JP4350559B2 - 金属調成形シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、装飾対象物の表面の形状に対応させて3次元形状に成形され、装飾対象物の表面を覆って金属調に装飾するための金属調成形シート及びその製造方法に関する。
例えば自動車のエンブレム等の樹脂成形品では、装飾用のメッキを施す代わりに金属箔が用いられるようになり(例えば、特許文献1参照)、近年、その金属箔に代わって金属調成形シートが用いられようになってきている。そして、従来の金属調成形シートとしては、熱可塑性樹脂層と、接着剤層と、インジウムからなる金属層と、透明な熱可塑性樹脂層とを順番に積層したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−99272号公報(段落[0006]〜[0008]) 特開2002−370311号公報(請求項1、第1図)
しかしながら、上記した従来の金属調成形シートには装飾用メッキに特有の青白い光輝がなく、装飾性が低かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より装飾性に優れた金属調成形シート及びその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る金属調成形シート(10)は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、インジウムの金属層(13)と、金属層(13)が蒸着した透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備え、青色顔料インク層(15)と耐候性インク層(16)とを合わせた厚さを10〜16μmとしたところに特徴を有する。
請求項2の発明に係る金属調成形シート(20)は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、熱可塑性樹脂層(14)に蒸着したインジウムの金属層(13)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備え、青色顔料インク層(15)と耐候性インク層(16)とを合わせた厚さを10〜16μmとしたところに特徴を有する。
請求項3の発明に係る金属調成形シート(30)は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、インジウムの金属層(13)と、金属層(13)が蒸着した透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備え、耐候性青色透明インク層(17)の厚さを5〜16μmとしたところに特徴を有する。
請求項4の発明に係る金属調成形シート(40)は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、熱可塑性樹脂層(14)に蒸着したインジウムの金属層(13)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備え、耐候性青色透明インク層(17)の厚さを5〜16μmとしたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1又は2に記載の金属調成形シート(10,20)において、青色顔料インク層(15)と金属層(13)又は透明な熱可塑性樹脂層(14)との間にプライマー層(18)を設けたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項3又は4に記載の金属調成形シート(30,40)において、耐候性青色透明インク層(17)と金属層(13)又は透明な熱可塑性樹脂層(14)との間にプライマー層(18)を設けたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項3,4,6の何れかに記載の金属調成形シート(30,40)において、耐候性青色透明インク層(17)における青色顔料の含有率を1〜5重量%としたところに特徴を有する。
請求項の発明に係る金属調成形シート(10)の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、インジウムの金属層(13)と、金属層(13)が蒸着した透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備え、青色顔料インク層(15)と耐候性インク層(16)とを合わせた厚さが10〜16μmである金属調成形シート(10)の製造方法であって、透明な熱可塑性樹脂層(14)に青色顔料をスクリーン印刷して青色顔料インク層(15)を形成し、その青色顔料インク層(15)に透明な耐候性インク層(16)をスクリーン印刷して耐候性インク層(16)を形成するところに特徴を有する。
請求項の発明に係る金属調成形シート(20)の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、熱可塑性樹脂層(14)に蒸着したインジウムの金属層(13)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備え、青色顔料インク層(15)と耐候性インク層(16)とを合わせた厚さが10〜16μmである金属調成形シート(10)の製造方法であって、金属層(13)に青色顔料をスクリーン印刷して青色顔料インク層(15)を形成し、その青色顔料インク層(15)に透明な耐候性インク層(16)をスクリーン印刷して耐候性インク層(16)を形成するところに特徴を有する。
