JP4348911B2 - 通話システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話回線網経由で伝送される音声信号に基づく音声を送受話器から入出力することにより音声通話を実現する電話端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネット網を介してデータ通信を行うことのできるインターネット端末が広く普及している。このようなインターネット端末の中には、インターネット網から音声信号を入出力すると共に、これらの音声信号に基づく音声をインターネット端末に接続された送受話装置(例えば、ヘッドセット:ヘッドホンまたはイヤホンとマイクが一体化された装置)から入出力することにより音声通話を実現する機能(以降、インターネット通話機能とする)を有するものがある。
【0003】
このようなインターネット端末において、インターネット網から入出力する音声信号に基づく音声は、インターネット端末の備えるスピーカおよびマイクから入出力させることもできるが、スピーカおよびマイクの設置位置によっては、スピーカから出力される音声が聞き取り難くなったり、マイクから入力される音声の音量が小さくなったりして、良好に音声通話が行えないことがある。そのため、インターネット通話機能により音声通話を行う際には、インターネット端末に接続された送受話装置を使用することが一般的になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような送受話装置は、インターネット通話機能により音声通話を行うために使用される専用の装置であるため、インターネット通話機能により音声通話を行う以外の用途で使用することができなかった。
【0005】
そこで、インターネット通話機能を利用するための装置として、他の用途で利用される装置を流用することができれば、インターネット通話機能により音声通話を行うために専用の装置を用意する必要が無くなるため好適である。
ここで、インターネット通話機能のために利用する装置としては、例えば、電話回線網経由で伝送される音声信号に基づく音声を送受話器から入出力することにより音声通話を実現することができる周知の電話端末などが考えられる。このような電話端末であれば、インターネット通話機能を利用しないときには、通常の電話端末として使用することができる。
【0006】
しかし、従来、周知の電話端末を利用してインターネット通話機能による音声通話を行うといったことは行われておらず、このようなことを行うための技術が要望されていた。
本発明は、周知の電話端末を利用してインターネット通話機能による音声通話を行うことのできる電話端末および通話システムを提供すること、また、これらにおいて利用可能な端末制御プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記問題を解決するための第1の構成は、
電話回線網経由で伝送される音声信号に基づく音声を送受話器から入出力することにより音声通話を実現するように構成され、音声通話中に通話を保留するための保留操作が行われた場合に保留音の音声信号を電話回線網に出力する保留音出力手段を備えた電話端末であって、
外部と音声信号を入出力可能な音声入出力経路と、
利用者の操作を受けて、送受話器から入力される音声に基づく音声信号の出力先、および、送受話器から音声として出力する音声信号の入力元を、前記電話回線網から前記音声入出力経路に切り替える切替手段とを備えており、
前記保留音出力手段は、前記切替手段により音声信号の出力先および入力元が前記音声入力経路に切り替えられている状態で前記保留操作が行われた場合に、保留音の音声信号を前記音声入力経路に出力する、ことを特徴とする。
【0008】
このように構成された電話端末によれば、切替手段によって、送受話器から入力される音声に基づく音声信号の出力先、および、送受話器から音声として出力する音声信号の入力元を、外部からの音声信号の入力および外部への音声信号の出力が可能な音声入出力経路に切り替えることができる。
【0009】
このように、音声信号の入力元および出力先が音声入出力経路に切り替えられた状態においては、外部から音声入出力経路を介して入力される音声信号に基づく音声が送受話器から出力され、また、送受話器から入力される音声に基づく音声信号が音声入出力経路を介して外部に出力される。
【0010】
そのため、インターネット網から入出力する音声信号に基づく音声通話を実現する機能(以降、インターネット通話機能とする)を有するインターネット端末に、本電話端末を音声入出力経路経由で音声信号を入出力可能に接続することによって、本電話端末の送受話器で間接的にインターネット通話機能による音声通話を行うことができる。
【0011】
さらに、本電話端末で間接的にインターネット通話機能による音声通話を行っている最中に保留操作が行われた場合、保留音出力手段が保留音の音声信号を音声入出力経路に出力することによって、この音声信号がインターネット通話機能による音声通話の通話相手側に向けて出力される。よって、インターネット通話機能による音声通話を行っているときであっても、保留操作が行われた場合には、電話回線網を介した通常の音声通話を行っているときと同様に、インターネット通話機能による音声通話の通話相手側に向けて保留音の音声信号を出力することができる。このように、インターネット通話機能による音声通話を行っているときであっても、電話回線網を介した通常の音声通話を行っているときと同様の操作(保留操作)で同様の機能(音声通話を保留する機能)を利用することができる。
【0012】
なお、上述の切替手段が音声信号の出力先および入力元を音声入出力経路に切り替える際の契機となる「利用者の操作」について、その具体的な操作内容は特に限定されないが、例えば、音声入出力経路への切り替えを行うための専用の操作部(例えば、スイッチなど)を設け、この操作部が操作される、といった操作内容を考えることができる。また、「利用者の操作」の具体的な操作内容としては、音声入出力経路への切り替えを行うための特定の操作手順を設定しておき、この操作手順に従った操作が行われる、といった操作内容を考えることもできる。ここで、操作手順としては、例えば、特定の操作ボタンを長押し(一定時間押し続ける)したり、複数の操作ボタンを特定の順番で操作したり、といったことである。
