本発明は、コンテナやトラック荷台等の荷搬送箱体に大きな改造なしに、また、外部や内部に大がかりな装置を設けることなく、箱体内にパレットなしで隙間なく積込まれた荷の荷降し作業または荷積み作業を機械化することができ、人手での荷降しという重作業をなくすことができ、これにより、荷降しや荷積み作業者の高齢化、および作業効率の向上にも対応できる荷役装置付き荷搬送箱体に関するものである。
荷の積み降しまたは積み込みを行う荷役装置付きコンテナとして、出願人は先に下記の出願を行った。
特願2000−307713号(特開2002−114290号)
これはコンテナ外殻である箱体内に、荷排出装置として前後方向に移動する可動隔壁もしくはこれに加えて、可動隔壁の下方に敷設する前後動可能とした床板を設けたものである。
このようにコンテナは荷役装置を備えるものであり、チップ等のバラ物を始めとして、コンテナ内にパレットなしで隙間がなく積込まれた荷の荷降し作業を機械化することができる。そして、コンテナは外殻である箱体内に荷排出装置もしくは荷積み装置として前後方向に移動する可動隔壁を設けていて、荷排出の場合はこの可動隔壁でチップその他の荷を排出口方向に移動させ、コンテナ外へ排出でき、荷積みの場合はこの可動隔壁で荷を奥側に送り込み、コンテナの大きな改造なしに、また、外部に大がかりな装置を設けることなくコンテナ内にパレットなしで隙間がなく積まれた荷の荷降し作業または荷積み作業を機械化することが可能となる。
チップ等の積み荷はコンテナの箱体内の床板上に載置されており、この床板とともに後方へ移動して、後部の積み荷は箱体の外方へでる。この段階では積み荷は床板上にあるが、可動隔壁を箱体側に係止して積み荷の前端部を抑えながら床板を前側に引けば、後部の積み荷の下の床板がなくなり、落下する。
可動隔壁と箱体側との係止を解除して、可動隔壁を前記積み荷の床板とともに後方へ移動、およびその後の動作を繰り返して順次、積み荷を後部から落下させる。
なお、床板の前後動にシリンダーを使用するとしても、そのストロークは小さな小型のものでよく、可動隔壁もチップ等の積み荷を押し出すものではないので、それ自体の強度や荷台側板への係止もそれほど頑強なものでなくてもよい。
一方、荷積みの荷役装置として用いる場合は前記動作とは逆に、可動隔壁は一番後ろ位置にあり、その前側でチップ等の積み荷をコンテナの箱体内の床板上に載置した後にこのスライド板とともに前方(箱体奥側)へ移動して、この段階では積み荷は床板上にある。可動隔壁を箱体側に係止して積み荷の後端部を抑えながら床板を後方に押し、次いで、可動隔壁と箱体側との係止を解除して、前記積み荷の床板とともに可動隔壁を前方へ移動、およびその後の動作を繰り返して順次、積み荷を後部から前側に移動させる。
前後動可能とした床板とこれと同期して移動し、または相対的に変位する可動隔壁の動きを選択的に確実に得ることがで、しかも可動隔壁の左右に旋回するような動きを阻止して安定した状態を維持することができる機構としては下記のものが考えられる。
図12〜図14に示すように、箱体10は例えばコンテナやトラック荷台であり、後端を排出口11としている。
箱体10内に荷排出装置もしくは荷積み装置として前後方向に移動する可動隔壁12を設け、さらに、可動隔壁12の下方に敷設する前後動可能とした床板(スライドプレート)13を敷設した。
可動隔壁12は鋼製であり、箱体10が直方体であるとして、排出口11に平行する向きで配置される。また、可動隔壁12は下方がより前方に張出す傾斜面12cを排出口11に向く側に有するものとした。また、床板13も鋼製もしくはステンレス製で、比較的薄いものでよい。
前記可動隔壁12は床板13とは下面が接するだけで載置されており、一方、床板13と箱体10との間には往復運動するシリンダー15を設ける。
