JP4350809B2 - ディジタルカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像を表わす画像データを入力して圧縮符号化して出力する画像データ圧縮符号化装置およびその方法ならびにディジタルカメラに係り、たとえば、撮像されて生成された画像データを、カラーモードおよびモノクロモードにて圧縮符号化して記録媒体に記録させる画像処理装置およびその方法ならびにディジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CCD などの固体撮像素子にて撮像された被写界像を表わすカラー画像信号をディジタル信号に変換し、変換された画像データを2次元直交変換などの変換方式によって圧縮および符号化して半導体メモリや磁気ディスクなどの画像データ記憶媒体に記録する画像処理装置として、たとえばディジタルスチルカメラが知られている。
【0003】
このようなディジタルスチルカメラでは、たとえば、輝度データおよび色差データがブロックインターリーブされたカラー画像データを2次元直交変換および符号化されることによって、処理された符号化データが、たとえば、所定の符号量となるように圧縮符号化され、圧縮符号化データが所望の記憶媒体に記憶される。
【0004】
圧縮符号化方式としては、たとえば、「ISO/IEC DIS 10918-1 」に準拠した、いわゆるJPEG方式が用いられ、処理された画像データは、単にプリント出力されるだけではなく、汎用のパーソナルコンピュータによってさらに処理加工することができ、様々な形式に変換される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のディジタルスチルカメラでは、自然画などの被写界像を撮影しそのカラー画像を出力することを主眼として構成されているので、たとえば線画や文字、さらにはモノトーンなどのモノクロ画像を出力するためには特殊な構成が必要となって、そのモノクロ画像データを記憶媒体に記憶させる際の記録フォーマットやカメラ自体の構成を大幅に変更せざるを得なかった。
【0006】
たとえば、モノクロ画像データを記憶媒体に記録する方法として、被写界を撮像するCCD などの撮像素子にカラーフィルタが配設されていないモノクロ専用の撮像素子を採用したり、また、モノクロ撮影時には、カラー画像用のカラーフィルタを撮像素子の前面から除去したりする構成が必要となり、さらにはモノクロ専用の信号処理回路を新たに設けて、撮像信号のうち輝度信号のみを生成して圧縮符号化する方法が考えられる。
【0007】
しかし、この場合、モノクロ専用の撮像ユニットや信号処理回路を新たに追加してカメラを再構成しなければならないという問題があった。また、輝度信号のみの特殊な圧縮方式を採用すると、出力される画像データは従来の再生方式では再生できなくなってしまい、さらには、画像データの記録フォーマットについても特殊な白黒モードを用意する必要が発生し、この場合も、モノクロ専用のカメラと同様に、従来のカメラおよび画像データの再生装置との互換性が保たれず、従来の再生装置では画像を再生することができないという問題があった。
【0008】
たとえば、本出願人による特許出願、特開平2-107094号の「静止画のディジタル記録装置」には、白黒モードが選択されているときには、輝度成分に関する原画像データのみを圧縮符号化したデータを、メモリ・カートリッジの輝度成分記憶エリアおよび色差成分記憶エリアの両方にわたって記録するディジタルスチルカメラが開示されている。しかしこのような従来例では、記録データの互換性について充分に考慮されているとは言えず、たとえば、標準化された基本方式の範囲内で記録データを復号し、画像を再生することは困難であった。
【0009】
このように従来のカラー画像データを出力して記憶媒体に記録するディジタルスチルカメラの構成を大幅に変更する必要があり、これらがコストアップの要因となってしまって、カラー画像に加えてモノクロ画像を出力することのできるディジタルスチルカメラを簡便な構成にて構築することが困難であった。そして、たとえば、カラー画像とモノクロ画像との双方に対応し、いずれの画像データであっても互換性が保たれている画像データを出力および記録するディジタルスチルカメラを簡便な構成で実現することが困難であった。
【0010】
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑み、カラー画像データを出力する従来の画像処理システムとの互換性を保ちつつ、簡便な構成でモノクロの画像を表示する符号化データを出力することのできる画像データ圧縮符号化装置およびその方法ならびにディジタルカメラを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、カラー画像を表わす輝度成分および色差成分を含む画像データを圧縮符号化して出力する画像データ圧縮符号化装置において、この装置は、画像データを処理して出力する信号処理手段と、信号処理手段から出力された画像データを蓄積する蓄積手段であって、蓄積した画像データを各成分毎に、それぞれ所定のブロックに分割して読み出して出力する蓄積手段と、蓄積手段から出力される画像データを各成分ごとに圧縮して符号化する圧縮符号化手段と、符号化手段から出力される符号化データを出力する出力手段と、画像データを圧縮する処理モードを制御する制御手段とを含み、制御手段は、画像データをモノクロ画像を表わすように圧縮符号化して出力させるモノクロ処理モードを選択すると、画像データの色差成分を所定の値に固定させて、固定された色差成分と輝度成分とを圧縮符号化手段にて圧縮符号化処理させることを特徴とする。
【0012】
この場合、信号処理手段は、RGBカラー画像信号を入力して、画像信号を輝度成分および色差成分を含む画像データに変換し、モノクロ処理モードが選択されると、画像データの色差成分を所定の値に固定させて出力するとよい。
