JPH10271530A - 画像データ圧縮符号化装置およびその方法ならびにディジタルカメラ - Google Patents

画像データ圧縮符号化装置およびその方法ならびにディジタルカメラ

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JPH10271530A
JPH10271530A JP6978897A JP6978897A JPH10271530A JP H10271530 A JPH10271530 A JP H10271530A JP 6978897 A JP6978897 A JP 6978897A JP 6978897 A JP6978897 A JP 6978897A JP H10271530 A JPH10271530 A JP H10271530A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー画像データを圧縮符号化して出力する
際に、従来からの互換性を考慮してモノクロ画像を表わ
す符号化データを生成して出力する。 【解決手段】 撮像部10から出力されたRGBカラー画
像データは、信号処理部16にて信号処理されて輝度およ
び色差データからなるYC画像データが生成される。こ
のとき制御部18によってモノクロ撮影モードが設定され
ていると、色差データの値が0に固定されて出力され、
輝度データおよび値が固定された色差データはフレーム
メモリ22に一旦格納された後、各成分ごとに、ブロック
ごとに分割されて圧縮符号化部24に読み出される。圧縮
符号化部24では、入力された画像データがJPEG方式にて
符号化される。とくに色差データの符号化データはその
DC成分とEOB のみにハフマンコードが割り当てられるの
で、所望する総符号量から色差データに対する符号割当
量を減算した値が輝度データに対する目標符号量として
設定されて輝度データが符号化され、次いで各成分の色
差データが順次符号化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー画像を表わ
す画像データを入力して圧縮符号化して出力する画像デ
ータ圧縮符号化装置およびその方法ならびにディジタル
カメラに係り、たとえば、撮像されて生成された画像デ
ータを、カラーモードおよびモノクロモードにて圧縮符
号化して記録媒体に記録させる画像処理装置およびその
方法ならびにディジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CCD などの固体撮像素子にて撮像
された被写界像を表わすカラー画像信号をディジタル信
号に変換し、変換された画像データを2次元直交変換な
どの変換方式によって圧縮および符号化して半導体メモ
リや磁気ディスクなどの画像データ記憶媒体に記録する
画像処理装置として、たとえばディジタルスチルカメラ
が知られている。
【0003】このようなディジタルスチルカメラでは、
たとえば、輝度データおよび色差データがブロックイン
ターリーブされたカラー画像データを2次元直交変換お
よび符号化されることによって、処理された符号化デー
タが、たとえば、所定の符号量となるように圧縮符号化
され、圧縮符号化データが所望の記憶媒体に記憶され
る。
【0004】圧縮符号化方式としては、たとえば、「IS
O/IEC DIS 10918-1 」に準拠した、いわゆるJPEG方式が
用いられ、処理された画像データは、単にプリント出力
されるだけではなく、汎用のパーソナルコンピュータに
よってさらに処理加工することができ、様々な形式に変
換される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ディジタルスチルカメラでは、自然画などの被写界像を
撮影しそのカラー画像を出力するすることを主眼として
構成されているので、たとえば線画や文字、さらにはモ
ノトーンなどのモノクロ画像を出力するためには特殊な
構成が必要となって、そのモノクロ画像データを記憶媒
体に記憶させる際の記録フォーマットやカメラ自体の構
成を大幅に変更せざるを得なかった。
【0006】たとえば、モノクロ画像データを記憶媒体
に記録する方法として、被写界を撮像するCCD などの撮
像素子にカラーフィルタが配設されていないモノクロ専
用の撮像素子を採用したり、また、モノクロ撮影時に
は、カラー画像用のカラーフィルタを撮像素子の前面か
ら除去したりする構成が必要となり、さらにはモノクロ
専用の信号処理回路を新たに設けて、撮像信号のうち輝
度信号のみを生成して圧縮符号化する方法が考えられ
る。
【0007】しかし、この場合、モノクロ専用の撮像ユ
ニットや信号処理回路を新たに追加してカメラを再構成
しなければならないという問題があった。また、輝度信
号のみの特殊な圧縮方式を採用すると、出力される画像
データは従来の再生方式では再生できなくなってしま
い、さらには、画像データの記録フォーマットについて
も特殊な白黒モードを用意する必要が発生し、この場合
も、モノクロ専用のカメラと同様に、従来のカメラおよ
び画像データの再生装置との互換性が保たれず、従来の
再生装置では画像を再生することができないという問題
があった。
【0008】たとえば、本出願による特許出願、特開平
2-107904号の「静止画のディジタル記録装置」には、白
黒モードが選択されているときには、輝度成分に関する
原画像データのみを圧縮符号化したデータを、メモリ・
カートリッジの輝度成分記憶エリアおよび色差成分記憶
エリアの両方にわたって記録するディジタルスチルカメ
ラが開示されている。しかしこのような従来例では、記
録データの互換性について充分に考慮されているとは言
えず、たとえば、標準化された基本方式の範囲内で記録
データを復号し、画像を再生することは困難であった。
【0009】このように従来のカラー画像データを出力
して記憶媒体に記録するディジタルスチルカメラの構成
を大幅に変更する必要があり、これらがコストアップの
要因となってしまって、カラー画像に加えてモノクロ画
像を出力することのできるディジタルスチルカメラを簡
便な構成にて構築することが困難であった。そして、た
とえば、カラー画像とモノクロ画像との双方に対応し、
いずれの画像データであっても互換性が保たれている画
像データを出力および記録するディジタルスチルカメラ
を簡便な構成で実現することが困難であった。
【0010】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
み、カラー画像データを出力する従来の画像処理システ
ムとの互換性を保ちつつ、簡便な構成でモノクロの画像
を表示する符号化データを出力することのできる画像デ
ータ圧縮符号化装置およびその方法ならびにディジタル
カメラを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、カラー画像を表わす輝度成分および色差
成分を含む画像データを圧縮符号化して出力する画像デ
