JP4344165B2 - ケロイドの診断方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はケロイドの診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ケロイド(真性ケロイド又は突発性ケロイドと呼ばれることもある)は軽微な外傷に続いて発症し、あるいは外傷歴がなく突然発症し、紅色から紅褐色の半球状色ないし表面平滑な硬い皮膚結節を形成する疾患である。この結節は徐々に拡大して増殖する反応性の結合組織増殖であり、掻痒感があり、つまむと圧痛がある。思春期以後の前胸部とくに乳房間や肩、背部に発生することが多く、しばしば座瘡や外傷、手術、BCG接種などに続発し、切除により通常大きさが倍加する。ケロイドは発症機序が不明であり、まだ動物モデルも存在しないことから、原因の究明や治療方法の確立が著しく遅れている。
【0003】
一方、肥厚性瘢痕(瘢痕ケロイドと呼ばれることもある)は、外傷や熱傷などに続発するが、外傷の創面の範囲を超えた増殖がない疾患であり、数年のうちに次第に萎縮して扁平化する。肥厚性瘢痕の治療には、副腎皮質ホルモンの病巣内注入、閉鎖密封、及び持続圧迫などが行われる。
【0004】
ケロイドと肥厚性瘢痕は組織学的及び病理学的に共通点が多い。組織学的には、線維芽細胞と血管の増殖、繊維化、硬化(硝子化)が認められ、創面が隆起する結合組織の肥大増殖、病変部の硬化と強い紅色調、強い掻痒感と圧痛、及び時に自発痛を伴う点で両者は共通している。また、病理学的には、真皮内に渦巻状ないし結節状の膠原腺維の増殖が認められる点でも共通しており、両者を鑑別することは不可能である。遺伝子発現に関する情報では、ケロイドと肥厚性瘢痕の両者で発現しているものとしてTGF−β1及びその受容体I及びII型、並びにコラーゲンI型、コラーゲンIII型、及びコラーゲンVI型が知られている。
【0005】
このように、ケロイドと肥厚性瘢痕とは別の疾患であるものの、組織学的及び病理学的に極めて類似点が多いことから、臨床医にとってその鑑別が極めて難しく、治療法法の選択を誤ると疾患を悪化させることにもなりかねないという問題がある。ケロイドと肥厚性瘢痕の相違点については明確な報告がなく、過去には病理学的鑑別が試みられたこともあったが、統一した見解はいまだ得られていない。このため、臨床医は一般に臨床経過や各自のあいまいな基準で両者の鑑別を行っているのが現状である。
【0006】
ケロイドと肥厚性瘢痕の鑑別関しての遺伝子発現に関する情報では、肥厚性瘢痕組織で発現しているがケロイド組織での発現が確認されていないものとしてVersican及びbiglycanが報告されており、ケロイド組織で発現しているが肥厚性瘢痕組織では確認されていないものとしてコラーゲンX型が報告されている。しかしながら、これらの遺伝子発現に関する情報は、ケロイドと肥厚性瘢痕とを明確に鑑別するための情報としては信頼性及び再現性などの観点から到底満足すべきものとは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明の課題は、ケロイドと肥厚性瘢痕とを簡便かつ正確に鑑別可能な手段を提供することにある。本発明者らは上記の課題を解決すべく、ケロイド患者の皮膚サンプルから調製したmRNAを鋳型としてcDNAを調製し、マイクロアレイを用いてmRNAレベルが上昇している遺伝子を解析した。その結果、正常組織よりも数倍高い発現量を伴う複数の遺伝子を特定することに成功し、これらの遺伝子がケロイド組織でも発現していることを確認した。また、これらの遺伝子のうち肥厚性瘢痕組織では有意に発現していない遺伝子を特定することに成功し、これらの遺伝子を用いた診断によりケロイドと肥厚性瘢痕とを簡便かつ正確に鑑別できる手法を確立した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明により、下記の発明が提供される。
1.ケロイドか否かを判定する方法であって、下記の工程、
(1)被検試料を用意する工程、
(2)被検試料中のペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカン、セリンプロテアーゼ11、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および15型コラーゲンアルファ1鎖からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定する工程、および、
(3)測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量と正常組織由来被検試料中の発現量とを比較してケロイド陽性であると判定する工程、を含む方法。
【0009】
2.ケロイドか否かを判定する方法であって、下記の工程、
(1)被検試料を用意する工程、
(2)被検試料中のファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定する工程、および、
(3)測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上である場合にケロイド陽性であると判定する工程、を含む方法。
