JP4349672B2 - プラスチック製キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物取り出しのための弁機構とこれを覆うオーバーキャップとを備えしかもオーバーキャップ内の水滴の残留や汗かきを防止しながら内容物充填及び閉栓後の加熱殺菌または洗浄を行うことが可能なキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワンタッチで開閉操作可能な液体容器用の開閉蓋は既に知られている。例えば、特開平9−30554号公報には、第一の筒体と、第二の筒体とを備え、第一の筒体を容器の口部に螺着可能に形成し、第一の筒体の首部に第二の筒体を開状態と閉状態とにスライドさせうるスライド域を形成し、第一の筒体の頭部にはボタン型のランド部とランド部の周りの液体用の第一の注ぎ口とを設け、第二の筒体を第一の筒体のスライド領域に蓋の閉状態と開状態とにスライド可能に嵌着すると共に、蓋の閉状態で第一の筒体の首部に摩擦的に結合可能に形成し、第二の筒体の天井面の中央部には第二の注ぎ口を有するフランジを設け、容器口部を密封するためのシール用シートと組み合わせたものが記載されている。
また、この公報には、第一の筒体の肩部にスナップ嵌合可能なキャップを設けることも記載されている。
【0003】
一方、食品類の保存性を向上させるための食品包装体の殺菌乃至滅菌には、超高温短時間殺菌(UHT)包装、高温短時間殺菌(HTST)包装、レトルト殺菌包装、無菌充填包装などの完全殺菌包装や、熱間充填包装、湯殺菌包装などの低温殺菌包装が使用されている。
【0004】
更に、内容物の付着による黴の発生等を防止するために、内容物充填及び閉栓後にキャップ及び容器口部に洗浄用の水又は熱水等を散布することが行われている。
【0005】
食品類の内、飲料の包装には、缶の他に、PETボトル等のプラスチック製ボトルや、ガラス製のボトルが広く使用されており、これらボトルの密封には、金属製或いはプラスチック製のキャップが使用されている。
飲料類に対する殺菌には、無菌充填や、低温殺菌が一般的に用いられているが、殺菌のためのコストや、内容物の香味保持性の点から、熱間充填、湯殺菌或いはこれらの組合せが一般的となりつつある。低温殺菌の温度としては、一般に60乃至95℃の温度が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、容器内に内容物を充填し且つ口部を樹脂製キャップで密封してなる包装体に熱水を散布して、加熱殺菌乃至滅菌を行う方法を、上記の従来技術の容器に適用した場合、ある種の問題が発生することが分かった。
すなわち、熱水散布時に、オーバーキャップとキャップ首部との嵌合部下部のごく狭い隙間に水が溜まって黴等の発生の恐れを生じたり、また、熱水散布時に、オーバーキャップとキャップ首部との嵌合部のごく狭い隙間からオーバーキャップ内に水が侵入し、侵入した水がそのままオーバーキャップ内に留まって、汗かき現象を生じる恐れがある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、内容物取り出しのための弁機構とこれを覆うオーバーキャップとを備えしかもオーバーキャップ下部内面に水滴が溜まるのを防止したり、オーバーキャップ内の汗かきを防止しながら内容物充填及び閉栓後の加熱殺菌または洗浄を行うことが可能なキャップを提供するにある。
本発明の他の目的は、内容物の熱間充填、閉栓後の容器の横倒し、及び正立状態での熱水散布との組合せで容器及びキャップの殺菌乃至滅菌が可能であり、しかもオーバーキャップ内の水滴の残留や汗かき現象を有効に解消しうるキャップを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、リング状の頂板部と、頂板部の外周側から垂下するスカート部と、頂板部の中央且つ上方に位置する内容物取り出しのための弁機構と、スカート部内面に形成された容器口部との締結機構とを備えたキャップ本体、及びキャップ本体と別体に形成され前記弁機構を覆う着脱自在の外蓋から成り、外蓋は、頂板部と頂板部から垂下するスカート部とを備え、外蓋のスカート部の下方部分における内周面には係合用突起部が形成され、キャップ本体のリング状の頂板部と弁機構との間には段肩部が備えられ、段肩部の上方における外周部には、外蓋の係合用突起部と係合する円周状の係合用突起部が形成され、キャップ本体の、外蓋の下方端縁が当接するリング状頂板部には、外蓋の係合用突起部をキャップ本体の係合用突起部に係合した状態で、内周側先端が外蓋の内周よりも内側に位置し、底が外蓋の下方端縁よりも下方に位置し且つ径方向に延びる切り欠き部が周状に分布して複数個形成されていることを特徴とするプラスチック製キャップが提供される。本発明のキャップでは、キャップ本体と別体に形成され容器口部を着脱自在に密封する中栓が設けられ、前記頂板部乃至スカート部には、中栓と容器口部との密封係合部に近接する外部空間に通じる微細貫通口が形成されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施形態】
本発明のキャップは、大別して、(1)(i)リング状の頂板部と、頂板部の外周側から垂下するスカート部と、(ii)頂板部の中央且つ上方に位置する内容物取り出しのための弁機構と、(iii)スカート部内面に形成された容器口部との締結機構とを備えたキャップ本体、(2)キャップ本体と別体に形成され前記弁機構を覆う着脱自在の外蓋から成る。外蓋は、頂板部と頂板部から垂下するスカート部とを備え、外蓋のスカート部の下方部分における内周面には係合用突起部が形成され、キャップ本体のリング状の頂板部と弁機構との間には段肩部が備えられ、段肩部の上方における外周部には、外蓋の係合用突起部と係合する円周状の係合用突起部が形成されている。
【0010】
本発明のキャップを包装に使用する場合、容器内に内容物を熱間充填し、次いで容器口部にキャップを閉栓(キャッピング)する。この閉栓操作は、キャップ本体内部に中栓が予め収納され(収納の仕組みについては後述する)、しかもキャップ本体の弁機構の側に外蓋(オーバーキャップ)が予め嵌合された状態で、キャップ本体を容器口部に載せ、キャップ本体を閉栓方向に回動させることにより行われ、これにより、中栓が容器口部に密封的に係合すると共に、キャップ本体が容器口部に締結される。次いで、内容物が充填され且つ密封された包装体を横倒しする。これにより、容器及びキャップの内方への露出面が高温の内溶液と接触して、これらの露出面の殺菌乃至滅菌操作が行われる。最後に正立状態の包装体に上方から熱水を散布して、殺菌乃至滅菌操作が完了する。