ータ圧縮符号化装置において、この装置は、画像データ
を処理して出力する信号処理手段と、信号処理手段から
出力された画像データを蓄積する蓄積手段であって、蓄
積した画像データを各成分毎に、それぞれ所定のブロッ
クに分割して読み出して出力する蓄積手段と、蓄積手段
から出力される画像データを各成分ごとに圧縮して符号
化する圧縮符号化手段と、符号化手段から出力される符
号化データを出力する出力手段と、画像データを圧縮す
る処理モードを制御する制御手段とを含み、制御手段
は、画像データをモノクロ画像を表わすように圧縮符号
化して出力させるモノクロ処理モードを選択すると、画
像データの色差成分を所定の値に固定させて、固定され
た色差成分と輝度成分とを圧縮符号化手段にて圧縮符号
化処理させることを特徴とする。
【0012】この場合、信号処理手段は、RGBカラー
画像信号を入力して、画像信号を輝度成分および色差成
分を含む画像データに変換し、モノクロ処理モードが選
択されると、画像データの色差成分を所定の値に固定さ
せて出力するとよい。
【0013】この場合さらに、この装置は、RGBカラ
ー画像信号を生成して出力する信号生成手段を含むとよ
い。
【0014】この場合、信号生成手段は、被写界を撮像
して、被写界に応じた画像信号を生成する撮像手段を含
み、撮像手段の撮像面にはRGBカラーフィルタが配設
されているとよい。
【0015】また、出力手段は、圧縮符号化手段にて処
理された符号化データを記録媒体に記録する記録手段を
含み、符号化データを所定の記録形式にて記録媒体に記
録するとよい。
【0016】この場合、記録媒体は、半導体メモリを含
むメモリカードであり、出力手段は、圧縮符号化手段に
て処理された符号化データをメモリカードに書き込むと
よい。
【0017】また、圧縮符号化手段は、蓄積手段から読
み出される画像データを直交変換する直交変換手段と、
直交変換された変換係数を正規化する量子化手段と、正
規化された変換係数に所定の符号を割り当てる符号化手
段とを含むとよい。
【0018】この場合、量子化手段は、蓄積手段から読
み出されて直交変換された変換係数のうち、色差成分の
AC成分を0に量子化して正規化するとよい。
【0019】また、圧縮符号化手段は、圧縮符号化され
るデータを所定長以下に制限して出力させる符号量制御
手段を含むとよい。
【0020】この場合、符号量制御手段は、所定長の総
符号量から固定された色差成分を圧縮符号化した場合の
符号量を減算した値を、輝度成分に対する目標符号量に
設定し、輝度成分の符号量を目標符号量以下に制限する
とよい。
【0021】また、圧縮符号化手段は、JPEG方式に準拠
した圧縮符号化処理を行なうとよい。
【0022】また、上述の画像データ圧縮符号化装置を
有するディジタルカメラは、操作者による手操作に応じ
た指示信号を出力する操作手段により、被写界を表わす
カラー画像がモノクロ画像として再生されるように圧縮
符号化させる指示信号に応動して、制御手段は、モノク
ロ処理モードを選択し、画像データの色差成分を所定の
値に固定させて、圧縮符号化手段にて圧縮符号化処理さ
せるとよい。
【0023】また、本発明は上述の課題を解決するため
に、カラー画像を表わす輝度成分および色差成分を含む
画像データを圧縮符号化して出力する画像データ圧縮符
号化方法において、この方法は、画像データを処理する
信号処理手段から出力された画像データを蓄積手段に蓄
積し、蓄積された画像データを各成分毎に、それぞれ所
定のブロックに分割して読み出すブロック化工程と、蓄
積手段から読み出される画像データを各成分ごとに圧縮
して符号化する圧縮符号化工程と、符号化手段から出力
される符号化データを出力する出力工程とを含み、画像
データをモノクロ画像を表わすように圧縮符号化して出
力させるモノクロ処理モードが選択されると、画像デー
タの色差成分を所定の値に固定させて、固定された色差
成分と輝度成分とを圧縮符号化工程にて圧縮符号化処理
させることを特徴とする。
【0024】この場合、この方法は、画像データのうち
色差成分を信号処理手段にて所定の値に固定させて出力
させる信号処理工程を含み、ブロック化工程は、信号処
理工程にて処理された輝度成分と所定の値に固定された
色差成分とを蓄積手段に蓄積させ、蓄積された各成分毎
に、それぞれ所定のブロックに分割して読み出すとよ
い。
【0025】また、出力工程は、圧縮符号化工程にて処
理された符号化データを所定の記録形式にて記録媒体に
記録するとよい。
【0026】また、圧縮符号化工程は、蓄積手段から読
み出される画像データを直交変換する直交変換工程と、
直交変換された変換係数を正規化する量子化工程と、正
規化された変換係数に所定の符号を割り当てる符号化工
程とを含むとよい。
【0027】この場合、量子化工程は、蓄積手段から読
み出されて直交変換された変換係数のうち、色差成分の
AC成分を0に量子化して正規化するとよい。
【0028】またこの方法は、圧縮符号化されるデータ
を所定長以下に制限して出力させる符号量制御工程を含
むとよい。
【0029】この場合、符号量制御工程は、所定長の総
符号量から固定された色差成分を圧縮符号化した場合の
符号量を減算した値を、輝度成分に対する目標符号量に
設定し、輝度成分の符号量を目標符号量以下に制限する
とよい。
【0030】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明に
よるディジタルスチルカメラの一実施例を詳細に説明す
る。本実施例におけるディジタルスチルカメラ10は、図
1に示すように、被写界を撮像部12にて撮像しその被写
界像に応じた撮像信号を処理して、処理されたデータを
圧縮符号化してメモリカードなどの記録媒体に記録する
ディジタルカメラである。このカメラ10は、たとえば、
標準化されたJPEG方式にて画像データを圧縮符号化して
出力するカメラであって、とくにカラーまたはモノクロ
を選択して撮影および記録することが可能なカラー撮影
モードおよびモノクロ撮影モードを有するカメラであ
り、その選択情報は操作部14に対する操作に応じて設定
される。なお、以下の説明において本発明に直接関係の
ない部分は、図示およびその説明を省略し、また、信号
の参照符号はその現われる接続線の参照番号で表わす。
【0031】このカメラ10の各部を説明すると撮像部12
は、被写界を撮像して、その撮像画像に応じた撮像信号
を出力する機能を有する撮像ユニットである。本実施例
における撮像部12は、不図示の撮像レンズを介して入射
されその撮像面に結像される被写界像に応じた電気信号
を出力する撮像素子およびその駆動回路を有している。
撮像部12には、不図示の絞り機構、光学ズーム機構およ
びオートフォーカス機構等が配設され、また、撮像レン
ズはたとえば近接撮影が可能となるようにマクロ機能を
有し、カラーやモノクロの線画や文字など細密な絵柄が
記録された印刷物などの被写体を撮影することができ
る。オートフォーカス(AF)機構としては、可視光線によ
