JP4344144B2 - 製紙用化学パルプの漂白方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙用化学パルプの漂白方法に関し、さらに詳しくは、製紙用化学パルプのECF(エレメンタリー・クロリン・フリー)漂白方法を改良し、使用薬品の効率化を図り、高白色度の無塩素漂白パルプが得られる製紙用化学パルプの漂白方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現状、製紙用化学パルプの漂白においては、多段にわたる漂白処理により実施されている。従来、この多段漂白方法では、漂白剤として塩素系漂白薬品が使用されている。具体的には、塩素処理(C段)、アルカリ抽出(E段)、次亜塩素酸塩処理(H段)、二酸化塩素処理(D段)の組み合わせにより、例えば、C−E−H−D、C/D−E−H−D、C/D−E−H−E−Dなどの漂白シーケンスによって化学パルプの漂白が行われている。ここで、C/Dとは塩素と二酸化塩素の併用処理である。
【0003】
しかし、漂白に用いられる塩素系漂白薬品は、漂白時に有機塩素化合物を副生し、この有機塩素化合物を含有する漂白排水が環境汚染を招くことから問題になっている。有機塩素化合物については、一般に、AOX法、例えば、米国環境庁法(EPA METHOD−9020号)によって分析、評価される。
【0004】
有機塩素化合物の副生を低減・防止するには、塩素系薬品の使用量を低減するか、ないしは使用しないことが最も効果的である。原子状塩素を使用せず塩素系薬品を低減する漂白方法はECF漂白方法と称せられ、このECF漂白方法に使用される漂白剤としては、主に二酸化塩素、酸素、過酸化水素が使用される。塩素系漂白剤を全く使用しない漂白方法は、TCF(トータル・クロリン・フリー)漂白方法と称せられ、このTCF漂白方法に使用される漂白剤としては、主にオゾン、酸素、過酸化水素、過酢酸などの塩素を全く含まない漂白剤が使用される。現在のところ、世界的にはECF漂白方法が主流であり、TCF漂白方法は一部である。
【0005】
従来より、塩素漂白方法からECF漂白方法へ転換する方法及び各種ECF漂白シーケンスがある(例えば、非特許文献1、2参照)。例えば、C−Eo(アルカリ抽出/酸素処理)−H−Dという漂白シーケンスにより漂白を行っていた場合、C段の塩素の代わりに二酸化塩素を使用してH段を無くすか、またはH段の次亜塩素酸塩の代わりに二酸化塩素を使用し、最終段を二酸化塩素として、例えば、D−Eo−D、D−Eo−D−D、D−Eo−DnDのような漂白シーケンス、またEo段に過酸化水素を添加したD−Eop−D、D−Eop−D−D、D−Eop−DnDのような漂白シーケンスとすることができる。ここで、DnDの「n」は、D段とD段の間を洗浄せず中和のみを行う漂白方法であり、Eopは、アルカリ抽出/酸素/過酸化物処理のことである。
【0006】
しかし、D−Eo−D、D−Eo−D−D、D−Eo−DnDでは、2段目のEo段における残存アルカリが次段のD段にキャリーオーバーし、最終段のD段または3段目のD段における漂白効率が低下するという問題点がある。そこで、最終段のD段では、処理pHを調整する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、Eo段に過酸化水素を添加したEop段とした場合でも、次段のD段にアルカリと共に残存過酸化水素がキャリーオーバーし、漂白効率が低下するという問題点がある。
【0007】
また、3段目のH段を過酸化水素段に置き換えた漂白シーケンスの場合としては、例えば、D−Eo−P−D、D−Eop−P−Dのような漂白シーケンスとすることができる。この漂白シーケンスにおいても、過酸化水素段におけるアルカリ及び過酸化水素のキャリーオーバーがあり、次段の二酸化塩素漂白における漂白効率を低下させるという問題点がある。
【0008】
