JP3511233B2 - シリコンレンズ - Google Patents

シリコンレンズ

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JP3511233B2
JP3511233B2 JP27995199A JP27995199A JP3511233B2 JP 3511233 B2 JP3511233 B2 JP 3511233B2 JP 27995199 A JP27995199 A JP 27995199A JP 27995199 A JP27995199 A JP 27995199A JP 3511233 B2 JP3511233 B2 JP 3511233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコンレンズに関
するものであり、特に、微小冷陰極(エミッタ)やその
他の陰極をマイクロ電子銃として用いた微小電子光学系
を構成する静電レンズを小型化するための組合せ構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体プロセスによって作製した微小冷
陰極を電子源として用いるマイクロ電子銃において、エ
ミッタから放出された電子を加減速したり、或いは、電
子の切り出しを行う小型のアパーチャ形状の電極や、小
型電子ビーム光学系を構成するレンズ電極は、半導体プ
ロセスやマイクロマシニングプロセスを用いて作製され
ている。
【0003】半導体の微細加工技術を用いてこれらの電
極部品を作製した場合には、電極の厚さは高々数十μm
とすることしかできず、単体備品として扱うことが困難
になる。一方、機械加工技術を用いた場合には、大きく
なりすぎて1mm以下の厚さを電極を加工、組み立てる
ことが困難である。
【0004】これらの問題を解決することのできる手段
の一つとして、シリコンの結晶方位を利用した異方性ウ
ェット・エッチング或いは異方性ドライ・エッチングを
利用してシリコン電極を作製する方法が提案されている
ので、図18参照して説明する。
【0005】図18(a)乃至図(c)参照 図18(a)はシリコン電極の上面図であり、図18
(b)は図18(a)のA−A′を結ぶ一点鎖線に沿っ
た断面図であり、また、図18(c)は下面図である。
まず、シリコン基板の一方の面に異方性ドライ・エッチ
ングを施すことによって中央に微小な円形開口部を形成
したのち、反対側の面から結晶方位を利用したウェット
・エッチングを施すことによって、{111}面が側面
となる四角形開口部112を円形開口部の底面に達する
まで形成して、円形開口部を円形貫通開口部111とす
ることによって第1のシリコン電極110が形成され
る。
【0006】この場合、第1のシリコン電極110の周
辺部はシリコン基板の厚さをそのまま使用した厚膜部1
14となっているが、円形貫通開口部111の周辺は非
常に薄い薄膜部113からなるダイヤフラム形状となっ
ており、この様に作製した二個のシリコン電極を組み合
わせてシリコンレンズを構成することになるので、この
シリコンレンズの一例を図19を参照して説明する。
【0007】図19(a)乃至図(c)参照 図19(a)はシリコン電極の上面図であり、図19
(b)は図19(a)のA−A′を結ぶ一点鎖線に沿っ
た断面図であり、また、図19(c)は下面図である。
図に示すように、二個のシリコン電極、即ち、第1のシ
リコン電極110と第2のシリコン電極120をガラス
130を用いて接合させることによって二段構造のシリ
コンレンズを構成するものであり、このシリコンレンズ
を構成する第1のシリコン電極110及び第2のシリコ
ン電極120に各々所定の電圧を印加して等電位線を形
状の制御することによって、電子等の荷電粒子ビームの
偏向制御を行うことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子銃
や光学系の寸法が小さい程、レンズを構成する各電極の
相対的な位置精度が要求され、電子が通過する軌道に対
する軸合わせがより重要となるが、個々に完成したシリ
コン電極を何らかの位置合わせ装置を用いて軸合わせを
行うには装置が高価になりすぎたり、精度が不十分とな
ったりするという問題がある。
【0009】また、光ファイバとシリコンのV字溝を用
いて位置合わせを行う方法も提案されているが、光ファ
イバの加工精度が要求されたり、その組み立て方法が面
倒であったり、さらには、各電極どうしを近づけること
が難しく、寸法上の制約もあるという問題がある。
【0010】また、図19に示すように、シリコンの結
晶方位を利用して作製したダイアフラム形状をもつシリ
コン電極を重ねた場合には、電子ビームに収差を発生さ
せるなど悪影響を与えるという問題がある。これは、シ
リコン電極の片面に形成された異方性ウェット・エッチ
ングによる四角形開口部112,122が電子軌道に対
して不均一な電界を形成してしまうためである。
【0011】したがって、本発明は、シリコン電極の位
置合わせ精度を向上するとともに、シリコンレンズの電
子ビームの収差を低減することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図1
(a)はシリコンレンズの断面図であり、図1(b)は
図1(a)における破線の円内を拡大した拡大図であ
る。 図1(a)及び(b)参照 (1)本発明は、結晶方位を利用した四角形開口により
薄膜部3,7とその周辺の厚膜部とからなるダイヤフラ
ム構造の薄膜部3,7に円形貫通開口2,6を設けたシ
リコン電極1,5を複数個組み合わせて構成するシリコ
ンレンズにおいて、少なくとも1対のシリコン電極1,
5が、互いの{111}面を絶縁膜9を介して接触して
いることを特徴とする。
【0013】この様に、互いの{111}面を利用して
入れ子状に嵌合することによって、自動的に位置合わせ
することができるので、位置合わせ精度を大幅に向上す
ることができ、且つ、位置合わせ工程を簡素化すること
ができる。なお、{111}面は、(111)面以外
に、(1−11)面、(11−1)面等の(111)面
と結晶学的に等価な面を意味し、さらに、明細書作成上
の都合により本来“1バー”で表示される指数を“−
1”で表記している。
【0014】また、少なくとも1対のシリコン電極1,
5を入れ子状に組み込むことによって、シリコン電極
1,5間の距離をシリコン電極1,5の厚さ以上に近づ
けることができ、それによって、四角形開口による電子