るパッシブおよび赤外線によるアクティブ方式の測距お
よび焦点調節機構が適用され、また、生成された撮像信
号のコントラストに応じて制御を行なうコントラスト検
出方式を用いてもよい。本実施例では、このようなAF機
構によって、より鮮明な画像を得ることができる。
【0032】撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)
などの固体撮像素子が有利に適用される。この撮像素子
には、数十万画素〜百数十万画素の画素数を有するもの
が使用され、その撮像面にはRGBカラーフィルタが配
設されている。本実施例の撮像素子は、たとえば水平方
向(H) に640 画素、垂直方向(V) に480 画素の画面を形
成する合計約30万の有効画素を有する原色正方形画素の
撮像素子であり、不図示の駆動回路からの駆動信号にて
駆動され、駆動に応じた電子シャッタ速度にて生成した
RGBカラー画像信号を接続線100 を介して信号処理部
16に入力させる。
【0033】信号処理部16は、撮像部12から出力される
RGBカラー画像信号に階調補正および色補正などの適
切な補正および撮像信号処理を施してさらに8ビットの
ディジタル値に変換するとともに、変換されたRGBカ
ラー画像データを輝度データYおよび水平方向にサブサ
ンプリングされた色差データCr,Cb にて構成される比率
4:2:2 のYC画像データに変換する処理部である。信号
処理部16は、たとえば3×3 マトリックス回路を備え、
RGB各成分のデータのそれぞれに所定の係数を掛けて
それぞれを加算する演算処理により輝度データYを算出
し、またRGB各成分データに所定の係数を掛けて所定
の加減算を行なって色差データをCr,Cbを算出する。な
お、信号処理部16は、入力されるRGBカラー画像信号
をアナログ画像信号処理をした後ディジタル値に変換
し、変換されたRGBディジタル画像データを補正処理
するディジタル画像処理機能を有してもよい。
【0034】また、本実施例おける信号処理部16は、モ
ノクロ撮影モードが設定されている場合には、制御部18
から供給される制御信号102 に応動して、色差データC
r,Cbの値を、ハードウエアにてそれぞれ実質的な0を表
わすセンタ値の"128"(0x80h)に固定し、撮像信号100 に
応じた輝度データYと、その値が固定された色差データ
Cr,Cb とを出力104 に出力する機能を有している。な
お、通常のカラー撮影モードが設定されている場合に
は、信号処理部16は、撮像部12から出力されるRGBカ
ラー画像信号100 に応じた輝度データYおよび色差デー
タCr,Cb を生成して出力する。固定する値は"128" に限
らず他の所定の値でもよい。この場合、白黒ではなく単
色階調、たとえばセピア調のモノクロ画像を表わすこと
ができる。
【0035】また、制御信号102 が、モノクロ撮影モー
ドにおけるとくに強コントラスト撮影を指示する場合に
は、信号処理部16は、輝度データYの値が所定の閾値よ
りも大もしくは小であるかどうかに応じて、輝度データ
Yを最大輝度レベルもしくは最小輝度レベルに固定して
出力するように構成されてもよい。また、信号処理部16
は、入力されるカラー画像信号に対して輪郭強調処理を
施す機能を有し、制御部18から供給される制御信号に応
動して輪郭強調されたディジタル画像データを生成する
機能を有する。また、信号処理部16は、ディジタル画像
データを画素補間して、撮像画像の所定部分の画像デー
タを出力することにより、画像の所定部分を拡大するデ
ィジタルズーム処理を行なうことができる。
【0036】信号処理部16の出力104 はメモリ制御部20
に接続され、メモリ制御部20は、接続線106 に接続され
たフレームメモリ22に対する画像データの書込みおよび
読出しを制御するアクセス制御部である。フレームメモ
リ22は、少なくとも一コマの撮像画像を構成する輝度デ
ータYと色差データCrと色差データCbとをそれぞれ格納
する記憶領域を有している。なおフレームメモリ22は、
複数画面の画像データを格納する記憶容量を有し、たと
えば連続的に撮影された複数コマの画像データを格納す
る記憶領域を有してもよい。この場合、フレームメモリ
22の記憶領域は、拡張可能に増設されるとよい。
【0037】メモリ制御部20はさらに、制御部18から接
続線108 を介して供給される制御信号に応動して、フレ
ームメモリ22に格納された輝度データYおよび各色差デ
ータCr,Cb のそれぞれについて、水平および垂直方向に
8×8画素の複数のブロックに分割して読み出すブロッ
ク化機能を有する。メモリ制御部20にて各ブロック毎に
分割されて各成分ごとに読み出される輝度データYおよ
び色差データCr,Cb は、接続線110 を介して接続された
圧縮符号化部24に各データ毎に送られる。
【0038】圧縮符号化部24は、フレームメモリ22から
読み出されたブロックごとの画像データ110 をメモリ制
御部20から受けて、たとえばベースラインDCT 符号化方
式によって圧縮および符号化する処理部である。圧縮符
号化方式としては、輝度および色差データごとに圧縮符
号化して、符号化データをそれぞれの領域に形成するこ
とのできる圧縮符号化方式が適用される。本実施例のベ
ースラインDCT 符号化方式による符号化データフレーム
は、圧縮符号化された輝度データY、色差データCrおよ
びCbがそれぞれコンポーネント毎に転送されて各成分毎
に1つの画像が符号化されるノンインタリーブ方式が採
用されている。
【0039】また、圧縮符号化部24は、とくにモノクロ
撮影モードのときには、色差データに割り当てるAC符号
量を0として圧縮符号化する機能を有する。この圧縮符
号化部24を図2を参照して詳細に説明すると、DCT/IDCT
演算部30は、ブロックごとの画像データ110 を2次元直
交変換する変換回路であって、本実施例では2次元直交
変換として離散コサイン変換が有利に用いられる。DCT/
IDCT演算部30は、2次元直交変換によって生成されたDC
T 変換係数のDC成分とAC成分とを縦横に配列し、左上の
部分をDC成分とし、右下の方向に向かうにつれてAC成分
の高次のデータとなるように並べ変えて出力する。DCT/
IDCT演算部30の出力200 は量子化/逆量子化部32に接続
されている。
【0040】量子化/逆量子化部32は、DCT/IDCT演算部
30から出力されるDC成分およびAC成分を、それぞれ量子
化テーブル34に格納された各成分に対応する量子化ステ
ップ値にて正規化する処理部である。量子化/逆量子化
部32は、符号量制御部36から供給される制御信号202 に
応動して選択した量子化テーブルを用いて正規化処理を
行なう。この場合、入力画像の特性などに応じて量子化
テーブルが選択される。正規化されたDCT 変換係数はブ
ロック状に配列され、AC成分の低域成分から順にジグザ
グ状にスキャンされ、接続線204 を介して接続されたハ
フマン符号化/復号部38に順次出力される。
