JP4350604B2 - プリント配線板、およびその製造方法、ならびにプリント配線板を用いた電子機器 - Google Patents

プリント配線板、およびその製造方法、ならびにプリント配線板を用いた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、放熱機構を備えるプリント配線板、このプリント配線板の製造方法、およびこのプリント配線板を用いた電子機器に関する。
プリント配線板、および、これに搭載される電子部品の発熱は、電子機器の高機能化、高速化等に伴い増大の一途をたどっている。従来では、高い発熱が問題となるのは、主に電力素子関連であったが、近年では、マイクロコンピュータやグラフィックプロセッサ、メモリチップ等の発熱量が、数ワットから数十ワットになることもある。例えば、マイクロプロセッサのように、70ワット以上もの電力を消費するものもあり、十分な冷却が行われない場合には、発熱のために、素子の破壊を引き起こす可能性もある。このため、その放熱機構の設計が重要となってきており、放熱機構として強制空冷や、場合によっては水冷が採用されている。
また、電子機器の小型化や高機能化に伴う高密度実装等により、加えて、素子の動作速度が速くなることに伴う動作タイミングが厳しくなることにより、電子部品の冷却や温度の安定化、均一化が重要となってきている。
このため、従来では、プリント配線板の放熱技術として、次のような各種方法が行われている。
高発熱部品に対し、直接、ヒートシンクや空冷ファン、コールドプレート等の空冷機構や水冷機構を取り付けることによって、局所的に冷却する方法があり、また、プリント配線板全体、あるいは、電子機器全体に、ファンや放熱フィン等を取り付けることによって、空気の流れを改善し、全体的に冷却する方法がある。
また、プリント配線板自体に放熱機構を備える方法がある。具体的には、プリント配線板の内部に金属板を配置したり、プリント配線板の裏面に、内部に冷媒を充填したり、空洞にした金属板、ヒートパイプ等を接触させたりすることによって、熱をプリント配線板全体に移送し、局所的に発熱部品が高熱になるのを防いで、プリント配線板全体で放熱を行う方法である。
また、配線パターンや部品の接続リードの設計や配置を適切に行ったり、ヒートシンクと発熱部品との間に良熱伝導材料を介在させたりすることによって、発熱部品からヒートシンクへ熱を流れやすくする方法がある。
さらに、冷媒を入れた樹脂製のバッグを直接に発熱部品に接触させる方法、プリント配線板自体を、例えばフロリナートのような不活性液体に浸ける方法、冷媒を流す配管をプリント配線板表面に配置する方法が知られている。
上記のようなプリント配線板ユニットの放熱技術、あるいはその他の方法の一例として、下記特許文献1、2や、次に示すような技術が知られている。
特開昭58−188188号公報、特開昭58−171899号公報、特開昭58−21899号公報、特開昭58−43596号公報、特開昭58−140200号公報、特開昭58−9390号公報、特開昭58−9393号公報、特開昭58−14592号公報、特開平6−61674号公報、特開平6−181390号公報、特開平6−181396号公報、特開平5−13973号公報、特開平2−155288号公報、特開平4−307800号公報、特開平5−259677号公報、特開平6−152172号公報、特開平4−361594号公報、実開昭58−85376号公報、実開昭58−81996号公報、実開昭58−22793号公報、特開昭58−53854号公報、特開昭60−15995号公報。
特開平6−350278 特開2001−68878
このように、電子部品の十分な冷却や温度の安定化、均一化を図るために、従来では、プリント配線板の放熱技術には、各種の方法が用いられていたが、次のような問題点があった。
上述したプリント配線板自体、または、これに搭載される発熱部品に、ヒートシンクや空冷ファン等を取り付けて冷却する方法では、巨大なヒートシンクや大型ファンを取り付けることが一般的になっており、場合によって、空冷のヒートシンクの代わりに、ヒートシンク内に冷媒を流し、プリント配線板外部に設置したラジエータで冷媒を冷却する水冷/液冷のものが用いられることがあった。しかしながら、ヒートシンクやファンの大型化等のため、騒音の発生や、機器小型化の阻害、重量の増加等の問題点があった。
また、冷媒を用いて冷却する方法では、冷媒を流すための配管が必要であり、配管は発熱部品上に配置されたり、プリント配線板内部に配置されていた。そして、冷媒を循環させる循環機構をプリント配線板外部に設け、これを配管で繋ぐ必要があった。このため、製品内で冷媒の冷却機構や循環機構が占有する面積、体積の問題や、冷媒の液漏れ等の可能性や、その循環機構のポンプの騒音発生・故障・経年劣化等の問題があった。
さらにまた、冷媒を流す配管を予め金属管等で作り、これを樹脂等でモールドし、これを配線板の基材として用いることも可能ではあるが、スルホール等の位置を避けるように、その都度、配管設計を行い、これを内蔵した樹脂板を作るのは、プリント配線板の製造の直前に配線パターンが決まることに鑑みると、工程的・日程的・費用的にみて実用的ではなかった。
本発明は、上述した従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、搭載された電子部品の熱を効率的に放出することができ、軽量化・小型化を図ることができるようなプリント配線板、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明のプリント配線板は、絶縁層と導体層とが少なくとも1層以上交互に積層されて構成されたプリント配線板において、前記絶縁層内の特定の領域に金属製の細管がループ状に配置されており、該細管内に封入される作動液が作動液循環手段により循環されることを特徴とする。
このような構成のプリント配線板によれば、作動液は、作動液循環手段によりループ状の細管内で循環する。これにより、プリント配線板に搭載された電子部品の熱を効率的に放出することができる。
また、プリント配線板の内部に熱を移送する作動液を封入する構成であるため、従来の巨大なヒートシンクや大型ファンを取り付ける構成と比べて、全体的に軽量化・小型化・スリム化(薄型化)を図ることができる。この小型化・スリム化に加え、外付け・後付けの冷却デバイスを削減することで、電子機器内への装着等が容易になり、かつ、配置の自由度が高くなる。さらに、搭載される電子部品に対して、大型のヒートシンクや冷却デバイスを直接取り付けないため、プリント配線板や電子部品に対するストレスが少なくなる。
しかも、プリント配線板に接続する外部の配管等もなく、作動液による熱移送機構に可動部分もないため、配管等の経年劣化や着脱による故障、液漏れ等の問題がなくなり、騒音の発生も防止できる。
また、本発明のプリント配線板において、前記作動液は、電気伝導性の液体であり、前記作動液循環手段は、磁場発生手段により発生される前記細管を貫く磁場と、電流発生手段により前記作動液中を流れる電流とによって、作動液を、前記磁場の方向と電流の方向とで決定される方向へ移動させることを特徴とする。具体的には、前記磁場発生手段は、前記細管の両側に対向して配置される磁石であり、前記電流発生手段により、前記細管の内壁に対向して配置される電極間に電流が流れる。また、前記電気伝導性の液体としては、食塩水が利用できる。
このような構成のプリント配線板によれば、作動液は、作動液循環手段によりフレミングの法則に従って決定される方向に移動し、ループ状の細管内で循環する。これにより、プリント配線板に搭載された電子部品の熱を効率的に放出することができる。
また、プリント配線板の内部に熱を移送する作動液を封入する構成であるため、従来の巨大なヒートシンクや大型ファンを取り付ける構成と比べて、全体的に軽量化・小型化・スリム化(薄型化)を図ることができる。この小型化・スリム化に加え、外付け・後付けの冷却デバイスを削減することで、電子機器内への装着等が容易になり、かつ、配置の自由度が高くなる。さらに、搭載される電子部品に対して、大型のヒートシンクや冷却デバイスを直接取り付けないため、プリント配線板や電子部品に対するストレスが少なくなる。