ビーム軌道上での電界の不均一性を緩和することができ
る。
【0015】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、シリコン電極1,5が3個以上からなり、四角形開
口を利用して、相対的に大きな四角形開口を有するシリ
コン電極1に対して、相対的に小さな四角形開口を有す
るシリコン電極5を、四角形開口の大きさが内側から外
側に向かって上下に交互に大きくなるように入れ子状に
組み合わせるとともに、内部に入れ子を組み込んだ相対
的に大きな四角形開口を有するシリコン電極1の周囲に
形成された厚膜部4に少なくとも一つの切り欠き部を設
けたことを特徴とする。
【0016】この様に、四角形開口の大きさが内側から
外側に向かって上下に交互に順次大きくなるように入れ
子状に組み合わせることによって、3枚以上の構成のレ
ンズを簡単に構成することができ、各シリコン電極1,
5に印加する電圧の制御条件を緩和することができる。
なお、この場合には、内側のシリコン電極5に電圧を印
加するために、内部に入れ子を組み込んだ相対的に大き
な四角形開口を有するシリコン電極1の周囲に形成され
た厚膜部4に少なくとも一つの切り欠き部を設ける必要
がある。
【0017】(3)また、本発明は、上記(1)におい
て、シリコン電極1,5が3個以上からなり、四角形開
口を利用して、相対的に大きな四角形開口を有するシリ
コン電極1に対して、相対的に小さな四角形開口を有す
るシリコン電極5を、四角形開口の大きさの順に順次配
列するように入れ子状に組み合わせることを特徴とす
る。
【0018】この様に、相対的に小さな四角形開口を有
するシリコン電極5を、四角形開口の大きさの順に順次
配列するように入れ子状に組み合わせることによって、
3枚以上の構成のレンズを小型に構成することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】ここで、図2乃至図8を参照し
て、2枚のシリコン電極を組み合わせてシリコンレンズ
を構成する本発明の第1の実施の形態の製造工程を説明
するが、まず、図2及び図3を参照して第1のシリコン
電極の製造工程を説明する。なお、各図は、シリコンウ
ェハを四角形のチップ状にした場合の製造工程を示す概
略的断面図である。 図2(a)参照 まず、主面が(100)面で、例えば、厚さが500μ
mのシリコンウェハ11を酸化性雰囲気中で熱処理する
ことによって、シリコンウェハ11の全表面に厚さが、
例えば、500nmの熱酸化膜12を形成したのち、フ
ォトリソグラフィー工程によって中央部に円形開口14
を有するレジストパターン13を形成する。
【0020】図2(b)参照 次いで、レジストパターン13をマスクとして反応性イ
オンエッチング(RIE)によって異方性エッチングす
ることによって熱酸化膜12、即ち、SiO2膜をエッ
チングして、円形開口15を形成する。
【0021】図2(c)参照 次いで、レジストパターン13を除去したのち、円形開
口15を設けた熱酸化膜12をマスクとして、再び、R
IEによって異方性エッチングすることによって、深さ
20〜30μmの円形開口部16を形成する。
【0022】図2(d)参照 次いで、再び、熱酸化することによって、円形開口部1
6を覆い尽くすように熱酸化膜17を形成する。
【0023】図3(e)参照 次いで、円形開口部16を形成した面と反対側の面に、
フォトリソグラフィー工程によって中央部に四角形開口
19を有するレジストパターン18を形成する。なお、
この四角形開口19は、表面に形成した円形開口部16
と相対的な位置合わせができるように、両面マスクアラ
イナを用いて形成する。
【0024】図3(f)参照 次いで、レジストパターン18をマスクとして、RIE
によって異方性エッチングすることによって熱酸化膜1
7をエッチングして、四角形開口20を形成する。
【0025】図3(g)参照 次いで、レジストパターン18を除去したのち、四角形
開口20を設けた熱酸化膜17をマスクとして、エチレ
ンジアミン及びカテコールの混合溶液であるEPWを用
いて異方性エッチングを施し、円形開口部16に達した
時点でエッチングを停止することによって、四角形開口
部21及び円形貫通開口部22を形成する。
【0026】この場合、EPWは、シリコンの{11
1}面に対するエッチングレートが、{100}面に対
するエッチングレートより著しく小さく、{111}面
を残してエッチングが進行するので、四角形開口部21
の全ての側面は(111)面と結晶学的に等価な{11
1}面で構成されることになる。
【0027】図3(h)参照 次いで、表面に形成されている熱酸化膜17、即ち、S
iO2 膜をフッ酸(HF)を用いて除去することによっ
て第1のシリコン電極が完成する。
【0028】図4(a)乃至(c)参照 図4は、上記の様にして作製した第1のシリコン電極の
構造の説明図であり、図4(a)は上面図、図4(b)
は、図4(a)のA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面
図であり、また、図4(c)は下面図である。図に示す
ように、第1のシリコン電極10は、中央に電子ビーム
を通過させる円形貫通開口部22を有しており、下面側
の中央寄りの領域には{111}面で囲まれた四角形開
口部21により形成された薄膜部23によってダイアフ
ラム形状となっており、その周辺にはダイアフラム部を
支持する膜厚部24が設けられた構造になっている。
【0029】なお、図2及び図3に示した製造方法は、
チップ状のシリコンウェハ11を用い、このチップ状の
シリコンウェハ11に一個のシリコン電極を形成する場
合の工程であるが、通常は、大きなシリコンウェハに複
数のシリコン電極を一括して形成するので、この様な通
常の製造工程、即ち、第1のシリコン電極の他の製造工
程を図5を参照して説明する。なお、図5(a)は、図
4(c)に対応する下面図であり、図5(b)は図5
(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図
である。
【0030】図5(a)及び(b)参照 図2(d)の工程までは実質的に同様にしてシリコンウ
ェハ11の表面及び裏面を覆う熱酸化膜(図示を省略)
を形成したのち、円形開口部(図示せず)を中心とする
正方形の枠状のレジストパターン18を円形開口部を設
けた面と反対側の面、即ち、下面側に設け、この枠状の
レジストパターン18をマスクとして、RIEによって