【0010】
3.ケロイドか否かを判定する方法であって、下記の工程、
(1)被検試料を用意する工程、
(2)被検試料中のペリオスチン、ファイブロネクチン1およびO−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼからなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定する工程、および、
(3)測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の8倍以上である場合にケロイド陽性であると判定する工程、を含む方法。
【0011】
4.ケロイドか否かを判定する方法であって、下記の工程、
(1)被検試料を用意する工程、
(2)被検試料中のジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の発現量を測定する工程、および、
(3)測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下である場合にケロイド陽性であると判定する工程、を含む方法。
【0012】
5.ケロイドか否かを判定する方法であって、下記の工程、
(1)被検試料を用意する工程、
(2)被検試料中のペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定する工程、
(3)被検試料中のジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の発現量を測定する工程、および、
(4)ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上で、かつ、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下である場合にケロイド陽性であると判定する工程、を含む方法。
【0013】
6.上記1ないし5のいずれかに記載の遺伝子産物を認識する抗体を用いて、被検試料中の遺伝子産物の発現量を測定する上記1ないし5のいずれかの方法。
7.抗体がモノクローナル抗体である上記6に記載の方法。
8.上記1ないし5のいずれかに記載の遺伝子産物をコードする核酸にハイブリダイゼーションするプローブ核酸を用いて、被検試料中の遺伝子産物の発現量を測定する上記1ないし5のいずれかに記載の方法。
9.被検試料から得られたmRNAを鋳型として得られたcDNAを用いて測定する上記8に記載の方法。
10.ケロイドか否かを判定するための診断用キットであって、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上であることを測定しケロイド陽性であると判定可能な手段を含む診断用キット。
【0014】
11.ケロイドか否かを判定するための診断用キットであって、ペリオスチン、ファイブロネクチン1およびO−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼからなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の8倍以上であることを測定しケロイド陽性であると判定可能な手段を含む診断用キット。
12.ケロイドか否かを判定するための診断用キットであって、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下であることを測定しケロイド陽性であると判定可能な手段を含む診断用キット。
【0015】
13.ケロイドか否かを判定するための診断用キットであって、ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上であることを測定し、かつ、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下であることを測定してケロイド陽性であると判定可能な手段を含む診断用キット。
【0016】
14.ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカン、セリンプロテアーゼ11、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および15型コラーゲンアルファ1鎖からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物を認識する抗体を用いる上記10ないし13のいずれかに記載の診断用キット。
15.抗体がモノクローナル抗体である上記14に記載の診断用キット。
16.ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカン、セリンプロテアーゼ11、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および15型コラーゲンアルファ1鎖からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物をコードする核酸にハイブリダイゼーションするプローブ核酸を用いる上記10ないし13のいずれかに記載の診断用キット。
