JP4346681B2 - Yarrowiaにおいて機能的な上流アクチベーター配列および組換えプロモーター配列、並びにそれらを含むベクター - Google Patents

Yarrowiaにおいて機能的な上流アクチベーター配列および組換えプロモーター配列、並びにそれらを含むベクター Download PDF

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Description

本発明は、酵母、更に詳しくはYarrowia lipolyticaで改善されたタンパク質発現を行わせる系に関する。本発明は、Yarrowiaで機能性の組換え上流アクチベーター配列、プロモーター配列、更に詳しくはハイブリッドプロモーター配列と、それらを含んだベクターに関する。本発明のもう1つの目的は、このようなベクターで形質転換された組換え酵母と、Yarrowia lipolyticaでタンパク質を生産させる方法である。
Yarrowia lipolyticaは、スクロースではなく、グルコースおよびグリセロール、n-アルカンおよびアルケンのようなパラフィン類(Klug and Markovetz,1967 and 1969;Bassel and Mortimer,1973)、脂質およびタンパク質(Ogrydziak et al.,1977)を含めた、限定された数の炭素源上で増殖しうる二形性酵母である。タンパク質を分解するために、増殖条件に応じて、Yarrowia lipolyticaはプロテアーゼを分泌する(Ahearn et al.,1968;Kamada et al.,1972)。例えば、アルカリまたは中性培地中で、それはAlkaline Extracellular Protease(AEP)を分泌する(Tobe et al.,1976;Ogrydziak et al.,1977;Ogrydziak and Scharf et al.,1982)。対応する遺伝子XPR2は、Davidow et al.(1987)、Matoba et al.(1988)およびNicaud et al.(1989)により独立してクローニングされた。
多くの真核プロモーター、特に酵母プロモーターが詳しく研究されてきた。遺伝子発現の調節には、プロモーター内に結合された転写因子間で多数の相互作用を要することが証明された。最小のシス作用要素でさえも、その機能にとり、多数の部位が必要とされて、多数のタンパク質が関与しているのかもしれない。酵母細胞だと、上流活性化配列(UAS)が転写に必要である。それらはTATAボックスおよび転写開始部位についていずれかの向きに可変的な距離で機能するが、それより高等の真核生物のエンハンサーとは対照的に、それらはこれら基本要素より上流になければならない。UASは2タイプの転写アクチベーターのターゲットである。HAP1およびACE1を含めた第一クラスのアクチベーターは、下流遺伝子の活性転写の条件下のみでUASと結合する。第二クラスはADR1、HSTF、PUT3およびGAL4で代表され、これらのタンパク質はUASと永続的に結合するが、それらの活性は調節される。
酵母細胞でほとんどの抑制現象は転写因子の不活化または不在に起因しているようであるが、一部のネガティブ調節部位または上流抑制配列(URS)も確認された。
Yarrowia lipolyticaのXPR2遺伝子は、この酵母により分泌される主要タンパク質である、誘導性アルカリ細胞外プロテアーゼ(AEP)をコードしている(Davidow et al.,1987)。この遺伝子の調節は複雑である。AEPの抑制解除は、好ましい炭素および窒素源を欠いた培地においてpH6.0以上で起き、XPR2プロモーターの完全誘導には培地中で高レベルのペプトンを必要とするが、インデューサーの正確な性質は未知である。機能性XPR2プロモーターは約900bpである。
EP138508では、染色体DNAと相同的な領域を有したDNAおよび遺伝マーカーの組込みによるYarrowia lipolyticaの形質転換方法を開示している。
EP220864では、Yarrowia lipolyticaで異種タンパク質の発現および分泌のためのベクターを開示している。そのベクターは、Yarrowia lipolytica遺伝子のプロモーター配列と、異種タンパク質の遺伝子と作動的に連結されたYarrowia lipolyticaのXPR2遺伝子のシグナル配列とをもっていなければならない。プロモーター配列には、XPR2プロモーター配列、即ちシグナル配列の前にある上流非転写領域がある。
意外にも、本発明者らは、XPR2プロモーター配列の一部のみを有するハイブリッドプロモーターがYarrowia lipolyticaでタンパク質の発現を得るために用いうることを示した。
更に、彼らは、XPR2プロモーター配列の一部のみのタンデムリピートから構成されるハイブリッドプロモーターが、培地中でペプトンの存在に関係なく、そのコントロール下でタンパク質の強い準構成的発現を行わせることを示した。これらのハイブリッドプロモーターは、好ましい炭素または窒素源だけでなく、酸性条件(pH6.0以下)によっても、もはや抑制されない。
これは、慣用培地が低価格で使用できることから、分泌される異種タンパク質の生産にとり大きな工業的利点である。望ましいタンパク質の回収のための更なる精製工程も容易になり、その理由は(野生型XPR2プロモーターの完全誘導と、分泌される異種タンパク質の著しく面倒な精製に必要な)高レベルのペプトンがもはや不要だからである。
XPR2プロモーターの以前の分析(Blanchin-Roland et al.,1994)では、発現の活性化に関係している2つの領域(UAS):1つの遠位(ヌクレオチド−800〜−767および−717〜−708のUAS1)ともう1つの近位(ヌクレオチド−146〜−105のUAS2)について確認した。欠失分析により得られるこれら以前の結果によると、双方のUASはXPR2発現の調節について同等の役割を果たしているようであった。各UASは、他方の不在下で、全XPR2プロモーターの場合と似た調節(即ち、ペプトンに対する感受性と、好ましい炭素および窒素源による抑制)を行うことができた。
意外にも、XPR2プロモーターの遠位領域(UAS1)は、他方のプロモーターのTATA領域の上流におかれたときに、XPR2関係外の生理活性を示せることがわかった。このUAS活性は、DMSフットプリントin vivo実験で保護されていることが以前にわかった配列(“UAS1A”と称されるDNA断片配列番号1)に付随している(Blanchin-Roland et al.,1994および図1)。UAS効果は、フットプリント実験で保護されていることが以前にわかった配列の2つのリピートを含む隣接領域のこれら配列への付加により高められた(配列番号2)。全DNA断片は“UAS1B”と称される。抑制は野生型XPR2プロモーターに抑制的な培養条件下(好ましい炭素および窒素源)で観察されず、ハイブリッドプロモーターのコントロール下におけるリポータータンパク質の発現は、誘導、基本および抑制培地で高められた。
近位UAS領域(UAS2)の分析では、タンデムに反復していて、フットプリント実験で保護されていたデカマー配列(Blanchin-Roland et al.,1994および図1)が、抑制条件下で発現レベルの減少を媒介できることを示した:この配列は炭素および/または窒素源に感受性のあるURA(上流抑制配列)の性質を示す。
予想外に、この配列も、フットプリント実験で一部保護されていた隣接配列(cf.図1)と一緒になって、UAS活性に必要であった。
したがって、UAS2は活性および抑制双方の要素を含んでいる。それは、UAS1の構成的性質とは全く対照的に、全XPR2プロモーターの調節の少くとも一部を保存しているようであった。
したがって、本発明は、野生型XPR2プロモーターの複雑な調節を免れた、Yarrowiaにおける機能的な上流活性化配列を提供する。それらは、XPR2プロモーターのUAS1領域の配列のヌクレオチド−805〜−701により画された配列、またはその機能性断片から本質的になり、いくつかのコピーで存在することができる。それらは、XPR2プロモーター配列のヌクレオチド−146〜−127により画された、UAS2領域からのデカマーリピートも実質的に欠いていなければならない。
更に詳しくは、本発明は
a)配列番号1または配列番号1と少くとも80%の同一性を有する配列
b)i)配列番号1または少くとも80%の同一性を有する配列、
および
ii)配列番号2または配列番号2と少くとも80%の同一性を有する配列の少くとも1つのコピー
から選択される少くとも1つの配列の少くとも1つのコピーから本質的になる、Yarrowiaで機能性の上流活性化配列を提供する。
XPR2プロモーターにおける上記配列の位置は、図1および2に示されている。
“から本質的になる”とは、UASが断片の構築および結合に必要な制限部位および他の要素も含むことができる、と理解されねばならない。
本発明によるUAS中に存在する上記断片のコピーは、タンデムリピート(すべて同方向またはすべて逆方向)でも、または双方の向きの組合せでもよい。
本発明の一態様によれば、UASは
b′)i)配列番号1または少くとも80%の同一性を有する配列の少くとも1つのコピー、および
