JP4346187B2 - 操作ノブの位置調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の操作レバーの操作ノブの位置調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は作業車両の一例としての大型ブルドーザ70の側面図である。図に示すように、走行装置71には車体72が搭載されており、車体72の床面73には運転室74が搭載されている。車体72の前部には前方作業機の一例として土工板75が取着され、車体72の後部には後方作業機の一例としてリッパー76が取着されている。土工作業は一般にリッパー76で硬岩を破砕し、土工板75で破砕した土石を運土することが行われる。すなわち、オペレータは前方の土工板75と後方のリッパー76との作動操作及び走行操作を同時に行う必要がある。
【0003】
図10は運転室74の内部の平面図である。床面73に載置されたオペレータシート80の前方を向いて左方には床面73に固設された左フロアフレーム81が設けられ、左フロアフレーム81には走行操作レバー82が配設されている。また、オペレータシート80の右方には右フロアフレーム83が設けられ、右フロアフレーム83には土工板75を操作する土工板操作レバー84と、リッパー76を操作するリッパー操作レバー85とが、互いに前後に離間して配設されている。オペレータはそれぞれの操作レバーの上端部に取着された操作ノブ30を把持し、前後左右に傾倒させて運転操作を行う。
【0004】
車体前方の土工板75を使用して作業する場合にはオペレータは車両に対して真直に向いて作業する方が、視界性、安全性、操作性等の面で有利である。しかし車体後方のリッパー76を使用して作業する場合には、オペレータは後方のリッパー76を見る必要がある。この場合、オペレータは真っ直ぐ前方を向いた姿勢から後方を見るためには必要以上に体をねじる必要があり、苦痛を伴う。この問題を解決にするために、図10の細い2点鎖線に示すように、オペレータシート80を所定の角度だけ回動して斜めにし、後方を見やすくする手段が従来から用いられている。ところが、このような手段によりオペレータは必要以上に体をねじる必要は無くなったが、オペレータの体格の違いにより操作ノブ30の最適位置には差異が生じる。また、オペレータによってはオペレータシート80を回動させずにリッパー76を操作することもあり、そのときのリッパー操作レバー85の操作ノブ30の位置は最適位置から大きくずれることになる。このため、従来より操作ノブ30の位置を調整可能としたものが提案されている。
【0005】
その一例として特開平7−182062号公報に開示されたものがある。同公報によれば、図11に示すように、切換弁90に連結され、かつほぼ直立して設けられた基端ロッド91の上端部には、基端ネジロッド92が取着されている。基端ネジロッド92の上部に設けた頭部93には、所定長さを有する連結部材95の下部に長手方向に形成され、かつ下方に向けて開口した摺動溝96が摺動自在に係合している。これにより、連結部材95は基端ネジロッド92上をほぼ水平に摺動可能となっている。また、連結部材95の上面の長手方向一端部には操作ノブ30が取着されている。基端ネジロッド92には締結ナット94が螺合しており、頭部93と締結ナット94とにより連結部材95の摺動溝96の開口端部に設けられたオーバーハング97をはさんで締着するようになっている。
【0006】
操作ノブ30の位置を調整する場合には、締結ナット94を弛めて連結部材95を基端ネジロッド92の頭部93に対してフリーにし、連結部材95を頭部93を中心に回動させたり、長手方向に摺動させて操作ノブ30の位置を所望の位置に移動させ、締結ナット94により固定する。
【0007】
また、他の例としては、特開平9−12270号公報に開示されたものがある。これによれば、図示しないが、複数の並列に配置されたパイロット弁と、各々のパイロット弁に取着された操作弁ロッドに所定間隔離間して付設された操作ノブとを有するパイロット弁用操作装置において、操作弁ロッドと、操作ノブとの間に操作ノブの所定間隔の距離を調整する長穴溝を有する調整用レバーを配置した構成としている。これにより、並列に配置された複数の操作ノブの相対位置を、長穴溝を利用して調整可能とするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては以下のような問題点がある。
【0009】