【0041】ハフマン符号化/復号部38は、入力204 に
入力されるブロックごとに量子化されたデータをエント
ロピー符号化する処理部である。本実施例におけるハフ
マン符号化/復号部38は、量子化/逆量子化部32にて量
子化されたデータに、ハフマン表40に格納されたハフマ
ン符号を割り当てて符号化する。まず、ハフマン符号化
/復号部38は、入力されたDC成分の予測値、つまり、直
前のブロックのDC成分値との差分を符号化し、次いで、
低域成分から順にジグザグ状にスキャンされたAC成分を
符号化する。そして最終有効成分に対する符号の次にブ
ロックの終了を示すEOB(End of Block) を挿入する。こ
うしてハフマン符号化/復号部38は、各ブロックのデー
タを符号化し、符号化された符号化データを接続線206
を介して接続された入出力バッファに順次出力し、輝度
データYおよび色差データCr,Cbについて順次符号化処
理を行なう。また、このハフマン符号化/復号部38は、
符号量制御部36から供給される制御信号208 にしたがっ
て、符号化するデータを打ち切って最終有効成分を決定
し、たとえば符号化データを所定長以下に制限する固定
長化機能を有する。
【0042】符号量制御部36は、圧縮符号化の精度に応
じた総符号量に、圧縮符号化データのデータ量を制御す
る制御部である。符号量制御部36は、ハフマン符号化/
復号部38から出力されるデータを所定の長さ以下のデー
タ量、たとえば固定長データとなるように、量子化/逆
量子化部32、ハフマン符号化/復号部38および入出力バ
ッファ42を制御する。また、符号量制御部は、画像の特
徴を表わすアクティビティを算出し、算出したアクティ
ビティから適切な量子化ステップを求めて画像データを
圧縮符号化し、その際の符合量に基づいて画像データを
再度圧縮する2パス符合量制御によって符号化データの
符号量を所望の値以下に制御する。しかし符号量制御部
36は、たとえば1パス方式などの他の方式によって総符
号量を所望する値以下に制御してもよい。
【0043】さらに本実施例における符号量制御部36
は、制御部(CPU)18 から送られるモードデータに従っ
て、モノクロ撮影モードのときにはAC符号量を0に指定
し、ハフマン符号化/復号部38を制御する。具体的には
符号量制御部36は、色差データのAC符号に割り当てる目
標符号量を0に設定し、さらに、圧縮符号化の精度に応
じた総符号量から色差データ(Cr,Cb) に関するDC符号量
とEOB 符号量とをそれぞれ減算した値を、輝度データY
に対する目標符号量としてハフマン符号化/復号部38に
設定する。
【0044】たとえば、色差データ(Cr,Cb) に必要な符
号量は、DC成分が0のときには、JPEGデフォルト・ハフ
マン表では、各ブロック2ビットでありEOB は2ビット
であるので、全ブロックでは4ビット×ブロック数とな
る。したがって、横縦640 ×480 画素で4:2:2 圧縮を行
なう場合、色差データCrおよびCbに対する目標符号量
は、DC成分については4800ビット(2ビット×2400ブロ
ック)であり、EOB についても同様に4800ビット(2ビ
ット×2400ブロック)であり合計9600ビットである。本
実施例ではこれに、DC差分値の初期値との差分を考慮し
て16ビット相当を加えた総計9616ビットを色差データ全
体に必要な符号量とする。そして、たとえば圧縮の精度
が2bpp の場合における画像データに対する総符号量
は、614400ビットであるので、符号量制御部36は、輝度
データYに対する目標符号量をその総符号量(614400bi
t) から色差データ(Cr,Cb) の必要符号量(9616bit) を
減算した値の604784ビットに設定する。
【0045】入出力バッファ42は、符号量制御部36によ
る制御のもと、符号化された符号化データを一時記憶
し、いったん記憶した符号化データを圧縮符号化部24の
出力に接続された記録制御部50に出力する緩衝メモリで
ある。
【0046】記録制御部50は、圧縮符号化部24から出力
される符号化データを、着脱可能に接続される記録媒体
52に記録する制御を行なう機能を有する。本実施例にお
ける記録媒体52は、半導体メモリを含むメモリカードが
有利に適用される。しかし記録媒体52はこれに限らず、
たとえば光ディスクおよび磁気ディスクなどの回転記録
媒体や磁気テープおよび光もしくは磁気カードなどのシ
ーケンシャルな情報記録媒体であってもよく、さらに
は、アナログおよびディジタル伝送路を介して接続され
る情報記録装置などの他の情報機器に対し符号化データ
を伝送する伝送装置でもよい。
【0047】ここで本実施例における記録媒体52(メモ
リカード)への記録形式を図3を参照して説明すると、
同図にはJPEG方式に準拠したベースラインDCT 符号化に
対応する記録フォーマットが示されている。本実施例に
おけるカメラ10は、ハフマン符号化/復号部38から出力
される符号化データを同図に示す形式にて記録するよう
に構成されている。この記録フォーマットはカラー撮影
モードにて生成した符号化データを記録する場合と、モ
ノクロ撮影モードにて生成した符号化データを記録する
場合とでは同一の構成でよく、このようにして記録され
た圧縮符号化データは、本カメラ10および本JPEG方式に
対応する通常の再生装置にて再生される。
【0048】図示するように記録フォーマットの基本構
成は、カラー静止画圧縮標準(JPEG)の「要求とガイドラ
イン;ISO/IEC DIS 10918-1 」に準拠しており、圧縮デ
ータスタートコード(SOI) を先頭に、アプリケーション
付属情報(APP1)と、量子化テーブル(DQH) と、ハフマン
符号化テーブル(DHT) と、フレームヘッダ(SOF) と、ス
キャンヘッダ(SOS) と、実際の圧縮データであるエント
ロピー符号化データとエントロピー符号化データ終了コ
ード(EOI) とを含む形式にて1画像(イメージ)の圧縮
符号化データが構成される。
【0049】圧縮データスタートコード(SOI:Start of
Image)は、圧縮データの開始を示す画像全体の先頭マー
カーである。アプリケーション付属情報(APP1:Reserved
forApplication Segments)は、アプリケーションが自
由に利用することができるマーカーコードであり、本実
施例におけるモノクロ撮影モードによる画像記録には使
用しないが、その他の用途、たとえば、フレームに記録
される圧縮符号化データの縮小画像を表わすデータなど
を記録しておき、対応するアプリケーションなどで使用
することができる。
【0050】量子化テーブル(DQT:Define Quantization
Table) は、量子化のためのテーブル番号、精度および
量子化ステップサイズを示す情報である。量子化テーブ
ル(DQT) には、図4にその詳細構成を示すように、マー
カープリフィックスと、量子化テーブル定義を示すDQT
と、DQT 以降のサイズを示すフィールド長と、精度(Pq=