【0013】
この場合さらに、この装置は、RGBカラー画像信号を生成して出力する信号生成手段を含むとよい。
【0014】
この場合、信号生成手段は、被写界を撮像して、被写界に応じた画像信号を生成する撮像手段を含み、撮像手段の撮像面にはRGBカラーフィルタが配設されているとよい。
【0015】
また、出力手段は、圧縮符号化手段にて処理された符号化データを記録媒体に記録する記録手段を含み、符号化データを所定の記録形式にて記録媒体に記録するとよい。
【0016】
この場合、記録媒体は、半導体メモリを含むメモリカードであり、出力手段は、圧縮符号化手段にて処理された符号化データをメモリカードに書き込むとよい。
【0017】
また、圧縮符号化手段は、蓄積手段から読み出される画像データを直交変換する直交変換手段と、直交変換された変換係数を正規化する量子化手段と、正規化された変換係数に所定の符号を割り当てる符号化手段とを含むとよい。
【0018】
この場合、量子化手段は、蓄積手段から読み出されて直交変換された変換係数のうち、色差成分のAC成分を0に量子化して正規化するとよい。
【0019】
また、圧縮符号化手段は、圧縮符号化されるデータを所定長以下に制限して出力させる符号量制御手段を含むとよい。
【0020】
この場合、符号量制御手段は、所定長の総符号量から固定された色差成分を圧縮符号化した場合の符号量を減算した値を、輝度成分に対する目標符号量に設定し、輝度成分の符号量を目標符号量以下に制限するとよい。
【0021】
また、圧縮符号化手段は、JPEG方式に準拠した圧縮符号化処理を行なうとよい。
【0022】
また、上述の画像データ圧縮符号化装置を有するディジタルカメラは、操作者による手操作に応じた指示信号を出力する操作手段により、被写界を表わすカラー画像がモノクロ画像として再生されるように圧縮符号化させる指示信号に応動して、制御手段は、モノクロ処理モードを選択し、画像データの色差成分を所定の値に固定させて、圧縮符号化手段にて圧縮符号化処理させるとよい。
【0023】
また、本発明は上述の課題を解決するために、カラー画像を表わす輝度成分および色差成分を含む画像データを圧縮符号化して出力する画像データ圧縮符号化方法において、この方法は、画像データを処理する信号処理手段から出力された画像データを蓄積手段に蓄積し、蓄積された画像データを各成分毎に、それぞれ所定のブロックに分割して読み出すブロック化工程と、蓄積手段から読み出される画像データを各成分ごとに圧縮して符号化する圧縮符号化工程と、符号化手段から出力される符号化データを出力する出力工程とを含み、画像データをモノクロ画像を表わすように圧縮符号化して出力させるモノクロ処理モードが選択されると、画像データの色差成分を所定の値に固定させて、固定された色差成分と輝度成分とを圧縮符号化工程にて圧縮符号化処理させることを特徴とする。
【0024】
この場合、この方法は、画像データのうち色差成分を信号処理手段にて所定の値に固定させて出力させる信号処理工程を含み、ブロック化工程は、信号処理工程にて処理された輝度成分と所定の値に固定された色差成分とを蓄積手段に蓄積させ、蓄積された各成分毎に、それぞれ所定のブロックに分割して読み出すとよい。
【0025】
また、出力工程は、圧縮符号化工程にて処理された符号化データを所定の記録形式にて記録媒体に記録するとよい。
【0026】
また、圧縮符号化工程は、蓄積手段から読み出される画像データを直交変換する直交変換工程と、直交変換された変換係数を正規化する量子化工程と、正規化された変換係数に所定の符号を割り当てる符号化工程とを含むとよい。
【0027】
この場合、量子化工程は、蓄積手段から読み出されて直交変換された変換係数のうち、色差成分のAC成分を0に量子化して正規化するとよい。
【0028】
またこの方法は、圧縮符号化されるデータを所定長以下に制限して出力させる符号量制御工程を含むとよい。
【0029】
この場合、符号量制御工程は、所定長の総符号量から固定された色差成分を圧縮符号化した場合の符号量を減算した値を、輝度成分に対する目標符号量に設定し、輝度成分の符号量を目標符号量以下に制限するとよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明によるディジタルスチルカメラの一実施例を詳細に説明する。本実施例におけるディジタルスチルカメラ10は、図1に示すように、被写界を撮像部12にて撮像しその被写界像に応じた撮像信号を処理して、処理されたデータを圧縮符号化してメモリカードなどの記録媒体に記録するディジタルカメラである。このカメラ10は、たとえば、標準化されたJPEG方式にて画像データを圧縮符号化して出力するカメラであって、とくにカラーまたはモノクロを選択して撮影および記録することが可能なカラー撮影モードおよびモノクロ撮影モードを有するカメラであり、その選択情報は操作部14に対する操作に応じて設定される。なお、以下の説明において本発明に直接関係のない部分は、図示およびその説明を省略し、また、信号の参照符号はその現われる接続線の参照番号で表わす。
【0031】
このカメラ10の各部を説明すると撮像部12は、被写界を撮像して、その撮像画像に応じた撮像信号を出力する機能を有する撮像ユニットである。本実施例における撮像部12は、不図示の撮像レンズを介して入射されその撮像面に結像される被写界像に応じた電気信号を出力する撮像素子およびその駆動回路を有している。撮像部12には、不図示の絞り機構、光学ズーム機構およびオートフォーカス機構等が配設され、また、撮像レンズはたとえば近接撮影が可能となるようにマクロ機能を有し、カラーやモノクロの線画や文字など細密な絵柄が記録された印刷物などの被写体を撮影することができる。オートフォーカス(AF)機構としては、可視光線によるパッシブおよび赤外線によるアクティブ方式の測距および焦点調節機構が適用され、また、生成された撮像信号のコントラストに応じて制御を行なうコントラスト検出方式を用いてもよい。本実施例では、このようなAF機構によって、より鮮明な画像を得ることができる。