1)特開平7−182062号公報に開示された技術によれば、締結ナット94が連結部材95よりも下側に位置しているため、操作ノブ30の位置調整時の締結ナット94の締め付け及び解除の作業がやりにくい。特に、操作ノブ30の下方に切換弁90を覆うための防塵用のブーツを設けた場合には締結ナット94はブーツに被覆されるので、調整の都度ブーツをはぐる必要があり、調整作業が非常に面倒である。
【0010】
2)図12は特開平7−182062号公報又は特開平9−12270号公報に開示された操作ノブ位置調整装置の作動状況を説明する模式図である。前述のように操作ノブ30は連結部材95の長手方向一端部に取着されており、基端ロッド91上を破線に示すように水平方向に移動可能となっている。したがって、操作ノブ30の移動調整可能範囲はLであるが、連結部材95も同時に移動するため、位置調整装置の移動場積必要範囲としては最大長さ2Lが必要となる。このため、装置周辺には干渉しないための広いスペースが必要となり、狭隘な場所での使用は困難となり、汎用性に問題がある。
【0011】
3)図12の破線に示すように、操作ノブ30を最大長さ移動させると、操作ノブ30は締結ナット94の位置からLだけオーバーハングした状態となり、操作ノブ30を使って操作時にこの締結ナット94での締結部に加わるモーメントが大きくなって締結ナット94が弛みやすくなるという問題がある。
【0012】
4)図12の破線に示すように、操作ノブ30を最大長さ移動させると、基端ロッド91の回動支点Pから操作ノブ30の把持中心Gまでの距離C2は、操作ノブ30が実線に示す基準位置における基端ロッド91の回動支点Pから操作ノブ30の把持中心Gまでの距離Bに対して大きくなる。したがって、最大移動させた状態で角度α傾倒させたときの操作ノブ30の移動量D3は基準位置にあるときに角度α傾倒させたときの移動量D1に比して大きくなる。また、高さ方向の変位量も、基準位置での変位量E1に対して最大移動時の変位量E3は大きくなり、オペレータが違和感をおぼえて操作性が損なわれるという問題がある。
【0013】
本発明は上記の問題点に着目し、位置調整が狭い場積でも容易に可能となり、操作ノブ操作中に締結部が弛む恐れが少なく、また操作ノブ位置を移動しても操作性の良い操作ノブの位置調整装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明に係る操作ノブの位置調整装置は、車体の床面に載置されたオペレータシートの少なくとも左右いずれかの側方に設けられ、かつ走行、作業機作動等の車両制御を行うアクチュエータを操作する操作レバーの操作ノブのオペレータシートからの相対位置を調整可能とする作業車両の操作ノブ位置調整装置において、ほぼ鉛直方向に配設され、かつ下端部に前記操作レバーの回動部の基端ロッド(61)側に締結する締結手段を有する縦部材、及び上部に略水平方向に設けられた摺動案内部を有し、かつ摺動案内部の中央部下方が縦部材の上端部に固設された横部材によりほぼT字形を形成してなる連結部材と、上端部に操作ノブが取着され、下端部に連結部材の摺動案内部に摺動自在に係合する係合部が設けられた先端ロッドと、先端ロッドの係合部を連結部材に摺動方向の所望位置で固定する固定手段とを備えた構成としている。
【0015】
そして、操作ノブと先端ロッドの係合部とを同一軸芯上に配置すると共に、前記固定手段は、操作ノブ及び係合部と同一軸芯上で、かつ操作ノブの下端部と連結部材の上端部との間に、先端ロッドの係合部と連結部材とを締結する締結部材を有する構成としている。
【0016】
また、前記締結部材を、先端ロッドの係合部及び連結部材を被覆するブーツの上端部よりも上方に設けた構成としている。
【0017】
本発明によれば、上端部に操作ノブを有する先端ロッドの係合部を、T字形状の連結部材の上部横部材に略水平方向に設けた摺動案内部に沿って所望の位置に移動させ、固定手段により先端ロッドと連結部材とを固定することにより、操作ノブが所望の位置に調整される。このとき、先端ロッドは操作レバーの回動部の基端ロッド側に固定された連結部材の摺動案内部に沿って移動するため、先端ロッド及び操作ノブの移動可能範囲(L)は摺動案内部の長さと等しくなり、これにより位置調整に必要な周囲の空スペースは連結部材の横部材の長さに応じたものでよい。したがって、従来の位置調節装置の移動場積必要範囲(=2L)より小さな場積内で移動調整可能であり、適用分野の汎用性を向上できる。また、連結部材はT字形であるため、連結部材の縦部材に対する最大移動調整時の操作ノブの水平方向の移動量は従来よりも小さくなり、よって操作ノブの位置が縦部材の真上にある場合と比較して、最大操作時における操作ノブの必要操作距離や、上下方向のずれは小さくなり、オペレータが違和感をおぼえることはないので、操作性を向上できる。