異方性エッチングすることによって熱酸化膜をエッチン
グして、四角形開口(図示せず)を形成する。
【0031】次いで、レジストパターン18を除去した
のち、四角形開口を設けた熱酸化膜をマスクとしてEP
Wを用いて異方性エッチングを施し、円形開口部に達し
た時点でエッチングを停止することによって、四角形開
口部21及び円形貫通開口部22を形成する。なお、図
においては、図示を簡略化するため、便宜上、レジスト
パターン18が残存した状態で四角形開口部21及び円
形貫通開口部22が形成されているように図示してい
る。
【0032】この場合、枠状のレジストパターン18の
外側にも{111}面からなる傾斜側壁が形成される
が、図において破線で示すダイシングラインに沿って切
り出すことによって、図4に示したシリコン電極と同じ
形状のシリコン電極が得られることになる。
【0033】次に、図6を参照して、本発明の第1の実
施の形態の第2のシリコン電極の製造工程を説明する。
なお、この場合には、図5と同様に、大きなシリコンウ
ェハに複数のシリコン電極を形成する場合の製造工程で
あり、図においては、一個分を図示する。 図6(a)参照 まず、主面が(100)面で、例えば、厚さが300μ
mのシリコンウェハ31を酸化性雰囲気中で熱処理する
ことによって、シリコンウェハ31の全表面に厚さが、
例えば、500nmの熱酸化膜(図示せず)を形成した
のち、フォトリソグラフィー工程によって中央部に円形
開口33を有するレジストパターン32を形成する。
【0034】図6(b)参照 次いで、レジストパターン32をマスクとしてRIEに
よって異方性エッチングすることによって熱酸化膜をエ
ッチングして、円形開口(図示せず)を形成したのち、
レジストパターン32を除去し、次いで、円形開口を設
けた熱酸化膜をマスクとして、再び、RIEによって異
方性エッチングすることによって、深さ20〜30μm
の円形開口部34を形成する。なお、この場合も、便宜
上、レジストパターン32が残存した状態で円形開口部
34が形成されるように図示している。
【0035】図6(c)参照 次いで、再び、熱酸化することによって、円形開口部3
4を覆い尽くすように熱酸化膜(図示せず)を形成した
のち、円形開口部34を形成した面と反対側の面に、フ
ォトリソグラフィー工程によって中央部の四角形開口3
6を有するレジストパターン35を形成する。なお、こ
の四角形開口36は、表面に形成した円形開口部34と
相対的な位置合わせができるように、両面マスクアライ
ナを用いて形成する。
【0036】図6(d)参照 次いで、レジストパターン35をマスクとして、RIE
によって異方性エッチングすることによって熱酸化膜を
エッチングして、四角形開口(図示せず)を形成したの
ち、レジストパターン35を除去し、次いで、四角形開
口を設けた熱酸化膜をマスクとして、EPWを用いて異
方性エッチングを施し、円形開口部34に達した時点で
エッチングを停止することによって、四角形開口部37
及び円形貫通開口部38を形成する。なお、この場合
も、図示を簡略化するため、便宜上、レジストパターン
35が残存した状態で四角形開口部37及び円形貫通開
口部38が形成されているように図示している。また、
四角形開口部37の全ての側面は(111)面と結晶学
的に等価な{111}面で構成されることになる。
【0037】 図6(e)参照次いで、表面に形成されている熱酸化膜
をフッ酸(HF)を用いて除去したのち、図6(d)に
おいて破線で示したダイシングラインに沿って切り出す
ことによって、中央に薄膜部39を備え、且つ、周辺に
厚膜部40を備えた第2のシリコン電極30が完成す
る。
【0038】図7(a)乃至(c)参照 図7は、上記の様にして作製した第2のシリコン電極の
構造の説明図であり、図7(a)は上面図、図7(b)
は、図7(a)のA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面
図であり、また、図7(c)は下面図であり、第1のシ
リコン電極10と上下面が逆になっている。図に示すよ
うに、第2のシリコン電極30は、中央に電子ビームを
通過させる円形貫通開口部38を有しており、上面側の
中央寄りの領域には{111}面で囲まれた四角形開口
部37により形成された薄膜部39によってダイアフラ
ム形状となっており、その周辺には内側壁及び外側壁が
{111}面で構成されたダイアフラム部を支持する膜
厚部40が設けられた構造になっている。
【0039】次に、図8を参照して、本発明の第1の実
施の形態における第1のシリコン電極と第2のシリコン
電極の接合方法を説明する。 図8(a)参照 まず、第1のシリコン電極10を熱酸化することによっ
て、表面に、例えば、厚さが500nmの熱酸化膜25
を形成する。
【0040】図8(b)参照 次いで、レジストパターン(図示せず)をマスクとして
フッ酸を用いて熱酸化膜25をエッチングすることによ
って開口部26を形成したのち、第1のシリコン電極1
0の四角形開口部21と第2のシリコン電極30の四角
形開口部37とが互いに対向するように入れ子状に組み
合わせる。この場合、第1のシリコン電極10の四角形
開口部21を構成する{111}面と、第2のシリコン
電極30の厚膜部の外側壁を構成する{111}面とが
互いに接触し合うので、自己整合的に位置合わせが行わ
れ、特別な位置合わせ装置等は不要になる。
【0041】次いで、第2のシリコン電極30側が正
に、熱酸化膜25側、即ち、第1のシリコン電極10側
が負になるように直流電源27に接続し、第1のシリコ
ン電極10及び第2のシリコン電極30をヒーター28
によって、例えば、300℃に加熱した状態で、直流電
源27によって、例えば、400Vの電圧を印加するこ
とによって陽極接合する。
【0042】図8(c)参照 次いで、フッ酸を用いて熱酸化膜25の露出部を除去す
ることによって、2つのシリコン電極を組み合わせたア
インツェル型のシリコンレンズが完成する。なお、この
場合、第1のシリコン電極10と第2のシリコン電極3
0とは残存する熱酸化膜25によって電気的に分離され
ており、任意の電圧を印加することができる。
【0043】この本発明の第1の実施の形態において
は、2つのシリコン電極を互いの膜厚部の側壁を構成す
る{111}面を利用して組み合わせているので、自己
整合的に位置合わせを行うことができ、中央部に設けた
円形貫通開口部22,38の位置合わせを精度良く行う
ことができる。
【0044】また、組み合わせる際に、互いの四角形開
