JP3413504B2 - 電子放出素子およびその製造方法 - Google Patents

電子放出素子およびその製造方法

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JP3413504B2
JP3413504B2 JP29242693A JP29242693A JP3413504B2 JP 3413504 B2 JP3413504 B2 JP 3413504B2 JP 29242693 A JP29242693 A JP 29242693A JP 29242693 A JP29242693 A JP 29242693A JP 3413504 B2 JP3413504 B2 JP 3413504B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像表示装置、光プリ
ンタあるいは照明ランプ等に電子源として用いられる電
子放出素子、特に電界放出現象を利用した電子放出素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の状態において物体表面から外へ電
子を取り出すためには、その物体表面の仕事関数に相当
するエネルギーを与えてやる必要がある。これは、仕事
関数分のエネルギー障壁が存在するためである。
【0003】物体表面にエネルギーを与えるために、よ
く知られている例では、物体表面をある程度以上の高温
に加熱する。この熱により運動エネルギーが増大された
電子は前記のエネルギー障壁を越えて物体表面から外へ
と飛び出す。これが、いわゆる熱電子放出と称されるも
のであり、そして放出された電子は熱電子と称されてい
る。また、この電子を放出する陰極を熱陰極と称してい
る。
【0004】ところが、前記のように高温に加熱しなく
ても、物体表面に対して電界をかけると前記のエネルギ
ー障壁の幅が電界に応じて次第に狭くなり、特に電界強
度が約107 V/cm以上の強電界であれば、電子はい
わゆるトンネル効果によって前記のエネルギー障壁を突
破して物体表面から外へ放出される。
【0005】これが、いわゆる電界放出又は強電界放出
と称されているものであり、放出された電子は電界放出
電子又は強電界放出電子と称されている。また、この電
子と陰極のことを、前記の熱電子と熱陰極に対して、そ
れぞれ冷電子と冷陰極と称することもある。
【0006】この電界放出現象は、前記のような熱電子
放出とは原理が異なるものであり、工業的応用を検討し
た場合には、その原理の違いに起因した数々の優れた特
長を有していることが知られている。
【0007】まず、電場はポアソンの方程式に支配され
ているため、突起があるとその先端に電界が集中する。
すなわち、突起形状を用いれば比較的低電圧で電界放出
を起こすことができ、これを電子源として利用すること
ができる。
【0008】そして、電界放出現象を利用した電子源と
しての電子放出素子には、代表的な例の一つとして、書
籍:Journal of Applied Phys
ics,47(1976)pp.5248−5263に
記載された文献に示された、図16に示すようなものが
ある。この素子は、円形の穴を持つゲート2と円錐状、
すなわちコーン状に形成されたエミッタ1とを有してい
る。このような電子放出素子を以下ではコーン形電子放
出素子と呼ぶことにする。このコーン形電子放出素子
は、鋭利に尖ったエミッタ1の先端から効率よく電子を
放出することができ、優れた電気的特性を発揮できると
いう特長を有している。図中、符号3は絶縁層、そして
符号4は基板を示している。
【0009】なお、例えば書籍:Japan Disp
lay ’86, pp.512−515に記載された
文献によれば、上記のコーン形電子放出素子を多数個マ
トリクス状に配置し、これを蛍光体を塗布したアノード
電極に対向させた構造の画像表示素子が、既に開発され
ている。
【0010】またこの他にも、例えば書籍:電気通信学
会技術報告ED91−134 pp.17−22の記載
によれば、図17に示す構成の電子放出素子も既に提案
されている。この素子は、平板状で円形のエミッタ1の
外縁すなわちエッジに電界を集中させる方式のものであ
り、そのエミッタ1の形状の故に製造技術が上記のコー
ン形電子放出素子に比べて簡単であるという優れた特長
を有している。この電子放出素子を以下ではエッジ形電
子放出素子と呼ぶことにする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
コーン形電子放出素子(図16)では、ゲート2の穴を
直径1μm程度の小ささで多数個均一にしかも非常に高
精度に形成することが必要であるものの、その製造には
きわめて高度な技術を要し、その上に手間もかかるとい
う問題があった。また、完成した電子放出素子に関し、
エミッタ1が破損してショートを起こし易いという問題
があった。
【0012】また、上記のエッジ形電子放出素子(図1
7)では、エミッタ1の形状の故にそのエミッタのエッ
ジへの電界集中があまり大きくなく、そのためコーン形
(図16)に比べて高電圧を印加する必要があり、電気
的特性がコーン形程には優れていないという問題があっ
た。
【0013】本発明は、上記の問題点を解消するために
成されたものであって、電子放出素子に関して、コーン
形電子放出素子(図16)のように特に高精度の製造技
術を必要としないこと、完成した電子放出素子内の各要
素の破損によるショートの発生を起き難くすること、さ
らにエッジ形電子放出素子(図17)よりも優れた電気
的特性並びに電子放出に関する均一性及び安定性を達成
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の電子放出素子は、基板上に形成され
ていて強電界の下で電子を放出するエミッタと、絶縁層
を挟んでそのエミッタの近傍に設けられていてそのエミ
