JP3990788B2 - 中栓付容器蓋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製の中栓付容器蓋に関するものであり、より詳細には、容器口部に螺子締結により着脱自在に装着される合成樹脂製の蓋体と、該蓋体と容器口部上端との間で挟持される合成樹脂製の中栓とから成る中栓付容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器口部に螺子締結により着脱自在に装着されるタイプの容器蓋は、例えば容器口部にヒートシールにより固定された中栓等のシール材との組み合わせで種々の容器に使用されている。このようなシール材との組み合わせで使用されるものは、シール性が極めて優れており、所謂熱間充填(ホットパック)可能であり、各種飲料用容器の蓋として特に有利である。
【0003】
ところで、最近では、予め蓋体に内容液注出口を形成した所謂プッシュプルタイプの容器蓋が各種飲料用のキャップとして、特に広く使用されている。このプッシュプルタイプの容器蓋は、例えば容器蓋の頂板部に、頂板部の下側空間と連通する中空空間を有し且つ上方に延びている中空筒が設けられており、この中空筒内に、該中空空間を閉じることがないように中空筒の内面に保持された柱状体が設けられており、該中空筒の内面と柱状体外面との間に容器内容液の注出路が形成されるようになっており、上記の中空筒には、上下にスライド可能に弁部材が嵌め込まれている。この弁部材は、常態にある時は、容器内容液の注出路を完全に遮断しているが、これを上方にスライドさせると、容器内容液の注出路が開放され、該注出路からの容器内容液を注ぎ出しが行われ、注ぎ出しを止める場合には、弁部材を下方にスライドさせて常態に戻せばよいわけである。
【0004】
即ち、このような容器蓋は、一度容器口部から取り外し、シール材を取り除いた後に、再び容器口部に装着すれば、片手で或いは口で容易に弁部材をスライドさせて内容液を注出し得る状態にセットすることができるという利点があり、例えば自転車に乗りながら喫飲することができる。従って、所謂スポーツキャップとして各種の飲料が充填されたスクイズボトル等に装着した形で特に広く使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上記の容器蓋では、シール材がヒートシールにより容器口部に固着されているため、シール材の除去が容易でないという欠点がある。また、シール材を除去すると、容器口部上端に粘着物が付着残存するため、再び容器蓋を装着した時の密封性が不満足となり、極端な場合には液漏れを生じることもある。
【0006】
また、実開昭51−22947号公報には、螺子式キャップ6の頂板部7の内面と容器口部上端4との間に挟持された合成樹脂製パッキング体1が開示されている。このパッキング体は、キャップの頂板部内面と容器口部上端との間で挟持されているが、これを容器蓋内に保持した状態でキャッピングを行わなければならないため、容器蓋には、キャッピング前の段階でのパッキング体の脱落を防止するために、これを係止するための突起が設けられている。例えば、キャップ6のスカート部内面に設けられている螺条が、この係止用の突起の役割を果たしている。
かかる先行技術のパッキング体は、ヒートシールされていないため、このようなパッキング体をプッシュプルタイプの容器蓋に適用することが考えられる。
【0007】
然しながら、上記のパッキング体は、キャップを開封した時にキャップと共に容器口部から取り除かれるものであるため、これをプッシュプルタイプの容器蓋に適用する場合には、例えばパッキング体を容器口部内に嵌め込まれる様な形状とし、その周縁部が容器蓋の頂板部内面と容器口部上端との間で挟持されるようにしなければならない。ところが、上記で説明した様に、この種のパッキング体は、キャッピング前の段階でのパッキング体の脱落を防止するための係止用突起が設けられているため、この係止用突起とパッキング体との係合力を、パッキング体と容器口部との嵌合力よりも小さく設定しなければならないという問題が残る。
このような係合力と嵌合力との大きさの調整では、容器蓋の開栓時に確実にパッキング体を容器口部に残すようにすることは難しく、屡々、パッキング体が容器蓋内に入り込んだままの状態で容器口部から取り除かれてしまう。従って、この場合には、容器蓋内に入り込んだパッキング体を取り除いた後でなければ、この容器蓋を再使用に供することができない。そのまま、容器口部に装着しても、容器蓋頂板部に形成されている注出口は、パッキング体によって閉じられているため、内容液の注出を行うことができないからである。
