JP4347433B2 - マイクロ多極電極の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロ多極電極の製造方法に関するものであり、特に、微小冷陰極(エミッタ)を電子源として用いるマイクロ電子銃において、エミッタから放出した電子を所定の位置へ偏向するための多極電極等を実用的な工程で製造するための構造及び工程に特徴のあるマイクロ多極電極の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
微小冷陰極を電子源として用いたマイクロ電子銃は、表示装置用の電子源、或いは、高周波真空デバイス用電子源としての用途が期待されており、この様な微小冷陰極から放出した電子を所定の位置へ偏向するための八極電極等の多極電極を形成するために、半導体技術分野における微細加工技術や、機械加工を用いている。
【0003】
この様な多極電極は、電子を所定の位置へ偏向するためにはある程度の厚さを有している必要があり、そのために、最近では、厚膜レジストを用いてシリコン基板を100〜200μm程度の深さにDeepエッチングする改良型反応性イオンエッチング(RIE)法を利用する方法、或いは、2枚の電極をある程度の間隔で配置し、2枚の電極間の間隔で実効的に所定の厚さを確保する方法も提案されている。
【0004】
ここで、図14を参照して、八極電極の偏向角の電極厚依存性を説明する。
図14参照
八極電極43を構成する互いに対向する1組の電極の内径をd(mm)とし、電極の電子の進行方向の厚さをL(mm)とし、1組の電極間の電位差をV(Vとし、電子銃41からエネルギーE(eV)をもった電子42が放出された場合、電子42は電極によって偏向角θ(rad)だけ偏向されて試料44の所定位置に到達する。
なお、電位差Vは、(V1 −V2 )の絶対値である。
【0005】
この場合の電子42の偏向角θは、
θ=〔V×L〕/〔E×d〕
で表され、偏向角θを大きくするためには、電位差V或いは電極の厚さLを大きくするか、または、電子の加速エネルギーE或いは電極の内径dを小さくすれば良いが、電子ビーム装置としては電位差Vや電子の加速エネルギーEを極端に変えることは困難であるので、電極の厚さL或いは内径dを変えて八極電極43の性能を確保することが現実的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、八極電極を形成する際に機械加工を用いた場合には、その最小加工寸法に限界があるという問題があり、一方、従来の半導体微細加工技術を用いた場合には、充分な厚さを有する電極を形成することが困難であるという問題があり、また、改良型反応性イオンエッチング装置等の最新の半導体製造装置を用いた場合には、製造装置自体が非常に高価であるという問題があり、さらに、2枚の電極を重ね合わせる方法の場合には、位置ずれが発生するという問題がある。
【0007】
例えば、半導体微細加工技術によってマイクロ電子銃装置用の八極電極を形成する場合を考えると、八極電極43から試料44までの距離が5mmである時に、300μm(=3×10-1mm)の視野角を得るために30mrad(=3×10-2rad)の偏向性能を有する八極電極を形成する場合、E=1keV、V=10Vであると仮定すると、通常の半導体微細加工技術では電極の厚さLは高々数十μmとすることしかできず、仮に、L=30μm(=3×10-2mm)にできたとしても、電極の内径dは、
d=〔V×L〕/〔E×θ〕
=(10×3×10-2)/(103 ×3×10-2
=10-2(mm)=10μm
となり、この大きさで八極電極を作製したとしても、電極内径dが小さいので、均一な電界領域が必然的に狭くなってしまうため、マイクロ電子銃装置を組み立てる際には1μm以下という厳しい位置合わせ精度が要求されることになる。
【0008】
一方、電極内径dを100μm以上にした場合には、電極の厚さLを300μm以上にする必要があるが、上述のように従来の通常の半導体微細加工技術ではLに制限があり、充分な偏向性能を有する八極電極、或いは、それを組み込んだマイクロ電子銃装置を製造することは非常に困難であった。
【0009】
したがって、本発明は、簡単な構成及び工程により充分な偏向性能を満たす厚さを有するマイクロ多極電極を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図1(a)は、マイクロ多極電極の平面図であり、また、図1(b)は図1(a)のB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った断面から見た正面図である。
図1(a)及び(b)参照
(1)本発明は、非導電性支持体1上に複数対の電極2〜5を設けたマイクロ多極電極において、全ての電極2〜5が単結晶部材からなり、且つ、全ての電極2〜5の側面が結晶学的に等価な結晶面方位を有することを特徴とする。
【0011】