そこで、ECF漂白へ転換した場合、漂白工程にシュウ酸塩スケールが生成し、操業トラブルとなる場合がある(例えば、非特許文献3参照)。例えば、3段目に次亜塩素酸塩を使用したECF漂白方法として、D―Eo−H−DまたはD−Eop−H−Dの漂白シーケンスがある。この漂白シーケンスでは、最終段であるD段の前段にH段があるために、アルカリ、過酸化水素の最終段であるD段へのキャリーオーバーは無いが、H段、D段の洗浄機に対してスケールが付着し、操業トラブルとなる問題がある。また、過酸化水素を使用する漂白シーケンスの中では最もコストアップとなる漂白シーケンスでもあり、問題である。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−3178291号公報
【非特許文献1】
「紙パルプ技術協会誌」1999年、第53巻、第6号
【非特許文献2】
「Pulping Conference」1998年、711〜722頁
【非特許文献3】
「紙パルプ技術協会誌」1999年、第53巻、第6号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、製紙用化学パルプのECF(エレメンタリー・クロリン・フリー)漂白方法を改良し、使用薬品の効率化を図り、高白色度の無塩素漂白パルプが得られる製紙用化学パルプの漂白方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、一般的に実施されている漂白設備の大幅な変更を必要とせず、高白色度、高品質のパルプを経済的に得ることのできる漂白方法について鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の製紙用化学パルプの漂白方法は、蒸解処理された化学パルプを多段漂白処理する際に、二酸化塩素段の直前に薬品処理のない加温段を設けることを特徴とするものである。
【0013】
上記発明において、加温段が、30〜110℃、15〜180分からなる処理条件であることを特徴とする。
【0014】
また、上記発明において、加温段の前段が、アルカリ抽出、アルカリ/酸素処理、またはアルカリ/酸素/過酸化物処理のいずれかの処理段であることを特徴とする。
【0015】
上記発明において、多段漂白処理が、二酸化塩素段−アルカリ処理、またはアルカリ/酸素段−加温段−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする。
【0016】
また、上記発明において、多段漂白処理が、二酸化塩素段−アルカリ/過酸化物段、またはアルカリ/酸素/過酸化物段−加温段−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製紙用化学パルプの漂白方法について、詳細に説明する。
【0018】
本発明は、製紙用化学パルプの漂白処理に適し、特に広葉樹および針葉樹由来の化学パルプの漂白処理に適するものである。そして、本発明の特徴は、二酸化塩素処理のD段の直前に薬品を何も使用しない加温段(W段)を設けることにあり、D段における漂白処理が極めて効率的に実施され、高白色度のパルプを得ることができるというものである。
【0019】
本発明における漂白シーケンスとしては、例えば、D−E−W−D、D−Ep−W−D、D−Eop−W−D、D−E−P−W−D、D−Eo−P−W−D、D−Eop−P−W−D、D−E−D−W−D、D−Eo−D−W−D、D−Eop−D−W−Dなどが挙げられる。ここで、Ep段は、アルカリ/過酸化物処理である。また、初段のD段をC段またはC/D段とした従来の塩素漂白方法にも適用することができる。
【0020】
以下に本発明の適用例の一つとして、蒸解したパルプを高温高圧酸素漂白したパルプの漂白方法として、D−Eo−W−D、D−Eop−W−Dの漂白シーケンスについて、具体的に説明する。ここで、D段は、初段の二酸化塩素漂白であり、D段は、最終段の二酸化塩素漂白処理を示すものである
【0021】
本発明では、蒸解処理した化学パルプに対し、まず、高温高圧酸素漂白処理(O段)を行う。O段の漂白処理におけるパルプ濃度、温度、時間、アルカリ量、酸素量、操作圧力の条件は、一般に行われている条件に準じる。例えば、パルプ濃度は7〜30質量%、好ましくは10〜20質量%であり、温度は60〜130℃、好ましくは90〜110℃であり、処理時間は20〜150分、好ましくは30〜90分であり、アルカリ量はNaOH換算で絶乾パルプ当たり0.5〜5.0質量%であり、操作圧力は2.45〜9.8×105Pa・s、好ましくは3.43〜7.84×105Pa・sである。O段における漂白処理後のパルプは、洗浄・脱水処理して無塩素漂白に供される。