0(8bit))および量子化テーブル番号(Nq=0,1,2)と、輝度
データ(Y) および色差データ(B-Y(Cb),R-Y(Cr)) に対す
る量子化テーブル(Y,B-Y,R-Y) とが表示される。
【0051】ハフマン符号化テーブル(DHT:Define Huff
man Table)は、ハフマンテーブル(テーブル番号、符号
長、符号シンボル)を示す情報である。ハフマン符号化
テーブル(DHT) には、図5にその詳細構成を示すよう
に、マーカープリフィックスと、ハフマンテーブルを示
すDHT と、DHT 以降のサイズを示すフィールド長と、輝
度データおよび色差データについての各DC成分およびAC
成分のテーブル番号と、ハフマン符号シンボルを表わす
DHT パラメータとが表示される。
【0052】フレームヘッダ(SOF:Start of Frame)は、
符号化のアルゴリズムやエントロピー符号化方式を指定
するマーカーであってフレームの開始を示す情報であ
る。本実施例では、ベースラインDCT 符号化フレームを
示すSOF0が表示される。フレームヘッダ(SOF) には、図
6にその詳細構成を示すように、マーカープリフィック
スと、フレームヘッダを示すSOF と、自己以降のサイズ
を示すフィールド長と、1画素あたりのビット数を表わ
すデータの精度と、画像の大きさを表わす垂直ライン数
および水平画素数と、フレーム内の成分の数を表わすコ
ンポーネント数(3) とを含み、各コンポーネント(1,2,
3) はさらに、コンポーネント番号と、水平および垂直
方向のサンプリング比(H0,H1,H2,V0,V1,V2) と、各成分
が用いる量子化テーブル番号とが表示される。
【0053】スキャンヘッダ(SOS:Start of Scan) は、
スキャンの先頭マーカーを示す情報である。本実施例に
おけるフレームセグメントは、輝度および色差の各成分
に対応する3つのスキャンを有し、各スキャン毎にスキ
ャンヘッダが配置されている。
【0054】エントロピー符号化データ終了コード(EO
I:End of Image)は、エントロピー符号化データの終了
を示す画像全体の終了マーカーである。
【0055】図1に戻って制御部(CPU)18 は、カメラ10
全体を制御する制御回路である。この制御部18は、たと
えばマイクロコンピュータなどの処理システムにて構成
され、各部にて必要な基準信号を供給し、たとえば、操
作部14からのレリーズ指示をトリガとして、撮像部12に
おける撮像処理、信号処理部16における信号処理、メモ
リ制御部20における書込みおよび読出処理および圧縮符
号化部24における圧縮符号化処理を制御する。さらに、
制御部18は、記録制御部50に装填される記録媒体52に対
する情報の書込みおよび読出しを制御する機能を有す
る。とくに本実施例における制御部36は、操作部14に対
する操作者の操作情報に応動して各撮影モードのいずれ
かを選択して、選択した撮影モードを各部に設定する制
御信号を生成する機能を有し、各処理部を撮像モードに
応じた動作を行なうように制御する。
【0056】表示部54はカメラの動作状態などの情報を
出力するディスプレイ装置である。なお、この表示部54
がカラーLCD パネルなどの画像表示装置にて形成される
場合には、撮像された画像データに応じた画像を表示す
るようにしてもよい。
【0057】以上のような構成で、本実施例におけるデ
ィジタルスチルカメラ10の動作を説明する。まず、操作
部14への操作に従って動作モードがカラー撮影モードに
設定されている場合について説明すると、操作部14への
手操作に応じたレリーズ指示が制御部18に入力され、撮
像部12に対し撮影を指示する制御信号が出力される。こ
れに応動して撮像部12では、焦点調節および絞り制御、
電子シャッタ制御が行なわれて、被写界に応じた画像信
号が生成される。生成された画像信号は、信号処理部16
にて、階調および色補正処理が施され、さらにディジタ
ル値のRGBカラー画像データに変換される。画像デー
タはさらに輝度データYと色差データCr,Cb とからなる
YC画像データに変換処理されて、処理された輝度デー
タYおよび色差データCr,CB は、メモリ制御部20の制御
によりフレームメモリ22に格納される。
【0058】1コマ分の画像データがフレームメモリ22
に記憶されると、次に、その輝度データYが8×8画素
のブロックに分割されて読み出され、次いで、色差デー
タCrと色差データCbとが順次それぞれブロックごとに読
み出されて圧縮符号化部24に入力される。圧縮符号化部
24のDCT/IDCT演算部30では、フレームメモリ22からブロ
ックごとに読み出された輝度データYを各ブロック毎に
離散コサイン変換し、生成されたDC成分とAC成分とが並
べ替えられて出力される。輝度データYの変換処理が終
了すると、色差データCr,Cb が同様にして順次離散コサ
イン変換され、生成されたDC成分とAC成分とが並べ替え
られて出力される。
【0059】DCT/IDCT演算部30からそれぞれ出力された
DC成分およびAC成分は、量子化/逆量子化部32に入力さ
れ、量子化テーブルに格納された各成分に対応する量子
化ステップにてそれぞれ正規化される。正規化された各
成分の変換係数は、ブロック状に配列されて、配列され
たDC成分に次いでAC成分の低域成分からジグザグ状にス
キャンされて出力される。
【0060】量子化/逆量子化部32にて量子化された各
成分の変換係数は、ハフマン符号化/復号部38に入力さ
れて、ハフマン表に格納されたハフマン符号がそれぞれ
割り当てられて符号化される。各成分の最初のブロック
のDC成分については、そのDC成分の値が符号化され、各
成分の以降のブロックのDC成分では、そのDC成分値と直
前のブロックのDC成分値との差分が予測値として符号化
される。また、各成分のAC成分は、低域成分からジグザ
ク状にスキャンされて入力される順に符号化される。こ
の符号化処理の際に、符号量制御部36からの符号量制御
に応じて最終有効成分にて符号化処理が打ち切られ、各
成分の符号化データの最後にEOB が挿入されてハフマン
符号化/復号部38から出力される。
【0061】ハフマン符号化/復号部38から出力された
符号化データは、入出力バッファ42にいったん蓄積され
た後、この圧縮符号化部24に接続された記録制御部50に
出力される。記録制御部50では、入力された符号化デー
タを、記録媒体52に応じた記録形式に変換して、変換さ
れた記録信号が記録媒体52に記録される。
【0062】このように通常のカラー撮影モードでは、
被写界に応じたカラー画像が記録媒体52に記録される。
このようにして記録媒体52に記録された符号化データ
は、本カメラ10に読み出して再生することができる。た
とえば圧縮符号化部24では、記録制御部50により記録媒
体52から読み出された符号化データを入力出力バッファ
42を介して入力し、ハフマン符号化/復号部38にて復号
する。復号されたデータは、量子化/逆量子化部32にて