【0008】
従って本発明の目的は、シール材が蓋体の頂板部内面と容器口部上端との間で挟持されるタイプの容器蓋において、キャッピングに際しては、該シール材が蓋体内に安定に保持されているが、蓋体の容器口部からの取り外しに際しては、シール材とは完全に分離して蓋体のみを容器口部から取り外すことが可能な容器蓋を提供することにある。
本発明の他の目的は、ホットパックや無菌充填にも適した密封性能を有する容器蓋を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、蓋体頂板部に内容液注出用口が形成されており、所謂プッシュプルタイプのキャップとして有効に使用される容器蓋を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、容器口部に螺子締結により着脱自在に装着される合成樹脂製の蓋体と、該蓋体と容器口部上端との間で挟持される合成樹脂製の中栓とから成る中栓付容器蓋において、
前記中栓は、容器口部内面に密着する筒状側壁と、該筒状側壁を閉じるように設けられているシール部と、該筒状側壁に連なる外向きの水平環状部とを備え、該水平環状部の外側先端に薄肉周縁部が形成されており、
前記蓋体は、水平フランジ部を備えた頂板部と、該水平フランジ部から垂下したスカート部とを備え、
前記スカート部の内面には、容器口部の外面に形成された螺条と螺子係合する螺条が形成されていると共に、該螺条よりも上方であって且つ前記水平フランジ部とは小間隔を置いた位置に中栓係止用突起が形成されており、
前記水平フランジ部の内面には、該蓋体を容器口部に装着して螺子固定した時に前記中栓の薄肉周縁部を下向きに指向させる形状調整用突起が形成されており、
前記蓋体の中栓係止用突起と前記中栓の薄肉周縁部との係合により、該中栓を前記蓋体内部に保持した状態で該蓋体の容器口部へのキャッピングが行われ、容器口部にキャッピングされた該蓋体を開封するときには、前記形状調整用突起により前記薄肉周縁部が下方を指向するように形状調整されていることによって、前記中栓は、そのまま容器口部に残ることを特徴とする中栓付容器蓋が提供される。
【0010】
本発明の容器蓋においては、キャッピング前の段階において、蓋体スカート部内面に設けられている中栓係止用突起と中栓の薄肉周縁部との係合により、中栓は蓋体内に安定に保持されており、蓋体内からの中栓の脱落が有効に防止されている。従って、容器内に内容液を充填した後のキャッピングを安定に行うことができる。
キャッピング終了後は、中栓は、蓋体の頂板部内面と容器口部上端との間でしっかりと挟持される。従って、この容器蓋は、例えばホットパックや無菌充填に対しても十分な密封性能を有している。しかも、ヒートシールのような面倒な作業も全く必要としないため、生産性も極めて良好である。
【0011】
更に一度キャッピングされた蓋体を開封すると、中栓は容器口部に残り、蓋体のみを容器口部から取り除くことができる。即ち、蓋体がキャッピングされ容器口部に完全に螺子係合している状態では、中栓の薄肉周縁部が蓋体の水平フランジ部内面に設けられている形状調整用突起により下向きに押圧賦勢され、このままの状態で流通経路に供給され、販売される。即ち、中栓は合成樹脂製であり、その薄肉周縁部は極めて変形し易いから、長時間にわたって下向きに押圧賦勢され続けると、この薄肉周縁部は、押圧賦勢を解除しても下向きとなったままの形状を維持することになる。キャッピング前の段階での薄肉周縁部と中栓係止用突起との係合は僅かであるから、薄肉周縁部が下向きとなり、その外径が小さくなっている状態では、薄肉周縁部と中栓係止用突起とは係合しない状態となる。 従って、このような容器蓋が装着された容器を購入した一般需要者が、蓋体を旋回して開封すると、中栓は容器口部上端に残り、蓋体のみが容器口部から除去されることになる。
【0012】
蓋体を一旦開封した需要者は、中栓を容器口部から取り除き、再び蓋体を容器口部に装着することにより、蓋体のみを繰り返し使用に供することができる。
この場合において、中栓は、容器口部の上端に蓋体によって押さえ付けられていたの過ぎないため、蓋体を除去した後の中栓の容器口部からの除去は容易に行われる。また、中栓が取り除かれた状態で蓋体を容器口部に装着したとしても、形状調整用突起を環状に形成しておけば、この突起が容器口部上端に圧接されるため、十分な密封性能が確保される。
【0013】