ッタに電界を印加するゲートとを有する電子放出素子で
ある。そして、上記ゲートにはエミッタに対応する位置
に開口部が形成されており、上記エミッタは上からみて
上記開口部の中に配置され、かつ、該エミッタは、上記
ゲート開口部縁端に沿って2個の角を有する複数の張出
し部を、上記ゲート開口部の中心から放射状に備えてい
る。
【0015】また、請求項2記載の電子放出素子では、
ゲートは概略円形または多角形状に形成される。またエ
ミッタは、上記ゲートを上からみて取り囲むように形成
され、かつ、上記ゲートの縁端に近接して2個の角を有
しつつ上記ゲートの中心に向かって求心状に形成された
複数個の張出し部を備えている。
【0016】また、請求項3記載の電子放出素子では、
ゲートはエミッタの上に絶縁層を挟んで積層されてお
り、該ゲートには開口部が形成される。そして上記エミ
ッタは、そのゲートの開口部の縁端に沿って2個の角を
有しつつ上記ゲートの中心に向かって求心状に形成され
た複数個の張出し部を備えている。
【0017】ここにいう角とは、形状の如何を問わず、
先端が鋭く尖った立体的な突出部分のことであり、これ
を備えた張出し部というのは、例えば、図1又は図4に
示すような2個の角10a又は10cを備えた長方形状
の張出し部11a又は11cや、図2に示すような2個
の角10bを備えた先端が円弧状に丸みを帯て突出する
ほぼ長方形状の張出し部11bや、あるいは図6又は図
8に示すような2個の角10d又は10eを備えた先端
が円弧状に丸みを帯びて窪んだ状態のほぼ長方形状の張
出し部11d又は11e等のような形状が考えられる。
【0018】また、請求項16に記載した電子放出素子
の製造方法、特に請求項1及び請求項2に記載の電子放
出素子の製造に好適な製造方法は、基板上にエミッタの
概略形状又はゲート形状を形成し、さらに基板上に絶縁
層及びゲート用膜又はエミッタ用膜を形成し、その後、
概略形状のエミッタを、2個の角を備えた複数個の張出
し部を放射状又は求心状に並べた形状へと加工すること
を特徴としている。
【0019】また、請求項17に記載した電子放出素子
の製造方法、特に請求項3に記載の電子放出素子の製造
に好適な製造方法は、求心状に配列されるエミッタの張
出し部の原形となる放射状張出し部を基板上に形成し、
さらに基板及びその放射状張出し部の上に絶縁層及びゲ
ート用膜を形成し、その後、ゲート用膜、絶縁層及びエ
ミッタ用放射状張出し部の各層を貫通する穴を開けるこ
とにより、開口部を有するゲート及び複数の求心状に配
列されたエミッタ張出し部を形成することを特徴として
いる。
【0020】エミッタの張出し部を形成する際には、2
段階のフォトエッチングを用いるのが望ましい。すなわ
ち、張出し部の縦の境界及び横の境界の形成ためにそれ
ぞれ独立のフォトリソグラフィとエッチングを用いるこ
とにより、角の鋭いエミッタ形状が得られる。またこの
場合、ゲートがエミッタ張出し部と同様の形状に加工さ
れてしまうと、エミッタに電界をかける効果が弱くなっ
てしまう。そこで、エミッタを所望の張出し部形状に加
工するときにゲートが加工されない工夫が重要となる。
そのための方法として、例えば、ゲート上にエッチング
保護層、例えばAl、レジスト等を付けておいたり、あ
るいはエミッタ加工の一部をゲート成膜前に行う等の方
法が考えられる。
【0021】また、請求項4又は請求項5に記載の電子
放出素子のようにエミッタ又はゲートをエッチングスト
ッパ層の上に設けるようにした電子放出素子に関して
は、請求項18及び請求項19に記載のように、まず基
板上にエッチングストッパ層を形成し、そのエッチング
ストッパ層の上にエミッタ又はゲートを形成することに
より電子放出素子を製造できる。
【0022】さらに、請求項1記載の電子放出素子を製
造するに際して、請求項20に記載のように、エミッタ
用膜の上に保護膜を形成し、エミッタ及びゲートを所定
形状に形成した後にその保護膜を除去することができ
る。
【0023】
【作用】従来のエッジ形電子放出素子(図17)はいわ
ば2次元的な突起であり、これはコーン形電子放出素子
(図16)に比較して電界集中が弱い。これに対して本
発明の電子放出素子では、エミッタの形状をエッジ形
(図17)のような単純な円ではなく、図1、2、4、
6、8に示すような、2個の角10a〜10eを備えた
張出し部11a〜11eを放射状又は求心状に配列させ
て構成してある。ここで各角10a〜10eを1個ずつ
見れば、それらは3つの平面を側面とする3面体すなわ
ち3次元突起であり、その頂点への電界集中が起こり易
く、その結果、コーン形(図16)と同様に良好な電気
的特性を有する電子放出素子が得られる。
【0024】また、エッジ形(図17)に関しては、円
形エッジのどの点から電子放出が起こるかは微妙な形状
や表面状態の違いで決まるものであり、それが均一性や
安定性に問題を残していた。これに対して本発明では、
電子の放出点がエミッタの張出し部の角に確定してお
り、電子の放出に関する均一性及び安定性の改善に大き
な効果がある。電子放出点は1個の張出し部あたり2個
の角、すなわち2点であるから、4個の張出し部を持つ
エミッタならば8点、n個の張出し部ならば2n点とな
り、集積密度の向上にも役立つ。
【0025】以上のように本発明の電子放出素子では、
エミッタの形状が平面であるので、エッジ形(図17)
の特長である作製が容易であるという利点を得ることが
できる。そして同時に、2個の角を備えた複数の張出し
部を放射状又は求心状に並べることによってエミッタが
形成されるので、電界がそれらの角に集中し、そのため
良好な電気的特性を持った電子放出素子を得ることがで
きる。また、電子放出点が角に確定することにより、従
来のエッジ形(図17)に比べて電子放出点に関する均
一性及び安定性を改善できる。
【0026】
【実施例】(電子放出素子の第1実施例) 図1は、本発明に係る電
子放出素子の第1実施例を示している。この実施例で
