JP2002515591A - 結腸癌を診断し、モニターし、そして病期決定する新規方法 - Google Patents

結腸癌を診断し、モニターし、そして病期決定する新規方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は結腸癌を検出し、診断し、モニターし、病期決定し、そして予後判定するための新規方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、部分的に、癌、特に結腸癌を検出し、診断し、モニターし、病期決
定し、そして予後判定するための、新たに開発されたアッセイに関する。発明の背景 結腸癌は、米国において、二番目に多く頻繁に診断される悪性腫瘍(mali
gnancy)である。胃腸管の癌、特に結腸癌は、非常に治療可能であり、そ
して腸(bowel)に局在する場合、しばしば治癒可能な疾患である。しかし
、現在、結腸癌は、癌での死亡の二番目に多い原因である。手術が主な治療であ
り、そして患者のおよそ50%が治癒する。手術後の再発が主な問題であり、そ
してしばしば死の究極的な原因である。結腸癌の予後は、明らかに、腸壁を通じ
た腫瘍の浸透の度合いおよび結節関与の有無に関連する。これらの2つの特性が
、本疾患に関し開発されたすべての病期決定系の基本を成す。腸閉塞および腸穿
孔は、予後不良の指標である。癌胎児性抗原(CEA)および炭水化物抗原19
−9(CA 19−9)の血清レベルが治療前に上昇している場合もまた、有意
に予後が陰性である。
【0002】 疾患頻度が高く(新規の結腸癌症例は毎年およそ160,000)、高リスク
群が同定され、原発病巣の増殖が遅いことが立証され、初期病巣では生存率が高
く、そしてスクリーニング試験が比較的単純でそして正確であるため、結腸癌に
関するスクリーニングは、50歳以上のすべての成人、特に結腸直腸癌患者の一
親等の親族である成人のための、日常的な医療の一部であるべきである。
【0003】 結腸癌を検出し、診断し、モニターし、病期決定し、そして予後判定するため
に用いられる方法は、患者の結果に非常に重要である。例えば、初期結腸癌と診
断された患者は、一般的に、遠隔転移結腸癌と診断された患者の生存率に比べ、
はるかに高い5年生存率を有する。治療決定は、通常、病期決定のためのより古
いDukesまたは修飾Astler−Coller(MAC)分類計画を参考
にして行われる。しかし、明らかに、初期結腸癌を検出するための、より感度が
高くそして特異的な新規診断法が必要である。
【0004】 さらに、結腸癌患者は、最初の療法後、そして補助剤(adjuvant)療
法中、療法に対する反応を測定し、そして転移の持続または再発疾患を検出する
ため、綿密にモニターしなければならない。したがって、結腸癌再発を検出する
のに、より感度が高くそして特異的な結腸癌マーカーが、明らかに必要である。
【0005】 結腸癌を管理する、別の重要な段階は、患者の疾患の病期を決定することであ
る。病期決定は、予後判定に有用である可能性があり、そして最適な療法を設計
するための規準を提供する。病理学的な病期決定は、より正確な予後を提供する
ため、現在、結腸癌の病理学的な病期決定が、臨床的な病期決定より好ましい。
しかし、臨床的な病期決定は、病理学的評価のための組織を得る侵襲処置に依存
しないため、臨床的な病期決定法が少なくとも病理学的な病期決定と同程度に正
確であれば、臨床的病理決定が好ましいであろう。結腸癌の病期決定は、細胞、
組織、または体液において、侵襲の異なる病期の間を区別することが可能な新規
マーカーを検出することにより、改善されるであろう。
【0006】 本発明において、9つの結腸特異的遺伝子(CSG)を介し、結腸癌、特に結
腸、胃、および小腸癌を検出し、診断し、モニターし、病期決定し、そして予後
判定するための方法が提供される。これらの9つのCSGは、とりわけ、配列番
号1、2、3、4、5、6、7、8または9のいかなるものでもよいポリヌクレ
オチド配列を含む遺伝子により発現される天然タンパク質を指す。あるいは、本
明細書において、9つのCSGにより、配列番号1、2、3、4、5、6、7、
8または9の配列のポリヌクレオチド配列のいかなるものでもよいものを含む遺
伝子によりコードされる天然mRNA、あるいは配列番号1、2、3、4、5、
6、7、8または9のポリヌクレオチド配列のいかなるものでもよいものを含む
遺伝子のレベルを意味する。
【0007】 本発明の他の目的、特徴、利点および側面は、以下の説明から当業者に明らか
になるであろう。しかし、以下の説明および特定の実施例は、本発明の好ましい
態様を示す一方で、例示の手段としてのみ提示されることが理解されなければな
らない。開示される発明の精神および範囲内の多様な変化および修飾は、以下の
説明を読むことにより、そして本開示の他の部分を読むことにより、当業者に容
易に明らかになるであろう。発明の概要 これらの、そして他の目的に向け、患者における結腸癌の存在を診断するため
の方法であって、患者由来の細胞、組織または体液の試料におけるCSGのレベ
ルを測定し、そしてCSGの該測定レベルを、コントロールの、好ましくは同じ
種類の細胞、組織、または体液におけるCSGのレベルと比較する、ここでコン
トロールにおけるCSGレベルに対する患者における測定CSGレベルの増加は