【0017】
17.プローブ核酸が固相担体の表面に固定化されたプローブ核酸である上記16に記載の診断用キット。
18.ケロイドの診断、ケロイドの病変組織の拡大防止またはケロイドの治療のための物質をスクリーニングする方法であって、ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカン、セリンプロテアーゼ11、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および15型コラーゲンアルファ1鎖からなる群より選ばれる遺伝子産物またはそれらをコードする核酸のうち、少なくとも1つを用いることを特徴とするスクリーニング方法。
19.上記18に記載の方法によりスクリーニングされた物質を有効成分として含むケロイドの診断、ケロイドの病変組織拡大防止またはケロイドの治療のための医薬。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、ケロイドか否かを判定する方法であって、下記の工程、
(1)被検試料を用意する工程、
(2)被検試料中の(A)ペリオスチン、(B)ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、(C)ミネカン、(D)ルミカン、(E)セリンプロテアーゼ11、(F)ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および(G)15型コラーゲンアルファ1鎖からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定する工程、および、
(3)測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量と正常組織由来被検試料中の発現量とを比較してケロイド陽性であると判定する工程を含むことを特徴としている。上記の遺伝子産物(A)から(G)はいずれも公知であり、それぞれのアミノ酸配列の情報も入手可能である。
【0019】
また、本発明の方法に用いられる遺伝子産物は、上記のアミノ酸配列により特定される各遺伝子産物と実質的に同一の生物学的機能を有するものであれば、上記の公知のアミノ酸配列において、1個ないし数個のアミノ酸が置換、挿入、又は欠失した変異アミン酸配列を有する遺伝子産物であっても差し支えない。本明細書において用いられる「遺伝子産物」の用語には、上記の変異アミノ酸配列を有する遺伝子産物も包含される。
【0020】
本発明の方法では、被験者から病変組織を採取し、一方、同一の被験者又は別の健常者から正常組織を採取して、それぞれの組織中における上記の(A)ないし(G)のいずれか1つ以上の遺伝子産物の発現量の測定を行う。一人または複数の健常者の正常組織における上記遺伝子産物の発現量をあらかじめ測定しておき、正常組織での発現量として用いてもよい。複数の健常者の正常組織での発現量の平均値を用いることもできる。正常組織は、患者の病変組織の周囲の組織から採取してもよい。
【0021】
上記の遺伝子産物の発現量を測定する方法は特に限定されず、当業者が利用可能な方法であればいかなる方法を用いてもよい。例えば、上記遺伝子産物の発現量を測定する方法として、上記の遺伝子産物を認識する抗体を用いる方法を例示することができる。上記の遺伝子産物を認識する抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいが、上記の遺伝子産物を特異的に認識できるモノクローナルを用いることが望ましい。あるポリペプチドについて抗原性が明らかである場合、該ポリペプチドに特異的に反応するモノクローナル抗体を製造する方法は当業者に周知かつ慣用である。例えば、マウスやウサギなどの動物を免疫感作することによってポリクローナル抗体を製造することができ、免疫した動物のリンパ球を用いたハイブリドーマによりモノクローナル抗体を産生することができる。
【0022】
抗体としては、抗体の活性フラグメントを用いてもよい。活性フラグメントとしては、具体的にはF(ab′)2、Fab′、Fab、Fvなどを挙げることができる。例えば、抗体をペプシンで分解するとF(ab’)2 が得られ、パパインで分解するとFabが得られる。F(ab’)2 を2−メルカプトエタノールなどの試薬で還元して、モノヨード酢酸でアルキル化するとFab’が得られる。Fvは重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをリンカーで結合させた一価の抗体活性フラグメントである。さらに、これらの活性フラグメントを保持し、その他の部分を他の動物のフラグメントに置換することでキメラ抗体が得られる。これらの活性フラグメントやキメラ抗体を上記遺伝子産物の発現量の測定に用いることができる。
【0023】
上記の遺伝子産物を抗体を用いて定量する方法としては、例えば、標識された抗体を用いる方法、又は上記の遺伝子産物を認識する抗体に反応する標識二次抗体を用いる方法などを挙げることができる。抗体の標識手段は特に限定されないが、例えば、放射性同位元素、酵素、アビジン若しくはビオチン、又は蛍光物質などを適宜選択可能である。
【0024】