【0022】
本発明において、D段における漂白処理条件は、例えば、パルプ濃度3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%であり、温度30〜110℃、好ましくは40〜90℃、最も好ましくは50〜70℃であり、処理時間は15〜120分、好ましくは30〜90分であり、漂白反応後の終期pHは1〜7、好ましくは2〜6、最も好ましくは3〜5である。D段の漂白処理後のパルプは、洗浄・脱水処理し、次いで酸素を併用したアルカリ処理(Eo段)、または酸素、過酸化物を併用したアルカリ処理(Eop段)による処理を行う。なお、洗浄・脱水による処理に当たっては、ディフューザーまたは丸網の脱水・洗浄機などを使用する。
【0023】
E段、Eo段、Ep段およびEop段に用いられるアルカリ剤としては、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ、石灰、ソーダ灰などが使用できる。中でも、苛性ソーダは、安価であることから好適に使用される。また、アルカリ剤の使用量は、NaOH換算で絶乾パルプ当たり0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%である。
【0024】
Eo段またはEop段における酸素としては、酸素ガスおよび空気が使用できるが、酸素ガスが好ましい。また、酸素の使用量は、絶乾パルプ当たり0.1〜1.0質量%が好適であり、Eo段またはEop段の操作圧力は、0.0Pa・s〜9.3×105Pa・sであることが好ましい。
【0025】
Ep段またはEop段における過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過酸化水素と無機塩類との付加物、苛酸化ソーダ、過ギ酸、過酢酸などの無機および有機の過酸化物が使用でき、一般には過酸化水素が好適に使用される。過酸化物の使用量は、100%過酸化水素換算で絶乾パルプ当たり0.05〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
【0026】
本発明において、Ep段またはEop段におけるパルプへの薬品の添加順序については、アルカリ剤、酸素の順が好ましく、過酸化物の添加は、アルカリ剤の添加後、酸素添加の直前、酸素添加と同時、または酸素添加直後に添加することが好ましい。Ep段またはEop段における条件として、パルプ濃度5〜30質量%、好ましくは7〜20質量%であり、温度30〜110℃、好ましくは40〜90℃であり、処理時間15〜180分、好ましくは30〜120分である。次いで、アルカリ、アルカリ/過酸化物処理後のパルプは、洗浄・脱水され、W段にて処理される。
【0027】
本発明におけるW段には、薬品は全く添加することなく処理するものであり、W段の条件としては、パルプ濃度5〜30質量%、好ましくは7〜20質量%であり、温度30〜110℃、好ましくは40〜90℃であり、処理時間15〜180分、好ましくは30〜120分である。また、処理pHについては、前段の洗浄機による洗浄効率に依存するが、pH8〜11程度である。次いで、W段で処理した後のパルプは、洗浄・脱水され、二酸化塩素処理(D段)される。
【0028】
本発明におけるD段の条件については、通常の条件で行われ、例えば、パルプ濃度5〜30質量%、温度40〜90℃、時間1〜4時間、二酸化塩素使用量0.05〜1質量%であり、漂白終期におけるpHは、3.5〜7、好ましくは4.5〜6.5である。
【0029】
本発明における製紙用化学パルプの漂白方法において、蒸解処理された化学パルプを多段漂白処理する際に、二酸化塩素段の直前に薬品処理のない加温段(W段)を設けるものであるが、このW段を設けた処理に当たって、第1の作用効果は、前段で使用した残存薬品の更なる反応の促進により後段の薬品との無駄な反応を抑制することである。例えば、前段が例えばEop段、P段など、過酸化水素を用いる漂白段である場合、漂白・洗浄後における残存過酸化水素が絶乾パルプ当たり0.05質量%残存し、W段を設けない場合には、その残存過酸化水素が次段のD段で使用される二酸化塩素を0.2質量%消費するが、W段を設けることにより、残存過酸化水素が次段の二酸化塩素へ及ぼす影響を最小とすることができる。