【0011】
この熱水散布による殺菌乃至滅菌操作においては、係合手段より下方の外蓋内面に水滴が溜まり、黴発生の原因となったり、外蓋の内部に水が侵入して、外蓋内面や弁機構に微細な水滴となって付着残留し、いわゆる汗かき現象を生じるという不都合が発生する。
このような不都合は、外蓋の周囲をも含めてキャップ外周にヒートシュリンクフィルムをかぶせた場合に特に顕著に生じる。
【0012】
本発明では、外蓋の下方端縁が当接するリング状頂板部に、外蓋を係合手段に係合した状態で、内周側先端が外蓋の内周よりも内側に位置し、底が外蓋の下方端縁よりも下方に位置し且つ径方向に延びる切り欠き部を形成することにより、上記水滴の残留や汗かき現象を有効に防止することができる。
【0013】
後述する実施例を参照されたい。リング状頂板部に上記の周状に分布した複数個の切り欠き部を設けた実施例1のキャップ、及び上記の切り欠き部を設けなかった以外は実施例1と同様な構造を有する比較例1のキャップについて、殺菌乃至滅菌試験を行い、外蓋内部における水滴の残留や汗かき現象の有無を試験した。
すなわち、温度87℃の水を内容積500mlのPETボトルに熱間充填し、上記実施例1及び比較例1のキャップを閉栓した後、30秒間横倒しし、次いでキャップ上方から温度80℃の熱水を180秒間散布し、最後に温度50℃の冷水を散布して冷却した。
比較例1のキャップでは、100本中1本の汗かきが発生したが、実施例1のキャップでは、100本中汗かき本数は0本であり、切り欠き部の形成が外蓋内部の水滴残留によるトラブル発生防止に有効であることが分かる。
【0014】
上記の外蓋付キャップの水または熱水散布において、外蓋内部に水滴の残留する理由は、外蓋の係合用突起部が段肩部の係合用突起部と係合すると、外蓋の下方端縁が外方に拡がり、外蓋の下部と段肩部外面に隙間が形成され、この隙間に水滴が残留するものと推定される。
【0015】
一方、上記の外蓋付キャップの水または熱水散布において、外蓋内部に汗かき現象が発生する理由は、何らかの意味で本発明を拘束するものではないが、次の通りのものと推定される。すなわち、外蓋の下方内面とキャップ本体の係合部(肩部)外面とは着脱自在に嵌合されているが、この外蓋内面と係合部外面との間には微細な隙間が不可避的に存在している。この微細な隙間を通して水が外蓋内部に侵入するのがその原因である。
微細な隙間を通して、汗かきとして認められるほどの水分が侵入するのは、驚くべきことであるが、その原因としては、散布する熱水では、温度上昇により常温の水に比して接触角が低くなることにより、外蓋やキャップの濡れ性が向上しており、外蓋下端縁とリング状頂板部との間にかなりの付着水が存在すること、外蓋の下部と段肩部外面の隙間に水滴が残留していること、外蓋内面と係合部外面との間の微細な隙間には、毛細管現象による水の通路が形成され、この水の通路は外蓋内部にまで至っていること、及び殺菌乃至滅菌操作に続く冷却過程では温度低下により外蓋内部が減圧となり、水分の吸引が行われることなどが密接に関係していると認められる。
実際に、比較例1のキャップについて、水の温度を変化させて、表面張力、接触角、粘度、濡れ性、付着水の状態を測定した結果は次の通りである。
液体 水
温度(℃) 25 50 70 80
表面張力(γ) 71.96 67.90 64.41 62.60
接触角(θ) 93゜ 80゜
粘度 0.903 0.549 0.356
濡れ性(γ×cosθ) -3.6 11.8
付着水 少ない 多い 多い 多い
この結果は水の温度が高くなると、濡れ性が大きくなり、これが付着水の増大につながっていることを示している。
【0016】
これに対して、既に述べたとおり、キャップ本体の、外蓋の下方端縁が当接するリング状頂板部に、外蓋の係合用突起部をキャップ本体の係合用突起部に係合した状態で、内周側先端が外蓋の内周よりも内側に位置し、底が外蓋の下方端縁よりも下方に位置し且つ径方向に延びる切り欠き部を周状に分布して複数個形成することにより、上記水滴の残留や汗かき現象を有効に防止できるのであるが、その理由としては、リング状頂板部に設けた切り欠き部が外蓋下方端縁における付着水を吐き出させるように作用すること、及び殺菌乃至滅菌後における外蓋内部の降温過程で切り欠き部を介して蓋体内部への大気の導入が生じ、間隙水や付着水の内部への吸引が阻止されることが挙げられる。
【0017】
本発明のキャップでは、前記頂板部乃至スカート部には、中栓と容器口部との密封係合部に近接する外部空間に通じる微細貫通口が形成されていることが、中栓と容器口部との密封係合部乃至その周辺を有効に殺菌乃至滅菌する上で好ましい。
【0018】
すなわち、本発明が対象とするキャップでは、頂板部の中央及び上部に弁機構が存在し、更にこれを覆う外蓋が存在している。そのため、外蓋と中栓との間にはかなりの距離があり、中栓とキャップ本体スカート部との間にも無視できない距離がある。
中栓表面の内、容器内部に露出している表面は、熱間充填及び密封後の横倒しにより殺菌乃至滅菌が有効に行われるとしても、中栓と容器との密封係合部分乃至その近傍は、高温の内容液との接触が全く行われないか、行われるとしても接触の程度が不十分であり、したがって、この部分の殺菌乃至滅菌は、熱水の散布による殺菌乃至滅菌によらざるを得ないのであるが、中栓とキャップ全体の外表面との間には前述した距離が存在するため、伝熱不足による殺菌乃至滅菌不良が問題となるのである。
【0019】
本発明によれば、前記頂板部乃至スカート部に、中栓と容器口部との密封係合部に近接する外部空間に通じる微細貫通口を形成することにより、密封包装体に熱水を散布した際、微細貫通口を通して、密封係合部分に近接する外部空間内に熱水が流入し、この熱水により容器口部外面や中栓が直接加熱され、この部分からの熱伝導により密封係合部分乃至その近傍がより高温に加熱され、殺菌乃至滅菌を十分に行うことが可能となるのである。
【0020】