【0032】
撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子が有利に適用される。この撮像素子には、数十万画素〜百数十万画素の画素数を有するものが使用され、その撮像面にはRGBカラーフィルタが配設されている。本実施例の撮像素子は、たとえば水平方向(H) に640 画素、垂直方向(V) に480 画素の画面を形成する合計約30万の有効画素を有する原色正方形画素の撮像素子であり、不図示の駆動回路からの駆動信号にて駆動され、駆動に応じた電子シャッタ速度にて生成したRGBカラー画像信号を接続線100 を介して信号処理部16に入力させる。
【0033】
信号処理部16は、撮像部12から出力されるRGBカラー画像信号に階調補正および色補正などの適切な補正および撮像信号処理を施してさらに8ビットのディジタル値に変換するとともに、変換されたRGBカラー画像データを輝度データYおよび水平方向にサブサンプリングされた色差データCr,Cb にて構成される比率4:2:2 のYC画像データに変換する処理部である。信号処理部16は、たとえば 3×3 マトリックス回路を備え、RGB各成分のデータのそれぞれに所定の係数を掛けてそれぞれを加算する演算処理により輝度データYを算出し、またRGB各成分データに所定の係数を掛けて所定の加減算を行なって色差データをCr,Cb を算出する。なお、信号処理部16は、入力されるRGBカラー画像信号をアナログ画像信号処理をした後ディジタル値に変換し、変換されたRGBディジタル画像データを補正処理するディジタル画像処理機能を有してもよい。
【0034】
また、本実施例おける信号処理部16は、モノクロ撮影モードが設定されている場合には、制御部18から供給される制御信号102 に応動して、色差データCr,Cb の値を、ハードウエアにてそれぞれ実質的な0を表わすセンタ値の"128"(0x80h)に固定し、撮像信号100 に応じた輝度データYと、その値が固定された色差データCr,Cb とを出力104 に出力する機能を有している。なお、通常のカラー撮影モードが設定されている場合には、信号処理部16は、撮像部12から出力されるRGBカラー画像信号100 に応じた輝度データYおよび色差データCr,Cb を生成して出力する。固定する値は"128" に限らず他の所定の値でもよい。この場合、白黒ではなく単色階調、たとえばセピア調のモノクロ画像を表わすことができる。
【0035】
また、制御信号102 が、モノクロ撮影モードにおけるとくに強コントラスト撮影を指示する場合には、信号処理部16は、輝度データYの値が所定の閾値よりも大もしくは小であるかどうかに応じて、輝度データYを最大輝度レベルもしくは最小輝度レベルに固定して出力するように構成されてもよい。また、信号処理部16は、入力されるカラー画像信号に対して輪郭強調処理を施す機能を有し、制御部18から供給される制御信号に応動して輪郭強調されたディジタル画像データを生成する機能を有する。また、信号処理部16は、ディジタル画像データを画素補間して、撮像画像の所定部分の画像データを出力することにより、画像の所定部分を拡大するディジタルズーム処理を行なうことができる。
【0036】
信号処理部16の出力104 はメモリ制御部20に接続され、メモリ制御部20は、接続線106 に接続されたフレームメモリ22に対する画像データの書込みおよび読出しを制御するアクセス制御部である。フレームメモリ22は、少なくとも一コマの撮像画像を構成する輝度データYと色差データCrと色差データCbとをそれぞれ格納する記憶領域を有している。なおフレームメモリ22は、複数画面の画像データを格納する記憶容量を有し、たとえば連続的に撮影された複数コマの画像データを格納する記憶領域を有してもよい。この場合、フレームメモリ22の記憶領域は、拡張可能に増設されるとよい。
【0037】
メモリ制御部20はさらに、制御部18から接続線108 を介して供給される制御信号に応動して、フレームメモリ22に格納された輝度データYおよび各色差データCr,Cb のそれぞれについて、水平および垂直方向に8×8画素の複数のブロックに分割して読み出すブロック化機能を有する。メモリ制御部20にて各ブロック毎に分割されて各成分ごとに読み出される輝度データYおよび色差データCr,Cb は、接続線110 を介して接続された圧縮符号化部24に各データ毎に送られる。
【0038】
圧縮符号化部24は、フレームメモリ22から読み出されたブロックごとの画像データ110 をメモリ制御部20から受けて、たとえばベースラインDCT 符号化方式によって圧縮および符号化する処理部である。圧縮符号化方式としては、輝度および色差データごとに圧縮符号化して、符号化データをそれぞれの領域に形成することのできる圧縮符号化方式が適用される。本実施例のベースラインDCT 符号化方式による符号化データフレームは、圧縮符号化された輝度データY、色差データCrおよびCbがそれぞれコンポーネント毎に転送されて各成分毎に1つの画像が符号化されるノンインタリーブ方式が採用されている。
【0039】
また、圧縮符号化部24は、とくにモノクロ撮影モードのときには、色差データに割り当てるAC符号量を0として圧縮符号化する機能を有する。この圧縮符号化部24を図2を参照して詳細に説明すると、DCT/IDCT演算部30は、ブロックごとの画像データ110 を2次元直交変換する変換回路であって、本実施例では2次元直交変換として離散コサイン変換が有利に用いられる。DCT/IDCT演算部30は、2次元直交変換によって生成されたDCT 変換係数のDC成分とAC成分とを縦横に配列し、左上の部分をDC成分とし、右下の方向に向かうにつれてAC成分の高次のデータとなるように並べ変えて出力する。DCT/IDCT演算部30の出力200 は量子化/逆量子化部32に接続されている。
【0040】
