JP3275342B2 - 直流電力ケーブル - Google Patents
直流電力ケーブルInfo
- Publication number
- JP3275342B2 JP3275342B2 JP02740492A JP2740492A JP3275342B2 JP 3275342 B2 JP3275342 B2 JP 3275342B2 JP 02740492 A JP02740492 A JP 02740492A JP 2740492 A JP2740492 A JP 2740492A JP 3275342 B2 JP3275342 B2 JP 3275342B2
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- Japan
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- polyethylene
- power cable
- cable
- insulator
- space charge
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- Insulated Conductors (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、直流電力ケーブルに
関するものである。
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】長距離、大容量送電を目的とする場合、
直流送電は交流に比べ絶縁体の誘電損失がなく、充電電
流に対する無効分を補償するための設備が不要である、
又、絶縁体の絶縁耐圧が高く安定である等種々の特徴か
ら有利と考えられている。
直流送電は交流に比べ絶縁体の誘電損失がなく、充電電
流に対する無効分を補償するための設備が不要である、
又、絶縁体の絶縁耐圧が高く安定である等種々の特徴か
ら有利と考えられている。
【０００３】現在、直流送電のため、高電圧直流ケーブ
ルは、おもに低粘度の絶縁油と紙からなるＯＦケーブル
が用いられているが、給油設備等必要でありメンテナン
スが面倒である。一方、メンテナンスフリーであるプラ
スチック絶縁ケーブルは、交流電力ケーブルとして架橋
ポリエチレン（ＸＬＰＥ）ケーブルが広く用いられてお
り、ＯＦケーブルに匹敵する超高電圧ケーブルまで開発
されつつある。しかし、直流電圧に対する空間電荷特性
等の問題から、高電圧直流ケーブルとしては用途が限定
されている。
ルは、おもに低粘度の絶縁油と紙からなるＯＦケーブル
が用いられているが、給油設備等必要でありメンテナン
スが面倒である。一方、メンテナンスフリーであるプラ
スチック絶縁ケーブルは、交流電力ケーブルとして架橋
ポリエチレン（ＸＬＰＥ）ケーブルが広く用いられてお
り、ＯＦケーブルに匹敵する超高電圧ケーブルまで開発
されつつある。しかし、直流電圧に対する空間電荷特性
等の問題から、高電圧直流ケーブルとしては用途が限定
されている。
【０００４】すなわちＸＬＰＥケーブルでは直流高電圧
印加によって絶縁体中に逆極性の空間電荷が蓄積され、
逆極性のインパルスや直流極性反転がなされた場合、そ
の絶縁特性の低下が著しいという理由からである。以上
の様な理由から、従来のＸＬＰＥケーブルにかわるＸＬ
ＰＥケーブルの開発がのぞまれている。
印加によって絶縁体中に逆極性の空間電荷が蓄積され、
逆極性のインパルスや直流極性反転がなされた場合、そ
の絶縁特性の低下が著しいという理由からである。以上
の様な理由から、従来のＸＬＰＥケーブルにかわるＸＬ
ＰＥケーブルの開発がのぞまれている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】一般にポリエチレンの
絶縁耐圧強度は、結晶化度が高い程高いとされている
が、直流電圧を印加した場合、電極から電荷が注入され
て形成される空間電荷は、ポリエチレンの結晶と非晶の
界面等にトラップされ易いと推定される。また、過電流
が流れた場合等の加熱による変形等に耐えられるための
対策として架橋処理がとられるが、架橋剤として用いら
れる有機過酸化物の分解残渣は空間電荷の形成を増大さ
せることが知られている。
絶縁耐圧強度は、結晶化度が高い程高いとされている
が、直流電圧を印加した場合、電極から電荷が注入され
て形成される空間電荷は、ポリエチレンの結晶と非晶の
界面等にトラップされ易いと推定される。また、過電流
が流れた場合等の加熱による変形等に耐えられるための
対策として架橋処理がとられるが、架橋剤として用いら
れる有機過酸化物の分解残渣は空間電荷の形成を増大さ