このように、マイクロ多極電極を構成する複数対の電極2〜5の側面が全て結晶学的に等価な結晶面方位を有するようにすることによって、全ての電極2〜5を同じ形状で構成することができ、マイクロ多極電極の偏向精度が高まる。
なお、非導電性支持体1には、電子が通過するための電子通過孔6が設けられることになる。
【0012】
(2)また、本発明は、上記(1)において、複数対の電極2〜5の内の少なくとも一対の電極2〜5は、複数対の電極2〜5の内の少なくとも他の一対の電極2〜5と異なった単結晶部材から構成されることを特徴とする。
【0013】
この様に、マイクロ多極電極を構成する複数対の電極2〜5の側面が全て結晶学的に同じ結晶面方位を有するようするためには、複数対の電極2〜5の内の少なくとも一対の電極、例えば、電極2,4を構成する単結晶部材と、少なくとも他の一対の電極、例えば、電極3,5を構成する単結晶部材とが異なるようにすること、即ち、互いに同じ材質からなり且つ同じ主面の別の単結晶基板から製造することが製法的に好適となる。
【0014】
(3)また、本発明は、上記(1)または(2)において、単結晶部材が、単結晶シリコンであり、電極2〜5の側面が{111}面であることを特徴とする。
【0015】
この様に、マイクロ多極電極を構成する複数対の電極2〜5を形成するための単結晶部材としては、単結晶シリコンが最も好適であり、且つ、電極2〜5の側面としては{111}面、したがって、単結晶シリコンの主面としては{100}面が好適である。
なお、{100}面は、(100)面以外に、(010)面、或いは、(001)面等の(100)面と結晶学的に等価な面を意味し、また、{111}面も(111)面以外に、(1−11)面、(11−1)面等の(111)面と結晶学的に等価な面を意味し、さらに、明細書作成上の都合により本来“1バー”で表示される指数を“−1”で表記している。
【0016】
(4)また、本発明は、上記(3)において、電極2〜5が4対からなることを特徴とする。
【0017】
この様なマイクロ多極電極における電極2〜5対の数は4対、即ち、八極電極が実用的に好適である。
【0018】
(5)また、本発明は、非導電性基板上に複数対の電極2〜5を設けたマイクロ多極電極の製造方法において、第1の部材の少なくとも一部を構成する単結晶部材に異方性エッチャントを用いた異方性エッチングを施すことによって互いに対向する少なくとも一対の電極2〜5を形成する工程、第2の部材の少なくとも一部を構成する単結晶部材に異方性エッチャントを用いた異方性エッチングを施すことによって互いに対向する少なくとも一対の電極2〜5を形成する工程、電極2〜5を形成した第1の部材、及び、電極2〜5を形成した第2の部材を互いの電極2〜5を形成した面を対向させ、互いの電極2〜5が同一平面内で交互に配置されるように組合せて接合する工程、とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0019】
この様に、電極2〜5、例えば、電極2,4を形成した第1の部材、及び、電極2〜5、例えば、電極3,5を形成した第2の部材を互いの電極2〜5を形成した面を対向させ、互いの電極2〜5が同一平面内で交互に配置されるように組合せて接合することによって、従来の湿式の異方性エッチングを用いるだけで、全ての電極2〜5の側面が{111}面等の同一の結晶面を有するようにすることができる。
【0020】
(6)また、本発明は、上記(5)において、異方性エッチャントが、エチレンジアミンとカテコールの混合溶液、または、水酸化カリウム溶液のいずれかであることを特徴とする。
【0021】
エチレンジアミンとカテコールの混合溶液(EPW)、または、水酸化カリウム溶液(KOH)は、シリコンの{111}面に対するエッチングレートは、{100}面に対するエッチングレートより著しく小さいので、{111}面が表れるようにエッチングが進行し、この様な異方性エッチャントを用いることによって全ての電極2〜5の側面が{111}面等の同一の結晶面を有するようにすることができる。
【0022】
(7)また、本発明は、上記(5)において、第1の部材及び第2の部材を組み合わせる工程において、第1の部材及び第2の部材に設けた相対的な位置合わせを行う凹凸構造を利用することを特徴とする。
【0023】
この様に、第1の部材及び第2の部材を組み合わせる工程において、位置合わせのための凹凸構造を利用することによって、第1の部材及び第2の部材を簡単に且つ精度良く位置合わせすることができる。
【0024】
(8)また、本発明は、上記(5)乃至(7)のいずれかにおいて、第1の部材及び第2の部材を接合する工程において、陽極接合法を用いることを特徴とする。
【0025】
この様に、第1の部材及び第2の部材を接合する工程において、陽極接合法を用いることによって、接合用の金属材料が不要になり、且つ、低温処理が可能になる。
【0026】
(9)また、本発明は、上記(5)乃至(7)のいずれかにおいて、第1の部材及び第2の部材を接合する工程において、共晶接合法を用いることを特徴とする。
【0027】