量子化/逆量子化部32は、DCT/IDCT演算部30から出力されるDC成分およびAC成分を、それぞれ量子化テーブル34に格納された各成分に対応する量子化ステップ値にて正規化する処理部である。量子化/逆量子化部32は、符号量制御部36から供給される制御信号202 に応動して選択した量子化テーブルを用いて正規化処理を行なう。この場合、入力画像の特性などに応じて量子化テーブルが選択される。正規化されたDCT 変換係数はブロック状に配列され、AC成分の低域成分から順にジグザグ状にスキャンされ、接続線204 を介して接続されたハフマン符号化/復号部38に順次出力される。
【0041】
ハフマン符号化/復号部38は、入力204 に入力されるブロックごとに量子化されたデータをエントロピー符号化する処理部である。本実施例におけるハフマン符号化/復号部38は、量子化/逆量子化部32にて量子化されたデータに、ハフマン表40に格納されたハフマン符号を割り当てて符号化する。まず、ハフマン符号化/復号部38は、入力されたDC成分の予測値、つまり、直前のブロックのDC成分値との差分を符号化し、次いで、低域成分から順にジグザグ状にスキャンされたAC成分を符号化する。そして最終有効成分に対する符号の次にブロックの終了を示すEOB(End of Block) を挿入する。こうしてハフマン符号化/復号部38は、各ブロックのデータを符号化し、符号化された符号化データを接続線206 を介して接続された入出力バッファに順次出力し、輝度データYおよび色差データCr,Cb について順次符号化処理を行なう。また、このハフマン符号化/復号部38は、符号量制御部36から供給される制御信号208 にしたがって、符号化するデータを打ち切って最終有効成分を決定し、たとえば符号化データを所定長以下に制限する固定長化機能を有する。
【0042】
符号量制御部36は、圧縮符号化の精度に応じた総符号量に、圧縮符号化データのデータ量を制御する制御部である。符号量制御部36は、ハフマン符号化/復号部38から出力されるデータを所定の長さ以下のデータ量、たとえば固定長データとなるように、量子化/逆量子化部32、ハフマン符号化/復号部38および入出力バッファ42を制御する。また、符号量制御部は、画像の特徴を表わすアクティビティを算出し、算出したアクティビティから適切な量子化ステップを求めて画像データを圧縮符号化し、その際の符号量に基づいて画像データを再度圧縮する2パス符号量制御によって符号化データの符号量を所望の値以下に制御する。しかし符号量制御部36は、たとえば1パス方式などの他の方式によって総符号量を所望する値以下に制御してもよい。
【0043】
さらに本実施例における符号量制御部36は、制御部(CPU)18 から送られるモードデータに従って、モノクロ撮影モードのときにはAC符号量を0に指定し、ハフマン符号化/復号部38を制御する。具体的には符号量制御部36は、色差データのAC符号に割り当てる目標符号量を0に設定し、さらに、圧縮符号化の精度に応じた総符号量から色差データ(Cr,Cb) に関するDC符号量とEOB 符号量とをそれぞれ減算した値を、輝度データYに対する目標符号量としてハフマン符号化/復号部38に設定する。
【0044】
たとえば、色差データ(Cr,Cb) に必要な符号量は、DC成分が0のときには、JPEGデフォルト・ハフマン表では、各ブロック2ビットでありEOB は2ビットであるので、全ブロックでは4ビット×ブロック数となる。したがって、横縦640 ×480 画素で4:2:2 圧縮を行なう場合、色差データCrおよびCbに対する目標符号量は、DC成分については4800ビット(2ビット×2400ブロック)であり、EOB についても同様に4800ビット(2ビット×2400ブロック)であり合計9600ビットである。本実施例ではこれに、DC差分値の初期値との差分を考慮して16ビット相当を加えた総計9616ビットを色差データ全体に必要な符号量とする。そして、たとえば圧縮の精度が2bpp の場合における画像データに対する総符号量は、614400ビットであるので、符号量制御部36は、輝度データYに対する目標符号量をその総符号量(614400bit) から色差データ(Cr,Cb) の必要符号量(9616bit) を減算した値の604784ビットに設定する。
【0045】
入出力バッファ42は、符号量制御部36による制御のもと、符号化された符号化データを一時記憶し、いったん記憶した符号化データを圧縮符号化部24の出力に接続された記録制御部50に出力する緩衝メモリである。
【0046】
記録制御部50は、圧縮符号化部24から出力される符号化データを、着脱可能に接続される記録媒体52に記録する制御を行なう機能を有する。本実施例における記録媒体52は、半導体メモリを含むメモリカードが有利に適用される。しかし記録媒体52はこれに限らず、たとえば光ディスクおよび磁気ディスクなどの回転記録媒体や磁気テープおよび光もしくは磁気カードなどのシーケンシャルな情報記録媒体であってもよく、さらには、アナログおよびディジタル伝送路を介して接続される情報記録装置などの他の情報機器に対し符号化データを伝送する伝送装置でもよい。
【0047】
ここで本実施例における記録媒体52(メモリカード)への記録形式を図3を参照して説明すると、同図にはJPEG方式に準拠したベースラインDCT 符号化に対応する記録フォーマットが示されている。本実施例におけるカメラ10は、ハフマン符号化/復号部38から出力される符号化データを同図に示す形式にて記録するように構成されている。この記録フォーマットはカラー撮影モードにて生成した符号化データを記録する場合と、モノクロ撮影モードにて生成した符号化データを記録する場合とでは同一の構成でよく、このようにして記録された圧縮符号化データは、本カメラ10および本JPEG方式に対応する通常の再生装置にて再生される。
【0048】