逆量子化されて、処理されたデータはDCT/IDCT演算部30
にて逆離散コサイン変換される。このようにして復号処
理された画像データはメモリ制御部20を介してフレーム
メモリ22に一旦蓄積され、このデータが表示部54に出力
されると、その画像データに応じた画像がその表示面に
表示される。
【0063】次に、操作部14への操作に従って動作モー
ドがモノクロ撮影モードに設定された場合について説明
すると、カラー撮影モードと同様にして、操作部14から
のレリーズ指示に応動して、撮像部12にて撮像された画
像信号が信号処理部16に入力される。信号処理部16で
は、入力された画像信号が階調および色補正されて、さ
らにディジタル値に変換される。ここで、たとえば制御
部18より輪郭強調を指示する制御信号102 が信号処理部
16に供給されている場合には、画像信号がさらに輪郭強
調処理されてディジタル値に変換される。
【0064】変換されたRGB画像データは、さらに、
演算処理されて輝度データYと色差データCr,Cb とが算
出され、算出された輝度データYは、メモリ制御部20を
介してフレームメモリ22に蓄積される。また、算出され
た色差データCrと色差データCbとは、それぞれ、信号処
理部16にて値"128" に固定され、その値が固定された色
差データCr,Cb はそれぞれメモリ制御部20を介してフレ
ームメモリ22に蓄積される。
【0065】このようにしてフレームメモリ22に蓄積さ
れた輝度データYと色差データCr,Cb とは、カラー撮影
モードと同様にして各成分毎に順次読み出される。ま
た、モノクロ撮影モードに応じた制御信号を制御部18か
ら入力すると符号量制御部20では、その制御信号に従っ
て輝度データYに対する符号量が算出される。たとえば
本実施例では前述したように、圧縮符号化の精度に応じ
た総符号量から色差データに対するDC符号量とEOB 符号
量とをそれぞれ減算し、演算結果が輝度データYに対す
る目標符号量として算出され、この目標符号量が符号量
制御部36からハフマン符号化/復号部38に設定される。
【0066】圧縮符号化部24のDCT/IDCT演算部30に入力
されたブロックごとの輝度データYは、そのブロックご
とに離散コサイン変換され、生成された変換係数のDC成
分とAC成分とが並べ替えられて量子化/逆量子化部32に
出力される。量子化/逆量子化部32では入力された変換
係数が、輝度データYに対応する量子化ステップに従っ
て正規化され、正規化された変換係数は、ブロック状に
配列されて、配列されたDC成分に次いでAC成分の低域成
分からジグザグ状にスキャンされて出力される。
【0067】量子化/逆量子化部32から出力された輝度
データYの変換係数はハフマン符号化/復号部38に入力
され、ハフマン表に格納されたハフマン符号がそれぞれ
割り当てられて符号化される。最初のブロックのDC成分
については、そのDC成分の値が符号化され、各成分の以
降のブロックのDC成分は、そのDC成分値と直前のブロッ
クのDC成分値との差分が予測値として符号化される。ま
たAC成分は、低域成分からジグザク状にスキャンされて
入力される順に符号化される。この符号化処理の際に、
符号量制御部36からの目標符号量に応じた符号量制御に
より符号化処理が打ち切られ、符号化データの最後にEO
B が挿入されてハフマン符号化/復号部38から出力され
る。
【0068】次に、色差データCrがフレームメモリ22か
らブロックごとに読み出されて圧縮符号化部に入力され
る。この色差データは、値が"128" に固定されており、
この値が固定された色差データCrは、DCT/IDCT演算部30
にて離散コサイン変換されて量子化/逆量子化部32に入
力されて正規化され、正規化された色差データCrの変換
係数はハフマン符号化/復号部38に入力される。
【0069】ハフマン符号化/復号部38では入力された
各ブロックの変換係数にハフマン符号を割り当てて出力
する。このとき、色差データCrのDC成分は、最初のブロ
ックではそのDC成分の値に対しハフマン符号が割り当て
られ、以降のブロックに対しては、最初のブロックのDC
成分との差分に対してハフマン符号が割り当てられる。
そして、この差分値は、各ブロックにてそれぞれ同一の
値であるので、DC差分が0となって、ハフマン表に従っ
て2ビットのハフマンコードが割り当てられる。ハフマ
ン符号化/復号部38は、符号量制御部36により、この色
差データに対するAC符号量が0に設定されているのでAC
成分についてはハフマンコードを割り当てず、ハフマン
コードが割り当てられたDC成分に続き2ビットのEOB コ
ードを挿入し、これらを各ブロックについて行なって色
差データCrを符号化して出力する。符号化処理された色
差データCrの符号化データは、入出力バッファ42を介し
て記録制御部50に出力され、記録媒体52の所定の記録位
置に書き込まれる。色差データCrに対する符号化処理が
終了すると、同様にして色差データCbをフレームメモリ
22から読み出して同様の圧縮符号化処理が行なわれ、処
理された符号化データが記録媒体52に記録される。
【0070】このようにしてモノクロ撮影モードでは、
被写界に応じたモノクロ画像を表わす画像データが、カ
ラー画像の形式にて記録媒体に記録される。したがっ
て、このようにして記録媒体に記録された符号化データ
は、カラー撮影モードにて記録された符号化データの再
生時と同様にしてカメラ10に読み込んで再生することが
できる。しかし再生され、たとえば表示部54のカラー液
晶パネルに表示される画像は、色差データが0に固定さ
れているためモノクロ画像となっている。
【0071】上記実施例では、信号処理部16にて色差デ
ータを、実質的な0を表わす"128"に固定したが、これ
に限らず、量子化/逆量子化部32にて色差データの各成
分に対する正規化処理を行なう際に、そのAC成分の値を
0に量子化して正規化するように量子化/逆量子化部32
を構成してもよい。これは、たとえば信号処理部16で色
差データを固定値にすることができない場合にとくに有
効であり、この場合における符号化データに対する符号
量制御は、上記実施例における制御と同様に目標符号量
を設定する制御でよい。
【0072】以上説明したように、上記実施例では、符
号化された画像データが記録媒体にカラー画像として記
録される。しかし実際には、色差データに割り当てられ
る符号は、DC成分とEOB のみとなって、カラー画像とし
て最小限必要な符号のみが符号化され記録されている。
したがって、このようにして記録されたデータを、カラ
ー画像と同様の方法で再生することができ、しかも白黒
などのモノクロ画像を再生することができる。
【0073】このように従来の電子スチルカメラで使用
されていた圧縮符号化システムで、そのパラメータを変
更するという簡潔な構成で、モノクロ画像を出力するこ
とができる。とくに、モノクロ撮影モードでは、色差デ
ータがAC成分に割り当てられるべき符号を輝度成分に割