、結腸癌と関連する、ことを含む前記方法を提供するのが、本発明の目的である
【0008】 本発明の別の目的は、患者における転移性結腸癌を診断する方法であって、患
者由来の細胞、組織または体液の試料におけるCSGレベルを測定し、そして該
測定CSGレベルを、コントロールの、好ましくは同じ種類の細胞、組織、また
は体液におけるCSGのレベルと比較する、ここでコントロールにおけるCSG
レベルに対する患者における測定CSGレベルの増加は、転移している癌と関連
する、ことを含む前記方法を提供することである。
【0009】 本発明の別の目的は、患者における結腸癌を病期決定する方法であって、結腸
癌を有する患者を同定し、該患者から得た細胞、組織、または体液の試料におけ
るCSGのレベルを測定し、そして該測定CSGレベルを、コントロールの、好
ましくは同じ種類の細胞、組織または体液におけるCSGのレベルと比較するこ
とを含む前記方法を提供することである。コントロールにおけるCSGレベルに
対する患者における測定CSGレベルの増加は、進行している癌と関連する可能
性があり、一方、コントロールに対する患者における測定CSGの減少したまた
は同等のレベルは、後退または緩解している癌と関連する可能性がある。
【0010】 本発明の別の目的は、転移の開始に関し、患者における結腸癌をモニターする
方法を提供することである。該方法は、転移していることが知られていない結腸
癌を有する患者を同定し、該患者から得た細胞、組織、または体液の試料におけ
るCSGのレベルを定期的に測定し、そして該測定CSGレベルを、コントロー
ルの、好ましくは同じ種類の細胞、組織、または体液におけるCSGのレベルと
比較する、ここでコントロールCSGレベルに対する測定CSGレベルの増加は
、転移している癌と関連する、ことを含む前記方法を提供することである。
【0011】 本発明のさらに別の目的は、患者における結腸癌の病期の変化をモニターする
方法であって、結腸癌を有する患者を同定し、該患者から得た細胞、組織、また
は体液の試料におけるCSGのレベルを定期的に測定し、そして該測定CSGレ
ベルを、コントロールの、好ましくは同じ種類の細胞、組織、または体液におけ
るCSGのレベルと比較する、ここでコントロールCSGレベルに対する測定C
SGレベルの増加は、進行している癌と関連し、そしてコントロールCSGレベ
ルに対する測定CSGレベルの減少は、後退または緩解している癌と関連する、
ことを含む前記方法を提供することである。
【0012】 本発明の他の目的、特徴、利点および側面は、以下の説明から当業者に明らか
になるであろう。しかし、以下の説明および特定の実施例は、本発明の好ましい
態様を示す一方で、例示の手段としてのみ提示されることが理解されなければな
らない。開示される発明の精神および範囲内の多様な変化および修飾は、以下の
説明を読むことにより、そして本開示の他の部分を読むことにより、当業者に容
易に明らかになるであろう。発明の詳細な説明 本発明は、CSGレベルを健常ヒトコントロールにおけるCSGレベルと比較
することにより、癌を検出し、診断し、モニターし、病期決定し、そして予後判
定するための、定量的かつ定性的な診断アッセイおよび方法に関する。本明細書
において、「CSGレベル」により、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8
または9のいかなるものでもよいポリヌクレオチド配列を含む遺伝子により発現
される天然タンパク質のレベルを意味する。あるいは、本明細書において、「C
SGレベル」により、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8または9のポリ
ヌクレオチド配列のいかなるものでもよいものを含む遺伝子のいかなるものでも
よいものによりコードされる天然mRNA、あるいは配列番号1、2、3、4、
5、6、7、8または9のポリヌクレオチド配列のいかなるものでもよいものを
含む遺伝子のレベルを意味する。こうしたレベルは、好ましくは、少なくとも1
つの細胞、組織および/または体液で測定され、正常および異常レベルの決定を
含む。したがって例えば、正常なコントロール体液、細胞、または組織試料に比
較した、いかなる1つでもよいCSGタンパク質の過剰発現を診断するため、本
発明に一致した診断アッセイを用い、結腸癌を含む癌の存在を診断してもよい。
本発明の方法において、9つのCSGのいずれを単独で測定してもよいし、ある
いは9つをすべて共にまたはいかなる組み合わせで測定してもよい。
【0013】 「コントロール」により、癌でないヒト患者および/または該患者由来の非癌
性試料を意味し、また、本明細書において、健常ヒトコントロールも指す;転移
に関し診断するまたはモニターするための方法において、コントロールはまた、
信頼できる方法により、転移していない結腸癌を有すると決定されたヒト患者由
来の試料も含んでもよい。
【0014】 本発明の方法はすべて、所望により、CSGと共に他の癌マーカーのレベルを
測定することを含んでもよい。CSGに加え、本発明に有用な他の癌マーカーは
、試験される癌に依存するであろうし、そして当業者に知られる。
【0015】 診断アッセイ 本発明は、ヒト健常コントロール由来の、好ましくは同じ種類の細胞、組織ま
