JP4348796B2 - ガラスカートリッジ - Google Patents

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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/005Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture of glass-forming waste materials

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス溶融炉に高放射性廃液を供給するのに用いられるガラスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電において使用された使用済み燃料を再処理工場において再処理するに際し、硝酸にウランや核分裂生成物が含まれた高放射性廃液が発生する。こうした高放射性廃液は、安全にしかも効率良く廃棄する必要がある。
【0003】
従来の高放射性廃液を処理する方法としては、高放射性廃液をそのまま、または脱硝濃縮してスラリー化し、この廃液をホウケイ酸ガラスの粉末(平均粒径が約20μ前後)に混合・含浸させて高温のガラス溶融炉に供給し、炉内で廃液中の液体成分を蒸発させるとともに、放射性物質を溶融ガラスに焼き付け、この溶融ガラスを金属製容器に注入して固化させることによりガラス固化体を得、このガラス固化体を放射性廃棄物保管施設に保管する技術が開発されている。
【0004】
しかし、上記従来技術においては、ホウケイ酸ガラスの粉末と廃液とを単に混合して使用していたので、ガラス溶融炉内で廃液が沸騰する際に多量の放射性物質を含む粉塵が発生し、この粉塵が廃ガスに同伴して外部に流出する。このために、廃ガス処理系に厳重な粉塵処理設備が必要となり、また流出する粉塵が多量のために廃ガスを廃ガス処理系に導く配管に粉塵が付着・堆積して配管を閉塞するという問題を有していた。
【0005】
そこで近年、廃液を含浸させて供給するために、ガラス繊維により成形したガラスカートリッジを用いることが提案されている。従来考えられているガラスカートリッジは、平均径が約8〜15μ前後の細いガラス繊維を焼結或いはバインダを用いて所定のブロック形状に成形し、このようにして得られたガラスカートリッジに廃液を含浸させてガラス溶融炉に供給するようにしている。
【0006】
図4は、上記ガラスカートリッジの供給装置を備えたガラス溶融炉の一例を示している。ガラス溶融炉1の炉本体2の内側下部にはガラスの溶融を行うための電極3が設けられており、更に、炉本体2の下部には、キャニスタ容器4に溶融ガラス5を供給するためのノズル6が設けられており、また炉本体2の上部には、廃ガス7を導いて処理する廃ガス処理装置8に接続された配管9が設けられている。
【0007】
炉本体2の上部には、鉛直方向に所要の長さで延びた供給管10が設けられており、該供給管10の途中には、横方向に延びた延設管11が設けられている。更に、延設管11の供給管10に近い位置の上側には高放射性廃液12の注入管13が設けられ、また延設管11の供給管10から離れた位置の上側にはガラスカートリッジ14の投入口15が設けられ、更に延設管11の閉塞端部には送り機構16が設けられて、供給装置17が構成されている。
【0008】
ガラスカートリッジ14は、投入口15に供給され、延設管11の端部に設けた送り機構16により、延設管11の内部を一列に順次左方向に移動させられる。この移動中に、廃液注入管13から供給される廃液12がガラスカートリッジ14に含浸され、廃液12が含浸されたガラスカートリッジ14は、供給管10により炉本体2内部の溶融ガラス5面に落下供給される。
【0009】
上記したように、ガラス繊維からなるガラスカートリッジ14に廃液12を含浸させてガラス溶融炉1に供給するようにした方式によれば、溶融ガラス5中に発生する粉塵をガラス繊維によって捕捉することができ、よって粉塵の飛散を或る程度抑制して、粉塵の問題を低減できる効果がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したようなガラスカートリッジ14においても、依然として問題を有していた。即ち、従来、平均径約8〜15μ前後の細いガラス繊維を用いてガラスカートリッジ14を成形しているために、ガラスカートリッジ14が炉本体2内で加熱される際にガラス繊維からホウ素を溶出し、このホウ素化合物の揮発による廃ガス7への移行のために、廃ガス7を廃ガス処理装置8に導く配管9にホウ素化合物が付着・堆積するという問題を有していた。
【0011】