上述した構造を有する本発明の容器蓋は、蓋体に内容液注出口が形成されているプッシュプルタイプのキャップとして、極めて有利に使用される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の中栓付容器蓋の好適例を容器口部と共に示す側断面図であり、図2は、図1の容器蓋における中空筒と柱状体との関係を示す部分平断面図であり、図3は、図1の容器蓋における弁部材の上昇によって注出路が開放され、容器内容液の注出が可能となっている状態を示す部分拡大側断面図であり、図4は、図1の容器蓋の機能を説明するための要部拡大断面図である。
【0015】
図1において、この容器蓋は、合成樹脂製の蓋体1と、合成樹脂製の中栓2とから構成されており、さらに必要によりオーバーキャップ3を備えている。
蓋体1は、おおまかに言って頂板部5と、スカート部6とから成っている。
頂板部5には水平フランジ部7が形成されており、この水平フランジ部7の外側端部からスカート部6が下方に垂下している。水平フランジ部7の内面には、形状調整用突起8が形成されている。更に形状調整用突起8の内側となる位置に中栓押さえ用の環状突起9を形成しておくのが好ましい。これら突起8,9の機能については後述する。
スカート部6の内面には螺条10が形成されており、この螺条10により、蓋体1が容器口部50へ着脱自在に係合固定される。即ち、容器口部50の外面には、螺条51が形成されており、上記の螺条10とこの螺条51との螺合により、蓋体1が容器口部50に固定される。また、スカート部6の内面の螺条10よりも上方部分には、水平フランジ部7とは小間隔を置いて中栓係止用突起11が形成されている。この中栓係止用突起11の機能についても後述する。
【0016】
上記の容器蓋において、蓋体1の頂板部5の中央部分には、上方に直立した中空筒15が形成されており、この中空筒15内の中空空間は、頂板部5の下側空間と連通しており、中栓2がなければ、容器内に通じている。
一方、中空筒15内には、柱状体16が上方に延びており、その上端は、中空筒15から突出している。この柱状体16と中空筒15との位置関係を示す平断面図を図2に示した。この図2に示されている様に、柱状体16は、一定間隔で設けられているブリッジ17によって中空筒15の内面に保持されており、中空筒15内の空間は、このブリッジ17によっては閉じられておらず、従って、中空筒15の内面と柱状体16の外面との間の空間が注出路18を形成し、この注出路18を通して、内容液の注ぎ出しが行われる。
【0017】
再び図1に戻って、中空筒15には、弁部材20が上下にスライド可能に嵌め込まれている。
この弁部材20の上下動によって、上述した注出路18が開放されたり、或いは閉じられたりするのであり、図3には、この弁部材20が上昇して注出路18が開放された状態の部分拡大側断面図を示した。
図1と共に図2を参照して、弁部材20は、天井壁21と、天井壁21から下方に延びているインナーリング22及び外側筒状壁23とから構成されており、インナーリング22と外側筒状壁23との間に中空筒15がスライド可能に嵌め込まれている。また天井壁21の中央部分には、開口24(図3参照)が形成されている。
【0018】
即ち、図1に示されている様に、弁部材20が最下方位置にある時(常態)には、柱状体16の上端部が開口24を閉じており、従って、この状態では、注出路18が塞がれ、内容液の注出を行うことができない。一方、図3に示した様に、弁部材20を上昇させると、開口24が開放され、注出路18が外部に通じる。従って、この状態で内容液の注ぎ出しを行うことが可能となるわけである。
このような構造では、一般の需要者は、例えば片手で容器を持ちながら、口で弁部材20を引っ張り上げることができるので、飲料などの容器内容液を喫飲する上で極めて便利である。
【0019】
特に図3を参照して、弁部材20の外側筒状壁23の下端内面には、アンダーカット25が形成されており、一方、中空筒15の下方部分外面には、係止用突起26を設け、さらに上方部分外面には段差部27を設けることが好ましい。
即ち、アンダーカット25と係止用突起26との係合により、弁部材20を最下方位置(常態)に安定に保持することができ、また弁部材20の上昇或いは降下による開閉感を需要者に与えることができる。さらに、上記段差部27とアンダーカット25との係合により、弁部材20が上昇し過ぎて外れてしまうというトラブルを防止できる。
【0020】
また図1から明らかな様に、本発明の容器蓋は、衛生性、商品価値、或いはホットパック後の冷却による水の侵入等を防止するなどの点で、オーバーキャップ3を設けた形で市販に供される。このために、頂板部5の中空筒15の外側部分には、ほぼ直立した段差部30を形成しておき、この部分にオーバーキャップ3を係止する様な構造とすることが望ましい。