請求項10の発明に係る金属調成形シート(30)の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、インジウムの金属層(13)と、金属層(13)が蒸着した透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備え、耐候性青色透明インク層(17)の厚さが5〜16μmである金属調成形シート(30)の製造方法であって、青色顔料と透明な耐候性透明インクとの混合体を、透明な熱可塑性樹脂層(14)にスクリーン印刷して耐候性青色透明インク層(17)を形成するところに特徴を有する。
請求項11の発明に係る金属調成形シート(40)の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、熱可塑性樹脂層(14)に蒸着したインジウムの金属層(13)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備え、耐候性青色透明インク層(17)の厚さが5〜16μmである金属調成形シート(40)の製造方法であって、青色顔料と透明な耐候性透明インクとの混合体を、金属層(13)にスクリーン印刷して耐候性青色透明インク層(17)を形成するところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項10又は11に記載の金属調成形シート(30,40)の製造方法において、耐候性青色透明インク層(17)における青色顔料の含有率を1〜5重量%としたところに特徴を有する。
請求項13の発明は、請求項乃至12の何れかに記載の金属調成形シート(10,20,30,40)の製造方法において、150〜350メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷を行うところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項10又は11に記載の金属調成形シート(30,40)の製造方法において、耐候性青色透明インク層(17)における青色顔料の含有率を1〜5重量%とし、180メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷を行うところに特徴を有する。
請求項1及び2の金属調成形シート(10,20)では、インジウムの金属層(13)、透明な熱可塑性樹脂層(14)に重ねて青色顔料インク層(15)を積層したことにより、青白い光輝が得られるようになり、従来より装飾性が向上する。そして、青色顔料インク層(15)と耐候性インク層(16)とを合わせた厚さを10〜16μmとしたことにより、その青色の光輝を装飾用のメッキの光輝に近似させることができる。しかも、その青色顔料インク層(15)に重ねて透明な耐候性インク層(16)を積層したので耐候性も向上する。また、この金属調成形シート(10,20)の青色顔料インク層(15)及び耐候性インク層(16)は、スクリーン印刷を行うことで形成することができる(請求項8,9の発明)。
請求項3及び4の金属調成形シート(30,40)では、インジウムの金属層(13)、透明な熱可塑性樹脂層(14)に重ねて、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)を積層したので、青白い光輝が得られて従来より装飾性が向上しかつ耐候性も向上する。そして、耐候性青色透明インク層(17)の厚さを5〜16μmとしたことにより、その青色の光輝を装飾用のメッキの光輝に近似させることができる。また、この金属調成形シート(30,40)の耐候性青色透明インク層(17)は、青色顔料と透明な耐候性透明インクとの混合体をスクリーン印刷を行うことで形成することができる(請求項10,11の発明)。
ここで、耐候性青色透明インク層(17)における青色顔料の含有率を、1〜5重量%とすることで、クロムメッキ特有の青白い光輝にすることができる(請求項7の発明)。また、青色顔料インク層(15)、耐候性インク層及び耐候性青色透明インク層を好適な厚さに形成するためには、スクリーン印刷に用いるスクリーンを150〜350メッシュにすることが好ましい(請求項14の発明)。特に、耐候性青色透明インク層(17)における青色顔料の含有率を1〜5重量%とし、180メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷を行うことが好ましい(請求項15の発明)。
また、金属層(13)をインジウムとすることで、より一層クロムメッキ特有の青白い光輝に近づけることができる(請求項8の発明)。さらに、金属層と透明な熱可塑性樹脂層との積層順序を適宜変更することで、青色の光輝の度合いを微妙に異ならせることができる(請求項1,2,3,4の発明)。また、プライマー層(18)を設けて、青色顔料インク層(15)と金属層(13)又は透明な熱可塑性樹脂層(14)との間、又は、耐候性青色透明インク層(17)と金属層(13)又は透明な熱可塑性樹脂層(14)との間を強固に固定することが好ましい(請求項5,6の発明)。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
本実施形態の金属調成形シート10は、図1に示すように、熱可塑性樹脂層11と、接着剤層12と、金属層13と、透明な熱可塑性樹脂層14と、プライマー層18と、青色顔料インク層15と、透明な耐候性インク層16とを順番に積層して構成されている。
熱可塑性樹脂層11は、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)製のフィルムで構成されている。この熱可塑性樹脂層11の厚さは、例えば、50〜1500μmになっている。そして、この熱可塑性樹脂層11の一面にウレタン系又はアクリル系の接着剤を、例えば1〜20μmの厚さとなるように塗布して接着剤層12が形成されている。