口部21,37が対向するように入れ子状に組み合わせ
ているので、シリコン電極間の距離をシリコン電極の厚
さ以上に接近させることができ、それによって、四角形
開口部21,37に起因する電界の不均一性を緩和する
ことができるので、電子ビーム軌道に対して必要な軸対
称の均一な電界分布を形成することが可能になる。
【0045】次に、図9乃至図12を参照して、3つの
シリコン電極によってシリコンレンズを構成した本発明
の第2の実施の形態を説明するが、図においては、レジ
ストパターンの形状を強調するために、シリコンウェハ
をエッチングする際にマスクとなるSiO2 膜の図示は
省略し、シリコンウェハをエッチングする際にも、便宜
上、レジストパターンが残存した状態で示している。ま
ず、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態に用い
る中型シリコン電極の製造工程を説明する。なお、図9
(a)は断面図であり、また、図9(b)は下面図であ
り、図9(c)は図9(a)においてA−A′を結ぶ一
点鎖線に沿った断面図である。
【0046】図9(a)参照 まず、主面が(100)面で、例えば、厚さが500μ
mのシリコンウェハ51を酸化性雰囲気中で熱処理する
ことによって、シリコンウェハ51の全表面に厚さが、
例えば、500nmの熱酸化膜(図示せず)を形成した
のち、フォトリソグラフィー工程によって中央部に円形
開口53を有する正方形状のレジストパターン52を形
成する。
【0047】次いで、レジストパターン52をマスクと
してRIEによって異方性エッチングすることによって
熱酸化膜をエッチングして、円形開口(図示せず)を形
成したのち、レジストパターン52を除去し、次いで、
円形開口を設けた熱酸化膜をマスクとして、再び、RI
Eによって異方性エッチングすることによって、深さ2
0〜30μmの円形開口部54を形成する。なお、この
際、周辺部にも円形開口部54と同じ深さの段差部55
が形成される。
【0048】図9(b)及び(c)参照 次いで、再び、熱酸化することによって、円形開口部5
4及び段差部55を覆い尽くすように熱酸化膜(図示せ
ず)を形成したのち、円形開口部54を形成した面と反
対側の面に、フォトリソグラフィー工程によって中央部
に四角形開口を有するとともに、一辺の中央部が開放さ
れた形状のレジストパターン56を形成する。
【0049】次いで、レジストパターン56をマスクと
して、RIEによって異方性エッチングすることによっ
て熱酸化膜をエッチングして、一部が開放された四角形
開口(図示せず)を形成したのち、レジストパターン5
6を除去し、次いで、一部が開放された四角形開口を設
けた熱酸化膜をマスクとして、EPWを用いて異方性エ
ッチングを施し、円形開口部54及び周辺の段差部55
に達した時点でエッチングを停止することによって、四
角形開口部57、円形貫通開口部58、及び、切り欠き
部59を形成する。
【0050】次いで、表面に形成されている熱酸化膜を
フッ酸(HF)を用いて除去することによって中型シリ
コン電極50が完成する。また、この場合も、厚膜部の
内外の側壁は{111}面で構成されることになる。
【0051】次に、図10を参照して、本発明の第2の
実施の形態に用いる小型シリコン電極の製造工程を説明
する。なお、図10(a)は上面図であり、図10
(b)は図10(a)においてA−A′を結ぶ一点鎖線
に沿った断面図であり、また、図10(c)は下面図で
あり、図10(d)は図10(c)においてB−B′を
結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0052】図10(a)及び(b)参照 まず、主面が(100)面で、例えば、厚さが300μ
mのシリコンウェハ61を酸化性雰囲気中で熱処理する
ことによって、シリコンウェハ61の全表面に厚さが、
例えば、500nmの熱酸化膜(図示せず)を形成した
のち、フォトリソグラフィー工程によって中央部に円形
開口63を有する正方形パターンと突出パターンとから
なるレジストパターン62を形成する。
【0053】次いで、レジストパターン62をマスクと
してRIEによって異方性エッチングすることによって
熱酸化膜をエッチングして、円形開口(図示せず)を形
成したのち、レジストパターン62を除去し、次いで、
円形開口を設けた熱酸化膜をマスクとして、再び、RI
Eによって異方性エッチングすることによって、深さ2
0〜30μmの円形開口部64を形成する。なお、この
際、周辺部にも円形開口部64と同じ深さの段差部が形
成される。
【0054】図10(c)及び(d)参照 次いで、再び、熱酸化することによって、円形開口部6
4及び段差部を覆い尽くすように熱酸化膜(図示せず)
を形成したのち、円形開口部64を形成した面と反対側
の面に、フォトリソグラフィー工程によって中央部に四
角形開口を有するとともに、レジストパターン62の突
出部に対応する突出部を有する形状のレジストパターン
65を形成する。
【0055】次いで、レジストパターン65をマスクと
して、RIEによって異方性エッチングすることによっ
て熱酸化膜をエッチングして、四角形開口(図示せず)
を形成したのち、レジストパターン65を除去し、次い
で、四角形開口を設けた熱酸化膜をマスクとして、EP
Wを用いて異方性エッチングを施し、円形開口部64及
び周辺の段差部に達した時点でエッチングを停止するこ
とによって、四角形開口部66、円形貫通開口部67、
及び、突出部68を形成する。
【0056】次いで、表面に形成されている熱酸化膜を
フッ酸(HF)を用いて除去することによって小型シリ
コン電極60が完成する。また、この場合も、厚膜部及
び突出部68の内外の側壁は{111}面で構成される
ことになり、また、厚膜の突出部68は小型シリコン電
極60の電極引出し部となる。
【0057】次に、図11を参照して、本発明の第2の
実施の形態に用いる大型シリコン電極の製造工程を説明
するが、大きさは若干異なるものの、製造工程は図9に
示した中型シリコン電極と実質的に同一である。なお、
図11(a)は上面図であり、また、図11(b)及び
図11(c)は、夫々図11(a)におけるA−A′及
びB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
【0058】図11(a)乃至(c)参照 まず、図9(a)の場合と同様に、主面が(100)面
で、例えば、厚さが500μmのシリコンウェハ71を