ii)配列番号2に相当する2つのリピートを含んだ隣接配列の少くとも1つのコピー(図1で示されたように、それは配列番号1と配列番号2との間で部分的重複として存在しうる)
から本質的になる。
更に詳しくは、UASは
c)i)配列番号1または少くとも80%の同一性を有する配列の少くとも1つのコピー、および
ii)配列番号3または少くとも80%の同一性を有する配列の少くとも1つのコピー
から本質的になっていてもよい。
配列番号3は、配列番号2の2つのリピートを含んだXPR2プロモーターの領域に相当する。図1で示されたように、それは配列番号1と配列番号3との間で部分的重複として存在しうる。
本発明による好ましいUASは
d)配列番号4または配列番号4と少くとも80%の同一性を有する配列
の少くとも1つのコピーから本質的になっている。
配列番号4は、図1および2で示されたような、大きな“UAS1B”断片に存在する、ヌクレオチド−805〜−701により画されたXPR2プロモーター配列に相当する。
本発明は生理活性を留めた請求の範囲記載の配列の変異体にも関し、それらは当業者により調べることができる。
“UAS1B”のいくつかのコピーがタンデムに挿入されたとき、発現は増加した:その効果は第二コピーのとき相加以上であり、相乗的相互作用を示唆していて、新たな各コピーの追加では相加になるだけとなった。4コピーで得られる発現のレベルは、誘導条件下において自然XPR2プロモーターの場合と同程度の大きさで、3種の培地で非常に高い。得られるハイブリッドプロモーターはペプトンの添加を要せず、炭素および窒素源だけでなく、培養の酸性条件によっても、もはや抑制されない。これらの強い準構成性プロモーターは、異種タンパク質の生産にとり特に有用である。
本発明によるUASにおいて、上記配列a)、b)、c)またはd)各々のコピー数は1〜8の範囲であり、配列番号2のコピー数は0〜16の範囲である。その配列は同方向でもまたはそうでなくてもよい。
本発明によるUASは、特に、上記配列a)、b)、c)またはd)の2つのタンデムコピー、あるいは上記配列a)、b)、c)またはd)の4つのタンデムコピーからなることができる。
本発明は、酵母で機能的であって、上記のようなUASを含んだ、組換えプロモーター配列にも関する。このような組換えプロモーターは、特にYarrowia酵母、好ましくはYarrowia lipolyticaで有用である。
本発明によるプロモーター配列は、“UAS1B”またはその誘導体の1以上のコピーを含む。“UAS1B”の4タンデムコピーの場合、それらは誘導培地において野生型XPR2プロモーターで得られる発現と同レベルで、非誘導培地において遺伝子の準構成的発現をコントロールする。それらは好ましい炭素および/または窒素源を含有した培地で酸性条件の培養を用いることができ、培地中でペプトンの添加を回避しうる。
組換えプロモーター配列は、TATAボックスを更に含む。TATAボックスは好ましくはYarrowia lipolytica遺伝子の場合であり、TATAボックスにはXPR2遺伝子とは異なる遺伝子の場合、例えばLEU2プロモーターのTATAボックスがある。
本発明のもう1つの目的は、対象遺伝子と作動的に連結された前記のような組換えプロモーター配列を含んでなる、酵母のタンパク質発現用ベクターである。対象遺伝子は、一態様において、酵母の異種タンパク質であるタンパク質をコードしている。酵母の同種タンパク質をコードする遺伝子も、本発明のベクターに含まれる。本発明のベクターはYarrowia lipolyticaと特に適合する。
本発明の一態様において、ベクターは染色体中へのその挿入を行える配列を更に含んでいる。これらの配列は、酵母の染色体の配列と相同性を示すために組換えおよび組込みを行える特別な配列であり、このような要素は(EP138508に記載されたように)当業者により調べられる。
こうして、ベクターのいくつかのコピーはYarrowia酵母の染色体に挿入することができる。
本発明のもう1つの態様において、ベクターは自律複製タイプであり、複製配列を更に含んでいる。このような配列は、例えば欧州特許出願第89 400218.7号明細書に開示されている。
本発明は、特にYarrowia lipolytica種の、本発明によるベクターで形質転換された組換え酵母にも関する。
本発明の一面において、対象遺伝子と作動的に連結された組換えプロモーター配列は、少くとも1コピーで、酵母の染色体中に組み込まれる。
もう1つの面において、ベクターは自律複製ベクターとして酵母に存在している。
最後に、本発明は、上記のようなベクターで形質転換された組換えYarrowia lipolytica細胞を培養する工程を含む、Yarrowia lipolyticaにおいてタンパク質を生産する方法にも関する。
そのタンパク質は、Yarrowiaの同種でも、または異種のタンパク質でもよい。
構築には、タンパク質の分泌を行える要素を更に含んでいてもよい。
あるいは、組換え酵母は、例えば食品添加物としてそのまま用いることができる。対象タンパク質は、酵母を壊して、抽出物を更に精製することにより回収してもよい。
特に、本発明は
i)タンパク質をコードする遺伝子と作動可能に連結された組換えUASを含むベクターをYarrowia lipolytica中に導入し、
ii)ペプトンを実質上欠いた培地においてi)で得られた上記Yarrowia lipolyticaを培養し、
iii)上記異種タンパク質を回収する
工程を含む、異種タンパク質を生産するための方法に関する。
最後に、本発明は、
a)配列番号1または配列番号1と少くとも80%の同一性を有する配列
b)i)配列番号1または少くとも80%の同一性を有する配列、および
ii)配列番号2または配列番号2と少くとも80%の同一性を有する配列の少くとも1つのコピー
c)i)配列番号1または少くとも80%の同一性を有する配列、および
ii)配列番号3または配列番号3と少くとも80%の同一性を有する配列の少くとも1つのコピー
d)配列番号4または配列番号4と少くとも80%の同一性を有する配列
から選択される少くとも1つの配列の1以上のコピーを含んだ組換えプロモーター配列をYarrowia lipolyticaに導入する工程からなる、Yarrowia lipolyticaでタンパク質の発現を高めるための方法に関する。
E.coliおよびY.lipolyticaの下記株は、Paris(France)のthe Institut Pasteurの”Collection Nationale de Cultures de Microorganismes”に寄託された:
-プラスミドpINA354を有するE.coli株HB101:受託番号I-1579
-プラスミドpINA404を有するE.coli株HB101:受託番号I-1580
-Y.lipolytica株JM23SB:受託番号I-1581
本発明は下記例で更に理解されるが、それはその範囲を限定するためではない。
これらの例では、図面が参照される:
【図面の簡単な説明】
図1:XPR2プロモーターのUAS領域の略図
遠位UAS1および近位UAS2の2つの領域が略示されている。DMSフットプリントin vivo実験で保護されていることがわかった配列(Blanchin-Roland et al.,1994)は、太い下線部分である(この方法はGC塩基対のみに関する)。繰返し配列は矢印の下線で示されている。ハイブリッドプロモーターの構築に用いられるDNA断片(実施例3および4に示されたUAS1領域のデータ、UAS2領域のデータは示されていない)が示されている。リベンジケートされた(revendicated)配列(配列番号1〜4)も示されている。
図2:ハイブリッドプロモーターで用いられる、XPR2プロモーターのUAS1領域からのDNA断片の配列
A/“UAS1A”断片の配列.“UAS1A”は、示された2つの合成オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成により得た。それはXPR2プロモーターの配列のヌクレオチド−805〜−776により画された配列から本質的になり、SphI制限酵素のための付着末端を有していて、最小LEU2プロモーターの上流にあるpINA781のSphI部位で双方向に異なるコピー数でその挿入を行える(図3参照)。
B/“UAS1B”断片の配列.“UAS1B”は、XPR2プロモーターの配列のヌクレオチド−805〜−701により画された配列から本質的になる。それは、鋳型としてプラスミドpINA354(図4参照)と、下記変異原性オリゴヌクレオチドを用いて、PCR反応により得た:
Figure 0004346681
新たなSphI制限部位(下線)を作るために導入された変異は、太字で示されている。SphI切断後、“UAS1B”は、最小LEU2プロモーターの上流にあるpINA781のSphI部位で双方向に異なるコピー数で挿入することができる(図3参照)。
図3:リポーターpINA781組込みプラスミドの地図
A/pINA781の地図.pINA781は図4Aで示された前記pINA354プラスミド(Blanchin-Roland et al.,1994)から誘導した。
プラスミドpINA354を有するE.coli株HB101(HB101〔pINA354〕)は、Paris(France)のthe Institut Pasteurの”Collection Nationale de Cultures de Microorganismes”に受託番号I-1579で寄託された。