たは体液におけるCSGのレベルと比較した、細胞、組織または体液におけるC
SGのレベルの変化に関し解析することにより、結腸癌の存在を診断する、ここ
で健常ヒトコントロールに対する患者におけるCSGレベルの増加は、結腸癌の
存在と関連する、ための方法を提供する。本発明を限定することなく、典型的に
は、定量的な診断アッセイに関し、試験された患者が癌を有することを示す陽性
の結果は、CSGなどの癌マーカーの細胞、組織、または体液レベルが、健常ヒ
トコントロールの、好ましくは同じ細胞、組織、または体液におけるより、少な
くとも2倍高く、そして最も好ましくは少なくとも5倍高いものである。
【0016】 本発明はまた、転移の開始に関し、まだ転移していない結腸癌を有する患者に
おいて、転移性結腸癌を診断する方法も提供する。本発明の方法において、転移
している可能性がある(が、転移していることが既に知られていない)結腸癌を
有すると疑われるヒト癌患者が同定される。これは、当業者に知られる多様な手
段により達成される。例えば、結腸癌の場合、典型的には、患者は、伝統的な検
出法の後、結腸癌と診断される。
【0017】 本発明において、細胞、組織、または体液におけるCSGレベルの存在の決定
は、転移していない結腸癌および転移している結腸癌の間を区別するのに、特に
有用である。既存の技術では、転移している結腸癌および転移していない結腸癌
の間を区別するのは困難であり、そして適切な治療選択は、しばしばこうした知
識に依存する。
【0018】 本発明において、こうした細胞、組織、または体液において測定される癌マー
カーレベルは、CSGであり、そして健常ヒトコントロールの、好ましくは同じ
種類の細胞、組織、または体液におけるCSGレベルと比較される。すなわち、
観察される癌マーカーが、血清中のCSGのみである場合、本レベルは、好まし
くは健常ヒト患者の血清におけるCSGレベルと比較される。健常ヒトコントロ
ールに対する患者におけるCSGの増加は、転移している結腸癌に関連する。
【0019】 本発明を限定することなく、典型的には、定量的な診断アッセイに関し、試験
されるまたはモニターされる患者における癌が転移していることを示す陽性の結
果は、CSGなどの癌マーカーの細胞、組織または体液レベルが、健常患者の、
好ましくは同じ細胞、組織、または体液におけるより、少なくとも2倍高く、そ
して最も好ましくは少なくとも5倍高いものである。
【0020】 本明細書において、健常ヒトコントロールには、癌でないヒト患者および/ま
たは該患者由来の非癌性試料が含まれ;転移に関し診断するまたはモニターする
ための方法において、健常ヒトコントロールはまた、信頼できる方法により、転
移していない結腸癌を有すると決定されたヒト患者由来の試料も含んでもよい。
【0021】 病期決定 本発明はまた、ヒト患者における結腸癌を病期決定する方法も提供する。 本方法は、こうした癌を有するヒト患者を同定し;こうした患者由来の細胞、
組織、または体液の試料を、CSGに関し、解析することを含む。その後、該方
法は、こうした細胞、組織、または体液におけるCSGレベルを、健常ヒトコン
トロール試料の、好ましくは同じ種類の細胞、組織、または体液と比較する、こ
こで健常ヒトコントロール試料に対する患者におけるCSGレベルの増加は、進
行している癌と関連し、そしてCSGのレベルの減少は、後退または緩解してい
る癌と関連する。
【0022】 モニター さらに提供されるのは、転移の開始に関し、こうした癌を有するヒトにおける
結腸癌をモニターする方法である。該方法は、転移していることが知られていな
い癌を有するヒト患者を同定し;こうした患者由来の細胞、組織、または体液の
試料をCSGに関し定期的に解析し;こうした細胞、組織、または体液における
該CSGレベルを、健常ヒトコントロール試料の、好ましくは同じ種類の細胞、
組織、または体液におけるCSGのレベルと比較する、ここで健常ヒトコントロ
ールに対する患者におけるCSGレベルの増加は、転移している癌と関連する、
ことを含む。
【0023】 本発明にさらに提供されるのは、こうした癌を有するヒトにおける結腸癌の病
期の変化をモニターする方法である。該方法は、こうした癌を有するヒト患者を
同定し;こうした患者由来の細胞、組織、または体液の試料をCSGに関し定期
的に解析し;こうした細胞、組織、または体液における該CSGレベルを、健常
ヒトコントロール試料の、好ましくは同じ種類の細胞、組織、または体液におけ
るCSGのレベルと比較する、ここで健常ヒトコントロールに対する患者におけ
るCSGレベルの増加は、病期が進行している癌と関連し、そしてCSGのレベ
ルの減少は、病期が後退または緩解している癌と関連する、ことを含む。
【0024】 転移の開始に関する、こうした患者のモニターは、定期的であり、そして好ま
しくは、原則として年4回行われる。しかし、癌、特定の患者、および癌の病期
に応じ、この頻度はより多くてもまたは少なくてもよい。
【0025】 アッセイ技術 宿主由来の試料における、本発明のCSGなどの、遺伝子発現のレベルを決定
するのに用いてもよいアッセイ技術は、当業者に周知である。こうしたアッセイ
法には、ラジオイムノアッセイ、逆転写酵素PCR(RT−PCR)アッセイ、
免疫組織化学アッセイ、in situハイブリダイゼーションアッセイ、競合
結合アッセイ、ウェスタンブロット解析およびELISAアッセイが含まれる。
