて鼓状をなすローター枠体16aの外周面部に間隔置いて圧締面部K・Dを形成すると共に隣り合う圧締面部K・Dの間を通穴F・Cとして形成し、上面整畦部15a及び側面整畦部15bの回転方向前方位置の圧締面部K・D側から隣り合う後方位置の圧締面部K・Dの外面に至る長さの圧締板体G・Eをボルト等の取付体Qにより配設し、この圧締板体G・Eは可撓性を有するナイロン樹脂や塩化ビニール樹脂等の合成樹脂やステンレスやバネ鋼等の等の金属からなる外的負荷により弾性的に撓み得る材質の可撓性板材により形成され、ローター枠体16aの中心軸筒16bを駆動軸8に挿通固定し、しかして、主軸11の回転により回転整畦体15を図6中矢印方向に回転させ、回転整畦体15の上面整畦部15a及び側面整畦部15bの外周面の圧締板体G・Eの回転接触により畦Wの上面W1及び一方側面W2を締圧整畦するように構成している。
【0009】
17は盛土機構であって、この場合、上記軸受筒部6に中間軸18を軸受し、中間軸18の一方端部と駆動軸8との間に歯車機構8aを設け、中間軸18の他方端部に盛土ローター19を設け、機枠3に盛土ローター19の上方を覆うカバー体20を配設し、中間軸18の回転により盛土ローター19を図中矢印方向に回転させるように構成している。
【0010】
21は土飛散防止体であって、この場合、図7の如く、上記畦Wの上面W1上を転動可能な転動盤体22により形成され、この転動盤体22は上下動機構23としての平行リンク機構24により上記畦Wの上面W1の起伏に倣って上下動自在に設けられ、盛土機構17により盛り上げられる土の外方飛散を防ぐように構成されている。
【0011】
この場合、上記転動盤体22はリング状の外周杆22aに合成樹脂等の面盤体22bをボルト22cにより取り付け、外周杆22aと中心盤22eとの間に桟杆22dを放射状に配置してなり、上記カバー体20に上取付片20aを取り付け、取付片20aに二本のリンク杆25・25の上端部を上ピン26・26により枢着すると共にリンク杆25・25の下端部を下ピン27・27により下取付片28に枢着し、これにより平行リンク機構24を構成し、一方のリンク杆25にストッパー杆29を取付け、ストッパー杆29に他方のリンク杆25に当接可能な鉤状のストッパー部29aを形成し、下取付片28に車軸30を横設し、車軸30に転動盤体22の中心盤22eを枢着して転動盤体22を回転自在に取り付けて構成している。
【0012】
31は削土機構であって、上記盛土機構17の進行方向前方位置に設けられ、この場合、上記軸受筒部6の前端部にチェーンケース32を突設し、チェーンケース32の先端部に支持軸33を回転自在に設け、支持軸33に削土ローター34を取付け、上記中間軸18と支持軸33との間にチェーン機構35及び歯車機構36を介装し、チェーンケース32を引上機構37により弾性支持し、削土ローター34の回転により盛土ローター19の前方位置の旧畦Wを予め削土するように構成している。
【0013】
この実施の形態例は上記構成であるから、走行機体1を旧畦に沿って走行し、動力取出軸9を回転すると、一方では盛土機構17の盛土ローター19が畦際のほ場M土や旧畦Wの泥土を旧畦上に連続的に跳ね上げて盛り上げ、土飛散防止体21は盛土機構17により盛り上げられる土の外方飛散を防ぎ、他方では走行機体1の動力取出軸9を駆動源として整畦機構4が駆動され、整畦体16は畦面に回転接触して畦W面を回転整畦により締め付けることができ、走行機体1の走行速度に対して整畦体16としての回転整畦体15の回転速度を高めることにより回転整畦体15は畦W面に回転滑り接触し、この回転すべり接触により畦W面を円滑かつ強固に締圧整畦することができ、この際、上記土飛散防止体21は上記畦W上を転動可能な転動盤体22からなるので、畦に硬土や石等の障害物が存在しても、転動盤体22は畦上を円滑に転動して進行することができ、畦Wと土飛散防止体21との間の間隙の発生を抑制することができ、それだけ、盛土効率を向上することができ、整畦作業を良好に行うことができる。
【0014】
又、この場合、上記転動盤体22を上下動機構23により上記畦Wの起伏に倣って上下動自在に設けているから、畦に硬土や石等の障害物の存在に応じて転動盤体22は上下動するので、一層円滑に進行することができ、又、この場合、上記上下動機構22は平行リンク機構24からなるので、転動盤体22は畦面に対して平行を維持しつつ上下動するので、一層円滑な進行が可能となると共に、構造を簡素化することができる。
【0015】
又、この場合、上記盛土機構17の進行方向前方位置に旧畦Wを削土可能な削土機構31を備えてなるから、削土機構31により旧畦面を予め削土でき、この削土された畦面上に盛土機構17の盛土ローター19により盛土することになるから、旧畦土と盛土との結着性を高めることができ、それだけ強固な畦を得ることができる。