せることが知られている。
【０００６】このような観点から、本発明者等は、上記
の空間電荷特性が同じＰＥでも重合法により異なること
から重合法を選び、重合された無極性のポリエチレンに
特定の極性基を共重合することにより、更に、特定の有
機過酸化物を用いることにより分解残渣の影響は少なく
なり、これらによって直流特性の改善が可能であると考
え検討を進めた。
の空間電荷特性が同じＰＥでも重合法により異なること
から重合法を選び、重合された無極性のポリエチレンに
特定の極性基を共重合することにより、更に、特定の有
機過酸化物を用いることにより分解残渣の影響は少なく
なり、これらによって直流特性の改善が可能であると考
え検討を進めた。
【０００７】そこでこの発明は、特定の重合法により重
合されたポリエチレンを特定し、導入する極性基を特定
して、絶縁体中の空間電荷の蓄積を抑制することによ
り、更に分解残渣の影響の少ない有機過酸化物を用いる
ことにより、高い絶縁特性を持ちかつ、耐熱性の良い架
橋ポリエチレンを得、これを絶縁体として使用すること
により高性能の特性を有する直流電力ケーブルを提供す
ることを目的とする。
合されたポリエチレンを特定し、導入する極性基を特定
して、絶縁体中の空間電荷の蓄積を抑制することによ
り、更に分解残渣の影響の少ない有機過酸化物を用いる
ことにより、高い絶縁特性を持ちかつ、耐熱性の良い架
橋ポリエチレンを得、これを絶縁体として使用すること
により高性能の特性を有する直流電力ケーブルを提供す
ることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この発明は、無水マレイン酸を共重合させた
ポリエチレン（ＰＥ）を１３０℃での半減期が５Ｈｒ以
上の有機過酸化物により架橋させてなる架橋樹脂組成物
を絶縁体とした構成を採用するものである。
するため、この発明は、無水マレイン酸を共重合させた
ポリエチレン（ＰＥ）を１３０℃での半減期が５Ｈｒ以
上の有機過酸化物により架橋させてなる架橋樹脂組成物
を絶縁体とした構成を採用するものである。
【０００９】また、上記有機過酸化物として、２，５ジ
メチル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキシ）ヘキシン−３
を用いることができる。
メチル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキシ）ヘキシン−３
を用いることができる。
【００１０】
【作用】無水マレイン酸のカルボニル基が極性基として
働き、均一に材料中に分布するため、空間電荷の局部的
なトラップを防止することが出来、又、直鎖状低密度ポ
リエチレンは、同じ低圧法で重合して得られる高結晶化
度をもつ低圧法ポリエチレン（高密度ポリエチレン；Ｈ
ＤＰＥ）に比べ、結晶性は低いが高圧法ポリエチレン
（低密度ポリエチレン；ＬＤＰＥ）のような分岐、長い
側鎖等の不規則性を持たないため、空間電荷のトラップ
を低減させることができる。このような空間電荷の低減
により、直流破壊強度が改善される。
働き、均一に材料中に分布するため、空間電荷の局部的
なトラップを防止することが出来、又、直鎖状低密度ポ
リエチレンは、同じ低圧法で重合して得られる高結晶化
度をもつ低圧法ポリエチレン（高密度ポリエチレン；Ｈ
ＤＰＥ）に比べ、結晶性は低いが高圧法ポリエチレン
（低密度ポリエチレン；ＬＤＰＥ）のような分岐、長い
側鎖等の不規則性を持たないため、空間電荷のトラップ
を低減させることができる。このような空間電荷の低減
により、直流破壊強度が改善される。
【００１１】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。
【００１２】実施例実 施例における直流電力ケーブルは、無水マレイン酸を
共重合させたポリエチレン（ＰＥ）を１３０℃での半減
期５Ｈｒ以上なる有機過酸化物により架橋させてなる架
橋樹脂組成物を用いて絶縁体を形成した構造になってい
る。
共重合させたポリエチレン（ＰＥ）を１３０℃での半減
期５Ｈｒ以上なる有機過酸化物により架橋させてなる架
橋樹脂組成物を用いて絶縁体を形成した構造になってい
る。
【００１３】上記、絶縁体の形成において、ポリエチレ
ンに極性基として無水マレイン酸を共重合した物に１３
０℃での半減期が５Ｈｒ以上なる有機過酸化物、特に
２，５ジメチル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキシ）ヘキ
シン−３を用いて架橋させた架橋樹脂組成物を絶縁体に
用いることにより、空間電荷蓄積を含めた直流特性に優
れた直流電力ケーブルが出来ることがわかった。