とりわけ、ELISAは、生物学的流体における遺伝子の発現タンパク質を診断
するのに、しばしば好ましい。商業的供給源から容易に入手可能でない場合、E
LISAアッセイは、まず、CSGに特異的な抗体、好ましくはモノクローナル
抗体を調製することを含む。さらに、一般的に、CSGに特異的に結合するレポ
ーター抗体が調製される。レポーター抗体は、検出可能な試薬、例えば放射能、
蛍光または酵素的試薬、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素またはアルカリ
ホスファターゼに付着している。
【0026】 ELISAを実行するため、CSGに特異的な抗体を、ポリスチレンプレート
など、抗体に結合する固体支持体上でインキュベーションする。その後、非特異
的タンパク質、例えばウシ血清アルブミンとインキュベーションすることにより
、プレート上のいかなる未結合のタンパク質結合部位も、被覆される。次に、解
析しようとする試料を、プレート中でインキュベーションし、その間、CSGは
、ポリスチレンプレートに付着している特異的抗体に結合する。未結合試料を緩
衝液で洗い流す。CSGに特異的に向けられ、そして西洋ワサビペルオキシダー
ゼに連結されているレポーター抗体をプレートに加え、その結果CSGに結合し
ているいかなるモノクローナル抗体に対してもレポーター抗体が結合する。その
後、未結合レポーター抗体を洗い流す。その後、比色基質を含む、ぺルオキシダ
ーゼ活性のための試薬をプレートに添加する。CSG抗体に結合している固定化
ペルオキシダーゼは、呈色反応産物を生じる。既定の期間に現れた色の量は、試
料に存在するCSGタンパク質の量に比例する。定量的結果は、典型的には、標
準曲線に照合することにより、得られる。
【0027】 競合アッセイを使用してもよく、該アッセイでは、CSGに特異的な抗体が、
固体支持体に付着しており、そして標識CSGおよび宿主由来の試料を該固体支
持体上に流す。すると、固体支持体に付着している、検出される標識の量は、試
料におけるCSGの量と相関し得る。核酸法を用い、結腸癌のマーカーとしてC
SG mRNAを検出してもよい。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および他の
核酸法、例えばリガーゼ連鎖反応(LCR)および核酸配列に基づく増幅(NA
SABA)を用い、多様な悪性腫瘍の診断およびモニターのため、悪性細胞を検
出してもよい。例えば、逆転写酵素PCR(RT−PCR)は、何千もの他のm
RNA種の複合混合物における、特定のmRNA集団の存在を検出するのに用い
ることが可能な、強力な技術である。RT−PCRでは、まず逆転写酵素を使用
し、mRNA種を相補的DNA(cDNA)に逆転写し;その後cDNAを標準
的PCR反応におけるように、増幅する。したがって、RT−PCRは、増幅に
より、単一種のmRNAの存在を明らかにすることが可能である。したがって、
mRNAが該mRNAを産生する細胞に非常に特異的である場合、RT−PCR
を用い、特定の種類の細胞の存在を同定することが可能である。
【0028】 固体支持体上にアレー化されているクローンまたはオリゴヌクレオチドに対す
るハイブリダイゼーション(すなわち、格子化(gridding))を用い、その遺伝
子の発現を検出し、そしてかつ該遺伝子の発現レベルを定量化してもよい。本ア
プローチにおいて、CSG遺伝子をコードするcDNAは、支持体に固定されて
いる。支持体は、限定されるわけではないが、ガラス、ニトロセルロース、ナイ
ロンまたはプラスチックを含む、いかなる適切な種類でもよい。CSG遺伝子を
コードするDNAの少なくとも一部は、支持体に付着し、そしてその後、目的の
組織から単離されたRNAでもまたはRNAの相補的DNA(cDNA)コピー
でもよい解析物とインキュベーションする。支持体結合DNAおよび解析物の間
のハイブリダイゼーションを、限定されるわけではないが、解析物の放射能標識
または蛍光標識、あるいはハイブリッドを検出するよう設計された二次分子を含
む、いくつかの手段により、検出しそして定量化してもよい。遺伝子発現レベル
の定量化は、解析物由来のシグナルの強度を、既知の標準から決定されるものと
比較することにより、行ってもよい。標準は、標的遺伝子をin vitro転
写し、収量を定量化し、そしてその後その要素を用いて標準曲線を生成すること
により、得てもよい。
【0029】 上記の試験は、多様な患者細胞、体液および/または組織抽出物(ホモジェネ
ートまたは可溶化組織)、例えば組織生検および検死素材由来の試料に対し、行
ってもよい。本発明に有用な体液には、血液、尿、唾液、またはいかなる他の体
の分泌物またはその派生物も含まれる。血液には、全血、血漿、血清、またはい
かなる血液派生物を含んでもよい。
【0030】
【実施例】
本発明は、以下の実施例により、さらに説明される。これらの実施例は、特定
の態様に言及することにより、もっぱら本発明を例示するためにのみ提供される
。これらの例示は、本発明の特定の側面を例示するが、限定を表現せず、または
開示される発明を制限しない。実施例1:CSG Incyte Pharmaceuticals、カリフォルニア州パロアル
トから入手可能なLIFESEQ(登録商標)データベースの一部として以下の