しかも、プリント配線板に接続する外部の配管等もなく、作動液による熱移送機構に可動部分もないため、配管等の経年劣化や着脱による故障、液漏れ等の問題がなくなり、騒音の発生も防止できる。
また、本発明のプリント配線板において、前記細管は、当該プリント配線板の電子部品が搭載されている部分(部品搭載部)と、当該プリント配線板に設けられた放熱部との間に配置されていることを特徴とする。ここで、前記細管が、前記電子部品が搭載されている部分の略全域にわたって設けられていてもよく、前記細管の一部が、他の部分に比べて、配線板表面に近接して配置されていてもよい。
このような構成のプリント配線板によれば、部品搭載部に実装された電子部品が発熱すると、この熱は、部品搭載部付近の絶縁樹脂層を通って、プリント配線板内部に形成されている細管に伝達される。細管に伝達された熱は、作動液が作動液循環手段により細管内で循環することによって、部品搭載部側から放熱部側へ移送される。作動液の循環により細管内を移送された熱は、放熱部付近の絶縁樹脂層を通って、放熱部へ伝達され、放熱部から外部へ放出される。このような一連の動作により、プリント配線板に搭載された電子部品の熱を効率的に放出することができる。
また、本発明のプリント配線板の内部には、前記細管の配置されている部分を除く全部分または一部分に金属層が設けられていることを特徴とする。
このような構成のプリント配線板によれば、絶縁樹脂板を積層して内層コア材を形成すると、内層コア材の内部には、ヒートコレクタとしての金属層が形成される。これにより、プリント配線板において、効率よく熱を外部へ放出できる一方、細管内の作動液の流速や、細管の配置を工夫することによって、プリント配線板全体の温度を均一化することができる。そして、プリント配線板全体の温度を均一化することで、例えば、特に高熱を発する電子部品があるなど、温度係数が異なる素子で構成された回路を安定動作させることができる。
また、本発明のプリント配線板において、前記細管の内壁には、凹凸または溝が形成されていることを特徴とする。
このような構成のプリント配線板によれば、細管の内壁の凹凸や溝により、細管の内壁の表面積を増やしたり、細管内の作動液の流れに渦や乱流を起こしたりして放熱効率を上げることができる。
また、本発明のプリント配線板において、前記細管は銅製であることを特徴とする。つまり、熱伝導性の高い銅で細管の内壁を形成して、搭載電子部品等の熱を効率的に放出するようにしている。
また、本発明のプリント配線板において、前記細管の断面形状を、円形、楕円形、長円形、矩形、菱形、台形、三角形、もしくはこれら各形状の角の部分を丸めた形状、または前記各形状を組み合わせた形状としてもよい。
また、本発明のプリント配線板において、前記細管の内壁表面うち、前記電流発生手段の電極以外の部分には、金属材料または非金属材料からなる防錆保護層が形成されていることを特徴とする。具体的には、前記材料は、クロム、ニッケル、金、または樹脂であることを特徴とする。つまり、防錆メッキを施すという一般的な方法によって、細管の内壁が錆び付くのを防止している。
また、本発明のプリント配線板において、前記細管の内壁は、該細管に印加された電圧により電気防蝕されていることを特徴とする。すなわち、上述した防錆メッキを施す方法では、銅等の熱伝導性の高い材料で細管を形成しても、防錆皮膜の材料としてクロムやニッケルを用いると熱伝導を却って妨げてしまう。これに対して、上記のような構成のプリント配線板によれば、細管の熱伝導性を悪化させることなく、細管の内壁が錆び付きを防止できる。
また、本発明のプリント配線板の表面のうち、前記電子部品が搭載されている部分、および前記放熱部の少なくとも一方に金属層が形成されていることを特徴とする。
このような構成のプリント配線板によれば、プリント配線板の表面のうち部品搭載部においては、搭載電子部品からの熱を効率的に細管へ伝達できる。一方、プリント配線板の表面のうち放熱部においては、細管で移送された熱を、プリント配線板外部へ効率的に放出することができる。
ここで、前記放熱部に金属層が形成される場合には、該金属層の上に、ヒートシンク、空冷ファン、ペルチェ素子、または、液冷を行うデバイスもしくは物質を設けてもよい。これにより、さらに効率よく熱を外部へ逃がすことができる。
また、本発明のプリント配線板において、その表面、または前記電子部品が搭載される部分に金属層が設けられている場合における該金属層と、前記細管、または当該プリント配線板の内部に設けられている前記金属層とが、熱伝導性の高い物質を介して接続されていることを特徴とする。この場合、プリント配線板の表面とは、部品搭載部およびその近傍の部分である。熱伝導性の高い物質は、例えばサーマルスルホール等に充填される。
このように、熱伝導性の高い物質を介してプリント配線板の表面と内部とを熱的に結合することで、プリント配線板の表面に搭載された電子部品からの熱を、効率よくプリント配線板の内部の細管や金属層(ヒートコレクタ)へ伝達できる。
本発明のプリント配線板の製造方法は、用意した2枚の絶縁樹脂板のそれぞれの表面に、完成状態のプリント配線板における金属細管に形成される溝であって、少なくとも一部が完成状態のプリント配線板の外形まで達している溝を形成する溝加工工程と、前記溝に、作動液駆動用の電極と、該電極以外の部分に設けられる金属層とを互いに絶縁した状態に形成する電極形成工程と、前記溝が内側となり、前記電極が互いに対向するように2枚の絶縁樹脂板を積層接着して、内層コア材を形成するとともに、該内層コア材の内部に金属細管を形成する積層工程と、前記電極を作動液駆動用の電源に接続するパターンと、前記内層コア材の表面の配線パターンを形成した後、外形加工を行う仕上げ工程と、前記外形加工により形成された前記金属細管の開口部から、該金属細管内に作動液を注入し、作動液の注入後、前記開口部を封止する作動液注入工程と、前記電極が配置されている前記金属細管の一部分の両側に、作動液駆動用の磁石を設置する磁石設置工程とを含むことを特徴とする。
このようなプリント配線板の製造方法によれば、通常のプリント配線板の工程の延長で製造が可能であり、特別な装置、部品、材料等を必要としないため、従来型の冷却法や、専用の冷却配管を設ける方法等に比べて、容易かつ安価に、冷却効率のよいプリント配線板を製造することができる。
そして、プリント配線板の内部に形成された金属細管に封入されている作動液によって、プリント配線板に搭載された電子部品の熱を効率的に放出することができる。また、プリント配線板の内部に熱を移送する作動液を封入するため、従来の巨大なヒートシンクや大型ファンを取り付ける場合と比べて、全体的に軽量化・小型化・スリム化(薄型化)を図ることができる。この小型化・スリム化に加え、外付け・後付けの冷却デバイスを削減することで、電子機器内への装着等が容易になり、かつ、配置の自由度が高くなる。
しかも、プリント配線板に接続する外部の配管等もなく、作動液による熱移送機構に可動部分もないため、配管等の経年劣化や着脱による故障、液漏れ等の問題がなくなり、騒音の発生も防止できる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法において、前記作動液注入工程を、当該プリント配線板に電子部品を実装した後に行うことを特徴とする。すなわち、電子部品を実装する場合には半田付け等の加熱工程が含まれることが多いため、電子部品の実装前に作動液を金属細管に注入すると、半田付け等の加工温度によっては、作動液が沸騰したりして冷却機構にダメージを与える可能性がある。これに対して、上述のようなプリント配線板の製造方法によれば、冷却機構の破損や性能劣化等の危険性がなくなる。
ここで、前記用意した絶縁樹脂板の少なくとも1枚は、半硬化(Bステージ)のプリプレグであってもよい。また、用意した絶縁樹脂板の少なくとも1枚には、接着剤が付着されていてもよい。また、用意した絶縁樹脂板の少なくとも1枚は、積層後に内層コア材の外側となる面に銅箔が積層された銅張り板であってもよい。また、用意した絶縁樹脂板の少なくとも1枚には、積層後に形成される空洞内壁をメッキ処理するための触媒処理を施していてもよい。
