JP4343361B2 - 不織布およびその用途 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、湿潤時において充分な強度を維持し、過剰の水中で好ましくは攪拌など外部応力が付与されることにより開繊して水性媒体に分散させることができる不織布、この不織布を用いた体液吸収体などのようなこの不織布の用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、介護用品、乳幼児用品、生理用品、おむつ、清拭布等(以下これらを総称して、「衛生用品」と記載することもある)には布等が使用されていたが、近年、布に代わって紙、不織布が使用されることが多くなってきている。こうした紙、不織布からなる上記衛生用品は一回使い切りであり、非常に便利であることから、今後益々その需要の増大が予想される。
【0003】
こうした衛生用品には、例えば尿等の水分を良好に吸収することが必要であり、従って、こうした衛生用品として使用される紙、不織布類は、水分を含有しても、紙、不織布類の形態が維持されることが必要である。このため実際にこうした衛生用品は耐水性を有する紙、不織布類を用いて形成されている。従って、こうした衛生用品は水に不溶であることから、これらを使用した後に水洗トイレ等に流して処理することはできず、一般ゴミとして処理されていた。
【0004】
しかしながら、一度使用された衛生用品は汚物を含んでおり、使用後はできるだけ速やかに処理することが望まれる。こうした使用後の衛生用品を処理する方法として、水洗トイレに流して処理することができれば非常に好適である。
ところが、上述のように衛生用品は使用する段階では耐水性が必要であることから、使用された後の衛生用品も当然に優れた耐水性があり、こうした優れた耐水性を有する衛生用品を水洗トイレに流して処理することはできなかった。このように衛生用品において、使用時に必要となる耐水性と使用後に望まれる開繊性(あるいは水解性)とは相反する特性であり、両特性を有する衛生用品の製造は非常に困難であるとされていた。
【0005】
これに対して、特開平4-216889号公報には、上水及び体液に対して溶解しにくく、下水に対して溶解しやすい水崩壊性の不織布およびバインダーが開示されている。
この公報には、具体的に以下のような組成のバインダーが開示されている。
エチレン性不飽和カルボン酸あるいはその無水物と、架橋性単量体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須成分とする平均分子量5000〜10000の共重合体であって、カルボキシル基を一価のアルカリで中和したバインダー。
【0006】
ここで架橋性不飽和単量体は、N-メチロール(メタ)アクリルアミドまたはそのエーテル化合物であることが示されている。
しかしながら、このバインダーは、カルボキシル基が一価のアルカリで中和されているために、含水するとこの一価のアルカリ成分が解離し、この解離した一価のアルカリ成分は皮膚に対する刺激性を有している。また、下水に対して崩壊可能にするためには、上記の重合体の塩を用いる場合には、形成される架橋構造の量および構造が極めて重要な要素となり、こうした樹脂の溶解性を制御するための架橋構造の形成は著しく難しい。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、湿潤時において充分な引っ張り強度を保持し、水流中で開繊して溶解分散する性質を有する不織布を提供することを目的としている。
また、本発明は、このような性質を有する不織布を用いてなる吸収層を有する体液吸収体を提供することを目的としている。
【0008】
さらに、本発明は、上記のような性質を有する不織布を用いたウエットティッシュを提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係る不織布は、カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される。
特に本発明に係る不織布は、再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成されていることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る不織布は、
再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、
および
非水解性短繊維から構成されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明の不織布が、再生セルロースを含有する繊維から構成される場合において、上記再生セルロースが20〜98重量%、上記カチオン性樹脂が1〜79重量%、上記アニオン性樹脂が1〜79重量%の量でそれぞれ含有されていることが好ましい。
さらに、上記不織布が再生セルロースを含有する繊維から構成される場合において、この再生セルロースが、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラまたは鹸化アセテートであることが好ましい。
【0012】
また、上記カチオン性樹脂が、カチオン化セルロース、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストリンまたはポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウムであることが好ましい。また、上記アニオン性樹脂が、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸、キサンタンガムまたはポリメタクリル酸塩であることが好ましい。