検索ツールを用い、検索を行い、そしてCSGを同定した: 1.ライブラリー比較(1つのライブラリーを他の1つのライブラリーと比較す
る)は、腫瘍で発現され、そして正常組織に存在しないまたは正常組織で、より
低いレベルで発現されるクローンの同定を可能にする。 2.サブセット化(subsetting)は、ライブラリー比較と類似である
が、ライブラリーのプールで発現され、そして第二のライブラリーのプールに存
在しないまたは第二のライブラリーのプールで、より低いレベルで発現されるク
ローンの同定を可能にする。 3.転写画像化は、存在量に基づき、単一のライブラリーまたはライブラリーの
プールにおけるすべてのクローンをリストアップする。その後、電子ノーザン(
Electronic Northern)を用い、個々のクローンを調べ、そ
の構成要素ESTの組織供給源を決定してもよい。 4.タンパク質機能:Incyteは、既知のタンパク質に対する相同性に基づ
き、タンパク質機能を持つ可能性があるESTのサブセットを同定してきている
。本データベースのいくつかの例には、転写因子およびプロテアーゼが含まれる
。我々は、その構成要素ESTが疾患特異性を示すクローンに関し、本データベ
ースを検索することにより、いくつかのリード遺伝子(lead)を同定した。
【0031】 電子サブトラクション、転写画像化およびタンパク質機能検索を用い、その構
成要素ESTが、特定の腫瘍由来のライブラリーでのみ、または該ライブラリー
で、より頻繁に見られるクローンを同定した。各ESTが生じた場所を確かめる
ことにより、個々の候補クローンを詳細に調べた。
【0032】 表1:CSG
【0033】
【表1】
【0034】 別に詳細に記載される場合を除き、当業者に周知でそして日常的な標準的技術
を用い、以下の実施例を行った。以下の実施例の日常的な分子生物学的技術は、
標準的な実験室マニュアル、例えばSambrookら, MOLECULAR
CLONING: A LABORATORY MANUAL,第二版; C
old Spring Harbor Laboratory Press,ニ
ューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989)に記載されるように行っ
てもよい。実施例2:CSG遺伝子発現の相対定量化 蛍光Taqmanプローブを用いたリアルタイム定量的PCRは、Taq D
NAポリメラーゼの5’−3’ヌクレアーゼ活性を利用した、定量化検出系であ
る。該方法は、5’レポーター色素および下流の3’消光色素で標識された内部
蛍光オリゴヌクレオチドプローブ(Taqman)を使用する。PCR中、Ta
q DNAポリメラーゼの5’−3’ヌクレアーゼ活性は、レポーターを放出し
、その蛍光をその後、モデル7700配列検出系(PE Applied Bi
osystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー)のレーザー検出
装置により、検出してもよい。
【0035】 内因性コントロールの増幅を用い、反応に添加された試料RNAの量を標準化
し、そして逆転写酵素(RT)効率を正規化する。シクロフィリン、グリセルア
ルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)または18Sリボソーム
RNA(rRNA)のいずれかをこの内因性コントロールとして用いる。調べた
すべての試料の間の相対定量化を計算するため、1つの試料に関する標的RNA
レベルを、比較結果の基本として用いる(基準値(calibrator))。
「基準値」に対し相対的な定量化は、標準曲線法または比較法を用い、得ること
が可能である(User Bulletin #2: ABI PRISM 7
700配列検出系)。
【0036】 CSGの組織分布、並びに正常および腫瘍組織におけるレベルを評価するため
、正常組織、腫瘍組織から、そして腫瘍および対応正常組織から、総RNAを抽
出した。続いて、逆転写酵素で第一鎖cDNAを調製し、そしてCSGに特異的
なプライマーおよびTaqmanプローブを用い、ポリメラーゼ連鎖反応を行っ
た。ABI PRISM 7700配列検出装置を用い、結果を解析した。無名
数(absolute number)は、基準値に比較したCSGの相対発現
レベルである。
【0037】 比較例 比較のため、診断マーカーPSA(前立腺特異的抗原)およびPLA2(ホス
ホリパーゼA2)をコードする遺伝子に関する類似のmRNA発現解析を行った
。PSAは、臨床実験室で現在入手可能な、唯一の癌スクリーニングマーカーで
ある。一連の正常組織のプールを解析した際、PSAは非常に高いレベルで前立
腺に発現し、乳房および精巣では発現が非常に低かった。14の異なる組織由来
の55以上の対応する試料を解析したデータにより、正常組織試料で見られる組
織特異性が確認された。前立腺組織の12の対応する試料に関し、癌および正常
隣接組織におけるPSA発現を比較した。PSAの相対レベルは、10の癌試料
において、より高かった(83%)。最近得られた臨床データにより、前立腺癌
の病期が後期であることの病期決定マーカーとしてPLA2を利用することが支
持される。本明細書に記載されるmRNA発現データは、解析した12の前立腺
対応試料のうち8つでmRNAの過剰発現を示した(66%)。PLA2は、小