図示するように記録フォーマットの基本構成は、カラー静止画圧縮標準(JPEG)の「要求とガイドライン;ISO/IEC DIS 10918-1 」に準拠しており、圧縮データスタートコード(SOI) を先頭に、アプリケーション付属情報(APP1)と、量子化テーブル(DQT) と、ハフマン符号化テーブル(DHT) と、フレームヘッダ(SOF) と、スキャンヘッダ(SOS) と、実際の圧縮データであるエントロピー符号化データとエントロピー符号化データ終了コード(EOI) とを含む形式にて1画像(イメージ)の圧縮符号化データが構成される。
【0049】
圧縮データスタートコード(SOI:Start of Image)は、圧縮データの開始を示す画像全体の先頭マーカーである。アプリケーション付属情報(APP1:Reserved for Application Segments)は、アプリケーションが自由に利用することができるマーカーコードであり、本実施例におけるモノクロ撮影モードによる画像記録には使用しないが、その他の用途、たとえば、フレームに記録される圧縮符号化データの縮小画像を表わすデータなどを記録しておき、対応するアプリケーションなどで使用することができる。
【0050】
量子化テーブル(DQT:Define Quantization Table) は、量子化のためのテーブル番号、精度および量子化ステップサイズを示す情報である。量子化テーブル(DQT) には、図4にその詳細構成を示すように、マーカープリフィックスと、量子化テーブル定義を示すDQT と、DQT 以降のサイズを示すフィールド長と、精度(Pq=0(8bit))および量子化テーブル番号(Nq=0,1,2)と、輝度データ(Y) および色差データ(B-Y(Cb),R-Y(Cr)) に対する量子化テーブル(Y,B-Y,R-Y) とが表示される。
【0051】
ハフマン符号化テーブル(DHT:Define Huffman Table)は、ハフマンテーブル(テーブル番号、符号長、符号シンボル)を示す情報である。ハフマン符号化テーブル(DHT) には、図5にその詳細構成を示すように、マーカープリフィックスと、ハフマンテーブルを示すDHT と、DHT 以降のサイズを示すフィールド長と、輝度データおよび色差データについての各DC成分およびAC成分のテーブル番号と、ハフマン符号シンボルを表わすDHT パラメータとが表示される。
【0052】
フレームヘッダ(SOF:Start of Frame)は、符号化のアルゴリズムやエントロピー符号化方式を指定するマーカーであってフレームの開始を示す情報である。本実施例では、ベースラインDCT 符号化フレームを示すSOF0が表示される。フレームヘッダ(SOF) には、図6にその詳細構成を示すように、マーカープリフィックスと、フレームヘッダを示すSOF と、自己以降のサイズを示すフィールド長と、1画素あたりのビット数を表わすデータの精度と、画像の大きさを表わす垂直ライン数および水平画素数と、フレーム内の成分の数を表わすコンポーネント数(3) とを含み、各コンポーネント(1,2,3) はさらに、コンポーネント番号と、水平および垂直方向のサンプリング比(H0,H1,H2,V0,V1,V2) と、各成分が用いる量子化テーブル番号とが表示される。
【0053】
スキャンヘッダ(SOS:Start of Scan) は、スキャンの先頭マーカーを示す情報である。本実施例におけるフレームセグメントは、輝度および色差の各成分に対応する3つのスキャンを有し、各スキャン毎にスキャンヘッダが配置されている。
【0054】
エントロピー符号化データ終了コード(EOI:End of Image)は、エントロピー符号化データの終了を示す画像全体の終了マーカーである。
【0055】
図1に戻って制御部(CPU)18 は、カメラ10全体を制御する制御回路である。この制御部18は、たとえばマイクロコンピュータなどの処理システムにて構成され、各部にて必要な基準信号を供給し、たとえば、操作部14からのレリーズ指示をトリガとして、撮像部12における撮像処理、信号処理部16における信号処理、メモリ制御部20における書込みおよび読出処理および圧縮符号化部24における圧縮符号化処理を制御する。さらに、制御部18は、記録制御部50に装填される記録媒体52に対する情報の書込みおよび読出しを制御する機能を有する。とくに本実施例における制御部36は、操作部14に対する操作者の操作情報に応動して各撮影モードのいずれかを選択して、選択した撮影モードを各部に設定する制御信号を生成する機能を有し、各処理部を撮像モードに応じた動作を行なうように制御する。
【0056】
表示部54はカメラの動作状態などの情報を出力するディスプレイ装置である。なお、この表示部54がカラーLCD パネルなどの画像表示装置にて形成される場合には、撮像された画像データに応じた画像を表示するようにしてもよい。
【0057】
以上のような構成で、本実施例におけるディジタルスチルカメラ10の動作を説明する。まず、操作部14への操作に従って動作モードがカラー撮影モードに設定されている場合について説明すると、操作部14への手操作に応じたレリーズ指示が制御部18に入力され、撮像部12に対し撮影を指示する制御信号が出力される。これに応動して撮像部12では、焦点調節および絞り制御、電子シャッタ制御が行なわれて、被写界に応じた画像信号が生成される。生成された画像信号は、信号処理部16にて、階調および色補正処理が施され、さらにディジタル値のRGBカラー画像データに変換される。画像データはさらに輝度データYと色差データCr,Cb とからなるYC画像データに変換処理されて、処理された輝度データYおよび色差データCr,CB は、メモリ制御部20の制御によりフレームメモリ22に格納される。
【0058】
1コマ分の画像データがフレームメモリ22に記憶されると、次に、その輝度データYが8×8画素のブロックに分割されて読み出され、次いで、色差データCrと色差データCbとが順次それぞれブロックごとに読み出されて圧縮符号化部24に入力される。圧縮符号化部24のDCT/IDCT演算部30では、フレームメモリ22からブロックごとに読み出された輝度データYを各ブロック毎に離散コサイン変換し、生成されたDC成分とAC成分とが並べ替えられて出力される。輝度データYの変換処理が終了すると、色差データCr,Cb が同様にして順次離散コサイン変換され、生成されたDC成分とAC成分とが並べ替えられて出力される。