【0013】
また、上記問題を解決するための第2の構成は、
インターネット網から音声信号を入出力可能なインターネット通話機能を有するインターネット端末が、音声信号を伝送可能な音声伝送経路を介して接続された端末装置から音声信号に基づく音声を出力させることにより音声通話を実現するように構成された通話システムであって、
前記端末装置として、上記第1の構成における電話端末が利用されている、ことを特徴とする。
【0014】
このように構成された通話システムによれば、インターネット端末と電話端末とが音声信号を入出力可能に接続されているため、電話端末の送受話器で間接的にインターネット通話機能による音声通話を行うことができる。そして、電話端末で間接的にインターネット通話機能による音声通話を行っている最中に保留操作が行われた場合、保留音出力手段が保留音の音声信号を音声入出力経路に出力することによって、この音声信号がインターネット通話機能による音声通話の通話相手側に向けて出力される。そのため、電話端末の送受話器でインターネット通話機能による音声通話を行っているときであっても、電話回線網を介した通常の音声通話を行っているときと同様の操作(保留操作)で同様の機能(音声通話を保留する機能)を利用することができる。
【0015】
また、上記問題を解決するための第3の構成は、
電話回線網経由で伝送される音声信号に基づく音声を送受話器から入出力することにより音声通話を実現する電話端末を制御するための各種手順を、コンピュータシステムに実行させるための端末制御プログラムであって、
音声通話中に通話を保留するための保留操作が行われた場合に保留音の音声信号を電話回線網に出力させる保留音出力手順と、
送受話器から入力される音声に基づく音声信号の出力先、および、送受話器から音声として出力する音声信号の入力元を、外部と音声信号を入出力可能な音声入出力経路に切り替える切り替え手順とが、含まれており、
前記保留音出力手順において、前記切替手順で音声信号の出力先および入力元が前記音声入出力経路に切り替えられている状態で前記保留操作が行われた場合には、保留音の音声信号を前記音声入力経路に出力させる、ことを特徴とする。
【0016】
このようなプログラムにより制御されるコンピュータシステムは、上記第1の構成における電話端末の一部を構成することができるため、このコンピュータシステムを一部構成とした電話端末は、上記第1の構成における電話端末と同様の作用・効果を得ることができる。
【0017】
なお、上述した端末制御プログラムは、例えば、FD、CD−ROMなどの記録媒体、インターネットなどの通信回線網を介して、電話端末自身、コンピュータシステム、これらを利用する利用者に提供されるものである。
また、上述した端末制御プログラムを実行するコンピュータシステムとしては、例えば、電話端末に内蔵されたコンピュータシステム、電話端末に無線または有線の通信路を介してデータ通信可能に接続されたコンピュータシステムなどを利用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。
通話システム1は、図1に示すように、電話回線網100経由で伝送される音声信号に基づく音声通話を行う機能を有する複合機10と、インターネット網200経由でデータ通信可能なパーソナルコンピュータ(以降、PCとする)20とが、音声信号を伝送可能なオーディオケーブル300を介して接続されてなるものである。
【0019】
複合機10は、複合機10全体の動作を制御する制御部11、音声信号に基づく音声の再生および音声信号の記録を行う録再部12、ユーザインターフェース部(以降、ユーザI/Fとする)13、複合機10本体から取り外した状態で使用する送受話器であるハンドセット14、音声を入出力する音声入出力部15、無線通信用の無線通信部16、電話回線網100経由で伝送される音声信号を入出力するNCU(network control unit)17、オーディオケーブル300経由で伝送される音声信号を入出力する音声信号インターフェース部(以降、音声I/Fとする)18、複合機10内部における音声信号の伝送経路を切り替える経路切替部19、複合機10本体(無線通信部16)との間で無線通信を行う無線通話用の子機端末30などを備えている。
【0020】
これらのうち、録再部12は、あらかじめ記録された各種音声信号を再生するメッセージ録再部12aと、留守録によるメッセージを音声信号として記録するメッセージ録音部12bとからなり、メッセージ録再部12aには、着信を受けた際に利用される呼出音、音声通話を保留する際に利用される保留音、留守録機能によりメッセージの録音を開始する旨を示す留守録メッセージ、後述する複合機10の処理手順(図2参照)において利用される「通話終了メッセージ」などの音声信号が記録されている。
【0021】
また、ユーザI/F13は、複数のキーで構成される操作キー13aおよび各種情報を表示する表示パネル13bからなり、操作キー13aは、音声通話の保留を開始・終了するための保留キー、外部との音声信号の入出力に利用する伝送経路をNCU17から音声I/F18に切り替えるための切替キー、音声入出力部15を送受話器として使用する音声通話(いわゆるハンズフリー通話)を開始するための通話開始キー、ハンズフリー通話を終了するための通話終了キーなどで構成される。
【0022】
また、音声入出力部15は、スピーカ15a、マイク15bおよびこれらを駆動する駆動回路15cで構成され、スピーカ15aから各種音声信号に基づく音声を出力する以外に、スピーカ15aおよびマイク15bを送受話器として、ハンズフリー通話を行うために使用することもできる。
【0023】
また、無線通信部16は、子機端末30との間で音声信号を含めた各種信号を無線通信で送受信することにより無線通話を実現する。
また、経路切替部19は、制御部11の指令を受けて、複合機10外部との音声信号の入出力に使用する伝送経路を、NCU17または音声I/F18のいずれかに切り替える。なお、この伝送経路は、初期状態においてNCU17に切り替えられている。
【0024】