後述する実施例を参照されたい。頂板部乃至スカート部に、キャップ外表面から中栓の側壁部に対応する容器口部外面の空間に至る微細貫通口を形成したキャップ(本発明の実施例)と、微細貫通口を形成していない以外は同様の構成のキャップ(比較例)とについて、加熱殺菌乃至滅菌時の温度測定を行った。即ち、内容積500mlのPETボトルに液温87℃の水を熱間充填し、上記各キャップを打栓した後に30秒間容器を横倒しした。しかる後に、正立状態で温度80℃の熱水を180秒間散布した。中栓側壁部の上部の温度測定を行ったところ次の結果が得られた。
尚、温度上昇勾配は温度55℃からの温度の立ち上がりから求めた。
上記の結果によると、微細貫通開口を設けたキャップの方が、微細貫通口を設けていないキャップに比べて、温度の立ち上がり、到達最高温度及び高温の継続時間の全てにおいて勝っており、キャップの中栓側壁部上部の加熱殺菌乃至滅菌性に優れていることが了解される。
【0021】
本発明において、樹脂キャップのスカート部から天面乃至頂部に至る部分に、密封係合部分に対応する容器口部外面の空間に至る微細貫通口を設けるという簡単な手段で、熱水散布による密封係合部分乃至その近傍の加熱殺菌乃至滅菌が有効に行われるという事実は、実験により現象として見いだされたものであり、全く予想外のものである。
即ち、本発明において設ける微細貫通口とは、文字通り微細なものであり、その貫通口1個当たりの開口断面積は、一般に0.02乃至0.10mm2の範囲にある。このような微細な開口から、密封係合部分乃至その近傍の温度を高める程度の熱水が有効に流入するということは、驚くべきことであるが、その原因としては、外蓋の汗かき現象について説明したのと同様に、散布する熱水では、温度上昇により常温の水に比して粘度や接触角が低くなることにより、キャップの濡れ性が向上しており、しかも微細貫通口では毛細管現象が作用していることと密接に関係している。
【0022】
本発明に用いる熱水散布による加熱殺菌乃至滅菌においては、内容物やキャップの形状及び構造によっても相違するが、一般に60乃至95℃、特に65乃至90℃の熱水を用いて殺菌を行うのが適当である。また、熱水散布の時間も、温度やその他の条件によって相違するが、一般に2乃至20分間、特に3乃至15分間程度の時間が好適である。熱水の散布量は、温度及び時間によっても相違するが、一般に密封係合部分乃至その近傍の温度が所定の加熱殺菌乃至滅菌温度に保持されるようなものであってよい。
殺菌乃至滅菌に用いた熱水は、回収し、必要により熱交換機或いは加熱装置を通した後、熱水散布に循環使用することができる。
【0023】
また、熱水を散布すべき包装体は、正立状態でも横倒し状態でも何れの状態でもよいが、殺菌乃至滅菌装置のコンパクトさと作業性の点では、包装体がキャップを上にした正立状態で殺菌乃至滅菌操作を行うのが望ましく、本発明の方法によれば、この場合にも中栓の密封係合部乃至その近傍の殺菌乃至滅菌が有効に行われるものである。
殺菌乃至滅菌後の包装体は、これを室温にまで放冷してもよいが、内容物の劣化のおそれがあることや、キャップの密封部分が何かの拍子でゆるむおそれがあるため、冷却水を散布し或いは冷却水に浸漬して、積極的に冷却することが好ましい。
【0024】
本発明における加熱殺菌乃至滅菌は、熱間充填法との組合せで実施するのが特に有効である。
熱間充填では、内容物液体の種類によっても相違するが、一般に包装容器内に温度が75℃以上、特に80乃至95℃の液体内容物を充填することにより、内容物の殺菌乃至滅菌と容器の殺菌乃至滅菌とを同時に行う。容器内への熱間充填及びキャップの閉栓は、当然のことながら正立状態で行われるが、充填及び閉栓後容器を転倒させ、この状態で10秒乃至60秒間、特に20乃至40秒間保持して、キャップ中栓の殺菌乃至滅菌をも行う。
包装体の横倒しは、容器の口部やキャップ中栓の内面が内容物液体と接触する限り、その仕方に特に制限はないが、必要により包装体を回転させたり、振動を加えたりすることもできる。
容器が正立状態で内容物の充填とキャップの閉栓とを行っただけでは、キャップ中栓と内容物液面との間には、ヘッドスペースが必然的に介在し、キャップ中栓は殺菌乃至滅菌が不十分な状態に維持されるのであるが、これを横倒しすることにより、中栓の天面部内面が高温の内容液と接触して殺菌乃至滅菌が有効に行われる。
【0025】
包装体の横倒しは、容器の口部やキャップの内面が内容物液体と接触する限り、その仕方に特に制限はないが、必要により包装体を回転乃至回動させたり、振動を加えたりすることもできる。
【0026】
【実施例】
本発明を次の例で説明する。本発明は、いかなる意味においても後述する例に限定されるものではない。
添付図面において、
図1は本発明の方法に用いるキャップの一例(実施例1)の一部断面側面図であり、
図2は図1のキャップを容器口部と共に示す一部断面側面図であり、
図3は図2のキャップ及び容器口部の要部を示す拡大断面図であり、
図4は図1のキャップに用いる中栓の一例の上面図であり、
図5は図4の中栓の側面図であり、
図6は図4の中栓の底面図であり、
図7は図4の中栓の側断面図であり、
図8は図1のキャップを、弁部材を取り外して示す上面図であり、
図9は図8のキャップの一部断面側面図であり、
図10は図8のキャップの側断面図であり、
図11は図8のキャップの底面図であり、
図12は図1のキャップの弁部材を上方に引き上げた状態を示す側断面図であり、
図13は図2のキャップ、中栓の変形及び容器口部の要部を示す拡大断面図であり、
図14は本発明に用いるキャップの他の例(実施例2)の一部断面側面図であり、
図15は図14のキャップを容器口部と共に示す拡大断面図であり、
図16は本発明に用いるキャップの更に他の例(実施例3)の一部断面側面図であり、
図17は図16のキャップ及び容器口部の要部を示す拡大断面図である。
【0027】
[実施例1]
本発明のキャップの一例を示す図1乃至3において、このキャップは、大別して、キャップ本体1、中栓7及び外蓋9から成っている。キャップ本体1は、リング状の頂板部11と、頂板部の外周側から垂下するスカート部12と、頂板部の中央且つ上方に位置する内容物取り出しのための弁機構6と、スカート内面に形成された容器口部5との締結機構15とを備えている。中栓7はキャップ本体1とは別体に形成されており、容器口部5を着脱自在に密封する構造となっている。外蓋9はキャップ本体1と別体に形成されており、前記弁機構6を覆うように着脱自在にキャップ本体1に設けられている。
【0028】