は、ゲート2に多角形状の開口部、例えば正方形状の開
口部Tが形成され、その開口部Tの下にエミッタ1が形
成されている。図では1個の開口部Tが示されている
が、実際には、ゲート2にほぼ一定の間隔で複数個の開
口部Tが形成される。エミッタ1は、ゲート2に対して
ほぼ平行に形成されていて、さらに4個の張出し部11
aを90゜の角度間隔で放射状に、すなわち十字形状に
配列することによって形成されている。各張出し部11
aのゲート2に近い先端位置にはそれぞれ2個の角10
aが設けられている。これらの角10aは、それを微視
的に見れば、3つの平面を互いに接合した3面体、すな
わち三角錐形状の3次元突起であり、その頂点は鋭く尖
っている。ゲート2とエミッタ1との間に電界を印加す
ると、エミッタ1から、特に各角10aから電子が放出
される。ゲート2の開口部Tは開放部分を持たない枠形
状であって、その開口部Tの縁端は各張出し部11aの
先端に沿って位置している。すなわち、各張出し部11
aが延びる方向と開口部Tの縁端とは互いにほぼ直交し
ている。
【0027】(第1実施例の電子放出素子の製造方法)
図1に示す電子放出素子を製造するための製造方法の一
実施例を図3に模式的に示す。この製造方法では、ま
ず、導電性を有するSi(シリコン)によって形成され
た基板4を用意する。この基板4は、エミッタへ電流を
流すためのエミッタ配線を兼ねている。この基板4上
に、後にエミッタ1(図1)となるW(タングステン)
膜1’をスパッタ処理によって厚さ0.2μmに成膜す
る(a)。その後、エミッタの概略形状、本実施例では
正方形のレジストパターン5を周知のパターン形成方法
によって形成し(b)、さらに、SF6 ガスを用いた反
応性イオンエッチングによってエミッタ用膜(W)1’
及び基板(Si)4をエッチングしてエミッタ概形
1’’を形成する(c)。このとき、基板(Si)4の
方がエミッタ用膜(W)1’よりもエッチングされ易い
ため、エミッタ概形1’’がひさし状に張り出した形状
となる。
【0028】次に、工程(d)で示すように、レジスト
パターン5を残したままで、絶縁層3としてSiOX
0.5μmの厚さで蒸着する。そしてその上にゲート用
膜2’としてNbを0.4μm、さらにエッチングスト
ッパ層としてAlを0.05μm、その保護層としてM
oを0.05μmの厚さで順次蒸着する。この状態から
レジスト5を除去することにより、エミッタ概形1’’
上に付いた絶縁層材料3及びゲート用膜2’をリフト・
オフする(e)。図(i)は図(e)の上面図を示して
いる。
【0029】さらに、放射状のエミッタ1(図1)を加
工するための放射形状、すなわち十字形状のレジストパ
ターン6を周知のパターン形成方法によって形成し
(f,j)、SF6 を用いた反応性イオンエッチングに
よってエミッタ概形1’’及び基板4をエッチングし
て、所望形状の張出し部11a(図1)を備えたエミッ
タ1を形成する(g)。このとき、ゲート用膜2’に対
するエッチングはその内部に含まれるAl層で停止する
ため、ゲート用膜2’の形状は変化しない。
【0030】その後、レジストパターン6を除去し、さ
らにゲート用膜2’に含まれるAl層をリン硝酸を用い
たウエットエッチングによって除去し、そしてさらにフ
ォトリソグラフィ及びSF6 を用いた反応性イオンエッ
チングによってゲート用膜2’を電極として作用するゲ
ート2とゲート配線部とに加工する。ゲート2は図示の
通りにエミッタ1の近傍に位置していてエミッタ1に電
界を印加する部分であり、ゲート配線部とはそのゲート
電極へ電圧を印加するための導電部として作用する部分
である。便宜上、ゲート配線部の図示は省略してある。
【0031】最後に、緩衝フッ酸で絶縁層3を軽くエッ
チング、例えば30秒〜10分、好ましくは3分のエッ
チングを行うことにより、ゲート2を絶縁層3からひさ
し状に張り出させて図1に示すような目標とする電子放
出素子が完成する(h)。
【0032】(電子放出素子の第2実施例)図2は、本
発明に係る電子放出素子の第2実施例を示している。こ
の実施例では、ゲート2に例えば円形状の開口部Eが形
成され、その円形開口部Eの下にエミッタ1が形成され
ている。この開口部Eも実際には一定の間隔で複数個形
成される。エミッタ1は、ゲート2に対してほぼ平行に
形成されていて、さらに6個の張出し部11bを60゜
の角度間隔で放射状に配列することによって形成されて
いる。各張出し部11bのゲート2に近い先端位置にも
それぞれ2個の角10bが設けられている。これらの角
10bも、微視的には3つの平面を互いに接合して成る
3面体、すなわち3次元突起であり、その頂点は鋭く尖
っている。この実施例でも、ゲート2の開口部Eの縁端
はエミッタ1の先端を取り囲む枠形状に形成され、そし
て、各張出し部11bが延びる方向と開口部Eの縁端の
接線方向とは互いにほぼ直交している。
【0033】この第2実施例の電子放出素子は、第1実
施例の電子放出素子を製造するための製造方法、すなわ
ち図3に示した製造方法と同じ方法によって作製でき
る。
【0034】(電子放出素子の第3実施例)図4は、本
発明に係る電子放出素子の第3実施例を示している。こ
の実施例では、ゲート2に多角形状の開口部、例えば正
方形状の開口部Tが形成され、その開口部Tの下にエミ
ッタ1が形成されている。このエミッタ1は、ゲート2
に対してほぼ平行に形成されていて、さらに4個の張出
し部11cを90゜の角度間隔で放射状に、すなわち十
字形状に配列することによって形成されている。各張出
し部11cのゲート2に近い先端位置にはそれぞれ2個
の角10cが設けられている。これらの角10cも、3
つの平面を互いに接合した3面体、すなわち三角錐形状
の3次元突起であり、その頂点は鋭く尖っている。
【0035】この第3実施例が図1に示した第1実施例
と異なる点は、エミッタ1の材料として基板4と異なる
特別の材料を使うことなく、基板と同じ材料、例えばS
