JP4348910B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、機械室レスエレベータの返し車取付け梁の支持構造に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】
図8は,特開2000−95462に示す従来の機械室レスエレベータ装置の全体構成図、図9は返し車の取付け構造を示す正面図、図10は図9の左側面図、図11はD−D断面図である。図において、1は返し車取付け梁、2はかご側返し車、3はおもり側返し車、4はおもり用綱止め、5はかご側ガイドレール、6はおもり側ガイドレール、7はおもり側ガイドレール、11はおもり側返し車取付枠、20はかご、21はおもり、22は巻上機である。巻上機22に巻き掛けられた巻上ロープ26の一端は,昇降路上部の返し車取付け梁1に枢着されたかご側返し車2を経由し、かご20の下に枢着されたかご吊車23に巻き掛けられ、かご側綱止め25に取付けられる。巻上ロープの他端は、昇降路上部の返し車取付け梁1に取付けられたおもり側返し車3を経由し釣合おもり21の上部に枢着されたおもり吊車24に巻き掛けられ、おもり綱止め4に取付けられる。 ここで巻上機22のシーブが回転することにより、かご20と釣合おもり21が対向して昇降する。かご側ガイドレール5に取付けられたかご側レール支持台8とおもり側ガイドレール7に取付けられたおもり側レール支持台10上に返し車取付け梁1が設置され、返し車取付け梁1の側面は,レールクリップ12によりかご側ガイドレール5に取付けられている。返し車取付け梁1にはかご側返し車2と、おもり側返し車3と、おもり用綱止め4が取付けられており、これらに掛かる荷重をおもり側ガイドレール7とかご側ガイドレール5の2本のレールで支持している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような構造では、返し車取付け梁をかご側ガイドレールとおもり側ガイドレールの2本で荷重を支持し、しかも返し車取付け梁に掛る荷重の重心位置がかご側ガイドレールに寄っているため、かご側ガイドレールに掛かる圧縮荷重が大きく、またかご側ガイドレールの背面に返し車取付け梁が取付けられて、取付ボルトの上下間隔が小さいことから、ガイドレールに大きな曲げモーメントが働き、ガイドレールのサイズを大きくしなければならなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、昇降路の下部に配置された巻上機と、前記巻上機に巻掛けられた巻上げロープによって吊られたかごと、前記かごの側面に配置されて前記かごと対向して昇降する釣合いおもりと、前記釣合いおもりの上部に配置される、かご側返し車と、釣合いおもり側返し車と、釣合おもり用綱止めとを備え、前記かご側返し車と、前記釣合いおもり側返し車と、前記釣合おもり用綱止めとを取付ける返し車取付け梁とを備え、前記釣合いおもり側返し車取付け枠を、前記返し車取付け梁の下面へ取付け、前記返し車の両側面と下面とを枠体で囲んで前記返し車取付け梁に固着させ、かつ前記返し車取付け梁を、おもり側ガイドレールとかご側ガイドレールの内いずれか3本以上で荷重を支持し、かつ前記返し車取付け梁を、前記かご側ガイドレールの背面に固定し、釣合いおもり用返し車取付枠の下部を、前記かご側ガイドレールの背面に固定した。
【0005】
前記返し車取付け梁において、前記おもり側返し車を囲む取付枠の垂直部材相互をつなぎ金で繋いで、固着した。
【0006】
前記返し車取付け梁において、前記おもり側ガイドレールの支持台と前記かご側ガイドレールの支持台とをボルトにて固着し、かついずれか一方のレール支持台のレール取付けボルト穴を上下方向に長い長穴とした。
【0007】
前記返し車取付け梁において、前記おもり用綱止めに近い側の前記おもり側ガイドレールの支持台とのボルト締付穴を、上下方向に長い長穴とした。
【0008】
前記返し車取付け梁において、前記おもり側返し車取付枠とのボルト締付穴を、上下方向に長い長穴とした。
【0009】
前記返し車取付け梁において、前記おもり用綱止め板のロープ取付穴相互の間隔を外側へ広げ幅広に形成して、前記おもり側レール支持台との支持台取付板とを一体化した。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明によるエレベータ装置の請求項1,4〜6の一実施例を示す正面図、 図2は図1の左側面図、図3はA−A断面図、図4はB−B断面図である、図において、1は返し車取付け梁、2はかご側返し車、3はおもり側返し車、4はおもり用綱止め、5はかご側ガイドレール、6はおもり側ガイドレール、7もおもり側ガイドレール、8はかご側レール支持台、9はおもり側レール支持台、10はおもり側レール支持台、11はおもり側返し車の取付け枠である。かご側ガイドレール5に取付けられたかご側レール支持台8とおもり側ガイドレール7に取付けられたおもり側レール支持台10に返し車取付け梁1が取付けられている。ここで前記返し車取付け梁1とおもり側レール支持台10の取付部は上下方向に長い長穴が形成されている。また前記返し車取付け梁1の下には、かご側返し車2と、おもり側返し車3とが取付けられている。ここで 前記おもり側返し車3が取付けられた返し車取付枠11上部の取付部は上下方向に長い長穴が形成されて、返し車取付枠11の下部は、釣合いおもり側ガイドレール6に取付けられたおもり側レール支持台9によって支持されている。また前記返し車取付け梁1の側面は、前記かご側ガイドレール5の背面にレールクリップ12により取付けられており、前記返し車取付け梁1の下に取付けられた前記返し車取付枠11はおもり側レール支持台9に取付けられ、さらに前記おもり側レール支持台9の側面はレールクリップ13により前記かご側ガイドレール5の背面に取付けられている。おもり用綱止め4は前記返し車支持梁1上に取付けられている。
【0011】
前記返し車取付け梁1において、図5に示すように前記おもり用綱止め4の板はロープ取付穴相互の間隔を外側へ広げて前記おもり側レール支持台10との支持台取付板14とを一体化した。ここでは溶接による一体化を例示したが、一体化の方法は溶接に限るものではない。
【0012】
実施の形態2.