第1の回転体(ガイドローラ)1a、第2の回転体1bを可動隔壁12の下部に壁幅方向に離間させて設け、さらに、この第1の回転体1aに近接させて第3の回転体1cを、第2の回転体1bに近接させて第4の回転体1dを設けた。
前記箱体10の後端側に一端を固定し、前端側に他端を固定する第1のチェーン2aの途中を前記第1の回転体1a、および第4の回転体1dに掛渡して張設する。
また、前記箱体10の前端側に一端を固定し、後端側に他端を固定する第2のチェーン2bの途中を第2の回転体1b、第3の回転体1cに掛渡して張設する。
このようにして第1のチェーン2aと第2のチェーン2bは第1の回転体1a、第3の回転体1cと第2の回転体1b、第4の回転体1dとの間で比較的近接して並行または略平行することになる。
かかる第1のチェーン2a、第2のチェーン2b間に、図15に示すように、チェーンの連続環体の1つを嵌合させる凹部4を適宜間隔で周設したスプロケット3を配設した。なお、この第1のチェーン2a、第2のチェーン2bとスプロケット3aとの係合を確実にするために、第1のチェーン2a、第2のチェーン2bをスプロケット3に押し付けるような曲面を有するガイド22を設けた。このガイド22は、第1のチェーン2a、第2のチェーン2bに接合して、かつ、その移動を阻害しないように、前記押し付けるような曲面は波形のものである。
さらに、該スプロケット3は正逆回転可能なモータ47の回転軸に設けた。このモータ47は停止時にはスプロケット3の回転を固定するブレーキとなる機構のものである。
なお、他の実施形態として、可動隔壁12はこれを床板(スライドプレート)13の上に載置し、この係止機構が作用しない場合可動隔壁12は床板13に対して、摩擦で一緒に動くものとしてもよい。
次に使用法について説明する。箱体10をコンテナとしてトレーラートラックに積んだ状態で荷降しをする場合で、コンテナである箱体10内に積み荷があるとして、排出口11は開放する。また、可動隔壁12は箱体10の前側に位置している。
シリンダー15を伸長すれば床板13が箱体10内の前側から後端へ向けて移動し、それとともにモータ47を駆動してスプロケット3を回転させ、床板13の動きに同期させて可動隔壁12も箱体10内の前側から後端へ向けて移動させ、その結果として床板13の積み荷および可動隔壁12もその分だけ移動する。
この状態では、第1のチェーン2aは前記第1の回転体1a、および第4の回転体1dに途中を巻回されるので、この第1の回転体1a、および第4の回転体1d間では可動隔壁12の幅方向に沿って張り巡らされ、同様に、第2のチェーン2bは第2の回転体1bおよび第3の回転体1cに途中を巻回されるので、これら第1のチェーン2aと第2のチェーン2bにより可動隔壁12はたすき掛けにされ、第1の回転体1a、第2の回転体1b、第3の回転体1c、第4の回転体1dを支点に可動隔壁12の左右はともに箱体10の前後に引張される形となるので、左右に旋回するような動きが阻止されて安定した状態を維持することができる。
なお、前記のごとく床板13とともに可動隔壁12が動く場合は、第1の回転体1a、第2の回転体1b、第3の回転体1c、第4の回転体1dが第1のチェーン2aと第2のチェーン2bを滑り、そのまま第1のチェーン2aと第2のチェーン2bにより可動隔壁12はクロス、いわゆる、たすき掛けにされた状態で移動する。
次に、シリンダー15を縮小して床板13が逆方向に移動する場合には、モータ47は停止させ、これをブレーキとなる機構として、スプロケット3の回転を固定する。これがスプロケット3を介して第1のチェーン2aと第2のチェーン2bの動きを止めることになり、その反作用として可動隔壁12は固定され、積み荷は前端部が可動隔壁12に固定されているのでそのまま移動せず、床板13のみが移動してもとに戻る。
このように、(1)床板13の後方への移動とそれに同期させた可動隔壁12と積み荷の移動、(2)可動隔壁12の係止、(3)床板13のみの前方への移動の手順を繰り返して、可動隔壁12とすべての積み荷を順次床板13の後方側に移動させ、積み荷は後端のものから箱体10外へ落下させる。