【0059】
DCT/IDCT演算部30からそれぞれ出力されたDC成分およびAC成分は、量子化/逆量子化部32に入力され、量子化テーブルに格納された各成分に対応する量子化ステップにてそれぞれ正規化される。正規化された各成分の変換係数は、ブロック状に配列されて、配列されたDC成分に次いでAC成分の低域成分からジグザグ状にスキャンされて出力される。
【0060】
量子化/逆量子化部32にて量子化された各成分の変換係数は、ハフマン符号化/復号部38に入力されて、ハフマン表に格納されたハフマン符号がそれぞれ割り当てられて符号化される。各成分の最初のブロックのDC成分については、そのDC成分の値が符号化され、各成分の以降のブロックのDC成分では、そのDC成分値と直前のブロックのDC成分値との差分が予測値として符号化される。また、各成分のAC成分は、低域成分からジグザク状にスキャンされて入力される順に符号化される。この符号化処理の際に、符号量制御部36からの符号量制御に応じて最終有効成分にて符号化処理が打ち切られ、各成分の符号化データの最後にEOB が挿入されてハフマン符号化/復号部38から出力される。
【0061】
ハフマン符号化/復号部38から出力された符号化データは、入出力バッファ42にいったん蓄積された後、この圧縮符号化部24に接続された記録制御部50に出力される。記録制御部50では、入力された符号化データを、記録媒体52に応じた記録形式に変換して、変換された記録信号が記録媒体52に記録される。
【0062】
このように通常のカラー撮影モードでは、被写界に応じたカラー画像が記録媒体52に記録される。このようにして記録媒体52に記録された符号化データは、本カメラ10に読み出して再生することができる。たとえば圧縮符号化部24では、記録制御部50により記録媒体52から読み出された符号化データを入力出力バッファ42を介して入力し、ハフマン符号化/復号部38にて復号する。復号されたデータは、量子化/逆量子化部32にて逆量子化されて、処理されたデータはDCT/IDCT演算部30にて逆離散コサイン変換される。このようにして復号処理された画像データはメモリ制御部20を介してフレームメモリ22に一旦蓄積され、このデータが表示部54に出力されると、その画像データに応じた画像がその表示面に表示される。
【0063】
次に、操作部14への操作に従って動作モードがモノクロ撮影モードに設定された場合について説明すると、カラー撮影モードと同様にして、操作部14からのレリーズ指示に応動して、撮像部12にて撮像された画像信号が信号処理部16に入力される。信号処理部16では、入力された画像信号が階調および色補正されて、さらにディジタル値に変換される。ここで、たとえば制御部18より輪郭強調を指示する制御信号102 が信号処理部16に供給されている場合には、画像信号がさらに輪郭強調処理されてディジタル値に変換される。
【0064】
変換されたRGB画像データは、さらに、演算処理されて輝度データYと色差データCr,Cb とが算出され、算出された輝度データYは、メモリ制御部20を介してフレームメモリ22に蓄積される。また、算出された色差データCrと色差データCbとは、それぞれ、信号処理部16にて値"128" に固定され、その値が固定された色差データCr,Cb はそれぞれメモリ制御部20を介してフレームメモリ22に蓄積される。
【0065】
このようにしてフレームメモリ22に蓄積された輝度データYと色差データCr,Cb とは、カラー撮影モードと同様にして各成分毎に順次読み出される。また、モノクロ撮影モードに応じた制御信号を制御部18から入力すると符号量制御部20では、その制御信号に従って輝度データYに対する符号量が算出される。たとえば本実施例では前述したように、圧縮符号化の精度に応じた総符号量から色差データに対するDC符号量とEOB 符号量とをそれぞれ減算し、演算結果が輝度データYに対する目標符号量として算出され、この目標符号量が符号量制御部36からハフマン符号化/復号部38に設定される。
【0066】
圧縮符号化部24のDCT/IDCT演算部30に入力されたブロックごとの輝度データYは、そのブロックごとに離散コサイン変換され、生成された変換係数のDC成分とAC成分とが並べ替えられて量子化/逆量子化部32に出力される。量子化/逆量子化部32では入力された変換係数が、輝度データYに対応する量子化ステップに従って正規化され、正規化された変換係数は、ブロック状に配列されて、配列されたDC成分に次いでAC成分の低域成分からジグザグ状にスキャンされて出力される。
【0067】
量子化/逆量子化部32から出力された輝度データYの変換係数はハフマン符号化/復号部38に入力され、ハフマン表に格納されたハフマン符号がそれぞれ割り当てられて符号化される。最初のブロックのDC成分については、そのDC成分の値が符号化され、各成分の以降のブロックのDC成分は、そのDC成分値と直前のブロックのDC成分値との差分が予測値として符号化される。またAC成分は、低域成分からジグザク状にスキャンされて入力される順に符号化される。この符号化処理の際に、符号量制御部36からの目標符号量に応じた符号量制御により符号化処理が打ち切られ、符号化データの最後にEOB が挿入されてハフマン符号化/復号部38から出力される。
【0068】
次に、色差データCrがフレームメモリ22からブロックごとに読み出されて圧縮符号化部に入力される。この色差データは、値が"128" に固定されており、この値が固定された色差データCrは、DCT/IDCT演算部30にて離散コサイン変換されて量子化/逆量子化部32に入力されて正規化され、正規化された色差データCrの変換係数はハフマン符号化/復号部38に入力される。