最小LEU2プロモーター領域を有するDNA断片(Gaillardin and Ribet,1987から調べられた)は、鋳型としてpINA354と、下記2つの変異原性オリゴヌクレオチドを用いて、PCR反応により得た(図4参照):
Figure 0004346681
BamHI、SphIおよびBclIについて各々新たな制限部位(下線)を作るために導入された変異は、太字で示されている。
最小LEU2プロモーターを有するPCR断片はSphIおよびBamHIで切断し、XPR2プロモーターを有したそれ自体のSphI-BamHI(2)を欠くpINA354プラスミド中に導入した(図4参照)。得られたpINA781プラスミドでは、最小LEU2プロモーターは、以下のB/で示されたように、BamHI(2)部位で行われた翻訳融合のおかげで、lacZ遺伝子の発現を指示することができる。ユニークSphI制限部位は、XPR2プロモーターからの様々なDNA断片を導入するために用いた。ユニークNotI制限部位は、pBR322プラットフォームで、Y.lipolyticaJM23SB株(Blanchin-Roland et al.,1994)のゲノム中に得られたプラスミドの組込みを指示するために用いた。
B/最小LEU2プロモーター、およびlacZリポーター遺伝子との翻訳融合を示す、pINA781からの配列の断片。LEU2プロモーターから保存された配列は、(LEU2遺伝子の番号付けで)ヌクレオチド−94〜+18で画される。TATAボックスおよびATG配列は太い下線部分である(Gaillardin and Ribet,1987)。GTCはβ-ガラクトシダーゼ配列からの第一保存コドンであり、lacZ遺伝子の第十コドンに相当する。
図4:pINA354およびpINA404プラスミドの地図と、“UAS1B”の3または4コピーを有するハイブリッドプロモーターをもつプラスミドの構築(ex:pINA993)
プラスミドの構築に際して壊された制限部位または配列が、カッコ内に示されている。複数箇所に存在するものは、構築に際して用いられるとき番号付けされている。PCR反応に用いられたオリゴヌクレオチドの大体の位置が示されている。
A/pINA354の地図(Blanchin-Roland et al.,1994)
B/pINA404の地図(Blanchin-Roland et al.,1994)
これら2つのプラスミドは、lacZ遺伝子の発現を指示する機能性XPR2プロモーターを有している。
C/pINA993の構築.“UAS1B”の3または4コピーを有するハイブリッドプロモーターをもつプラスミドは、pINA781中への“UAS1B”断片の結合実験で直接得られた、2つのコピーを有するものから誘導された。pINA797(2つの同方向コピー)からpINA993の作製法が示されている:pINA797はNotIと、部分的にSphIで切断した(部分的切断の条件は1切断の手段を与える)。得られた制限断片の中には図示されたものがあり、それらの結合により、“UAS1B”の4タンデム同方向コピーを有したpINA993プラスミドの形成を行える。“UAS1B”の1コピーだけが断片の1つに保存されたときは、pINA991(3同方向コピー)が得られた。同様に、pINA992(3逆方向コピー)およびpINA994(4逆方向コピー)はpINA798(2逆方向コピー)から誘導された。
図5:pINA303の地図とpINA919プラスミドの構築
プラスミドの構築中に壊された制限部位または配列が、カッコ内に示されている。複数箇所に存在するものは、構築に際して用いられるとき番号付けされている。PCR反応に用いられたオリゴヌクレオチドの大体の位置が示されている。A/XPR2遺伝子のプロモーターおよびプレプロ領域を有するpINA303プラスミド(Blanchin-Roland et al.,1994)は、変異原性オリゴヌクレオチド“TAMUT”(以下のB/に示されている)と下記配列を用いて、PCR断片を合成するために鋳型として用いた:
Figure 0004346681
このPCR断片は、構築中間体としてpINA918プラスミドを作るために、pINA303から得られた2つのDNA断片(NotI-EcoRVおよびNotI-ApaI切断)と(EcoRV-ApaI切断後に)結合させた。このプラスミドのXPR2プロモーター配列は、そのTATAボックスを不活化させて、それを新たなSphI部位に代える、変異を有している。SphI切断は全TATA欠失XPR2プロモーターを含む1085bp断片を与え、これは最小LEU2プロモーターの上流にあるpINA781のSphI部位に挿入された(図3参照)。図示されたような同方向での挿入は、pINA919プラスミドを与えた。逆方向での挿入はpINA920を与えた。
B/XPR2プロモーターのTATAボックスを壊して新たなSphI制限部位を作る変異を有した、変異原性オリゴヌクレオチド“TAMUT”の配列
図6:“UAS1B”断片のコピー数の関数としてハイブリッドプロモーターの活性を表したグラフ
A/最小LEU2プロモーターの上流にあるpINA781のSphI部位に挿入された“UAS1B”の1〜4タンデム同方向コピーを有するハイブリッドプロモーター(各々pINA795、797、991および993)の場合
B/最小LEU2プロモーターの上流にあるpINA781のSphI部位に挿入された“UAS1B”の1〜4タンデム逆方向コピーを有するハイブリッドプロモーター(各々pINA796、798、992および994)の場合
図7:様々な培地で培養中に、OD600の関数としてpINA994ハイブリッドプロモーターおよび野生型XPR2プロモーターの活性を表したグラフ
A/誘導YPDm培地、古典的富培地YPDまたは抑制MMAm培地における(“UAS1B”の4逆方向コピーを有する-図4参照)pINA994ハイブリッドプロモーターの活性
B/同培地におけるpINA404(図4参照)の野生型XPR2プロモーターの活性
図8:pINA994の1または2タンデム組込みコピーを有する株のサザンブロット分析
A/JM23SB Y.lipolytica株のpBRプラットフォームおよびNotI直鎖化pINA994プラスミドの組込みのスキーム
B/pINA994の1コピーの組込み後に得られたClaIの制限パターン
C/pINA994の2タンデムコピーの組込み後に得られたClaIの制限パターン
D/pINA994で得られた3つの組込株のゲノムDNAのサザンブロット分析.ゲノムDNAはClaI制限酵素で切断した。膜は、pBR322およびλDNAプローブと共に、業者(Boehringer Mannheim)の説明に従い、ジゴキシゲニンラベリングキットを用いて現された。
-レーンa:pINA994の1コピーの正しい組込み
-レーンbおよびc:追加7.5Kbバンドで現された、pINA994の2タンデムコピーの正しい組込み(レーンa、bおよびcにおいてオリジナル膜で見える2.8Kbバンドは、写真に示されていない)
-レーンd:移動マーカー(BstEIIで切断されたλDNA)
図9:最適プロモーターを有する複製プラスミドの構築
ARS含有プラスミドは下記3DNA断片の結合により得た:
-(Fournier et al.,1993で以前に記載された)pINA752の3460bp PvuI-NotI断片:ARS68を有するpBR322DNA
-pINA781の3396bp PvuI-KpnI断片(6983位のPvuI部位は唯一ではない:いくつかのPvuI部位がlacZ遺伝子に存在する)
-pINA1053の構築用のpINA781の4831bp NotI-KpnI断片、あるいは同様に、pINA1054およびpINA1055の構築用のpINA993またはpINA994の5271bp NotI-KpnI断片
図10:XPR2またはPHO2 TATAボックスをベースにしたハイブリッドプロモーターを有するプラスミドの構築
pINA781、795、993および994に相当するプラスミドは、LEU2遺伝子のTATAボックスおよびATG領域をY.lipolytica PHO2またはXPR2遺伝子の場合と代えることにより構築した。pINA993誘導体(各々pINA1057およびpINA1205)の構築は後で詳細に記載されている。pINA994誘導体(各々pINA1058およびpINA1206)の構築も同様であった。pINA781(各々pINA1056およびpINA1204)およびpINA795(各々pINA1059およびpINA1207)に相当するプラスミドは、pINA1057またはpINA1205の全体的または部分的SphI切断と、その後で自己結合により得た:こうして、pINA1056および1204の場合だとすべての“UAS1B”コピーを除き、pINA1059および1207の場合だと1つだけの同方向“UAS1B”コピーを維持させることができた。
A/pINA1057およびpINA1205プラスミドは、lacZ遺伝子と最小PHO2プロモーターまたは最小XPR2プロモーターとの翻訳融合を各々有するPCR断片のBclI切断後に得られた、もう1つの1.5Kb BclI断片で、pINA993の1.5Kb BclI断片を置き換えることにより構築した。この1.5Kb領域は、得られたコンストラクトで配列決定することにより、完全にチェックした。
