JP4347920B2 - 直流電力ケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は直流電力ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
長距離、大容量送電を目的とする場合、直流送電は交流に比べ絶縁体の誘電損失がなく、充電電流に対する無効分を補償するための設備が不要である。また、絶縁体の絶縁耐圧が高く安定である等の種々の特徴から有利と考えられる。
【0003】
現在、直流送電のための高電圧直流ケーブルは、主に低粘度の絶縁油と紙からなるOFケーブルが用いられているが、給油設備等が必要でありメンテナンスが面倒である。
【0004】
一方、メンテナンスフリーであるプラスチック絶縁ケーブルは、交流電力ケーブルとして架橋ポリエチレン(XLPE)ケーブルが広く用いられており、OFケーブルに匹敵する超高圧ケーブルまで開発されつつある。
【0005】
しかし、直流電圧に対する空間電荷特性等の問題から、高電圧直流ケーブルとしては用途が限定されている。すなわち、XLPEケーブルでは直流高電圧印加によって絶縁体中に空間電荷が蓄積され、逆極性インパルスが重畳された場合や直流極性反転がなされた場合、その絶縁特性の低下が著しいという理由からである。
【0006】
以上のような理由から、従来のXLPEケーブルに代わる固体絶縁ケーブルの開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般にポリエチレンの絶縁耐圧強度は、結晶化度が高いほど高いとされているが、直流電圧を印加した場合、電極から電荷が注入されて形成される空間電荷は、ポリエチレンの結晶と非晶の界面等にトラップされ易いと推定される。また、過電流が流れた場合等の加熱による変形等に耐えれるために、対策として架橋処理がとられるが、架橋剤として用いられる有機過酸化物の分解残渣は空間電荷を増大させることが知られている。
【0008】
以上のような観点から、この発明は、直流高電圧印加による固体絶縁体中の空間電荷の蓄積を低減させることにより、直流高電圧に対する絶縁特性を改善し、XLPE絶縁ケーブルに比べて直流特性に優れた直流電力ケーブルを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、発明者らは、極性基をポリマーに導入することにより空間電荷特性を改善することができることから、無極性のポリエチレンに特定の極性基をグラフトすることにより、また、有機過酸化物を用いず、架橋処理を施さないことにより、架橋剤の分解残渣の影響がなくなり、直流特性の改善が可能であると考え、検討を進めた。
【0010】
その結果、ポリエチレンに導入する極性基を特定して、また、そのグラフト重合量を限定し、絶縁体中の空間電荷の蓄積を抑制することにより、さらに、有機過酸化物の分解残渣の影響をなくすために、有機過酸化物を用いず、その代わりとして耐熱性の良好なチーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合したポリエチレンを絶縁体として使用することで空間電荷蓄積を含めた直流特性に優れていることが分かった。
【0011】
即ち、この発明は、チーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合した密度が0.920g/cm 3 〜0.935g/cm 3 の範囲のポリエチレンに無水マレイン酸を0.005wt%〜0.05wt%の範囲でグラフト重合させてなる樹脂組成物を絶縁体とした直流電力ケーブルである。
【0012】
この発明において、無水マレイン酸のグラフト量が多すぎると結晶性等の物性が低下する恐れがあり、それに伴い、高温での電気耐圧性能が低下する恐れがあることから0.05wt%以下とし、逆に少なすぎると電荷トラップとしての効果が有効でなくなることから、0.005wt%以上とした
【0013】
また、架橋処理を施さないために耐熱性が懸念されるが、チーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合したポリエチレンの融点を従来のXLPEより15℃以上上げることで、耐熱性を改善している。そのためにチーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合したポリエチレンの密度は0.920g/cm3以上しており、また、逆に密度が大きすぎるとケーブル製造時の押出特性が悪くなることから0.935g/cm3以下している。また、通常絶縁材料に添加される安定剤なども添加されても問題はない。
【0014】
【作用】
無水マレイン酸をポリエチレンにグラフト重合させることでカルボニル基が均一に材料中に分布するため、空間電荷の局部的なトラップを防止することができると考える。また、架橋処理を施さないことで、空間電荷の蓄積要因となっている有機過酸化物の分解残渣の影響がなくなると考える。このような空間電荷の低減により直流破壊強度が改善されると考えられる。
【0015】
【実施例】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0016】
実施例における直流電力ケーブルは、無水マレイン酸をグラフト重合させた比重0.940g/cm3未満のチーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合したポリエチレンを用いて絶縁体を形成した構造になっている。
【0017】
上記絶縁体の形成において、密度0.920g/cm3〜0.935g/cm3の範囲であるチーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合したポリエチレンに無水マレイン酸を0.005wt%〜0.05wt%グラフト重合させた樹脂組成物を絶縁体に用いることにより空間電荷蓄積を含めた直流特性に優れていることが分かった。
【0018】
無水マレイン酸のグラフト量が多すぎると結晶性等の物性が低下する恐れがあり、それに伴い、高温での電気耐圧性能が低下する恐れがあることから0.05wt%以下が適しており、逆に少なすぎると電荷トラップとしての効果が有効でなくなることから、0.005wt%以上が適している。
【0019】
また、チーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合したポリエチレンは、ポリエチレンを重合する際にブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン、オクテン−1等を添加することにより、一定の長さの側鎖をポリエチレンに導入することにより得られるJIS K6748に規定されているものである。
【0020】
表1にこの発明の実施例と比較例について記した。
実験サンプルは、各種ポリエチレン及び架橋剤としてジクミルパーオキサイド(DCP)を2phr混合したものを160℃、30分の条件で熱プレスにより作製したシートを用いた。空間電荷蓄積の評価は2mmシートにDC50kV課電後、パルス静電応力法により測定した。蓄積電荷量の量は+の数で示した。直流破壊試験は、絶縁厚2mmのモデルケーブルを用いて90℃で実施した。
【0021】
【表1】
Figure 0004347920
【0022】
表1中の語句の説明
グラフト重合比率:MAHは無水マレイン酸を示す。
空間電荷蓄積量 :Mはホモ電荷蓄積、Rはヘテロ電荷蓄積を示す。
ポリエチレンA :チーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合したポリエチレン
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、密度0.920g/cm3〜0.935g/cm3の範囲であるチーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合したポリエチレンに無水マレイン酸を0.005wt%〜0.05wt%グラフト重合させた樹脂組成物を絶縁体に用いることにより、直流高電圧印加による空間電荷蓄積を防止でき、XLPE絶縁ケーブルに比べて良好な直流高電圧ケーブルができる。

Claims (1)

  1. チーグラーナッタ触媒を用いてエチレンを重合した密度が0.920g/cm 3 〜0.935g/cm 3 の範囲のポリエチレンに無水マレイン酸を0.005wt%〜0.05wt%の範囲でグラフト重合させてなる樹脂組成物を絶縁体としたことを特徴とする直流電力ケーブル。
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