【0021】
中栓2は、筒状側壁35と、筒状側壁35の下端を閉じているシール部36とを備えており、シール部36の上面には把手部37が設けられている。また筒状側壁35の上端には、外向きの水平環状部38が形成され、水平環状部38の外側端部には、その全体にわたって薄肉周縁部40が形成されている。
即ち、この中栓2は、容器口部50内に嵌め込まれ、筒状側壁35が容器口部50の内面と密着するが、水平環状部38が容器口部50の上端50a上に位置し、この水平環状部38が容器口部上端50aと、蓋体1の水平フランジ部7の内面とで挟持され、これにより、しっかりと固定されている。具体的には、蓋体1を容器口部50に締結した時に、水平フランジ部7の内面に設けられている中栓押さえ用突起9によって、水平環状部38が容器口部上端50aにしっかりと押し付けられ、これにより十分な密封性能が確保される。
【0022】
本発明においては、中栓2に薄肉周縁部40が形成されていることが重要であり、この薄肉周縁部40と蓋体スカート部6の内面に形成されている中栓係止用突起11との係合関係が、蓋体頂板部5の水平フランジ部7の内面に形成されている形状調整用突起8によりコントロールされ、キャッピング前では、中栓2が蓋体1内に安定に保持され、キャッピング終了後、蓋体1の開封にあたっては、中栓2の保持が解除され、中栓2と分離して蓋体1のみを容器口部上端50aから取り除くことができるのである。
以下、この薄肉周縁部40と形状調整用突起8との機能を図4に基づいて説明する。
【0023】
本発明の容器蓋では、キャッピングに先立って中栓2は蓋体1内に挿入されるが、この状態において、中栓2の薄肉周縁部40は、図4(A)に示されている様に、蓋体スカート部6の内面に形成されている中栓係止用突起11と係合するようになっている。従って、中栓2の蓋体1からの脱落が有効に防止され、キャッピング工程への搬送及びキャッピングを確実に行うことができる。
【0024】
次いで、図4(A)の状態で、内容液が充填された容器の口部50へのキャッピングが行われる。蓋体1を閉栓方向に旋回させてキャッピングを行っていくと、蓋体1の降下によって中栓2も押し下げられ、キャッピング終了時には、図4(B)に示されている様に、中栓2は容器口部50内に嵌め込まれる。
容器口部50内に嵌め込まれた中栓2では、その筒状側壁35が容器口部50によって絞られているから、薄肉周縁部40の外径(中栓2の最外径)は若干縮小している。
また、この状態において、水平フランジ部7の内面に形成されている中栓押さえ用の環状突起9は、中栓2の水平環状部38にがっちりと食い込み、従って、中栓2はしっかりと容器口部50に固定され、密封が確実なものとなる。
一方、水平環状部38の外側に位置している薄肉周縁部40には、その付け根部分乃至その近傍に形状調整用突起8が食い込み、この結果、薄肉周縁部40が下向きの状態に傾斜し、その外径は一層小さくなっている。即ち、キャッピングが完全に終了した図4(B)の状態では、薄肉周縁部40の外径が小さくなっているため、このままの状態で蓋体1を上昇させた時、薄肉周縁部40は、中栓係止用突起11とは係合しないようになっている。
【0025】
図4(B)のように蓋体1及び中栓2が容器口部50に装着された容器は、この状態で市販され、これを購入した一般需要者は、先ず、蓋体1を開栓方向に旋回させて蓋体1を上昇させ、蓋体1を容器口部50から取り除く。
この開栓状態を示したのが図4(C)である。
図4(C)に示されている通り、蓋体1を開栓方向に旋回して上昇させると、当然のことながら、形状調整用突起8による薄肉周縁部40の押圧賦勢は解除される。ところで、キャッピング終了時から一般の需要者が蓋体1の開栓を行うまでは長時間が経過しており、この間、ずっと図4(B)に示された形状調整用突起8による薄肉周縁部40の押圧賦勢が行われている。薄肉周縁部40は合成樹脂製であり、薄肉であることも関連して、極めて変形し易い。即ち、一般需要者が蓋体1を開栓する時点では薄肉部40は永久変形しており、形状調整用突起8による押圧賦勢が解除された後も、薄肉周縁部40は下向きの状態のままの形状を保持しており、依然として、薄肉周縁部40の外径は、図4(B)のように小さいままになっている。従って、蓋体1が開栓により上昇しても、中栓係止用突起11は薄肉周縁部40と接触せず、両者の係合は生じないのである(図4(C)参照)。