PHO2 TATAボックスを有するPCR断片の場合、用いられたマトリックスは、自然PHO2プロモーターとlacZ遺伝子との翻訳融合を有するp3L4/61YLプラスミド(Treton et al.,1992で以前に記載されている)であった。上流変異原性プラスミドは以下であった:
Figure 0004346681
BclI部位(下線)を作るために用いられる変異は太字部分である。BstEII部位がPHO2プロモーターの配列中に(イタリック文字で)存在している。BclI部位の下流にあるlacZ遺伝子配列とハイブリッド形成する下流オリゴヌクレオチドは、以下であった:
Figure 0004346681
これらのオリゴヌクレオチドで得られたPCR断片は、ヌクレオチド−116〜ヌクレオチド+51のPHO2プロモーターの配列を有している。
最小PHO2プロモーターとlacZ遺伝子との翻訳融合についてみつけられた配列は、Treton et al.,(1992)に記載されたデータから予想されるものと異なっていて、p3L4/61YLプラスミドの融合がPHO2 ORFの第一HaeIII部位で生じずに、実際は15bp下流の第二部位で生じることを示した。p3L4/61YLと我々のコンストラクトになお存在するPHO2 ORFからのコドンの数は実際は17であり、シグナルペプチド全体に相当する。pINA1057(およびpINA1056、1058と1059)の翻訳融合は、B/に示されている。
XPR2 TATAボックスを有するPCR断片の場合、用いられたマトリックスはpINA354プラスミドであった(XPR2プロモーターとlacZ遺伝子との翻訳融合を有する-図4参照)。上流変異原性オリゴヌクレオチドは、以下であった:
Figure 0004346681
下流オリゴヌクレオチドは上記と同様であった。BclI部位およびBstEII部位(下線)を各々作るために用いられた変異は太字部分である。TATAボックスはイタリック文字で示されている。これらのオリゴヌクレオチドで得られたPCR断片は、ヌクレオチド−76〜ヌクレオチド+3のXPR2プロモーターの配列を有している。pINA1205(およびpINA1204、1206および1207)の翻訳融合は、C/に示されている。
B/pINA1056、1057、1058および10659の翻訳融合
C/pINA1204、1205、1206および1207の翻訳融合
図11:ハイブリッドプロモーターにより指示されるプロレニンAの発現および分泌用のプラスミドの構築
A/融合〔ハイブリッドプロモーター:XPR2-プレプロ:プロレニン〕を行えるPCR断片の合成、2つのマトリックス上に3つのオリゴヌクレオチドの存在
B/PCR融合断片のスキーム、3つのオリゴヌクレオチドの配列
C/pINA1208プラスミド(およびpINA1209と1210)の構築および地図
pINA781、993および994からのハイブリッドプロモーターを各々有するpINA1208、1209および1210は、(C/で示されたように)下記3断片結合を用いて構築した:
-プロレニンA遺伝子の全cDNAに翻訳融合された、XPR2プレプロ領域の下流部分を有する、pLX-34プラスミドからの1469bp SauI-BclI断片(BclI部位のTGA配列は停止コドンである)
-pBR322配列、LEU2遺伝子およびXPR2ターミネーターを有する、pINA781からの6.6Kbp SauI-BamHI断片
-Yon and Fried(1989)に記載された方法に従い、2つのマトリックス(pLX-34と、pINA781、pINA993またはpINA994)と3つのオリゴヌクレオチドを用いて(A/およびB/に示されたように)合成されたPCR断片の切断後に得られたSauI-SauI断片.この方法では、XPR2プレプロ領域への3つのハイブリッドプロモーター各々の融合に相当する3つのPCR断片を得ることができた:
-上流オリゴヌクレオチド(“PBR”)は、pINA781、993または994の(各ハイブリッドプロモーターの上流にある)pBR領域とハイブリッド形成する。
-融合オリゴヌクレオチド(“FUS”)はLEU2プロモーターとXPR2プレプロ領域との融合の領域でpLX-34とハイブリッド形成し、最小LEU2プロモーターの領域でpINA781、993または994とも部分的にハイブリッド形成する。
-下流オリゴヌクレオチド(“XPR”)はpLX-34プラスミドのXPR2プレプロ領域とハイブリッド形成する。
これらの要素で行われたPCR反応は、pINA781(または993または994)のハイブリッドプロモーターとpLX-34のプレプロ配列との融合を行えた。得られたPCR断片は、pINA781がマトリックスの1つとして用いられたときは298bpの、pINA993または994が用いられたときは734bpの付着末端断片を作るために、SauIおよびSauIで切断した。これら断片の各々は上記の2断片と結合させて、配列決定で完全にチェックした。
実施例1:リポーター系、培地および増殖条件
図1および2に示されたUAS領域からのDNA断片は、ハイブリッドプロモーターを構築して、XPR2関係外のそれら生理活性を分析するために用いた。図2および4に記載されたように、それらは、lacZ遺伝子の発現を指示する(TATAボックスとATG配列に縮小された:Y.lipolytica LEU2遺伝子のヌクレオチド−94〜+18-Gaillardin and Ribet,1987および図3B)最小LEU2プロモーターの前にあるSphI制限部位で、組込みリポータープラスミドpINA781(図3A)に(双方向に異なるコピー数で)挿入した。すべてのプラスミド構築は、標準分子生物学法(Sambrook et al.,1989)とHB101またはDH5aF′ E.coli株(各々:Sambrook et al.,1989;Raleigh et al.,1989)を用いて行った。dam感受性BclI制限酵素による切断が必要なときには、JM110 E.coli株を用いた(Yanish-Perron et al.,1985)。
この研究で用いられたすべての組込みプラスミドについて、異種タンパク質の発現は、Davidow et al.(1985)により記載された方法を用いて、Yarrowia lipolytica株JM23SB(Blanchin-Roland et al.,1994)のゲノムへ組込み後に測定した。JM23SBの遺伝子型は以下である:MatB、leu2-35、lys5-12、ura3-18::URA3、xpr2::LYS5
Yarrowia lipolytica株JM23SBは、Paris(France)のthe Institut Pasteurの”Collection Nationale de Cultures de Microorganismes”に受託番号I-1581で寄託した。
この株は、URA3遺伝子を有するpINA300′プラスミドの組込みで得られる、pBR322プラットフォームを有していて(Blanchin-Roland et al.,1994)、これはpBR322からの配列を有するプラスミドの組込みをその後で行える。pINA300′、pINA354、pINA404およびそれらの誘導体(pINA781および誘導プラスミドを含む)のNotI部位は、pBR322の前PvuII部位に挿入されたポリリンカーの一部である(Blanchin-Roland et al.,1994)。
pINA354またはpINA404に由来するプラスミド(pINA781および誘導プラスミド)は、JM23SBのpBR322プラットフォームにあるこの同部位で組込みを指示するために、NotI部位で直鎖化した(Blanchin-Roland et al.,1994)。Yarrowia lipolyticaゲノムへ各プラスミドの1コピーの正しい組込みは、前記(EP138508)のように、サザンブロット分析によりチェックした。
ハイブリッドプロモーターのβ-ガラクトシダーゼ活性は、異なる生理学的条件下(誘導、基本または抑制培地、下記参照)で、Yarrowia lipolyticaゲノム中への組込み後に調べた。それは、同条件で測定された、自然XPR2プロモーターを有する、リポータープラスミドpINA781およびpINA404で得られた場合と比較した。
プラスミドpINA404を有するE.coli株HB101(HB101〔pINA404〕)は、Paris(France)のthe Institut Pasteurの”Collection Nationale de Cultures de Microorganismes”に受託番号I-1580で寄託した。
各構築の場合、2〜4つの独立した組込株をアッセイした(2〜6回の測定を独立した培養物で重複して行った)。β-ガラクトシダーゼアッセイは、定常期培養物で、Miller(1972)により記載されたように行った。再現性は重複物間で±4%の範囲内であった。反復実験のデータは±15%の範囲内であった。ND=測定せず