なお、熱可塑性樹脂層11は、ABS以外に、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリカーボネート系等の熱可塑性樹脂に適宜変更してもよい。
透明な熱可塑性樹脂層14は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)製のフィルムで構成されており、その厚さは、例えば25〜300μmになっている。また、透明な熱可塑性樹脂層14の表裏の一方の面に、例えば、インジウムを5〜300nmの厚さとなるように蒸着させて金属層13が形成され、これら透明な熱可塑性樹脂層14と金属層13とにより金属蒸着フィルム21が構成されている。そして、金属蒸着フィルム21のうち金属層13側を前記した接着剤層12に密着させ、これにより金属層13が1対の熱可塑性樹脂層11,14に挟まれた所謂ラミネート構造になっている。また、透明な熱可塑性樹脂層14のうち金属層13と反対側の面には、塗料の固着強度を高めるための下塗り剤が塗布されてプライマー層18が形成されている。
青色顔料インク層15は、一般に使用されている工業用の青色顔料を含んだウレタン系又はアクリル系のインクを、透明な熱可塑性樹脂層14のうちプライマー層18を備えた面にスクリーン印刷することで形成されている。また、耐候性インク層16は、一般に使用されているウレタン系又はアクリル系の耐候性インクを、青色顔料インク層15に重ねてスクリーン印刷することで形成されている。
ここで、青色顔料インク層15及び耐候性インク層16の各厚さは、5〜8μmとなっており、従って、青色顔料インク層15と耐候性インク層16とを合わせた厚さは、10〜16μmとなっている。青色顔料インク層15及び耐候性インク層16の各厚さは、スクリーン印刷に用いるスクリーンのメッシュ数により調節することができる。具体的には、150〜350メッシュのスクリーンを用いることで、1回のスクリーン印刷で厚さ5〜8μmの青色顔料インク層15及び耐候性インク層16を形成することができる。
なお、目的の厚さに応じて、150〜350メッシュのスクリーンを使い分けてスクリーン印刷を行うことが好ましい。また、スクリーン印刷を複数回行って、青色顔料インク層15及び耐候性インク層16の厚さを調節してもよい。
このように構成された金属調成形シート10を用いて製造された製品として、例えば図2に示した自動車のホイール装飾部品50が挙げられる。このホイール装飾部品50は、円形基部51に複数の係止爪53を一体形成してなる。詳細には、図3に示すように円形基部51は、全体として周縁部から中心部に向かって徐々に図3の上方側に膨らむように湾曲しており、円形基部51の周縁部からは図3の下方側に向かって周壁52が突出している。そして、その周壁52の下端から前記した複数の係止爪53が張り出し、これら係止爪53が図示しないホイールキャップの中央に形成された孔に挿入されて固定される。
ホイール装飾部品50の表面50Aには、その周縁部からリング部54が上方に隆起している。また、表面50Aの中央には、文字「P」(図2参照)を形取ったエンブレム部55が上方に隆起している。そして、ホイール装飾部品50は、全体として熱可塑性樹脂(例えば、ABS、変性PPE、PC、PC+ABS、PP、PA等)で構成されており、円形基部51における表面50A側の全体が、金属調成形シート10により金属調に装飾されている。
このホイール装飾部品50は、以下に説明する製造工程を経て製造される。
金属調成形シート成形工程として、金属調成形シート10を加熱して、ホイール装飾部品50の表面50Aの凹凸形状に対応した3次元形状に成形する。そのため、金属調成形シート10をクランプ(図示せず)で把持した状態にして、ヒーター(図示せず)でその金属調成形シート10の両面を加熱し、金属調成形シート10を軟化させる。そして、その金属調成形シート10を図4に示すホイール装飾部品50に対応した凹凸形状を上面に有する真空金型60の上面に敷設する。このとき、金属調成形シート10の熱可塑性樹脂層11(図1参照)側を真空金型60に宛がう。
次いで、吸引孔62を通して金属調成形シート10と真空金型60との間の空気を吸引し、金属調成形シート10を真空金型60の上面に密着させる。そして、真空金型60を冷却し、金属調成形シート10が硬化したら金属調成形シート10を真空金型60から取り外す。これより、金属調成形シート10は、図4に示すように、ホイール装飾部品50の表面50Aの凹凸形状に対応したドーム部10Bを、平坦部10Aから隆起させた形状に成形される。ここで、金属調成形シート10では、青色顔料インク層15と耐候性インク層16とを合わせた厚さを10〜16μmとしたことで、成形時に青色顔料インク層15と耐候性インク層16にひび割れが生じることが防がれ、成形後の金属調成形シート10の表面を滑らかな状態にすることができる。
次いで、金属調成形シート10から平坦部10Aを除去するようにトリミングを行い、図5に示したようにドーム部10Bのみからなる金属調成形シート10を1対の射出成形金型65,66の間にインサートする。具体的には、一方の射出成形金型65には、金属調成形シート10の形状に対応して窪んだ凹所67が形成されており、この凹所67に金属調成形シート10を嵌合固定する。そして、これら射出成形金型65,66を閉じ、他方の射出成形金型66に備えた丘陵部68を金属調成形シート10の内側に突入させて、金属調成形シート10と丘陵部68との間に略均一な厚さの成形空間(図示せず)を形成した状態にする。また、丘陵部68の側面68Cに、1対のスライド金型71,72を突き合わせて係止爪成形空間73を形成し、射出成形金型66に備えたゲート部75からそれら成形空間に溶融樹脂を充填する。そして、射出成形金型65,66及びスライド金型71,72を冷却して溶融樹脂が固化してから、それら射出成形金型65,66及びスライド金型71,72を開く。これにより、図2及び図3に示すように、ホイール装飾部品50における表面50Aが、金属調成形シート10によって覆われ、金属調の装飾が施された状態になり、ホイール装飾部品50の製造が完了する。
