(第1実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態(以下、本実施形態1と記載する。)につき図面に沿って説明する。
本実施形態1は、ある時限内における負荷機器全体の消費電力量を予測するのに、従来と異なり、主だった負荷機器の動作状態とその時の負荷機器全体の消費電力量、およびその時の時間情報等が関連付けられた履歴が格納された情報テーブルを用いる。主だった負荷機器は、例えば電力消費量の大きいショーケースや空調機などである。もし予測消費電力量が残りの時限内において使用可能な電力量を上回る場合には、例えば、任意の空調機の室外機を停止させる、さらには空調機全体の動作を停止させる等の制御によって、消費電力量を削減するものである。これは、空調機の室外機を停止させても送風動作だけで屋内の快適さは十分確保できるからである。また、空調機全体の動作を停止させても、多少の時間では屋内の快適さ欠落を人には感じられにくく、影響が小さいからである。
図2に、本実施形態1に係るデマンド制御装置および負荷機器の接続構成図を示す。
図2を参照して、11は電力系統につながる負荷機器全体の電力量を計測する電力メータ、12はデマンド制御装置である店舗コントローラ、13は照明、14は任意のその他の負荷機器、15はショーケース冷却用の冷凍機、16は単数又は複数台のショーケース、17は空調機、18はその室外機、19は冷媒配管である。
なお、同図では、電力メータ11ないし室外機18と電源線および通信網によって一つの電力制御系が構成され、店舗コントローラにてデマンド制御が行われる。この電力制御系は特許請求の範囲における「対象ユニット」又は「電力監視ユニット」に相当するものである。
各々の負荷機器には、図に示すように、店舗コントローラ12と通信網で接続される負荷機器側のコントローラが接続されており、各コントローラは接続される機器の設定、制御を行う。これらの設定、制御は店舗コントローラ12からの指令に応じてなされるものであるが、各機器側でも手動で設定、制御が行える。また、コントローラは接続される機器の動作状態も収集しており、店舗コントローラ12が必要に応じてそれらのデータを読み込む。店舗コントローラ12は、上記の動作以外に、電力メータから任意のタイミングで、当該タイミングにおける電力量を読み込む動作も行う。なお、店舗コントローラ12はインターネット網に接続可能であり、管理者が遠隔操作で、店舗コントローラや機器の設定、制御、監視、計測、管理等を行うことが可能である。
なお、1台の冷凍機15と単数又は複数台のショーケース16は冷却系統の接続で1組となる。図2中には1組しか図示されていないが、これらは複数組存在してもよく、本実施形態1では複数組存在する。空調機17と室外機18の組も、図2中には一組しか図示されていないが、複数組存在している。
さて、冷却系統の接続とは、1台の冷凍機15と単数又は複数台のショーケース16が、同一の冷媒配管19で接続されているもので、各ショーケースには電磁弁が付いており、流れる冷媒の量が任意の開度で制御可能となっている。これによりショーケース側の制御で冷却用冷媒の取入れ量が調節され、冷却具合が調節される。
冷凍機15は、ショーケース16での冷却動作のために使用されるので、ショーケース16での冷却動作と連動して動作するが、ショーケース16から直接ON/OFFの制御を受けるのではない。冷凍機15は全てのショーケースに対する電磁弁が閉じられたときにOFF状態となる。つまり、全ショーケース16が電磁弁を閉じた場合に冷凍機15は動作を停止するのであり、一台でもショーケース16が動作していれば、冷凍機15は動作を継続する。
なお、ショーケース16は冷却動作の間に霜取り(デフロスト)と呼ばれる動作を行う。すなわち、陳列棚に配管されている冷却管(熱交換器、蒸発器)に霜が成長してきて、この霜により冷却性能が低下することが知られている。よって、この霜を除去する必要があるため、霜取り動作を行う。この場合には、霜取りのため、ショーケース16は電磁弁を閉じ、霜取りヒーターをONにする。なお、霜を除去できたと考えられる規定の時間だけ霜取り動作を行った後は、霜取りヒーターをOFFにして、再び電磁弁を開いて急速冷却を行い、冷却動作を再開する。
なお、この急速冷却が電力量消費のピーク発生の要因の一つとなっている。各ショーケースにおける霜取り動作はあらかじめスケジューリングされており、毎日ほぼ同じ時間帯に霜取り動作が行われているが、多数のショーケースの消費電力のピークが重ならないよう霜取り時間の分散化が考慮されている。スケジューリングは店舗コントローラ12又はショーケース16のコントローラから設定される。
なお、各ショーケース16の挙動は、その個体差、ショーケース周りの環境および冷却物の違いにより一定でなく、ショーケース16が多数同時に使用されている場合は、それら全体の電力消費の特性把握は極めて困難である。すなわち、理論計算により複数のショーケース16の消費電力量を高い精度で予測するには、前述の個体差など様々な要因が加味されなければならず、極めて複雑な計算を要する。なお、上記の様々な要因には空調の影響も含まれ、ショーケースにおける商品の冷却に空調の影響は少なからぬ影響を及ぼしており、画一的な計算では対応できない。
そこで、本実施形態1では、消費電力の予測に理論計算値を用いずに、例えば電力消費量の大きいショーケースや空調機などの主だった負荷機器の動作状態の動的な履歴が格納された情報テーブルを用いる。この場合は、理論計算が不要な上、個別に具体的な状況に応じた予測が可能となる。
以下において、本実施形態1における店舗コントローラ12での消費電力量予測の仕方、負荷機器の制御の仕方について述べる。
図3に店舗コントローラ12の機能ブロック図を示す。図3を参照して、21は電力メータ11から電力量データを入手する電力量取得部、22は時計など時間管理を行うためのタイマー、23は店舗コントローラ12の各部の制御、処理等を行うCPU、24はメモリ、ストレージ等の記憶部、25は各負荷機器のコントローラと通信を行う通信部、26は通信部25を通じて各負荷機器の制御、データ収集等を行う機器制御部、27は店舗コントローラ12の設定等を行うための入力部、28は店舗コントローラ12の設定等の際に使用する液晶画面などの表示部である。
店舗コントローラ12は予測動作の際に以下に示すような動作を行う。
店舗コントローラ12は現在の使用可能な電力量を算出するため、電力量取得部21を通じて電力メータ11から電力量データを入手する。この値と契約電力量から使用可能な電力量を算出する。
次に、店舗コントローラ12は今後の消費電力量を予測する。そのために、機器制御部26、通信部25を通じて各負荷機器のコントローラと通信を行い、現在の各機器の設定や動作状態を入手する。なお、各機器の設定は、店舗コントローラ12からなされたものであるが、直接各機器において手動で設定変更を行っている可能性もありうるので、動作状態入手を行うことで最新の設定を把握する。
ここで得られた現在の各機器の設定、状態をもとに、機器制御部26は記憶部24に格納されている情報テーブル上の履歴において(詳細は後述)、一致する履歴部分がないか検索を行い、一致する位置(以下、“履歴位置”と呼ぶ)を特定する。もし、履歴位置が複数特定される場合は、このうち現時点の時刻に最も近い時刻の履歴位置を特定すべき履歴位置として選択する。また、負荷機器の現時点の動作状態に対応する履歴位置が前記情報テーブル上に存在しない場合は、検索動作を終了する。