ンに極性基として無水マレイン酸を共重合した物に１３
０℃での半減期が５Ｈｒ以上なる有機過酸化物、特に
２，５ジメチル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキシ）ヘキ
シン−３を用いて架橋させた架橋樹脂組成物を絶縁体に
用いることにより、空間電荷蓄積を含めた直流特性に優
れた直流電力ケーブルが出来ることがわかった。
【００１４】また、無水マレイン酸共重合ポリエチレン
として、比重０．９４ｇ／ｃｍ3未満の直鎖状低密度ポ
リエチレン、又は比重０．９４ｇ／ｃｍ3以上である高
密度ポリエチレンが用いられる。
として、比重０．９４ｇ／ｃｍ3未満の直鎖状低密度ポ
リエチレン、又は比重０．９４ｇ／ｃｍ3以上である高
密度ポリエチレンが用いられる。
【００１５】通常絶縁材料に添加される安定剤なども添
加されても問題ない。又、ポリエチレンとしては、ポリ
エチレンを低圧法により重合する際に、ブテン−１、ヘ
キセン−１、４−メチルペンテン−１、オクテン−１、
等を添加することにより一定の長さ（炭素数２から６程
度の）側鎖をポリエチレンに導入することにより得られ
るＪＩＳ Ｋ６７４８に規定されているような、結晶性
は高くは無いものの規則性に優れた中低圧法により重合
された直鎖状低密度ポリエチレン（Ｌ−ＬＤＰＥ）が適
している。
加されても問題ない。又、ポリエチレンとしては、ポリ
エチレンを低圧法により重合する際に、ブテン−１、ヘ
キセン−１、４−メチルペンテン−１、オクテン−１、
等を添加することにより一定の長さ（炭素数２から６程
度の）側鎖をポリエチレンに導入することにより得られ
るＪＩＳ Ｋ６７４８に規定されているような、結晶性
は高くは無いものの規則性に優れた中低圧法により重合
された直鎖状低密度ポリエチレン（Ｌ−ＬＤＰＥ）が適
している。
【００１６】表１にこの発明の実施例と比較例について
記した。以下に詳細述べる。
記した。以下に詳細述べる。
【００１７】実験サンプルは、各種無水マレイン酸共重
合ポリエチレン及びそれらに架橋剤としてジクミルペル
オキシド（ＤＣＰ）、２，５ジメチル２，５ジ（ｔ−ブ
チルペルオキシ）ヘキサンまたは２，５ジメチル２，５
ジ（ｔ−ブチルペルオキシ）ヘキシン−３を１ｐｈｒ混
合したものを１８０℃３０分の条件で熱プレスにより作
成したシートを用いた。空間電荷蓄積の評価は２ｍｍシ
ートに２０ｋｖ課電後パルス静電応力法により測定し
た。蓄積電荷量は量の＋の数で示した。ＤＣ破壊は０．
２ｍｍシートを用い９０℃で測定した。
合ポリエチレン及びそれらに架橋剤としてジクミルペル
オキシド（ＤＣＰ）、２，５ジメチル２，５ジ（ｔ−ブ
チルペルオキシ）ヘキサンまたは２，５ジメチル２，５
ジ（ｔ−ブチルペルオキシ）ヘキシン−３を１ｐｈｒ混
合したものを１８０℃３０分の条件で熱プレスにより作
成したシートを用いた。空間電荷蓄積の評価は２ｍｍシ
ートに２０ｋｖ課電後パルス静電応力法により測定し
た。蓄積電荷量は量の＋の数で示した。ＤＣ破壊は０．
２ｍｍシートを用い９０℃で測定した。
【００１８】
【表１】
【００１９】表中の語句の説明 ＤＣＰ：ジクミルペルオキシド（１３０℃での半減期
１．８Ｈｒ） ＡＰＯ：２，５ジメチル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキ
シ）ヘキサン（同５．６Ｈｒ） ＹＰＯ：２，５ジメチル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキ
シ）ヘキシン−３（同８．６Ｈｒ） 空間電荷：Ｍ：ホモ電荷蓄積 Ｒ：ヘテロ電荷蓄積
１．８Ｈｒ） ＡＰＯ：２，５ジメチル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキ
シ）ヘキサン（同５．６Ｈｒ） ＹＰＯ：２，５ジメチル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキ
シ）ヘキシン−３（同８．６Ｈｒ） 空間電荷：Ｍ：ホモ電荷蓄積 Ｒ：ヘテロ電荷蓄積
【００２０】表１に空間電荷分布の測定結果を示す。電
極近傍にＤＣ課電極性と同極性の電荷蓄積されている場
合ホモ電荷蓄積、その逆の場合ヘテロ電荷蓄積。
極近傍にＤＣ課電極性と同極性の電荷蓄積されている場
合ホモ電荷蓄積、その逆の場合ヘテロ電荷蓄積。
【００２１】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
よれば、無水マレイン酸を共重合させてなるポリエチレ
ンに、１３０℃での半減期５Ｈｒ以上の有機過酸化物に
より架橋させたものを絶縁体に用いることにより、分解