また、この経路切替部19は、送受話器として機能する各構成(ハンドセット14、音声入出力部15、子機端末30(無線通信部16)のいずれか;以降、送受話器類とする)により通話を開始するための操作(以降、オフフック操作とする)が行われた場合に、外部から入力される音声信号の伝送先および外部へ出力する音声信号の伝送元を、いずれかの送受話器類に設定する。具体的には、ハンドセット14が複合機10本体から取り外された場合はハンドセット14に設定され、ユーザI/F13の操作キー13aにより通話開始キーが押下された場合は音声入出力部15に設定され、子機端末30により通話を開始するための操作(後述の操作キー33を構成する通話開始キーによる)が行われた場合には無線通信部16に設定される。
【0025】
また、この経路切替部19は、電話回線網100からの着信を受けた以降、所定時間内にオフフック操作が行われない場合、制御部11の指令を受けて、音声信号の伝送先および伝送元を録再部12に設定する。なお、こうして伝送先および伝送元が録再部12に設定された後、録再部12は、制御部11からの指令を受けてメッセージ録再部12aに記録されている留守録メッセージを再生し、これによって、留守録メッセージの音声信号が電話回線網100経由で着信元へ向けて出力される。そして、この音声信号が出力された後、着信元から電話回線網100を介して入力される音声信号をメッセージ録音部12bにより記録するように構成されている。
【0026】
また、子機端末30は、子機端末30全体の動作を制御する制御部31、スピーカとマイクおよびこれらを駆動する駆動回路からなる送受話部32、複数のキーで構成される操作キー33、各種情報を表示する表示パネル34、あらかじめ記録された各種音声信号に基づく音声を再生する再生部35、再生部35により再生された音声を出力するスピーカおよびスピーカを駆動する駆動回路からなるスピーカ部36、複合機10本体(の無線通信部16)との間で音声信号を含めた各種信号を無線通信により送受信する無線通信部37などを備えている。この子機端末30の備える操作キー33は、音声通話を開始するための通話開始キー、音声通話を終了するための通話終了キー、音声通話の保留を開始・終了するための保留キーなどで構成される。また、再生部35には、着信を受けた際に利用される呼出音、音声通話を保留する際に利用される保留音などの音声信号が記録されている。
【0027】
PC20は、PC20全体の動作を制御する制御部21、各種情報を記憶する記憶部22、PC20をインターネット網200に接続するための通信部23、オーディオケーブル300を介して音声信号を入出力する音声信号インターフェース部(以降、音声I/Fとする)24、キーボードおよびマウスなどからなる操作部25、ディスプレイ26などを備えている。
【0028】
また、このPC20には、インターネット網200経由で伝送される音声信号に基づく音声通話を実現する機能(以降、インターネット通話機能とする)を有している。このインターネット通話機能は、記憶部22に組み込まれたアプリケーションソフト(以降、通話用ソフトとする)で示される手順に従って以下に示す通話開始処理、送受話処理および通話終了処理を実行することにより実現される機能である。
【0029】
まず、通話開始処理は、インターネット網200を介してデータ通信可能な他のPCのうち、同じ通話用ソフトが組み込まれたPCとのコネクションを確立(論理的な通信路の接続)することによって、このPCとのデータ通信を開始するための処理である。この通話開始処理は、通話用ソフトが起動した状態で操作部25により相手側のPCを指定する操作が行われた際に実行される。
【0030】
また、送受話処理は、音声信号に基づいてパケット単位のデータを生成し、このデータを通信部23およびインターネット網200経由で、コネクション確立中のPCへ送信すると共に、インターネット網200および通信部23経由でコネクション確立中のPCから送信されてきたパケット単位のデータに基づいて音声信号を生成する処理である。本実施形態においては、オーディオケーブル300および音声I/F24経由で複合機10から入力される音声信号に基づきパケット単位のデータが生成され、このデータがインターネット網200に出力される。また、パケット単位のデータに基づいて生成された音声信号は音声I/F24およびオーディオケーブル300経由で複合機10に出力される。この送受話処理は、通話開始処理が実行された後、通話終了処理が実行されるまで繰り返し実行される処理であり、これによって、PC20(に接続された複合機10)とインターネット網200を介して接続されたPCとの間で音声通話が実現される。
【0031】
そして、通話終了処理は、コネクション確立中のPCとのコネクションを解放(論理的な通信路の切断)することによって、インターネット通話機能の利用を終了する処理である。この通話終了処理は、操作部25により通話相手として別のPCを指定する操作や、通話用ソフトを終了させるための操作が行われた際に実行される。なお、通話用ソフトは、通話用ソフト自身を終了させる操作が行われた際に、この通話用ソフトの組み込まれたPCからコネクション確立中のPCへ、コネクションの解放を通知するための解放信号を送信させるように構成されており、PC20は、この解放信号を受信した場合にも通話終了処理を実行する。
【0032】
なお、詳細な説明は省略するが、このPC20の通信部23からインターネット網200までに至る通信経路のうち一部の区間(利用者側から電話局側までの区間)には、複合機10のNCU17から電話回線網100に至る区間を接続する電話回線が併用されている。この区間においては、ADSL(asymmetric digitalsubscriber line)技術によって、電話回線網100を介して伝送される音声信号と、インターネット網200を介して伝送されるデータとが重畳された状態で伝送される。
【0033】
[複合機10の制御部11による処理手順]
以下に、複合機10が起動(電源ON)してから、停止(電源OFF)するまでの間に、この複合機10の備える制御部11が実行する処理手順を図2に基づいて説明する。
【0034】
まず、制御部11は、外部との音声信号の入出力に利用する伝送経路が、NCU17または音声I/F18のいずれに切り替えられているかをチェックする(s110)。外部との音声信号の入出力に利用する伝送経路は、初期状態ではNCU17に切り替えられているが、以降の処理において、NCU17から音声I/F18に切り替えられた後(s150の処理)、音声I/F18からNCU17に切り替え直される(s340の処理)ため、この処理においては、伝送経路がいずれに切り替えられているかがチェックされる。
【0035】