iを使ってエミッタ1を形成したことである。
【0036】(第3実施例の電子放出素子の製造方法)
図4に示す電子放出素子を製造するための製造方法の一
実施例を図5に模式的に示す。この製造方法は、基本的
には図3に示した製造方法と同じであり、異なる点は、
エミッタ用金属膜の成膜工程を省くことによって、エミ
ッタ1(図4)を基板4の材料と同じSiを用いて形成
するようにしたことである。
【0037】具体的に説明すれば、まず、導電性を有す
るSiによって形成された基板4を用意し、その上にエ
ミッタの概略形状、本実施例では正方形のレジストパタ
ーン5を周知のパターン形成方法によって形成する
(a)。そして、SF6 ガスを用いた反応性イオンエッ
チングによって基板4をエッチングしてエミッタ概形
1’’を形成する(b)。
【0038】次に、工程(c)で示すように、レジスト
パターン5を残したままで、絶縁層3としてSiOX
0.5μmの厚さで蒸着する。そしてその上にゲート用
膜2’としてNbを0.4μm、エッチングストッパ層
としてAlを0.05μm、その保護層としてMoを
0.05μmの厚さで順次蒸着する。この状態からレジ
スト5を除去することにより、エミッタ概形1’’上に
付いた絶縁層材料3及びゲート用膜2’をリフトオフす
る(d)。図(h)は図(d)の上面図を示している。
【0039】さらに、放射形状のエミッタ1(図4)を
加工するための放射形状、すなわち十字形状のレジスト
パターン6を形成し(e,i)、SF6 を用いた反応性
イオンエッチングによってエミッタ概形1’’をエッチ
ングして、所望形状の張出し部11c(図4)を備えた
エミッタ1を形成し、さらにレジストパターン6を除去
する(f)。
【0040】レジストパターン6の除去後、ゲート用膜
2’に含まれるエッチングストッパ層(Al)をリン硝
酸を用いたウエットエッチングによって除去し、フォト
リソグラフィ及びSF6 を用いた反応性イオンエッチン
グによってゲート用膜2’を電極として作用するゲート
2とゲート配線部とに加工する。そして最後に、緩衝フ
ッ酸で絶縁層3を軽くエッチングしてゲート2を絶縁層
3からひさし状に張り出させ、これにより図4に示した
ような目標とする電子放出素子が完成する(g)。
【0041】(電子放出素子の第4実施例)図6は、本
発明に係る電子放出素子の第4実施例を示している。こ
の実施例では、ゲート2が円形状に形成され、エミッタ
1がそのゲート2のまわりに形成されている。このエミ
ッタ1は、ゲート2に対してほぼ平行に形成されてい
て、さらに4個の張出し部11dを90゜の角度間隔で
ゲート2を中心とする求心状に配列することによって形
成されている。各張出し部11dのゲート2に近い先端
位置にはそれぞれ2個の角10dが設けられている。こ
れらの角10dも、微視的に見て、3つの平面を互いに
接合した3面体、すなわち3次元突起として構成され、
その頂点は鋭く尖っている。ゲート2は、正方形その他
の多角形状とすることもできる。
【0042】(第4実施例の電子放出素子の製造方法)
図6に示す電子放出素子を製造するための製造方法の一
実施例を図7に模式的に示す。この製造方法では、ま
ず、ゲート配線を兼ねる導電性のSi基板4を準備し、
その基板4上に、後にゲート2(図6)となるゲート用
膜(Nb)2’を真空蒸着で厚さ0.2μmに成膜する
(a)。その後、円形状のゲート2を形成するための円
形のレジストパターン5を周知のパターン形成方法によ
って形成し(b)、SF6 を用いた反応性イオンエッチ
ングによってゲート用膜2’及び基板4をエッチングし
て円形のゲート2を形成する(c)。
【0043】次に、レジストパターン5を残したまま
で、絶縁層3としてSiOX を0.5μm蒸着し、さら
にエミッタ用膜1’としてNbを0.1μm、Moを
0.2μm順次蒸着する(d)。図(h)は図(d)の
上面図を示している。さらに、求心形状のエミッタ1
(図6)を加工するための十字形状のレジストパターン
6を形成し(e,i)、そしてSF6 を用いた反応性イ
オンエッチングによってエミッタ用膜1’のMo及びN
b並びに基板(Si)4をエッチングし、さらにレジス
トパターン6及びレジストパターン5を周知の除去方法
によって除去する(f)。なお、エミッタ用膜1’及び
基板4のエッチング時、ゲート(Nb)2はレジストパ
ターン5に保護されてエッチングされない。
【0044】レジストパターン6及びレジストパターン
5の除去後、フォトリソグラフィ及びSF6 を用いた反
応性イオンエッチングによりエミッタ用膜1’を電極と
してのエミッタ1とエミッタ配線部1aとに加工する。
そして最後に、エミッタ1の先端がゲート2へ向けて絶
縁層3から張り出すように緩衝フッ酸で絶縁層3を軽く
エッチングして目標とする電子放出素子が完成する
(g)。
【0045】(電子放出素子の第5実施例)図8は、本
発明に係る電子放出素子の第5実施例を示している。こ
の実施例では、ゲート2が円形状の開口部Eを有する形
状に形成され、エミッタ1がそのゲート2の下に形成さ
れている。このエミッタ1は、ゲート2に対してほぼ平
行に形成されていて、さらに4個の張出し部11eを9
0゜の角度間隔でゲート開口部Eを中心とする求心状に
配列することによって形成されている。各張出し部11
eのゲート開口部Eに近い先端位置にはそれぞれ2個の
角10eが設けられている。これらの角10eも、3つ
の平面を互いに接合した3面体、すなわち3次元突起と
して構成され、その頂点は鋭く尖っている。ゲート2の
開口部は正方形その他の多角形状とすることもできる。
【0046】(第4実施例の電子放出素子の製造方法)
図8に示す電子放出素子を製造するための製造方法の一
実施例を図9に模式的に示す。この製造方法では、ま
ず、絶縁性の石英によって形成された基板4を準備し、
その基板4上に、後にエミッタ1(図8)となるW膜、
すなわちエミッタ用膜1’をスパッタによって厚さ0.