【0069】
ハフマン符号化/復号部38では入力された各ブロックの変換係数にハフマン符号を割り当てて出力する。このとき、色差データCrのDC成分は、最初のブロックではそのDC成分の値に対しハフマン符号が割り当てられ、以降のブロックに対しては、最初のブロックのDC成分との差分に対してハフマン符号が割り当てられる。そして、この差分値は、各ブロックにてそれぞれ同一の値であるので、DC差分が0となって、ハフマン表に従って2ビットのハフマンコードが割り当てられる。ハフマン符号化/復号部38は、符号量制御部36により、この色差データに対するAC符号量が0に設定されているのでAC成分についてはハフマンコードを割り当てず、ハフマンコードが割り当てられたDC成分に続き2ビットのEOB コードを挿入し、これらを各ブロックについて行なって色差データCrを符号化して出力する。符号化処理された色差データCrの符号化データは、入出力バッファ42を介して記録制御部50に出力され、記録媒体52の所定の記録位置に書き込まれる。色差データCrに対する符号化処理が終了すると、同様にして色差データCbをフレームメモリ22から読み出して同様の圧縮符号化処理が行なわれ、処理された符号化データが記録媒体52に記録される。
【0070】
このようにしてモノクロ撮影モードでは、被写界に応じたモノクロ画像を表わす画像データが、カラー画像の形式にて記録媒体に記録される。したがって、このようにして記録媒体に記録された符号化データは、カラー撮影モードにて記録された符号化データの再生時と同様にしてカメラ10に読み込んで再生することができる。しかし再生され、たとえば表示部54のカラー液晶パネルに表示される画像は、色差データが0に固定されているためモノクロ画像となっている。
【0071】
上記実施例では、信号処理部16にて色差データを、実質的な0を表わす"128" に固定したが、これに限らず、量子化/逆量子化部32にて色差データの各成分に対する正規化処理を行なう際に、そのAC成分の値を0に量子化して正規化するように量子化/逆量子化部32を構成してもよい。これは、たとえば信号処理部16で色差データを固定値にすることができない場合にとくに有効であり、この場合における符号化データに対する符号量制御は、上記実施例における制御と同様に目標符号量を設定する制御でよい。
【0072】
以上説明したように、上記実施例では、符号化された画像データが記録媒体にカラー画像として記録される。しかし実際には、色差データに割り当てられる符号は、DC成分とEOB のみとなって、カラー画像として最小限必要な符号のみが符号化され記録されている。したがって、このようにして記録されたデータを、カラー画像と同様の方法で再生することができ、しかも白黒などのモノクロ画像を再生することができる。
【0073】
このように従来の電子スチルカメラで使用されていた圧縮符号化システムで、そのパラメータを変更するという簡潔な構成で、モノクロ画像を出力することができる。とくに、モノクロ撮影モードでは、色差データのAC成分に割り当てられるべき符号量を輝度成分に割り当てることができるようになり、このため同じ総符号量であっても高画質化が達成される。
【0074】
なお、上記実施例では、動作モードとして、カラー撮影モードと、モノクロ撮影モードとを有するディジタルスチルカメラについて説明したが、本発明はこれに限らず、本発明は、たとえばカラー圧縮符号化モードとモノクロ圧縮符号化モードとを有する圧縮符号化装置に適用してもよく、また、カラー記録モードとモノクロ記録モードとを有し、画像データを圧縮符号化して記録媒体に記録する記録装置に適用してもよい。
【0075】
また、上記実施例では、静止画像圧縮処理としてJPEG方式を採用したが、本発明はこれに限らず、他の方式、たとえば連続する複数コマを圧縮符号化して出力する動画像圧縮方式にも適用することができる。
【0076】
また、本発明は、符号量制御とは無関係に実現することができ、たとえば、画像の特徴を表わすアクティビティを算出し、算出したアクティビティをフィードフォワードして量子化ステップを求めて画像データを圧縮する第1のステップと、その際の符号量に基づいて量子化ステップを補正して更新するフィードバック処理を行なって画像データを再度圧縮する第2のステップとを備えた2パス符号量制御方式に適用することができる。このように本発明は、フィードフォワード方式およびフィードバック方式のいずれの符号量制御方式にも適用することができる。
【0077】
さらに、上記実施例では、輝度データYをそのまま圧縮符号化したが、たとえば、信号処理部16において、輝度データYを所定の閾値にて最大および最小の2値のデータに固定する信号処理を行ない、このように2値化された輝度データと、値が固定化された色差データとを圧縮符号化処理することによって、カラー画像の出力・記録形式でありながら、より鮮明な2値画像を表わす符号化データを生成することができる。
【0078】
【発明の効果】
このように本発明によれば、カラー画像データの色差成分の値を変更して、所定の値に固定し圧縮符号化する簡便な構成で、カラー画像に対応する符号化データが生成され、再生するとセピア調のモノクロームの画像が再生される符号化データが作成される。この場合、色差成分に割り当てられる符号量は最小限でよいので、残りを輝度成分に対する符号量として割り当てることができる。輝度成分に対し、より多くの割り当てることができるので、全体としてカラー撮影モードと同じ符号量であっても、モノクロ撮影モードでは、高精細画像をモノトーンにて鮮明に表現する高解像度の符号化データを得ることができる。このようにして生成された符号化データは、通常のカラー画像が符号化されたデータと同様にして再生することができ、符号化データの互換性および汎用性が確保されている。また、符号量制御を行なう場合においてもとくに複雑な制御を行なう必要がなく、通常のカラー画像を圧縮符号化する場合と同様に、所望する符号量以下に符号化データの総符号量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたディジタルスチルカメラの一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した実施例における圧縮符号化部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した実施例における記録媒体に対する符号化データの記録形式を示す図である。