また、本発明のプリント配線板の製造方法において、前記積層工程の前に、前記絶縁樹脂板に形成された溝の壁面部分を含む絶縁樹脂板表面の全部または一部に、予めメッキ前処理、触媒処理を行った後、メッキ処理を施して作動液駆動用の電極と、該電極以外の部分に設けられる金属層とを形成することを特徴とする。
このようなプリント配線板の製造方法によれば、絶縁樹脂板を積層して内層コア材を形成すると、内層コア材の内部には、ヒートコレクタとしての金属層が形成される。これにより、プリント配線板において、効率よく熱を外部へ放出できる一方、金属細管内の作動液の流速や、金属細管の配置を工夫することによって、プリント配線板全体の温度を均一化することができる。そして、プリント配線板全体の温度を均一化することで、例えば、特に高熱を発する電子部品があるなど、温度係数が異なる素子で構成された回路を安定動作させることができる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法において、前記積層工程の前に、前記絶縁樹脂板に形成された溝の壁面部分を含む絶縁樹脂板表面の全部に、予めメッキ前処理、触媒処理を行った後、メッキ処理を施して金属層を形成し、その後、形成された金属層の不要な部分をエッチング除去して作動液駆動用の電極と、該電極以外の部分に設けられる金属層を形成することを特徴とする。
このようなプリント配線板の製造方法によれば、絶縁樹脂板を積層して内層コア材を形成すると、内層コア材の内部には、ヒートコレクタとしての金属層が形成される。これにより、プリント配線板において、効率よく熱を外部へ放出できる一方、金属細管内の作動液の流速や、金属細管の配置を工夫することによって、プリント配線板全体の温度を均一化することができる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法において、前記絶縁樹脂板として、少なくとも溝を形成する側の面に銅箔が積層されている銅張り積層板を用意し、前記積層工程の前に、前記銅張り積層板に形成された溝の壁面部分を含む銅張り積層板表面の全部に、予めメッキ前処理、触媒処理を行った後、メッキ処理を施して金属層を形成し、その後、形成された金属層の不要な部分をエッチング除去して作動液駆動用の電極と、該電極以外の部分に設けられる金属層を形成することを特徴とする。
このようなプリント配線板の製造方法によれば、銅張り積層板を積層して内層コア材を形成すると、内層コア材の内部には、ヒートコレクタとしての金属層が形成される。これにより、プリント配線板において、効率よく熱を外部へ放出できる一方、金属細管内の作動液の流速や、金属細管の配置を工夫することによって、プリント配線板全体の温度を均一化することができる。
ここで、前記溝加工工程において、前記絶縁樹脂板に、少なくとも一端が完成状態のプリント配線板の外形まで達している溝を形成する代わりに、前記絶縁樹脂板の表面に完成状態のプリント配線板の外形まで達していない溝を形成し、かつ、一方の絶縁樹脂板の溝の一部に該一方の絶縁樹脂板を貫通する穴を形成してもよい。
また、本発明のプリント配線板の製造方法において、前記積層工程において、前記絶縁樹脂板の積層接着を接着剤にて行ってもよい。
また、本発明のプリント配線板の製造方法において、前記積層工程において、前記絶縁樹脂板の積層接着を金属ろうにて行ってもよい。より具体的には、前記積層工程の前に、前記金属ろうの層を、電解メッキ、無電解メッキ、溶着、または塗布によって、前記金属層または前記銅箔の表面に形成する。前記金属ろうとしては、無鉛または有鉛の半田が利用できる。
また、本発明の電子機器は、上記のような構成の本発明のプリント配線板を備えている。すなわち、本発明は、プリント配線板に限定されるものではなく、このプリント配線板を適用した電子機器を包含する。
本発明は、上述のような構成であるから、プリント配線板の内部に形成された細管に封入されている作動液によって、プリント配線板に搭載された電子部品の熱を効率的に放出することができる。また、従来の巨大なヒートシンクや大型ファンを取り付ける構成と比べて、全体的に軽量化・小型化・スリム化(薄型化)を図ることができる。この小型化・スリム化に加え、外付け・後付けの冷却デバイスを削減することで、電子機器内への装着等が容易になり、かつ、配置の自由度が高くなる。
しかも、プリント配線板に接続する外部の配管等もなく、作動液による熱移送機構に可動部分もないため、配管等の経年劣化や着脱による故障、液漏れ等の問題がなくなり、騒音の発生も防止できる。
また、通常のプリント配線板の工程の延長で製造が可能であり、特別な装置、部品、材料等を必要としないため、従来型の冷却法や、専用の冷却配管を設ける方法等に比べて、容易かつ安価に、冷却効率のよいプリント配線板を製造することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係わるプリント配線板を示している。プリント配線板は、絶縁層と導体層とが少なくとも1層以上交互に積層されて形成されており、片面板でも両面板でも多層板であってもよい。図1では、プリント配線板の内層・外層の配線パターンやレジスト、シルク印刷等は図示を省略している。
プリント配線板10の絶縁層内の特定の領域には、金属製の細管(金属細管)21が設けられている。金属細管21は、部品搭載部Aと放熱部Bとの間に、ループ状に細長く形成されている。プリント配線板10の部品搭載部Aは、発熱量の大きな電子部品E(図2)が搭載される部分となっている。一方、プリント配線板10の放熱部Bは、プリント配線板10の表面に形成された放熱用の金属層14となっている。金属細管21には、作動液(冷媒)が封入されている。作動液は、後述するように、プリント配線板10の製造過程で、作動液注入口22から金属細管21に注入される。また、金属細管21に封入されている作動液を循環させるための駆動部(作動液循環手段)50が設けられている。このように、金属細管21は、部品搭載部Aと放熱部Bとの間を、作動液が循環可能なように、ループ状に配置されている。なお、金属細管21の配置や形状等は限定されず、例えば、金属細管21を屈曲させて形成し、その一部を他の部分よりも、プリント配線板10の表面に近接して配置するようにしてもよい。また、金属細管21が電子部品Eが搭載される部品搭載部A(つまり、冷却したい部分)と、熱の放出を行う放熱部Bとに少なくとも配置されていれば、プリント配線板10の略全域にわたって配置されていてもよく、一部分にのみ配置されていてもよい。
次に、プリント配線板の熱移送機構(放熱機構)について説明する。図2は、電子部品を実装した状態のプリント配線板を示す断面図であり、金属細管21を通る面での断面図である。
プリント配線板10の部品搭載部Aに実装された電子部品Eが発熱すると、この熱は、部品搭載部A付近の絶縁樹脂層13を通って、金属細管21に伝達される。金属細管21に伝達された熱は、作動液が駆動部50により金属細管21内で循環することによって、部品搭載部A側から放熱部B側へ移送される。作動液の循環により金属細管21内を移送された熱は、放熱部B付近の絶縁樹脂層を通って、放熱部Bへ伝達され、放熱部Bの金属層14から外部へ放出される。このような一連の動作により、プリント配線板10に搭載された電子部品Eの熱が放出される。この例では、金属細管21に注入される作動液として、食塩水を用いているが、これ以外の電気伝導性のある液体を用いてもよい。
図3は、作動液を循環駆動するための駆動部50を示す拡大図である。図3を用いて、駆動部50による金属細管21内の作動液の循環機構について説明する。
金属細管21の内壁の上部と下部には、作動液駆動電極51a、51bが対向して設けられている。作動液駆動電極51a、51bを電源に接続して電圧をかけると、作動液駆動電極51a、51b間の作動液(食塩水)中を電流が流れる。一方、作動液駆動電極51a、51bが配置されている金属細管21の部分の両側には、磁石(電磁石または永久磁石)52、52が金属細管21を側方から挟むように、対向して設けられている。磁石52、52により、金属細管21を貫く磁場が発生する。磁石52、52は、プリント配線板10において、上記作動液駆動電極51a、51bが配置される金属細管21の部分の両側に形成されているスリット等に挿入されることで固定されている。なお、図3では、金属細管21の手前側に配置される磁石52の図示を省略している。