なお、消費電力量の予測値の算出には、情報テーブル内の実消費電力の値を使用する。すなわち、前記情報テーブル内の、特定された履歴位置から続いて未来方向に向けて取得される実消費電力量を基に、前記予測消費電力量を算出する。なお、負荷機器の現時点の動作状態に対応する履歴位置が前記情報テーブル上に存在しない場合は、前記情報テーブル内に使用できる実消費電力量が存在しないことを示しているので、直前に取得された前記積算実消費電力量と現時点における前記積算実消費電力量の偏差から線形予測により、前記予測消費電力量を算出する。この方法は、図1を参照して説明を行った従来の予測方法と同じである。以上の方法により、主にCPU23が、消費電力量の予測値の算出を行う。
最後に、店舗コントローラ12は消費電力量の予測値をもとに、使用電力量が契約電力量を超過しないか判定を行い、もし予測消費電力量が残りの時限内において使用可能な電力量を上回る場合には、その後の消費電力量を削減するため、特定の機器の動作制限を行う。すなわち、例えば他への影響が比較的少ないと考えられる任意の空調機の室外機の停止、空調機全体の動作停止等の制御を、機器制御部26が通信部25を通じて行う。これによって消費電力量を削減する。なお、それでも消費電力量の削減が達成できないと判断された場合には、店舗コントローラ12はブザーを鳴らすなどの動作を行い、人間に消費電力量の削減が達成できない旨を報知し、人間の判断に任せる。すなわち、人間に対応、判断を委ね、手動によって各機器の動作制限を行い、消費電力量の削減を行うということである。
次に、前述の情報テーブルに関して説明する。
情報テーブルには、主だった負荷機器の動作状態とその時の負荷機器全体の消費電力量、およびその時の時間情報等が関連付けられた履歴が格納されている。主だった負荷機器は、例えば電力消費量の大きいショーケースや空調機などである。図4に本実施形態1における情報テーブルの模式図を示す。
図4を参照して、一番左の列が当該テーブルに格納されている項目であり、その右隣の列が一番最初に格納された各項目の内容で、各機器の動作状態や電力量などである。本実施形態1では、1分毎にテーブルの右方へ向けて履歴が追加されていく。前述の履歴位置特定においては時間軸方向に検索を行うものであるので、履歴位置とは何れかの時間の列の位置を表すことになる。なお、情報テーブルは、例えば10日分の履歴を有する。
一番上の行は、店舗コントローラ12における時刻であり、タイマー22から得られる値である。
上から2行目は、ショーケース1グループの動作状態を表している。ここで言うグループとは、多数存在するショーケースのうち、同期して動作の設定、制御を受ける集合体の事で、当然動作状態も同期関係にある。つまり、この集合体は前述の冷却系統の接続による1台の冷凍機15と複数台のショーケース16からなる1組の集合体とは異なるものである。なお、テーブル中の動作状態を表す数値のうち、零は動作の切り替わり、すなわち霜取り動作から冷却動作へ、又は冷却動作から霜取り動作への切り替わりを表し、正の値は霜取り動作を行ってからの経過時間を表している。負の値は冷却動作を行ってからの経過時間を表している。
その次の行は、ショーケース1グループの中からの代表する一台のショーケースにおける庫内温度偏差、すなわち「設定温度−庫内温度」の値から決まるレベルを表している。代表する一台のショーケースの選出の仕方は任意であり、レベルは「設定温度−庫内温度」の絶対値が零からある範囲内に収まればaであり、その範囲を超過するが次の範囲内に収まればb、cはさらにその範囲を超過するがまた別の次の範囲内に収まる場合、というように定まるものである。例えば、前記絶対値が零以上1以下ならa、1を超過し2以下ならb、2を超過し3以下ならc、それ以上の場合はdと定義する。
上から4行目から9行目までは、ショーケース2グループないしショーケース4グループに関するものであり、内容はショーケース1の場合と同じである、
上から10行目、11行目は空調機1、2の室外機に関するものであり、室外機が動作しているかすなわちコンプレッサが動作しているかを表すものである。本実施形態1では2台の空調機に関して履歴を格納している。なお、履歴の内容としては室外機の動作のON/OFF以外に空調機の強、中、弱の動作状態を加味してもよい。
その次の行は、その時刻における全体の実消費電力量である。本実施形態1では1分前の実消費電力量との差分値を格納することとしている。この他、その時刻における実消費電力量をそのまま格納するものであってもよい。
情報テーブルの最下の行は、その実消費電力量を後に履歴情報として使用する場合に、使用してよい値であるかどうかを示すフラグである。テーブル中で1の場合は有効(使用可)であることを示す。
消費電力量が有効な値であるかどうかの情報が必要となるのは、例えば、以下のような理由が考えられるからである。すなわち、ある一日だけ実演販売等を行った時間帯があった場合に、電力量消費が平常と異なって増大するが、これは毎日のシーケンシャルな動作とは異なる例外的なケースであるので、後日この値を学習データとして使用すると精度の高い予測が行えるとは考えにくい、すなわち予測値に大きな誤差が生じてしまう可能性が高いと考えられる。
ここで、消費電力量Wが有効とされる場合とは、情報テーブル中の過去10日間におけるその時刻の消費電力量の平均値M、標準偏差σに対して、M−3σ≦W≦M+3σの範囲に収まる場合をいう。この範囲は、正規分布において平均値を中心に99%の標本が含まれる範囲である。なお、電力量が有効な値でない場合はテーブルに格納しなくてもよいが、本実施形態1では時系列的にデータを全てテーブルに格納することとしている。
なお、図4の情報テーブル中の諸項目の値は、便宜的な値を用いており、よって実際の場合の動作を表すものではない。
最後に、図5を参照して、店舗コントローラ12における動作をフローチャートを用いて説明する。なお、本動作では、任意の時間(例えば1分)経過する毎に、消費電力量の予測および該予測値とその時点での消費電力量との和と契約電力量との比較、それに応じた負荷機器制御ならびに情報テーブルの更新処理が行われる。
ステップS101では、電力量取得部21が電力メータ11から現時刻における電力量を取得し、1分前の電力量との差分値を求める。
ステップS102では、ステップS101において取得した電力量の差分値を1分前の積算電力量に加算し、現時点における設定時限(30分)の開始時点からの積算電力量を算出する。なお、積算電力量は設定時限毎にリセットされる。
ステップS103では、タイマー22から時刻に関する情報を入手し、現在時刻が得られる。
ステップS104では、現時点のショーケースの動作状態(霜取り動作/冷却動作)および庫内温度、空調機の室外機動作状態等の各機器の動作状態を通信部25を通じて入手する。
ステップS105では、ステップS104で入手した現時点の各機器の動作状態をもとに、記憶部24に格納されている情報テーブルを参照し、該当する履歴位置が存在するか検索を行い、履歴位置を特定する。その際、前述の有効フラグを参照して検索を行う。
ステップS106では、履歴位置が特定できたかどうかの判定を行う。すなわち、ステップS105で情報テーブル上に該当する履歴位置が特定できていればステップS108へ進み、特定できていなければステップS107へ進む。
ステップS107では、履歴位置が前記情報テーブル上で特定されていない、すなわち、一致する状況の履歴上の値が存在しないので、直前の積算電力量と現在の積算電力量の偏差電力量を用いて線形予測により、現時点から設定時限の終了までの間に消費される消費電力量を予測する。この方法は、図1を参照して説明を行った従来の予測方法と同じである。