2μmに成膜する(a)。その後、エミッタ1の求心形
状の元になる形、この実施例では十字形状のレジストパ
ターン6を形成し(b,h)、さらにSF6 を用いた反
応性イオンエッチングによってエミッタ用膜1’をエッ
チングして求心状のエミッタ張出し部11eの原形とな
る十字形状の放射状張出し部1’’を形成する(c,
i)。このとき、エミッタ配線部の加工も行う。次に、
レジストパターン6を除去した後、絶縁層3としてSi
X を厚さ0.5μm、さらにゲート用膜2’としてN
bを厚さ0.4μmで順次に蒸着する(d)。
【0047】次に、ゲート用膜2’、絶縁層3及び十字
形状のエミッタ概形1’’の上に円形の開口部を開ける
ための円形開口部を備えたレジストパターン5を形成し
(e,j)、さらにSF6 を用いた反応性イオンエッチ
ングによってゲート用膜2’、絶縁層SiOX 、エミッ
タ概形1’’及び石英基板4の全てをエッチングし、さ
らにレジストパターン5を除去する(f)。レジストパ
ターン5の除去後、フォトリソグラフィ及びSF6 を用
いた反応性エッチングによってゲート用膜2’を電極と
してのゲート2とゲート配線部とに加工し、そして最後
に、緩衝フッ酸によって絶縁層3及び石英基板4を軽く
エッチング、例えば1分〜20分、好ましくは5分間エ
ッチングして目標とする電子放出素子が完成する
(g)。
【0048】図1、図2、図4、図6、そして図8に示
した電子放出素子に関し、蛍光体を塗布した透明電極付
きガラス基板を対向させ、その状態でゲート2とエミッ
タ1との間に電界を印加したところ、エミッタ1からの
電子放出及び蛍光体の発光を確認した。
【0049】(電子放出素子の第6実施例)図10は、
本発明に係る電子放出素子の第6実施例を示している。
この実施例を矢印A方向から見た場合の外観形状は図1
に示す実施例と同じである。この実施例が図3(h)に
示す第1実施例と異なる点は、エミッタ1がエッチング
ストッパ層7及びエミッタ基体8の上に設けられること
である。エミッタ基体8の材質は特定のものに限定され
ないが、それをSi等の電気抵抗性の材料によって形成
して安定化抵抗の役割を持たせることができる。
【0050】(第6実施例の電子放出素子の製造方法)
図10に示す電子放出素子を製造するための製造方法の
一実施例を図12に模式的に示す。この製造方法では、
まず、導電性のSiによって基板4を形成する。この基
板4はエミッタ配線1aを兼ねている。この基板4上に
エッチングストッパ層7としてAlを0.05μm成膜
し、続いてエミッタ基体用膜8’としてSiを0.25
μm成膜し、そしてエミッタ用膜1’としてWを0.2
μm成膜する(a)。
【0051】次に、レジスト5をエミッタの概略形状に
パターニングし、SF6 による反応性イオンエッチング
でエミッタ概形1’’及びエミッタ基体概形8’’を加
工する。Alによって形成されたエッチングストッパ層
7はエッチングされないので、縦方向のエッチングはエ
ミッタ基体概形(Si)8’’までで停止する。横方向
に関しては、エミッタ用膜(W)1’のサイドエッチは
小さく、一方、エミッタ基体用膜(Si)8’のサイド
エッチは大きいので、エミッタ基体概形(Si)8’’
がエミッタ概形(W)1’’よりも大きく削られ、よっ
てエミッタ概形1’’がひさし状に飛び出した形にな
る。このひさしの長さはエッチング時間によって自由に
制御でき、よって設計通りの形状を容易に得ることがで
きる(b)。続いて、ウェットエッチングにより、エミ
ッタ概形1’’に対応する部分以外の部分のエッチング
ストッパ層(Al)7を除去しておく(c)。但し、エ
ッチングストッパ層は除去せず残したままでも良い。
【0052】次に、レジスト5を残したままで、絶縁層
3としてSiOX を0.4μm、ゲート用膜2’として
Nbを0.3μm、エッチングストッパ層としてAlを
0.05μm、その保護層としてMoを0.05μm、
それぞれ蒸着する(d)。その後、レジスト5を除去す
ることにより、エミッタ概形1’’上に付着した不要部
分を取り去る(e)。
【0053】続いて、十字形のレジスト6を形成し
(f,k)、SF6 による反応性イオンエッチングでエ
ミッタ概形1’’を十字形に加工して放射状のエミッタ
1を形成する(g)。このとき、ゲート用膜2’は内包
するエッチングストッパ層(Al)によって保護される
ので、エッチングされない。その後、レジスト6を除去
した後、電極として働くゲート2をパターニングし
(h)、最後に緩衝フッ酸で絶縁層3(SiOX )を軽
くエッチングして目標とする電子放出素子が完成する
(i)。
【0054】なお、ゲート2上のエッチングストッパ層
及び保護層の形成並びに十字パターニングを省略すれ
ば、ディスクエッジ形のフィールドエミッタとなる。
【0055】(第6実施例(図10)の電子放出素子の
別の製造方法)図12に示した製造方法の改良法とし
て、保護層を用いる場合について説明する。図12にお
ける各材料膜の形成工程(a)において、エミッタ用膜
(W)1’を蒸着した後に、その上に保護層としてMo
を0.2μm蒸着しておく。すると、図12(e)の工
程においてエミッタ概形1’’の上には図14(e)に
示すように保護層(Mo)14が残る。この保護層14
は、ゲート2のパターニング工程(図12(h))まで
保持され、この間、エミッタ概形1’’を外部の各種薬
品やゴミ等から保護する。そして、保護層14をリン硝
酸で除去した後、緩衝フッ酸で絶縁層3を軽くエッチン
グして目標形状の電子放出素子を得る(図12
(i))。このとき、図14(i)に示すように、保護
層14はエミッタ1の近傍から取り除かれている。
【0056】(電子放出素子の第7実施例及びその製造
方法)図12に示した製造方法の改良法として、機械的
強度向上層を用いた場合について説明する。図12にお
ける各材料膜の形成工程(a)においてエミッタ用膜
(W)1’を0.2μm蒸着する代わりに、図15
(a)に示すように、機械的強度向上第1層15として