【0013】
上記各不織布は、通常の場合水解性を有している。
上記不織布は通常は水解性を有しており、好ましくはカチオン性樹脂あるいはアニオン性樹脂が水溶性高分子であり、さらにこの水溶性高分子と再生セルロースとで形成された樹脂組成物を用いて繊維が形成され、この繊維を用いて不織布が形成される。従って、従来において不織布形成に用いられたような含水時に一価のアルカリ成分が解離するような特殊なバインダーを用いなくても不織布に水解性を付与することが可能である。このような本発明の不織布は、湿潤時に充分な引っ張り強度を保持し、さらに水流中に晒すなどして多量の水分と接触することにより開繊して溶解分散する。
【0014】
また、本発明に係る体液吸収体は、
(a)カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
(b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
および、
(c)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および、非水解性短繊維から構成される不織布
よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布からなる吸収層を有することを特徴としている。
【0015】
すなわち、上記不織布を用いて体液吸収体を構成することで、この不織布が湿潤時でも充分な引っ張り強度が保持されるとともに水流等で開繊するため、本発明の体液吸収体は、使用後容易に廃棄処理ができる。従って、当該体液吸収体を種々の衛生用品に応用することができる。
さらに本発明のウエットティッシュは、
(a)カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
(b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
および、
(c)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および、非水解性短繊維から構成される不織布
よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布と、
該不織布に含浸されている液剤とからなることを特徴としている。
【0016】
このウエットティッシュは、薬剤が含浸された湿潤時でも充分な引っ張り強度を有すると共に、多量の水と接触することにより開繊するので、このウエットティッシュは、使用後に容易に廃棄することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る不織布、体液吸収体、ウエットティッシュについて、刺激応答水解性不織布を用いてさらに詳細に説明する。
本発明の不織布は、多くは水解性を有する。この「水解性」とは、ある程度の水分を含んだときに開繊して水に対して溶解分散する性質をいう。
【0018】
本発明の不織布は、カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成されている。この樹脂組成物は、通常は基材樹脂を含有している。本発明の不織布において、基材樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース、再生セルロースなどを挙げることができる。これらの樹脂は単独であるいは組み合わせて使用することができる。この基材樹脂は、繊維を形成する樹脂組成物100重量%中に通常は1〜99重量%、好ましくは10〜95重量%の量で含有されている。本発明では基材樹脂として、再生セルロースを使用することが特に好ましい。
【0019】
従って、本発明において好適な不織布は、再生セルロース、カチオン性樹脂およびアニオン性樹脂を含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成されている。以下この好適な不織布について詳述する。
本発明の不織布を構成する繊維は、基材樹脂としての再生セルロースと、後述する水溶性高分子とを含有してなる樹脂組成物から得られる。ここで、「水溶性高分子」とは、水と接触することで膨潤あるいは溶解する性質を有する物質をいう。
【0020】
このような水溶性高分子を再生セルロースとともに含有させた繊維を用いて不織布を形成することで、この不織布に、従来用いられていた特殊なバインダーを用いなくても、水中で攪拌されるなどの刺激を受けたときに水解性が発現する「刺激応答水解性」を持たせることができる。
この刺激応答水解性を有する不織布には、この不織布を形成する繊維の形成樹脂成分の合計を100重量%としたとき、上記再生セルロースが、通常は20〜98重量%、好ましくは20〜95重量%、特に好ましくは30〜85重量%、より好ましくは50〜80重量%、さらに好ましくは70〜90重量%の量で含有するとともに、上記水溶性高分子を通常は2〜80重量%、好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは15〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%の量で含有されている。
【0021】