ステップS108では、履歴位置を検索した際に、複数の箇所に該当箇所が存在したかどうかの判定を行う。複数箇所該当した場合はステップS110へ進み、1箇所のみ該当した場合はステップS109へ進む。
ステップS109では、情報テーブル中に格納されている実消費電力量を用いて、現時点から設定時限の終了までの間に消費される消費電力量を予測する。具体的には、テーブルにおいて特定された履歴位置以降の、現時点から設定時限の終了までの時間間隔分の電力量の値を加算して予測値とする。
ステップS110では、履歴位置の候補が複数箇所に該当しているので、日付に関わらず過去10日間において現時刻に最も近い履歴位置を選択して特定する。もし、さらにその時刻直近の履歴位置が同時刻で複数存在した場合は、当日又は当日に近い日の履歴位置を選択して特定する。
ステップS111では、ステップS109と同様に、情報テーブル中に格納されている実消費電力量を用いて、現時点から設定時限の終了までの間に消費される消費電力量を予測する。具体的には、テーブルにおいて特定された履歴位置以降の、現時点から設定時限の終了までの時間間隔分の電力量の値を加算して予測値とする。
ステップS112では、契約電力量に対して、積算消費電力量と消費電力量の予測値の和が超過するかどうかの比較を行う。超過することが判明した場合は、各機器の動作の制限・制御を行う。本実施形態1では、具体的には、優先度を参酌して適当数の空調機の室外機を停止させるなどの動作制限を行う。また、空調機室内室外全体の動作停止、さらには全数の空調機を停止させる等の制御を行う。
ステップS113では、現時刻における各機器の動作状態と時刻情報、ステップS101にて取得した電力量との差分値等を履歴情報として情報テーブルに追加する。具体的には、ショーケースの霜取り/冷却経過時間、庫内温度偏差の判定を行い、その結果と電力量との差分値を情報テーブルに追加する。この時、併せて電力量の差分値をもとに有効フラグの設定も行う。
なお、先に述べた、機器制御部26、通信部25を通じて各負荷機器のコントローラから入手した各機器の動作状態と、店舗コントローラ12が設定した動作状態とが異なる場合は、直接機器において手動で設定変更を行ったものであり、毎日のシーケンシャルな動作とは異なる例外的なケースと考えられるので、後日この値を使用することで精度の高い予測が行えることは考えにくい、すなわち予測値に大きな誤差が生じてしまう可能性が高い。よって、情報テーブルにその旨の情報を、例えば識別ビットとして格納するようにしてもよい。この場合には、ステップS105において履歴位置を特定する際、前述の有効フラグとともに識別ビットも参酌して検索を行うことになる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態(以下、本実施形態2と記載する。)につき図面に沿って説明する。
本実施形態2に係るデマンド制御装置および負荷機器の接続構成は、基本的には、
図2に示した本実施形態1のデマンド制御装置および負荷機器の接続構成と同じである。したがって本実施形態2に係るデマンド制御装置、負荷機器の接続構成および負荷機器の説明のうち、本実施形態1と共通する部分の説明を省略する。
本実施形態2に係るデマンド制御装置において、店舗コントローラ12は、デマンド制御を行う所定時限内での負荷機器全体の消費電力量を所定の予測周期毎に予測する。消費電力量を予測するときには、店舗コントローラ12は、主だった負荷機器の過去における動作状態とそのときの負荷機器全体の消費電力量の予測周期毎の増加量の平均値(以下、平均消費電力増加量と記載する。)又は消費電力量の予測周期毎の増加量の最大値(以下、最大消費電力増加量と記載する。)とそのときの時間情報が関連づけられた情報テーブルを用いる。店舗コントローラ12は、所定時限終了までの残り時間が多い場合は、平均消費電力増加量に基づいて負荷機器全体の消費電力量を予測し、残り時間が少ない場合は、最大消費電力増加量に基づいて負荷機器全体の消費電力量を予測する。主だった負荷機器は、例えば電力消費電力量の大きいショーケース、空調機あるいは該空調機の室外機等である。
図2に示すショーケース16は、店舗が閉店しているときには、その庫内照明が消され、冷気を逃がさないようカバーが取り付けられる。これによりショーケース16の熱負荷が軽減する。さらにショーケース16の目標庫内設定温度も変更される。このような閉店中におけるショーケース16の動作状態はNSB(Night Set Back)と呼ばれる。
ショーケース16は、開店中であっても省エネ効果を目的として庫内の照明の照
度が下げられるとともに庫内設定温度が上げられる場合がある。このような開店中
におけるショーケースの動作状態はDSB(Demand Set Back)と呼
ばれる。
ショーケース16の動作状態がNSBあるいはDSBである場合には、ショーケ
ース16による消費電力量は小さくなる。
ショーケース16の動作状態がNSBであるかDSBであるかは、負荷機器全体の消費電力量の予測に少なからず影響を与えるため、本実施形態2では、負荷機器全体の消費電力量を精度よく予測するために、上述のショーケース16の動作状態がNSBであるかDSBであるかを考慮する。
ショーケース16のコントローラは、ショーケース16がNSBであるか、DSBであるかを判定し、店舗コントローラ12へ通知する。
尚、ショーケース16が複数台存在する場合、これら複数台のショーケース16の動作状態がNSBとなるタイミング、DSBとなるタイミングは、通常、ショーケース16全体でほぼ同じになるようにスケジューリングされている。但し、個々のショーケース16で別々にスケジューリングされる場合もある。
ショーケース16は、また、霜取り動作後に、加熱され高温となった庫内温度が所定の設定値となるまで急速冷却を行う。
このようなショーケース16の霜取り動作後の急速冷却は、プルダウン運転と呼ばれる。ショーケース16が複数台存在する場合、これら複数台のショーケース16の大半が一斉にプルダウン運転となった場合には、ショーケース16全てを冷却する冷凍機15の消費電力量が急激にしかも大幅に増加する。
ショーケース16の動作状態がプルダウン運転であるか否かは、負荷機器全体の消費電力量の予測に少なからず影響を与えるため、本実施形態2では、負荷機器全体の消費電力量を精度よく予測するために、ショーケース16の動作状態の一つとして、プルダウン運転を考慮する。
尚、個々のショーケース16が霜取り動作の開始後どのくらい時間が経過してからプルダウン運転となるかは、ショーケース16個々の運転条件に依存するため、事前に把握することはできない。ショーケース16のコントローラは、各ショーケース16の運転パターンを監視しながら各ショーケース16がプルダウン運転であるかどうかを判定し、店舗コントローラ12へ通知する。
空調機17は、暖房、冷房、ドライの3つの動作状態に加えて、店舗内の温度が目標温度に到達後、第4の動作状態(以下、「サーモ」と記載する。)を取ることができる。空調機17のコントローラは、空調機17が上記4つの動作状態のいずれであるかを判定し、店舗コントローラ12へ通知する。
また、空調機17のコントローラは、室外機18がオンであるかオフであるかについても判定し、店舗コントローラ12へ通知する。
ここで、室外機18がオフとは、空調機17が完全に停止している場合であり、それ以外はオンと判断される。
尚、図2では、室外機18に空調機17が1台のみ接続されているが、複数の空調機が接続されている場合もある。