Tiを0.1μm、エミッタ用膜1’としてWを0.1
μm、そして機械的強度向上第2層16としてTiを
0.2μm蒸着しておく。ここで、機械的強度向上第2
層16は、保護層14の役割も兼ねている。こうする
と、図12(e)の工程においてエミッタ概形1’’の
上下両側には図15(e)に示すように機械的強度向上
第1層15及び機械的強度向上第2層16が残る。
【0057】この積層構造はゲート2のパターニング工
程(図12(h))まで保持され、この間、機械的強度
向上第2層16はエミッタ概形1’’を外部の各種薬品
やゴミ等から保護する。そして、絶縁層3を緩衝フッ酸
で軽くエッチングするとき、機械的強度向上第1層5及
び第2層16も緩衝フッ酸でエッチングされて図15
(i)で示すようにサイドエッチされる。機械的強度向
上層はエミッタ概形1’’及びエミッタ1の上下片側だ
けに設けるようにしても良い。
【0058】(電子放出素子の第8実施例)図11は、
本発明に係る電子放出素子の第8実施例を示している。
この実施例を矢印B方向から見た場合の外観形状は図6
に示す実施例と同じである。この実施例が図7(g)に
示す実施例と異なる点は、ゲート2がエッチングストッ
パ層7及びゲート基体9の上に設けられることである。
【0059】(第8実施例の電子放出素子の製造方法)
図11に示す電子放出素子を製造するための製造方法の
一実施例を図13に模式的に示す。この製造方法では、
絶縁性の石英を用いて基板4を形成し、その基板4上に
ゲート配線2aとしてWを0.2μm成膜し、さらにパ
ターニングしておく。そして、その上にエッチングスト
ッパ層7としてAlを0.05μm成膜し、続いてゲー
ト基体用膜9’としてMoを0.3μm、さらにゲート
用膜2’としてNbを0.3μm成膜する(a)。
【0060】次に、希望するゲート形状にレジスト5を
パターニングし(b)、SF6 による反応性イオンエッ
チングでゲート2及びゲート基体9を加工する(c)。
エッチングストッパ層(Al)7はエッチングされない
ので、縦方向のエッチングはゲート基体(Mo)9まで
で停止する。ここで、リン硝酸のウェットエッチングに
よりゲート2に対応する部分以外の部分のエッチングス
トッパ層(Al)7を除去すると共にゲート基体9を細
くする(d)。
【0061】次に、レジスト5を残したままで、絶縁層
3としてSiOX を0.5μm、エミッタ用膜1’とし
てNbを0.2μm蒸着する(e)。続いて、十字形の
レジスト6を形成し(f,j)、SF6 による反応性イ
オンエッチングによってエミッタ用膜1’及び絶縁層3
を十字状に加工して、求心形状のエミッタ1及び絶縁層
3を形成する(g)。このとき、ゲート2はレジスト5
によって保護されていてエッチングされない。その後、
レジスト5を除去し(g)、さらにエミッタ層1にエミ
ッタ配線1aをパターニングし、最後に緩衝フッ酸で絶
縁層3を軽くエッチングして目標とする電子放出素子が
完成する(h)。
【0062】図18は、本発明に係る電子放出素子のさ
らに他の実施例を示している。この電子放出素子は図1
に示した電子放出素子とほぼ同じ構成を有しており、異
なる点はゲート2に設けた開口部Tについての4つの隅
部Kが丸みを帯びていることである。この丸みは、多く
の場合、開口部Tを形成する際に製造上の理由から必然
的に形成されるものであるが、このような隅部の丸みを
積極的に形成するようにしても一向に差し支えない。
【0063】以上に説明した実施例は製造方法や材料を
限定するものではなく、例えば図8に示す電子放出素子
を製造するための図9に示す製造方法、特にそのエミッ
タの加工工程において、エミッタ用膜の成膜後にそれを
フォトエッチングする代わりに、先に陰画のレジストパ
ターンを形成しておいて、エミッタ用膜の成膜後にその
レジストパターンをリフトオフしてもよい。また、例え
ばエミッタには、W、Mo以外に、Ta、Nb等の金
属、Si等の半導体又はTiN等の窒化物等が使用でき
る。エッチングストッパ層にはAl以外にCrも使用で
きる。また、基板4やエミッタ1は必ずしもエミッタ配
線を兼ねる必要はなく、絶縁基板上にエミッタ配線を施
した後にエミッタ電極層を形成してもよい。このこと
は、ゲート配線についても同様である。
【0064】
【発明の効果】本発明に係る電子放出素子によれば、エ
ミッタの形状が平面であるので、エッジ形電子放出素子
(図17)の特長である作製が容易であるという利点を
得ることができる。しかも、エミッタが複数の張出し部
を放射状又は求心状に並べた形状を有するので、電界が
張出し部の2個の角に集中し、それ故、良好な電気的特
性を持った電子放出素子が得られる。また、電子放出点
が張出し部の角に確定するので、従来のエッジ形電子放
出素子(図17)に比べて電子の放出に関して均一性及
び安定性を改善できる。さらに、電子を放出するエミッ
タが放射状又は求心状に形成されるので、電子放出点の
平面内での分布が特定点又は特定方向に偏ることなく均
一となる。
【0065】請求項4及び請求項5記載の電子放出素子
によれば、エミッタ又はゲートの下にエッチングストッ
パ層を埋め込んでおくことにより、次のような効果が得
られる。すなわち、エッチングストッパ層を設けない場
合には、基板の上に形成されるエミッタ又はゲートの高
さはエッチング量で決まるので、エッチング速度のバラ
ツキに起因して素子特性にバラツキが発生していた。こ
れに対し、エッチングストッパ層を下層に埋め込んだ状
態でエミッタまたゲートをエッチング加工すると、エミ
ッタ又はゲートの高さはエッチングストッパ層より上の
膜の厚さで決まり、エッチング速度のバラツキの影響を
受けない。これにより、エミッタ又はゲートの高さが均
一になり、素子特性が均一化する。
【0066】請求項14記載の電子放出素子によれば、
エミッタ基体を安定化抵抗とすることにより、各素子の
特性のバラツキを補正することができ、素子特性の均一
性がさらに向上する。特に、抵抗が各素子ごとに分離し