特に、上記水溶性高分子においては、カチオン性樹脂は、通常は1〜79重量%、好ましくは2〜68重量%、特に好ましくは2〜50重量%含有されるとともに、アニオン性樹脂が1〜79重量%、好ましくは2〜68重量%、特に好ましくは13〜48重量%含有されている。
再生セルロースおよび水溶性高分子(カチオン性樹脂およびアニオン性樹脂)が、上記範囲内にあるときは不織布の刺激応答性が良好である。すなわち、引っ張り強度を保持することと、水解性が発現することとのバランスが良好である。
【0022】
また、上記範囲内にあるときには、水溶性高分子の脱落が防止できることから繊維間に発生する膠着が少なくなる効果があり、従来と同じ繊維・不織布製造設備を用いることができる点で工業的にも有用な技術と言える。さらに歩留まりが向上し、製造コスト上でもメリットがあることは言及するまでもない。
なお、この繊維を形成する樹脂組成物には、本発明の目的、効果を逸脱しない範囲で、基材樹脂(好ましくは再生セルロース)および水溶性高分子以外の第三成分を含有していてもよく、その含有量は80重量%以下、好ましくは40重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
【0023】
上記不織布は、例えば以下の方法で得られた繊維を用いて製造することができる。
すなわち、パルプを水酸化ナトリウム溶液に浸漬してアルカリセルロースに変化させ、老成させた後、二硫化炭素を加えて硫化し、セルロースキサントゲン酸ナトリウムにして溶解し紡糸原液を作る。ここにカチオン化セルロースの水溶液およびポリアクリル酸ナトリウムの水溶液を加え混合する。これを紡糸孔から凝固浴中に圧出し紡糸する。
【0024】
このような繊維の長さは、通常2mm以上、好ましくは20〜100mm、さらに好ましくは30〜80mmである。
さらに不織布は、例えば下記のように上記繊維を用いて製造することができる。
上記繊維を不織布に加工する方法としては、本発明の水解性を逸脱しない範囲で繊維を交絡もしくは接着すれば良く、湿式法、湿式スパンレース法、乾式スパンレース法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法の何れも好適に挙げることができる。しかしながら、先に述べたように、化学的なバインダーを用いることは衛生上好ましいことではない。本発明において最も好ましい不織布加工法は乾式スパンレース法およびニードルパンチ法である。
【0025】
ここで、上記再生セルロースとしては、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラ、鹸化アセテートなどが挙げられ、中でもビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラが、衛生性、安全性の観点から好ましい。これらの再生セルロースは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
上記カチオン性樹脂としては、カチオン化セルロース、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストリン、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウムなどが挙げられ、中でもカチオン化セルロース、カチオン化デンプンが、衛生性、安全性、水解性の観点から好ましい。これらのカチオン性樹脂は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0026】
上記アニオン性樹脂としては、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、ポリアルギン酸、キサンタンガムまたはポリメタクリル酸塩などが挙げられ、中でもポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプンが、衛生性、安全性、水解性の観点から好ましい。これらのアニオン性樹脂は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0027】
上記第三成分としては、パルプ、レーヨン、ポリプロピレン熱融着繊維、コットン、麻(ラミー)、ポリエステル繊維などが挙げられる。
本発明の不織布を形成する水解性繊維は、ウェブを形成して使用することが好ましい。
本発明の不織布は、好ましくは上記のように、再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から繊維(水解性繊維)を製造し、この繊維を用いて例えば上記の方法で製造することができるが、さらに、この水解性繊維に非水解性短繊維を加えて不織布を製造することができる。
【0028】
すなわち、本発明の好ましい不織布は、
再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、
および
非水解性短繊維から構成されている。
【0029】