図6はこの発明によるエレベータ装置の請求項1〜4,6の一実施例を示す正面図、図2は図6の左側面図、図7はC−C断面図である。返し車取付梁1の下には、かご側返し車2と、おもり側返し車3が取付けられている。ここで前記おもり側返し車3の取付枠は返し車を囲む取付枠の垂直部材11aと11bおよび取付枠の上板11cと底板11dにより箱状に溶接接合されて前記返し車取付け梁1の下面へボルトで取付られている。取付枠の底板11dは前記おもり側ガイドレール6に取付けられたおもり側レール支持台9と前記かご側ガイドレール5に取付けられたかご側レール支持台8によって支持され、かつまた前記おもり側レール支持台9の水平フランジと前記かご側レール支持台8の水平フランジとをボルトにて締めつけ固着した。さらに前記おもり側レール支持台9または前記かご側レール支持台8のレール締付穴のいずれかを上下方向に長い長穴としてある。返し車取付け梁1のおもり用綱止め4側の端部は、おもり側ガイドレール7に取付けられたおもり側レール支持台10により支持されている。前記返し車取付け梁1は、前記かご側ガイドレール5の背面にレールクリップ12により取付けられており、前記返し車取付け梁1の下に取付けられた前記おもり側返し車3の取付枠の底板11dは、前記おもり側レール支持台9に固着され、前記かご側レール支持台8を経由して取付ボルト16により前記かご側ガイドレール5に取付けられている。前記おもり用綱止め4は前記返し車支持梁1上に取付けられている。なお前述と同符号は同一物または相当物を示すので説明は省略する。
【0013】
図7は図6のC−C断面を示す。前記おもり側返し車を囲む取付枠の垂直部材11aと11bはつなぎ金15によって固着されている。
【0014】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように構成されるので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0015】
昇降路の下部に配置された巻上機と、前記巻上機に巻掛けられた巻上げロープによって吊られたかごと、前記かごの側面に配置されて前記かごと対向して昇降する釣合いおもりと、前記釣合いおもりの上部に配置される、かご側返し車と、釣合いおもり側返し車と、釣合おもり用綱止めとを備え、前記かご側返し車と、前記釣合いおもり側返し車と、前記釣合おもり用綱止めとを取付ける返し車取付け梁とを備え、前記釣合いおもり側返し車取付け枠を、前記返し車取付け梁の下面へ取付け、前記返し車の両側面と下面とを枠体で囲んで前記返し車取付け梁に固着させ、かつ前記返し車取付け梁を、おもり側ガイドレールとかご側ガイドレールのうちいずれか3本以上で荷重を支持し、かつ前記返し車取付け梁を、前記かご側ガイドレールの背面に固定し、釣合いおもり用返し車取付枠の下部を、前記かご側ガイドレールの背面に固定される様に構成した。
従つて、かご側返し車,おもり側返し車および、おもり側綱止めに掛かる荷重を分散支持することができるのでレールに掛る圧縮荷重を小さくできる。また、かご側ガイドレールの背面に固定する間隔が離れているので、かご側ガイドレールに掛かる曲げモーメントを小さくできる、これによりレールサイズを小さくすることでガイドレールの製作,輸送,据付コストも下げられる。また狭い昇降路スペースの機械室レスエレベータをより省スペース化することも可能となるといつたメリットもでる。
【0016】
前記返し車取付け梁において,前記おもり側返し車を囲む取付枠の垂直部材相互をつなぎ金で繋いで、固着した。
従つて、箱状の堅牢な構造とできると共に、返し車取付枠の上側レールクリップと下側のレール取付ボルト間の長いスパンで荷重を受けることができるので、かご側ガイドレールに掛る曲げモーメントを小さくすることができる。
【0017】
前記返し車取付け梁において、前記おもり側ガイドレールの支持台と前記かご側ガイドレールの支持台とをボルトにて固着し、かついずれか一方のレール支持台のレール取付けボルト穴を上下方向に長い長穴とした。
従つて、剛性の高い構造となるため上側レールクリップと下側のレールクリップの取付間隔を広げられ、かご側ガイドレールに掛る曲げモーメントを小さくできる。また、長穴によつておもり側ガイドレールとかご側ガイドレールとの据付け誤差を吸収できるといつた効果もでる。
【0018】
前記返し車取付け梁において,前記おもり用綱止めに近い側の前記おもり側ガイドレールの支持台とのボルト締付穴を,上下方向に長い長穴とした。
従つて、長穴によつてガイドレール相互の据付け誤差を吸収できるため、返し車取付け梁を水平に据付けることができる。
【0019】
前記返し車取付け梁において、前記おもり側返し車取付枠とのボルト締付穴を、上下方向に長い長穴とした。