ているため、仮に1つの素子で短絡が起こったとして
も、その素子だけの破壊で済み、近隣に影響を及ぼすこ
とがない。
【0067】請求項15記載の電子放出素子又は請求項
20記載の電子放出素子の製造方法によれば、機械的強
度向上層や保護層を設けることにより、作製工程中や完
成後のエミッタの破損を確実に防止できる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子放出素子の第1実施例の要部
を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る電子放出素子の第2実施例の要部
を示す斜視図である。
【図3】図1及び図2に示す電子放出素子を製造するた
めの製造方法の一実施例を示す工程図である。
【図4】本発明に係る電子放出素子の第3実施例の要部
を示す斜視図である。
【図5】図4に示す電子放出素子を製造するための製造
方法の一実施例を示す工程図である。
【図6】本発明に係る電子放出素子の第4実施例の要部
を示す斜視図である。
【図7】図6に示す電子放出素子を製造するための製造
方法の一実施例を示す工程図である。
【図8】本発明に係る電子放出素子の第5実施例の要部
を示す斜視図である。
【図9】図8に示す電子放出素子を製造するための製造
方法の一実施例を示す工程図である。
【図10】本発明に係る電子放出素子の第6実施例の要
部を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る電子放出素子の第8実施例の要
部を示す斜視図である。
【図12】図10に示す電子放出素子を製造するための
製造方法の一実施例を示す工程図である。
【図13】図11に示す電子放出素子を製造するための
製造方法の一実施例を示す工程図である。
【図14】図12に示す電子放出素子の製造方法の改変
例の要部を示す工程図である。
【図15】本発明に係る電子放出素子の第7実施例の要
部及び図12に示す電子放出素子の製造方法の他の改変
例の要部を示す工程図である。
【図16】従来の電子放出素子、特にコーン形の電子放
出素子の一例の要部を破断して示す斜視図である。
【図17】従来の電子放出素子、特にエッジ形の電子放
出素子の一例の要部を破断して示す斜視図である。
【図18】本発明に係る電子放出素子のさらに他の実施
例の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 エミッタ 1’ エミッタ用膜(加工前) 1’’ エミッタ(加工途中) 2 ゲート 2’ ゲート用膜(加工前) 3 絶縁層 4 基板 5 レジストパターン(エミッタ概略形状及びゲー
ト加工用) 6 レジストパターン(エミッタ張出し部加工用) 7 エッチングストッパ層 8 エミッタ基体 8’ エミッタ基体用膜(加工前) 8’’ エミッタ基体(加工途中) 9 ゲート基体 9’ ゲート基体用膜(加工前) 10a〜10e エミッタ張出し部の角 11a〜11e エミッタの張出し部 14 保護層 15 機械的強度向上第1層 16 機械的強度向上第2層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 正剛 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 石崎 守 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (72)発明者 湊 孝夫 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (72)発明者 吉田 兼紀 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−99024(JP,A) 特開 平6−176686(JP,A) 特開 平4−206127(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/304 H01J 9/02

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されていて強電界の下で電
    子を放出するエミッタと、絶縁層を挟んでそのエミッタ
    の近傍に設けられていてそのエミッタに電界を印加する
    ゲートとを有する電子放出素子であって、 上記ゲートには上記エミッタに対応する位置に開口部が
    形成されており、上記エミッタは上からみて上記開口部
    の中に配置され、かつ、該エミッタは、上記ゲート開口
    部縁端に沿って2個の角を有する複数の張出し部を、上
    記ゲート開口部の中心から放射状に備えていることを特
    徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 基板上に形成されていて強電界の下で電
    子を放出するエミッタと、絶縁層を挟んでそのエミッタ
    の近傍に設けられていてそのエミッタに電界を印加する
    ゲートとを有する電子放出素子であって、 上記ゲートは概略円形または多角形状に形成されてお
    り、上記エミッタは上記ゲートを上からみて取り囲むよ
    うに形成され、かつ、上記ゲートの縁端に近接して2個
    の角を有しつつ上記ゲートの中心に向かって求心状に形
    成された複数個の張出し部を備えていることを特徴とす
    る電子放出素子。
  3. 【請求項3】 基板上に形成されていて強電界の下で電
    子を放出するエミッタと、そのエミッタの近傍に設けら
    れていてそのエミッタに電界を印加するゲートとを有す
    る電子放出素子であって、 上記ゲートは上記エミッタの上に絶縁層を挟んで積層さ
    れており、該ゲートには開口部が形成されており、そし
    て上記エミッタは該開口部縁端に沿って2個の角を有し
    つつ上記ゲートの中心に向かって求心状に形成された複