酸化性雰囲気中で熱処理することによって、シリコンウ
ェハ71の全表面に厚さが、例えば、500nmの熱酸
化膜(図示せず)を形成したのち、フォトリソグラフィ
ー工程によって中央部に円形開口を有する正方形状のレ
ジストパターン(図示せず)を形成し、次いで、このレ
ジストパターンをマスクとしてRIEによって異方性エ
ッチングすることによって熱酸化膜をエッチングして、
円形開口(図示せず)を形成したのち、レジストパター
ンを除去し、次いで、円形開口を設けた熱酸化膜をマス
クとして、再び、RIEによって異方性エッチングする
ことによって、深さ20〜30μmの円形開口部(図示
せず)を形成する。なお、この際、周辺部にも円形開口
部と同じ深さの段差部が形成される。
【0059】次いで、再び、熱酸化することによって、
円形開口部及び段差部を覆い尽くすように熱酸化膜(図
示せず)を形成したのち、円形開口部を形成した面と反
対側の面、即ち、上面側に、フォトリソグラフィー工程
によって中央部に四角形開口を有するとともに、一辺の
中央部が開放された形状のレジストパターン72を形成
する。
【0060】次いで、レジストパターン72をマスクと
して、RIEによって異方性エッチングすることによっ
て熱酸化膜をエッチングして、一部が開放された四角形
開口(図示せず)を形成したのち、レジストパターン7
2を除去し、次いで、一部が開放された四角形開口を設
けた熱酸化膜をマスクとして、EPWを用いて異方性エ
ッチングを施し、円形開口部及び周辺の段差部に達した
時点でエッチングを停止することによって、四角形開口
部73、円形貫通開口部74、及び、切り欠き部75を
形成する。
【0061】次いで、表面に形成されている熱酸化膜を
フッ酸(HF)を用いて除去することによって大型シリ
コン電極70が完成する。また、この場合も、厚膜部の
内外の側壁は{111}面で構成されることになる。
【0062】次に、図8に示した陽極接合方法を二度行
うことによって、図12に示した構造のシリコンレンズ
を作製する。なお、図12(a)は上面図であり、ま
た、図12(b)及び図12(c)は、夫々図12
(a)におけるA−A′及びB−B′を結ぶ一点鎖線に
沿った断面図である。 図12(a)乃至(c)参照 即ち、図8に示した場合と同様に、まず、中型シリコン
電極50を熱酸化することによって、表面に、例えば、
厚さが500nmの熱酸化膜(図示せず)を形成したの
ち、レジストパターン(図示せず)をマスクとしてフッ
酸を用いて熱酸化膜をエッチングすることによって開口
部を形成する。
【0063】次いで、中型シリコン電極50の四角形開
口部57と小型シリコン電極60の四角形開口部66と
が互いに対向し、且つ、中型シリコン電極50に設けた
切り欠き部59と小型シリコン電極60に設けた突出部
68とが対応するように入れ子状に組み合わせる。この
場合、中型シリコン電極50の四角形開口部57を構成
する{111}面と、小型シリコン電極60の厚膜部の
外側壁を構成する{111}面とが互いに接触し合って
自己整合的に位置合わせが行われるため、特別な位置合
わせ装置等は不要になる。
【0064】次いで、小型シリコン電極60及び中型シ
リコン電極50をヒーターによって、例えば、300℃
に加熱した状態で、小型シリコン電極60側が正に、中
型シリコン電極50側が負になるように直流電源によっ
て、例えば、400Vの電圧を印加することによって陽
極接合する。
【0065】次いで、小型シリコン電極60を入れ子状
に組み込んだ中型シリコン電極50の四角形開口部57
と大型シリコン電極70の四角形開口部73とが互いに
対向し、且つ、大型シリコン電極70に設けた切り欠き
部75と小型シリコン電極60に設けた突出部68とが
対応するように入れ子状に組み合わせる。この場合、中
型シリコン電極50の厚膜部の外側壁を構成する{11
1}面と、大型シリコン電極70の四角形開口部73を
構成する{111}面とが互いに接触し合って自己整合
的に位置合わせが行われるため、特別な位置合わせ装置
等は不要になる。
【0066】次いで、大型シリコン電極70及び中型シ
リコン電極50をヒーターによって、例えば、350℃
に加熱した状態で、大型シリコン電極60側が正に、中
型シリコン電極50側が負になるように直流電源によっ
て、例えば、400Vの電圧を印加することによって陽
極接合する。
【0067】次いで、フッ酸を用いて熱酸化膜の露出部
を除去することによって、3つのシリコン電極を組み合
わせたアインツェル型のシリコンレンズが完成する。な
お、この場合も、中型シリコン電極50と小型シリコン
電極60との間、及び、中型シリコン電極50と大型シ
リコン電極70との間は残存する熱酸化膜(図示を省
略)によって電気的に分離されているので、各シリコン
電極に任意の電圧を印加することができる。
【0068】この本発明の第2の実施の形態において
も、3つのシリコン電極を互いの膜厚部の側壁を構成す
る{111}面を利用して組み合わせているので、自己
整合的に位置合わせを行うことができ、中央部に設けた
円形貫通開口部58,67,74の位置合わせを精度良
く行うことができる。
【0069】また、組み合わせる際に、互いの四角形開
口部が対向するように四角形開口部の大きさが内側から
外側に向かって上下に交互に大きくなるように入れ子状
に組み合わせているので、シリコン電極間の距離をシリ
コン電極の厚さ以上に接近させることができ、それによ
って、四角形開口部57,66,73に起因する電界の
不均一性を緩和することができるので、電子ビーム軌道
に対して必要な軸対称の均一な電界分布を形成すること
が可能になる。また、電極間の距離が比較的広いので、
印加する電圧の制限が緩和されることになる。
【0070】次に、図13乃至図16を参照して、本発
明の第3の実施の形態の説明するが、小型シリコン電極
及び大型シリコン電極の製造工程は、突出部及び切り欠
き部を設けないだけで、実質的な工程は上記の第2の実
施の形態と同様であるので、小型シリコン電極及び大型
シリコン電極の製造工程の説明は省略する。まず、図1
3を参照して、本発明の第3の実施の形態のシリコンレ
ンズの全体構成を説明する。なお、図13(a)は上面
図であり、図13(b)は図13(a)におけるA−
A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、また、図1
3(c)は図13(b)における破線の円内の拡大図で
ある。
【0071】図13(a)及び(b)参照 図8に示した場合と同様に、まず、中型シリコン電極8