【0018】
また、操作ノブと先端ロッドの係合部と締結部材とは同一軸芯上にあるため、操作ノブ操作時に締結部に加わる力のモーメントは小さい。したがって締結部材及び係合部が弛む恐れは少ない。また、締結部材を操作ノブと連結部材の間に配設したため、締結部材の締め付け及び解除作業を上方から楽な姿勢で容易に行うことができ、作業性を向上できる。
【0019】
さらに、締結部材をブーツよりも上方に設けたため、ブーツをはぐることなく締結及び解除作業が行え、操作ノブ位置調整の作業性を向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る操作ノブの位置調整装置の実施形態について、図面を参照して詳述する。
【0021】
図1は操作ノブ位置調整装置1の側面断面図であり、図2は図1のA−A矢視図であり、図3は操作ノブ位置調整装置1の部品構成を示す斜視図である。図1,2,3において、操作ノブ位置調整装置1は、連結部材2と、連結部材2に摺動自在に係合する先端ロッド20と、先端ロッド20を連結部材2の所定の位置に固定する固定手段40とにより構成されており、以下それぞれについて説明する。
【0022】
連結部材2は、横部材3と縦部材10とを備えている。横部材3は所定長さの中空角柱状であり、中空部は摺動案内部4を形成している。横部材3の上面には長手方向に所定長さのガイド孔5が形成されており、ガイド孔5の長手方向両側端には図2に示すようにオーバーハングしたツバ部6,6が形成されている。また、横部材3の長手方向中央下部には垂直に縦部材10が固設され、図1に示すように側面視でT字形の連結部材2を構成している。縦部材10の下部は、フロアフレーム83に取着された油圧操作弁60の回動支点Pに取着された操作軸61に第1実施形態の締結手段11により締結されている。この第1実施形態の締結手段11は、縦部材10の下端部に操作軸61に嵌合する軸穴12及び軸方向の割り溝13を設けてあり、軸穴12に操作軸61を嵌入したのち締結ボルト14により割り締めして締結するようになっている。
【0023】
先端ロッド20は、先端部にネジ部22を有するロッド21と、ロッド21の下端部に固設された係合部23とにより構成されている。係合部23は連結部材2の摺動案内部4に摺動自在に嵌入されており、ロッド21は連結部材2のガイド孔5から上方に突出している。ロッド21は、鉛直方向に対してやや傾斜して設けられている。先端ロッド20は、縦部材10を中心として両側(本例では前後)にL/2ずつ移動可能となっている。また、先端ロッド20には上方から固定手段40が挿入され、ネジ部22の先端部には操作ノブ30が螺合してロックナット31により位置が固定されている。
【0024】
第1実施形態の固定手段40はスペーサ41と締結ナット46とからなっている。スペーサ41は、パイプ42と、パイプ42の下端部に固設され、かつ下面に案内部44を有する座板43とを有している。スペーサ41は先端ロッド20のロッド21の上方から挿入され、案内部44は連結部材2のガイド孔5に係合し、ロッド21のネジ部22に螺合する締結ナット46により下方に押圧される。その結果、図2に示すように、先端ロッド20の係合部23の上面24と、スペーサ41の座板43の下面45とにより連結部材2のツバ部6を挟持し、先端ロッド20を連結部材2に固定するようになっている。スペーサ41の上端と締結ナット46との間には座金50と防塵用のブーツ52と保持部材51とが介装され、座金50と保持部材51とはブーツ52の上端部に係合するようになっている。ブーツ52の下縁はフロアフレーム83に取着され、連結部材2を被覆する。
【0025】
操作ノブ30の位置を調整する場合には、締結ナット46を弛めて係合部23を摺動案内部4に対して移動自在にし、先端ロッド20を摺動案内部4に沿って目標の調整位置まで移動させ、締結ナット46により先端ロッド20を連結部材2に締着して位置決めする。
【0026】
操作時には、操作ノブ30が把持され、前後左右の操作方向に先端ロッド20及び連結部材2が回動支点Pを中心として傾倒される。
【0027】
図4は操作ノブ位置調整装置1の模式図であり、これに基づいて調整範囲について説明する。前述のように、操作ノブ30の位置は、先端ロッド20をT字形の連結部材2の上部を水平移動させて調整される。その調整範囲は実線で示す操作軸61の軸線上の位置を中心として、両側にそれぞれL/2ずつ、合計Lの範囲である。
【0028】