【0016】
又、この場合、整畦体16として、回転整畦体15が用いられ、回転整畦体15は上面整畦部15a及び側面整畦部15bからなり、この回転整畦体15に圧締面部K・Dを通穴F・Cを存して間隔を置いて複数個形成すると共に側面整畦部15b及び上面整畦部15aに回転方向前方位置の圧締面部K・D側から隣り合う後方位置の圧締面部K・Dに至る長さの圧締板体G・Eを配設して構成しているから、回転整畦体15の図中矢印方向としての走行機体1の前進を助長する方向の回転に伴い圧締板体G・Eは徐々に盛土を締圧すると共に圧締面部K・Dにより圧締板体G・Eを介して強く締圧され、この複数個の圧締面部K・Dの存在により断続的に締圧され、複数個の圧締面部K・Dの存在により、回転整畦体15の全外周面で締圧する構造に比べて締圧面積が小さくなることにより締圧力を大きくすることができ、それだけ強固に畦を締め付けることができ、かつ、隣り合う圧締面部K・K、D・Dの間に通穴F・Cを形成しているので、通穴F・Cにより一層断続的に畦面を締圧することになり、それだけ強固に締圧することができ、又、この場合、上記圧締板体G・Eは可撓性を有する金属や合成樹脂等により製作しているので、圧締板体G・Eは撓み動作しつつ盛土を徐々に締圧することができ、回転整畦体15への土の付着現象を抑制することができ、良好な整畦作業を行うことができる。
【0017】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、整畦機構4、整畦体16、盛土機構17、盛土ローター19、転動盤体22、上下動機構23、削土機構31の構造や形状等は適宜変更して設計されるものである。
【0018】
【発明の効果】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、走行機体を旧畦に沿って走行すると、一方では盛土機構が畦際や旧畦の泥土を旧畦上に盛り上げ、土飛散防止体は盛土機構により盛り上げられる土の外方飛散を防ぎ、他方では整畦機構が駆動され、整畦体は畦面を締圧整畦することになり、この際、上記土飛散防止体は上記畦上を転動可能な転動盤体からなるので、畦に硬土や石等の障害物が存在しても、転動盤体は畦上を円滑に転動して進行することができ、畦と土飛散防止体との間の間隙の発生を抑制することができ、それだけ、盛土効率を向上することができ、整畦作業を良好に行うことができる。
【0019】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記転動盤体を上下動機構により上記畦の起伏に倣って上下動自在に設けているから、畦に硬土や石等の障害物の存在に応じて転動盤体は上下動するので、一層円滑に進行することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記上下動機構は平行リンク機構からなるので、転動盤体は畦面に対して平行を維持しつつ上下動するので、一層円滑な進行が可能となると共に、構造を簡素化することができる。
【0020】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の全体側面図である。
【図2】本発明の実施の形態例の拡大側面図である。
【図3】本発明の実施の形態例の拡大平面図である。
【図4】本発明の実施の形態例の全体後面図である。
【図5】本発明の実施の形態例の全体前面図である。
【図6】本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
【図7】本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
【図8】本発明の実施の形態例の部分断面図である。
【符号の説明】
W 畦
W1 上面
W2 側面
1 走行機体
2 連結機構
3 機枠
4 整畦機構
16 整畦体
17 盛土機構
21 土飛散防止体
22 転動盤体
23 上下動機構
24 平行リンク機構
Claims (3)
- 走行機体と、該走行機体に連結される機枠と、該機枠に設けられ、旧畦上に土を盛り上げる盛土機構と、該盛土機構により盛り上げられる土の外方飛散を防ぐ土飛散防止体と、該盛土機構の進行方向後方位置に設けられ、畦面を整畦可能な整畦体をもつ整畦機構とを備えてなり、上記土飛散防止体は上記畦上を転動可能な転動盤体からなることを特徴とする整畦機。
- 上記転動盤体を上下動機構により上記畦の起伏に倣って上下動自在に設けてなることを特徴とする請求項1記載の整畦機。
- 上記上下動機構は平行リンク機構からなることを特徴とする請求項2記載の整畦機。
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