従つて、長穴によつておもり側ガイドレールとかごガイドレールとの据付け誤差を吸収できるようになる。
【0020】
前記返し車取付け梁において、前記おもり用綱止め板のロープ取付穴相互の間隔を外側へ広げ幅広に形成して、前記おもり側レール支持台との支持台取付板とを一体化した。
従つて、綱止めは板材なので梁に比べロープ止め穴の配列幅を広げられ、ロープ相互の接触を防いでロープ干渉音も抑えられる。また前記ロープと前記おもり側レールとの間隔が少ない場合、前記の如くロープ止め穴の配列幅を広げることでロープがレールと干渉することを防ぐことができる。また少ない部品点数で綱止めを構成することで、構造を簡素化でき返し車取付け梁の製作コストを下げることができるといつたメリットもでる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1、4〜6の返し車の取付状態を示す正面図。
【図2】 図1の左側面図。
【図3】 図1のA−A断面図。
【図4】 図1のB−B断面図。
【図5】 おもり用綱止め部平面図。
【図6】 請求項1〜4、6の返し車の取付状態を示す正面図。
【図7】 図6のC−C断面図。
【図8】 従来の機械室レスエレベータの全体構成図。
【図9】 従来の返し車の取付状態を示す図。
【図10】 図9の側面図。
【図11】 図9のD−D断面図。
【符号の説明】
1 返し車取付け梁、2 かご側返し車、3 おもり側返し車、4 おもり用綱止め、 4a 溶接肉盛、4b 溶接肉盛、5 かご側ガイドレール、6 おもり側ガイドレール、 7 おもり側ガイドレール、8 かご側レール支持台、9 おもり側レール支持台、
1 0 おもり側レール支持台、11 おもり側返し車取付枠、11a 取付枠の垂直部材、11b 取付枠の垂直部材、11c 取付枠の上板、11d 取付枠の底板、11e 溶接肉盛、11f 溶接肉盛、12 レールクリップ、13 レールクリップ、14 支持台取付板、15 つなぎ金、16 取付ボルト、 20 かご、 21 釣合おもり、 22 巻上機、 23 かご吊車、 24 おもり吊車、 25 かご側綱止め、 26 巻上ロープ、

Claims (6)

  1. 昇降路の下部に配置された巻上機と、前記巻上機に巻掛けられた巻上げロープによって吊られたかごと、前記かごの側面に配置されて前記かごと対向して昇降する釣合いおもりと、前記釣合いおもりの上部に配置される、かご側返し車と、釣合いおもり側返し車と、釣合おもり用綱止めとを備え、前記かご側返し車と、前記釣合いおもり側返し車と、前記釣合おもり用綱止めとを取付ける返し車取付け梁とを備え、 前記釣合いおもり側返し車取付け枠を、前記返し車取付け梁の下面へ取付け、前記返し車の両側面と下面とを枠体で囲んで前記返し車取付け梁に固着させ、かつ前記返し車取付け梁を、おもり側ガイドレールとかご側ガイドレールのうちいずれか3本以上で荷重を支持し、かつ前記返し車取付け梁を、前記かご側ガイドレールの背面に固定し、釣合いおもり用返し車取付枠の下部を、前記かご側ガイドレールの背面に固定したことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記返し車取付け梁において、前記おもり側返し車を囲む取付枠の垂直部材相互をつなぎ金で繋いで、固着したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記返し車取付け梁において、前記おもり側ガイドレールの支持台と前記かご側ガイドレールの支持台とをボルトにて固着し、かついずれか一方のレール支持台のレール取付けボルト穴を上下方向に長い長穴としたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  4. 前記返し車取付け梁において、前記おもり用綱止めに近い側の前記おもり側ガイドレールの支持台とのボルト締付穴を、上下方向に長い長穴としたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  5. 前記返し車取付け梁において、前記おもり側返し車取付枠とのボルト締付穴を、上下方向に長い長穴としたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  6. 前記返し車取付け梁において、前記おもり用綱止め板のロープ取付穴相互の間隔を外側へ広げ幅広に形成して、前記おもり側レール支持台との支持台取付板とを一体化したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
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