本発明の操作ノブ位置調整装置1は上記のような構成としたため、以下のような効果を奏する。
【0029】
1)操作ノブ位置調整のための締結ナット46の締結位置をブーツ52の保持部材51よりも上方としたため、操作ノブ30の位置調整時に締結ナット46の締結及び解除作業が上方から楽な姿勢で容易に行え、またブーツ52により油圧操作弁60及び連結部材2を覆っていてもブーツ52をはぐる必要もないので、作業効率を向上することができる。
【0030】
2)図4に示すように、操作ノブ30の移動調整可能範囲をLとしたときの位置調整装置の移動場積必要範囲もLで済むため、図12に示す従来の場合の装置移動場積必要範囲2Lに比して半分となる。これにより、狭隘な場所でも装着可能であり、適用分野の汎用性を向上できる。
【0031】
3)締結ナット46及びスペーサ41を有する固定手段40は操作ノブ30と同一軸芯上に位置しているため、操作レバー操作時に締結ナット46に余分なモーメントが加わることはない。これにより、締結ナット46が弛むことはなく、安定した操作ができる。
【0032】
4)図4の破線に示す位置調整変更後の操作ノブ30の位置の基準位置(油圧操作弁60の操作軸61の軸線上)からのずれはL/2であり、位置調整変更後の操作ノブ30の把持中心Gから油圧操作弁60の回動支点Pまでの距離C1は、図12に示す従来のものの距離C2より短い。したがって、所定角度α回動時の操作量D2は図12に示す従来のものの操作量D3よりも小さくなり、基準位置における操作量D1との差は小さくなる。また、所定角度α回動時の上下方向の変位量E2は、図12に示す従来の場合の変位量E3よりも小さくなり、オペレータの感じる違和感も低減されるので、操作性を向上できる。
【0033】
先端ロッド20のロッド21は鉛直方向に対して傾斜しているが、平行に設けても差し支えない。
【0034】
図5は、第2実施形態の固定手段40aの斜視図である。第1実施形態の締結ナット46に代えて、直径の大きい締結ハンドル46aを使用している。これによりスパナ等の工具を使用することなく、指の力で固定手段による固定や解除が可能となり、操作ノブ位置調整時の作業性を向上できる。また、締結ハンドル46aの上面に掌の下部をのせて操作(つまり締結ハンドル46aをパームレストとして使用)できるので、操作を楽に行える。
【0035】
図6は第3実施形態の固定手段40bの斜視図である。連結部材2の横部材3上面に長手方向に沿って鋸状突起7を設けるとともに、スペーサ41の座板43の下面には前記鋸状突起7に係合する鋸状突起43aを設ける。これにより、連結部材2と先端ロッド20とを固定する場合に連結部材2とスペーサ41との結合が確実となり、使用中に操作ノブ30の位置がずれることが確実に防止される。
【0036】
次に、締結手段11の別実施態様を図7,8により説明する。図7は別実施態様の締結手段11aの構成を示す斜視図である。本構成は、図1〜3に示した第1実施形態の締結手段に対し、油圧操作弁60の操作軸61と、連結部材2の縦部材10の軸穴12との間にキー15を追加している。これにより、連結部材2と操作軸61との結合を一層強固にしているから、操作ノブ30の調整後の位置が操作軸61の軸線から離れて操作ノブ操作時のモーメントが前記結合部にかかっても、結合部の弛みを確実に防止できる。
【0037】
また、図8は他の実施態様の締結手段11bの構成を示す斜視図である。ここで第1実施形態のものと同一部材には同一符号を付して説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。同図において、連結部材2の縦部材10aに軸穴12を穿設し、側面にメネジ16を設ける。また、油圧操作弁60の操作軸61に平面部62を設ける。軸穴12に操作軸61を嵌入し、メネジ16に押しネジ17をねじ込み、操作軸61の平面部62を押圧して締結するようにしている。したがって、連結部材2と操作軸61との結合を強固にできる。
【0038】
尚、上述の実施形態では、油圧操作弁60の操作軸61に直接連結部材2を結合した例を説明したが、本発明はこの形態に限定されず、例えば、操作ノブ位置調整装置1と油圧操作弁60とを互いに異なる場所に配置し、かつ両者間をリンク装置等を介して連結した形態においても適用可能であり、あるいは検出器により検出した操作レバー操作量に基づいて制御器により走行、作業機等のアクチュエータを制御する制御装置を用いた形態の操作レバーにおいても適用可能である。
【0039】