キャップ本体1は、リング状頂板部11と弁機構6との間に段肩部4を備えており、この段肩部4には外蓋9との係合機構が設けられている。この係合機構は、具体的には、図1に示すように、段肩部4の上方及び最外周部に設けられた円周状の係合用突起部41から成っている。
【0029】
一方、外蓋9は頂板部91と頂板部から垂下したスカート部92とを備えており、スカート部92の下方部分には、図2に示すように、係合用突起部94が形成されている。
外蓋9をキャップ本体1に嵌合させる場合には、外蓋9の係合用突起部94が、キャップ本体の係合用突起部41を乗り越えて、係合用突起部41と噛み合い、外蓋9のキャップ本体への係止が行われる。
外蓋9をキャップ本体1から取り外す際には、上記と逆の順序での係合解除が行われる。
【0030】
外蓋9の係合用突起部94が段肩部4の係合用突起部41と係合すると、外蓋9の下部が外方に拡がり、外蓋9の下部と段肩部4外面に隙間96が形成され、この隙間96に水滴が残留され、これに起因してカビの発生のおそれがあり、また更に、この隙間96を通して、殺菌乃至滅菌時に水が侵入し汗かき現象が発生する原因となる。
本発明では、この水滴の残留や汗かき現象を解消するため、外蓋9の下方端縁95が当接するリング状頂板部11に、切り欠き部3を周の一部に配置する。
【0031】
この切り欠き部3は、図3に示すとおり、外蓋を係合手段に係合した状態で、内周側先端33が外蓋9の内周よりも内側に位置し、底32が外蓋9の下方端縁95よりも下方に位置し且つ径方向に延びるように設けられている。
切り欠き部3は完全に上方に開放しており、一方、切り欠き部3の内周側先端33はキャップ本体の係合用突起部41から下方に延びる傾斜面43に接続されている。かくして、外蓋9の下方端縁95と切り欠き部3の底面32との間には一定の高さ(h)の間隔が維持されている。
【0032】
外蓋9の下方端縁95乃至その近傍の付着水を切り欠き部3に有効に吐き出させるためには、前記高さhは0.2mm以上、特に0.5乃至2.0mmの範囲にあるのが望ましい。この高さhが上記範囲を下回ると付着水の吐き出しが不十分となって、外蓋9内部に汗かき現象を生じやすくなる。一方、この高さhを余り大きくすることは、キャップハイトが高くなり、樹脂量も多くなるので好ましくない。
【0033】
図面に示す実施例では、切り欠き部3の底面32は、ほぼ水平に径外方向に延びているが、勿論径外方向に下向きに傾斜して延びていてもよい。また、切り欠き部3の径内方向の壁面33は、ほぼ垂直に形成されているが、下向きに径の増大する傾斜面乃至テーパー面であってもよい。
【0034】
切り欠き部3の周方向の幅(w)は、一般的に0.5mm以上であるのがよく、付着水の吐き出し性の点で好ましく、切り欠き部3をリング状頂板部11に周方向に分布させる数は、一般に3乃至16個の範囲が好ましく、軸対称に設けることが好ましい。
【0035】
キャップ本体1は、リング状頂部11と、スカート部12とから成っていることは前述したとおりであるが、リング状頂部11の中央上部に開閉可能な弁機構6を備えている。
頂部11の径内方向にはリング状の水平フランジ部13が形成されており、この頂部11の外側端部からスカート部12が下方に垂下している。水平フランジ部13の内面(下面)には、中栓押さえ用の環状突起14が形成されている。この突起14の機能については後述する。
スカート部12の内面にはネジ15が形成されており、このネジ15により、キャップ1が容器口部5へ着脱自在に係合固定される。即ち、容器口部5の外面には、ネジ51が形成されており、上記のネジ15とこのネジ51との螺合により、キャップ1が容器口部5に固定される。
また、スカート部12の内面のネジ15よりも上方部分には、水平フランジ部13とは小間隔を置いて中栓係止用突起16が形成されている。この中栓係止用突起16の機能についても後述する。
【0036】
上記のキャップにおいて、キャップ本体1の頂部11の中央上部には、段差部4を介して上方に直立した中空筒21が形成されており、この中空筒21内の中空空間は、頂部11の下側空間と連通しており、中栓7がなければ、容器内に通じている。
一方、中空筒21内には、同心状に小径の柱状体22が上方に延びており、その上端は、中空筒21から突出している。この柱状体22と中空筒21との位置関係は同心円状であり、柱状体22は、一定間隔で設けられているブリッジ23によって中空筒21の内側に保持されており、中空筒21内の空間は、このブリッジ23によっては閉じられておらず、従って、中空筒21の内面と柱状体22の外面との間の空間が注出路24を形成し、この注出路24を通して、内容液の注ぎ出しが行われる。
【0037】
中空筒21には、弁部材6が上下にスライド可能に嵌め込まれている。
この弁部材6の上下動によって、上述した注出路24が開放されたり、或いは閉じられたりするのであり、この弁部材6が上昇して注出路24が開放され、下降して注出路24が閉じられる。
弁部材6は、天井壁61と、天井壁61から下方に延びているインナーリング62及び外側筒状壁63とから構成されており、インナーリング62と外側筒状壁63との間に中空筒21がスライド可能に嵌め込まれている。また天井壁61の中央部分には、開口64が形成されている。
【0038】
即ち、図1乃至3に示されている様に、弁部材6が最下方位置にある時(常態)には、柱状体22の上端部が開口64を閉じており、従って、この状態では、注出路24が塞がれ、内容液の注出を行うことができない。一方、弁部材6を上昇させると、開口64が開放され、注出路24が外部に通じる。従って、この状態で内容液の注ぎ出しを行うことが可能となるわけである。
このような構造では、一般の需要者は、例えば片手で容器を持ちながら、口で弁部材6を引っ張り上げることができるので、飲料などの容器内容液を喫飲する上で極めて便利である。
【0039】
弁部材6の外側筒状壁63の下端内面には、アンダーカット(突起部)65が形成されており、一方、中空筒21の上方部分外面には、係止用突起25を設けることが好ましい。
即ち、上記係止用突起25とアンダーカット65との係合により、弁部材6が上昇し過ぎて外れてしまうというトラブルを防止できる。
更に、中空筒21の下方部分外面に係止用突起を設けると、アンダーカット65とこの係止用突起との係合により、弁部材6を最下方位置(常態)に安定に保持することができる。また弁部材6の上昇或いは降下による開閉感を需要者に与えることができる。