積み荷をすべて荷降しした状態から、再度の荷降しに備えるため、または、荷積みを行うは、可動隔壁12を床板13の前部側に移動することが必要となる。
この場合は、モータ47を逆転させて可動隔壁12のみを前側に移動させ、次の荷降しに備える。
ところで、図14に示すように、箱体10の底隅部の長手方向に形成する横面開口の凹溝部6を形成し、前記床板13上で、第1のチェーン2a、第2のチェーン2bともに箱体10や床板13に固定される端部から回転体1a〜1dまでの部分は、この凹溝部6内に配設するようにする。
このようにすれば、床板13上で第1のチェーン2aや第2のチェーン2bを荷の邪魔にならないように配設することができる。
さらに、前記凹溝部6は、横面開口をゴム板等の垂下する可撓板体19で閉塞することで、砂や砂利その他粒状や小塊状の荷であっても荷がこの凹溝部6内に入り込むのを可撓板体19で防止できる。
第1のチェーン2a、第2のチェーン2bは、回転体1a〜1dの所から床板13上を横断するような横掛けとなるが、その部分はこの可撓板体19を暖簾状に押し上げるようにすれば支障を生じない。
前記可撓板体19に対して可動隔壁12はこれを暖簾状に押し上げるようにして移動するが、ゴム板等の材質では破断するおそれがあった。また、スチール等の金属製のものでは、撓みが少なく暖簾状に押し上げることができない。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、コンテナまたはトラック荷台等の荷搬送箱体内に設ける荷排出もしくは荷積みの荷役装置として、底部に前後動可能とした床板を配置し、この床板上に、係止時には床板のみが移動し、移動時には床板とともに移動する可動隔壁を設けた荷役装置付き荷搬送箱体において、可動隔壁を牽引する牽引部材または可動隔壁を固定するための長尺部材を荷の邪魔にならないように配設することができ、しかも、その部分に砂や砂利その他粒状や小塊状の荷であっても荷が入り込むのを無理なく防止できる荷役装置付き荷搬送箱体を提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、コンテナまたはトラック荷台等の荷搬送箱体内に設ける荷排出もしくは荷積みの荷役装置として、底部に前後動可能とした床板を配置し、この床板上に、係止時には床板のみが移動し、移動時には床板とともに移動する可動隔壁を設けた荷役装置付き荷搬送箱体において、可動隔壁を牽引する牽引部材または可動隔壁を固定するための長尺部材を箱体底隅部長手方向に形成する横面開口の凹溝部内に配設し、ガイドローラ同士に巻回し、かつ可動隔壁に係止して可動隔壁とともに移動する帯体で前記凹溝部の横面開口を閉塞することを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、可動隔壁が移動する際には帯体も移動して常に凹溝部の横面開口を閉塞するシャッターとして作用して砂や砂利その他粒状や小塊状の荷が入り込むのを防止でき、しかも、無理な変形をこの帯体に加えることがないので、破損のおそれが少ない。
請求項2記載の本発明は帯体はゴムまたは合成樹脂製であり、ガイドローラを折り返し部としてガイドローラ同士に縦向きで平行に掛け渡すことを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、帯体はゴムまたは合成樹脂製であることでガイドローラのところで折り返しが得られ、横並びの平行に折り返えすだけの単純な状態で構成が可能である。特に、ゴム製でもワイヤー入りのシンクロベルトとすれば、強度も十分なものが得られる。
請求項3記載の本発明は、帯体は金属製であり、ガイドローラは上下段に設け、ガイドローラより外方を捻りを加えた折り返し部としてガイドローラ同士に縦向きで、かつ、上下段に掛け渡すことを要旨とするものである。