4を熱酸化することによって、表面に、例えば、厚さが
500nmの熱酸化膜(図示せず)を形成したのち、レ
ジストパターン(図示せず)をマスクとしてフッ酸を用
いて熱酸化膜をエッチングすることによって開口部を形
成する。
【0072】次いで、中型シリコン電極84の四角形開
口部86と小型シリコン電極81の四角形開口部83と
が互いに対向するように入れ子状に組み合わせる。この
場合、中型シリコン電極84の四角形開口部86を構成
する{111}面と、小型シリコン電極81の厚膜部の
外側壁を構成する{111}面とが互いに接触し合って
自己整合的に位置合わせが行われるため、特別な位置合
わせ装置等は不要になる。
【0073】次いで、小型シリコン電極81及び中型シ
リコン電極84をヒーターによって、例えば、300℃
に加熱した状態で、小型シリコン電極81側が正に、中
型シリコン電極84側が負になるように直流電源によっ
て、例えば、400Vの電圧を印加することによって陽
極接合する。
【0074】次いで、小型シリコン電極81を入れ子状
に組み込んだ中型シリコン電極84の円形貫通開口部8
5と大型シリコン電極87の四角形開口部89とが対向
するように入れ子状に組み合わせる。この場合、中型シ
リコン電極84の厚膜部の外側壁を構成する{111}
面と、大型シリコン電極87の四角形開口部89を構成
する{111}面とが互いに接触し合って自己整合的に
位置合わせが行われるため、特別の位置合わせ装置等は
不要になる。
【0075】次いで、大型シリコン電極87及び中型シ
リコン電極84をヒーターによって、例えば、350℃
に加熱した状態で、大型シリコン電極87側が正に、中
型シリコン電極84側が負になるように直流電源によっ
て、例えば、400Vの電圧を印加することによって陽
極接合する。次いで、フッ酸を用いて熱酸化膜の露出部
を除去することによって、3つのシリコン電極を組み合
わせたアインツェル型のシリコンレンズが完成する。
【0076】図13(c)参照 この場合も、中型シリコン電極84と小型シリコン電極
81との間、及び、中型シリコン電極84と大型シリコ
ン電極87との間は残存する熱酸化膜90,91によっ
て電気的に分離されているので、各シリコン電極に任意
の電圧を印加することができる。
【0077】この第3の実施の形態においては、中型シ
リコン電極84の厚膜部の外側壁の形状が第2の実施の
形態と異なるので、図14乃至図16を参照して、第3
の実施の形態における中型シリコン電極の製造工程及び
構造を説明するが、まず、図14及び図15を参照して
中型シリコン電極の製造工程を説明する。なお、各図
は、シリコンウェハを四角形のチップ状にした場合の製
造工程を示す概略的断面図である。 図14(a)参照 まず、主面が(100)面で、例えば、厚さが500μ
mのシリコンウェハ92を酸化性雰囲気中で熱処理する
ことによって、シリコンウェハ92の全表面に厚さが、
例えば、500nmの熱酸化膜93を形成したのち、フ
ォトリソグラフィー工程によって中央部に円形開口95
を有するレジストパターン94を形成すし、次いで、レ
ジストパターン94をマスクとしてRIEによって異方
性エッチングすることによって熱酸化膜93をエッチン
グして、円形開口96を形成する。
【0078】図14(b)参照 次いで、レジストパターン94を除去したのち、円形開
口96を設けた熱酸化膜93をマスクとして、再び、R
IEによって異方性エッチングすることによって、深さ
20〜30μmの円形開口部97を形成する。
【0079】図14(c)参照 次いで、再び、熱酸化することによって、円形開口部9
7を覆い尽くすように熱酸化膜98を形成する。
【0080】図14(d)参照 次いで、円形開口部97を形成した面の周囲を四角形の
枠状に露出する形状のレジストパターン99を形成し、
このレジストパターン99をマスクとしてRIEによっ
て異方性エッチングすることによって熱酸化膜98の周
辺の露出部をエッチングする。なお、このレジストパタ
ーン99は、円形開口部97を形成した面と反対の面を
全て覆うように設ける。
【0081】図14(e)参照 次いで、レジストパターン99を除去したのち、熱酸化
膜98をマスクとして、EPWを用いて異方性エッチン
グを施すことによって、(111)面と結晶学的に等価
な{111}面からなる側壁を形成する。
【0082】図15(f)参照 次いで、再び、熱酸化することによって、露出した{1
11}面からなる側壁を覆い尽くすように熱酸化膜10
0を形成する。
【0083】図15(g)参照 次いで、円形開口部97を形成した面と反対側の面に、
フォトリソグラフィー工程によって中央部に四角形開口
102を有するレジストパターン101を形成したの
ち、レジストパターン101をマスクとして、RIEに
よって異方性エッチングすることによって熱酸化膜10
0をエッチングして、四角形開口103を形成する。な
お、この場合、四角形開口102は、表面に形成した円
形開口部97と相対的な位置合わせができるように、両
面マスクアライナを用いて形成する。
【0084】図15(h)参照 次いで、レジストパターン101を除去したのち、四角
形開口103を設けた熱酸化膜100をマスクとして、
EPWを用いて異方性エッチングを施し、円形開口部9
7に達した時点でエッチングを停止することによって、
四角形開口部86及び円形貫通開口部85を形成する。
この場合も、四角形開口部86の全ての側面は(11
1)面と結晶学的に等価な{111}面で構成されるこ
とになる。
【0085】図15(i)参照 次いで、表面に形成されている熱酸化膜101をフッ酸
を用いて除去することによって中型シリコン電極84が
完成する。
【0086】図16(a)乃至(c)参照 図16は、上記の様にして作製した中型シリコン電極の
構造の説明図であり、図16(a)は下面図、図16
(b)は、図16(a)のA−A′を結ぶ一点鎖線に沿
った断面図であり、また、図16(c)は上面図であ
る。図に示すように、中型シリコン電極84は、中央に
電子ビームを通過させる円形貫通開口部85を有してお
り、四角形開口部86の周辺の厚膜部の側壁は同じ傾斜
方向に傾斜する{111}面によって構成された構造に
なっている。
【0087】この本発明の第3の実施の形態において
も、3つのシリコン電極を互いの膜厚部の側壁を構成す
る{111}面を利用して組み合わせているので、自己
整合的に位置合わせを行うことができるため、中央部に
