JP4344746B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
近年、光学的記録媒体(光記録媒体)としては、CD(Compact Disk)およびDVD(Digital Video Disk又はDigital Versatile Disk)が普及しており、したがって、一台の光ピックアップ装置により、CDおよびDVDの双方について、情報記録または情報再生を行えるのが望ましい。
CDおよびDVDの双方に関して、情報の記録または再生を行えるようにするためには、光ピックアップ装置に、各媒体に対応した波長のレーザ光源を用意する必要がある。
CD用には赤外半導体レーザが用いられ、出射されるレーザ光の波長は785nm程度である。また、DVDの場合、CDよりも記録密度が高いため、より短い波長の赤外レーザ光が使用される。そのレーザ光の波長は660nm程度である。
図1は、本発明前に、本発明の出願人によって検討された光ピックアップ装置(CDおよびDVDの双方について情報の記録/再生を行うことができる光ピックアップ装置)の要部の構成を示す図である。
図示されるように、この光ピックアップ装置は、DVD用光源10と、CD用光源20と、コリメータレンズ40と、収差補正用の液晶パネル50と、1/4波長板60と、を有している。
DVD用光源10は、波長660nm帯のP偏光(すなわち、入射面内で電界が振動する直線偏光)のレーザ光を出射する。CD用光源20は、波長785nm帯のP偏光のレーザ光を出射する。
液晶パネル50は、主に、DVDディスクの傾き(チルト角)に起因する波面収差(主にコマ収差)を補正するために設けられている。
すなわち、DVDは記録密度が高く、レーザ光の波長が短いため、光ピックアップの光軸に垂直な方向に対してDVDディスクが傾く角度(チルト角)のマージンが小さく、DVDディスクのわずかな傾きにより、波面収差(コマ収差)が発生する。
収差(光学系を介して結像する系において、実際の結像点が、理想的な結像点からずれる現象)は、要するに、ディスクの傾きや反りによって光の光路長が変化するために生じる。
液晶素子は、印加電圧により、液晶分子のツイスト状態を変えることができる。このことは、入射光の光路長を、印加電圧によって変化させることができることを意味する。このことを利用し、ディスクの傾き等によって生じた光路長の変化を抑制するように液晶の印加電圧を調整することで、収差の補正が可能となる。
図示されないが、液晶パネル50の下面電極は、複数の電極パターンに分割されており、各電極パターンに与える電圧を細かく制御し、液晶分子のツイスト状態を部分的に制御することで、収差を補正する。
また、図1において、DVD用の波長660nm帯のP偏光(直線偏光)ならびにCD用の波長785nm帯のP偏光は、共にその偏光面が、液晶パネル50の液晶分子の長軸方向に合致した状態で、液晶パネル50に入射される。
したがって、入射された直線偏光は、TN液晶のねじれ(印加電圧によっては、ねじれがない状態となる場合もある)に沿って進み、再び、直線偏光(ここでは、P偏光)として出射される。
1/4波長板60は、直線偏光を円偏光に変換する(あるいはその逆の変換を行う)ための偏光制御素子である。
すなわち、1/4波長板60に入射する直線偏光(P偏光)の偏光面と、1/4波長板の光学軸との間の夾角が45°となるようにすると、1/4波長板60から出射されるレーザ光が円偏光になる。
この円偏光が、CDやDVDの記録/再生用の光となる。なお、記録または再生用の光として、直線偏光を用いる場合もあるが、この場合には、ディスクのばらつきに起因して、記録再生ジッタ性能が悪くなる場合があり、したがって、円偏光を用いるのが望ましい。
また、図1の1/4波長板60は、DVD用の波長660nm帯のレーザ光(直線偏光)およびCD用の波長785nm帯のレーザ光(直線偏光)の双方を、円偏光に変換する必要がある。したがって、図1の1/4波長板60として、広帯域1/4波長板を使用しなければならない。
広帯域1/4波長板は、例えば、異なる光学異方性をもつ複数枚のポリマーフィルムを積層して構成される、複合的な位相差板である。
CDおよびDVDの双方について、情報の記録/再生を行うことができ、収差補正用の液晶パネルおよび広帯域1/4波長板を備える構成をもつ光ピックアップ装置は、例えば、特許文献1に記載されている。また、広帯域1/4波長板については、例えば、特許文献2に記載されている。
[特許文献1]特開平10−20263号公報(図1)
[特許文献2]特開2003−14931号公報