誘導培地(YPDm)は、50mMリン酸ナトリウム/カリウム緩衝液(pH6.8)中に0.2%酵母エキス、0.1%グルコースおよび5%プロテオースペプトンを含有していた。非誘導(基本)培地(YEg)は、50mMリン酸ナトリウム/カリウム緩衝液(pH6.8)中に1%酵母エキスおよび0.1%グルコースを含有していた。抑制培地(MMAm)は、200mMリン酸ナトリウム/カリウム緩衝液(pH6.8)、炭素源としてグリセロール(1%)(グリセロールは、AEP合成の場合だと、グルコースよりも良い異化リプレッサーである)と、窒素源として硫酸アンモニウム(0.2%)を含有した改変合成最少MMA培地(Gutz et al.,1974)であった。pHの効果を試験したとき、YPDm培地は、リン酸緩衝液の代わりに、200mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)を含有していた。定常期培養物の最終pHをチェックしたところ、4.3〜4.7であるとわかった。YPDm(pH4.0)で増殖させた細胞をペレット化し、すすいで、β-ガラクトシダーゼアッセイ前に50mMリン酸ナトリウム/カリウム緩衝液(pH6.8)に再懸濁した。古典的富培地YPDは、1%酵母エキス、1%バクトペプトンおよび1%グルコースを含有していた。古典的最少培地YNBN5000は、0.67%酵母窒素塩基(アミノ酸なし)および1%グルコースを含有していた。
実施例2:リポーター系の有効性
実施例1の場合のような物質&方法
このリポーター系の有効性を試験するために、自己のTATAボックスを欠いたXPR2プロモーターの完全上流配列が最小LEU2プロモーターにXPR2様調節を行わせることができることを、我々は最初にチェックした(pHの効果はその後で分析する:実施例4、表4参照)。
図5に記載したように、自然XPR2プロモーターのTATAボックス(Davidow et al.,1987から調べた)は、PCR特異的変異誘発を用いて、新たなSphI制限部位に変異させた。これにより、同方向(pINA919)または逆方向(pINA920)で、最小LEU2プロモーターの上流で、pINA781中に、生理活性プロモーター(そのTATAボックスを欠いている)を含むSphI制限断片を挿入することができた。
表1は、異なる培地において、TATA欠失XPR2プロモーターのある組込みプラスミドを有したY.lipolytica JM23SB株のβ-ガラクトシダーゼ活性を示している。
pINA781中に挿入されたTATA欠失XPR2プロモーターを有するコンストラクトで観察された調節パターンは、自然プロモーターの場合と似ていた。しかしながら、MMAmで得られた抑制レベルはそれほど重要でなく、おそらくLEU2 TATAボックスの影響を反映しているのだろう。
この実験は、我々のリポーター系が自然XPR2プロモーターの調節パターンを再現できることを十分に証明している。
Figure 0004346681
実施例3:XPR2プロモーターの遠位UAS1領域の分析
実施例1の場合のような物質&方法
この分析に用いられたUAS1領域からのDNA断片は、図1および2に示されている。“UAS1A”は2つの合成オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成により得た(図2参照);それはXPR2プロモーターの配列のヌクレオチド−805〜−776で画される配列から本質的になる。“UAS1B”はPCRにより得た(図2参照);それはXPR2プロモーターの配列のヌクレオチド−805〜−701で画される配列から本質的になる。その断片のSphI制限部位または付着末端により、最小LEU2プロモーターの上流にあるpINA781のSphI部位でそれらの挿入を行えた(図3参照)。
“UAS1A”または“UAS1B”断片を有するプラスミドは、1コピーまたは2タンデムコピーで双方の向きに得て、表2に記載してある。この表は、異なる培地において、これらの組込みプラスミドを有したYarrowia lipolytica JM23SB株のβ-ガラクトシダーゼ活性を示している。
“UAS1A”断片はわずかなUAS効果を媒介できたが、2コピーだともっとはっきりする。それより大きな“UAS1B”断片はもっと高い活性を示した。双方の場合において、2コピーで得られた増強は相加以上のものであり、要素間の協力を示している。
MMAm培地ではいずれの断片にも明らかな抑制が観察されなかった;活性は“UAS1B”の2コピーで一層高められた。
“UAS1B”断片は炭素および窒素源による抑制を媒介できず、そのため構成プロモーターの構築にとり良い候補である(実施例4参照)。
Figure 0004346681
実施例4:最良プロモーターのデザイン
実施例1の場合のような物質&方法
強い構成プロモーターを得るために、我々は“UAS1B”断片の3または4タンデムコピーを有したハイブリッドプロモーターを構築したが、すべて同方向またはすべて逆方向である。それらの構築法は図4Cに記載されている。
表3は、異なる培地において、“UAS1B”断片の異なるコピー数のある組込みプラスミドを有したY.lipolytica JM23SB株のβ-ガラクトシダーゼ活性を示している。
3種の培地での活性は、“UAS1B”のコピー数と共に増加した。4コピーのコンストラクト、pINA993およびpINA994は、誘導条件下において自然XPR2プロモーターの場合と同程度の大きさで、3種の培地で非常に高い活性を示した。
pINA993およびpINA994のハイブリッドプロモーターは、炭素および窒素源によりもはや抑制されず、培地にペプトンの添加を要しない。それらは強い準構成的発現を支えることができて、Y.lipolyticaで異種タンパク質の効率的生産にとり有用である。
グラフ(図6)で示したように、YPDmおよびYEg培地において、活性の増強は2コピーのときに相加以上であり、新たな各コピーの追加では相加になるだけとなった(各点が一直線に並んでいる)。MMAm培地において、第三コピーの追加だと相加的増加より大きくすることができた。
表4は、最良プロモーターを有したY.lipolytica JM23SB株のβ-ガラクトシダーゼ活性について、培地のpHの効果を示している。
劇的な抑制効果は、YPDm培地のpHが4.0まで下げられたときに、野生型XPR2プロモーター(pINA404)の発現で観察された。TATAボックスを欠き、リポータープラスミドpINA781に挿入された、全XPR2プロモーターを有するコンストラクト(pINA919)だと、抑制効果はやや低下したが、なお非常に強かった。
このように、我々のリポーター系では培地のpHの抑制効果の検出を行える:自己のTATAボックスを欠いたXPR2プロモーターは、最小LEU2プロモーターにXPR2様pH調節を行わせることができた。
“UAS1B”の4コピーを有するハイブリッドプロモーター(pINA993および994)の(YPDm培地における)発現は、培地のpHと独立していた:pHが4.0でも同様の高レベルに留まるが、これらの酸性条件は野生型XPR2プロモーターを強く抑制した。
Figure 0004346681
Figure 0004346681
“UAS1B”断片のいくつかのコピーを有したハイブリッドプロモーターは、培地のpHと無関係に、強い準構成的発現を示す。
培養増殖中におけるpINA994(“UAS1B”の4逆方向コピー)のβ-ガラクトシダーゼ発現の進展を、誘導YPDm培地(pH6.8)、抑制MMAm培地および古典的富培地YPDで分析した(図7A)。培養で達する最大OD600は、YPDmで約14〜15単位、MMAmで約10〜12単位、およびYPDで約18〜19単位であった。
自然XPR2プロモーター(pINA404)だと、YPDmの培養だけが高活性に達した(図7B)。YPDで達した活性は、基本YEg培地の場合と同様であった(前表と以下のコンストラクトpINA404参照)。MMAmでの活性は非常に低いままであった。
pINA994の場合、3種の培地における活性は同程度の大きさであった。それらは培養(特にMMAm)で早期に、より規則的に増加した。YPDで達する最大活性は、YPDmの場合よりもやや高かった。
表5は、YPD培地(定常期培養)における、“UAS1B”断片の4コピーをもつ組込みプラスミドを有したY.lipolytica JM23SB株のβ-ガラクトシダーゼ活性を示している。この培地において、pINA993およびpINA994の活性は、誘導培地(約330u)の場合よりも高かった(約420u)。
したがって、pINA994のハイブリッドプロモーターは、複合YPDm培地(即ち、誘導条件下)において自然XPR2プロモーターで達した場合と同様のレベルで発現を行えるように、古典的富培地YPDまたは規定最少培地で用いることができる。
Figure 0004346681
実施例5:ハイブリッドプロモーターを有するプラスミドのダブルタンデム組込み
実施例1の場合のような物質&方法
pINA994プラスミド(“UAS1B”の4逆方向コピーを有するハイブリッドプロモーター)を有するJM23SB株Y.lipolyticaの組込み形質転換後に、2つの組込株はプラスミドの2コピーのタンデム組込みを有していることがわかった。サザンブロットによるそれらの分析は、図8に示されている。これら組込株のβ-ガラクトシダーゼ活性は測定してみると(表6)、誘導、基本、抑制培地およびYPD培地でpINA994のシングルコピーを有する組込株の場合のおよそ2倍であることがわかった。これらの結果は、最良プロモーターを有するプラスミドの数コピーの組込みが異種タンパク質の発現を増加させうることを、明らかに示している。
実施例6:最良プロモーターを有する複製Yarrowia lipolyticaプラスミド