設けた円形貫通開口部82,85,88の位置合わせを
精度良く行うことができる。
【0088】また、3つのシリコン電極を組み合わせる
際に、相対的に小さな四角形開口を有するシリコン電極
を、四角形開口の大きさの順に順次配列するように入れ
子状に組み合わせる、即ち、小型シリコン電極81、中
型シリコン電極84、及び、大型シリコン電極87の順
に入れ子状に組み合わせているので、シリコン電極間の
距離を、上記の第2の実施の形態より接近させることが
でき、それによって、シリコンレンズをより小型化する
ことができるとともに、四角形開口部83,86,89
に起因する電界の不均一性を緩和することができるの
で、電子ビーム軌道に対して必要な軸対称の均一な電界
分布を形成することが可能になる。
【0089】次に、図17を参照して、本発明の第4の
実施の形態を説明するが、小型シリコン電極と中型シリ
コン電極の接合方法が異なるだけで、他の製造工程及び
構造は上記の第3の実施の形態と実質的に同じであるの
詳細な説明は省略する。なお、図17(a)は上面図で
あり、図17(b)は図17(a)におけるA−A′を
結ぶ一点鎖線に沿った断面図であり、また、図17
(c)は図17(b)における破線の円内の拡大図であ
る。
【0090】図17(a)及び(b)参照 まず、熱酸化膜を形成しない状態で中型シリコン電極8
4の四角形開口部86と小型シリコン電極104の四角
形開口部106とが互いに対向するように入れ子状に組
み合わせ、直接接合法、即ち、拡散接合法、或いは、共
晶接合法を用いて両者を接合する。なお、共晶接合法を
用いる場合には、一方のシリコン電極の接合面にAlや
Auを形成しておき、AlやAuとシリコンとが共晶を
形成する温度まで加熱すれば良く、陽極接合法のような
電圧印加装置等を必要としない。
【0091】以降は、大型シリコン電極97を熱酸化す
ることによって、表面に、例えば、厚さが500nmの
熱酸化膜(図示せず)を形成したのち、レジストパター
ン(図示せず)をマスクとしてフッ酸を用いて熱酸化膜
をエッチングすることによって開口部を形成する。
【0092】次いで、小型シリコン電極104を入れ子
状に組み込んだ中型シリコン電極84の円形貫通開口部
85と大型シリコン電極87の四角形開口部89とが対
向するように入れ子状に組み合わせたのち、大型シリコ
ン電極87及び中型シリコン電極84をヒーターによっ
て、例えば、350℃に加熱した状態で、大型シリコン
電極87側が負に、中型シリコン電極84側が正になる
ように直流電源によって、例えば、400Vの電圧を印
加することによって陽極接合する。次いで、フッ酸を用
いて熱酸化膜の露出部を除去することによって、3つの
シリコン電極を組み合わせたアインツェル型のシリコン
レンズが完成する。
【0093】図17(c)参照 この場合、中型シリコン電極84と大型シリコン電極8
7との間は残存する熱酸化膜90によって電気的に分離
されているが、中型シリコン電極84と小型シリコン電
極81との間は直接的に接合して電気的に短絡している
ので、実効的に2枚組のシリコンレンズとなる。
【0094】この本発明の第4の実施の形態において
は、3つのシリコン電極を用いて2枚組のシリコンレン
ズとしているが、一方の電極を2つのシリコン電極、即
ち、小型電極104と中型シリコン電極84とによって
構成しているので、その外部への露出部は電気的に同電
位の平坦面で構成され、したがって、小型シリコン電極
104の四角形開口部106と中型シリコン電極84の
四角形開口部86は、電界分布に影響を与えないので、
より均一な電界分布を形成することが可能になる。
【0095】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は、各実施の形態に記載した構成に限られ
るものではなく、各種の変更が可能である。例えば、上
記の各実施の形態の説明においては、{111}面を形
成する際の異方性エッチャントとしてEPWを用いてい
るが、EPWに限られるものではなく、水酸化カリウム
溶液(KOH)を用いても良い。なお、KOHを用いる
場合には、保護膜としてSiO2 膜の代わりにSi3
4 膜を用いる必要がある。
【0096】また、上記の各実施の形態の説明において
は、シリコン電極を構成するためのシリコンウェハの不
純物濃度或いは比抵抗については言及していないもの
の、例えば、比抵抗が1Ω・cmのn型シリコンを用い
れば良い。
【0097】また、n型シリコンウェハを用いる場合に
は、エッチング終点検出を容易にするために、予め、円
形開口部を設ける側に20〜30μmの厚さにp型層を
形成しても良いものである。
【0098】また、上記の第1の実施の形態において
は、第1のシリコン電極の表面を熱酸化し、第1のシリ
コン電極側が負になるようにバイアスして陽極接合して
いるが、第2のシリコン電極の表面を熱酸化しても良い
ものであり、いずれにしても、熱酸化膜を形成した側の
シリコン電極側が負になるようにバイアスすれば良い。
【0099】また、上記の第2乃至第4の実施の形態に
おいては、大型シリコン電極の厚膜部の外壁面も{11
1}面で構成しているが、必ずしも{111}面である
必要はなく、図5における製造方法に示したように、ダ
イシングによって垂直面にしても良いものである。
【0100】また、上記の各実施の形態においては、シ
リコンレンズを2枚組或いは3枚組で構成しているが、
4枚組以上によって構成しても良いものであり、第2の
実施の形態のように組み込む場合には、少なくとも内側
に組み込む2つ以上のシリコン電極に対して電極引出し
部を構成する突出部を設ける必要がある。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、シリコン単結晶の有す
るエッチング異方性を利用することによって形成した
{111}面を利用して入れ子状に組み込むことによ
り、各シリコン電極に設けた電子ビームの通過口となる
円形貫通開口部を自己整合的に位置合わせすることがで
き、また、各シリコン電極間の距離をより接近させるこ
とができるので、電子ビーム軌道上での電界の不均一性
を緩和させて電子ビームの収差を小さくすることがで
き、それによって、シリコンレンズの高性能化或いは低
コスト化に寄与するころが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の途中までの製造工
程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の図2以降の途中ま