磁石52、52は、金属細管21内の磁場の向きが、図3の矢印Xに示す方向になるように配置されている。ここで、作動液駆動電極51a、51b間に電圧をかけ、図3の矢印Yに示す方向の電流が作動液中に流れると、作動液には、図3の矢印Zで示す方向(矢印Xの方向と矢印Yの方向とで決定される方向)の力が作用する。つまり、金属細管21内の作動液に対して、磁石52、52間の磁場の方向、および作動液駆動電極51a、51b間の電流の方向で形成される面に垂直な方向の力が作用する。これにより、作動液は、矢印Zで示す方向に移動し、金属細管21内を循環する。このように、駆動部50により作動液が金属細管21内を循環することによって、部品搭載部Aで吸収された電子部品Eの熱を移送し、放熱部Bで放出するようにしている。なお、プリント配線板10に配置する駆動部50が複数である場合には、磁石52、52間の磁場の方向、または作動液駆動電極51a、51b間の電流の方向を工夫することによって、各駆動部50で作動液に作用する力の方向を、作動液の循環方向に一致させることができる。
次に、プリント配線板(両面配線板)の製造過程について、図4〜図7を用いて説明する。
まず、2枚の絶縁樹脂板11a、11bを用意する。絶縁樹脂板11a、11bは、完成状態におけるプリント配線板10の層間絶縁層となるものである。なお、絶縁樹脂板11a、11bは、Bステージのプリプレグであってもよい。また、絶縁樹脂板11a、11bには、片面(積層後に外側となる面)に銅箔が積層された絶縁樹脂板を用いてもよく、絶縁樹脂板11a、11bの代わりに、適切な触媒層や接着剤層を持つ材料を用いてもよい。なお、絶縁樹脂板11a、11bは、従来のプリント配線板の製造過程の場合と同じように、最終製品(完成状態のプリント配線板)よりも大きなものとなっており、外形加工において実外形位置で切断されて最終製品の大きさになる。このため、場合によっては、いわゆるワークシートに複数の絶縁樹脂板11a、11bが配置されるものであってもよい。
次に、一方の絶縁樹脂板11aの片面(銅箔が積層された絶縁樹脂板11aを用いる場合には、銅箔のない側)に、レーザー加工、サンドブラスト加工、ミリング等の方法で、図4に示すような溝21aを形成する(溝加工工程)。溝21aは、完成状態のプリント配線板10の部品搭載部Aと放熱部Bとの間を結ぶようにループ状に細長く形成されている。この溝21aが、完成状態のプリント配線板10の金属細管21となる。また、分岐溝22aがループ状の部分から分岐して形成されている。この分岐溝22aが、プリント配線板10の金属細管21に作動液を注入する作動液注入口22に形成される。なお、分岐溝22aの端部は、完成状態のプリント配線板10の端面(外形)まで達していればよく、絶縁樹脂板11aの端面まで達している必要はない。また、分岐溝22aの位置は、図示した位置に限定されない。
このとき、溝21aの表面には、細かい溝や凹凸を形成するようにしてもよい。細かい溝や凹凸を設けることで、金属細管21の内壁の表面積を増やしたり、金属細管21内の作動液の流れに渦や乱流を起こしたりして放熱効率を上げることができる。このような溝や凹凸は、レーザー加工により容易に形成することができる。
なお、図4では、絶縁樹脂板11aにループ状の溝21aが形成されているが、冷却したい部分、例えば、発熱量の大きな電子部品Eが搭載される部分(完成状態のプリント配線板10の部品搭載部A)と、吸収した熱を外部に放出する部分(完成状態のプリント配線板10の放熱部B)とを繋ぐように、溝21aが形成されていれば、溝21aの形状等は特に限定されない。図4のように、溝21aの一部を屈曲させて形成するのは、完成状態のプリント配線板10に形成される部品脚の取り付け穴、スルホール等と干渉しないようにするためである。
続いて、他方の絶縁樹脂板11bの片面(銅箔が積層された絶縁樹脂板11bを使う場合には、銅箔のない側)に、上述した絶縁樹脂板11aの場合と同様にして、溝21bと分岐溝22bを形成する。溝21bおよび分岐溝22bは、後述のように2枚の絶縁樹脂板11a、11bを貼り合わせたとき、その貼り合わせ面に対して、上記の絶縁樹脂板11aの溝21aおよび分岐溝22aと面対称となるように形成される。
こうして準備したそれぞれの絶縁樹脂板11a、11bの溝21a、21bに、適切なメッキ前処理、無電解・電解メッキ処理を施して、図5に示すような金属層23、23と、上述した作動液駆動電極51a、51bを形成する(電極形成工程)。このとき、メッキレジストを形成して、作動液駆動電極51a、51bを、その周囲の金属層23、23と電気的に絶縁した状態に形成する。作動液駆動電極51a、51bは、後述のように2枚の絶縁樹脂板11a、11bを貼り合わせたとき、その貼り合わせ面に対して、互いに面対称となるような位置に形成される。なお、作動液駆動電極51a、51bを、絶縁樹脂板11a、11bの溝21a、21bを金属メッキした後、エッチングにより、金属層23、23と絶縁させるようにして形成してもよい。また、この例では、金属メッキは、熱伝導性等の点から銅メッキとしている。熱伝導性の高い銅で溝21a、21bをメッキすれば、電子部品E等からの熱を効率的に放出できる。
次に、溝21a、21bの位置合わせをし、2枚の絶縁樹脂板11a、11bを接着剤にて貼り合わせて内層コア材11を形成する(積層工程)。図6は、両絶縁樹脂板11a、11bを積層接着した状態の断面図、つまり、内層コア材11の断面図を示している。図6に示すように、内層コア材11の両絶縁樹脂板11a、11bの間に、接着層16が形成され、内層コア材11の内部には、金属細管21が形成されている。金属細管21の一部には、作動液駆動電極51a、51bが対向して形成されている。このとき、作動液駆動電極51a、51bが互いに電気的に絶縁するように、2枚の絶縁樹脂板11a、11bを積層する。また、分岐溝22a、22bにより金属細管21に連通する作動液注入口22が形成されている。
なお、金属細管21の内壁に形成される金属層23には、防錆皮膜を形成してもよい。防錆皮膜は、クロム、ニッケル、金、樹脂等により形成することができる。防錆皮膜は、作動液駆動電極51a、51bに形成してもよいが、この場合、金属層23上の防錆皮膜と作動液駆動電極51a、51b上の防錆皮膜とを電気的に絶縁した状態に形成する。また、このような防錆皮膜の代わりに、金属細管21の内壁に電極を接続し、金属細管21に適当な電位を与えることによって行われる電気防蝕により防錆するようにしてもよい。また、必要となる金属細管21の大きさや、内層コア材11の厚さ方向の細管仕様によっては、上述した絶縁樹脂板11a、11bの溝加工の過程において、上下に貼り合わせる絶縁樹脂板11a、11bの内、一方には、溝を形成せずに、平面のままで貼り合わせてもよい。また、部分的に溝を形成したり、溝の深さを変えたりしてもよい。
その後の製造過程は、従来の両面配線板・多層配線板の製造過程と同様である。すなわち、まず、スルホール穴加工、パネルメッキを行う。図7は、このときの内層コア材11の断面図であり、作動液駆動電極51a、51bが設けられていない部分の断面図である。その後、内層コア材11の表面に、エッチングレジストを形成し、配線パターンをエッチング形成して、さらに、ソルダレジスト印刷、シルク印刷、表面処理、外形加工を施して、プリント配線板10を完成させる(仕上げ工程)。配線パターンのエッチング形成の際には、上記放熱部Bとなる部分の内層コア材11の表面に、上述の金属層14を同時に形成しておく。金属層14は、ベタ、あるいはメッシュ状やストライプ状等の放熱用パッドとして形成される。また、従来のバイアホールの形成方法等を応用することによって、上述した作動液駆動電極51a、51bから端子が取り出され、適切な制御・電源回路に接続されたパターンにつなげられる。
なお、以上の製造過程において、エッチング液等が金属細管21内に入って、金属細管21の内壁金属を腐蝕させたり、金属細管21を詰まらせたりしないように、内層コア材11端面に形成されている作動液注入口22を適当な封止部材で塞いで、金属細管21を適切に保護するようにしておく。