り当てることができるようになり、このため同じ総符号
量であっても高画質化が達成される。
【0074】なお、上記実施例では、動作モードとし
て、カラー撮影モードと、モノクロ撮影モードとを有す
るディジタルスチルカメラについて説明したが、本発明
はこれに限らず、本発明は、たとえばカラー圧縮符号化
モードとモノクロ圧縮符号化モードとを有する圧縮符号
化装置に適用してもよく、また、カラー記録モードとモ
ノクロ記録モードとを有し、画像データを圧縮符号化し
て記録媒体に記録する記録装置に適用してもよい。
【0075】また、上記実施例では、静止画像圧縮処理
としてJPEG方式を採用したが、本発明はこれに限らず、
他の方式、たとえば連続する複数コマを圧縮符号化して
出力する動画像圧縮方式にも適用することができる。
【0076】また、本発明は、符号量制御とは無関係に
実現することができ、たとえば、画像の特徴を表わすア
クティビティを算出し、算出したアクティビティをフィ
ードフォワードして量子化ステップを求めて画像データ
を圧縮する第1のステップと、その際の符合量に基づい
て量子化ステップを補正して更新するフィードバック処
理を行なって画像データを再度圧縮する第2のステップ
とを備えた2パス符合量制御方式に適用することができ
る。このように本発明は、フィードフォワード方式およ
びフィードバック方式のいずれの符号量制御方式にも適
用することができる。
【0077】さらに、上記実施例では、輝度データYを
そのまま圧縮符号化したが、たとえば、信号処理部16に
おいて、輝度データYを所定の閾値にて最大および最小
の2値のデータに固定する信号処理を行ない、このよう
に2値化された輝度データと、値が固定化された色差デ
ータとを圧縮符号化処理することによって、カラー画像
の出力・記録形式でありながら、より鮮明な2値画像を
表わす符号化データを生成することができる。
【0078】
【発明の効果】このように本発明によれば、カラー画像
データの色差成分の値を変更して、所定の値に固定し圧
縮符号化する簡便な構成で、カラー画像に対応する符号
化データが生成され、再生するとモノクロームの画像が
再生される符号化データが作成される。この場合、色差
成分に割り当てられる符号量は最小限でよいので、残り
を輝度成分に対する符号量として割り当てることができ
る。輝度成分に対し、より多くの符号を割り当てること
ができるので、全体としてカラー処理モードと同じ符号
量であっても、モノクロ処理モードでは、高精細画像を
モノトーンにて鮮明に表現する高解像度の符号化データ
を得ることができる。このようにして生成された符号化
データは、通常のカラー画像が符号化されたデータと同
様にして再生することができ、符号化データの互換性お
よび汎用性が確保されている。また、符号量制御を行な
う場合においてもとくに複雑な制御を行なう必要がな
く、通常のカラー画像を圧縮符号化する場合と同様に、
所望する符号量以下に符号化データの総符号量を制御す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたディジタルスチルカメラの
一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した実施例における圧縮符号化部の内
部構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した実施例における記録媒体に対する
符号化データの記録形式を示す図である。
【図4】図3に示した量子化テーブル定義(DQT) の詳細
内容を示す図である。
【図5】図3に示したハフマンテーブル定義(DHT) の詳
細内容を示す図である。
【図6】図3に示したフレームヘッダ(SOF) の詳細内容
を示す図である。
【符号の説明】
10 ディジタルスチルカメラ 12 撮像部 16 信号処理部 18 制御部(CPU) 20 メモリ制御部 22 フレームメモリ 24 圧縮符号化部 50 記録制御部 52 記録媒体
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 7/30 H04N 7/133 Z 9/79 9/79 G

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像を表わす輝度成分および色差
    成分を含む画像データを圧縮符号化して出力する画像デ
    ータ圧縮符号化装置において、該装置は、 前記画像データを処理して出力する信号処理手段と、 該信号処理手段から出力された画像データを蓄積する蓄
    積手段であって、該蓄積した画像データを各成分毎に、
    それぞれ所定のブロックに分割して読み出して出力する
    蓄積手段と、 該蓄積手段から出力される画像データを各成分ごとに圧
    縮して符号化する圧縮符号化手段と、 該符号化手段から出力される符号化データを出力する出
    力手段と、 前記画像データを圧縮する処理モードを制御する制御手
    段とを含み、 該制御手段は、前記画像データをモノクロ画像を表わす
    ように圧縮符号化して出力させるモノクロ処理モードを
    選択すると、前記画像データの色差成分を所定の値に固
    定させて、該固定された色差成分と前記輝度成分とを前
    記圧縮符号化手段にて圧縮符号化処理させることを特徴
    とする画像データ圧縮符号化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像データ圧縮符号化
    装置において、前記信号処理手段は、RGBカラー画像
    信号を入力して、該画像信号を前記輝度成分および色差
    成分を含む画像データに変換し、前記モノクロ処理モー
    ドが選択されると、前記画像データの色差成分を所定の
    値に固定させて出力することを特徴とする画像データ圧
    縮符号化装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の画像データ圧縮符号化
    装置において、該装置は、前記RGBカラー画像信号を
    生成して出力する信号生成手段を含むことを特徴とする
    画像データ圧縮符号化装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の画像データ圧縮符号化
    装置において、前記信号生成手段は、被写界を撮像し
    て、該被写界に応じた画像信号を生成する撮像手段を含
    み、該撮像手段の撮像面にはRGBカラーフィルタが配
    設されていることを特徴とする画像データ圧縮符号化装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の画像データ圧縮符号化
    装置において、前記出力手段は、前記圧縮符号化手段に
    て処理された符号化データを記録媒体に記録する記録手
    段を含み、該符号化データを所定の記録形式にて前記記