他で指摘のないかぎり、実施例1の場合のような物質&方法
自律複製プラスミドについて実施例4に記載されたハイブリッドプロモーターを試験するために、Y.lipolytica ARS68をpINA993およびpINA994(“UAS1B”の4同方向および4逆方向コピーを各々有する)とリポータープラスミドpINA781(LEU2 TATAボックス)に挿入した。ARS68配列は、フランス特許88-00973とFournier et al.(1991)で以前に記載されていた。以下の複製プラスミドを図9に記載したように(E.coli DK1株を用いて;Raleigh et al.1989)構築した:
-ARS68の挿入によりpINA781から誘導されたpINA1053
-ARS68の挿入によりpINA993から誘導されたpINA1054
-ARS68の挿入によりpINA994から誘導されたpINA1055
pINA1053、1054および1055からのプラスミドDNAを、Fournier et al.(1993)で以前に記載されたように、Y.lipolytica JM23SB株中にエレクトロポレーションした。形質転換効率は表7に示しているが、複製pINA752プラスミド(pBR322中にARS68およびLEU2遺伝子、Fournier et al.1993)で得られた場合と同様であった。形質転換株は、予想されたように、コントロール組込みプラスミド(直鎖化しているか、またはそうではない)をエレクトロポレーションしたときに得られなかった(理由不明ながら、プラスミドがエレクトロポレーション後にY.lipolytica中に組み込めないためである-Fournier et al.1993)。これは、すべてのコンストラクトがY.lipolyticaで効率的に複製したことを示唆している。いくつかの独立した形質転換株を最少培地プレートで選択して、更に分析した。
各構築の2形質転換株を非選択完全培地(YPD)でプラスミドの喪失について(Fournier et al.1991にわずかな修正を加えて)試験した:完全培地を5.105細胞/mlで接種し、28℃で6 1/2時間インキュベートした。細胞を完全培地上にプレーティングして、その後最少(YNBN5000)および完全培地プレートで複製させた。これら2つのレプリカプレートは、非選択条件下でプラスミド含有Leu+細胞の%を調べるために比較した。結果は表8に示されている。非選択培地で3〜4世代後、培養物中におけるLeu+細胞の割合は、pINA1053、1054または1055を有する2つの形質転換株とpINA752の場合とで同様、即ち60〜70%の範囲であった。これは、これらの発現プラスミドがいかなる検出可能な選択上の欠点も形質転換株に付与していないことを示している。
Figure 0004346681
これらの試験では、pINA1053、1054および1055プラスミドが完全機能性ARS68を含んで、pINA752に類似して挙動する複製プラスミドであることも確認できた。
pINA1053、1054または1055プラスミドで形質転換されたJM23SB株からプラスミドおよびゲノムDNAを以前に記載されたように抽出して(Hoffman and Winston,1987)、E.coli DK1株を形質転換するために用いた(Raleigh et al.,1989)。この“レスキュー”実験では多数のアンピシリン耐性形質転換株を得ることができ、これらのうちいくつかを更に分析した。レスキューされたプラスミドにおける再配列の不在は、BamHI(1659〜6937bp範囲の3つのDNA断片を与える)およびEcoRV(273〜4829bp範囲の6つのDNA断片を与える)制限切断物を用いてチェックした。レスキューされたpINA1053、1054および1055プラスミドは、自然のもの(データ示さず)と同様の制限パターンを示すことがわかった。ハイブリッドプロモーターの領域は、2つのフランキングオリゴヌクレオチド(図3の説明のところに記載された“LB”と、図11の説明のところに記載された“PBR”)を関与させたPCR反応で更に正確に分析した。各場合において、予想サイズの唯一のバンドが得られ(データ示さず)、この領域が酵母で継代中に再配列されなかったことを示している(特に、“UAS1B”の4コピーはレスキューされたpINA1054および1055に保存されていた)。
ARS含有プラスミドを有する株のβ-ガラクトシダーゼ活性は、異なる形質転換株について、最少培地(MMAm)中の定常期培養物で測定した。並行して、同培養物の一部を前定常期に採取して、上記のような選択条件下において培養物中でプラスミドを有する細胞の%を調べるために用いた。これらの値は、β-ガラクトシダーゼ試験の結果と共に、表9に示されている。
値は各プラスミドについて形質転換株間でわずかに異なるが、その差異は独立した培養物間で通常観察される範囲内にある。pINA1053の平均値(53u)は、pINA781で以前に観察された値よりも2.5倍高く、プロトトロフの平均%は78%である。逆に、pINA1054(216u)およびpINA1055(185u)の平均値は、pINA993および994で各々以前に観察された値、各々256および187uと同程度の大きさであり、プロトトロフの平均%は双方の場合で82〜83%である。最良プロモーターを有した複製プラスミドは、対応組込みプラスミドよりも高い発現レベルを発揮していないようである。
Figure 0004346681
上記形質転換株の一部は、以前に記載されたように(Fournier et al.,1991)、選択培地で複製プラスミドのコピー数を調べるために分析した。プラスミドおよびゲノムDNAを抽出し、ClaIおよびSalI制限酵素で切断して、プラスミドから7.8KbのLEU2含有DNA断片およびゲノムから5.3Kbの断片を得た。これらのサンプルは、32P標識LEU2プロモータープローブを用いて、サザンブロットにより分析した(データ示さず)。“Adobe Fotoshop”および“NIH Image”ソフトウェアを各々用いて、オートラジオグラフィーを走査および定量した。プラスミドLEU2バンドの標識とゲノムLEU2バンドの標識との比率を調べた(表10)。それは、選択条件下における、細胞当たりの複製プラスミドの平均コピー数に相当する。
この平均コピー数は、pINA1053の場合で約0.8〜0.9、pINA1054および1055の場合で約0.7〜1.0であった。それは、選択培地中で複製プラスミドを有する細胞の%に大体相当する(即ち、表9に示されたように、各々78%、78〜88%および80〜87%)。これは、1コピーだけのpINA1053、1054および1055プラスミドがJM23SBプラスミド含有細胞当たりに存在していたことを示す。
Y.lipolyticaでARSの動原体関与度から予想される、この低コピー数(Fournier et al.,1993参照)は、ハイブリッドプロモーターにより指示される発現を増加させない。それにもかかわらず、最良プロモーターを有した複製プラスミドは、対応組込みベクターで観察される場合と同様に、選択最少培地で強い発現を行うことができる。それらは、高レベルの異種タンパク質を得るために、どんなleu2−Y.lipolytica株でも用いることができる手段である。
Figure 0004346681
実施例7:他のY.lipolytica遺伝子のものによる、ハイブリッドプロモーターからのLEU2 TATAボックスの置換
実施例1の場合のような物質&方法
pINA993および994からのハイブリッドプロモーターに存在するLEU2 TATAボックス(実施例4)がこれらプラスミドの性質を変えることなく置換できるかどうかを調べるために、我々はPHO2遺伝子のTATAボックスまたはXPR2遺伝子自体のものを用いるように選択した。下記プラスミドを構築した(図10参照)。
-pINA1056:pINA781と類似、但しLEU2からのTATAボックスおよびATG領域がY.lipolytica PHO2遺伝子からのもので置き換えられている
-pINA1059:pINA795(“UAS1B”の1同方向コピー)と類似、同様の修飾を有している
-pINAl057:pINA993(“UAS1B”の4同方向コピー)と類似、同様の修飾を有している
-pINA1058:pINA994(“UAS1B”の4逆方向コピー)と類似、同様の修飾を有している
-pINA1204:pINA781と類似、但しLEU2からのTATAボックスおよびATG領域がY.lipolytica XPR2遺伝子からのもので置き換えられている
-pINA1207:pINA795(“UAS1B”の1同方向コピー)と類似、同様の修飾を有している
-pINA1205:pINA993(“UAS1B”の4同方向コピー)と類似、同様の修飾を有している
-pINA1206:pINA994(“UAS1B”の4逆方向コピー)と類似、同様の修飾を有している
PHO2遺伝子のTATAボックスをベースにしたハイブリッドプロモーターをもつ組込みプラスミドを有したJM23SB株のβ-ガラクトシダーゼ活性は、表11に示されている。Y.lipolytica自然PHO2プロモーターは、低リン酸培地で誘導される(Treton et al.,1992)。しかしながら、隣接260bpに縮小されたPHO2プロモーター(TATAボックス、2つのCTに富むボックスおよびCAAT様ボックスを留めている)は、この調節を免れて、ほとんど構成的であることが示され、YPD培地だともっと高い活性が観察された(Treton et al.,1992)。そのため、我々はYPD富培地のみでPHO2プロモーターのもっと小さな断片(隣接116bp)をベースにした我々のコンストラクトを試験するように選択した。