完成したホイール装飾部品50の表面50Aは金属調成形シート10に覆われ、その金属調成形シート10は、金属層13、透明な熱可塑性樹脂層14に重ねて青色顔料インク層15を積層したことにより、青白い光輝が得られるようになり、従来より装飾性が向上する。そして、金属層13をインジウムとしかつ、青色顔料インク層15と耐候性インク層16とを合わせた厚さを10〜16μmとしたことにより、その青色の光輝を装飾用のメッキ(例えば、クロムメッキ)の光輝に近似させることができる。しかも、青色顔料インク層15に重ねて透明な耐候性インク層16を積層したので、単に青色顔料インク層15だけを設けた場合に比べて耐候性も向上する。また、青色顔料インク層15を、例えば、アクリルフィルムで覆って保護した場合に比べて、低コストで青色顔料インク層15を保護することができる。
[第2実施形態]
本実施形態の金属調成形シート20は、図6に示されており、前記第1実施形態の金属調成形シート10における金属層13と透明な熱可塑性樹脂層14との積層順序を逆にして、透明な熱可塑性樹脂層14を接着剤層12側、金属層13をプライマー層18側に配置した構成になっている。上記した構成以外は、前記第1実施形態と同じである。このように構成された金属調成形シート20では、第1実施形態の金属調成形シート10と同様の作用効果を奏すると共に、第1実施形態の金属調成形シート10とは微妙に色調が異なる金属調の装飾効果を得ることができる。
[第3実施形態]
本実施形態の金属調成形シート30は、図7に示されており、前記第1実施形態の金属調成形シート10の青色顔料インク層15及び耐候性インク層16の代わりに、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層17をプライマー層18に重ねて積層した構造になっている。また、耐候性青色透明インク層17の厚さは、5〜16μmになっている。
この金属調成形シート30の製造方法としては、青色顔料と透明な耐候性透明インクとの混合体のうち青色顔料の含有率を1〜5重量%とし、180メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷を行う。これにより、1回のスクリーン印刷で本実施形態に係る金属調成形シート30の耐候性青色透明インク層17を形成することができる。上記した構成以外は、前記第1実施形態と同じである。
本実施形態の金属調成形シート30によれば、金属層13、透明な熱可塑性樹脂層14に重ねて、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層17を積層したので、青白い光輝が得られて従来より装飾性が向上しかつ耐候性も向上する。
[第4実施形態]
本実施形態の金属調成形シート40は、図8に示されており、前記第3実施形態の金属調成形シート30における金属層13と透明な熱可塑性樹脂層14との積層順序を逆にして、透明な熱可塑性樹脂層14を接着剤層12側、金属層13をプライマー層18側に配置した構成になっている。このように構成された金属調成形シート40では、第3実施形態の金属調成形シート30と同様の作用効果を奏すると共に、第3実施形態の金属調成形シート30とは微妙に色調が異なる金属調の装飾効果を得ることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
)前記第1〜4の各実施形態の金属調成形シート10,20,30,40には、プライマー層18が備えられていたが、プライマー層18を備えない構成にしてもよい。また、プライマー層18の代わりにエッチング処理を施してもよい。
)前記第1〜4の各実施形態の金属調成形シート10,20,30,40では、スクリーン印刷によって青色顔料インク層15と耐候性インク層16を、又は耐候性青色透明インク層17を形成していたが、グラビア印刷のようにローラを用いて青色顔料インク層15と耐候性インク層16を、又は耐候性青色透明インク層17を形成してもよいし、スプレー噴射等によって形成してもよい。


本発明の第1実施形態に係る金属調成形シートの断面図 ホイール装飾部品の斜視図 ホイール装飾部品の断面図 真空金型の断面図 樹脂成形金型の断面図 本発明の第2実施形態に係る金属調成形シートの断面図 本発明の第3実施形態に係る金属調成形シートの断面図 本発明の第4実施形態に係る金属調成形シートの断面図
符号の説明
10,20,30,40 金属調成形シート
11 熱可塑性樹脂層
12 接着剤層
13 金属層
14 熱可塑性樹脂層
15 青色顔料インク層
16 耐候性インク層
17 耐候性青色透明インク層
18 プライマー層
21 金属蒸着フィルム

Claims (14)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、インジウムの金属層(13)と、前記金属層(13)が蒸着した前記透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備え、
    前記青色顔料インク層(15)と前記耐候性インク層(16)とを合わせた厚さを10〜16μmとしたことを特徴とする金属調成形シート(10)。
  2. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、前記熱可塑性樹脂層(14)に蒸着したインジウムの金属層(13)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備え、