また、上記遺伝子産物の発現量を測定する方法として、例えばマイクロアレイ法を利用することができる。この方法の原理は当業者によく知られているが、一般的には、固相担体に既知の遺伝子又はその断片を固定化してマイクロアレイを形成する工程;固相担体上の遺伝子又はその断片に試料由来の標識核酸を接触させてハイブリッドを形成させる工程;及び固相担体上の遺伝子又はその断片と試料由来の標識核酸との間でハイブリッドを形成した多重鎖核酸の有無を上記標識を利用して検出する工程を含んでいる。
【0025】
本発明の方法では、組織における上記遺伝子産物の発現量を測定する必要があることから、一般的には、上記遺伝子産物をコードするmRNAの量を測定することが望ましいが、上記遺伝子産物をコードするmRNAを鋳型として相補的配列を有するcDNAを調製し、cDNAの量を測定してもよい。本発明の方法では、一般的には、上記mRNA又はそれを鋳型として調製されたcDNA(これらの核酸を「遺伝子産物をコードする核酸」と呼ぶ場合がある。)との間でハイブリッドを形成可能な核酸を検出に用いることができる(本明細書において、この核酸を「プローブ核酸」と呼ぶ)。
【0026】
プローブ核酸として利用可能な核酸の種類は特に限定されず、DNA又はRNAのいずれであってもよい。プローブ核酸の全長も特に限定されないが、例えば15塩基以上、好ましくは20塩基以上であれば上記遺伝子産物をコードするmRNAとの間で特異的なハイブリッドを形成できる。上記遺伝子産物を効率的に検出するために、上記に説明した各アミノ酸配列の情報を利用することができ、当業者は適宜のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドをプローブ核酸として調製できる。
【0027】
マイクロアレイの形成方法は特に限定されず、当業者が利用可能ないかなる方法を採用してもよい。例えば、固相担体表面で直接プローブ核酸を合成する方法、又は予め調製したプローブ核酸を固相担体表面に結合する方法のいずれを採用してもよい。固相担体表面で直接プローブ核酸を合成する場合には、光照射で選択的に除去される保護基を用い、半導体製造に利用されるフォトリソグラフィー技術および固相合成技術を組み合わせて所定の微少なマトリックス領域でのオリゴヌクレオチドの選択的な合成を行なう方法が一般的である。予めプローブ核酸を調製して固相担体表面に結合する方法では、プローブ核酸の種類や固相担体の種類に応じて、スポッタ装置によりポリ陽イオン化合物やアミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤などで表面処理した固相担体の表面に点着する方法、反応活性基を導入したプローブ核酸を合成し、予め反応性基を形成させるように表面処理した固相担体表面に該プローブ核酸を点着して該プローブ核酸を固相担体表面に共有結合により結合固定させる方法などを利用できる。
【0028】
組織からの核酸試料の調製方法は特に限定されず、当業者が利用可能な任意の方法を採用できる。組織から分離採取したmRNAを鋳型として、逆転写反応により標識dNTP(「dNTP」は塩基がアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)もしくはチミン(T)であるデオキシリボヌクレオチドを意味する。)を取り込ませた標識cDNAを調製することが好ましい。一回のハイブリダイゼーションに必要なmRNA量は通常は数μg以下である。標識方法としては放射性同位元素(RI)を用いた方法、又は非RI法(蛍光法、ビオチン法、化学発光法等)のいずれを用いてもよい。蛍光標識を行う場合の蛍光物質の種類は、核酸の塩基部分と結合できるものであれば特に限定されず、例えば、シアニン系色素(市販のCy3、Cy5等)、ローダミン6G試薬、N−アセトキシ−N2−アセチルアミノフルオレン(AAF)あるいはAAIF(AAFのヨウ素誘導体)などを適宜選択できる。
【0029】
上記で調製した標識cDNAとプローブ核酸とのハイブリッド形成は、例えば、標識cDNAを含む溶液をプローブ核酸を固定した固相担体上に点着することによって行うことができる。点着の容量は特に限定されないが、通常は1〜100nL程度であり、ハイブリッド形成は室温〜70℃の温度範囲で1〜20時間程度行うことができる。標識cDNAとプローブ核酸との間でハイブリッドを形成させた後、界面活性剤及び緩衝剤を含む溶液などで洗浄を行い、未反応の標識cDNAを除去することが好ましい。その後、標識の種類に応じてハイブリッドを形成した標識cDANの量を測定することにより、被験組織に含まれていた遺伝子産物をコードするmRNAの量を測定することができる。以上、本発明の方法において上記遺伝子産物の発現量を測定するための例を具体的に説明したが、本発明の方法において採用可能な測定方法は上記の特定の態様に限定されることはなく、当業者が適宜の方法を採用可能であることは言うまでもない。
【0030】
このようにして測定された病変組織における遺伝子産物の発現量を正常組織における遺伝子産物の発現量と比較することにより、ケロイド陽性であるか否かを判定することができる。