以上本発明によると、操作レバーの操作ノブ部と操作レバー回動部の基端ロッド部とをT字形状の連結部材を介して位置調節可能としたので、調節時に必要な操作ノブ部移動スペースが小さくて済み、調整装置の適用範囲を広くできる。また、操作ノブが操作レバー回動部の基端ロッド部の軸線上に位置する場合と最大調節位置に位置する場合とを比較すると、操作ノブの操作距離の変化量及び上下方向のずれ量が小さく、従来に比して操作時に違和感が生じないので、操作性を向上できる。さらに、最大調節位置と操作レバー回動部の基端ロッド部の軸線との距離が従来よりも小さいので、操作レバー回動部の基端ロッド部と連結部材の縦部材との連結部に作用する操作モーメントが小さくなり、前記連結部の弛みを確実に防止できる。
【0040】
また、操作ノブと、操作ノブ部を連結部材に係合する係合部と、この係合部を固定する締結部材とを同一軸芯上に設けたので、締結部材に加わる力のモーメントは小さく、締結部材及び係合部が弛むのを確実に防止でき、操作性を向上できる。さらにまた、係合部及び連結部材を覆うブーツよりも上方に締結部材を設けたので、締結及び解除作業が容易に行え、位置調整の作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る操作ノブ位置調整装置の側面断面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明に係る操作ノブ位置調整装置の部品構成を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る操作ノブ位置調整装置の作動状況を示す模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態の固定手段を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態の固定手段を示す斜視図である。
【図7】本発明の締結手段の別実施態様を示す斜視図である。
【図8】本発明の締結手段の別実施態様を示す斜視図である。
【図9】適用機械例の側面図である。
【図10】運転室内の平面図である。
【図11】従来の操作ノブ位置調整装置の斜視図である。
【図12】従来の操作ノブ位置調整装置の作動状況を示す模式図である。
【符号の説明】
1:操作ノブ位置調整装置、2:連結部材、3:横部材、4:摺動案内部、5:ガイド孔、6:ツバ部、10,10a:縦部材、11,11a,11b:締結手段、12:軸穴、13:割り溝、14:締結ボルト、15:キー、17:押しネジ、20:先端ロッド、21:ロッド、23:係合部、30:操作ノブ、31:ロックナット、40,40a,40b:固定手段、41:スペーサ、42:パイプ、43:座板、44:案内部、46:締結ナット、46a:締結ハンドル、51:保持部材、52:ブーツ、60:油圧操作弁、61:操作軸、62:平面部。
Claims (1)
- 車体の床面に載置されたオペレータシートの少なくとも左右いずれかの側方に設けられ、かつ走行、作業機作動等の車両制御を行うアクチュエータを操作する操作レバーの操作ノブのオペレータシートからの相対位置を調整可能とする作業車両の操作ノブ位置調整装置において、
ほぼ鉛直方向に配設され、かつ下端部に前記操作レバーの回動部の基端ロッド(61)側に締結する締結手段(11,11a,11b)を有する縦部材(10,10a)、及び上部に略水平方向に設けられた摺動案内部(4)を有し、かつ前記摺動案内部(4)の中央部下方が前記縦部材(10,10a)の上端部に固設された横部材(3)によりほぼT字形を形成してなる連結部材(2)と、
上端部に操作ノブ(30)が取着され、下端部に前記連結部材(2)の摺動案内部(4)に摺動自在に係合する係合部(23)が設けられた先端ロッド(20)と、
前記先端ロッド(20)の係合部(23)を前記連結部材(2)に摺動方向の所望位置で固定する固定手段(40)と、を備え、
前記操作ノブ(30)と前記先端ロッド(20)の係合部(23)とを同一軸芯上に配置すると共に、前記固定手段(40)は、前記操作ノブ(30)及び前記係合部(23)と同一軸芯上で、かつ前記操作ノブ(30)の下端部と前記連結部材(2)の上端部との間に、前記先端ロッド(20)の係合部(23)と前記連結部材(2)とを締結する締結部材(46,46a)を有し、
前記締結部材(46,46a)を、前記先端ロッド(20)の係合部(23)及び前記連結部材(2)を被覆するブーツ(52)の上端部よりも上方に設けた、
ことを特徴とする操作ノブの位置調整装置。
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