請求功3記載の本発明によれば、金属製としたのでゴムまたは合成樹脂製に比較して堅牢性に富み、遮蔽精度も高いものとなる。
以上述べたように本発明の荷役装置付き荷搬送箱体は、コンテナまたはトラック荷台等の荷搬送箱体内に設ける荷排出もしくは荷積みの荷役装置として、底部に前後動可能とした床板を配置し、この床板上に、係止時には床板のみが移動し、移動時には床板とともに移動する可動隔壁を設けた荷役装置付き荷搬送箱体において、可動隔壁を牽引する牽引部材または可動隔壁を固定するための長尺部材を荷の邪魔にならないように配設することができ、しかも、その部分に砂や砂利その他粒状や小塊状の荷であっても荷が入り込むのを無理なく防止できるものである。
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の荷役装置付き荷搬送箱体の1実施形態を示す平面図、図4は同上要部の平面図で、前記先行技術を示す図12〜図14にと同一構成要素には同一参照符号を付したものである。
すなわち、箱体10例えばコンテナやトラック荷台としての箱体であり、後端を排出口11としている。
箱体10内に荷排出装置もしくは荷積み装置として前後方向に移動する可動隔壁12を設け、さらに、可動隔壁12の下方に敷設する前後動可能とした床板(スライドプレート)13を敷設した。
可動隔壁12は鋼製であり、箱体10が直方体であるとして、排出口11に平行する向きで配置される。また、可動隔壁12は下方がより前方に張出す傾斜面12cを排出口11に向く側に有するものとした。また、床板13も鋼製もしくはステンレス製で、比較的薄いものでよい。
前記可動隔壁12は床板13とは下面が接するだけで載置されており、図示は省略するが、床板13と箱体10との間には往復運動するシリンダーを設ける。
第1の回転体(ガイドローラ)1a、第2の回転体1bを可動隔壁12の下部に壁幅方向に離間させて設け、さらに、この第1の回転体1aに近接させて第3の回転体1cを、第2の回転体1bに近接させて第4の回転体1dを設けた。
可動隔壁12の牽引部材または可動隔壁12を固定するための長尺部材として、前記箱体10の後端側に一端を固定し、前端側に他端を固定する第1のチェーン2aの途中を前記第1の回転体1a、および第4の回転体1dに掛渡して張設する。
また、前記箱体10の前端側に一端を固定し、後端側に他端を固定する第2のチェーン2bの途中を第2の回転体1b、第3の回転体1cに掛渡して張設する。
このようにして第1のチェーン2aと第2のチェーン2bは第1の回転体1a、第3の回転体1cと第2の回転体1b、第4の回転体1dとの間で比較的近接して並行または略平行することになる。
かかる第1のチェーン2a、第2のチェーン2b間に、チェーンの連続環体の1つを嵌合させる凹部を適宜間隔で周設したスプロケット3を配設した。
さらに、該スプロケット3は正逆回転可能なモータ47の回転軸に設けた。このモータ47は停止時にはスプロケット3の回転を固定するブレーキとなる機構のものである。なお、モータ47は電動または油圧であり、油圧モータを使用する場合にバッテリーを搭載してDC制御するようにしてもよい。
前記のように、第1のチェーン2aは前記第1の回転体1a、および第4の回転体1dに途中を巻回されるので、この第1の回転体1a、および第4の回転体1d間では可動隔壁12の幅方向に沿って張り巡らされ、同様に、第2のチェーン2bは第2の回転体1bおよび第3の回転体1cに途中を巻回されるので、これら第1のチェーン2aと第2のチェーン2bにより可動隔壁12はたすき掛けにされ、第1の回転体1a、第2の回転体1b、第3の回転体1c、第4の回転体1dを支点に可動隔壁12の左右はともに箱体10の前後に引張される形となるので、左右に旋回するような動きが阻止されて安定した状態を維持することができる。