なお、伝送経路がNCU17に切り替えられている状態は、NCU17および電話回線網100を介して伝送される音声信号に基づく音声を送受話器類から入出力可能な状態である。この状態は、複合機10が周知の電話端末として機能することにより、電話回線網100を介した通常の音声通話を行うことができる状態である。一方、伝送経路が音声I/F18に切り替えられている状態は、オーディオケーブル300および音声I/F18を介してPC20から入出力される音声信号に基づく音声を送受話器類から入出力可能な状態である。この状態は、PC20側でインターネット通話機能の利用が開始されている場合に、複合機10の備える送受話器類により間接的にインターネット通話機能による音声通話を行うことができる状態である。
【0036】
このs110の処理で、伝送経路がNCU17に切り替えられている場合(s110:YES)、制御部11は、ユーザI/F13の操作キー13aまたは子機端末30の操作キー33が操作されたかどうかをチェックする(s120)。なお、子機端末30は、操作キー33が操作された際、操作内容を示す各種コマンドを無線通信部37によって複合機10に送信するように構成されており、このコマンドを受信した制御部11は、コマンドに基づいて、子機端末30の操作キー33が操作されたことの検出および操作内容の特定が可能である。
【0037】
このs120の処理で、操作キー13a、33による操作が行われた場合(s120:YES)、制御部11は、操作キー13a、33による操作内容が、外部との音声信号の入出力に利用する伝送経路をNCU17から音声I/F18に切り替える操作であるかどうかをチェックする(s130)。ここで、「伝送経路をNCU17から音声I/F18に切り替え操作」とは、伝送経路を音声I/F18に切り替えることによって、複合機10の備える送受話器類により間接的にインターネット通話機能による音声通話を行うことができる状態とするための操作である。具体的な操作内容としては、ユーザI/F13の操作キー13aを構成する切替キーを押下する、または、子機端末30の操作キー33により伝送経路を切り替えるための切替操作(本実施形態においては、数字の「5」キーを長押しする操作)を行うことが、「伝送経路をNCU17から音声I/F18に切り替える操作」として設定されている。このs130の処理では、上述の操作が操作キー13a、33により行われたかどうかがチェックされる。なお、子機端末30は、操作キー33により切替操作が行われた際、伝送経路の切り替えを要求するための切替要求コマンドを複合機10本体に送信する(図3におけるs410の処理参照)。
【0038】
このs130の処理で、操作キー13a、33による操作内容が、伝送経路をNCU17から音声I/F18に切り替えるための操作であれば(s130:YES)、制御部11は、伝送経路をNCU17から音声I/F18に切り替え可能かどうかをチェックする(s140)。この処理においては、NCU17からの音声信号の入力状態がチェックされ、音声信号が入力されていない、つまり、電話回線網100を介した通常の音声通話が行われていない状態であれば、伝送経路の音声I/F18への切り替えが可能であると判定される。一方、音声信号が入力されている、つまり、電話回線網100を介した通常の音声通話が行われている状態であれば、伝送経路の音声I/F18への切替が不可能であると判定される。
【0039】
このs140の処理で、伝送経路をNCU17から音声I/F18への切り替えが可能であれば(s140:YES)、制御部11は、伝送経路をNCU17から音声I/F18に切り替えさせる(s150)。この処理においては、伝送経路を音声I/F18に切り替えるための制御信号が経路切替部19に出力され、この制御信号を入力した経路切替部19が伝送経路をNCU17から音声I/F18に切り替える。
【0040】
また、この処理においては、外部から入力される音声信号の伝送先および外部へ出力する音声信号の伝送元をいずれかの送受話器類に設定するための制御信号が経路切替部19に出力され、この制御信号を入力した経路切替部19が音声信号の伝送先および伝送元をいずれかの送受話器類に設定する。具体的には、s120の処理において、ハンドセット14が複合機10本体から取り外された状態で切替キーが操作されていた場合は、音声信号の伝送先および伝送元がハンドセット14に設定される。また、ハンドセット14が複合機10本体から取り外されることなく切替キーが操作されていた場合は、音声入出力部15に設定される。また、子機端末30により切替操作が行われていた場合には、無線通信部16(子機端末30)に設定される。なお、制御部11は、伝送先および伝送元を無線通信部16に設定した際、子機端末30に対して伝送経路を切り替えた旨を通知するための切替通知コマンドを送信する(図3におけるs420の処理参照)。
【0041】
こうして、送受話器類から複合機10外部に至る音声信号の伝送経路が設定され、PC20側でインターネット通話機能の利用が開始されていれば、送受話器類により間接的にインターネット通話機能による音声通話を行うことができる状態となる。
【0042】
一方、s140の処理で、伝送経路をNCU17から音声I/F18への切り替えが不可能であれば(s140:NO)、制御部11は、伝送経路の切り替えが不可能である旨を報知する(s160)。この処理においては、s120の処理で、ユーザI/F13の操作キー13aを構成する切替キーが操作されていた場合は、ユーザI/F13の表示パネル13bに、伝送経路の切り替えが不可能である(つまり、インターネット通話機能による音声通話が行えない)旨のメッセージを表示させる。また、子機端末30の操作キーにより切替操作が行われていた場合には、伝送経路の切り替えが不可能である旨を通知するための切替拒否コマンドが無線通信部16を介して子機端末30に送信される。この切替拒否コマンドを受信した子機端末30は、表示パネル34により上述のメッセージを表示する(図3におけるs540の処理参照)。
【0043】
また、s120の処理で、操作キー13a、33により行われた操作が、音声通話の保留を開始する保留開始操作であれば(s130:NO、s170:YES)、制御部11は、保留開始処理を行う(s180)。ここで、保留開始操作とは、このs180の処理による音声通話の保留が開始されていない状態で、操作キー13a、33を構成する保留キーが押下される操作である。