ここで使用する非水解性短繊維は、それ自体では水に溶解あるいは安定に分散する特性は有していない樹脂短繊維であり、このような短繊維の例としては、パルプ繊維、再生セルロース繊維(例;ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラ、鹸化アセテート)、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリオレフィン繊維などの合成繊維、天然繊維および再生繊維を挙げることができる。上記のような非水解性短繊維の中でも、再生セルロース繊維を使用することが好ましい。このような再生セルロース繊維を使用することにより、得られる不織布の風合いあるいは肌触りが著しく改善されると共に、吸水性も高くなる。ここで使用する非水解性短繊維は、本発明の不織布に有する水解性を損なわないように非水解性短繊維が複雑な交絡を形成せず、不織布の水解性が損なわれない程度の繊維長を有していることが好ましい。このような非水解性短繊維の平均繊維長は、通常は、80mm未満、好ましくは40mm未満、さらに好ましくは20mm未満である。こうした非水解性短繊維を水解性繊維に混合して不織布を製造した不織布において、この不織布が良好な水解性を維持するためには、非水解性短繊維の平均繊維長が短いことが好ましい。また、この非水解性短繊維の平均繊維長の下限値は、不織布を漉く際に非水解性短繊維が流出しないような長さであればよく、不織布の製造方法により異なるが、通常は下限値は0.1mm、好ましくは0.5mm程度である。このような非水解性繊維は、水解性繊維と同様にウェブを形成していることが好ましい。
【0030】
このような本発明の特に好ましい不織布において、水解性繊維と非水解性繊維とは、この不織布の水解性を損なわないような量比で使用することが好ましい。
水解性繊維と非水解性繊維とは通常は1:99〜99:1の範囲内の量、好ましくは30:70〜70:30の範囲内の量で混合して使用される。すなわち、水解性繊維と非水解性繊維とを上記の量で混合して、上述の湿式法、湿式スパンレース法、乾式スパンレース法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、好ましくは乾式スパンレース法あるいはニードルパンチ法などの公知の方法を利用することにより不織布を製造することができる。
【0031】
このような不織布は、非水解性繊維を有しているにも拘わらず水解性を有している。
このようにして得られた不織布の目付は、通常は20〜60g/m2の範囲内にあり、また、厚さは、通常は0.1〜0.6mmの範囲内にある。また、この不織布は、湿潤時において充分な強度を保持し、過剰の水中で撹拌したときに水解性を示す。特に本発明の不織布は、多量の水との接触により水解性を示すが、特にアルカリ性水溶液中において、非常に優れた水解性を示す。さらに、従来において用いられる含水時に一価のアルカリ成分を解離させるバインダーを用いずに不織布を形成しているため、直接肌に密着させても肌あれなどを引き起こしにくい。従って、この不織布は、紙おむつ、尿取りパット、生理用品などの衛生用品の吸収層として適用することができる。
【0032】
本発明の体液吸収体は、上記不織布を吸収層として用いるものであり、
(a)カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
(b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
および、
(c)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および、非水解性短繊維から構成される不織布
よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布からなる吸収層を有している。
【0033】
この体液吸収体は、上記のように通常は多量の水と接触することにより崩壊する本発明の不織布を吸水層として有している。この体液吸収体には、吸収した水分が漏れ出さないように、最外層に非水分透過層(バックシート)を形成することが好ましく、また、吸収した水分の逆戻りを防止するために、表面層を有していてもよい。また、吸収層内には、高分子吸収剤のような高吸水性材料を本発明の不織布が水解性を損なわない範囲内で配合することもできる。このような体液吸収体は、使用後、水解性を有する吸水層を形成する不織布を非水解性であるバックシートなどから分離し、この分離された吸収層を水に晒して崩壊させて処理することができる。
【0034】
本発明の体液吸収体は、上記不織布を用いて上記吸収層を構成することで、この不織布を形成する際にアルカリ成分を含有するバインダーを用いていないので、含水時に一価のアルカリ成分を解離することがないため、使用時に上記吸収層を直接肌に当てても、アルカリ成分による肌が荒れるなどの虞がない。
また、吸収層を構成する不織布が上述の刺激応答水解性を有することから、吸収層は、排泄物、分泌物などの吸収時にはある程度の引っ張り強度が保持されるとともに、水流などにさらして刺激を与えると開繊して、繊維の状態に分散する。このため、体液吸収体を使用した直後に吸収層を取り外してこの吸収層を水洗トイレなどにて直接流すことができる。このようにすることによって使用後の体液吸収体を容易に速やかに処理することができる。
【0035】
さらに、本発明のウエットティッシュは、
(a)カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
(b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
および、
(c)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および、非水解性短繊維から構成される不織布
よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布と、
該不織布に含浸されている液剤とからなる。
【0036】