広帯域1/4波長板は複合的な位相板であり、その製造が容易でなく、また、価格も高い。この点で、光ピックアップ装置の製造上の負担となる。
また、広帯域1/4波長板は、複数の波長のレーザ光の偏光状態を正確に変換する必要があり、このためには、かなり厳しい使用上の制約(波長板の厚み、波長板の設置位置等)が課せられる。したがって、光ピックアップ装置の設計の自由度が減少する。
上記課題を解決するために、本発明の光ピックアップ装置は、異なる種類の第1および第2の光記録媒体について、情報の記録または再生が可能な光ピックアップ装置において、異なる波長の光を出射する第1および第2の光源と、前記第1の光源から出射される光に対しては収差補正用の素子と機能し、前記第2の光源から出射される光に対しては入射光の偏光状態を変換する波長板として機能する液晶素子と、前記収差補正用の素子としての液晶素子を通過した、前記第1の光源から出射された光の偏光状態を変換することを主目的とした波長板と、を有する。
図2は、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置の全体構成を示す図である。
図3は、図2の光ピックアップ装置の主要部分における、レーザ光の偏光状態を示す図である。
図4は、液晶素子の光学的特性を説明するための図である。
図5は、液晶素子の波長板として機能を説明するための図である。
なお、図中の符号、100はDVD用レーザ光源、110はCD用レーザ光源、120は偏光ビームスプリッタ、130は集光レンズ、140はフォトダイオード(光電変換素子)、150はダイクロイックプリズム、160はコリメータレンズ、170は液晶パネル、180は1/4波長板(DVD用のレーザ光について最適化された一枚の波長板)、190は対物レンズ、200は光記録媒体、210はチルト角検出器、220は液晶パネル制御回路である。
本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置の特徴は、DVD用のレーザ光については、液晶パネルを収差補正用の素子として機能させ、CD用のレーザ光については、液晶パネルを、偏光状態を変換するための波長板として機能させる点である。
すなわち、DVDディスクは記録密度が高く、記録または再生用のレーザ光の波長が短いため、チルトマージンに十分な余裕がなく、したがって、適宜、液晶素子を用いて、収差補正(チルト補正)を行う必要がある。
一方、CDは、記録密度が低く、レーザ光の波長が長いため、チルトマージンに余裕がある。
したがって、収差補正(チルト補正)は、DVDの記録再生時に行えば十分であり、CDについては、必須ではない。
また、液晶は、種々の光学的効果をもつ物質であり、その使用条件を選ぶと、液晶は、波長板(位相差板)としての効果も発揮する。
本実施の形態のピックアップ装置は、上記2点に着目し、CDの記録再生については、液晶素子を用いた収差補正は行わないこととし、その代わりに、液晶素子を波長板として機能させ、直線偏光を楕円偏光(あるいは円偏光)に変換する素子として機能させる。
これにより、液晶素子の後に配置される1/4波長板は、DVD用のレーザ光についてのみ偏光状態の変換を行えばいいことになり、したがって、一枚の波長板のみで対処可能となる(すなわち、広帯域波長板が不要となる)。
これにより、本実施の形態の光ピックアップ装置では、安価な部品を用いて、容易に光ピックアップ装置を組み立てることができる。
また、本実施の形態で使用する波長板は、複合品ではなく1枚の波長板であり、したがって、波長板の厚みや波長板の設置位置等をより自由に選ぶことができるようになり、設計の自由度が向上する。
さらに、詳細に本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置の全体構成を示す図である。
図示されるように、この光ピックアップ装置は、DVD用レーザ光源100と、CD用レーザ光源110と、偏光ビームスプリッタ120と、集光レンズ130と、ディスク(DVDおよびCD)からの反射光を電気信号に変換するフォトダイオード(光電変換素子)140と、ダイクロイックプリズム150と、コリメータレンズ160と、液晶素子(収差補正用素子としての機能と波長板としての機能を併せ持つ)と、DVD用のレーザ光(直線偏光)を円偏光に変換することを主目的として設計されている1/4波長板180と、対物レンズ190と、光記録媒体(CDやDVDのディスク)200と、ディスクの傾き(チルト角)検出器210と、液晶パネル制御回路220と、を有する。