例えば、被検試料中のファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定し、測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上である場合にケロイド陽性であると判定することができ、好ましくは被検試料中のペリオスチン、ファイブロネクチン1およびO−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼからなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定し、測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の8倍以上である場合にケロイド陽性であると判定することができる。
【0031】
また、被検試料中のジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の発現量を測定し、測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下である場合にケロイド陽性であると判定することができ、好ましくは被検試料中のペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定し、かつ被検試料中のジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の発現量を測定し、ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上であり、かつ、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下である場合にケロイド陽性であると判定することができる。
【0032】
本発明の診断キットは上記の原理を利用してケロイドか否かを判定するための診断用キットであり、その代表例としては、例えば、
ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上であることを測定しケロイド陽性であると判定可能な手段を含む診断用キット;
ペリオスチン、ファイブロネクチン1およびO−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼからなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の8倍以上であることを測定しケロイド陽性であると判定可能な手段を含む診断用キット;
【0033】
ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下であることを測定しケロイド陽性であると判定可能な手段を含む診断用キット;及び
ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上であることを測定し、かつ、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および/または15型コラーゲンアルファ1鎖の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下であることを測定してケロイド陽性であると判定可能な手段を含む診断用キットを挙げることができる。
【0034】
好ましい態様では、ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカン、セリンプロテアーゼ11、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および15型コラーゲンアルファ1鎖からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物を認識する抗体を用いることができ、抗体としてはモノクローナル抗体を用いることがさらに好ましい。
【0035】
また、ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカン、セリンプロテアーゼ11、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および15型コラーゲンアルファ1鎖からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物をコードする核酸にハイブリダイゼーションするプローブ核酸を用いることも好ましい。この診断キットは、マイクロアレイ法により上記のようにしてプローブ核酸を固相担体表面上に点着することにより調製することができる。
【0036】
本発明により、ケロイドの診断、ケロイドの病変組織の拡大防止またはケロイドの治療のための物質をスクリーニングする方法が提供される。この方法は、例えば、ペリオスチン、ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカン、セリンプロテアーゼ11、ジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される遺伝子産物および15型コラーゲンアルファ1鎖からなる群より選ばれる遺伝子産物またはそれらをコードする核酸のうち、少なくとも1つを用いることを特徴とする方法である。また、本発明により、上記スクリーニング方法によりスクリーニングされた物質を有効成分として含むケロイドの診断、ケロイドの病変組織拡大防止またはケロイドの治療のための医薬が提供される。スクリーニングの結果として得られる物質には、例えば、低分子有機化合物のほか、該遺伝子産物を認識可能な中和抗体、好ましくは該遺伝子産物を特異的に認識可能な中和抗体であるモノクローナル抗体、上記の遺伝子産物をコードする遺伝子DNA又はmRNAにハイブリダイズ可能なアンチセンス核酸などが含まれる。