すなわち、上記不織布は少量の水と接触した際には、不織布としての形態が損なわれにくく、大量の水と接触することにより容易に崩壊するという特性を利用して、上記不織布に対して、通常1倍〜5倍(重量)の液剤を含浸させることによりウエットティッシュとすることができる。ここで使用される液剤としては、水、水-アルコールなどを挙げることができ、さらに、この液剤には、防腐剤(例:安息香酸ナトリウム等の芳香族系防腐剤など)、保湿剤(例:エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなど)、界面活性剤、香料などを配合することができる。
【0037】
このようなウエットティッシュは、水不透過性の包装袋に封入して供給することができる。そして、本発明のウエットティッシュは、自己の形態を保持することができる容器と、包装袋に封入され、液剤を含浸する不織布からなる包装ウエットティッシュとからなる据え置き型のウエットティッシュ供給キットであることが好ましい。
【0038】
この据え置き型ウエットティッシュ供給キットについてさらに詳細に記載すると、この据え置き型ウエットティッシュ供給キットは、
(i)容器はウエットティッシュの包装袋を収容できる容量を有する収容部、該収容部への包装袋の詰め替え時に開閉される蓋部、ウエットティッシュを1枚ずつ容器外部に取り出す開閉自在な開口部、および前記収容部と開口部との間に設けられ、ウエットティッシュ取り出しの抵抗となる取出口を設けた抵抗隔壁を有し、
(ii)包装ウエットティッシュは、収納されたウエットティッシュの各葉が互いに重なりを有して折り畳まれ、ウエットティッシュペーパーの取出口を有する。
【0039】
また、このキットは前記(ii)の包装ウエットティッシュに代えて、収納されたウエットティッシュの各葉がミシン目を介してつながっており、かつウエットティッシュペーパーの取出口を有する包装ウエットティッシュであってもよい。
このウエットティッシュ供給キットは、ウエットティッシュの包装袋の取出口に貼着されたシール部材を剥離して除去することにより開口し、そのまま容器に収容する。ウエットティッシュは、密閉された容器の開口部から広がった状態で順次1葉ずつ必要に応じて連続的に取り出すことができる。
【0040】
図1(a)は、このキットの一具体例を示す説明図である。図1(a)は本発明にウエットティッシュを用いたキットの容器の蓋部、(b)は包装ウエットティッシュ、(c)は容器本体の説明図である。本発明のウエットティッシュを用いたキットは図1に示すように、内部を密閉する容器1と、上記不織布に液剤を含浸させて水不透過性の包装袋に封入された包装ウエットティッシュ2からなる。
【0041】
(i)容器
このキットを形成する容器1は全体がほぼ直方体をなし、容器自身で自己の形状を保持できる材料からなる。このような材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂など比較的硬質で若干の柔軟性を備えた成形用材料を用いるのが好ましい。この容器に用いられる材料としては、前記合成樹脂のほか、金属板、あるいは紙器を用いてもよい。容器は自己の形状を保持できるものであればよく、柔軟なシートなどの材料を内部、外部より補強して形状を保持できるようにしたものであってもよい。
【0042】
この容器1は、容器本体30およびこれに緊密に取り付けることのできる蓋部10からなり、容器本体30は、上端部に前記蓋部10を被せる段を設けた受部31が形成されると共に、包装ウエットティッシュ2の収まる収容部33を有する。
前記蓋部10は、ほぼ中央にウエットティッシュ取り出し用の矩形の開口部11を有する。この開口部には、一端にて回転自在な開閉蓋12が取り付けられる。この開閉蓋12は開口部11から液体または気体が漏れにくいよう緊密に設けられる。
【0043】
また、蓋部10の内側の開口部11に対応する位置には、U字状突起13を有する取出口17を形成した抵抗隔壁14が設けられ、つぎに取り出されるべきウエットティッシュが1枚保持される。抵抗隔壁14と蓋部10上面の開口部11との間には、空間15が形成され、抵抗隔壁14に保持されたウエットティッシュの先端部が滞留する。なお、抵抗隔壁はウエットティッシュの取り出しに対して抵抗となるように設けられ、この具体例ではU字状突起13の弾性に基づく抵抗により、1枚のウエットティッシュに重なって出てきた次のウエットティッシュが保持される。
【0044】
(ii)包装ウエットティッシュ
包装ウエットティッシュ2に充填された不織布は、上記不織布に液剤を含浸させたものである。この不織布は、上述のように少量の水分によっては崩壊することがなく、他方多量の水と接触し、好ましくは攪拌、水流などの外部応力の付与により崩壊するという特性を有している。このような特性は、従来の乾燥状態で使用されるティッシュペーパー、ポケットティッシュペーパーなどにはない特性である。すなわち、従来の乾燥状態で使用されるティッシュペーパーなどは湿潤するとその引っ張り強度が著しく低下すると共に、液剤と接触すると数時間の内に崩壊し、各葉を分離しながら引き出すことはできない。
【0045】
包装袋22に封入されたウエットティッシュは、不織布の各葉が互いに重なりを有して折り畳まれ、1枚のティッシュペーパーを抵抗隔壁を通して容器1の開口部11より取り出すと、続く紙葉が抵抗隔壁に保持され、つぎの使用に備える。このように連続的にウエットティッシュを取り出すには、ドライタイプのティッシュペーパーと異なり1枚目と2枚目の重なりをティッシュの面積の1/2以下、好ましくは1/4以下、さらに好ましくは1/10程度以下とする。好ましい折り畳みの具体例としては、図2のような折り畳み方が挙げられる。
【0046】