【0030】
また、第2の作用効果としては、ほとんど残存薬品がない場合でも、後段のD段による漂白効果がさらに向上することである。この現象は、洗浄強化しても除去しきれないパルプ繊維の細胞内腔に残存する汚染物質が溶出されることが作用として推定される。また、この場合、白色度として1ポイント程度の上昇が見られる。一方、W段を設けず洗浄を強化しても次段のD段における漂白性は向上しない。
【0031】
さらに、第3の作用効果としては、シュウ酸カルシウムのようなスケールの生成が防止されることにある。例えば、D−Eop−D−Dの漂白シーケンスまたはD−Eop−H−Dの漂白シーケンスでは、3段目、4段目にスケールが発生する場合がある。このような場合、3段目をW段とすることにより、W段および次段のD段でのスケールの生成が防止され、スケールトラブルを低減することができる。
【0032】
上記のとおり、本発明におけるD−Eop−W−Dの漂白シーケンス、またはD−Eop−W−D−Dの漂白シーケンスでは、従来の塩素系漂白シーケンスで行われているC−Eop−H−Dの漂白シーケンス、C−Eop−H−D−Dの漂白シーケンスにおけるH段の装置を転用することができ、大規模の設備投資を必要とすることなく実施することができる。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「%」は、特に明示しない限り、絶乾パルプ当たりの質量%で示す。なお、過酸化水素(H2O2)の使用量は、100%H2O2換算である。
【0034】
実施例1
クラフト蒸解後酸素漂白を行ったLBKPを用い、下記の漂白条件に従ってD−Eo−W−Dの漂白シーケンスによる漂白を行った。なお、使用したLBKPの特性は、白色度49.2%、K価7.81、粘度36.02mPa・sである。
初段D:PC10%、60℃、30分、ClO/0.9%
Eo:PC10%、60℃、90分、NaOH/0.8%、O/0.15%
:PC10%、60℃、90分
D:PC10%、70℃、120分、ClO/0.4%
洗浄条件:各段の反応終了後、パルプ濃度2.5%に希釈し、パルプ濃度20%に脱水し、次段に移行した。
【0035】
比較例1
実施例1で使用したパルプを用い、D−Eo−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
【0036】
比較例2
実施例1で使用したパルプを用い、D−Eo−E−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。
E:PC10%、60℃、90分、NaOH/0.3%
【0037】
実施例2
実施例1で使用したパルプを用い、D−Eop−W−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件は、以下の条件で実施した。
初段D:PC10%、60℃、30分、ClO/0.9%
Eop:PC10%、60℃、90分、NaOH/1.0%、O/0.15%、H/0.3%
W:PC10%、60℃、90分
D:PC10%、70℃、120分、ClO/0.2%
【0038】
比較例3
実施例1で使用したパルプを用い、D−Eop−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件は、実施例2の条件と同様に実施した。
【0039】
比較例4
実施例1で使用したパルプを用い、D−Eop−E−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件は、実施例2と同一条件で実施した。E条件は、比較例2と同一条件で実施した。
【0040】
比較例5
実施例1で使用したパルプを用い、D−Eop−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件は、下記以外は実施例2と同一条件で実施した。
Eop:PC10%、60℃、90分、NaOH/0.8%、O/0.15%、H/0.15%
P:PC10%、60℃、90分、NaOH/0.4%、H/0.15%
【0041】
比較例6