DVD用レーザ光源100は、波長660nm帯のP偏光(すなわち、入射面内で電界が振動する直線偏光)のレーザ光を出射する。CD用レーザ光源110は、波長785nm帯のP偏光のレーザ光を出射する。
1/4波長板180は、波長660nm帯のレーザ光(直線偏光)を円偏光にするためのものであり、広帯域波長板ではない。
すなわち、本実施の形態の1/4波長板180は、660nm帯のレーザ光についての、進相波と遅相波の位相差がπ/4の奇数倍となるように設計されている。
各レーザ光源(100,110)から出射されるレーザ光は、共通の光学軸をもっており、各レーザ光は、ダイクロイックプリズム150、コリメータレンズ160、液晶素子、1/4波長板180および対物レンズ190を介して進み、ディスク200の記録面に結像する。
また、ディスク200からの反射光は、その逆方向に進み、偏光ビームスプリッタ120で進行方向が直角に曲げられ、集光レンズ130を介してフォトダイオード140上に結像する。
なお、上記反射光の進行方向を曲げる手段としては、偏光ビームスプリッタ120に限らず、プリズムの機能を有する手段であればよい。
光記録媒体としてDVDが使用される場合には、液晶パネル170は、収差補正素子として機能する。
すなわち、DVDは記録密度が高く、レーザ光の波長が短いため、光ピックアップの光軸に垂直な方向に対してDVDディスクが傾く角度(いわゆるチルト角)のマージンが小さく、DVDディスクのわずかな傾きにより、波面収差(コマ収差)が発生する。
収差(光学系を介して結像する系において、実際の結像点が理想的な結像点からずれる現象)は、要するに、ディスクの傾きや反りによって光の光路長が変化するために生じる。
液晶素子は、印加電圧によって液晶分子のツイスト状態が変化し、したがって、入射光の光路長を変化させることができる。このことを利用し、ディスク200の傾き等によって生じた光路長の変化を抑制するように液晶の印加電圧を調整することで、収差の補正が可能となる。
図示されないが、液晶パネル170の下面電極(ITO(インジウム錫酸化物)からなる透明電極)は、複数の電極パターンに分割されており、各電極パターンに与える電圧を、液晶パネル制御回路220により制御し、液晶パネル170における液晶分子の配向状態を部分的に制御することにより、収差を補正することができる。
したがって、DVDの記録再生時には、液晶パネル170の両端の印加電圧は、液晶パネル制御回路220による制御によって、動的に変化する。
DVDの記録再生時の動作は、図1と同じである。
すなわち、DVDの記録再生時には、DVD用の波長660nm帯のP偏光(直線偏光)の偏光方向は、液晶パネル170の液晶分子の長軸方向に一致する。したがって、入射された直線偏光は、直線偏光として出射される。
1/4波長板180は、DVD用の波長660nm帯の直線偏光を円偏光に変換する一枚の波長板からなる。
この1/4波長板180を通過することで、DVD用のレーザ光は、円偏光になり、この円偏光が、ディスク(DVDディスク)200の記録再生用の光となる。
一方、CD用レーザ光源110から出射される、CD用のレーザ光(波長785nm帯のレーザ光)については、液晶パネル170が波長板として機能する。
以下、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、図2に示される光ピックアップ装置の主要部分における、レーザ光の偏光状態を示す図である。
図3において、(660nm)という表記は、DVD用の660nm帯のレーザ光であることを示しており、同様に、(785nm)という表記は、CD用の785nm帯のレーザ光であることを示している。
また、矢印は直線偏光であることを示し、楕円形は楕円偏光であることを示し、円は円偏光であることを示す。
上述のとおり、DVD用の660nm帯のレーザ光については、偏光状態は図1と同様である。
一方、図3における、CD用の785nm帯のレーザ光の偏光状態は、図1とは異なっている。
すなわち、CD用レーザ光源110から出射された785nm帯のレーザ光は、液晶パネル170の液晶分子の長軸方向に対し、その偏光面が、所定の角度θ(0<θ<90°)をなすように調整されて、液晶パネル170に入射される。
このとき、液晶パネル170の制御電圧は固定されている(すなわち、DVDの記録再生時のような収差補正制御は実施されない)。
また、液晶パネル170の厚みは、所定のレタデーションが得られるように予め調整されている。したがって、この液晶パネル170は、後述するように波長板として機能し、その結果として、液晶パネル170を通過したCD用のレーザ光の偏光状態は、楕円偏光となる。