この様に、第1の部材及び第2の部材を接合する工程において、共晶接合法を用いることによって、電圧印加機構が不要になり、且つ、接合する部材の一方の接合面側に存在するSiO2 系部材、例えば、非導電性支持体1にNaが含まれていなくとも接合が可能になるので、非導電性支持体1の素材の制限が少なくなる。
【0028】
(10)また、本発明は、上記(5)乃至(9)において、接合工程の後に、各電極2〜5を整形するための異方性エッチング工程を行うことを特徴とする。
【0029】
この様に、接合工程の後に、各電極2〜5を整形するための異方性エッチング工程を行うことによって、組合せ工程における位置合わせが不正確でも、均等な間隔で配置された同じ形状の複数対の電極2〜5を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
ここで、図2乃至図13を参照して、2枚のシリコン単結晶基板を用いた本発明の実施の形態の製造工程を説明する。
なお、各図において、(b)及び(b′)のように同じアルファベットの図の場合には、「ダッシュ」のつかない図は平面図であり、「ダッシュ」のついた図は「ダッシュ」のつかない図における一点鎖線に沿った断面から見た図であり、A−A′の場合には、一点鎖線に沿った断面図で、途中の破線部は省略したものであり、B−B′の場合には、一点鎖線に沿った断面から見た正面図である。
【0031】
図2(a)参照
まず、主面が(100)面で、比抵抗が、例えば、1Ω・cmで、厚さが、例えば、300μmのn型シリコン基板11を酸化性雰囲気中で熱処理することによって、n型シリコン基板11の両面に各々厚さが、例えば、5000ÅのSiO2 膜12,13を形成する。
【0032】
図2(b)及び(b′)参照
次いで、フォトリソグラフィー工程によってレジストパターン(図示せず)を形成したのち、レジストパターンをマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)を施すことによって一方のSiO2 膜、例えば、表面側のSiO2 膜12をエッチングして、八極電極の内の2対の電極を形成するためのSiO2 膜パターン14を形成する。
【0033】
図3(c)及び(C′)参照
次いで、SiO2 膜パターン14をマスクとして、エチレンジアミン及びカテコールの混合溶液であるEPWを用いて異方性エッチングを施し、裏面まで貫通しないように、例えば、厚さ50μm程度残した状態でエッチングを停止することによって、2対のメサ構造体15,16を形成する。
なお、エチレンジアミン及びカテコールの混合溶液であるEPWは、カテコールとピテカテコールは同等のものであるので、エチレンジアミン及びピテカテコールの混合溶液であるEDPと同等のものである。
【0034】
この場合、EPW或いはEPDは、シリコンの{111}面に対するエッチングレートが、{100}面に対するエッチングレートより著しく小さく、{111}面を残してエッチングが進行するので、メサ構造体15,16の全ての側面は(111)面と結晶学的に等価な{111}面で構成されることになる。
【0035】
図3(d)参照
次いで、光学顕微鏡が上下に設けられた両面露光装置を用いて、n型シリコン基板11に形成した上下の面のパターンを観察しながら露光することによって、n型シリコン基板11の裏面側にフォトリソグラフィー工程によってレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてフッ酸緩衝液を用いてSiO2 膜13をエッチングすることによって開口部17を形成する。
【0036】
図4(e)参照
次いで、SiO2 膜パターン14上に、厚さが、例えば、350μmのシリコン基板18を載置し、加熱雰囲気中でシリコン基板18側が正に、SiO2 膜パターン14側が負になるように電圧を印加する陽極接合法によって、n型シリコン基板11とシリコン基板18とを接合する。
【0037】
図4(f)参照
次いで、再び、EPWを用いて開口部17側からn型シリコン基板11の裏面を異方性エッチングすることによって、各メサ構造体15,16を互いに分離してマイクロ電極19,20を形成する。
なお、この場合もEPWを用いているので、マイクロ電極19,20の全ての側面は{111}面のままであり、また、同時にシリコン基板18もエッチングされるが、200μm程度の厚さが残るので問題にならない。
【0038】
図4(g)及び(g′)参照
次いで、裏面のSiO2 膜13を、フッ酸緩衝液を用いて除去することによって、八極電極を形成するための一方の電極部品Aが完成する。
【0039】
図5(h)及び(h′)参照
次いで、再び、主面が(100)面で、比抵抗が、例えば、1Ω・cmで、厚さが、例えば、300μmのn型シリコン基板21を酸化性雰囲気中で熱処理することによって、n型シリコン基板11の両面に各々厚さが、例えば、5000ÅのSiO2 膜22を形成し、次いで、フォトリソグラフィー工程によってレジストパターン(図示せず)を形成したのち、レジストパターンをマスクとしてRIEを施すことによって一方のSiO2 膜、例えば、表面側のSiO2 膜をエッチングして、八極電極の内の他の2対の電極を形成するためのSiO2 膜パターン23を形成する。