での製造工程の説明図である。
【図4】第1のシリコン電極の構造の説明図である。
【図5】第1のシリコン電極の他の製造工程の説明図で
ある。
【図6】本発明の第1の実施の形態の図3以降の途中ま
での製造工程の説明図である。
【図7】第2のシリコン電極の構造の説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の図6以降の途中ま
での製造工程の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の途中までの製造工
程の説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の図9以降の途中
までの製造工程の説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の図10以降の途
中までの製造工程の説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の図11以降の製
造工程の説明図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態の説明図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態の中型シリコン電
極の途中までの製造工程の説明図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態の中型シリコン電
極の図14以降の製造工程の説明図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態の中型シリコン電
極の構造の説明図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態の説明図である。
【図18】従来のシリコン電極の構造の説明図である。
【図19】従来のシリコンレンズの構造の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 シリコン電極 2 円形貫通開口 3 薄膜部 4 厚膜部 5 シリコン電極 6 円形貫通開口 7 薄膜部 8 厚膜部 9 絶縁膜 10 第1のシリコン電極 11 シリコンウェハ 12 熱酸化膜 13 レジストパターン 14 円形開口 15 円形開口 16 円形開口 17 熱酸化膜 18 レジストパターン 19 四角形開口 20 四角形開口 21 四角形開口部 22 円形貫通開口部 23 薄膜部 24 厚膜部 25 熱酸化膜 26 開口部 27 直流電源 28 ヒーター 30 第2のシリコン電極 31 シリコンウェハ 32 レジストパターン 33 円形開口 34 円形開口 35 レジストパターン 36 四角形開口 37 四角形開口部 38 円形貫通開口部 39 薄膜部 40 厚膜部 50 中型シリコン電極 51 シリコンウェハ 52 レジストパターン 53 円形開口 54 円形開口部 55 段差部 56 レジストパターン 57 四角形開口部 58 円形貫通開口部 59 切り欠き部 60 小型シリコン電極 61 シリコンウェハ 62 レジストパターン 63 円形開口 64 円形開口部 65 レジストパターン 66 四角形開口部 67 円形貫通開口部 68 突出部 70 大型シリコン電極 71 シリコンウェハ 72 レジストパターン 73 四角形開口部 74 円形貫通開口部 75 切り欠き部 81 小型シリコン電極 82 円形貫通開口部 83 四角形開口部 84 中型シリコン電極 85 円形貫通開口部 86 四角形開口部 87 大型シリコン電極 88 円形貫通開口部 89 四角形開口部 90 熱酸化膜 91 熱酸化膜 92 シリコンウェハ 93 熱酸化膜 94 レジストパターン 95 円形開口 96 円形開口 97 円形開口部 98 熱酸化膜 99 レジストパターン 100 熱酸化膜 101 レジストパターン 102 四角形開口 103 四角形開口 104 小型シリコン電極 105 円形貫通開口部 106 四角形開口部 110 第1のシリコン電極 111 円形貫通開口部 112 四角形開口部 113 薄膜部 114 厚膜部 120 第2のシリコン電極 121 円形貫通開口部 122 四角形開口部 130 ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−302610(JP,A) 特開 平6−187901(JP,A) 特開 平6−275189(JP,A) 特開 平8−298068(JP,A) 特開 平9−63462(JP,A) 特開 昭55−69942(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 3/18 H01J 1/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶方位を利用した四角形開口により薄
    膜部とその周辺の厚膜部とからなるダイヤフラム構造の
    前記薄膜部に円形の貫通開口部を設けたシリコン電極を
    複数個組み合わせて構成するシリコンレンズにおいて、
    少なくとも1対のシリコン電極が、互いの{111}面
    を絶縁膜を介して接触していることを特徴とするシリコ
    ンレンズ。
  2. 【請求項2】 上記シリコン電極が3個以上からなり、
    上記四角形開口を利用して、相対的に大きな四角形開口
    を有するシリコン電極に対して、相対的に小さな四角形
    開口を有するシリコン電極を、四角形開口の大きさが内
    側から外側に向かって上下に交互に大きくなるように入
    れ子状に組み合わせるとともに、内部に入れ子を組み込
    んだ相対的に大きな四角形開口を有するシリコン電極の
    周囲に形成された厚膜部に少なくとも一つの切り欠き部
    を設けたことを特徴とする請求項1記載のシリコンレン
    ズ。
  3. 【請求項3】 上記シリコン電極が3個以上からなり、
    上記四角形開口を利用して、相対的に大きな四角形開口
    を有するシリコン電極に対して、相対的に小さな四角形
    開口を有するシリコン電極を、四角形開口の大きさの順
    に順次配列するように入れ子状に組み合わせることを特
    徴とする請求項1記載のシリコンレンズ。
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