図6に、本実施形態2に係る情報テーブルの模式図を示す。
本実施形態2に係る情報テーブルは、店舗コントローラ12によって予測周期毎に構築される。
情報テーブルは、所定時間毎の時間帯が格納される「時間帯」欄30、ショーケース16の動作状態が格納される「ショーケース全体」欄31、「ショーケースNo.1」欄32、「ショーケースNo.2」欄33、空調機17の動作状態が格納される「空調機」欄34、室外機18の動作状態が格納される「室外機」欄35および負荷機器全体の消費電力量に関連する情報を格納する「消費電力量」欄36から構成される。
「時間帯」欄30には、24時間を所定の時間毎に分割してなした時間帯、例えば図6の情報テーブルには、24時間を2時間毎に分割してなした「0時〜2時」、「2時〜4時」・・・が格納されている。
「ショーケース全体」欄31は、ショーケース16全体がNSBであるかDSBであるかを示す識別情報を格納する「NSB」欄37および「DSB」欄38からなる。ショーケース16全体がNSBである場合は、「NSB」欄37に“ON”、「DSB」欄38に“OFF”が格納されている。
本実施形態2においては、ショーケース16が複数台のショーケースから構成される場合であっても、NSBとDSBの切り替えについてはショーケース16全体で同じタイミングとなるようにスケジューリングされているものとしている。
尚、各ショーケース毎に異なるタイミングでスケジューリングされている場合には、各ショーケース毎に「NSB」欄および「DSB」欄を設けることとなる。
「ショーケースNo.1」欄32および「ショーケースNo.2」欄33には、ショーケース16が複数台、例えば2台のショーケースNo.1(図示せず。)およびショーケースNo.2(図示せず。)から構成されるとした場合に、ショーケースNo.1およびショーケースNo.2それぞれの動作状態が格納される。
具体的には、「ショーケースNo.1」欄32はショーケースNo.1の動作状態が霜取り状態か、プルダウン状態かを示す識別情報を格納するための、「霜取」欄39および「プルダウン」欄40からなる。
ショーケースNo.1の動作状態が霜取り状態である場合には、「霜取」欄39に“ON”が、「プルダウン」欄40に“OFF”が格納される。
ショーケースNo.1の動作状態がプルダウン運転の状態である場合には、「霜取」欄39に“OFF”が、「プルダウン」欄40に“ON”が格納される。
ショーケースNo.1の動作状態が通常の冷却運転である場合には、「霜取」欄39に“OFF”が、「プルダウン」欄40にも“OFF”が格納される。
「ショーケースNo.2」欄33は、「霜取」欄41および「プルダウン」欄42からなり「ショーケースNo.1」欄32の「霜取」欄39および「プルダウン」欄40と同様のルールに従って“ON”、“OFF”が格納される。
「空調機」欄34は、空調機17が冷房、暖房、ドライおよびサーモのうちのいずれの動作状態であるかを示す識別情報を格納するための「冷房」欄43、「暖房」欄44、「ドライ」欄45および「サーモ」欄46からなる。
空調機17が、上記4つの動作状態のいずれか一つである場合には、該状態に対応する欄に“ON”が格納され、それ以外の欄には“OFF”が格納される。尚、空調機17が停止している場合には、「空調機」欄34を構成する全ての欄に“OFF”が格納される。
「室外機」欄35には、室外機18が停止したかどうかを示す識別情報が格納される。
室外機18が停止している場合には、「室外機」欄35に“OFF”が、停止していない場合には、“ON”が格納される。
「消費電力量」欄36は、負荷機器全体の平均消費電力増加量が格納される「平均値」欄47、該平均消費電力増加量を算出した回数が格納される「平均回数」欄48、負荷機器全体の最大消費電力増加量が格納される「最大値」欄49および該最大消費電力増加量が記録された日、時等が格納される「記録日」欄50からなる。
図6に示す情報テーブルにおいて、例えば番号51を付した行では、主だった負荷機器が、
「時間帯」欄30=“0時〜2時”
「ショーケース全体」31の「NSB」欄37=“ON”
「ショーケース全体」31の「DSB」欄38=“OFF”
「ショーケースNo.1」欄32の「霜取」欄39=“OFF”
「ショーケースNo.1」欄32の「プルダウン」欄40=“OFF”
「ショーケースNo.2」欄33の「霜取」欄41=“OFF”
「ショーケースNo.2」欄33の「プルダウン」欄42=“OFF”
「空調機」欄34の「冷房」欄43=“ON”
「空調機」欄34の「暖房」欄44=“OFF”
「空調機」欄34の「ドライ」欄45=“OFF”
「空調機」欄34の「サーモ」欄46=“OFF”
「室外機」欄35=“ON”
となる動作状態パターンをとったことを示している。
番号51を付した行の、
「消費電力量」欄36の「平均値」欄47=1500kw
「消費電力量」欄36の「平均回数」欄48=10回
「消費電力量」欄36の「最大値」欄49=1750kw
「消費電力量」欄36の「記録日」欄50=2005.3.1
より、過去に主だった負荷機器において、上記動作状態パターンと同じ動作状態パターンが10回発生し(「消費電力量」欄36の「平均回数」欄48=10回)、この10回の発生による平均消費電力増加量が1500kw(「消費電力量」欄36の「平均値」欄47=1500kw)であり、最大消費電力増加量が1750kw(「消費電力量」欄36の「最大値」欄49=1750kw)、該最大消費電力増加量を記録した日が2005年3月1日(「消費電力量」欄36の「記録日」欄50=2005.3.1)であることを示している。
尚、後述するように、本実施形態2では、「消費電力量」欄36の「平均回数」欄48に格納される値の上限値が定められており、係る上限値は100回である。
本実施形態2に係るデマンド制御装置は、店舗コントローラ12が、主だった負荷機器の動作状態を学習することにより、情報テーブルを構築し、該情報テーブルに基づいて負荷機器全体の消費電力量を予測する。
まず、店舗コントローラ12による前記情報テーブルの構築の仕方について説明する。
店舗コントローラ12は、所定のタイミングでショーケース16を構成するショーケースNo.1、ショーケースNo.2の各コントローラからショーケースNo1とショーケースNo.2の動作状態を示す識別情報を取得し、空調機17のコントローラから空調機17の動作状態を示す識別情報を取得し、室外機18の動作状態を示す識別情報を取得する。さらに、前記所定のタイミングと同じタイミングで電力メータ11から負荷機器全体の消費電力量を取得する。電力メータ11は、デマンド制御を行う所定時限毎に負荷機器全体の消費電力量の積算を行う。本実施形態2では、デマンド制御を行う所定時限は30分時限であり、電力メータ11は30分時限の0分時点から新たに30分間の消費電力量の積算を開始する。なお、この0分時点のタイミングは電力会社が電力料金計算用に利用する電力量計のタイマーに同期させる必要があり、本実施形態2では、かかる調整はあらかじめなされているものとする。
店舗コントローラ12は、取得したショーケースNo.1、ショーケースNo.2、空調機17、室外機18の動作状態を示す識別情報および該識別情報を取得した時刻が属する時間帯からなる主だった負荷機器の動作状態パターンと同じパターンが前記情報テーブルに存在するか否かを検索する。検索の結果、前記動作状態パターンが前記情報テーブルに存在する場合には、前記情報テーブルにおける前記動作状態パターンに対応する「平均値」欄47、「平均回数」欄48、「最大値」欄49および「記録日」欄50を電力メータ11から取得した消費電力量に基づいて更新する。