【0044】
このs180の処理においては、まず、保留音を再生させるための制御信号が録再部12に出力され、この制御信号を入力した録再部12がメッセージ録再部12aにより保留音の再生を開始させる。
続いて、外部から入力される音声信号の伝送先および外部へ出力する音声信号の伝送元を録再部12に設定するための制御信号が経路切替部19に出力され、この制御信号を入力した経路切替部19が音声信号の伝送先および伝送元を録再部12に設定する。これによって、保留音の音声信号がNCU17および電話回線網100を介して、通話相手側へ向けて出力される。
【0045】
そして、s120の処理で、ユーザI/F13により保留開始操作が行われていた場合は、音声経路の伝送経路として、録再部12から音声入出力部15に至る伝送経路を設定するための制御信号が経路切替部19に出力され、この制御信号を入力した経路切替部19が録再部12から音声入出力部15に至る音声信号の伝送経路を設定する。これによって、保留音が音声入出力部15のスピーカ15aから出力される。また、子機端末30の操作キーにより保留開始操作が行われていた場合には、子機端末30の再生部35が保留音を再生すると共に、スピーカ部36が保留音の出力を開始する。
【0046】
また、s120の処理で、操作キー13a、33により行われた操作が、音声通話の保留を終了する保留終了操作であれば(s130:NO、s170:NO、s190:YES)、制御部11は、保留終了処理を行う(s200)。ここで、保留終了操作とは、以前に実行されたs180の処理で音声通話の保留が開始されている状態で、操作キー13a、33を構成する保留キーを押下する操作である。
【0047】
この処理においては、まず、保留音の再生を停止させるための制御信号が録再部12に出力され、この制御信号を入力した録再部12がメッセージ録再部12aによる保留音の再生を停止させる。
そして、外部から入力される音声信号の伝送先および外部へ出力する音声信号の伝送元をいずれかの送受話器類に設定する制御信号が経路切替部19に出力され、この制御信号を入力した経路切替部19が音声信号の伝送先および伝送元をいずれかの送受話器類に設定する。具体的には、s120の処理において、ハンドセット14が複合機10本体から取り外された状態でユーザI/F13により保留終了操作が行われていた場合は、音声信号の伝送先および伝送元がハンドセット14に設定される。また、ハンドセット14が複合機10本体から取り外されることなくユーザI/F13により保留終了操作が行われていた場合は、音声入出力部15に設定される。また、子機端末30により保留終了操作が行われていた場合には、無線通信部16(子機端末30)に設定され、また、再生部35が保留音の再生を終了することによって、スピーカ部36からの保留音の出力を終了する。こうして、s180の処理で保留開始処理が行われる前の状態に戻され、音声通話が再開される。
【0048】
また、s120の処理で、操作キー13a、33により行われた操作が、音声通話を終了する操作(以降、オンフック操作とする)であれば(s130:NO、s170:NO、s190:NO)、制御部11は、音声通話を終了させる(s210)。ここで、オンフック操作とは、ハンドセット14により音声通話が行われている場合にハンドセット14が複合機10本体に戻される、音声入出力部15により音声通話が行われている場合にユーザI/F13の操作キー13aを構成する通話終了キーを押下する、子機端末30により無線通話が行われている場合に子機端末30の操作キー33を構成する通話終了キーを押下する、といった操作のことである。このs210の処理においては、外部から入力される音声信号の伝送先および外部へ出力する音声信号の伝送元として設定された送受話器類までの伝送経路の設定が解除され、これにより音声通話が終了する。
【0049】
また、s110の処理で、伝送経路が音声I/F18に切り替えられている場合(s110:NO)、制御部11は、ユーザI/F13の操作キー13aまたは子機端末30の操作キー33が操作されたかどうかをチェックする(s220)。この処理は、s120の処理と同様の処理である。
【0050】
このs220の処理で、操作キー13a、33による操作が行われた場合(s220:YES)、制御部11は、操作キー13a、33による操作内容が保留開始操作であれば(s270:YES)、保留開始処理を行う(s280)。ここで、保留開始操作とは、s180の処理と同様に、このs280の処理による音声通話の保留が開始されていない状態で、操作キー13a、33を構成する保留キーを押下する操作である。なお、子機端末30は、操作キー33の保留キーが押下された際、保留の開始を要求するための保留開始コマンドを複合機10本体に送信する(図3におけるs500の処理参照)。
【0051】
このs280の処理においては、まず、s180の処理と同様に、録再部12がメッセージ録再部12aにより保留音の再生を開始する。
続いて、s180の処理と同様に、経路切替部19が音声信号の伝送先および伝送元を録再部12に設定することによって、保留音の音声信号が音声I/F18、PC20およびインターネット網200を介して、通話相手側(PC20とコネクション確立中のPC)へ向けて出力される。
【0052】
そして、s220の処理において、ユーザI/F13により保留開始操作が行われていた場合は、s180の処理と同様に、経路切替部19が録再部12から音声入出力部15に至る音声信号の伝送経路を設定することによって、保留音が音声入出力部15のスピーカ15aから出力される。また、子機端末30の操作キーにより保留開始操作が行われていた場合には、s180の処理と同様に、子機端末30がスピーカ部36から保留音の出力を開始する(図3におけるs510の処理参照)。
【0053】
また、s220の処理で、操作キー13a、33により行われた操作が保留終了操作であれば(s270:NO、s290:YES)、制御部11は、保留終了処理を行う(s300)。ここで、保留終了操作とは、s200の処理と同様に、以前に実行されたs280の処理で保留開始処理が行われている状態で、操作キー13a、33を構成する保留キーを再度押下する操作である。なお、子機端末30は、このような状態で操作キー33の保留キーが押下された際、保留の終了を要求するための保留終了コマンドを複合機10本体に送信する。