【図4】図3に示した量子化テーブル定義(DQT) の詳細内容を示す図である。
【図5】図3に示したハフマンテーブル定義(DHT) の詳細内容を示す図である。
【図6】図3に示したフレームヘッダ(SOF) の詳細内容を示す図である。
【符号の説明】
10 ディジタルスチルカメラ
12 撮像部
16 信号処理部
18 制御部(CPU)
20 メモリ制御部
22 フレームメモリ
24 圧縮符号化部
50 記録制御部
52 記録媒体
Claims (9)
- 被写界を撮像して、該被写界に応じたカラー画像データを圧縮符号化して出力するディジタルカメラにおいて、該カメラは、
前記被写界を結像する撮像面にRGBカラーフィルタが配設され、該RGBカラーフィルタに応じたカラー画像を表すRGBカラー画像信号を生成する撮像手段と、
前記カラー画像信号を処理して、該カラー画像信号に対応するカラー画像データとして輝度成分および色差成分を含むカラー画像データを生成する信号処理手段と、
前記カラー画像データを蓄積し、該蓄積したカラー画像データを前記輝度成分および色差成分の各成分のそれぞれ所定のブロックに分割して読み出して出力する蓄積手段と、
該蓄積手段から出力されるカラー画像データを前記各成分ごとに圧縮符号化して符号化データを生成する圧縮符号化手段と、
前記符号化データを出力する出力手段と、
前記被写界を撮影する撮影モードとして、前記カラー画像データをセピア調画像を表わすように出力させるモノクロ撮影モードと、前記カラー画像データをカラー画像を表すように出力させるカラー撮影モードとを制御する制御手段とを含み、
該制御手段は、前記モノクロ撮影モードが選択されると、前記画像データの色差成分を前記セピア調画像を表すための所定の値に固定させ、前記カラー撮影モードが選択されると、前記画像データの色差成分を前記所定の値に固定せず、
前記圧縮符号化手段は、前記モノクロ撮影モードでは、前記所定の値に固定された色差成分と前記輝度成分とを圧縮符号化し、前記カラー撮影モードでは、前記所定の値に固定されていない色差成分と前記輝度成分とを圧縮符号化し、
前記出力手段は、前記モノクロ撮影モードでは、前記圧縮符号化手段にて生成される符号化データを前記セピア調画像を再生可能に出力し、前記カラー撮影モードでは、前記圧縮符号化手段にて生成される符号化データを前記カラー画像を再生可能に出力することを特徴とするディジタルカメラ。 - 請求項1に記載のカメラにおいて、前記圧縮符号化手段は、前記カラー画像データを所定長以下に制限して出力させる符号量制御手段を含み、該符号量制御手段は、前記所定長の総符号量から前記固定された色差成分を圧縮符号化した場合の符号量を減算した値を、前記輝度成分に対する目標符号量に設定し、該輝度成分の符号量を該目標符号量以下に制限することを特徴とするディジタルカメラ。
- 請求項1に記載のカメラにおいて、前記信号処理手段は、前記RGBカラー画像信号を入力して、該画像信号を前記輝度成分および色差成分を含むカラー画像データに変換する変換手段と、前記モノクロ処理モードが選択されると、前記カラー画像データの色差成分を前記所定の値に固定させて出力する手段とを含み、
前記出力手段は、前記圧縮符号化手段にて処理された符号化データを記録媒体に記録する記録手段を含み、該符号化データを静止画像の記録形式にて前記記録媒体に記録し、
前記記録媒体は、半導体メモリを含むメモリカードであり、前記出力手段は、前記圧縮符号化手段にて処理された符号化データを前記メモリカードに書き込むことを特徴とするディジタルカメラ。 - 請求項3に記載のカメラにおいて、前記圧縮符号化手段は、
前記蓄積手段から読み出される画像データを直交変換する直交変換手段と、
該直交変換された変換係数を正規化する量子化手段と、
正規化された変換係数に所定の符号を割り当てる符号化手段とを含み、
静止画像圧縮処理としてJPEG方式に準拠する圧縮符号化処理を行なうことを特徴とするディジタルカメラ。 - 請求項1に記載のカメラにおいて、前記符号化手段は、前記モノクロ撮影モードでは、前記色差成分のDC成分とEOB (End of Block)とに符号を割り当て、前記輝度成分のAC成分と前記DC成分と前記EOBとに符号を割り当てて符号化し、前記カラー撮影モードでは、前記色差成分と前記輝度成分とのそれぞれのAC成分とDC成分とEOB (End of Block)とに符号を割り当てて符号化することを特徴とするディジタルカメラ。
- 請求項1に記載のカメラにおいて、該カメラは、操作者による手操作に応じた指示信号を出力する操作手段を含み、前記被写界を表わすカラー画像が前記セピア調の画像として再生されるように撮影する指示信号に応動して、前記制御手段は、前記モノクロ撮影モードを選択することを特徴とするディジタルカメラ。
- 請求項1に記載のカメラにおいて、前記信号処理手段は、前記輝度成分の値に応じて、該輝度成分を最大輝度レベルまたは最小輝度レベルに固定して出力することを特徴とするディジタルカメラ。
- 請求項1に記載のカメラにおいて、前記信号処理手段は、入力されるカラー画像信号に対して輪郭強調処理を施すことを特徴とするディジタルカメラ。
- 請求項1に記載のカメラにおいて、前記信号処理手段は、前記カラー画像データを画素補間してディジタルズーム処理を行なうことを特徴とするディジタルカメラ。
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