【0037】
本発明により提供される医薬は、上記のスクリーニングにより得られた物質を有効成分として含み、ケロイドの診断、ケロイドの病変組織の拡大防止またはケロイドの治療のために有用である。本発明の医薬の投与経路は有効成分である物質の種類に応じて適宜選択できるが、注射による局所投与、外用剤による局所投与などを好適な投与経路として挙げることができる。有効成分の物質の種類によっては経口的又は非経口的な全身投与により有効性を達成できる場合もある。本発明の医薬の投与量は、有効成分の種類により適宜選択できるが、一般的にはケロイド病変組織における有効濃度が上記遺伝子産物の発現を抑制可能な濃度を上回るように選択することができる。本発明の医薬の製造にあたっては、1又は2種以上の製剤用添加物を適宜選択して用いることができ、投与経路に応じた適宜の製剤形態を選択して医薬組成物を調製することができるが、このような選択は当業者が容易になしうることである。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例により限定されることはない。
例1
(A)材料と方法
(a)組織試料とRNAの調製
ケロイド病変組織及びその周囲の正常組織を外科的に7名のケロイド患者(13歳〜70才、男性4名、女性3名)から切除した。また、健常者1名から美容整形術中に皮膚試料を採取した。これらの組織試料を液体窒素中で急速凍結し、試験に供するまで−80℃で保存した。全RNAを組織試料からシングルステップ法により分離した。マイクロアレイ法では全RNAからオリゴテックス−dT30 mRNA精製キット(タカラ)を用いてmRNAを精製した。
【0039】
(b)ノーザンブロッティング
全RNAを2.2Mホルムアルデヒド−1%アガロースゲルで電気泳動し、ナイロンフィルターに転写した。このフィルターをExpressHybハイブリダイゼーション溶液(クロンテック)中で65℃で1時間ハイブリダイズさせた。以下の32P標識体を用いた。ヒトHSP47、proα1(I)コラーゲン(C末端プロペプチドをコードする塩基番号3731〜4534のフラグメント)、proα1(III)コラーゲン(proα1(I)コラーゲン及び他の型のコラーゲンと有意な塩基配列相同性を有しないC末端プロペプチドをコードする塩基番号3386〜4560のフラグメント)、及びβ−アクチンcDNA(コントロール)。フィルターを0.1Å〜SSC、0.1%SDS中で50℃(コラーゲンIII型プローブ)又は68℃(それ以外のプローブ)にて洗浄した。フィルターの放射能をSTORM820システム(モレキュラーダイナミクス)で測定した。
【0040】
(c)cDNAマイクロアレイ分析
cDNAの分析にはHUMAN Uni GEMバージョン2.0アレイ(インサイト)を用いた。このアレイには配列既知の1982種のcDNフラグメントが固定されている。このアレイを用いた場合の測定感度は10万個の転写物のうちの1個を検出できるものであった。正常組織にはCy3及びケロイド組織にはCy5でラベルしたcDNAをmRNAから調製し、これらを一緒に同一のアレイ上でハイブリダイズさせた。蛍光比は、感度、発現差、逆転写量、及びシグナル・バックグラウンド(比)の制御を含む全ての要素について計算し、これらの要素全部を考慮に入れてCy5とCy3の蛍光比である補正発現量を計算した。また、異なる患者から得た3個の独立のケロイド試料についてノーザンブロッティングを行った。
【0041】
(B)結果
cDNAマイクロアレイ分析により、発現量に差のある配列が多数見出された。その結果を下記表1に示す。表中、シグナル強度はCy3:Cy5強度(正常組織に対してケロイド病変組織においてX倍)として示し、3.5倍以上の差が認められた場合に有意差ありと判定した。この結果から、ペリオスチン(クローンNo.1)、ファイブロネクチン1(クローンNo.2)などの発現が正常組織に対して著しく亢進していることが分かる。ノーザンブロッティングにより、これらの遺伝子産物がケロイド組織中に実際に発現しており、正常組織での発現に比べて高い濃度を与えていることも確認できた。同様にして肥厚性瘢痕組織から得られた結果を表1に示す(表中、hypertrofic scarの欄)。
【0042】
【表1】
Figure 0004344165
Figure 0004344165
Figure 0004344165
【0043】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、従来診断が極めて困難であったケロイドと肥厚性瘢痕を簡便かつ正確に鑑別することができ、ケロイドに対して適切な治療を行うことができるようになる。
【配列表】
<110> Daiichi Sankyo Co., Ltd.