この楕円偏光は、DVD用のレーザ光に対して最適化されている1/4波長板180を通過し、この1/4波長板180による光学的な作用を受けることで偏光状態が変化し、最終的に円偏光となる。この円偏光が、ディスク(CD)200の記録再生用の光となる。
逆にいえば、1/4波長板180を通過した光の偏光状態が円偏光となるように、液晶パネル170の厚み(およびレーザ光の入射角θ)が、あらかじめ調整されることになる。
次に、液晶素子の波長板としての機能について説明する。
図4は、液晶パネル(液晶素子)の光学的特性を説明するための図である。
図示されるように、液晶パネル(液晶素子)は、上下のガラス板210a,210b、ITOからなる透明電極220a,220bと、所定角でツイストしている(印加電圧によってはツイスト無しの状態にもなる)液晶分子Mと、で構成される。
液晶分子は長軸方向にビフェニルや多重結合部位を持ち、長軸方向とそれに垂直な方向(すなわち、短軸方向)で誘電率が異なる。液晶相では分子が統計的に配向ベクトルで示される方向を向いており、その方向とそれと垂直な方向で異方性を示す。配向ベクトルに平行な方向と垂直な方向では屈折率が異なる。このため液晶セルに入射する光は光線方向と偏光方向によって異なる屈折率を感じる。
しかし、配向ベクトル方向に進む光線にとっては屈折率の異方性は存在せず、偏光方向によらず唯一の屈折率を感じることになる。このような方向を異方性結晶の光軸と呼ぶ。一般のネマチック液晶では、光軸は1本であり、1軸性の物質と呼ばれる。
1軸性の物体(すなわち液晶)に光軸(つまり液晶分子の長軸方向)に垂直に光を入射したとき、光軸に平行な振動面の光が感じる屈折率をne、光軸に垂直な光が感じる屈折率をnoとする。また、光軸に平行な振動面の光を異常光(線)、垂直な振動面の光を常光(線)とよぶ。常光に対する屈折率は光の入射角度によらずnoで一定であり、常光はスネルの法則に従って屈折する。異常光の屈折率は入射角によりneからnoまで変化する。このため異常光はスネルの法則に従わずに異常な挙動をするように見える。
1軸性の物質の光軸に垂直に直線偏光を透過することを考える。これは、液晶の水平配向の液晶素子に垂直に光を入射する場合(すなわち、上述のレーザ光の液晶分子の長軸方向に対する角度θ=90°の場合)に相当する。偏光が光軸に対して、平行あるいは垂直な場合には、偏光は直線偏光のままである。このように物質内を進行しても状態が変わらない偏光を固有偏光と呼ぶ。
一方、入射する直線偏光の偏光面が光軸(液晶分子の長軸)に平行でも垂直でもない場合(0<θ<90°の場合)には、液晶内を光が進行するにつれて偏光状態が変化する。一般の偏光は物質内を直交する2つの固有偏光として伝播する。その時に偏光方向により屈折率が異なるために液晶素子を通過後に、
Δ=2πd(ne−no)/λ
で表される位相差Δを生じる。
ここで、λは、入射光の波長であり、dは液晶素子の厚さである。入射偏光が光軸に対して45°の場合は、位相差Δがπ/4なって、液晶を通過した光は円偏光になり、少しずれると楕円偏光になり、位相差Δがπとなって入射偏光と垂直な直線偏光になる。分散を無視すると、液晶素子のレタデーションRは、
R=d(ne−no)=Δnd
と表される。
すなわち、液晶は一軸性の結晶物質と同様の光学的性質をもち、液晶素子の厚みdを調整することで、液晶素子を通過する光の進相および遅相の位相差を制御でき、これにより、液晶素子から出射されるレーザ光の偏光状態を調整することができる。
本実施の形態では、先に説明したように、1/4波長板180を通過した785nm帯の光の偏光状態が円偏光となるように、液晶パネル170の厚みd(およびレーザ光の入射角θ)を、あらかじめ調整しておく。
すなわち、本実施の形態の場合、図3に示すように、液晶パネル170を通過した光は楕円偏光になり、この楕円偏光は、1/4波長板180を通過することで、最終的に円偏光となる。
なお、785nm帯のレーザ光について、1/4波長板180を経由しない光路を確保できる場合には、液晶パネル170から出射されるレーザ光を円偏光とし、この円偏光を、記録再生用の光として用いてもよい。
図5は、液晶パネル(液晶素子)の波長板として機能を示す図である。
図示されるように、液晶パネル170は、CD用の785nm帯のレーザ光については、あたかも、直線偏光を楕円偏光や円偏光に変換する波長板のように機能する。
以上説明したように、本実施の形態の光ピックアップ装置では、使用されるレーザ光の波長に応じて、液晶パネルの機能を切り換える(すなわち、短い波長の光については収差補正用の素子として機能させ、長い波長の光については波長板として機能させる)ことにより、液晶パネルの後に配置される1/4波長板の負担を減らし、これにより、安価な波長板を使用できるようになる。