    録媒体に記録することを特徴とする画像データ圧縮符号
    化装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の画像データ圧縮符号化
    装置において、前記記録媒体は、半導体メモリを含むメ
    モリカードであり、前記出力手段は、前記圧縮符号化手
    段にて処理された符号化データを前記メモリカードに書
    き込むことを特徴とする画像データ圧縮符号化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の画像データ圧縮符号化
    装置において、前記圧縮符号化手段は、 前記蓄積手段から読み出される画像データを直交変換す
    る直交変換手段と、 該直交変換された変換係数を正規化する量子化手段と、 正規化された変換係数に所定の符号を割り当てる符号化
    手段とを含むことを特徴とする画像データ圧縮符号化装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の画像データ圧縮符号化
    装置において、前記量子化手段は、前記蓄積手段から読
    み出されて直交変換された変換係数のうち、色差成分の
    AC成分を0に量子化して正規化することを特徴とする画
    像データ圧縮符号化装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の画像データ圧
    縮符号化装置において、前記圧縮符号化手段は、前記圧
    縮符号化されるデータを所定長以下に制限して出力させ
    る符号量制御手段を含むことを特徴とする画像データ圧
    縮符号化装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の画像データ圧縮符号
    化装置において、前記符号量制御手段は、前記所定長の
    総符号量から前記固定された色差成分を圧縮符号化した
    場合の符号量を減算した値を、前記輝度成分に対する目
    標符号量に設定し、該輝度成分の符号量を該目標符号量
    以下に制限することを特徴とする画像データ圧縮符号化
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の画像データ圧縮符号化装置において、前記圧縮符号化
    手段は、JPEG方式に準拠した圧縮符号化処理を行なうこ
    とを特徴とする画像データ圧縮符号化装置。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の画像データ圧縮符号化装置を有するディジタルカメラ
    であって、操作者による手操作に応じた指示信号を出力
    する操作手段により、前記被写界を表わすカラー画像が
    モノクロ画像として再生されるように圧縮符号化させる
    指示信号に応動して、前記制御手段は、前記モノクロ処
    理モードを選択し、前記画像データの色差成分を所定の
    値に固定させて、前記圧縮符号化手段にて圧縮符号化処
    理させることを特徴とするディジタルカメラ。
  13. 【請求項13】 カラー画像を表わす輝度成分および色
    差成分を含む画像データを圧縮符号化して出力する画像
    データ圧縮符号化方法において、該方法は、 前記画像データを処理する信号処理手段から出力された
    画像データを蓄積手段に蓄積し、該蓄積された画像デー
    タを各成分毎に、それぞれ所定のブロックに分割して読
    み出すブロック化工程と、 該蓄積手段から読み出される画像データを各成分ごとに
    圧縮して符号化する圧縮符号化工程と、 該符号化手段から出力される符号化データを出力する出
    力工程とを含み、 前記画像データをモノクロ画像を表わすように圧縮符号
    化して出力させるモノクロ処理モードが選択されると、
    前記画像データの色差成分を所定の値に固定させて、該
    固定された色差成分と前記輝度成分とを前記圧縮符号化
    工程にて圧縮符号化処理させることを特徴とする画像デ
    ータ圧縮符号化方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の画像データ圧縮符
    号化方法において、該方法は、前記画像データのうち前
    記色差成分を前記信号処理手段にて所定の値に固定させ
    て出力させる信号処理工程を含み、 前記ブロック化工程は、前記信号処理工程にて処理され
    た輝度成分と前記所定の値に固定された色差成分とを前
    記蓄積手段に蓄積させ、該蓄積された各成分毎に、それ
    ぞれ所定のブロックに分割して読み出すことを特徴とす
    る画像データ圧縮符号化方法。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の画像データ圧縮符
    号化方法において、前記出力工程は、前記圧縮符号化工
    程にて処理された符号化データを所定の記録形式にて記
    録媒体に記録することを特徴とする画像データ圧縮符号
    化方法。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載の画像データ圧縮符
    号化方法において、前記圧縮符号化工程は、 前記蓄積手段から読み出される画像データを直交変換す
    る直交変換工程と、 該直交変換された変換係数を正規化する量子化工程と、 正規化された変換係数に所定の符号を割り当てる符号化
    工程とを含むことを特徴とする画像データ圧縮符号化方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の画像データ圧縮符
    号化方法において、前記量子化工程は、前記蓄積手段か
    ら読み出されて直交変換された変換係数のうち、色差成
    分のAC成分を0に量子化して正規化することを特徴とす
    る画像データ圧縮符号化方法。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の画像データ圧縮符
    号化方法において、該方法は、前記圧縮符号化されるデ
    ータを所定長以下に制限して出力させる符号量制御工程
    を含むことを特徴とする画像データ圧縮符号化方法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の画像データ圧縮符
    号化方法において、前記符号量制御工程は、前記所定長
    の総符号量から前記固定された色差成分を圧縮符号化し
    た場合の符号量を減算した値を、前記輝度成分に対する
    目標符号量に設定し、該輝度成分の符号量を該目標符号
    量以下に制限することを特徴とする画像データ圧縮符号
    化方法。
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