<120> Method for Diagnosing Keloid
<130> A21792M
<160> 1
<170> PatentIn version 3.1
<210> 1
<211> 3063
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 1
agcggggcag aagaggaaga tttctgaaga gtgcagctgc ctgaaccgag ccctgccgaa 60
cagctgagaa ttgcactgca accatgagtg agaacaataa gaattccttg gagagcagcc 120
tacggcaact aaaatgccat ttcacctgga acttgatgga gggagaaaac tccttggatg 180
attttgaaga caaagtattt taccggactg agtttcagaa tcgtgaattc aaagccacaa 240
tgtgcaacct actggcctat ctaaagcacc tcaaagggca aaacgaggca gccctggaat 300
gcttacgtaa agctgaagag ttaatccagc aagagcatgc tgaccaggca gaaatcagaa 360
gtctggtcac ctggggaaac tatgcctggg tctactatca catgggccga ctctcagacg 420
ttcagattta tgtagacaag gtgagacatg tctgtgagaa gttttccagt ccctatagaa 480
ttgagagtcc agagcttgac tgtgaggaag ggtggacacg gttaaagtgt ggaggaaacc 540
aaaatgaaag agcgaaggtg tgctttgaga aggctctgga aaagaagcca aagaacccag 600
aattcacctc tggactggca atagcaagct accgtctgga caactggcca ccatctcaga 660
acgccattga ccctctgagg caagccattc ggctgaatcc tgacaaccag taccttaaag 720
tcctcctggc tctgaagctt cataagatgc gtgaagaagg tgaagaggaa ggtgaaggag 780
agaagttagt tgaagaagcc ttggagaaag ccccaggtgt aacagatgta cttcgcagtg 840
cagccaagtt ttatcgaaga aaagatgagc cagacaaagc gattgaactg cttaaaaagg 900
ctttagaata cataccaaac aatgcctacc tgcattgcca aattgggtgc tgctataggg 960
caaaagtctt ccaagtaatg aatctaagag agaatggaat gtatgggaaa agaaagttac 1020
tggaactaat aggacacgct gtggctcatc tgaagaaagc tgatgaggcc aatgataatc 1080
tcttccgtgt ctgttccatt cttgccagcc tccatgctct agcagatcag tatgaagaag 1140
cagagtatta cttccaaaag gaattcagta aagagcttac tcctgtagcg aaacaactgc 1200
tccatctgcg gtatggcaac tttcagctgt accaaatgaa gtgtgaagac aaggccatcc 1260
accactttat agagggtgta aaaataaacc agaaatcaag ggagaaagaa aagatgaaag 1320
acaaactgca aaaaattgcc aaaatgcgac tttctaaaaa tggagcagat tctgaggctt 1380
tgcatgtctt ggcattcctt caggagctga atgaaaaaat gcaacaagca gatgaagact 1440
ctgagagggg tttggagtct ggaagcctca tcccttcagc atcaagctgg aatggggaat 1500
ggagaataga gatgtggtgc ccactaggct actgctgata gggagctgaa attcctccac 1560
caagttggta ttcaaaatat gtaatgactg gtatggcaaa agattggact aagacactgg 1620
ccataccact ggacagggtt atgttaacac ctgaattgct gggtcttgag agagcccaag 1680
gagttctggg agagggacca gattgggggg taggtccacg ggcttggtga tagaattatt 1740
tctcgattga cttcttgagt gcaatttgaa ctgtaacatt tgcttagtca cctttagtgg 1800
agtaatccac tgggcttgtt tctatattta tataaagcag ccaaatcctt catgtaatat 1860
tgaagtccat ttttgcaatg ttgttccata cttggagtca ttttgcatcc catagaggtt 1920