しかしながら、重なった各葉間の摩擦力を種々の手段により調整して小さくし、ドライティッシュの場合と同様、重なりの面積を1/2程度とすることもできる。
例えば、不織布にクレープ加工、エンボス加工などを施して凹凸を設け、ウエットティッシュ間の接触面積を減じてもよい。さらに、ウエットティッシュの水分率を低く設定することによっても摩擦力を小さくすることができる。
【0047】
さらに本発明では、図3(a)および(b)に示すように包装袋に封入されたウエットティッシュ21の各葉がミシン目を介してつながっていてもよい。このウエットティッシュでは、1枚分のティッシュペーパーを抵抗隔壁を通して容器1の開口部11より取り出すと、続く紙葉は抵抗隔壁に保持されてミシン目27でちぎれ、つぎの使用に備える。このようにミシン目により連続したウエットティッシュを順次、1枚ずつ取り出すには、図3(b)に示すようにミシン目27のカット部分28の長さをツナギ部分29の長さよりも長くするのが好ましい。ウエットティッシュに用いられる材料は、比較的引張強度が大きいため、各葉の切り放しに要する力を調整する。例えば、カット部分28の長さに対してツナギ部分29の長さを1/5以下、好ましくは1/20以下、さらに好ましくは1/50程度とする。
【0048】
ウエットティッシュの包装袋22は、ウエットティッシュに含浸された液体を透過することなく、また雑菌の侵入を防ぐよう、従来公知のプラスチックフィルム、ラミネートフィルムなどの柔軟な包装材料で形成するのが好ましい。包装袋22の上面には、使用にあたり容易に開封できるようミシン目、ハーフカットなど適宜の方法により予め切り込み23を入れた取出口24が設けられ、裏面に粘着剤(感圧接着剤)25を塗布したシール部材26がこの取出口24を覆って張り付けられ密着固定される。なお、このシール部材26に塗布される貼着剤は、ウエットティッシュ供給キットが据え置き型であり、容器に収容される際に剥離撤去されることから、この粘着剤は再付着性(一度剥離した後、再び接着することができる接着剤の性質)を有している必要はない。
【0049】
使用時、このシール部材26を引きはがすと、閉ループの切り込みの入った取出口24の部分のフィルム断片がシール部材26に粘着したまま取り外されて包装袋の開口が形成される。図4および図5に示すように、この包装袋を前記の容器本体30に収納し、蓋部10を被せた後、1枚目のウエットティッシュ21を抵抗隔壁14の取出口17に通して使用に供する。
【0050】
なお、抵抗隔壁の具体的な形状としては、図1に示す形状のほか、図7、図10(a)〜(d)に示すような形状などさまざまなものが挙げられるが、材質、材料厚さ、形状などの選択により適度の柔軟性と剛性を有する抵抗突起が張出した形状のものが好ましい。
これら抵抗隔壁は、図7および図9に示すように、取出口の最大長さ(A)がここを通過するティッシュペーパーの紙幅の15〜99%であるのが好ましい。最大長さがこれより短いとティッシュペーパーを滑らかに取り出すことができない。また、これより長いとティッシュペーパーの保持が充分でなく、容器の設計にも不都合であり、さらに異物混入の可能性が高い。
【0051】
一方、取出口の最小幅(B)は1mm〜1cmであるのが好ましい。最小幅がこれより狭いとティッシュペーパーの取り出しが困難である。また、最小幅がこれより広いとティッシュペーパーの保持が困難となる。
さらに、抵抗隔壁の取出口の最大長さ方向の中央付近の膨張部18の幅が、前記の取出口17の最大幅であるのが好ましい。このように取出口の中央付近に膨張部18を設けることにより、ティッシュペーパーよりも幅の狭い取出口17(幅A)に寄せ集められたティッシュペーパーの逃げが可能となり、適度の保持力を有しつつ、滑らかにティッシュペーパーの取り出しが可能となる。
【0052】
図6はこのキットの容器の他の具体例を示す斜視図である。この具体例では、蓋部10は容器本体30に対して回転して開閉可能に取り付けられる。また、抵抗隔壁14は中蓋16に設けられ、該中蓋16を本体内側に設けた中蓋受部32に緊密に取り付ける。さらに、キットの容器において、包装袋の詰め替えを行う蓋部は、図1、図6のような容器の前面でなく底部、側部に設けてもよい。
【0053】
図8は、ウエットティッシュの包装袋の取出口の他の具体例を示す斜視図である。この具体例では、横長の「H」字型に切り込み23を形成した取出口が設けられる。この形状の取出口は切り開かれたシートの断片のために、開口面積が小さくなり、空気中の菌による二次汚染や液体成分の揮散が防止される。
上記のような据え置き型ウエットティッシュ供給キットは、ウエットティッシュの補充、詰め替えが極めて容易でかつ衛生的である。また、据え置いたまま片手でもウエットティッシュを1枚ずつ使用しやすい、広がった状態で必要なだけ迅速に取り出すことができる。
【0054】
上記のように本発明の不織布は、ウエットティッシュに使用することができ、この不織布は、包装袋に液剤と共に包装されている状態では水解することはなく、一葉づつ容器から取り出すことが可能であるが、多量の水と接触することにより水解するので、このウエットティッシュを使用後は、水洗トイレなどに流して処理することができる。本発明の不織布を用いたウエットティッシュは例えば乳幼児および介護用の清拭用品、特に乳幼児用のおしり拭きおよびトイレ清掃用具などの衛生用品に適用することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る不織布によれば、従来において不織布を形成する際にバインダーを用いなくても、湿潤時にある程度の引っ張り強度を保持し、さらに水流中にさらすなどして多量の水と接触することにより開繊して溶解分散する。