残渣の影響が少なく高い絶縁性を持ち、かつ、直流高電
圧印加による空間電荷蓄積を防止でき、ＸＬＰＥ絶縁ケ
ーブルと同様に耐熱性の良い直流高電圧ケーブルができ
る。
よれば、無水マレイン酸を共重合させてなるポリエチレ
ンに、１３０℃での半減期５Ｈｒ以上の有機過酸化物に
より架橋させたものを絶縁体に用いることにより、分解
残渣の影響が少なく高い絶縁性を持ち、かつ、直流高電
圧印加による空間電荷蓄積を防止でき、ＸＬＰＥ絶縁ケ
ーブルと同様に耐熱性の良い直流高電圧ケーブルができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−150810（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−46604（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−186507（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01B 3/16 - 3/56 H01B 7/00 - 7/02 H01B 9/00 - 9/06
Claims (3)
- 【請求項１】 無水マレイン酸を共重合させたポリエチ
レン（ＰＥ）を１３０℃での半減期が５Ｈｒ以上の有機
過酸化物により架橋させてなる架橋樹脂組成物を絶縁体
としたことを特徴とする直流電力ケーブル。 - 【請求項２】 上記有機過酸化物として、２，５ジメチ
ル２，５ジ（ｔ−ブチルペルオキシ）ヘキシン−３を用
いたことを特徴とする請求項１に記載の直流電力ケーブ
ル。 - 【請求項３】 無水マレイン酸共重合ポリエチレンとし
て、比重０．９４ｇ／ｃｍ3未満の直鎖状低密度ポリエ
チレン、又は、比重０．９４ｇ／ｃｍ3以上である高密
度ポリエチレンからなることを特徴とする請求項１又は
２に記載の直流電力ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02740492A JP3275342B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 直流電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02740492A JP3275342B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 直流電力ケーブル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05198217A JPH05198217A (ja) | 1993-08-06 |
| JP3275342B2 true JP3275342B2 (ja) | 2002-04-15 |
Family
ID=12220139
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP02740492A Expired - Lifetime JP3275342B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 直流電力ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3275342B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AU2001244605B2 (en) | 2000-03-31 | 2006-04-13 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Electrically insulating resin composition and electric wire or cable both coatedtherewith |
| CN106356126A (zh) * | 2016-10-17 | 2017-01-25 | 安徽省绿环电气股份有限公司 | 一种可大规模生产的阻燃交联聚乙烯电力电缆 |
-
1992
- 1992-01-17 JP JP02740492A patent/JP3275342B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05198217A (ja) | 1993-08-06 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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