【0040】
図5(i)参照
次いで、SiO2 膜パターン23をフォトレジストで覆った状態で、n型シリコン基板21をフッ酸緩衝液で処理することによって、n型シリコン基板21の裏面に設けたSiO2 膜22を除去し、次いで、フォトレジストも除去する。
【0041】
図6(j)参照
次いで、n型シリコン基板21の裏面と、厚さが、例えば、500μmのパイレックスガラスからなるガラス基板24を対向させ、上記の場合と同様に陽極接合法を用いて接合する。
【0042】
図6(k)及び(k′)参照
次いで、EPWを用いて異方性エッチングを施し、ガラス基板24に達するまでエッチングすることによって、側面が全て{111}面で構成される2対のマイクロ電極25,26を形成することによって、八極電極を形成するための他方の電極部品Bが完成する。
【0043】
図7(l)及び(l′)参照
次いで、両方の電極部品A,Bを、互いのマイクロ電極19,20及びマイクロ電極25,26が対向するように向かい合わせたのち、一方の電極部品、この場合には電極部品Aを他方の電極部品Bに対して45°回転させ、互いのマイクロ電極19,20及びマイクロ電極25,26が交互に、且つ、均等な間隔になるように位置合わせを行う。
【0044】
ここで、図13を参照して、この場合の位置合わせ方法を説明する。
図13(a)及び(b)参照
この様な位置合わせを行う場合には、シリコンウェハ31内に、2か所以上(図においては2か所)の位置合わせ部、即ち、位置合わせチップ32,33を設け、この位置合わせチップ32,33に、例えば、夫々マイクロ電極25,26のパターンに相補的に対応する十字状の位置合わせ用凹凸構造34を形成しておき、この位置合わせ用凹凸構造34とマイクロ電極25,26とを嵌め合わせることによって電極部品Aと電極部品Bとの位置合わせを行う。
この場合、電極部品Aに設けた位置合わせ用凹凸構造34に対応するマイクロ電極パターン及びこのマイクロ電極パターンの存在するチップが、夫々電極部品Bに設けた位置合わせ用凹凸構造及び位置合わせチップとなる。
【0045】
この様な位置合わせにおいて、例えば、シリコンウェハ31の径を4inch(≒10cm)とし、このシリコンウェハ31内に、8cmの間隔をおいて位置合わせチップ32,33を設けると、1か所で最大5μmずれた場合、ある方向への平行ずれ量も最大5μm程度となる。
【0046】
その場合の回転ずれ量は、
Figure 0004347433
となり、0.01°以下であるので回転ずれはほぼ無視できる。
【0047】
図8(m)及び(m′)参照
次いで、電極部品Aと電極部品Bとを重ね合わせたのち、再び、陽極接合法を用いて接合する。
なお、図においては、一つの八極電極を形成するための1チップ分の重合わせ構造を説明しているが、実際には図13で説明したようにウェハ単位で重合わせを行うものであり、したがって、例えば、マイクロ電極,19,20はガラス基板24の角まで延在した構成となる。
【0048】
図9(n)及び(n′)参照
次いで、再びEPWを用いてエッチングを行うことによって、電極部品Aのシリコン基板18を除去する。
この場合、マイクロ電極19,20、及び、マイクロ電極25,26の露出面は、全て{111}面であるので殆どエッチングされることがなく、したがって、マイクロ電極19,20、及び、マイクロ電極25,26の形状は保持される。
【0049】
図10(o)参照
次いで、スプレー塗布法を用いて全面にレジストを塗布してレジスト膜27を形成する。
なお、この場合、全面にレジスト膜27を形成する必要はなく、少なくとも上面側のSiO2 膜パターン14,23の表面にレジスト膜27が形成されれば良いので、スピンコート法を用いても良いものである。
【0050】
図10(p)及び(p′)参照
次いで、最終的な電極形状を形成するためのマスクパターンを形成するための露光を行い、レジスト膜27をパターニングすることによってレジストパターン28を形成する。
【0051】
図11(q)参照
次いで、レジストパターン28をマスクとしてRIEによってSiO2 膜パターン14及びSiO2 膜パターン23をエッチングして、最終的な電極形状に対応するパターンとする。
【0052】
図11(r)及び(r′)参照
次いで、レジストパターン28を除去したのち、SiO2 膜パターン14及びSiO2 膜パターン23をマスクとしてEPWを用いて異方性エッチングを施すことによって最終的な電極形状のマイクロ電極19,20、及び、マイクロ電極19,20と交互に配置されたマイクロ電極25,26を形成する。
【0053】
図12(s)参照
次いで、フッ酸緩衝液を用いて処理することによって、マイクロ電極19,20上のSiO2 膜パターン14、及び、マイクロ電極25,26上のSiO2 膜パターン23を除去する。
【0054】
図12(t)及び(t′)参照