【0040】
中栓7としては、図4乃至7に示すようなものが使用される。
この中栓7は、容器口部5の頂面52或いは頂面52乃至そのコーナー部54(図3参照)と係合するフランジ部71と、容器口部の内周面53と係合する側壁部72と、閉塞底面部73と、必要に応じ中栓の把持部74とを備えている。
【0041】
側壁部72の外周には、側壁部の高さ方向に延びるリブ部75と凹部76とが交互に多数配置されている。この各リブ部75の中間にはフランジ面に平行な共通な平面上でしかも共通な円周上に位置する突起部77が形成されている。
即ち、リブ部75は、図5及び図7から明らかなとおり、径外方向に凸な湾曲形状となっており、その径外方向に最も突出した部分が突起部77となっている。
【0042】
突起部77の水平断面における外形状は、図6の底面図から明らかなとおり、円周を分断した弧からなっており、容器口部との係合が確実に行われるようになっている。
一方、凹部76の水平断面形状は、図6に示す具体例の場合、半円状であるが、この例に限定されず、U字型溝、V字型溝、逆台形溝、半楕円型溝、放物線型溝サイクロイド型溝などの任意の溝形状であってよい。
【0043】
この中栓7においては、前記円周上に位置する突起部77の合計の周長をL、突起部が位置する円周の長さをL0としたとき、L/L0の比が0.25乃至0.8の範囲にあることが好ましい。この比が上記範囲を下回ると中栓7を容器口部に確実に係止させることが困難となる傾向があり、またこの比が上記範囲を上回ると係止力が過大となって易開栓性が損なわれる傾向がある。
【0044】
また、この中栓においては、突起部77が位置する円周の径をD、突起部77が位置する面上における凹部76の最深部の径をD1、容器口部5の内径をD0としたとき、各部の径が下記式
D>D0>D1
を満足する関係にあることが、中栓の容器口部への係止を確実に行いながら、開栓初期のシールブレークを確実にし、また内容物の熱間充填による中栓の殺菌乃至滅菌を確実に行うために好ましい。
【0045】
更に、突起部が位置する円周の径をD、容器口部の内径をD0としたとき、D/D0の比が1.01乃至1.09の範囲にあることが、中栓の係止力と易開栓性とのバランスの点で好ましい。
この比が上記範囲を下回ると中栓の係止が不安定となり、密封性が低下する傾向があり、一方、この比が上記範囲を上回るとやはり易開栓性が損なわれる傾向がある。
【0046】
この中栓7では、リブ部75と凹部76とを交互に配置した構造を取っているため、リブ75の周方向への変形が許容され、D/D0の比を比較的広い範囲に設定できることも特徴であり、中栓7と容器口部5との間の寸法の許容誤差を広くできるという利点もある。
【0047】
更にまた、突起部77が位置する円周の径をD、突起部が位置する面上における凹部76の最深部の径をD1としたとき、下記式
(D−D1)/D
の比が0.1乃至0.25の範囲にあることが、開栓初期のシールブレークを確実にし、また内容物の熱間充填による中栓の殺菌乃至滅菌を確実に行うために好ましい。
【0048】
また、中栓の側壁部におけるリブの数(従って凹部の数)が6乃至24個であることが、中栓の係止を確実にすると共に、開栓初期のシールブレークを確実にし、また内容物の熱間充填による中栓の殺菌乃至滅菌を確実に行うために好ましい。
【0049】
この中栓7では、容器口部5との密封保持は容器口部の頂面52或いは頂面52乃至そのコーナー部54と係合する中栓7のフランジ部71により専ら行われ、一方容器口部5に対する中栓7の係止は側壁部のリブ部に設けた突起部77により行われ、中栓による容器の密封保持と中栓の容器への係止とが機能分離的に行われている。
このように、両方の機能を分離することにより、後述するように、中栓側壁部の殺菌乃至滅菌を有効に行うと共に、開栓の初期にシールブレークを優先して行い、その後開栓(抜栓)を行うことが可能となる。
【0050】
即ち、図3に示されるとおり、中栓7の側壁部72では、容器口部5に対する機械的係止を行うが、密封は行われていなく、リブ部75に設けた突起部77は容器口部内周面53と係合するが、凹部76は容器口部内周面53から径内方向に離隔していて、気体や液体が自由に通過できる通路となっている。
【0051】
このため、内容物を熱間充填し、中栓7を密封させた後、この包装体を横倒しすると、中栓側壁部の凹部76を通して熱い液体が中栓7のほぼ全域に行き渡り、中栓の加熱殺菌乃至滅菌が有効に行われ、内容物の保存性が向上するという顕著な利点が奏されるものである。
【0052】
一方、中栓フランジ部71と容器口部5の頂面52或いは頂面52乃至そのコーナー部54とは、垂直方向或いは更に水平方向に係合して密封保持されているから、中栓7をほんの少し持ち上げるだけで、中栓フランジ部72の下面と容器口部の頂面53乃至そのコーナー部54との隙間及び側壁部の凹部76を通してシールブレークが行われ、その後容器口部内周面53とリブ部の突起部77との係合が解除されることにより、開栓が行われるのであって、シールブレークと開栓との間に十分なタイムラグをもたせることにより、液飛びの発生を防止できるのである。
【0053】
また、容器口部の内周面53と係合する突起部77を、側壁部外周に凹部76を介して間欠的に配置したリブに形成したため、係止力の調節が容易となり、この係止力を、中栓が容器口部5に確実に係止されるが、中栓7の引き抜きが指で容易に行われる範囲に調節することが可能となる。
【0054】
図3に示した中栓においては、フランジ部71の下面と容器口部5の頂面52とが垂直方向に係合して、密封が行われているが、図13に示すとおり、フランジ部71の付け根に、容器口部の頂面内周側コーナー部54と密封的に係合するコーナー部71aを形成することもできる。この構成では、これらのコーナー部71a、54間で垂直方向のみならず水平方向にも係合が生じるので、中栓フランジ部1の下面と容器口部の頂面52とで単に垂直方向に係合させる場合に比して、密封保持を一層確実なものにすることができる。特に、側壁部で密封保持ができない本発明の中栓ではこの方式が特に有効である。
前述したキャップ本体1(図1乃至3)との組合せでは、キャップ本体1と容器口部5との螺子締結により、中栓フランジ部71の下面と容器口部頂面52との密封保持が確実に行われ、一方、開栓に際しては、キャップ本体1の螺子締結を解除した後、中栓7の開栓を行うことになる。