またさらに、多層配線板を製造する場合には、上述のように配線パターンが形成された両面配線板を内層コア材として、従来より知られている方法で、この両面配線板に絶縁層と導体層を重ねて形成することによって製造する。多層化手法としては、ビルドアップ法を用いることができる。
以上のようにして、製造されたプリント配線板10は、図1に示すように、外見上は、従来のプリント配線板と同様の構成となっている。しかしながら、この例のプリント配線板10は、その絶縁層内に作動液が注入される金属細管21が設けられている点や、その表面の一部に放熱用の金属層14が設けられている点、作動液の循環機構が設けられている点等で、従来のプリント配線板とは異なっている。なお、プリント配線板10の放熱部Bに形成された金属層14の上に、ヒートシンクや空冷ファン、ペルチェ素子等の冷却デバイスを設置するようにしてもよい。あるいは、金属層14の上に水冷、液冷を行う冷却デバイスや物質を設置するようにしてもよい。これにより、さらに効率よく熱を外部へ逃がすことができる。
磁石52、52は、上述した作動液駆動電極51a、51bが配置されている金属細管21の部分の両側に設置され、必要に応じて配線が行われる。また、プリント配線板10の金属細管21には、上述したように作動液が注入される。作動液は、金属細管21に連通する作動液注入口22から注入される。詳しく言えば、プリント配線板10の部品搭載部Aに電子部品E等の実装を行った後、作動液注入口22の上述した保護用の封止部材を取り除き、この作動液注入口22から作動液を金属細管21内に適量注入し、その後、作動液注入口22を封止部材で封止する(作動液注入工程)。封止部材には、エポキシ樹脂のような樹脂や、半田のような金属が用いられる。
このように、プリント配線板10に電子部品E等を実装した後、金属細管21への作動液の注入・封止を行うのは、電子部品Eを実装する多くの場合に半田付け等の加熱工程が含まれるためである。つまり、電子部品E等の実装前に金属細管21に作動液を注入すると、半田付け等の加工温度によっては、作動液が沸騰したりして冷却機構にダメージを与える可能性があるためである。ただし、加工温度が低い等、冷却機能に影響がないことが確認できる場合には、電子部品E等の実装よりも先に、金属細管21に作動液を注入してもよい。
この例では、上記のとおり、作動液注入口22を、プリント配線板10の端面に設けているが、プリント配線板10の表面に設けてもよい。プリント配線板10の表面に設ける場合には、絶縁樹脂板11aの溝加工の時点で、その位置に一方の絶縁樹脂板11aに貫通穴を形成するか、スルホール穴加工の時点で一方の絶縁樹脂板11aに貫通穴を形成すればよい。
図8は、溝加工の時点で貫通穴24を形成した絶縁樹脂板11aの断面図を示している。絶縁樹脂板11aの表面に形成された溝21aは、完成状態におけるプリント配線板10の外形(端面)まで達していない。この溝21aの一部(図8では端部)に貫通穴24が形成されており、絶縁樹脂板11aの表裏を貫通している。このように形成された貫通穴24に上述したようなメッキ処理等が施されて、プリント配線板10の表面に形成される作動液注入口となる。なお、この場合、貫通穴24は、他方の絶縁樹脂板11bには形成せずに一方の絶縁樹脂板11aにのみ形成し、また、絶縁樹脂板11bの溝21bは、完成状態におけるプリント配線板10の外形(端面)まで達しないように形成する。
上述したようなプリント配線板10の製造方法によれば、通常のプリント配線板の工程の延長で製造が可能であり、特別な装置、部品、材料等を必要としないため、従来型の冷却法や、専用の冷却配管を設ける方法等に比べて、容易かつ安価に、冷却効率のよいプリント配線板を製造することができる。
以上のような構成のプリント配線板10によれば、部品搭載部Aに実装された電子部品Eが発熱すると、この熱は、部品搭載部A付近の絶縁樹脂層13を通って、プリント配線板10内部に形成されている金属細管21に伝達される。金属細管21に伝達された熱は、作動液が駆動部50により金属細管21内で循環することによって、部品搭載部A側から放熱部B側へ移送される。作動液の循環により金属細管21内を移送された熱は、放熱部B付近の絶縁樹脂層を通って、放熱部Bへ伝達され、放熱部Bの金属層14から外部へ放出される。このような一連の動作により、プリント配線板10に搭載された電子部品Eの熱を効率的に放出することができる。
また、プリント配線板10の内部に熱を移送する作動液を封入する構成であるため、従来の巨大なヒートシンクや大型ファンを取り付ける構成と比べて、全体的に軽量化・小型化・スリム化(薄型化)を図ることができる。この小型化・スリム化に加え、外付け・後付けの冷却デバイスを削減することで、電子機器内へのプリント配線板10の装着等が容易になり、かつ、配置の自由度が高くなる。また、プリント配線板10に搭載される電子部品Eに対して、大型のヒートシンクや冷却デバイスを直接取り付けないため、プリント配線板10や電子部品Eに対するストレスが少なくなる。
しかも、プリント配線板10に接続する外部の配管等もなく、作動液による熱移送機構に可動部分もないため、配管等の経年劣化や着脱による故障、液漏れ等の問題がなくなり、騒音の発生も防止できる。
[実施形態2]
次に、プリント配線板(多層配線板)を製造する手順について詳しく説明する(実施形態2)。図9は、多層配線板の断面図である。なお、上記実施形態1と同じ構成による部分については同じ符号を付して説明する(図1〜図8参照)。
まず、上記実施形態1と同様の手順にて、2枚の絶縁樹脂板11a、11bに対して溝加工を行い、両絶縁樹脂板11a、11bを貼り合せたものを内層コア材11として用意する。この場合、絶縁樹脂板11a、11bは、予め外側になる側に銅箔が積層されたものでも、溝21a、21bをメッキする際、同時にメッキするものでもよい。
次に、内層コア材11の端面(図8の場合には、表面)に形成された作動液注入口22(図1参照)を適当な封止部材で塞ぐ。このとき、封止部材を後の工程で取り除くことができるような方法で作動液注入口22を塞ぐようにする。このように作動液注入口22を塞ぐことによって、この後の工程で、金属細管21内にインクや処理液、樹脂等が進入して、作動液注入口22や金属細管21内が汚染、腐蝕、閉塞されることを防ぐようにしている。なお、プリント配線板を複数まとめてワーク形態で加工する場合や、単体であっても少なくとも作動液注入口22側に捨て板が存在する場合には、作動液注入口22を完全に永久閉塞しまってもよい。これは、多層配線板200の外形加工を行うときに、作動液注入口22を塞いだ位置よりも内側(配線板側)の多層配線板200の実外形位置で切断を行うため、塞いだ部分が切断され、新たな開口が形成されるからである。
次に、内層コア材11にスルホールをまだ形成しておらず、かつ、内層にインナーバイアホールを形成する場合には、その位置にドリル加工やレーザー加工等で穴を開けて、パネルメッキを行う。この状態の内層コア材11の断面形状は、上記実施形態1の場合と同同じものになる(図7参照)。一方、内層コア材11を形成した時点で、すでにこの工程を行っている場合は、この穴加工、メッキ処理は不要である。
次に、内層コア材11の表面に、エッチングレジストを形成し、内層パターンをエッチング形成する。この後の工程は、上記実施形態1で述べたように、従来の多層配線板を製造する工程と同様である。すなわち、上記工程を経て内層パターンが形成された内層コア材11を用いて、この内層コア材11の両面にプリプレグと銅箔を積層し、回路をエッチングする方法や、絶縁層の形成、バイアホール加工、メッキ処理、エッチング処理を繰り返すビルドアップ法等が利用できる。
図9は、ビルドアップ法を用いて製造した多層配線板の断面図を示している。図9では、ソルダレジスト等、外層配線層より外側の層の図示を省略している。ビルドアップ法を用いて製造した多層配線板200においては、内層コア材11の両面に内層パターン31が形成され、内層コア材11に積層されたビルドアップ絶縁層32の両面に外層パターン33が形成されている。また、インナーバイアホール35、バイアホール36が形成されている。さらには、作動液駆動電極51a、51bに電流を流すために、バイアホール54が形成されている。バイアホール54は、制御・電源回路に接続されたパターンにつながっている。