実施例1で使用したパルプを用い、D−Eo−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件は、下記以外は実施例1と同様に実施した。
P:PC10%、60℃、90分、NaOH/0.4%、H/0.3%
【0042】
実施例3
実施例1で使用したパルプを用い、D−Eo−P−W−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。初段、2段目の漂白条件は、実施例2と同様に実施した。
P:PC10%、60℃、90分、NaOH/0.4%、H/0.3%
W:PC10%、60℃、90分
D:PC10%、70℃、120分、ClO/0.25%
【0043】
上記実施例1〜3および比較例1〜6による漂白方法によって得られたパルプについて、最終D段入り口pH、最終D段入り口におけるpHおよびHの残留割合(%)、JIS P8123に準拠して測定されたハンター白色度(%)を下記表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004344144
【0045】
表1のようにW段を設けていない漂白シーケンスでは、残存NaOHおよび残存する過酸化水素の次段のD段へのキャリーオーバーにより、二酸化塩素漂白の効率が悪化し、漂白効果が大幅に低下した。
【0046】
実施例4
従来C/D−Eo−H−Dで漂白が行われていたLBKPの漂白プラント(1000ADt/D)において、D−Eop−W−Dの漂白シーケンスにて60日のロングランテストを実施した。漂白条件は実施例2と同様である。白色度は86%をクリアーした。3段目のW段および4段目のD段におけるディフューザーウォッシャーのスクリーンプレートへのシュウ酸カルシウムスケール付着による抽出水の流量変化を見た。
【0047】
比較例7
漂白シーケンスとして、D−Eo−H−Dの漂白シーケンスにて実施例4と同様に、3段目のH段および4段目のD段におけるディフューザーウォッシャーのスクリーンプレートへのシュウ酸カルシウムスケール付着による抽出水の流量変化を見るために、60日のロングランテストを実施した。
【0048】
【表2】
Figure 0004344144
【0049】
表2にディフューザーウォッシャーの抽出水の流量変化を示した。その結果、W段を設けた実施例4の漂白シーケンスでは、約2か月の操業の間ほとんど抽出水量が変化しないが、W段を設けていない比較例7の漂白シーケンスでは、30日経過時点で3段目で約32%、4段目で約21%抽出水量が減少し、60日経過後では3段目で約54%、4段目で約35%減少した。
【0050】
【発明の効果】
本発明の製紙用化学パルプの漂白方法は、二酸化塩素漂白による効率化を最大限に発揮して高白色度のパルプを得ることができる。また、加温段(W段)および次段の二酸化塩素段(D段)でのスケールトラブルを防止することができ、生産効率が大幅に改善される。さらに、既設のタワーを加温段(W段)とするだけで実施できることから、付加的設備投資を必要としない。そして、塩素系漂白薬品の使用量を低減させ、有機塩素化合物の副生を抑え、漂白排水による環境汚染を抑えることができる。

Claims (3)

  1. 製紙用化学パルプの漂白方法において、蒸解処理された化学パルプを多段漂白処理する際に、二酸化塩素段の最終段の直前に薬品は全く添加することなく処理する加温段を設け、加温段がパルプ濃度5〜30質量%、30〜110℃、15〜180分からなる処理条件であり、且つ加温段の前段が、アルカリ抽出、アルカリ/酸素処理、またはアルカリ/酸素/過酸化物処理のいずれかの処理段で洗浄・脱水されることを特徴とする製紙用化学パルプの漂白方法。
  2. 多段漂白処理が、二酸化塩素段−アルカリ処理、またはアルカリ/酸素段−加温段−二酸化塩素の最終段からなる多段漂白処理であることを特徴とする請求項1記載の製紙用化学パルプの漂白方法。
  3. 多段漂白処理が、二酸化塩素段−アルカリ/過酸化物段、またはアルカリ/酸素/過酸化物段−加温段−二酸化塩素の最終段からなる多段漂白処理であることを特徴とする請求項1記載の製紙用化学パルプの漂白方法。
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