店舗コントローラ12は、次式(1)の平均値処理により平均消費電力増加量を算出し、「平均値」欄47に格納する。
平均消費電力増加量=(過去に記録された平均消費電力増加量×記録回数+増加量)
/(記録回数+1)・・・(1)
ここで、過去に記録された平均消費電力増加量とは、「平均値」欄47に先に格納されている平均消費電力増加量であり、記録回数とは、平均消費電力増加量の算出がおこなわれた回数であり、増加量とは、今回電力メータ11から取得した負荷機器全体の消費電力量と前回電力メータ11により取得した負荷機器全体の消費電力量との差分である。
尚、店舗コントローラ12は、記録回数が100回に達した場合には、主だった負荷機器の動作状態の学習が一応終了したとして、負荷機器全体の消費電力量予測に該学習の結果を利用する。
また、店舗コントローラ12は、その内蔵記憶装置(図示せず。)に記録回数を記憶するとともに、情報テーブルにおける「平均回数」欄48に格納する。ただし、記録回数が100回に達した後は、「平均回数」欄48の更新を停止する。
最大値処理とは、「最大値」欄48に先に格納されている最大消費電力増加量と今回電力メータ11から取得した消費電力量から算出した増加量とを比較し、該増加量が先に格納されている最大消費電力増加量より大きい場合には、該増加量を最大消費電力増加量として「最大値」欄49に格納し、取得した日を「記録日」欄50に格納する処理をいう。
また、最大値処理では、前記増加量の方が小さい場合であっても、「記録日」欄50に格納されている過去の最大消費電力発生日と今回取得した日付を比較し、過去の最大消費電力増加量発生日から1ヶ月以上経過している場合には、前記増加量によって「最大値」欄49と「記録日」欄50を更新する。尚、この更新にあたっては、新たに算出した平均消費電力増加量と前記増加量とを比較し、大きい方の値で更新するようにする。
取得した動作状態パターンが情報テーブルに存在しない場合は、該情報テーブルに新たに格納領域を増設し、該動作状態パターンを増設した格納領域の該当欄へ格納する。この際、「平均値」欄47および「最大値」欄49には電力メータ11から取得した消費電力量から算出した増加量を格納し、「平均回数」欄48には「1」、「記録日」欄50には、消費電力量を取得した日を格納する。
このようにして、店舗コントローラ12は、主だった負荷機器の動作状態を所定期間毎に学習し、前記情報テーブルを構築する。
店舗コントローラ12は、その内蔵記憶装置(図示せず。)に、前回取得した主だった負荷機器の動作状態パターンを記憶しており、記憶している前回の動作状態パターンと今回取得した動作状態パターンとの間で、「時間帯」欄30以外に相違する箇所がある場合には、予測周期が経過する間に主だった負荷機器の動作状態が変化したものと判断する。この場合は、取得した消費電力量に異なる動作状態の影響が生じているので、取得した動作状態パターンおよび消費電力量は情報テーブルに反映しない。
また、店舗コントローラ12は、主だった負荷機器の動作状態パターンの全てに対応する情報テーブルの格納領域を予め準備するのではなく、新たな動作状態パターンが発生するたびに情報テーブルの格納領域を拡大していく。店舗の環境条件によって発生する動作状態パターンが異なり、可能性はあっても発生しない動作状態パターンも多数ある。よって上述のように新たな動作状態パターンが発生するたびに情報テーブルの格納領域を拡大していくという方法を採用することにより、可能性はあっても実際に発生しない動作状態パターンのための格納領域を削減することができる。
次に、店舗コントローラ12によるデマンド制御のための負荷機器全体の消費電力量の予測の仕方について説明する。
店舗コントローラ12は、予測周期毎に取得した主だった負荷機器の動作状態パターンに基づいて情報テーブルを更新するとともに、該動作状態パターンがデマンド制御を行う30分時限の終了時まで継続するものとして、負荷機器全体の消費電力量を予測する。尚、予測周期は10秒から1分までとするのが一般的であり、本実施形態2では30秒としている。
具体的には、情報テーブル内において、取得した動作状態パターンと同じ動作状態パターンに対応する「平均回数」欄48の値が100かどうかを判断する。「平均回数」欄48の値が100に達していない場合には、当該動作状態パターンについては、学習が十分なされていないと判断し、電力メータ11から取得した負荷機器全体の消費電力量から算出した増加量のみを用いて30分時限終了時の消費電力量を予測する。即ち、店舗コントローラ12は、電力メータ11より取得した負荷機器全体の消費電力量のみから次式(2)に基づいて30分時限終了時における負荷機器全体の予測消費電力量を算出する。
予測消費電力量=(増加量/予測周期)×残り時間+現在までの消費電力量
・・・(2)
ここで、増加量は式(1)における増加量と同じである。残り時間は現時点から30分時限終了時までの残り時間である。現在までの消費電力量は、デマンド制御開始時点から現在までの累積消費電力量である。
例えば、デマンド制御開始から4分30秒経過している場合、増加量は、デマンド制御開始後4分経過時点の消費電力量からデマンド制御開始後4分30秒経過時点の消費電力量の増加量であり、残り時間は1530秒、現在までの消費電力量はデマンド制御開始から4分30秒経過時点までの累積消費電力量となる。
前記動作状態パターンに対応する「平均回数」欄48の回数が100回に達している場合には、当該動作状態パターンに対応する「平均値」欄47あるいは「最大値」欄49の値に基づいて30分時限終了時の消費電力量を予測する。
具体的には、30分時限の終了までの残り時間が多い場合、例えば、残り時間が10分以上である場合には「平均値」欄47に格納されている平均消費電力増加量を読み出し、残り時間が少ない場合、例えば10分未満の場合は「最大値」欄49に格納されている最大消費電力増加量を読み出し、次式(3)に基づいて30分時限終了時点の負荷機器全体の予測消費電力量を算出する。
予測消費電力量=(増加量/予測周期)×残り時間+現在までの消費電力量
・・・(3)
ここで、増加量は、残り時間が10分以上の場合は、平均消費電力増加量、10分未満んである場合には、最大消費電力増加量となる。
残り時間が10分以上である場合には、平均消費電力増加量に基づき式(3)より予測消費電力量を算出する。
残り時間が10分未満の場合は、最大消費電力増加量に基づき予測消費電力量を算出する。
本実施形態2に係るデマンド制御装置では、店舗コントローラ12は、上述した方法で算出した予測消費電力量に基づき、店舗コントローラ12が管理する主だった負荷機器に対し例えば、以下のような制御を行う。
予測消費電力量があらかじめ設定する所定の値よりも大きい場合は、契約電力量を超える可能性があるとして、所定のルールで空調機停止の運転制御を行う。このルールは予め定めておくが、所定値を超える程度に応じて停止する空調機を決めておいてもいいし、停止する空調機の優先順位を決めておいてもいいし、停止する空調機が偏らないように停止する空調機をローテーションする順番を予め決めておく方法でもよい。ショーケース16や冷凍機15を運転停止する方法も考えられるが、ショーケース16の庫内に保存される食料品の保存状態に悪影響を与えることもありうるので、本実施形態2では空調機17を運転停止するものとしている。