かくして本発明によれば、蓋体1の開栓によって、蓋体1のみが上昇して容器口部50から取り除かれ、中栓2は、容器口部50にそのまま残存することになる。
【0026】
蓋体1を容器口部50から取り除いた後は、把手部37を手で持って引っ張り上げることにより、容器口部50に残存している中栓2を取り出して廃棄する。次いで、再び蓋体1を容器口部50に装着する。この状態を図4(D)に示した。
図4(D)から明らかな通り、中栓2を取り除いた容器口部50に蓋体1を装着すると、形状調整用突起8及び中栓押さえ用の環状突起9が容器口部上端50aに圧接することになり、特に突起9が環状に形成されていることから、容器内の密封性は十分に確保される。
また、この状態では、容器内空間は蓋体1に形成されている注出路18に連通しているため、一般の需要者は、弁部材20を上昇させて内容液の注ぎ出し、或いは喫飲を行うことができ、弁部材20を降下させることにより、注出路18を閉じることができる。
【0027】
上述した本発明において、形状調整用突起8は、押圧賦勢により中栓2の薄肉周縁部40が全体的に下向きとなるように設定すべきであり、このために、この形状調整用突起8はリング状に形成されていることが好ましい。この場合には、中栓2を取り除いた容器口部50に蓋体1を装着したときの密封性の点でも有利である。形状調整用突起8をリング状に形成した場合には、中栓2を除去した後のシール性が、形状調整用突起8と容器口部上端50aとの圧着により確保されるため、前述した中栓押さえ用突起9を形成しないでもよいこともある。勿論、薄肉周縁部40が全体的に下向きとなる限りにおいて、適当な間隔で多数の突起8をリング状にバランスよく配置することもできる。また、形状調整用突起8の位置は、図4(B)に示されている様に、容器口部50内に嵌め込まれた中栓2の薄肉周縁部40の付け根部或いはその近傍で、該突起8が薄肉周縁部40に当接するような位置とするのがよい。このような位置に形状調整用突起8を配置した時に、押圧賦勢による薄肉周縁部40の下向き化を最も有効に行うことができる。従って、形状調整用突起8の位置は、容器口部50内に中栓2を嵌め込んだ時に生じる薄肉周縁部40の外径の縮小の程度も考慮して設定すべきである。
【0028】
また形状調整用突起8の内側の中栓押さえ用環状突起9は、容器口部50内に嵌め込まれた中栓2の水平環状部38を容器口部上端50aと接触し得る位置に配置する。更に、この突起9は、蓋体1をリシールした時に容器口部上端50aと密着し、これにより、密封性を確保するという機能を有するものである。従って、この突起9は環状でなければならない。尚、形状調整用突起8をリング状に形成した場合には、この中栓押さえ用環状突起9は必ずしも必須でないことは前述した通りである。
【0029】
また、薄肉周縁部40の厚みや長さ等も、形状調整用突起8の押圧賦勢による下向き化及びその永久変形が有効に行われ、且つ、この下向きの永久変形によって、中栓係止用突起11と薄肉周縁部40との係合が生じない様に設定される。例えば、薄肉周縁部40の厚みは、100乃至200μm 程度が好適である。また、容器口部50内に中栓2が嵌合された状態において、薄肉周縁部40と容器口部上端50aとの間には、下向き化に十分な空間が形成されているべきであり、この点を考慮すると、薄肉周縁部40が連なっている水平環状部38の厚みは、少なくとも0.5mm以上とするのが好ましい。
【0030】
本発明においては、上記のような薄肉周縁部40を備えている限りにおいて、中栓2の形状は、図1等に示した形状に限定されるものではなく、例えば平板状のものであってもよい。
【0031】
また上述した構造の蓋体1、中栓2及びオーバーキャップ3は、種々のプラスチックにより形成することができる。具体的には、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン1共重合体等のオレフィン樹脂;アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂;耐衝撃性スチレン樹脂;アクリル樹脂;ナイロン樹脂等、特に好ましくは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を例示することができ、これらのプラスチックを用いての射出成形、圧縮成形等により、各部材を成形することができる。
【0032】
本発明の中栓付容器蓋は、キャッピング前の段階では中栓を容器蓋内に保持し、キャッピング後に容器蓋を容器口部から取り外すと中栓が容器口部に残るタイプの容器蓋であり、図1等に示した構造のプッシュプルタイプのキャップとして、各種の飲料を充填したスクイズボトルに特に有効に適用される。