腸、前立腺、肝臓、および膵臓で、高レベルのmRNA発現を示した。
【0038】 配列番号3;クローン番号1341701;遺伝子番号29634(Cln1
06)の測定 表2に示される無名数は、12の正常な異なる組織におけるCln106(配
列番号3)の相対発現レベルである。すべての値は、正常精巣(基準値)に比較
したものである。これらのRNA試料は、商業的に入手可能なプールであり、異
なる個体由来の特定の組織の試料をプールすることにより生じたものである。
【0039】 表2:プール試料におけるCln106発現の相対レベル
【0040】
【表2】
【0041】 表2の相対発現レベルは、CSG Cln106(配列番号3)に関し、mR
NA発現が、前立腺(16)に比較し、正常上行結腸のプール(110)で6倍
以上高いことを示す。相対発現レベル1の、基準値である精巣は、Cln106
(配列番号3)のmRNAを発現する唯一の他の組織である。これらの結果は、
本CSGのmRNA発現は、結腸に非常に特異的であることを立証する。
【0042】 表2における無名数は、異なる個体由来の特定の組織の試料のプールを解析し
て得た。これらを、表3−5における単一の個人の組織試料から得たRNAから
生じた無名数と比較することは不可能である。
【0043】 表3−5における無名数は、57対の対応する試料におけるCln106(配
列番号3)の相対発現レベルである。すべての値は、正常精巣(基準値)に比較
したものである。対応する対は、特定の組織の癌試料由来のmRNAおよび同一
個体の同一組織の正常隣接試料由来のmRNAにより、形成される。
【0044】 表3−5:個々の試料におけるCln106発現の相対レベル
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】 0=陰性 対応試料を解析した際、結腸で発現レベルがより高く、本組織に関し高い度合
いの組織特異性が示された。これらの結果により、一連の正常プール試料で得ら
れた組織特異性結果(表2)が確認される。さらに、同一個体由来の癌試料およ
び同種同系正常隣接組織におけるmRNA発現レベルを比較した。本比較は、癌
病期に関する特異性の目安を提供する(例えば正常隣接試料に比較した癌試料に
おける、より高いmRNA発現レベル)。表3−5は、それぞれの正常隣接組織
と比較した15の結腸癌組織(結腸試料#1、2、3、4、5、6、8、9、1
0、12、13、16、20、21、および22)におけるCln106(配列
番号3)の過剰発現を示す。試験した結腸対応試料の65%に関し、癌組織にお
ける過剰発現が見られる(総数23の結腸対応試料)。対応試料Pan 71X
Lは、膵臓における続発癌であり、該個体における原発癌は十二指腸癌であった
【0049】 要するに、高レベルの組織特異性に加え、試験した結腸対応試料の65%での
mRNA過剰発現は、CSG Cln106(配列番号3)が、結腸癌の診断マ
ーカーであることを立証する。
【0050】 配列番号4;クローン番号816257;遺伝子番号406452(Cln1
07)の測定 表6に示される無名数は、12の正常な異なる組織におけるCSG Cln1
07(配列番号4)の相対発現レベルである。すべての値は、正常小腸(基準値
)に比較したものである。これらのRNA試料は、商業的に入手可能なプールで
あり、異なる個体由来の特定の組織の試料をプールすることにより生じたもので
ある。
【0051】 表6:プール試料におけるCln107発現の相対レベル
【0052】
【表6】
【0053】 表6の相対発現レベルは、CSG Cln107(配列番号4)のmRNA発
現が、次に高い発現組織(腎臓の0.2)に比較し、正常上行結腸のプール(3
.2)で10倍以上高く、小腸(1)で5倍高く、そして胃(0.3)で1.5
倍高いことを示す。解析されたプール組織試料のうち7つは陰性であり、そして
前立腺は、Cln107(配列番号4)に関し0.1の相対発現を示した。これ
らの結果は、Cln107 mRNA発現は、結腸、小腸に非常に特異的であり
、そしてより低い度合いで胃に特異的であることを立証する。
【0054】 表6における無名数は、異なる個体由来の特定の組織の試料のプールを解析し
て得た。これらを、表7−9における単一の個人の組織試料から得たRNAから
生じた無名数と比較することは不可能である。
【0055】 表7−9における無名数は、57対の対応する試料におけるCln107(配
列番号4)の相対発現レベルである。すべての値は、正常精巣(基準値)に比較
したものである。対応する対は、特定の組織の癌試料由来のmRNAおよび同一
個体の同一組織の正常隣接試料由来のmRNAにより、形成される。
【0056】 表7−9:個々の試料におけるCln107発現の相対レベル
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】 0=陰性 対応試料を解析した際、結腸、胃、および小腸で発現レベルがより高く、結腸
組織に関し高い度合いの組織特異性が示された。これらの結果により、一連の正
常プール試料で得られた組織特異性結果(表6)が確認される。さらに、同一個
体由来の癌試料および同種同系正常隣接組織におけるmRNA発現レベルを比較
した。本比較は、癌病期に関する特異性の目安を提供する(例えば正常隣接試料