床板13とともに可動隔壁12が動く場合は、第1の回転体1a、第2の回転体1b、第3の回転体1c、第4の回転体1dが第1のチェーン2aと第2のチェーン2bを滑り、そのまま第1のチェーン2aと第2のチェーン2bにより可動隔壁12はクロス、いわゆる、たすき掛けにされた状態で移動する。
図3、図7に示すように、箱体10の底隅部の長手方向に形成する横面開口の凹溝部6を形成し、前記床板13上で、第1のチェーン2a、第2のチェーン2bともに箱体10や床板13に固定される端部から回転体1a、1bまでの部分は、この凹溝部6内に配設するようにする。
このようにすれば、床板13上で第1のチェーン2aや第2のチェーン2bを荷の邪魔にならないように配設することができる。
なお、第1のチェーン2a、第2のチェーン2bの回転体1c、1dから箱体10や床板13に固定される端部までの部分は可動隔壁12の背面側に位置するものであり、前記荷降しをする場合の箱体10内で積み荷が位置しない側になり、これら第1のチェーン2a、第2のチェーン2bは剥き出しでも支障はない。
第1のチェーン2a、第2のチェーン2bの回転体1c、1dから箱体10や床板13に固定される端部よりも外側にガイドローラ7aを設け、箱体10の排出口11から最も離れた位置に可動隔壁12が位置するその両側位置よりも外側にガイドローラ7bを設け、これらガイドローラ7a、7b同士に無端状の帯体8を巻回した。
このガイドローラ7a、7bの設置ホルダー16は図8、図9に示すようにバネ14を介在させたボルト等の支持金具15を設けて、牽引力を加えるようにすれば、無端状の帯体8を常に張っておくようにすることができる。支持金具15をボルトとして端部のナットで長さ調節することで牽引力の調整も可能である。
該無端状の帯体8はゴム製であり、ワイヤー入りのシンクロベルトとする。
そして、ガイドローラ7a、7bは縦向きのものであり、無端状の帯体8はこのガイドローラ7a、7bを折り返し部としてガイドローラ7a、7b同士に縦向きで平行に掛け渡すものである。
このようにして無端状の帯体8で凹溝部6の横面開口6aを閉塞し、その際、第1のチェーン2a、第2のチェーン2bの回転体1c、1dから箱体10や床板13に固定される端部までの部分はこの帯体8のガイドローラ7aにより折り返された部分の内部に納められる。なお、回転体1c、1dは凹溝部6内に一部が入り込むようにすれば、前記第1のチェーン2a、第2のチェーン2bを凹溝部6内に収めることができる。
無端状の帯体8はこれを全てゴム製とする必要はなく、また、帯体として構成するのも少なくとも凹溝部6の横面開口6aを閉塞できる部分でよく、他の部分はワイヤーその他の帯体でない部分でつないで全体を無端状とすることもできる。ここで無端状とは全体形状が無端であることを意味し、帯体となる部分は一部であることを含むものである。
凹溝部6の横面開口6aは、図7に示すように受け金具17により無端状の帯体8が側方から嵌り込むようにしておく。
また、無端状の帯体8は一部を可動隔壁12に一部を係止して可動隔壁12とともに移動するもので、図4に示す様に固定金具9をもって帯体8の端部を止めている。
次に使用法および動作について説明する。箱体10で荷降しをする場合で、コンテナである箱体10内に積み荷があるとして、排出口11は開放し、また、可動隔壁12は箱体10の前側に位置している。
シリンダーを伸長すれば床板13が箱体10内の前側から後端へ向けて移動し、それとともにモータ47を駆動してスプロケット3を回転させ、床板13の動きに同期させて可動隔壁12も箱体10内の前側から後端へ向けて移動させ、その結果として床板13の積み荷および可動隔壁12もその分だけ移動する。
床板13とともに可動隔壁12が動く場合は、第1の回転体1a、第2の回転体1b、第3の回転体1c、第4の回転体1dが第1のチェーン2aと第2のチェーン2bを滑り、そのまま第1のチェーン2aと第2のチェーン2bにより可動隔壁12はクロス、いわゆる、たすき掛けにされた状態で移動する。