[実施形態3]
次に、プリント配線板内部に設けられる金属細管の形状を変更した例について説明する(実施形態3)。なお、上記実施形態1と同じ構成による部分については同じ符号を付して説明する(図1〜図8参照)。
この例の金属細管21の壁面には、図10に示すように、多数の細かい溝25が形成されている。このような溝25を金属細管21に形成するには、上記実施形態1で述べた絶縁樹脂板11a、11bに溝21a、21bを形成する際に、この溝21a、21bの壁面に多数の細かい溝を、レーザー加工等で形成しておく。このように溝21a、21bの壁面に形成された細かい溝は、金属メッキする際に、金属細管21の溝25として形成される。なお、溝25の代わりに、数十ミクロン〜数百ミクロンの細かい凹凸を設けてもよい。
プリント配線板10において冷媒を強制的に循環させると、金属細管21が細長く形成されているため、金属細管21内では、冷媒は比較的静かに流れ、その流れが層流になる可能性が高い。このため、金属細管21の表面付近では冷媒があまり流れていなかったり、流速の異なる各層間での熱移動が少なかったりすることによって、流れている冷媒の一部しか熱移送に有効に関わらないという問題や、効率よく金属細管21から冷媒へ熱が伝達されないという問題が起こる可能性がある。
しかしながら、この例では、金属細管21の壁面に細かい溝25を形成することで、冷媒が金属細管21を流れる際に、冷媒の流れに渦や乱流を発生させたり、金属細管21の熱伝達に関わる表面積を増加させたりすることができ、これにより、金属細管21による熱の移送効率を向上させることができる。
また、金属細管21の内壁を、次のような構成としてもよい。つまり、金属細管21の内壁に形成される金属層23を、銅メッキの層26aとニッケルメッキの層26bとから構成する。図11に、溝21aに、銅メッキの層26aとニッケルメッキの層26bとが形成された絶縁樹脂板11aの断面図を示している。ニッケルメッキの層26bは、防錆のためのコーティングとして設けられており、これ以外に、クロムや金、樹脂を用いて形成してもよい。また、銅メッキの層26aの代わりにアルミメッキの層を形成してもよい。
[実施形態4]
次に、プリント配線板の内部に金属層(ヒートコレクタ)を設ける例について説明する(実施形態4)。図12は、金属層が形成された絶縁樹脂板の斜視図、図13は、内部に金属層が設けられた内層コア材の断面図である。なお、上記実施形態1と同じ構成による部分については、説明を省略し、異なる構成による部分について詳しく説明する。
図12に示すように、絶縁樹脂板411aの表面には、ヒートコレクタとして金属層425が形成されている。絶縁樹脂板411aに溝421aを形成した後、溝421aが形成された部分を含む絶縁樹脂板411a表面のうち、次の部分426、427を除く全部分または必要部分に、後述する方法で金属層425を形成する。また、金属層425の形成と同時に、上述した作動液駆動電極を、周囲の金属層423と電気的に絶縁するように形成する。
絶縁樹脂板411aの表面には、金属層425を形成しない第1の部分426、第2の427がある。第1の部分426は、プリント配線板において、電子部品Eを搭載しない部分や、プリント配線板実外形位置よりも外側の捨て板の部分である。第2の部分427は、バイアホールやスルホール、部品取り付け穴等とその周囲の部分であり、バイアホール、スルホール等が接触して短絡するのを防止するために金属層425を形成しないようにしている。
絶縁樹脂板411aに金属層425を形成する方法には、絶縁樹脂板411aに溝421aを形成した後、金属層425が不要な部分426、427に相当する部分にメッキレジストを形成し、適切な前処理、触媒処理、活性化処理を施した後、メッキを行う方法がある。溝421aを形成した絶縁樹脂板411aの表面に全面メッキを行った後、金属層425が不要な部分426、427をエッチングによって除去する方法を用いてもよい。また、ヒートコレクタ部分の金属層425を厚く形成してより効率よく熱を集めるためや、メッキ処理を容易にするため等に、絶縁樹脂板411aとして、少なくとも溝を形成する側の面に予め銅箔が積層されている銅張り積層板を用いるようにしてもよい。
このような金属層425をもう一方の絶縁樹脂板411bに対しても形成した後、両絶縁樹脂板411a、411bを積層して内層コア材411を形成する。内層コア材411の内部には、金属細管421とヒートコレクタとしての金属層425とが形成される。この例では、両絶縁樹脂板411a、411bの互いの接着面に金属層425が形成されているため、接着剤以外にも、金属ろうを用いて接着することができる。例えば、金属層425の表面に予め、電解メッキ、無電解メッキ、溶着、塗布等の方法で、半田の層を薄く形成した後、この面を互いに接触させるように2枚の絶縁樹脂板411a、411bを積層した後、加圧・加熱して接着する。半田には、高融点の無鉛または有鉛のものが用いられる。
図13は、上述の銅張り積層板を用いた場合の内層コア材の断面図を示している。内層コア材411の内部には、ヒートコレクタとして、銅張り積層板に予め積層してあった銅箔層424と、メッキ等により形成された金属層425とが配置されている。金属層425は、隣り合う2つの金属細管421(金属層423)を繋ぐように設けられている。上述したように、絶縁樹脂板411aの表面には、金属層425の不要な部分426、427を除く全部分または一部分に、金属層425を形成するため、内層コア材411の内部には、金属細管421の配置されている部分を除く全部分または一部分に金属層425が設けられている。
このように、内層コア材411の内部に金属層425を設けることで、プリント配線板において、効率よく熱を外部へ放出できる一方、金属細管421内の作動液の流速や、金属細管421の配置を工夫することによって、プリント配線板全体の温度を均一化することができる。そして、プリント配線板全体の温度を均一化することで、例えば、特に高熱を発する電子部品Eがあるなど、温度係数が異なる素子で構成された回路を安定動作させることができる。
なお、上述のような方法で、金属層425を形成すると、作動液駆動電極からの端子の取り出しを次のようにして行うことができる。図14は、端子部が取り付けられた作動液駆動電極を示す図である。
金属層425の形成と同時に、作動液駆動電極451を、金属細管421の内壁の部分に形成するとともに、この作動液駆動電極451に接続する端子部453を、金属層425が形成される面に形成する。つまり、図14に示すように、作動液駆動電極451から取り出される端子部453を、作動液駆動電極451を金属層425が形成される面まで延ばすようにして形成する。このとき、互いに対向して配置される作動液駆動電極451の端子部453同士が上下に重ならないように配置し、かつ、端子部453が金属層425と接触しないように配置する。
そして、作動液駆動電極451から端子を取り出すには、端子部453を通るように(例えば、図14に示す位置455に)、貫通スルホールやバイアホールを形成すればよい。これにより、容易な方法で、作動液駆動電極451から端子を取り出すことができる。
[実施形態5]
次に、プリント配線板にサーマルパッド、サーマルスルホール等を設ける例について説明する(実施形態5)。図15は、完成状態のプリント配線板の断面図である。図15では、プリント配線板のレジスト、シルク印刷等は図示を省略している。なお、上記実施形態1と同じ構成による部分については、説明を省略し、異なる構成による部分について詳しく説明する。
図15に示すように、プリント配線板500の部品搭載部Aには、サーマルパッド526を介して電子部品Eが搭載されている。サーマルパッド526は、電子部品Eが搭載される部品搭載部Aに設けられ、プリント配線板500の配線パターンのエッチング形成と同時に形成される。この例では、サーマルパッド526は銅箔で形成されている。なお、サーマルパッド526を熱伝導性の高いシリコンシート等で形成して、プリント配線板500と電子部品Eとの間に挟み込むように配置してもよい。また、銅箔とシリコンシートを組み合わせて用いてもよい。