に比較した癌試料における、より高いmRNA発現レベル)。表7−9は、それ
ぞれの正常隣接組織と比較した11の結腸癌組織(結腸試料#5、7、10、1
1、12、13、15、17、18、20、および21)におけるCln107
(配列番号4)の過剰発現を示す。試験した結腸対応試料の48%に関し、癌組
織における過剰発現が見られる(総数23の結腸対応試料)。対応試料Pan
71XLは、膵臓における続発癌であり、該個体における原発癌は十二指腸癌で
あった。
【0061】 要するに、高レベルの組織特異性に加え、試験した結腸、胃、および小腸対応
試料のほぼ半数でのmRNA過剰発現は、CSG Cln107(配列番号4)
が、結腸癌の診断マーカーであることを立証する。
【0062】 配列番号5;クローン番号775133;遺伝子番号24508(Cln10
8)の測定 表10に示される無名数は、12の正常な異なる組織におけるCSG Cln
108(配列番号5)の相対発現レベルである。すべての値は、正常小腸(基準
値)に比較したものである。これらのRNA試料は、商業的に入手可能なプール
であり、異なる個体由来の特定の組織の試料をプールすることにより生じたもの
である。
【0063】 表10:プール試料におけるCln108発現の相対レベル
【0064】
【表10】
【0065】 表10の相対発現レベルは、CSG Cln108(配列番号5)のmRNA
発現が、解析したいかなる他の組織における発現レベルと比較しても、正常上行
結腸のプール(2846.5)で10倍以上高く、そして胃(9981.2)で
ほぼ10倍高いことを示す。これらの結果は、本CSGのmRNA発現もまた、
結腸および胃に非常に特異的であることを立証する。
【0066】 表10における無名数は、異なる個体由来の特定の組織の試料のプールを解析
して得た。これらを、表11−13における単一の個人の組織試料から得たRN
Aから生じた無名数と比較することは不可能である。
【0067】 表11−13における無名数は、57対の対応する試料におけるCln108
(配列番号5)の相対発現レベルである。すべての値は、正常小腸(基準値)に
比較したものである。対応する対は、特定の組織の癌試料由来のmRNAおよび
同一個体の同一組織の正常隣接試料由来のmRNAにより、形成される。
【0068】 表11−13:個々の試料におけるCln108発現の相対レベル
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】
【表13】
【0072】 0=陰性 対応試料を解析した際、結腸および胃で発現レベルがより高く、これら2つの
組織に関し高い度合いの組織特異性が示された。これらの結果により、正常プー
ル試料で得られた組織特異性結果(表10)が確認される。さらに、同一個体由
来の癌試料および同種同系正常隣接組織におけるmRNA発現レベルを比較した
。本比較は、癌病期に関する特異性の目安を提供する(例えば正常隣接試料に比
較した癌試料における、より高いmRNA発現レベル)。表11−13は、それ
ぞれの正常隣接組織と比較した13の結腸癌組織(結腸試料#1、5、6、7、
8、9、10、11、12、13、18、21、および22)におけるCSG
Cln108(配列番号5)の過剰発現を示す。試験した結腸対応試料の56%
に関し、癌組織における過剰発現が見られる(総数23の結腸対応試料)。対応
試料Pan 71XLは、膵臓における続発癌であり、該個体における原発癌は
十二指腸癌であった。
【0073】 要するに、高レベルの組織特異性に加え、試験した結腸、胃、および小腸対応
試料の半数以上でのmRNA過剰発現は、本CSG、Cln108(配列番号5
)もまた、結腸癌の診断マーカーであることを立証する。
【0074】 配列番号7;クローン番号2348122;遺伝子番号23371(Cln1
09)の測定 表14に示される無名数は、12の正常な異なる組織におけるCSG Cln
109(配列番号7)の相対発現レベルである。すべての値は、正常卵巣(基準
値)に比較したものである。これらのRNA試料は、商業的に入手可能なプール
であり、異なる個体由来の特定の組織の試料をプールすることにより生じたもの
である。
【0075】 表14:プール試料におけるCln109発現の相対レベル
【0076】
【表14】
【0077】 表14の相対発現レベルは、CSG Cln109(配列番号7)のmRNA
発現が、解析したいかなる他の組織における発現レベルと比較しても、正常小腸
のプール(626.4)で5倍以上高いことを示す。これらの結果は、Con1
09(配列番号7)mRNA発現は、小腸に非常に特異的であることを立証する
【0078】 表14における無名数は、異なる個体由来の特定の組織の試料のプールを解析
して得た。これらを、表15−16における単一の個人の組織試料から得たRN
Aから生じた無名数と比較することは不可能である。
【0079】 表15−16における無名数は、53対の対応する試料におけるCln109
(配列番号7)の相対発現レベルである。すべての値は、正常卵巣(基準値)に
比較したものである。対応する対は、特定の組織の癌試料由来のmRNAおよび
同一個体の同一組織の正常隣接試料由来のmRNAにより、形成される。
【0080】 表15−16:プール試料におけるCln109発現の相対レベル