本発明はこうした課題に鑑みてなしたもので、ガラスカートリッジの比表面積を低減し、これによってガラスカートリッジからのホウ素の溶出を抑制し、よってホウ素化合物の揮発による排ガスへの移行を押えて、廃ガスを廃ガス処理装置へ導く配管へのホウ素化合物の排出量を低減できるようにしたガラスカートリッジを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高放射性廃液を含浸させたホウケイ酸ガラス粒子をガラス溶融炉に供給し、廃液中の放射性物質をガラス溶融炉でホウケイ酸ガラスとともに溶融し、溶融ガラスからガラス固化体を製造する際に用いられる廃液含浸用のガラスカートリッジであって、平均粒径が60μ以上のホウケイ酸ガラス粒子を所定のブロック形状に成形してなることを特徴とするガラスカートリッジ、に係るものである。
【0013】
本発明のガラスカートリッジによれば、ガラスカートリッジを、平均粒径60μ以上のホウケイ酸ガラス粒子により成形して比表面積を小さくしたので、加熱時にホウケイ酸ガラスよりなるガラスカートリッジからのホウ素の溶出量が大幅に減少し、炉本体内部からのホウ素化合物の揮発量が大幅に抑制される。よって、廃ガス処理装置に導かれるホウ素化合物の量が大幅に減少し、廃ガス処理装置へ導く配管へのホウ素化合物の付着・堆積による閉塞の問題が低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例とともに説明する。
【0015】
図1は本発明のガラスカートリッジの一例を示したものであり、ガラスカートリッジ22は、ホウケイ酸ガラス粒子23を所要のブロック形状に成形したものである。上記ガラスカートリッジ22を構成するホウケイ酸ガラス粒子23は、図2に示すように平均粒径Lが60μ以上のものを用いている。
【0016】
ガラスカートリッジ22を成形するには、図3に示すような例えば二つ割り形状の成形容器21にホウケイ酸ガラス粒子23を充填して加熱する、或いはバインダを供給して加熱することにより、図2に示すようにホウケイ酸ガラス粒子23の一部を溶着させることによりブロック18aを成形することができる。図2中、aはホウケイ酸ガラス粒子23の接着部を示している。
【0017】
上記したように加熱融着、或いはバインダを用いた接着によってホウケイ酸ガラス粒子23は図2のように部分的に接着部aで強固に接着され、これによりガラスカートリッジ22の形状強度が増強される。
【0018】
上記ガラスカートリッジ22に、図4に示した供給装置17により、高放射性廃液12を含浸させて炉本体2の溶融ガラス5面に供給すると、ガラスカートリッジ22に含浸された廃液12の粉塵はガラスカートリッジ22とともに溶融され溶融ガラス5を形成する。
【0019】
このとき、ガラスカートリッジ22を構成しているホウケイ酸ガラス粒子23の平均粒径Lを60μ以上としているので、従来のように平均粒径約20μ前後のガラス粉末を用いた場合に比して、比表面積を大幅に小さく(約1/3以下に)でき、このようにホウケイ酸ガラス粒子23の比表面積を小さくしたことによって、ホウケイ酸ガラス粒子23からなるガラスカートリッジ22からのホウ素の溶出量を大幅に減少することができる。
【0020】
このように、ホウ素の溶出量が減少するために、炉本体2内部からのホウ素化合物の揮発による廃ガス7への移行量が大幅に減少し、これにより図4の廃ガス処理装置8に廃ガス7を導く配管9へのホウ素化合物の付着・堆積による閉塞の問題が低減できる。
【0021】
なお、本発明のガラスカートリッジは、上述した実施の形態例のみに限定されるものではなく、ガラスカートリッジを形成するブロックの形状は、円柱状、円筒状、角柱状、矩体形状、球形状、楕円形状など、種々の形状とすることができること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のガラスカートリッジによれば、ガラスカートリッジを、平均粒径60μ以上のホウケイ酸ガラス粒子により成形して比表面積を小さくしたので、加熱時にホウケイ酸ガラスよりなるガラスカートリッジからのホウ素の溶出量が大幅に減少し、炉本体内部からのホウ素化合物の揮発による廃ガスへの移行量が大幅に減少することにより廃ガス処理装置に廃ガスを導く配管へのホウ素化合物の付着・堆積による閉塞の問題が低減されるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラスカートリッジの一例を示す斜視図である。
【図2】 図5のII部分の拡大詳細図である。
【図3】 成形容器による成形の一例を示す側面図である。
【図4】 従来のガラス溶融炉の概念を示す切断側面図である。
【符号の説明】
1 ガラス溶融炉
5 溶融ガラス
12 高放射性廃液
18a ブロック
22 ガラスカートリッジ
23 ホウケイ酸ガラス粒子
L 平均粒径

Claims (1)

  1. 高放射性廃液を含浸させたホウケイ酸ガラス粒子をガラス溶融炉に供給し、廃液中の放射性物質をガラス溶融炉でホウケイ酸ガラスとともに溶融し、溶融ガラスからガラス固化体を製造する際に用いられる廃液含浸用のガラスカートリッジであって、平均粒径が60μ以上のホウケイ酸ガラス粒子を所定のブロック形状に成形してなることを特徴とするガラスカートリッジ。
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