【0054】
この処理においては、まず、s200の処理と同様に、録再部12がメッセージ録再部12aによる保留音の再生を停止させる。
続いて、s200の処理と同様に、経路切替部19が音声信号の伝送先および伝送元をいずれかの送受話器類に設定する。こうして、s280の処理で保留開始処理が行われる前の状態に戻され、音声通話が再開される。
【0055】
そして、s220の処理において、子機端末30により保留終了操作が行われていた場合、子機端末30は、s200の処理と同様に、スピーカ部36からの保留音の出力を終了する(図3におけるs530の処理参照)。
また、s220の処理で、操作キー13a、33により行われた操作がオンフック操作であれば(s270:NO、s290:NO)、制御部11は、インターネット通話機能による音声通話を行っている通話相手へ向けて「通話終了メッセージ」の音声信号を出力させる(s310)。この処理においては、まず、「通話終了メッセージ」を再生するための制御信号が録再部12に出力され、この制御信号を入力した録再部12がメッセージ録再部12aにより「通話終了メッセージ」の再生を開始する。そして、外部から入力される音声信号の伝送先および外部へ出力する音声信号の伝送元を録再部12に設定するための制御信号が経路切替部19に出力され、この制御信号を入力した経路切替部19が音声信号の伝送先および伝送元を録再部12に設定する。これによって、「通話終了メッセージ」の音声信号が音声I/F18、PC20およびインターネット網200を介して、PC20とコネクション確立中のPC(通話相手側)へ向けて出力される。この「通話終了メッセージ」は、音声通話が終了される旨を通知するためのメッセージであるため、このメッセージによって、インターネット通話機能による音声通話の通話相手側に対して、音声通話が終了される旨を通知することができる。なお、子機端末30は、操作キー33によりオフフック操作(通話終了キーの押下)が行われた際、音声通話を終了する旨を通知するための通話終了コマンドを複合機10へ送信する(図3におけるs460の処理参照)。
【0056】
次に、制御部11は、インターネット通話機能の利用を終了すべき旨を報知する(s320)。この処理においては、インターネット通話機能の利用を終了すべき旨のメッセージを表示するための制御信号がユーザI/F13に出力され、この制御信号を入力したユーザI/F13が表示パネル13bにより上述のメッセージを表示させる。これによって、PC20によるインターネット通話機能(通話用ソフト)の利用を終了すべき旨を利用者に通知することができる。
【0057】
なお、上述のPC20は、インターネット通話機能によって、インターネット網200経由で伝送される音声信号を複合機10から入力または複合機10に出力することはできるが、通常、複合機10側で音声通話が終了されたこと、および、音声通話が終了されたことに伴ってインターネット通話機能の利用を終了させるといったことはできない。そのため、複合機10を利用したインターネット通話機能による音声通話を終了させた際、利用者は、PC20側でインターネット通話機能の利用を終了させるための操作を行う必要がある。しかし、利用者は、このようなPC20側での操作を忘れてしまう恐れがある。こうして、PC20側でインターネット通話機能による音声通話を終了させるための操作が忘れられてしまうと、インターネット通話機能の利用が無用に継続されてしまう。特に、通信料金が従量課金制となっている環境(例えば、ダイヤルアップ接続によるインターネット)でインターネット通話機能を利用している利用者にとっては、インターネット通話機能の利用(つまり、インターネットへの接続)が継続してしまうことにより、通信料金が無用に増大してしまうため好ましくない。そのため、このs320の処理でインターネット通話機能の利用を終了すべき旨を報知することは、PC20側でインターネット通話機能の利用を終了させるための操作を忘れてしまうことを防止するために好適である。
【0058】
次に、制御部31は、音声通話を終了させる(s330)。この処理においては、s200の処理と同様に、外部から入力される音声信号の伝送先および外部へ出力する音声信号の伝送元として設定された送受話器類までの伝送経路の設定が解除されることにより音声通話が終了する。
【0059】
そして、制御部31は、外部との音声信号の入出力に利用する伝送経路を、音声I/F18からNCU17に切り替え直させる(s340)。この処理においては、伝送経路をNCU17に切り替えるための制御信号が経路切替部19に出力され、この制御信号を入力した経路切替部19が伝送経路を音声I/F18からNCU17に切り替え直す。
【0060】
こうして、s150、s160、s180、s200、s210、s280、s300、s340の処理を終えた後、s120の処理で操作キー13a、33による操作が行われていない場合(s120:NO)、または、s220の処理で操作キー13a、33による操作が行われていない場合(s220:NO)、s110の処理へ戻る。
【0061】
なお、以上説明した処理手順においては、s120の処理において行われた操作が、切り替える操作、保留開始操作、保留終了操作またはオンフック操作それぞれである場合の処理についてのみ詳述した。また、このs120以降の処理においては、上述の操作以外の操作が行われた場合、その操作に対応する処理が行われることが考えられるが、本発明を理解する上では重要でないため省略する。
【0062】
[子機端末30の制御部31によるインターネット通話処理]
以下に、子機端末30の備える制御部31が実行するインターネット通話処理の処理手順を図3に基づいて説明する。このインターネット通話処理は、操作キー33により切替操作(図2におけるs130の処理参照)が行われた際に開始される。
【0063】
まず、制御部31は、切替要求コマンドを複合機10へ送信する(s410)。この切替要求コマンドは、複合機10に対して複合機10外部との音声信号の入出力に利用する伝送経路の切り替えを要求するためのものであって、複合機10が図2におけるs120の処理で受信するコマンドである。この切替要求コマンドを受信した複合機10からは、伝送経路の切り替えが可能であれば、伝送経路を切り替えた旨を通知するための切替通知コマンドが送信され(図2におけるs150の処理参照)、伝送経路の切り替えが不可能である旨を通知するための切替拒否コマンドが送信されてくる(同s160の処理参照)。