プリント配線板500(内層コア材511)の内部には、金属細管521と、上記実施形態で述べたヒートコレクタ525が設けられている。ヒートコレクタ525は、隣り合う2つの金属細管521を繋ぐように設けられている。また、プリント配線板500には、スルホール515とサーマルスルホール527が形成されている。
サーマルスルホール527は、サーマルパッド526とヒートコレクタ525との間、およびサーマルパッド526と金属細管521との間に介装されている。サーマルスルホール527には、熱伝導性の高い物質が充填されている。つまり、サーマルスルホール527を介して、電子部品Eが搭載されるサーマルパッド526と、ヒートコレクタ525および金属細管521とが接続されている。なお、この例では、プリント配線板500にサーマルパッド526とサーマルスルホール527を両方設けているが、いずれか一方のみを設けるようにしてもよい。また、サーマルスルホール527を設けずに、サーマルパッド526と、ヒートコレクタ525および金属細管521とを、熱伝導性の高い物質で接続するようにしてもよい。
サーマルスルホール527は、通常のスルホール515の場合と同様の方法で形成することができ、プリント配線板500の配線パターンを形成する過程で、スルホール515とともに形成される。なお、配線パターンに利用するスルホール515が、内層コア材511の内部のヒートコレクタ525や金属細管521に電気的に接触すると、回路短絡等の問題が起きるため、スルホール515をヒートコレクタ525や金属細管521と干渉しないように設ける必要があるのに対して、サーマルスルホール527は、ヒートコレクタ525や金属細管521に積極的に接続するように設けられるという違いがある。
このように、サーマルスルホール527により、サーマルパッド526と、プリント配線板500の内部のヒートコレクタ525および金属細管521とを熱的に結合することによって、サーマルパッド526上に実装された電子部品Eからの発熱が、サーマルパッド526に伝わると、この熱がサーマルパッド526下の絶縁層や、サーマルパッド526に接続されるサーマルスルホール527に伝達される。そして、サーマルスルホール527に接続されるヒートコレクタ525や金属細管521に伝達され、効率よく熱を外部へ放出できる。
[実施形態6]
次に、プリント配線板にヒートシンクを設ける例について説明する(実施形態6)。この実施形態6は、上記実施形態5で述べたプリント配線板にヒートシンクを設けた例について説明することとし、上記実施形態5と同じ構成による部分には同じ符号を付して説明する(図15参照)。図16は、完成状態のプリント配線板の断面図である。図16では、プリント配線板のレジスト、シルク印刷等は図示を省略している。
図16に示すように、プリント配線板500´の部品搭載部Aには、上記実施形態7で述べたサーマルパッド526を介して電子部品Eが搭載されている。サーマルパッド526は、例えば銅箔で形成されており、電子部品Eが搭載される部品搭載部Aに設けられている。プリント配線板500´(内層コア材511´)の内部には、金属細管521と、上記実施形態6で述べたヒートコレクタ525が設けられている。ヒートコレクタ525は、隣り合う2つの金属細管521を繋ぐように設けられている。なお、上記実施形態7と同様に、サーマルスルホールを形成し、サーマルスルホールを介して、電子部品Eが搭載されるサーマルパッド526と、ヒートコレクタ525および金属細管521とを熱的に結合するようにしてもよい(図15参照)。
プリント配線板500´の電子部品E上にはヒートシンク528が設けられている。プリント配線板500´には、ヒートシンク528の取り付け脚529が挿入される取り付け穴516が形成されている。ヒートシンク528の取り付け脚529は、プリント配線板500´の取り付け穴516に挿入され、シリコン樹脂や導電性ペースト、接着剤、半田等の熱伝導性の高い材料を用いてプリント配線板500´に固定される。このように、プリント配線板500´にヒートシンク528を設けることで、プリント配線板500´の表面からも電子部品Eの熱を逃がすことができる。なお、ヒートシンク528の取り付け脚529を、上記実施形態7におけるサーマルスルホール(図15参照)に挿入し、半田等で固定してもよく、この場合には、さらに効率よく熱を外部へ放出できる。また、このようなヒートシンク528をプリント配線板500´の放熱部B(図1参照)に設けてもよい。
[実施形態7]
次に、プリント配線板の金属細管の断面形状の変形例について、図17を用いて説明する(実施形態7)。上記実施形態1〜6では、プリント配線板(内層コア材)の内部に設けられる金属細管の断面形状を、角の部分を丸めた矩形としているが(図6等参照)、この形状に限定されるものではない。例えば、金属細管の断面形状を、円形、楕円形、長円形、矩形、菱形、台形、三角形、もしくはこれら各形状の角の部分を丸めた形状、または前記各形状を組み合わせた形状としてもよい。
図17(a)〜(h)に示すように、金属細管の断面形状は、絶縁樹脂板に金属細管となる溝を形成する際、その溝の形状を変更することによって、種々に変えることができる。図17(a)に示す金属細管621aは断面略円形であり、プリント配線板(内層コア材)の内部に金属細管621aがパイプ状に形成される。図17(b)に示す断面略正方形の金属細管621b、図17(c)に示す断面略長方形の金属細管621c、図17(d)に示す断面略菱形の金属細管621dは、エンドミルやドリル等で絶縁樹脂板に溝加工をする際に最も簡単に形成できる。図17(e)に示す断面略楕円形の金属細管621e、図17(f)に示す断面略長方形の金属細管621fは、電子部品Eからの熱をより受け取りやすいように、扁平な形状となっている。図17(g)に示す断面略台形の金属細管621g、図17(h)に示す断面略三角形の金属細管621hは、プリント配線板部品搭載面側よりの吸熱効果を大きくすることができる。
本発明を適用するプリント配線板の実施形態1を示す図である。 電子部品を実装した状態のプリント配線板を示す断面図である。 作動液を循環するための駆動部を示す図である。 溝が形成された絶縁性樹脂を示す斜視図である。 金属層と作動液駆動電極が形成された溝を示す斜視図である。 2枚の絶縁樹脂板を積層接着して形成した内層コア材を示す断面図である。 パネルメッキ処理を施した内層コア材を示す断面図である。 溝および貫通穴が形成された絶縁性樹脂を示す断面図である。 多層配線板を示す断面図である。 金属細管を示す断面図である。 溝に銅メッキと防錆用のコーティングを施した絶縁樹脂板を示す断面図である。 表面に金属層を形成した絶縁樹脂板を示す斜視図である。 内部に金属層が設けられた内層コア材を示す断面図である。 端子部が取り付けられた作動液駆動電極を示す斜視図である。 完成状態のプリント配線板を示す断面図である。 ヒートシンクを取り付けたプリント配線板を示す断面図である。 プリント配線板の金属細管の断面形状の変形例を示す図である。
符号の説明
10 プリント配線板
11 内層コア材
11a、11b 絶縁樹脂板
21 金属細管
21a、21b 溝
22 開口部
50 駆動部
51a、51b 作動液駆動電極
52 磁石
A 部品搭載部
B 放熱部
E 電子部品

Claims (28)

  1. 絶縁層と導体層とが少なくとも1層以上交互に積層されて構成されたプリント配線板において、
    前記絶縁層内の特定の領域に金属製の細管がループ状に配置されており、該細管内に封入される作動液が作動液循環手段により循環され
    前記作動液は、電気伝導性の液体であり、
    前記作動液循環手段は、磁場発生手段により発生される前記細管を貫く磁場と、電流発生手段により前記作動液中を流れる電流とによって、作動液を、前記磁場の方向と電流の方向とで決定される方向へ移動させることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記磁場発生手段は、前記細管の両側に対向して配置される磁石であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記電流発生手段は、前記細管の内壁に対向して配置される電極間に電流を流すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリント配線板。