【0081】
【表15】
【0082】
【表16】
【0083】 0=陰性 対応試料を解析した際、小腸、結腸および胃で発現レベルがより高く、これら
3つの結腸組織に関し高い度合いの組織特異性が示された。これらの結果により
、正常プール試料で得られた組織特異性結果(表14)が確認される。さらに、
同一個体由来の癌試料および同種同系正常隣接組織におけるmRNA発現レベル
を比較した。本比較は、癌病期に関する特異性の目安を提供する(例えば正常隣
接試料に比較した癌試料における、より高いmRNA発現レベル)。表15−1
6は、それぞれの正常隣接組織と比較した15の結腸癌組織(結腸試料#1、2
、3、6、7、8、9、12、13、15、16、17、19、20、および2
1)におけるCSG Cln109(配列番号7)の過剰発現を示す。試験した
結腸対応試料の68%に関し、癌組織における過剰発現が見られる(総数22の
結腸対応試料)。対応試料Pan 71XLは、膵臓における続発癌であり、該
個体における原発癌は十二指腸癌であった。
【0084】 要するに、高レベルの組織特異性に加え、試験した結腸、胃および小腸対応試
料の半数以上でのmRNA過剰発現は、CSG Cln109(配列番号7)が
、結腸癌の診断マーカーであることを立証する。Cln109の読み枠によりコ
ードされるアミノ酸配列は、配列番号10に示される。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スン,ヨンミン アメリカ合衆国カリフォルニア州92128, サン・ホセ,サウス・ウィンチェスター・ ブールヴァード 869,アパートメント 260 Fターム(参考) 4B063 QA01 QA19 QQ02 QQ03 QQ08 QQ42 QQ53 QQ79 QR08 QR55 QR62 QS25 QX01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者における結腸癌の存在を診断するための方法であって
    : (a)患者から得た細胞、組織または体液の試料におけるCSGのレベルを測定
    し;そして (b)CSGの該測定レベルを、コントロールから得た細胞、組織または体液の
    試料におけるCSGのレベルと比較する、ここでコントロールにおけるCSGレ
    ベルに対する患者におけるCSGの測定レベルの増加は、結腸癌の存在と関連す
    る ことを含む前記方法。
  2. 【請求項2】 患者における転移性結腸癌を診断する方法であって: (a)患者から得た細胞、組織または体液の試料におけるCSGのレベルを測定
    し;そして (b)CSGの該測定レベルを、コントロールから得た細胞、組織、または体液
    の試料におけるCSGのレベルと比較する、ここでコントロールにおけるCSG
    レベルに対する患者における測定CSGレベルの増加は、転移している癌と関連
    する ことを含む前記方法。
  3. 【請求項3】 患者における結腸癌を病期決定する方法であって: (a)結腸癌を患う患者を同定し; (b)該患者から得た細胞、組織または体液の試料におけるCSGのレベルを測
    定し;そして (c)CSGの該測定レベルを、コントロールから得た細胞、組織、または体液
    の試料におけるCSGのレベルと比較する、ここでコントロールにおけるCSG
    レベルに対するCSGの該測定レベルの増加は、進行している癌と関連し、そし
    てコントロールにおけるCSGレベルに対するCSGの該測定レベルの減少は、
    後退または緩解している癌と関連する ことを含む前記方法。
  4. 【請求項4】 転移の開始に関し、患者における結腸癌をモニターする方
    法であって: (a)転移していることが知られていない結腸癌を有する患者を同定し; (b)該患者から得た細胞、組織、または体液の試料におけるCSGレベルを定
    期的に測定し;そして (c)CSGの定期的な該測定レベルを、コントロールから得た細胞、組織また
    は体液におけるCSGのレベルと比較する、ここでコントロールにおけるCSG
    レベルに対する患者におけるCSGのいかなる1つでもよい定期的な該測定レベ
    ルの増加は、転移している癌と関連する ことを含む前記方法。
  5. 【請求項5】 患者における結腸癌の病期の変化をモニターする方法であ
    って: (a)結腸癌を有する患者を同定し; (b)該患者から得た細胞、組織または体液の試料におけるCSGのレベルを定
    期的に測定し;そして (c)CSGの該測定レベルを、コントロールの同じ細胞、組織、または体液の
    試料におけるCSGのレベルと比較する、ここでコントロールにおけるCSGレ
    ベルに対するCSGのいかなる1つでもよい定期的な該測定レベルの増加は、病
    期が進行している癌と関連し、そしてコントロールにおけるCSGレベルに対す
    るCSGのいかなる1つでもよい定期的な該測定レベルの減少は、病期が後退ま
    たは緩解している癌と関連する ことを含む前記方法。
  6. 【請求項6】 CSGが配列番号3、4、5または7を含む、請求項1、
    2、3、4または5の方法。
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