最小LEU2プロモーターにより指示されるβ-ガラクトシダーゼ活性は非常に低かった。“UAS1B”断片の1または4コピーの付加は活性を高めたが、低レベルに留まった(4コピーで約8u)。
Figure 0004346681
我々の結果を自然PHO2プロモーターで得られた場合と比較するために、我々はlacZ遺伝子へのPHO2プロモーターの翻訳融合を有したp3L4/61YLプラスミドのβ-ガラクトシダーゼ活性を測定した(Treton et al.,1992および図10)。このプラスミドを、(組込みpINA300′の不在と、野生型XPR2遺伝子の存在以外は)JM23SBと同遺伝子型のY.lipolytica株、JM12(Treton et al.,1992)のゲノム中に組み込んだ。自然PHO2プロモーターで得られる活性は非常に低かった(1.65u)。このため、4つのUAS1Bコピーを有するPHO2ベースハイブリッドプロモーターは、弱いけれども、自然PHO2プロモーターよりかなり効率的であった。
XPR2 TATAボックスをベースにしたハイブリッドプロモーターをもつ組込みプラスミドを有するJM23SB株のβ-ガラクトシダーゼ活性は、表12に示されている。試験されたすべての培地において、最小XPR2プロモーターの活性は非常に低く、“UAS1B”断片の付加でかなり高められた。“UAS1B”の4コピーを有するハイブリッドプロモーターは、自然XPR2プロモーターで得られるレベルの3倍以上である1050uで、YPDm誘導培地において非常に高レベルの発現を示すことができた。これは、YPDm培地において、最小XPR2プロモーターのみで得られるレベルと比較して、4000倍の増加を示す。その増加は、“UAS1B”のシングルコピーの付加だと、約40倍であった。
“UAS1B”の4コピーの場合だと、富YPD培地での活性も非常に高かった(約680〜690u)。
しかしながら、抑制MMAm培地における“UAS1B”の4コピーを有したハイブリッドプロモーターの発現のレベルは、数分の一の、だいたい150uと低かった。この培地では、最小XPR2プロモーターも誘導培地の場合より10倍低い活性を示した。XPR2 TATAボックスの12bp上流と、このボックスとATGとの間の58bpだけが保存されていたが(公知の調節配列と相同性を何も示さない)、最小XPR2プロモーターは炭素および/または窒素源による抑制に感受的であるようだ。“UAS1B”断片の付加は抑制MMAm培地での発現を強く高めたが(1コピーで約10倍および4コピーで6000倍以内)、この増加は非常に高レベルの発現を促進するために十分でなかった。
完全XPR2プロモーターを通常“抑制する”YPDm(pH4.0)培地だと、最小XPR2プロモーターは誘導および富培地よりもやや高い発現レベルを示した。1“UAS1B”コピーのハイブリッドプロモーターにより示される活性は、誘導および富培地よりも3倍高かった。逆に、4“UAS1B”コピーのハイブリッドプロモーターによりpH4.0でYPDmにおいて示される活性は、非常に高いけれども(690〜730u、2000倍の増加に相当する)、pH6.8だとそれよりやや劣っていた。
結論として、pINA1205および1206のハイブリッドプロモーターにより示される発現のレベルは興味あるが、YPDm(pH6.8)誘導およびMMAm抑制培地だと活性間に6〜8倍の差異が観察される。これらのハイブリッドプロモーターは一部の調節要素を留めていたが、最小LEU2プロモーターをベースにした場合と対照的に、構成的でない。
これらの結果は、特定のTATAボックスの選択が、得られるハイブリッドプロモーターの性質にとり非常に重要であることを示している:試験されたものの中では、LEU2最小プロモーターのみが強い構成性の最良プロモーターの構築を行えた。
実施例8:ハイブリッドプロモーターにより指示される牛キモシン前駆体の発現および分泌
他で指摘のないかぎり、実施例1の場合のような物質&方法
実施例4に記載されたハイブリッドプロモーターは、食品工業で汎用されるタンパク質、牛キモシンをコードするプロレニンA対立遺伝子を発現させるために用いた。この酵素はチモーゲン前駆体(プロキモシンまたはプロレニン)として発現され、低pHで自己開裂により自触的に活性化される。プロレニンがY.lipolyticaで発現されて、培地に効率的に分泌されることは、XPR2遺伝子の分泌シグナルを用いることで、Franke et al.(1988)により以前に示されていた。S.cerevisiaeの場合と対照的に、残留キモシン活性は細胞内でみられなかった(Franke et al.,1988;Nicaud et al.,1991)。Y.lipolytica培養物で分泌されたプロレニンはグリコシル化されなかったが、その遺伝子のアミノ酸配列は2つのトリペプチド推定グリコシル化シグナルを含んでいた(EP220864参照)。我々は、pINA781(最小LEU2プロモーター)、pINA993(同上+“UAS1B”の4同方向コピー)およびpINA994(同上+“UAS1B”の4逆方向コピー)からのハイブリッドプロモーターと、XPR2遺伝子のプレプロ領域(アルカリプロテアーゼ分泌シグナル:157アミノ酸)と、その後にプロレニンA対立遺伝子cDNA配列との翻訳融合を有するベクターを構築した。これらのうち後者の要素はpLX-34プラスミド(EP220864に記載されている)から得て、図11に記載されたように下記プラスミドを構築するために用いた:
-pINA1208(pINA781からのプロモーター:XPR2プレプロ領域:プロレニン)
-pINA1209(pINA993からのプロモーター:XPR2プレプロ領域:プロレニン)
-pINA1210(pINA994からのプロモーター:XPR2プレプロ領域:プロレニン)
我々の結果を自然XPR2プロモーターで得られた場合と比較するために、我々は、上記ベクターと類似しているが、ハイブリッドプロモーターの代わりにpINA354からのXPR2プロモーターを有しているpINA1214プラスミドを構築した。このプラスミドは、下記からなる3断片結合で得た:
-プロレニン遺伝子に融合された、pBR322配列、LEU2遺伝子およびXPR2プレプロ領域の下流部分を有した、pINA1208からの6650bp NotI-部分的SauI DNA断片(図11参照)
-XPR2プロモーターの上流部分を有した、pINA354からの2618bp NotI-ApaI DNA断片(図4参照)
-マトリックスとしてpINA303(図5参照)と、2つのオリゴヌクレオチド“LB”および“XPR”(図3および11の説明のところで各々記載されている)を用いて合成された、568bp PCR断片の切断から得られる、148bp ApaI-SauI DNA断片。その切断された断片は、XPR2プロモーターの下流部分と、XPR2プレプロ領域の上流部分を含んでいる。
pINA1214は自然XPR2プロモーターとプレプロ領域を含んでいる;プレプロ領域およびプロレニン遺伝子との翻訳融合は、pINA1208〜1210の場合と同様である(図11に示されている)。上記コンストラクトは、Yarrowia lipolytica JM23SB株を形質転換するために用いた(NotI切断で指示される、pBRプラットフォームでの組込み)。
我々の結果を自然LEU2プロモーターで得られた場合と比較するために、我々はpLX-34プラスミドを用いた(EP220864および図11)。pBRプラットフォームにおける、JM23SBゲノム中へのこのベクターの組込みを、NdeI切断により指示させた(NotI部位はpLX-34のpBR配列に不在であるため)。
いくつかの形質転換株の培養上澄を、Franke et al.(1988)の方法に修正を加えて、凝乳活性についてアッセイした。簡単に言うと、そのアッセイは、微量滴定プラークにおいて、活性化培養上澄のどの程度の希釈倍率だと所定時間で緩衝化スキムミルクを凝固させるために十分なレニン活性を留めているかを調べることにある。その結果は、精製レニン標準の希釈で得られた場合と比較した。培養は、23℃において、YPD培地で24〜48時間、またはMMAm培地で24〜72時間行った。上澄は0.25N HCl(pH2)の存在下25℃で1時間活性化させた。活性化上澄と、同培地の連続2倍希釈物100μlに、スキムミルク(Difco、42mM酢酸ナトリウム、14mM塩化カルシウム中12%、pH6.3)100μlを加え、微量滴定プラークをYPDの場合だと15分間、MMAm培養上澄の場合だと2時間にわたり37℃でインキュベートした。プロレニン標準はSigmaから購入した。YPDまたはMMAm培地中10mg/l溶液を上記のように活性化した;キモシン活性の定量を行うために、同培地の連続2倍希釈物100μlも活性化上澄と並行して試験した。MMAmサンプルの滴定中に、精製アセチル化BSA100μg/mlは、微量滴定プラークでレニン吸着を妨げてその活性を安定化させるために加えた。
結果は表13に示されている。
Figure 0004346681