また、本発明に係る体液吸収体によれば、吸収層を構成する不織布を形成する際に、含水時に一価のアルカリ成分を解離するバインダーを使用していないため、使用時に上記吸収層を直接肌に当てても、肌が荒れるなどの虞がない。
【0056】
また、上記不織布が刺激応答水解性を有することから、吸収層は、排泄物、分泌物などの体液の吸収時にはある程度の引っ張り強度が保持されるとともに、水流などにさらして刺激を与えると開繊して、繊維の状態に分散し、さらにこの繊維が水に溶解する。このため、体液吸収体を使用した後に吸収層のみを取り外してこの吸収層を水洗トイレなどにて直接流すことができる。このようにすることによって使用後の体液吸収体を容易に速やかに処理することができる。
【0057】
さらに、本発明に係るウエットティッシュは、上記不織布と液剤とからなり、液剤が含浸された状態で包装袋に収容されている間には、引き出しに充分耐えうる強度を有しており、包装ウエットティッシュを容器に収容して一葉づつ引き出して使用することができる。そして、こうして使用した後、多量の水と接触することにより、このウエットティッシュは水解するので、水洗トイレなどに流して処理することができる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、本発明に係る不織布およびそれを用いた体液吸収体の好ましい態様をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
【実施例1】
ビスコースレーヨンを70重量%、ポリアクリル酸ナトリウムを15重量%、カチオン化セルロースを15重量%含有する樹脂組成物を用いて繊維を作成した。
この作成方法を下記に示す。
【0060】
常法によって製造された、セルロース濃度9.0重量%、アルカリ濃度5.7重量%のビスコース70重量部にポリアクリル酸ナトリウムとカチオン化セルロースの混合溶液(ポリアクリル酸ナトリウム4.5重量%、カチオン化セルロース4.5重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%)30重量部を加えて撹拌機で充分混合し分散させた。しかる後通常の紡糸工程で3.0デニール、38mmカット長の繊維とした紡糸工程における水溶性高分子の溶出はほとんど検出されないことがわかった。この繊維を精錬機を通して脱硫−水洗−漂白−水洗し、さらに油剤付与し乾燥した。
【0061】
この繊維を試験用のカード機でウェブを形成した後に、このウェブを6m/分の速度で移動させながら25kg/cm2の高圧水ジェット流で交絡処理した。交絡処理したウェブを乾燥して目付が25g/m2、厚さ0.26mmである不織布を作成した。
この不織布から幅50mmの試験片を作成し、この試験片を蒸留水(pH値;約5.5)に10分間浸漬した後、チャック間隔が100mmで、引っ張り速度300mm/分で縦方向および横方向に延伸して最大荷重を測定して、これを各方向での引っ張り強度とした。
【0062】
これとは別に、幅50mmの試験片を作成し、この試験片を0.01Mリン酸水素二ナトリウム溶液(pH値;約9.0)に10分間浸漬した後、同様の条件で最大荷重を測定して、縦および横方向の引っ張り強度を得た。
結果を表1に示す。
また、容量200mlのビーカーに蒸留水(pH値;約5.5)100mlを入れ、この中に2cm×2cmに切り出した上記不織布を入れ、マグネチックスターラーで一定回転速度で攪拌した。ビーカー内における不織布の開繊状態および繊維の分散状態を観察したところ、2分後に水解性を示した。
【0063】
これとは別に、容量200mlのビーカーに、0.01Mリン酸水素二ナトリウム溶液(pH値;約9.0)100mlを入れ、上記と同様にして切り出した2cm×2cmの試験片を入れ、マグネチックスターラーで一定回転速度で攪拌した。ビーカー内における不織布の開繊状態および繊維の分散状態を観察したところ、30秒後に水解性を示した。
【0064】
【実施例2】
実施例1において、組成をレーヨン50重量%、ポリアクリル酸ナトリウム25重量%、カチオン化セルロース25重量%とした以外は実施例1と同様に物性を測定した。結果を表1に示す。
なお、実施例1と同様に、蒸留水中では2分後、アルカリ水中では30秒後に水解性を示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【実施例3】
実施例1で製造した繊維30重量部と、パルプ70重量部(平均繊維長;10mm)とを混合して用いた以外は同様にして不織布を製造した。
得られた不織布について実施例1と同様にして水解性を測定した。この不織布の蒸留水中における水解時間は2分、リン酸水素二ナトリウム水溶液中における水解時間は30秒であった。この不織布の乾燥時に引っ張り強度、蒸留水浸漬後の引っ張り強度を実施例1と同様にして測定し、その結果を次表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
【実施例4】
上記実施例3で製造した不織布の一方の面に水不透過性のバックシート層を形成して体液吸収体を製造した。この体液吸収体は良好な吸水性を有すると共に、吸水後、バックシートを剥離することにより、水解処理することができた。
【0069】
【実施例5】