【0064】
次に、制御部31は、s410の処理を終えた後、一定時間(本実施形態においては500ms)以内に切替通知コマンドを受信したら(s420:YES)、無線通話を開始する(s430)。この処理においては、複合機10との間における音声信号の送受信が開始されることによって、子機端末30での間接的なインターネット通話機能による音声通話が、PC20とコネクション確立中のPC(通話相手側)との間で開始される。
【0065】
次に、制御部31は、操作キー33が操作されるまで待機する(s440:NO)。
このs440の処理で、操作キー33が操作された場合(s440:YES)、この操作内容が通話終了キーを押下する操作であれば(s450:YES)、制御部31は、通話終了コマンドを複合機10へ送信する(s460)。この通話終了コマンドは、子機端末30側での音声通話の終了を通知するためのものであって、複合機10が図2におけるs220の処理で受信するコマンドである。
【0066】
次に、制御部31は、インターネット通話機能の利用を終了すべき旨のメッセージを、表示パネル34に表示させる(s470)。この処理においては、インターネット通話機能の利用を終了すべき旨のメッセージを表示させるための制御信号が表示パネル34に出力され、この制御信号を入力した表示パネル34が上述のメッセージを表示する。これによって、子機端末30により無線通話を行っていた利用者に対しても、PC20によるインターネット通話機能(通話用ソフト)の利用を終了すべき旨を通知することができる。
【0067】
そして、制御部31は、無線通話を終了する(s480)。この処理においては、複合機10との間における音声信号の送受信が終了されることによって、子機端末30での間接的なインターネット通話機能による音声通話が終了される。
また、s440の処理で行われた操作キー33の操作内容が保留開始操作であれば(s450:NO、s490:YES)、制御部31は、保留開始コマンドを複合機10本体に送信する(s500)。この保留開始コマンドは、図2におけるs220の処理で複合機10本体が受信するコマンドである。
【0068】
次に、制御部31は、スピーカ部36に保留音の出力を開始させる(s510)。この処理においては、保留音を再生するための制御信号が再生部35に出力され、この制御信号を入力した再生部35が保留音を再生すると共に、スピーカ部36が保留音の出力を開始する。
【0069】
また、s440の処理で行われた操作キー33の操作内容が保留終了操作であれば(s450:NO、s490:NO)、制御部31は、保留終了コマンドを複合機10本体に送信する(s520)。この保留終了コマンドは、図2におけるs220の処理で複合機10本体が受信するコマンドである。
【0070】
次に、制御部31は、スピーカ部36に保留音の出力を終了させる(s530)。この処理においては、保留音の再生を終了するための制御信号が再生部35に出力され、この制御信号を入力した再生部35が保留音の再生を終了すると共に、スピーカ部36が保留音の出力を終了する。
【0071】
こうして、s510、s530の処理を終えた後、s440の処理へ戻る。
また、制御部31は、s410の処理を終えた後、一定時間以内に切替拒否コマンドを受信したとき、または、一定時間以内に切替通知コマンドを受信しないとき(s420:NO)、表示パネル34によって、伝送経路の切り替えが不可能である旨のメッセージを表示させる(s540)。この処理においては、伝送経路の切り替えが不可能である旨のメッセージを表示するための制御信号が表示パネル34に出力され、この制御信号を入力した表示パネル34が上述のメッセージを表示する。
【0072】
そして、s480、または、s540の処理を終えた後、本インターネット通話処理を終了する。
なお、以上説明したインターネット通話処理においては、s440の処理において行われた操作が、通話終了キーの押下、保留開始操作、保留終了操作それぞれである場合の処理についてのみ詳述した。また、このs440以降の処理においては、上述の操作以外の操作が行われた場合、その操作に対応する処理が行われることが考えられるが、本発明を理解する上では重要でないため省略する。
【0073】
[本発明との対応関係]
以上説明した実施形態において、複合機10は本発明における電話端末であり、PC20は本発明におけるインターネット端末であり、オーディオケーブル300は本発明におけるケーブルである。
【0074】
また、複合機10の備える録再部12のメッセージ録再部12aおよび経路切替部19は、図2におけるs180、s280の処理において、本発明における保留音出力手段として機能している。
また、複合機10の備える音声I/F18は本発明における音声入出力経路、経路切替部19は本発明における切替手段である。
【0075】
[効果]
このように構成された通話システム1によれば、図2におけるs150の処理で、複合機10外部との音声信号の入出力に利用される伝送経路が音声I/F18に切り替えられた状態においては、オーディオケーブル300を介して外部から入力される音声信号に基づく音声が送受話器類から出力され、また、送受話器類から入力される音声に基づく音声信号がオーディオケーブル300を介して外部に出力される。
【0076】
そのため、インターネット通話機能を有するPC20に、複合機10をオーディオケーブル300経由で音声信号を入出力可能に接続された本通話システム1では、複合機10の送受話器類で間接的にインターネット通話機能による音声通話を行うことができる。
【0077】
さらに、複合機10の送受話器類で間接的にインターネット通話機能による音声通話を行っている最中に、s220の処理で保留操作が行われた場合、s280の処理で録再部12により保留音が再生され、この保留音の音声信号が音声I/F18、オーディオケーブル300、PC20およびインターネット網200を介して、インターネット通話機能による音声通話の通話相手側に向けて出力される。ここで、音声通話の保留に関する操作は、電話回線網100を介した通常の音声通話のときと同じ操作となっている(s170、s270の処理)。
【0078】