また、30分時限の終了までの残り時間が10分より残り時間が多いときは、終了までに余裕があるため、店舗・施設の快適さの維持を重視して、余裕のあるデマンド制御を行う。逆に、10分未満で残り時間が少ない時は、消費電力量が所定値を越えないことを重視し、早めに消費電力量削減となる制御を行う。
図7は、店舗コントローラ12によるデマンド制御動作のフローチャートを示している。
ステップS200では、店舗コントローラ12は、主だった負荷機器の動作状態とこのときの負荷機器全体の消費電力量の学習を行う。即ち、店舗コントローラ12は、予測周期毎に主だった負荷機器の動作状態パターンおよび負荷機器全体の消費電力量を取得し、図6に示す情報テーブルを構築する。
ステップS300では、店舗コントローラ12は、取得した動作状態パターンおよび消費電力量あるいは情報テーブル内の取得した動作状態パターンに対応する平均消費電力増加量又は最大消費電力増加量に基づいて負荷機器全体の予測消費電力量を算出する。
次に、ステップS400では、店舗コントローラ12は、予測消費電力量に基づいて、所定時限内において、契約電力量を超えないように、店舗コントローラ12が管理する負荷機器の運転制御を行う。
店舗コントローラ12は、予測周期毎にステップS200、S300、S400を繰り返す。
図8は、図7に示すフローチャートのうち、ステップS200の学習処理における店舗コントローラ12の詳細動作のフローチャートを示している。
ステップS201では、店舗コントローラ12は、主だった負荷機器から動作状態の識別情報を取得するとともに、電力メータ11から負荷機器全体の消費電力量を取得し、ステップS202へ移行する。
ステップS202では、店舗コントローラ12は、自身の時計機能より、前記識別情報および前記消費電力量を取得した時刻を取得し、ステップS203へ進む。
ステップS203では、取得した時刻が属する時間帯を算出し、ステップS204へ進む。
ステップS204では、情報テーブルを検索し、取得した主だった負荷機器の動作状態および算出した前記時間帯からなる動作状態パターンと同じ動作状態パターンが情報テーブルに存在するかどうかを判断する。同じ動作状態パターンが存在する場合には、ステップS205へ進み、そうでない場合には、ステップS206へ進む。
ステップS205では、情報テーブル内に存在する取得した動作状態パターンと同じ動作状態パターンが存在する行を選択し、ステップS207へ進む。
ステップS206では、情報テーブルに、取得した動作状態パターンおよび消費電力量から算出する値を格納するための領域として新しい行を追加し、前記動作状態パターンを該当欄に格納し、ステップS207へ進む。
ステップS207では、情報テーブル内の選択した行あるいは追加した行の動作状態パターンに対応する負荷機器全体の平均消費電力増加量、平均回数、最大消費電力増加量および最大消費電力増加量が発生した日時を更新する。
図9は、図7に示すフローチャートのうち、ステップS300の消費電力量予測処理における店舗コントローラ12の詳細動作のフローチャートを示している。
ステップS301では、店舗コントローラ12は、主だった負荷機器から動作状態の識別情報を取得するとともに、電力メータ11から負荷機器全体の消費電力量を取得し、ステップS302へ移行する。
ステップS302では、店舗コントローラ12は、自身の時計機能より、前記識別情報および前記消費電力量を取得した時刻を取得し、ステップS303へ進む。
ステップS303では、取得した時刻が属する時間帯を算出し、ステップS304へ進む。
ステップS304では、情報テーブルを検索し、取得した主だった負荷機器の動作状態および算出した前記時間帯からなる動作状態パターンと同じ動作状態パターンが情報テーブルに存在するかどうかを判断する。同じ動作状態パターンが存在する場合には、ステップS305へ進み、そうでない場合には、ステップS306へ進む。
ステップS305では、所定時限終了時までの残り時間が10分以内かどうか判断し、10分以内であればステップS307へ進み、そうでなければステップS308へ進む。
ステップS306では、取得した負荷機器全体の消費電力量から予測周期における消費電力量の増加量を算出しステップS309へ進む。
ステップS307では、情報テーブル内の取得した動作状態パターンと同じ動作状態パターンに対応する最大消費電力増加量を更新し、これを増加量としステップS309へ進む。
ステップS308では、情報テーブル内の取得した動作状態パターンと同じ動作状態パターンに対応する平均消費電力増加量を更新し、これを増加量としステップS309へ進む。
ステップS309では、上記式(2)あるいは(3)に基づいて所定時限終了時における負荷機器全体の予測消費電力量を算出する。
図10は、図7に示すフローチャートのうち、ステップS400のデマンド制御処理における店舗コントローラ12の詳細動作のフローチャートを示している。
ステップS401では、予測消費電力量が電力会社と契約した契約電力量を超えているか否かを判断する。契約電力量を超えている場合には、ステップS402へ進み、そうでなければ処理を終了する。
ステップS402では、空調機17が複数台ある場合には、空調機17全てが停止しているかどうかを判断し、停止している場合には、ステップS403へ進み、そうでなければ、ステップS404へ進む。
ステップS403では、店舗コントローラ12が備える警報ブザー(図示せず。)を鳴らし、店舗管理者等に注意喚起する。
ステップS404では、全ての空調機17を停止する。
以上のように、本実施形態2に係るデマンド制御装置では、店舗コントローラ12は、店舗コントローラ12が管理する主だった負荷機器の動作状態パターン、そのときの負荷機器全体の平均消費電力増加量、最大消費電力増加量、消費電力増加量を学習し、情報テーブルを構築する。
また、店舗コントローラ12は、取得した主だった負荷機器の動作状態パターンに対応する情報テーブル内の平均消費電力増加量又は最大消費電力に基づいて、あるいは取得した負荷機器全体の消費電力量から算出した消費電力増加量に基づいて所定時限終了時における予測消費電力量を算出する。
さらにまた、店舗コントローラ12は、予測消費電力量が契約電力量を超えている場合には、店舗コントローラ12が管理する主だった負荷機器、例えば空調機を停止する。
本実施形態2によると、店舗管理コントローラ12は、店舗における負荷機器すべてを管理および制御するものではない。したがって店舗コントローラ12が管理する主だった負荷機器の動作状態が同一であっても、店舗コントローラ12が管理していない負荷機器の消費電力による影響を受け、負荷機器全体の消費電力量にはバラツキが生じる場合がある。このような場合に、主だった負荷機器の動作状態に基づく負荷機器全体の平均消費電力増加量のみにより30分時限終了時の消費電力量を予測し、これに基づきデマンド制御を行うと、実際の消費電力量が予測消費電力量を超えてしまうことがある。このような場合でも、30分時限終了時までの残り時間が多い場合であれば、予測消費電力量を再度算出し、デマンド制御を修正することにより、30分時限終了時に契約電力量を超えないような制御とすることができるが、30分時限終了時までの残り時間が少ない場合には、予測消費電力量を再度計算し、デマンド制御を修正したとしても、30分時限終了時に契約電力量を超えてしまう虞もある。
本実施形態2では、上述の如く30分時限の終了時までの残り時間が少ない場合には、平均消費電力増加量ではなく最大消費電力増加量を採用して予測消費電力量を算出するため、実際の消費電力量が多少増加したとしても、予測消費電力量を超えることを回避することができる。