勿論、この場合、キャップ本体1の締結を緩めることにより、中栓フランジ部71と容器口部5との密封的係合が解除され、シールブレークが行われるようにすることもできるが、密封保持の点では、キャップ本体1の締結を緩めた場合にも中栓7による密封的係合が維持されていることが好ましい。
熱間充填では、容器内部は一般にバキューム状態であるが、このバキュームを利用してキャップ本体1の締結を緩めた後にも中栓7による密封保持を行ってもよい。また、中栓7の開栓に際しては、一旦シールブレークを行えば、その後の開栓力は小さくて済むことになる。
【0055】
この中栓では、弧状の把持部材74が側壁部72に一対の離隔した内側が滑らかな連結部78、78を介して一体に設けられ、しかも把持部材74は連結部78、78間の周a,bの内長い方の周aの側に延びている。
【0056】
上記の把持部材74と側壁部72との連結構造では、これらが連結部78、78の内側において滑らかに接続されているため、連結部78、78の部分は、他の側壁部72や把持部74に比して厚肉であり、把持部74を引っ張ったときにも伸びにくく、引張力が側壁部に伝達されやすい構造となっている。
【0057】
また、本発明による中栓では、把持部材74が連結部78、78間の周a,bの内長い方の周aの側に延びているので、把持部材74による引張力が側壁部2の短い方の周bに集中的に加わり、シールブレークと中栓の開栓とがこの順序に、しかも容易に進行するので、開栓時の液飛びが解消されるという利点が得られる。
【0058】
即ち、開栓に際して、把持部材74を指で摘み、開栓方向に引っ張ると、先ず、離隔した一対の連結部78、78が径内方及び上方に引っ張られ、これにより、短い周bの側のフランジ部71と容器口部の頂面52乃至そのコーナー部54とのシールブレークが発生する。次いで、突起部77が上方に引き上げられ、開栓(抜栓)操作が進行する。
【0059】
このため、中栓の開栓に際して、常に中栓のシールブレークが優先して行われ、その後開栓、即ち中栓の取り外しが進行するので、開栓に際して液飛びが発生するのが完全に抑制され、しかも中栓の容器からの取り外し点(短い方の周の中心C)に両側から応力が集中するように開栓が行われるので、開栓操作も至って容易且つ確実に行われるという利点が達成されるものである。
【0060】
中栓の側壁部72は全体として円周状に形成されており、その内周面79は、型抜きが容易に行えるように、下向きに径が小さくなるようなテーパー状に形成されている。一方、その外周面には、ビード部75と凹部76とが形成されているが、ビード部75のフランジ部71よりも下方に離隔した位置に、径外方向に最も膨出した突起部77が形成されている。突起部77の下方には、下向きに径が縮小するテーパー部が形成されていて、容器口部への打栓が容易に行えるようになっている。
【0061】
一方、把持部材74は、好適には、側壁部72の内径よりも小さな内径の環状部材の一部として形成されており、把持部材74と側壁部72との関係は次のようになっている。即ち、側壁部72を包含する仮想的な環状体Aと、把持部材74を包含しその延長上にある仮想的な環状体Bとを考えると、両者は環状体Aの内周面に環状体Bの内周面が内接する偏心的な位置関係にある。これらの環状体A及びBの内部には成型用の樹脂が充満されており、中栓を形成している。即ち、連結部78、78からの2個の周のうち長い方の周aの部分では側壁部72と把持部材74とが独立に存在するが、短い方の周bの部分では、前記環状体A及びBの両方を包含するように側壁部72の内周面が規定されている。一層具体的には、把持部材74と側壁部72とのこの連結構造では、把持部材74の側壁部72への付け根となる端において、側壁部の厚みが最も大きく、次いで連結部間の中心に向けて厚みが徐々に減少していく部分があり、連結部間の中心に最も厚みの小さい部分があり、開栓に際してこの厚みの最も小さい部分で容器口からの取り外しが容易に行われるようになっている。
【0062】
把持部材74の外周面は、図7に最もよく示されるように、側壁部72の内周面10とほぼ同様に下向きに径が小さくなるテーパー面を形成しており、また把持部材74の内周面も垂直面乃至下向きに径の小さくなるテーパー面を形成しているが、外周面のテーパー角度の方が大きく、把持部材74の径方向の厚みは下向きに次第に小さくなっている。上記の厚み分布を持たせた把持部材74では、成形時の型抜きが容易であり、例えば、把持部材の内周面より内側の型を先ず抜き、次いで外側の型を無理抜きすることにより、型抜きを容易に行うことができる。
【0063】
用いる中栓は、この場合に決して限定されるものではないが、把持部材74の上面を中栓のフランジ部71の上面と面一になるように設けておくことが好ましい。この構造では、把持部材付中栓の成形が最も容易であると共に、最も厚肉の把持部材上面とフランジ部上面とが接続されることにより、中栓の開栓による取り外しが容易に行われる。
更に、把持部材74の下端縁を通る面が側壁部外周の突起部77の少なくとも一部、特に突起部77の上の部分と交わるような位置関係にしておくことが好ましい。このような配置にすると、開栓に際して、突起部77を支点として側壁部外周を容器口部から離れやすくすることができ、シールブレークや中栓の取り外しを容易に行うことができる。
【0064】
把持部材74の内周面のほぼ中央には、指の掛かりをよくするためのリブ74aが少なくとも1本周方向に伸びるように設けられている。また、把持部材74の中央は成形に際して、2分された樹脂流が合流するウェルドラインとなるが、開栓に際してこの部分が破壊するのを防止するため、相対的に厚肉の補強部となっている。
【0065】
この具体例においては、中栓のフランジ部71の外周に、薄肉でしかも幅の狭い延長部70が形成されており、この延長部70は、中栓をキャップ内にセットした状態で同時に打栓を可能にし、中栓を開栓する際には、それに先だってキャップのみの取り外しを可能とするものであるが、その作用については、後から詳述する。
【0066】
この中栓において、把持部材74を包含する環状体Bの内径(Rb)は、開栓に際して少なくとも指の挿入が可能となるものである。一般に、Rbは少なくとも13.2mmの径を有することが好ましい。