次に、シリンダーを縮小して床板13が逆方向に移動する場合には、モータ47は停止させ、これをブレーキとなる機構として、スプロケット3の回転を固定する。これがスプロケット3を介して第1のチェーン2aと第2のチェーン2bの動きを止めることになり、その反作用として可動隔壁12は固定され、積み荷は前端部が可動隔壁12に固定されているのでそのまま移動せず、床板13のみが移動してもとに戻る。
このように、(1)床板13の後方への移動とそれに同期させた可動隔壁12と積み荷の移動、(2)可動隔壁12の係止、(3)床板13のみの前方への移動の手順を繰り返して、可動隔壁12とすべての積み荷を順次床板13の後方側に移動させ、積み荷は後端のものから箱体10外へ落下させる。
このように可動隔壁12が床板13とともに動く場合には無端状の帯体8もともに移動して凹溝部6の横面開口6aを閉塞し続け、第1のチェーン2a、第2のチェーン2bの回転体1c、1dから箱体10や床板13に固定される端部までの部分はこの帯体8の内側のみで移動する。
図5は本発明の第2実施形態を示すもので、無端状の帯体8をスチール、ステンレス等の金属製のものとした場合である。
金属製の場合は前記第1実施形態のゴム製に比較して堅牢性に富み、遮蔽精度も高いが、ガイドローラに対して直折り返えすことが不可能である。
従って、この場合はガイドローラ7a、7bのほかに更にガイドローラ7c、7dをもって上下2段の配置とし、かつ上下のガイドローラ7aと7c、ガイドローラ7bと7d間で折り返す無端状の帯体8は捻りを加え、折り返は横向きでなく上下に平行するようにした。
この第2実施形態の場合も動作は前記第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
前記実施形態では、第1のチェーン2aと第2のチェーン2bを可動隔壁12を牽引する牽引部材とまたは可動隔壁12を固定するための長尺部材としたが、図示は省略するが、牽引部材または長尺部材としてこの凹溝部6にラックレールを設け、前記可動隔壁12にはこのラックレールに一方向にのみ係止されるカムを設けるようにすることもできる。
また、牽引部材または長尺部材としてレール状の突条部とし、これに対するチャック機構を可動隔壁12に設けてもよい。
本発明の荷役装置付き荷搬送箱体の1実施形態を示す平面図である。
本発明の荷役装置付き荷搬送箱体の1実施形態を示す縦断側面図である。
本発明の荷役装置付き荷搬送箱体の1実施形態を示す縦断正面図である。
本発明の荷役装置付き荷搬送箱体の第1実施形態を示す要部の平面図である。
本発明の荷役装置付き荷搬送箱体の第2実施形態を示す要部の平面図である。
本発明の荷役装置付き荷搬送箱体の第2実施形態を示す無端状の帯体の側面図である。
横面開口の凹溝部の縦断側面図である。
無端状の帯体のガイドローラ設置部分の平面図である。
無端状の帯体のガイドローラ設置部分の側面図である。
可動隔壁の駆動部の平面図である。
可動隔壁の駆動部の縦断正面図である。
先行技術の荷役装置付き荷搬送箱体の横断平面図である。
先行技術の荷役装置付き荷搬送箱体の縦断正面図である。
先行技術の荷役装置付き荷搬送箱体の縦断側面図である。
先行技術の荷役装置付き荷搬送箱体の要部の平面図である。
符号の説明
1a…第1の回転体(ガイドローラ) 1b…第2の回転体
1c…第3の回転体 1d…第4の回転体
2a…第1のチェーン 2b…第2のチェーン
3…スプロケット 4…凹部
6…凹溝部 6a…横面開口
7a、7b、7c、7d…ガイドローラ
8…帯体 9…固定金具
10…箱体 11…排出口
12…可動隔壁
13…床板 14…バネ
15…シリンダー 16…ホルダー
17…受け金具 19…可撓板体
22…ガイド 47…モータ