また、蓋体の構造も、図1に示した構造の限定されるものではなく、種々の形状乃至構造で内容物注出用開口が形成されたものであってよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明の容器蓋は、中栓を設けているため、密封性能が極めて優れており、ホットパックによる内容液の充填或いは無菌充填も可能である。
また、シール材となる中栓が蓋体と容器口部上端との間に挟持されているのみでヒートシールされていない。従って、中栓の容器口部からの取り出しが至って容易であり、更には、中栓を容器口部から取り除いても粘着物が残存するという問題は全く生ぜず、中栓除去後の蓋体によるリシールに際しても十分な密封性が確保される。
更に、中栓が蓋体と容器口部上端との間に挟持されているものであるにもかかわらず、キャッピング前には蓋体内に中栓を安定に保持することができると同時に、蓋体の開栓に際しては、中栓が蓋体とは分離され、容器口部から取り除かれた蓋体内に中栓が入り込むという問題はない。即ち、中栓を蓋体内から取り出すという面倒で且つ困難な作業を行うことなく、蓋体をリシールに用いることができ、これは本発明の最も大きな利点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中栓付容器蓋の好適例を容器口部と共に示す側断面図。
【図2】図1の容器蓋における中空筒と柱状体との関係を示す部分平断面図。
【図3】図1の容器蓋における弁体の上昇によって注出路が開放され、容器内容液の注出が可能となっている状態を示す部分拡大側断面図。
【図4】図1の容器蓋の機能を説明するための要部拡大断面図。
【符号の説明】
1:蓋体 2:中栓
3:オーバーキャップ 5:頂板部
6:スカート部 7:水平フランジ部
8:形状調整用突起 9:中栓押さえ用環状突起
11:中栓係止用突起 15:中空筒
16:柱状体 18:注出路
20:弁部材 38:水平環状部
40:薄肉周縁部 50:容器口部

Claims (3)

  1. 容器口部に螺子締結により着脱自在に装着される合成樹脂製の蓋体と、該蓋体と容器口部上端との間で挟持される合成樹脂製の中栓とから成る中栓付容器蓋において、
    前記中栓は、容器口部内面に密着する筒状側壁と、該筒状側壁を閉じるように設けられているシール部と、該筒状側壁に連なる外向きの水平環状部とを備え、該水平環状部の外側先端に薄肉周縁部が形成されており、
    前記蓋体は、水平フランジ部を備えた頂板部と、該水平フランジ部から垂下したスカート部とを備え、
    前記スカート部の内面には、容器口部の外面に形成された螺条と螺子係合する螺条が形成されていると共に、該螺条よりも上方であって且つ前記水平フランジ部とは小間隔を置いた位置に中栓係止用突起が形成されており、
    前記水平フランジ部の内面には、該蓋体を容器口部に装着して螺子固定した時に前記中栓の薄肉周縁部を下向きに指向させる形状調整用突起が形成されており、
    前記蓋体の中栓係止用突起と前記中栓の薄肉周縁部との係合により、該中栓を前記蓋体内部に保持した状態で該蓋体の容器口部へのキャッピングが行われ、容器口部にキャッピングされた該蓋体を開封するときには、前記形状調整用突起により前記薄肉周縁部が下方を指向するように形状調整されていることによって、前記中栓は、そのまま容器口部に残ることを特徴とする中栓付容器蓋。
  2. 前記形状調整用突起は、環状に形成されている請求項1に記載の中栓付容器蓋。
  3. 前記中栓のシール部は、前記筒状側壁の下端部を閉じるように設けられており、該シール部の上面には把手部が設けられ、且つ該中栓の水平環状部は、該筒状側壁の上端に形成されており、
    前記蓋体の頂板部には、頂板部の下側空間と連通する中空空間を有し且つ上方に延びている中空筒が設けられており、この中空筒内には、該中空空間を閉じることがないように中空筒の内面に保持された柱状体が延びており、該中空筒の内面と柱状体外面との間に容器内容液の注出路が形成されると共に、
    前記中空筒には、上下にスライド可能に弁部材が嵌め込まれ、該弁部材は、下方位置にある時は、形成されている容器内容液の注出路を完全に遮断するが、上方位置にある時は、容器内容液の注出路を開放するように形成されている請求項1に記載の中栓付容器蓋。
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