また、把持部材74の径方向の厚みは、上面部で0.7乃至1.05mmの範囲にあることが、開栓性の点で好適である。
【0067】
中栓を構成する樹脂材料は、それ自体公知の任意のプラスチックで形成されていることができるが、比較的柔らかい樹脂材料、例えばオレフィン系樹脂で形成されていることが望ましく、特に弾性率(JIS K7203)が2000乃至10000kg/cm2 のオレフィン系樹脂、特に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)や線状超低密度ポリエチレン(LUDPE)から形成されていると、シールブレークと開栓とにタイムラグをもうけた開栓を容易に行うことが可能となる。
【0068】
再び図1乃至3に戻って、中栓7に薄肉周縁延長部70が形成されていることが特に好適である。この薄肉周縁部70とキャップ本体1のスカート部11の内面に形成されている中栓係止用突起16との係合関係が、次のようにコントロールされる。
即ち、キャップを打栓する前の状態では、中栓7の薄肉周縁延長部70が中栓係止用突起16と確実に噛み合う寸法関係となっている。
一方、キャップが容器口部に打栓された状態では、図3に明瞭に示されるとおり、薄肉周縁延長部70が径内方向に寸法が縮小された状態となっている。というのは、キャップ1の打栓に伴い、当然中栓7も打栓されるが、中栓7の膨出部77の径は容器口部5の内面53の径よりも若干大きく形成されており、そのためフランジ部71及び薄肉周縁延長部70が径内方向に引き込まれるからである。
上記の点につき更に説明する。
【0069】
本発明の容器蓋では、キャッピングに先立って中栓7はキャップ本体1内に挿入されるが、この状態において、中栓7の薄肉周縁部70は、キャップスカート部11の内面に形成されている中栓係止用突起16と係合するようになっている。従って、中栓7のキャップ1からの脱落が有効に防止され、キャッピング工程への搬送及びキャッピングを確実に行うことができる。尚、キャッピングは、キャップ本体1に外蓋9も嵌合された状態で容器口部5に行われることになる。
【0070】
このキャップを用いる包装では、内容物を熱間充填した後、直ちに閉栓を行う。熱間充填は、一般に70℃以上、特に80乃至95℃の温度の液体内容物を充填することにより行う。
キャップ本体1を閉栓方向に旋回させてキャッピングを行っていくと、キャップ1の降下によって中栓7も押し下げられ、キャッピング終了時には、図2及び図3に示されている様に、中栓7は容器口部5内に嵌め込まれる。
容器口部5内に嵌め込まれた中栓7では、中栓7の突起部77が容器口部5の内面53と係合して、筒状側壁72が容器口部5によって絞られているから、薄肉周縁部70の外径は若干縮小している。
また、この状態において、水平フランジ部13の内面に形成されている中栓押さえ用の環状突起14は、中栓7のフランジ71にがっちりと食い込み、従って、中栓7はしっかりと容器口部5に固定され、密封が確実なものとなる。
【0071】
キャップを閉栓した後の包装容器は、直ちに横倒しする。この横倒しは、一般に20乃至40秒間程度行うのが好ましい。
熱間充填に続く横倒しにより、中栓7の側壁部の凹部76を通して熱い液体が中栓7のほぼ全域に行き渡り、中栓7の加熱殺菌乃至滅菌が有効に行われ、内容物の保存性が向上する。
【0072】
更に、熱間充填に続く横倒し後の加熱液体散布工程との組み合わせにおいて特に有効である。この加熱液体散布工程において、中栓7の殺菌を有効に行うために、図2及び3に示すとおり、中栓密封部の周辺部の空間81に至る微細貫通孔8をキャップスカート状側壁12に設けるのが好ましい。この微細貫通孔8は、周方向スリットであり、図に示す例では、軸対称に4本周方向に分布して設けられている。
これらの各スリット8はキャップ本体の外面から内面にかけて完全に貫通している。また、この実施例において、スリット8の各々の開口面積は0.04mm2 である。
このキャップにおいて、加熱殺菌乃至滅菌に際して、散布された熱水は、スリット8を通して容器口部の外部空間81内に流入乃至吸引され、密封係合部分に最も近い容器口部頂面52及び中栓フランジ部71と接触して、これを加熱し、密封係合部分及びその周辺部の殺菌乃至滅菌が有効に行われる。
【0073】
キャッピングが完全に終了した図2及び図3の状態では、薄肉周縁部70の外径が小さくなっているため、このままの状態でキャップ本体1を上昇させた時、薄肉周縁部70は、中栓係止用突起16とは係合しないか、或いは係合するとしても係合の程度が微弱なものとなっている。
【0074】
図16及び図17のように、キャップ本体1、外蓋9及び中栓7が容器口部5に装着された容器は、この状態で市販され、これを購入した一般需要者は、先ず、外蓋9とキャップ本体1を開栓方向に旋回させてキャップ本体1を上昇させ、キャップ本体1を容器口部5から取り除く。
キャップ本体1を開栓方向に旋回して上昇させると、中栓押さえ用の環状突起14の中栓フランジ71に対する押圧力も解除されるが、薄肉周縁部70と中栓係止用突起16との係合は外れる。即ち、薄肉周縁部70は合成樹脂製であり、しかも薄肉であることも関連して、変形が容易であり、薄肉周縁部70が中栓係止用突起16と若干の噛み合いを生じていたとしても、薄肉周縁部70が変形して突起16から容易に外れるのである。
かくして、キャップ本体1の開栓によって、キャップ本体1のみが上昇して容器口部5から取り除かれ、中栓7は、容器口部5にそのまま残存することになる。
【0075】
キャップ本体1を容器口部5から取り除いた後は、既に説明したとおり、把持部材74を手で持って引っ張り上げることにより、容器口部5に残存している中栓7を取り出して廃棄する。 次いで、再びキャップ本体1を容器口部5に装着する。
中栓7を取り除いた容器口部5にキャップ本体1を装着すると、中栓押さえ用の環状突起52が容器口部上端に圧接することになり、容器内の密封性は十分に確保される。
また、この状態では、容器内空間はキャップ本体1に形成されている注出路24に連通しているため、一般の需要者は、外蓋9を取り外した後、弁部材6を上昇させて内容液の注ぎ出し、或いは喫飲を行うことができ、弁部材6を降下させることにより、注出路24を閉じることができる。
弁部材6を上昇させた状態を図12に示す。
【0076】