よって、インターネット通話機能による音声通話を行っているときであっても、保留操作が行われた場合には、電話回線網100を介した通常の音声通話を行っているときと同様に、インターネット通話機能による音声通話の通話相手側に向けて保留音の音声信号を出力することができる。このように、インターネット通話機能による音声通話を行っているときであっても、電話回線網100を介した通常の音声通話を行っているときと同様の操作(保留操作)で同様の機能(音声通話を保留する機能)を利用することができる。
【0079】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態においては、複合機10に本発明の電話端末としての構成を適用したものを例示した。しかし、本発明の電話端末としての構成を適用する装置は、電話端末としての機能を有していれば複合機10以外の装置であってもよい。
【0080】
また、上記実施形態においては、図2の処理が、複合機10の制御部11からなるコンピュータシステムにより実行されるように構成されたものを例示した。しかし、この処理が、複合機10に有線・無線の信号伝送路で接続された別のコンピュータシステムにより実行されるように構成してもよい。
【0081】
また、上記実施形態においては、図3のインターネット通話処理が、子機端末30の制御部31からなるコンピュータシステムにより実行されるように構成されたものを例示した。しかし、この処理が、子機端末30に有線・無線の信号伝送路で接続された別のコンピュータシステムにより実行されるように構成してもよい。
【0082】
また、上記実施形態においては、図2におけるs130の処理で伝送経路を切り替えるための操作として、ユーザI/F13の操作キー13aを構成する切替キーの押下、または、子機端末30の操作キー33による切替操作(数字の「5」キー長押し)が行われることを契機として、s140の処理で伝送経路が切替可能であれば、s150の処理で伝送経路が切り替えられるように構成されたものを例示した。しかし、s130の処理において、上述した以外の操作内容を伝送経路が切り替えられる契機としてもよい。例えば、ユーザI/F13の操作キー13aによる特定の操作手順(例えば、数字の「5」キー長押し、複数のキーを特定の順番で押下など)が契機となるように構成してもよいし、子機端末30の操作キー33の一つとして切替キーを設け、この切替キーが押下されることが契機となるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における通話システムの制御系統を示すブロック図
【図2】複合機が実行する処理手順を示すフローチャート
【図3】子機端末が実行するインターネット通話処理の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1・・・通話システム、10・・・複合機、11・・・制御部、12・・・録再部、12a・・・メッセージ再生部、12b・・・メッセージ録音部、13・・・ユーザインターフェース部、13a・・・操作キー、13b・・・表示パネル、14・・・ハンドセット、15・・・音声入出力部、15a・・・スピーカ、15b・・・マイク、15c・・・駆動回路、16・・・無線通信部、17・・・NCU、18・・・音声信号インターフェース部、19・・・経路切替部、20・・・パーソナルコンピュータ、21・・・制御部、22・・・記憶部、23・・・通信部、24・・・音声信号インターフェース部、25・・・操作部、26・・・ディスプレイ、30・・・子機端末、31・・・制御部、32・・・音声入出力部、33・・・操作キー、34・・・表示パネル、35・・・再生部、36・・・スピーカ部、37・・・無線通信部、300・・・オーディオケーブル。
Claims (4)
- インターネット網から音声信号を入出力可能なインターネット通話機能を有するインターネット端末が、該インターネット端末と音声信号を伝送可能なケーブルを介して接続され,かつ,電話回線網から音声信号を入出力可能な電話機能を有する端末装置から、音声信号に基づく音声を出力させることにより音声通話を実現するように構成された通話システムであって、
前記端末装置は、
前記ケーブルから音声信号を入出力可能な音声入出力経路と、
利用者の操作を受けて、送受話器から入力される音声に基づく音声信号の出力先、および、送受話器から音声として出力する音声信号の入力元を、前記電話回線網から前記音声入出力経路に切り替える切替手段と、
該切替手段により音声信号の出力先および入力元が前記音声入出力経路に切り替えられている状態で、音声通話を終了するための操作が行われた際に、前記音声入出力経路を介して接続された装置の有する通話機能の利用を終了すべき旨を報知する終了報知手段と、を備えている
ことを特徴とする通話システム。 - 前記端末装置においては、
音声通話中に通話を保留するための保留操作が行われた場合に保留音の音声信号を出力する保留音出力手段,を備えており、
該保留音出力手段は、前記切替手段により音声信号の出力先および入力元が前記音声入出力経路に切り替えられている状態で前記保留操作が行われた場合に、保留音の音声信号を前記音声入出力経路に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の通話システム。 - 前記端末装置においては、
前記切替手段により音声信号の出力先および入力元が前記音声入出力経路に切り替えられている状態で、音声通話を終了するための操作が行われた際に、音声通話が終了される旨を通知するためのメッセージを前記音声入出力経路に出力する終了通知手段,を備えている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通話システム。 - 前記端末装置においては、
前記切替手段による切替の契機となる操作が行われた際、前記電話回線網経由で伝送される音声信号に基づく音声通話が実現されている場合に、音声信号の出力先および入力元の前記音声入出力経路への切替が不可能である旨を報知する切替不可報知手段,を備えており、
前記切替手段は、利用者による操作を受けた際、前記電話回線網経由で伝送される音声信号に基づく音声通話が実現されていない場合にのみ、音声信号の出力先および入力元を前記音声入出力経路に切り替える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の通話システム。
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