agtcctgcat agccagtaat gtgctaagtt catccaaaag ctgggggacc aaagtctaaa 1980
tagggctcag tatcccccat cgcttatctc tgcctccttc ctcctccttc ccagtctatc 2040
atcaaccttg agtattctac acaatgtgaa ttcaagtgcc tgattaattg aggtggcaac 2100
atagtttgag acgagggcag agaacaggaa gatacatagc tagaagcgac gggtacaaaa 2160
agcaatgtgt acaagaagac tttcagcaag tatacagaga gttcacctct actctgccct 2220
cctcatagtc ataatgtagc aagtaaagaa tgagaatgga ttctgtacaa tacactagaa 2280
accaacataa tgtatttctt taaaacctgt gtgaaaaaat aaatgttcca ccagtaggga 2340
taggggaaaa gtaaccaaaa gagagaaaga gaaaggaatg ctggtttatc tttgtagatt 2400
gtaatcgaat ggagaaattt gcagtatttt agccactatt aggaattttt tttttttgta 2460
aaatgaagac tgaactctgt tcaaatgctt tcatgaacct ggtttgagac ggtaggaaag 2520
caacaaaacg tgggaacctg gtgactaagg gcctggtgca aggacttggg aaatgtcatt 2580
aataatagat ggtggggttt tccccccttt agaaatgttg gatattaagt gatataaaca 2640
cttcttttaa ctccgaaaat cttctgagaa atcacaaaat tcacggtatg cttggaacga 2700
ttgagatttt ctaggtagat gctgaatagc ctagacatca aagttggtgt gaaccaaaat 2760
agagtcagct gacccagcat cagccacact ctgggttgga aaatgtttgc ctgttggaat 2820
taatttaagc ttaagtatat atcaacatta ttttattgtg caattaaaac aatacaaatt 2880
catggttttt taaagttaaa aattctaacc actgtaacaa cagtttttgt gttattttct 2940
gtattaaaca tcttgttgca cgcatttgag gtcatcaggg tgcaaaattt gtattcctga 3000
aaatgtcata tattttcatt aataaataac ctaaatatga taaaacataa aaaaaaaaaa 3060
aaa 3063

Claims (6)

  1. ケロイドか肥厚性瘢痕かを判定する方法であって、下記の工程、
    (1)被検試料中のセリンプロテアーゼ11の発現量を測定する工程、および、
    (2)測定した病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上である場合にケロイド陽性であると判定する工程、を含む方法。
  2. 請求項1に記載された判定を行うための診断用キットであって、セリンプロテアーゼ11をコードする核酸にハイブリダイゼーションするプローブ核酸を含む診断用キット。
  3. プローブ核酸が固相担体の表面に固定化されたプローブ核酸である請求項2に記載の診断用キット。
  4. ケロイドか肥厚性瘢痕かを判定する方法であって、下記の工程、
    (1)被検試料中のファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、少なくとも1つの遺伝子産物の発現量を測定する工程、
    (2)被検試料中のジーンバンクアクセッションナンバー(Gene Bank accession No.)BC032839で同定される配列表の配列番号1に記載のDNA配列の遺伝子産物の発現量を測定する工程、および、
    (3)ファイブロネクチン1、O−結合型マンノースベータ1,2Nアセチルグリコサミニルトランスフェラーゼ、ミネカン、ルミカンおよびセリンプロテアーゼ11からなる群より選ばれる遺伝子産物のうち、測定した少なくとも1つの遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の5倍以上で、かつ、ジーンバンクアクセッションナンバーBC032839で同定される配列表の配列番号1に記載のDNA配列の遺伝子産物の病変組織由来被検試料中の発現量が正常組織由来被検試料中の発現量の7倍以下である場合にケロイド陽性であると判定する工程、を含む方法。
  5. 請求項4に記載された判定を行うための診断用キットであって、上記遺伝子産物をコードする核酸にハイブリダイゼーションするプローブ核酸を含む診断用キット。
  6. プローブ核酸が固相担体の表面に固定化されたプローブ核酸である請求項5に記載の診断用キット。
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