したがって、本実施の形態の光ピックアップ装置では、安価な部品を用いて、容易に光ピックアップ装置を組み立てることが可能となる。
また、本実施の形態で使用する波長板は、複合品ではなく1枚の波長板であり、したがって、波長板の厚みや波長板の設置位置等をより自由に選ぶことができるようになり、設計の自由度が向上する。
したがって、本発明によれば、広帯域波長板を不要とし、光ピックアップ装置の製造上、設計上の負担を軽減することができる。
以上の説明では、CDおよびDVDコンパチブルの光ピックアップ装置を例にとって説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、近年、より短波長の青色レーザ光(ブルーレイ)を用いた光ピックアップ装置も登場しており、光記録媒体の高密度化が進展すればするほど、光学部品のコスト上昇、設計自由度の減少といった問題が顕在化する。
このような場合、本発明の設計思想を用いて、一つの光学部品の機能を、使用される光の波長に応じて使い分けるという手法を導入することで、光ピックアップ装置の製造、組立に伴う負担を軽減することが可能となる。
本発明は、DVD/CDコンパチブルのドライブ、DVDレコーダ、その他のディスクドライブ、あるいは光磁気記録媒体(MO)のような光を利用する媒体のドライブ等に使用することができる。
本出願は、2004年3月31日出願の日本特許出願(特願2004−104573)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
Claims (6)
- 異なる種類の第1および第2の光記録媒体について、情報の記録または再生が可能な光ピックアップ装置において、
異なる波長の光を出射する第1および第2の光源と、
前記第1の光源から出射される光に対しては収差補正用の素子と機能し、前記第2の光源から出射される光に対しては入射光の偏光状態を変換する波長板として機能する液晶素子と、
前記収差補正用の素子としての液晶素子を通過した、前記第1の光源から出射された光の偏光状態を変換することを主目的とした波長板と、
を有することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1記載の光ピックアップ装置において、
前記第1の光源から出射される光の偏光面が、前記液晶素子の分子の長軸方向と一致し、
前記第2の光源から出射される光の偏光面が、前記液晶素子の分子の長軸方向と所定の角度θ(0<θ<90°)をなすことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2記載の光ピックアップ装置において、
前記第1および第2の光源から出射される光は共に直線偏光であり、
前記第1の光源から出射される直線偏光について、その偏光面が、前記液晶素子の分子の長軸方向と一致するようにして前記液晶素子に入射されることにより、前記液晶素子から直線偏光を出射させ、その直線偏光を前記波長板に入射して円偏光に変換し、その円偏光を前記第1の光記録媒体についての記録または再生用の光とし、
前記第2の光源から出射される直線偏光について、その偏光面が、前記液晶素子の分子の長軸方向と所定の角度θ(0<θ<90°)をなすようにして前記液晶素子に入射されることにより、前記液晶素子から楕円偏光を出射させ、この楕円偏光を前記波長板に入射させ、その結果として前記波長板から円偏光を出射させ、その円偏光を前記第2の光記録媒体についての記録または再生用の光とすることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項3記載の光ピックアップ装置において、
前記第2の光記録媒体についての前記記録または再生用の光が最終的に円偏光となるように、前記液晶素子の厚みが調整されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、
前記第1の光源から出射される光の波長は、前記第2の光源から出射される光の波長よりも短いことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、
前記第1の光源から出射される光は、DVDの記録または再生用の光であり、前記第2の光源から出射される光は、CDの記録または再生用の光であることを特徴とする光ピックアップ装置。
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