    前記青色顔料インク層(15)と前記耐候性インク層(16)とを合わせた厚さを10〜16μmとしたことを特徴とする金属調成形シート(20)。
  3. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、インジウムの金属層(13)と、前記金属層(13)が蒸着した透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備え、
    前記耐候性青色透明インク層(17)の厚さを5〜16μmとしたことを特徴とする金属調成形シート(30)。
  4. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、前記熱可塑性樹脂層(14)に蒸着したインジウムの金属層(13)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備え、
    前記耐候性青色透明インク層(17)の厚さを5〜16μmとしたことを特徴とする金属調成形シート(40)。
  5. 前記青色顔料インク層(15)と前記金属層(13)又は前記透明な熱可塑性樹脂層(14)との間にプライマー層(18)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属調成形シート(10,20)。
  6. 前記耐候性青色透明インク層(17)と前記金属層(13)又は前記透明な熱可塑性樹脂層(14)との間にプライマー層(18)を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の金属調成形シート(30,40)。
  7. 前記耐候性青色透明インク層(17)における青色顔料の含有率を1〜5重量%としたことを特徴とする請求項3,4,6の何れかに記載の金属調成形シート(30,40)。
  8. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、インジウムの金属層(13)と、前記金属層(13)が蒸着した透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備え、前記青色顔料インク層(15)と前記耐候性インク層(16)とを合わせた厚さが10〜16μmである金属調成形シート(10)の製造方法であって、
    前記透明な熱可塑性樹脂層(14)に青色顔料をスクリーン印刷して前記青色顔料インク層(15)を形成し、その青色顔料インク層(15)に透明な耐候性インク層(16)をスクリーン印刷して前記耐候性インク層(16)を形成することを特徴とする金属調成形シート(10)の製造方法。
  9. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、前記熱可塑性樹脂層(14)に蒸着したインジウムの金属層(13)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備え、前記青色顔料インク層(15)と前記耐候性インク層(16)とを合わせた厚さが10〜16μmである金属調成形シート(10)の製造方法であって、
    前記金属層(13)に青色顔料をスクリーン印刷して前記青色顔料インク層(15)を形成し、その青色顔料インク層(15)に透明な耐候性インク層(16)をスクリーン印刷して前記耐候性インク層(16)を形成することを特徴とする金属調成形シート(20)の製造方法。
  10. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、インジウムの金属層(13)と、前記金属層(13)が蒸着した透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備え、前記耐候性青色透明インク層(17)の厚さが5〜16μmである金属調成形シート(30)の製造方法であって、
    青色顔料と透明な耐候性透明インクとの混合体を、前記透明な熱可塑性樹脂層(14)にスクリーン印刷して前記耐候性青色透明インク層(17)を形成することを特徴とする金属調成形シート(30)の製造方法。
  11. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、前記熱可塑性樹脂層(14)に蒸着したインジウムの金属層(13)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備え、前記耐候性青色透明インク層(17)の厚さが5〜16μmである金属調成形シート(40)の製造方法であって、
    青色顔料と透明な耐候性透明インクとの混合体を、前記金属層(13)にスクリーン印刷して前記耐候性青色透明インク層(17)を形成することを特徴とする金属調成形シート(40)の製造方法。
  12. 前記耐候性青色透明インク層(17)における青色顔料の含有率を1〜5重量%としたことを特徴とする請求項10又は11に記載の金属調成形シート(30,40)の製造方法。
  13. 150〜350メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷を行うことを特徴とする請求項8乃至12の何れかに記載の金属調成形シート(10,20,30,40)の製造方法。
  14. 前記耐候性青色透明インク層(17)における青色顔料の含有率を1〜5重量%とし、180メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の金属調成形シート(30,40)の製造方法。
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