上記実施例3で製造した不織布70枚84gを、各葉が互いに重なり合うように折り畳んで、アルミニウム蒸着層を有するプラスチック性のラミネートフィルムで形成された水不透過性包装袋に収容した。この収容袋内に、水97重量部と、安息香酸ナトリウム0.6重量部とからなる液剤を218g入れ、収容袋の解放口をヒートシールして包装ウエットティッシュを製造した。
【0070】
この包装ウエットティッシュの包装袋の上面には、収容されているウエットティッシュを取り出すための切り込みが形成されており、この切り込みは、切り込みを覆うようにアクリル系接着剤でシール部材が貼着されている。
この包装ウエットティッシュを90日間放置した後、シール部材を剥離撤去して硬質プラスチックからなる容器に収容し、この容器に蓋をして、蓋体丈夫の開口部から容器に包装袋ごと収容されているウエットティッシュを一枚一枚取り出したところ、紙切れもなく、全部の不織布を取り出すことができた。
【0071】
また、こうして取り出された不織布は、実施例3に示したのと同程度の水解性を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、包装ウエットティッシュの具体例を示す説明図であり、蓋部(a)、包装ウエットティッシュ(b)および容器本体(c)を示す。
【図2】図2はウエットティッシュの折り畳み方の具体例を示す断面図である。
【図3】図3は、ミシン目でつながったウエットティッシュを示す説明図である。
【図4】図4は、キットの使用状態を示す断面図である。
【図5】図5は、キットの使用状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、キットの他の具体例を示す説明図である。
【図7】図7は、抵抗隔壁の他の具体例を示す平面図である。
【図8】図8は、包装ウエットティッシュの取り出し口の他の具体例を示す斜視図である。
【図9】図9は、図1に示す抵抗隔壁の詳細平面図である。
【図10】図10は、抵抗隔壁の種々の具体例を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・容器
2・・・包装ウエットティッシュ
10・・・蓋部
11・・・開口部
14・・・抵抗隔壁
17・・・取り出し口
18・・・膨張部
21・・・ウエットティッシュ
22・・・包装袋
23・・・切り込み
24・・・取り出し口
27・・・ミシン目
30・・・容器本体
31・・・受部
33・・・収容部
Claims (11)
- 再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布。
- 上記樹脂組成物中に、再生セルロースが20〜98重量%、上記カチオン性樹脂が1〜79重量%、上記アニオン性樹脂が1〜79重量%、それぞれ含有されていることを特徴とする請求項第1項記載の不織布。
- 上記不織布が、再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および非水解性短繊維から構成されていることを特徴とする請求項第1項記載の不織布。
- 上記樹脂組成物中に、再生セルロースが20〜98重量%、上記カチオン性樹脂が1〜79重量%、上記アニオン性樹脂が1〜79重量%、それぞれ含有されていることを特徴とする請求項第3項記載の不織布。
- 上記非水解性短繊維が、平均繊維長80mm未満の再生セルロース繊維であることを特徴とする請求項第3項記載の不織布。
- 上記再生セルロースが、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラまたは鹸化アセテートであることを特徴とする請求項第1項または第3項記載の不織布。
- 上記カチオン性樹脂が、カチオン化セルロース、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストリンおよびポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂であることを特徴とする請求項第1項または第3項記載の不織布。
- 上記アニオン性樹脂が、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸、キサンタンガムおよびポリメタクリル酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂であることを特徴とする第1項または第3項記載の不織布。
- 上記不織布が、水解性を有することを特徴とする請求項第1項乃至第8項のいずれかに記載の不織布。
- (b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、および、(c)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および、非水解性短繊維から構成される不織布よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布からなる吸収層を有することを特徴とする体液吸収体。
- (b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、および、(c)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および、非水解性短繊維から構成される不織布よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布と、該不織布に含浸されている液剤とからなることを特徴とするウェットティッシュ。
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