    数個の張出し部を備えていることを特徴とする電子放出
    素子。
  4. 【請求項4】 上記エミッタはエッチングストッパ層の
    上に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電子
    放出素子。
  5. 【請求項5】 上記ゲートはエッチングストッパ層の上
    に設けられることを特徴とする請求項2記載の電子放出
    素子。
  6. 【請求項6】 上記基板は導電性材料によって形成さ
    れ、上記エミッタの材質がその基板の材質と同一である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つ
    に記載の電子放出素子。
  7. 【請求項7】 上記基板は導電性材料によって形成さ
    れ、上記エミッタの材質がその基板の材質と異なること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記
    載の電子放出素子。
  8. 【請求項8】 上記基板は絶縁性材料によって形成さ
    れ、上記エミッタの材質がその基板の材質と異なること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記
    載の電子放出素子。
  9. 【請求項9】 上記エッチングストッパ層は金属によっ
    て形成されることを特徴とする請求項4記載の電子放出
    素子。
  10. 【請求項10】 上記エミッタが金属であることを特徴
    とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電
    子放出素子。
  11. 【請求項11】 上記エミッタが金属によって形成さ
    れ、上記基板が半導体によって形成されることを特徴と
    する請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電子
    放出素子。
  12. 【請求項12】 上記エミッタが高融点金属によって形
    成され、上記基板又はエミッタ基体よりも耐ドライエッ
    チング特性が大きいことを特徴とする請求項1から請求
    項3のいずれか1つに記載の電子放出素子。
  13. 【請求項13】 上記エミッタがW、Mo、Ta、Nb
    又はTiNによって形成され、上記基板がSiによって
    形成され、そして上記ゲートがNb又はMoによって形
    成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいず
    れか1つに記載の電子放出素子。
  14. 【請求項14】 上記エミッタと上記基板との間に設け
    るエミッタ基体が、電気抵抗性の物質によって形成され
    ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1
    つに記載の電子放出素子。
  15. 【請求項15】 上記エミッタの片側又は両側に機械的
    強度向上層を設けたことを特徴とする請求項1から請求
    項3のいずれか1つに記載の電子放出素子。
  16. 【請求項16】 請求項1又は請求項2記載の電子放出
    素子を製造するための製造方法であって、基板上にエミ
    ッタ又はゲートの概略形状を形成し、さらにその基板上
    に絶縁層及びゲート又はエミッタ用膜を形成し、その
    後、上記概略形状のエミッタを、2個の角を備えた複数
    個の張出し部を放射状又は求心状に並べた形状へと加工
    することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項3記載の電子放出素子を製造す
    るための製造方法であって、求心状に配列されるエミッ
    タの張出し部の原形となる放射状張出し部を基板上に形
    成し、さらにその基板及びその放射状張出し部の上に絶
    縁層及びゲート用膜を形成し、その後、ゲート用膜、絶
    縁層及びエミッタ用放射状張出し部の各層を貫通する穴
    を開けることにより、上記の開口部を有するゲート及び
    複数の求心状に配列されたエミッタ張出し部を形成する
    ことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項4記載の電子放出素子を製造す
    るための製造方法であって、基板上にエッチングストッ
    パ層を形成する工程と、そのエッチングストッパ層の上
    にエミッタ基体用膜及びエミッタ用膜を形成する工程
    と、そして、エミッタ基体用膜及びエミッタ用膜にエッ
    チングを施してエミッタ基体及びエミッタを形成する工
    程とを有することを特徴とする電子放出素子の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項5記載の電子放出素子を製造す
    るための製造方法であって、基板上にエッチングストッ
    パ層を形成する工程と、そのエッチングストッパ層の上
    にゲート基体用膜及びゲート用膜を形成する工程と、そ
    して、ゲート基体用膜及びゲート用膜にエッチングを施
    してゲート基体及びゲートを形成する工程とを有するこ
    とを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項1記載の電子放出素子を製造す
    るための製造方法であって、基板上にエミッタ用膜を形
    成する工程と、エミッタ用膜上に保護膜を形成する工程
    と、ゲート及びエミッタを所定形状に形成する工程と、
    所定形状のゲート及びエミッタを形成した後に上記保護
    層を除去する工程とを特徴とする電子放出素子の製造方
    法。
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