また、主だった負荷機器の動作状態と負荷機器全体の消費電力量の関係をばらつかせる原因の一つとして時間帯の影響が考えられる。例えば、ショーケース16あるいは冷凍機15の動作状態や消費電力量は、ショーケース16の庫内への食料品の搬入や来店者数の影響を受けるが、庫内への食料品搬入や来店者数は時間帯に依存する。また、店舗コントローラ12で管理していない他の負荷機器も時間帯に依存している可能性が高い。従って、本実施形態2の如く主だった負荷機器の動作状態を時間帯毎に分類することにより、予測消費電力量を精度よく算出することができる。
また、ショーケースNo.1やショーケースNo.2が霜取り運転となっている場合は、その動作状態パターンに基づいて予測消費電力量を算出しても、予期せぬ時期にプルダウン運転を開始し、このため実施の消費電力量が予測消費電力量を超えてしまうこととなり、デマンド制御での対応が遅れてしまう虞がある。
したがって、本実施形態2において、ショーケースNo.1やショーケースNo.2が霜取り運転となっている場合は、これらがプルダウン運転に変化した場合の動作状態パターンに基づいて算出した予測消費電力量と比較し、プルダウン運転の場合の予測消費電力量の方が大きい場合には、こちらの予測消費電力を採用することとしてもよい。尚、この処理においても、最大消費電力増加量を使用するか、平均消費電力増加量を使用するかは残り時間のルールに従う。
また、本実施形態2では、主だった負荷機器として、ショーケース16、空調機17、室外機18の動作状態を採用したが、このほか、店舗・施設の消費電力量の中で占める割合の大きい照明13やその他機器14を採用することとしてもよい。
また、本実施形態2では、主だった負荷機器の動作状態パターンは時間帯を除いて、個々の運転パターンの二値をONとOFFで示しているが、実際のソフトでは「1」と「0」で表すことになる。すべてオンオフの二値で表すことができるので、ソフトのメモリ上では個々の項目に1ビットを割り当てることしてもよい。これによると、個々の項目に1バイト程度を割り振るよりも、メモリ容量が当然少なくて済む。また、情報テーブル内の動作状態パターンの検索を行う上でも、学習データを容易に扱うことができる。なお、図6では「時間帯」欄30へ格納する時間帯をも0時〜2時のように表現しているが、24時間で時間帯は12あるので0から11までの4ビットで表現することとしてもよい。
(第3実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態(以下、本実施形態3と記載する。)につき図面に沿って説明する。
本実施形態3に係るデマンド制御装置および負荷機器の接続構成は、基本的には、図2に示した本実施形態1のデマンド制御装置および負荷機器の接続構成と同じである。したがって本実施形態3に係るデマンド制御装置、負荷機器の接続構成および負荷機器の説明のうち、本実施形態1と共通する部分の説明を省略する。また、本実施形態3に係る学習処理、予測処理、デマンド制御処理は、基本的には、本実施形態2に示した処理と同じである。したがって本実施形態3に係る上記3つの処理のうち、本実施形態2と共通する部分の説明を省略する。
先述のようにショーケース16は、霜取り動作後に、加熱され高温となった庫内温度が所定の設定値となるまでプルダウン運転を行うが、このプルダウン運転は霜取り動作後の加熱運転と比較してもその消費電力量は大きな値となる。ショーケース16が複数台存在する場合、さらにはこれら複数台のショーケース16の大半が一斉にプルダウン運転となった場合には、冷凍機15の消費電力量が急激に増加する。このように、ショーケース16の動作状態がプルダウン運転であるか否かは、負荷機器全体の消費電力量の予測に少なからず影響を与える。
一方で、個々のショーケース16が霜取り動作の開始後どのくらい時間が経過してからプルダウン運転となるか、どれくらいの時間プルダウン運転が行われるかは、ショーケース16各々の個体差や、各ショーケース16の置かれた環境等に依存するため、事前に把握することはできないうえ、そのばらつきの範囲は膨大である。このことから図6の情報テーブルを作成する場合を考察すると、例えば図8のステップS201で取得した動作状態パターンは、前日の同時間帯と比較しても若干の差異が高い確率で存在しうる。結果、ステップS204でステップS206へ分岐する、すなわち情報テーブルに新しい行が追加されるケースが主となりうる。この結果、情報テーブルの情報量は膨大となり、検索に要する時間や必要なメモリ量が増加する。
そこで、本実施形態3では、上で述べたようなばらつきの影響を排除するため、ショーケースの時系列方向の運転状態をモデル化することでモデル化パターンを作成する。なお、実際における消費電力量への影響を考慮して、負荷機器全体の消費電力量の予測に少なからず影響を与えるプルダウン運転、およびショーケースの霜取り、水切りの各運転に着目してモデル化する(以下、霜取りモデルと呼ぶ)。具体的には、ステップ201で行っていた負荷機器の動作状態を取得する代わりに、霜取り運転のスケジュールを基に、上記モデルを適用して各ショーケースの動作状態をモデル的に作成し(以下、動作状態モデルと呼ぶ)、各ショーケース群が当該動作状態モデルに示されている状態にあるとみなして、その情報を参照する。よって、本実施形態1,2のような、ショーケース16のコントローラから店舗コントローラ12へ通知される、当該ショーケース16がプルダウン運転であるかどうか等の情報を使用することを必要としない。
具体的には、霜取りモデルにおいては、霜取り、水切り、プルダウンの各所要時間を予め設定する。この各設定時間は、実験、計測等により最適な値を前もって決定しておく。本実施形態3では、各々5分、10分、30分である。なお、この設定はショーケース毎に変更してもよい。この霜取りモデルと霜取り運転のスケジュールを使用して各時刻における各ショーケースの動作状態モデルを作成する。この動作状態モデルにより、どのショーケースが何時何分にどの様な状態にあるとみなす事ができるかが決定できる。
動作状態モデルを図11に示す。このテーブルは、図4に示されている本実施形態1における情報テーブルの模式図に相当するものである。縦軸方向が各ショーケース毎の状態を表している。図中の「1」は、ショーケースがその状態にあることを示す。例えば8時2分を例にとると、ショーケース1は霜取り状態に、ショーケース2、3はプルダウン状態にあることを示している。
図12は、本実施形態3における第2テーブルで、本実施形態2における図6に相当するものである。図中の平均値や最大値は、1分間における値である。なお、本実施形態3では図示していないが、このテーブルに、ショーケース以外の各負荷機器、例えば空調機や室外機などの、図3の通信部25を通じて入手した動作状態を含めてもよい。
本実施形態3における第2テーブルでは、説明上からNSB,DSBを使用する場合を省略している。また霜取りモデルでは、ショーケースにおける霜取り後の、氷が融解して発生した水の水切り運転も考慮する。当該情報テーブル中の、各ショーケースの霜取り、水切り、プルダウンの各運転のON/OFFの情報は、先に述べたように、霜取り運転のスケジュールに霜取りモデルを適用して作成された各ショーケースの動作状態モデルに依存する。これについては、後で詳説するフローの説明の中に含める。
図13は、本実施形態3における、店舗コントローラ12によるデマンド制御動作のフローチャートを示している。本実施形態3では、当該フロー中のループ(ステップS200〜S400)は1分毎に実行される。本実施形態3では、30分を単位にデマンド制御を行う例で説明する。そこで、以下では、開始時刻から30分後を最終時限、当該30分内における現在時刻のタイミングを現在時限(0〜29分の範囲となる)と呼ぶ。なお、本実施形態2の図7の場合と比べて、ステップS500が追加されている。