薄肉周縁部70の厚みや径は、閉栓前には係止用突起16による保持が確実に行われ、一方開栓時には中栓係止用突起16と薄肉周縁部70との係合が生じないか或いは係合しても係合状態から容易に外れるように設定される。例えば、薄肉周縁部70の厚みは、100乃至200μm 程度が好適である。
【0077】
[実施例2]
図14及び図15に示すキャップでは、微細貫通口8は、リング状頂部11に周状に配置され、周方向及び高さ方向に延びる周状スリットとして形成されており、全部で4本のスリットが軸対称に設けられている。微細貫通口8が設けられている位置は、当然のことながら外蓋9の外周よりも径外方の位置であり、切り欠き部3と微細貫通口8とは互いに重なる位置関係にあっても、互いにずらされた位置関係にあってもよい。
これらのスリット8はキャップ本体1の外面から内面にかけて完全に貫通していることが理解されるべきである。
キャップ本体1の他の構成及び中栓7の構成は、図1乃至3及び図8乃至11に示したキャップ構造、図4乃至7或いは図13の中栓の構造と同様である(共通の部材は共通の引照数字が付されている)。
また、この実施例において、スリット8の周方向の寸法は2mm、スリット幅(間隙)は0.02mmであり、周方向に4本対称に配置されている。
このキャップにおいても、実施例1に関して説明したのと同様に、加熱殺菌乃至滅菌に際して、散布された熱水は、スリット8を通して容器口部の外部空間81内に流入乃至吸引され、密封係合部分に最も近い容器口部外面52及び中栓フランジ部71と接触して、これを加熱し、密封係合部分及びその周辺部の殺菌乃至滅菌が有効に行われる。
【0078】
[実施例3]
図16及び図17に示すように、この実施例では、微細貫通口8は、リング状頂部11からスカート部12の上部にかけて、径方向且つ高さ方向に延びる切欠状スリットとして形成されており、全部で4本のスリットが軸対称に設けられている。
これらのスリット8はキャップ本体1の外面から内面にかけて完全に貫通していることが理解されるべきである。
キャップ本体1の他の構成及び中栓7の構成は、図1乃至3及び図8乃至11に示したキャップ構造、図4乃至7或いは図13の中栓の構造と同様である(共通の部材は共通の引照数字が付されている)。
また、この実施例において、スリット3の径方向の寸法は2mm、高さ方向の寸法は4mm、スリット幅(間隙)は0.02mmである。
このキャップにおいても、実施例1に関して説明したのと同様に、加熱殺菌乃至滅菌に際して、散布された熱水は、スリット8を通して容器口部の外部空間81内に流入乃至吸引され、密封係合部分に最も近い容器口部外面52及び中栓フランジ部71と接触して、これを加熱し、密封係合部分の殺菌乃至滅菌が有効に行われる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、キャップ本体の、外蓋の下方端縁が当接するリング状頂板部に、外蓋の係合用突起部をキャップ本体の係合用突起部に係合した状態で、内周側先端が外蓋の内周よりも内側に位置し、底が外蓋の下方端縁よりも下方に位置し且つ径方向に延びる切り欠き部が周状に分布して複数個形成することにより、水または熱水散布に伴う外蓋内の水滴の残留や汗かき現象を有効に防止することができる。また、頂板部乃至スカート部に、中栓と容器口部との密封係合部に近接する外部空間に通じる微細貫通口を形成することにより、包装体に熱水を散布して、加熱殺菌乃至滅菌を行うに際し、外蓋から高さ方向に著しく離隔した位置で中栓と容器口部の密封係合が行われても、散布された熱水が、微細貫通口を通して容器口部の外部空間内に流入乃至吸引され、密封係合部分に最も近い容器口部外面や中栓などと接触して、これを加熱し、密封係合部分及びその周辺部分の殺菌乃至滅菌が有効に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いるキャップの一例(実施例1)の一部断面側面図である。
【図2】図1のキャップを容器口部と共に示す一部断面側面図である。
【図3】図2のキャップ及び容器口部の要部を示す拡大断面図である。
【図4】図1のキャップに用いる中栓の一例の上面図である。
【図5】図4の中栓の側面図である。
【図6】図4の中栓の底面図である。
【図7】図4の中栓の側断面図である。
【図8】図1のキャップを、弁部材を取り外して示す上面図である。
【図9】図8のキャップの一部断面側面図である。
【図10】図8のキャップの側断面図である。
【図11】図8のキャップの底面図である。
【図12】図1のキャップについて弁部材を持ち上げた状態を示す断面図である。
【図13】図2のキャップ、中栓の変形及び容器口部の要部を示す拡大断面図である。
【図14】本発明に用いるキャップの他の例(実施例2)の一部断面側面図である。
【図15】図14のキャップを容器口部と共に示す拡大断面図である。
【図16】本発明に用いるキャップの更に他の例(実施例3)の一部断面側面図である。
【図17】図16のキャップ及び容器口部の要部を示す拡大断面図である。
Claims (2)
- リング状の頂板部と、頂板部の外周側から垂下するスカート部と、頂板部の中央且つ上方に位置する内容物取り出しのための弁機構と、スカート部内面に形成された容器口部との締結機構とを備えたキャップ本体、及びキャップ本体と別体に形成され前記弁機構を覆う着脱自在の外蓋から成り、
外蓋は、頂板部と頂板部から垂下するスカート部とを備え、外蓋のスカート部の下方部分における内周面には係合用突起部が形成され、キャップ本体のリング状の頂板部と弁機構との間には段肩部が備えられ、段肩部の上方における外周部には、外蓋の係合用突起部と係合する円周状の係合用突起部が形成され、
キャップ本体の、外蓋の下方端縁が当接するリング状頂板部には、外蓋の係合用突起部をキャップ本体の係合用突起部に係合した状態で、内周側先端が外蓋の内周よりも内側に位置し、底が外蓋の下方端縁よりも下方に位置し且つ径方向に延びる切り欠き部が周状に分布して複数個形成されていることを特徴とするプラスチック製キャップ。 - キャップ本体内には、キャップ本体と別体に形成され容器口部を着脱自在に密封する中栓が設けられ、前記頂板部乃至スカート部には、中栓と容器口部との密封係合部に近接する外部空間に通じる微細貫通口が形成されている請求項1に記載のプラスチック製キャップ。
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