最後に、ガラス基板24の裏面に、電子通過孔29に対応する開口部を有するレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてフッ酸緩衝液によってガラス基板24をエッチングすることによってガラス基板24の中央部に電子通過孔29を形成するとともに、ガラス基板24の残部を支持枠体30とすることによって八極電極が完成する。
【0055】
この様に、本発明の実施の形態においては、高価な製造装置を用いることなく、2枚の同じ結晶方位を有するシリコン基板を用い、通常の湿式異方性エッチングを施すだけで簡単に充分な厚さを有するマイクロ電極を精度良く形成することができ、それによって八極電極の偏向性能を任意に高めることができる。
【0056】
また、この製造工程は、図13に示したようにウェハ状態で行うため、大量生産が可能になり、且つ、製造装置のコスト、及び、製造コストを大幅に低減することができる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は、実施の形態に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能であり、例えば、上記の実施の形態の説明においては、異方性エッチャントとしてEPWを用いているが、EPWに限られるものではなく、水酸化カリウム溶液(KOH)を用いても良い。
なお、KOHを用いる場合には、SiO2 膜の代わりにSi3 4 膜を用いる必要がある。
【0058】
また、上記の実施の形態の説明においては、開口部17を形成する際に、両面露光装置を用いているが、表面側のSiO2 膜パターン14と、裏面側の開口部17の位置合わせ精度は数十μmあれば充分であるので、両面露光装置を用いることなく、n型シリコン基板11の外形を利用した位置合わせによるパターニングでも可能である。
【0059】
また、上記の実施の形態の説明においては、基板を接合する際に低温処理が可能な陽極接合法を用いているが、陽極接合法に限られるものではなく、共晶接合法を用いても良いものである。
特に、陽極接合法の場合には、SiO2 膜或いはガラス基板にNa(ナトリウム)が含まれていない場合、接合が困難であるので、この様な場合には共晶接合法が好適である。
【0060】
共晶接合法を用いる場合には、SiO2 膜或いはガラス基板上にAlやAuを形成しておき、AlやAuとシリコンとが共晶を形成する温度まで加熱すれば良く、陽極接合法のような電圧印加装置等を必要としない。
【0061】
また、上記の実施の形態の説明においては、非導電性の支持体枠を形成するために、パイレックガラスからなるガラス基板を用いているが、他のガラスを用いた基板でも良く、さらには、ガラス以外の絶縁物、例えば、サファイア基板、高抵抗体、或いは、表面のみが絶縁化された導電性部材、例えば、表面にSiO2 膜を形成したシリコン基板等を用いても良いものであり、最終的に電極形状が完成した際に、各電極を電気的に分離し、且つ、機械的に保持する役割を果たすため、各電極間の電位差を保持できる材料であれば良い。
なお、ガラス基板24の代わりに表面にSiO2 膜を形成したシリコン基板を用いる場合には、上述の図9の工程において、シリコン基板がエッチングされないように、その露出面をフォトレジスト等で被覆して保護する必要がある。
【0062】
また、上記の実施の形態においては、マイクロ多極電極を八極電極として説明しているが、八極電極に限られるものではなく、十二極電極或いは二十極電極等であっても良い。
例えば、十二極電極を形成する場合には、2対のマイクロ電極パターンを有する電極部品を3組形成し、まず、2つの電極部品を互いに60°回転するように接合して、上述の図9に示す中間構造体を形成したのち、この中間構造体に対して残りの電極部品を互いに60°回転するように接合し、以降は図10乃至図12の工程を行うことにより十二極電極を完成することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、単結晶半導体等の単結晶部材の有するエッチング異方性を利用することによって、通常の製造装置及び通常の製造方法によって充分な厚さを有する偏向性能に優れたマイクロ多極電極を低コストで製造することができ、それによって、微小冷陰極を備えたマイクロ電子銃装置の実用化に寄与するころが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の図2以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の図3以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の図4以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の図5以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態の図6以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態の図7以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態の図8以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態の図9以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態の図10以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態の図11以降の製造工程の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態における位置合わせの説明図である。