ステップS500では、店舗コントローラ12に設定されている霜取り運転スケジュールを読み出す。これに霜取りモデルを適用して先に述べた動作状態モデルを作成しておく。
図14は、図13に示すフローチャートのうち、ステップS200の学習処理における店舗コントローラ12の詳細動作のフローチャートを示している。本実施形態2の図8の場合と比べて、ステップS201が行われない。これは、先述のように、本実施形態3では負荷機器の動作状態を取得することを必要としないからである。また、図8の場合と比べて、ステップS210〜S212が追加されている。これらについて以下で詳説する。
ステップS210では、ステップS500で作成された動作状態モデルから、現在のショーケースの運転状態を抽出する。
ステップS211では、電力メータ11から現在の負荷機器全体の消費電力量を取得する。
ステップS212では、ステップS210、ステップS211で得られた情報をメモリへ格納する(このデータを第1テーブルと呼ぶ。図示せず。)。なお、本実施形態3では用いないが、この第1テーブルに、ショーケース以外の各負荷機器、例えば空調機や室外機などの、図3の通信部25を通じて入手した動作状態を含めてもよい。
ステップS213〜S215では、本実施形態2のステップS204〜S206に準じ、第2テーブルに同じデータが存在しているか確認し、第2テーブルに動作状態パターンおよび消費電力量から算出する値を記録するための領域として新しい行を追加して格納するか、第2テーブル内に存在する取得した動作状態パターンと同じ動作状態パターンが存在する行(既存行)を更新する対象として選択するか、を決定する。
ステップS216では、本実施形態2のステップS207に準じ、動作状態パターンとそれに対応する負荷機器全体の平均消費電力増加量、平均回数、最大消費電力増加量および最大消費電力増加量が発生した日時を、時間帯毎に格納する第2テーブルを更新する。具体的には、情報テーブル内における上述の追加行あるいは選択行に、対応する負荷機器全体の平均消費電力増加量、平均回数、最大消費電力増加量および最大消費電力増加量が発生した日時を、格納する。第2テーブルは図8のステップS207で作成される情報テーブルに相当するものであるが、本実施形態2と比べその構成要素は異なる(図11参照)。
なお、当該ステップS216は2時間毎に実行され、当該2時間分の第2テーブルの更新を行う。当該更新のタイミングは、例えば8時ジャスト、10時ジャスト等である。
図15は、図13に示すフローチャートのうち、ステップS300の消費電力量予測処理における店舗コントローラ12の詳細動作のフローチャートを示している。本実施形態2の図9の場合と比べて、ステップS301が行われない。これは、先述のように、本実施形態3では負荷機器の動作状態を取得することを必要としないからである。また、図8の場合と比べて、ステップS310〜S312、およびステップS317、S318が追加されている。なお、ステップS313〜S316は、本実施形態2のステップS306〜S309に準ずるものである。これらについて以下で詳説する。
ステップS310では、当該時刻における消費電力量を第1テーブルから読み出す。
ステップS311では、線形予測により、直前1分前の積算電力量と現在の積算電力量の偏差電力量を用いて、現在時限から1分間後までに消費される予測消費電力量を算出する(この予測電力量を線形予測値Pと呼ぶ)。なお、後出のループタイマiを29にセットしてから、ステップS312へ移行する。
ステップS312では、所定時刻におけるショーケースの運転状態等を第1テーブルから読み出す。なお、ループタイマiは現在より未来の時間を表すこととなるが、霜取りモデルを適用して動作状態モデルを作成しているので、動作状態モデルには未来における各負荷機器の動作状態が記載されているので、読出し可能である。
ステップS304では、本実施形態2に準じ、第2テーブルに同じデータが存在しているか確認し、同じデータが存在していなければステップS305へ移行し、同じデータが存在していればステップS306へ移行する。
ステップS305では、現在時限が終了時限から10分以内かどうかを判断する。
ステップS313〜S315では、本実施形態2に準じ、各増加量又は線形予測値Pをテーブル予測値Qとする。
ステップS316では、1分間分の予測値POWiを算出する(ループタイマi=0〜29)。線形予測値Pに、テーブル予測値Qと線形予測値Pの差にα倍だけ重み付けした値を加算することで予測値とする(POWi=P+α(Q−P))。このαの値は、制御対象の環境に応じて最適な値にカスタマイズ可能である。
なお、上記1分間分の予測値POWiを求める際、過去の平均値あるいは最大値(P’とする)を用いることができる。この結果、計算式として、POWi=P+α(Q−P’))を用いることができる。
上で述べたように、本実施形態では線形予測値Pを主に使用して、電力量の予測を行い、第2テーブルを使用した予測値(テーブル予測値Q)は線形予測値Pを補正する目的で使用する。
ステップS317では、現在時限から終了時限までの各1分間のPOWiを算出するべく、ループタイマiを都度デクリメントし、ステップS312〜S316のループを残時間分実行する。つまり、各ループ毎に現在時限以降のデータを得るべく、ステップS312で第1テーブルを読出し、ステップS304で第2テーブルを検索し、ステップS316で各1分間のPOWiを算出する。
ステップS318では、現在時限から終了時限までのPOWiを積算して、現在時限の消費電力量に対する終了時限の予測消費電力量の増加量を算出する。
図13に示すフローチャートのうち、ステップS400のデマンド制御処理における店舗コントローラ12の詳細動作のフローチャートは図10と同じである。
以上により、情報テーブル上の負荷機器に関する動作状態のばらつきを低減することができ、この結果、情報テーブルの情報量を削減することができる一方、検索に要する時間や必要なメモリ量を削減することができ、デマンドコントローラ−負荷機器間の通信のオーバーヘッドを回避することができるなどの効果が達成される。 また、線形予測による予測消費電力量と、第2テーブルを用いた予測消費電力量とを用いて、例えば上記のように、これらの加重平均を取って予測消費電力量を補正的に算出することで、線形予測による予測と第2テーブルを用いた予測の双方の予測法における欠点を補うことが期待でき、消費電力量予測の精度を向上させることができる。
上記本実施の形態におけるデマンド制御装置およびこれに用いられる消費電力予測方法は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどで実現できる。また、ソフトウェア的には、メモリにロードされたデマンド制御機能および消費電力予測機能のあるプログラムなどによって実現される。前記の図3には、ハードウェアおよびソフトウェアによって実現されるデマンド制御装置の機能ブロック図が示されている。ただし、これらの機能ブロックが、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、あるいは、それらの組合せ等、いろいろな形態で実現できることは言うまでもない。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。