pINA1210(4逆方向“UAS1B”コピー)のハイブリッドプロモーターにより得られた分泌レニン活性は高かった:YPDで40時間の培養後に約7.5mg/lおよびMMAm培地で48時間の培養後に10mg/l。定常期中にこれらの培地で達したOD600は各々約20および約12であり、pINA1210により得られたOD単位当たりの分泌レニン活性は、YPD培地で0.37mg/l×OD600、MMAm培地で0.83mg/l×OD600であった。pINA1209(4同方向“UAS1B”コピー)のハイブリッドプロモーターにより得られた活性は、双方の培地において、試験された異なる培養時間のとき同様であった。
分泌レニン活性は長い培養時間(YPD培地で40〜48時間、MMAm培地で62時間)後に減少したが、これはおそらく細胞内タンパク質分解活性の漏出のせいによるプロレニンの部分的分解を示唆している。
YPDで32時間の培養後、最良プロモーター(pINA1209および1210)による活性は、最小LEU2プロモーターからの場合(pINA1208の活性はすべての培養時間で検出不能のままであった)よりも12倍以上高く、自然XPR2プロモーターからの場合(pINA1214)よりも3倍高く、自然LEU2プロモーターからの場合(pLX-34)よりも6倍高かった。MMAmで48時間後、pINA1210のハイブリッドプロモーターによる活性は、最小LEU2プロモーターからの場合(すべての培養時間で検出不能)よりも10倍以上高く、自然XPR2プロモーターからの場合(すべての培養時間で検出不能)よりも8倍以上高く、自然LEU2プロモーターからの場合よりも2倍高かった。
ハイブリッドプロモーターおよび自然XPR2プロモーターによる測定レニン活性は、β-ガラクトシダーゼ活性に関する我々の先の観察とは逆に、MMAm培地よりもYPDで高くなかった(実施例4参照)。この結果はおそらくYPD培地でレニン活性の人為的過少評価のためであろう:実際に、用いられたY.lipolytica株、JM23SBは(酸細胞外プロテアーゼについてコードする)野生型AXP遺伝子を有している。このプロテアーゼはpH6(未緩衝化YPD培地の大体のpH)で一部活性であり、その最大活性(pH4)の約1/4に留まることが示されたが、pH6.8の活性は無視しうるほどであった(Yamada and Ogrydziak,1983)。AXP遺伝子はpH6で発現されることが最近示された(Cordero-Otero and Gaillardin,1996)。したがって、このプロテアーゼはYPD培地で測定されたレニン活性のレベルを低下させるのに関与している:その活性は不活化AXP遺伝子を有する株だとおそらく高いであろう。
我々は、限られた数の培養条件だけが試験され、ここで報告されたレベルが培養の条件と生産株の遺伝的背景とを最良にすることでおそらく有意に高められるだろう、ということを強調したい。
JM23SBおよび一部の組込株(pINA1208、1210、1214またはpLX-34を有する)の培養上澄をウエスタンブロットで分析した。YPD培地で40時間またはMMAm培地で48時間にわたり28℃で増殖させた培養物10mlからの上澄を、以前に記載されたように(Sambrook et al.,1989)、トリクロロ酢酸で沈降させ、変性アクリルアミドゲルにのせた。同様に、23℃においてMMAmで増殖させた48時間または62時間培養物からの上澄1mlを凍結乾燥により濃縮して、変性アクリルアミドゲルにのせた。電気泳動後、ゲルを(Sambrook et al.,1989に記載されたように)ニトロセルロース膜に移し、ウエスタンブロットを、最初にレニンに対するポリクローナルウサギ抗体(C.Strick,Pfizer Co.供給)と、その後でアルカリホスファターゼと複合化されたヤギ抗ウサギIgG(Promegaから購入、業者の説明に従い使用)とのインキュベートにより現した。
TCA沈降および凍結乾燥双方のサンプルの場合において、プロレニン標準コントロールと同時移動する約40kDの単一バンドが、YPDまたはMMAm培地で増殖させたpINA1210(4逆方向“UAS1B”コピーを有するハイブリッドプロモーター)を有する組込株で観察された(データ示さず)。それは、MMAm培地で増殖されたときではなく、YPD培地で増殖されたときに、pINA1214(自然XPR2プロモーター)を有する組込株でも観察された。逆に、このバンドは、YPDおよびMMAm双方の培地において、JM23SB株とpINA1208(最小LEU2プロモーター)およびpLX-34(自然LEU2プロモーター)を有する組込株からのサンプルで検出不能であった。
我々の結果は、“UAS1B”断片をベースにした最良プロモーターを有するY.lipolytica組込株が、プロレニンAの強い準構成的発現と効率的分泌とを行わせられることを証明している。これらのプロモーターで得られた結果は、富および最少双方の培地で、以前に用いられたXPR2およびLEU2プロモーターの場合よりも明らかに優れている。
参考文献
Figure 0004346681
Figure 0004346681
Figure 0004346681
配列表
配列番号:1(SEQ ID NO:1)
配列の型:核酸
配列の長さ:24
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列
Figure 0004346681
配列番号:2(SEQ ID NO:2)
配列の型:核酸
配列の長さ:8
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列
Figure 0004346681
配列番号:3(SEQ ID NO:3)
配列の型:核酸
配列の長さ:78
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列
Figure 0004346681
配列番号:4(SEQ ID NO:4)
配列の型:核酸
配列の長さ:105
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列
Figure 0004346681

Claims (18)

  1. 配列番号4の配列の少くとも2タンデムコピーからなる、Yarrowiaにおいて機能的な上流活性化配列。
  2. 断片の構築および結合に必要な制限部位および他の要素をさらに含んでなる、請求項1に記載の上流活性化配列。
  3. 配列番号4の配列の4タンデムコピーからなる、請求項1または2に記載の上流活性化配列。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載された上流活性化配列を含んでなり、XPR2プロモーター配列のヌクレオチド−146〜−127により画されたUAS2領域からのデカマーリピートを欠く、Yarrowiaにおいて機能性な組換えプロモーター配列。
  5. Yarrowia lipolyticaにおいて機能的である、請求項に記載の組換えプロモーター配列。
  6. TATAボックスがYarrowia lipolytica遺伝子プロモーターのものである、請求項4または5に記載の組換えプロモーター配列。
  7. TATAボックスがXPR2遺伝子とは異なる遺伝子のものである、請求項4〜6のいずれか一項に記載の組換えプロモーター配列。
  8. 対象遺伝子と作動可能に連結された、請求項4〜7のいずれか一項に記載された組換えプロモーター配列を含んでなる、Yarrowia酵母におけるタンパク質発現用ベクター。
  9. 対象遺伝子がタンパク質をコードしている、請求項に記載のベクター。
  10. 対象遺伝子が該酵母の異種タンパク質をコードしている、請求項8または9に記載のベクター。
  11. 該酵母がYarrowia lipolyticaである、請求項8〜10のいずれか一項に記載のベクター。
  12. 染色体中への挿入を行える配列を更に含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載のベクター。
  13. 複製配列を更に含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載のベクター。
  14. 請求項8〜13のいずれか一項に記載されたベクターで形質転換されたYarrowia lipolyticaである、組換え酵母。
  15. 対象遺伝子と作動的に連結された組換えプロモーター配列が、少くとも1コピーで、酵母の染色体中に組み込まれている、請求項14に記載の組換え酵母。
  16. ベクターが自律複製ベクターとして存在している、請求項14に記載の組換え酵母。
  17. 請求項14〜16のいずれか一項に記載された組換えYarrowia lipolytica細胞を培養する工程を含む、Yarrowia lipolyticaにおけるタンパク質生産法。
  18. i)請求項8〜13のいずれか一項に記載されたベクターをYarrowia lipolytica中に導入し、
    ii)ペプトンを実質上欠いた培地においてi)で得られた上記Yarrowia lipolyticaを培養し、そして
    iii)上記異種タンパク質を回収する
    工程を含む、異種タンパク質を生産するための方法。
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