【図14】八極電極の偏向角の電極厚依存性の説明図である。
【符号の説明】
1 非導電性支持体
2 電極
3 電極
4 電極
5 電極
6 電子通過孔
11 n型シリコン基板
12 SiO2
13 SiO2
14 SiO2 膜パターン
15 メサ構造体
16 メサ構造体
17 開口部
18 シリコン基板
19 マイクロ電極
20 マイクロ電極
21 n型シリコン基板
22 SiO2
23 SiO2 膜パターン
24 ガラス基板
25 マイクロ電極
26 マイクロ電極
27 レジスト膜
28 レジストパターン
29 電子通過孔
30 支持枠体
31 シリコンウェハ
32 位置合わせチップ
33 位置合わせチップ
34 位置合わせ用凹凸構造
41 電子銃
42 電子
43 八極電極
44 試料

Claims (10)

  1. 第1の基板上の第1の単結晶部材に異方性エッチャントを用いた異方性エッチングを施し、互いに対向する少なくとも一対の第1電極を形成する工程と、
    第2の基板上の第2の単結晶部材に異方性エッチャントを用いた異方性エッチングを施し、互いに対向する少なくとも一対の第2電極を形成する工程と、
    前記第1の基板上に形成された前記第1電極と、前記第2の基板上に形成された前記第2電極とを対向させ、前記第1電極及び前記第2電極が同一平面内で交互に配置されるように組み合わせて接合する工程
    含むことを特徴とするマイクロ多極電極の製造方法。
  2. 前記第1電極を形成する工程は、
    前記第1の単結晶部材の一方の面に第1のマスクを形成する工程と、
    前記第1のマスクに第1の開口を形成し、前記第1の開口を介して前記第1の単結晶部材に異方性エッチャントを用いた異方性エッチングを施し、互いに対向する少なくとも一対のメサ構造体を形成する工程と、
    前記第1の単結晶部材の他方の面に第2のマスクを形成する工程と、
    前記第2のマスクに第2の開口を形成し、前記第2の開口を介して前記第1の単結晶部材に前記異方性エッチャントを用いた異方性エッチングを施し、前記一対のメサ構造体を互いに分離する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
  3. 前記第2電極を形成する工程は、
    前記第2の単結晶部材上に第3のマスクを形成し、前記第3のマスクに第3の開口を形成する工程と、
    前記第3の開口を介して前記第2の単結晶部材に異方性エッチャントを用いた異方性エッチングを施す工程と
    を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
  4. 前記第1の単結晶部材及び前記第2の単結晶部材は、単結晶シリコンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
  5. 前記第1の単結晶部材の主面、及び前記第2の単結晶部材の主面が{100}面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
  6. 前記第1電極の側面、及び前記第2電極の側面が{111}面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
  7. 前記異方性エッチャントが、エチレンジアミンとカテコールの混合液、または、水酸化カリウム溶液のいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
  8. 前記第1の基板及び第2の基板は、凹凸構造をすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
  9. 前記接合する工程は、陽極接合法または共晶接合法のいずれかを用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
  10. 前記接合する工程の後に、更に、前記第1電極及び第2電極に、前記異方性エッチャントを用いた異方性エッチングを行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロ多極電極の製造方法。
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