  4. 前記電気伝導性の液体は、食塩水であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  5. 前記細管は、当該プリント配線板の電子部品が搭載されている部分と、当該プリント配線板に設けられた放熱部との間に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  6. 前記細管の一部は、他の部分に比べて、配線板表面に近接して配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  7. 当該プリント配線板の内部には、前記細管の配置されている部分を除く全部分または一部分に金属層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  8. 前記細管の内壁には、凹凸または溝が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  9. 前記細管は、銅製であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  10. 前記細管の断面形状は、円形、楕円形、長円形、矩形、菱形、台形、三角形、もしくはこれら各形状の角の部分を丸めた形状、または前記各形状を組み合わせた形状であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  11. 前記細管の内壁は、該細管に印加された電圧により電気防蝕されていることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  12. 当該プリント配線板の表面のうち、前記電子部品が搭載されている部分、および前記放熱部の少なくとも一方に金属層が形成されていることを特徴とする請求項5から請求項11までのいずれか1項に記載のプリント配線板。
  13. 前記放熱部に金属層が形成される場合には、該金属層の上に、ヒートシンク、空冷ファン、ペルチェ素子、または、液冷を行うデバイスもしくは物質が設けられていることを特徴とする請求項12に記載のプリント配線板。
  14. 用意した2枚の絶縁樹脂板のそれぞれの表面に、完成状態のプリント配線板における金属細管に形成される溝であって、少なくとも一部が完成状態のプリント配線板の外形まで達している溝を形成する溝加工工程と、
    前記溝に、作動液駆動用の電極と、該電極以外の部分に設けられる金属層とを互いに絶縁した状態に形成する電極形成工程と、
    前記溝が内側となり、前記電極が互いに対向するように2枚の絶縁樹脂板を積層接着して、内層コア材を形成するとともに、該内層コア材の内部に金属細管を形成する積層工程と、
    前記電極を作動液駆動用の電源に接続するパターンと、前記内層コア材の表面の配線パターンを形成した後、外形加工を行う仕上げ工程と、
    前記外形加工により形成された前記金属細管の開口部から、該金属細管内に作動液を注入し、作動液の注入後、前記開口部を封止する作動液注入工程と、
    前記電極が配置されている前記金属細管の一部分の両側に、作動液駆動用の磁石を設置する磁石設置工程とを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  15. 前記作動液注入工程を、当該プリント配線板に電子部品を実装した後に行うことを特徴とする請求項14に記載のプリント配線板の製造方法。
  16. 前記用意した絶縁樹脂板の少なくとも1枚は、Bステージのプリプレグであることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のプリント配線板の製造方法。
  17. 前記用意した絶縁樹脂板の少なくとも1枚には、接着剤が付着されていることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のプリント配線板の製造方法。
  18. 前記用意した絶縁樹脂板の少なくとも1枚は、積層後に内層コア材の外側となる面に銅箔が積層された銅張り板であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のプリント配線板の製造方法。
  19. 前記用意した絶縁樹脂板の少なくとも1枚には、該絶縁樹脂板に形成される溝の内壁をメッキ処理するための触媒処理が施されていることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のプリント配線板の製造方法。
  20. 前記積層工程の前に、前記絶縁樹脂板に形成された溝の壁面部分を含む絶縁樹脂板表面の全部または一部に、予めメッキ前処理、触媒処理を行った後、メッキ処理を施して作動液駆動用の電極と、該電極以外の部分に設けられる金属層とを形成することを特徴とする請求項14から請求項19までのいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  21. 前記積層工程の前に、前記絶縁樹脂板に形成された溝の壁面部分を含む絶縁樹脂板表面の全部に、予めメッキ前処理、触媒処理を行った後、メッキ処理を施して金属層を形成し、その後、形成された金属層の不要な部分をエッチング除去して作動液駆動用の電極と、該電極以外の部分に設けられる金属層を形成することを特徴とする請求項14から請求項19までのいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  22. 前記絶縁樹脂板として、少なくとも溝を形成する側の面に銅箔が積層されている銅張り積層板を用意し、
    前記積層工程の前に、前記銅張り積層板に形成された溝の壁面部分を含む銅張り積層板表面の全部に、予めメッキ前処理、触媒処理を行った後、メッキ処理を施して金属層を形成し、その後、形成された金属層の不要な部分をエッチング除去して作動液駆動用の電極と、該電極以外の部分に設けられる金属層を形成することを特徴とする請求項14から請求項19までのいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  23. 前記溝加工工程において、前記絶縁樹脂板に、少なくとも一端が完成状態のプリント配線板の外形まで達している溝を形成する代わりに、
    前記絶縁樹脂板の表面に完成状態のプリント配線板の外形まで達していない溝を形成し、かつ、一方の絶縁樹脂板の溝の一部に該一方の絶縁樹脂板を貫通する穴を形成することを特徴とする請求項14から請求項22までのいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  24. 前記積層工程において、前記絶縁樹脂板の積層接着を接着剤にて行うことを特徴とする請求項14から請求項23までのいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  25. 前記積層工程において、前記絶縁樹脂板の積層接着を金属ろうにて行うことを特徴とする請求項20から請求項22までのいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  26. 前記積層工程の前に、前記金属ろうの層を、電解メッキ、無電解メッキ、溶着、または塗布によって、前記金属層または前記銅箔の表面に形成することを特徴とする請求項25に記載のプリント配線板の製造方法。
  27. 前記金属ろうは、無鉛または有鉛の半田であることを特徴とする請求項25または請求項26に記載のプリント配線板の製造方法。
  28. 請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載のプリント配線板を用いたことを特徴とする電子機器。
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