JP2000248451A - 不織布およびその用途 - Google Patents

不織布およびその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】湿潤時において充分な引っ張り強度を保持し、
水流中で開繊して溶解分散する性質を有する不織布を提
供する。 【解決手段】本発明に係る不織布は、好適には基材樹脂
である再生セルロースと、カチオン性樹脂およびアニオ
ン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維か
ら構成される。本発明の体液吸収体は、上記不織布を吸
収層として有する。また、本発明のウエットティッシュ
は、上記不織布と液剤とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、湿潤時において充分な強
度を維持し、過剰の水中で好ましくは攪拌など外部応力
が付与されることにより開繊して水性媒体に分散させる
ことができる不織布、この不織布を用いた体液吸収体な
どのようなこの不織布の用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、介護用品、乳幼児用品、生
理用品、おむつ、清拭布等(以下これらを総称して、
「衛生用品」と記載することもある)には布等が使用さ
れていたが、近年、布に代わって紙、不織布が使用され
ることが多くなってきている。こうした紙、不織布から
なる上記衛生用品は一回使い切りであり、非常に便利で
あることから、今後益々その需要の増大が予想される。
【0003】こうした衛生用品には、例えば尿等の水分
を良好に吸収することが必要であり、従って、こうした
衛生用品として使用される紙、不織布類は、水分を含有
しても、紙、不織布類の形態が維持されることが必要で
ある。このため実際にこうした衛生用品は耐水性を有す
る紙、不織布類を用いて形成されている。従って、こう
した衛生用品は水に不溶であることから、これらを使用
した後に水洗トイレ等に流して処理することはできず、
一般ゴミとして処理されていた。
【0004】しかしながら、一度使用された衛生用品は
汚物を含んでおり、使用後はできるだけ速やかに処理す
ることが望まれる。こうした使用後の衛生用品を処理す
る方法として、水洗トイレに流して処理することができ
れば非常に好適である。ところが、上述のように衛生用
品は使用する段階では耐水性が必要であることから、使
用された後の衛生用品も当然に優れた耐水性があり、こ
うした優れた耐水性を有する衛生用品を水洗トイレに流
して処理することはできなかった。このように衛生用品
において、使用時に必要となる耐水性と使用後に望まれ
る開繊性(あるいは水解性)とは相反する特性であり、
両特性を有する衛生用品の製造は非常に困難であるとさ
れていた。
【0005】これに対して、特開平4-216889号
公報には、上水及び体液に対して溶解しにくく、下水に
対して溶解しやすい水崩壊性の不織布およびバインダー
が開示されている。この公報には、具体的に以下のよう
な組成のバインダーが開示されている。エチレン性不飽
和カルボン酸あるいはその無水物と、架橋性単量体と、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須成分とす
る平均分子量5000〜10000の共重合体であっ
て、カルボキシル基を一価のアルカリで中和したバイン
ダー。
【0006】ここで架橋性不飽和単量体は、N-メチロー
ル(メタ)アクリルアミドまたはそのエーテル化合物であ
ることが示されている。しかしながら、このバインダー
は、カルボキシル基が一価のアルカリで中和されている
ために、含水するとこの一価のアルカリ成分が解離し、
この解離した一価のアルカリ成分は皮膚に対する刺激性
を有している。また、下水に対して崩壊可能にするため
には、上記の重合体の塩を用いる場合には、形成される
架橋構造の量および構造が極めて重要な要素となり、こ
うした樹脂の溶解性を制御するための架橋構造の形成は
著しく難しい。
【0007】
【発明の目的】本発明は、湿潤時において充分な引っ張
り強度を保持し、水流中で開繊して溶解分散する性質を
有する不織布を提供することを目的としている。また、
本発明は、このような性質を有する不織布を用いてなる
吸収層を有する体液吸収体を提供することを目的として
いる。
【0008】さらに、本発明は、上記のような性質を有
する不織布を用いたウエットティッシュを提供すること
を目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る不織布は、カチオン性樹脂
とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成され
た繊維から構成される。特に本発明に係る不織布は、再
生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含
有する樹脂組成物から形成された繊維から構成されてい
ることが好ましい。
【0010】さらに、本発明に係る不織布は、再生セル
ロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する
樹脂組成物から形成された繊維、および非水解性短繊維
から構成されていることが好ましい。
【0011】また、本発明の不織布が、再生セルロース
を含有する繊維から構成される場合において、上記再生
セルロースが20〜98重量%、上記カチオン性樹脂が
1〜79重量%、上記アニオン性樹脂が1〜79重量%
の量でそれぞれ含有されていることが好ましい。さら
に、上記不織布が再生セルロースを含有する繊維から構
成される場合において、この再生セルロースが、ビスコ
ースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラまたは
鹸化アセテートであることが好ましい。
【0012】また、上記カチオン性樹脂が、カチオン化
セルロース、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガ
ム、カチオン化デキストリンまたはポリ塩化ジメチルメ
チレンピペリジニウムであることが好ましい。また、上
記アニオン性樹脂が、ポリアクリル酸塩、カルボキシメ
チルセルロース、カルボキシメチルデンプン、アルギン
酸、キサンタンガムまたはポリメタクリル酸塩であるこ
とが好ましい。
【0013】上記各不織布は、通常の場合水解性を有し
ている。上記不織布は通常は水解性を有しており、好ま
しくはカチオン性樹脂あるいはアニオン性樹脂が水溶性
高分子であり、さらにこの水溶性高分子と再生セルロー
スとで形成された樹脂組成物を用いて繊維が形成され、
この繊維を用いて不織布が形成される。従って、従来に
おいて不織布形成に用いられたような含水時に一価のア
ルカリ成分が解離するような特殊なバインダーを用いな
くても不織布に水解性を付与することが可能である。こ
のような本発明の不織布は、湿潤時に充分な引っ張り強
度を保持し、さらに水流中に晒すなどして多量の水分と
接触することにより開繊して溶解分散する。
【0014】また、本発明に係る体液吸収体は、(a)カ
チオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物
から形成された繊維から構成される不織布、(b)再生セ
ルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有す
る樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織
布、および、(c)再生セルロースとカチオン性樹脂とア
ニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊
維、および、非水解性短繊維から構成される不織布より
なる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布からなる
吸収層を有することを特徴としている。
【0015】すなわち、上記不織布を用いて体液吸収体
を構成することで、この不織布が湿潤時でも充分な引っ
張り強度が保持されるとともに水流等で開繊するため、
本発明の体液吸収体は、使用後容易に廃棄処理ができ
る。従って、当該体液吸収体を種々の衛生用品に応用す
ることができる。さらに本発明のウエットティッシュ
は、(a)カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する
樹脂組成物から形成された繊維から構成される不織布、
(b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂
とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成さ
れる不織布、および、(c)再生セルロースとカチオン性
樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成
された繊維、および、非水解性短繊維から構成される不
織布よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布
と、該不織布に含浸されている液剤とからなることを特
徴としている。
【0016】このウエットティッシュは、薬剤が含浸さ
れた湿潤時でも充分な引っ張り強度を有すると共に、多
量の水と接触することにより開繊するので、このウエッ
トティッシュは、使用後に容易に廃棄することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る不織布、体液
吸収体、ウエットティッシュについて、刺激応答水解性
不織布を用いてさらに詳細に説明する。本発明の不織布
は、多くは水解性を有する。この「水解性」とは、ある
程度の水分を含んだときに開繊して水に対して溶解分散
する性質をいう。
【0018】本発明の不織布は、カチオン性樹脂とアニ
オン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維
から構成されている。この樹脂組成物は、通常は基材樹
脂を含有している。本発明の不織布において、基材樹脂
としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リアミド、セルロース、再生セルロースなどを挙げるこ
とができる。これらの樹脂は単独であるいは組み合わせ
て使用することができる。この基材樹脂は、繊維を形成
する樹脂組成物100重量%中に通常は1〜99重量
%、好ましくは10〜95重量%の量で含有されてい
る。本発明では基材樹脂として、再生セルロースを使用
することが特に好ましい。
【0019】従って、本発明において好適な不織布は、
再生セルロース、カチオン性樹脂およびアニオン性樹脂
を含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成され
ている。以下この好適な不織布について詳述する。本発
明の不織布を構成する繊維は、基材樹脂としての再生セ
ルロースと、後述する水溶性高分子とを含有してなる樹
脂組成物から得られる。ここで、「水溶性高分子」と
は、水と接触することで膨潤あるいは溶解する性質を有
する物質をいう。
【0020】このような水溶性高分子を再生セルロース
とともに含有させた繊維を用いて不織布を形成すること
で、この不織布に、従来用いられていた特殊なバインダ
ーを用いなくても、水中で攪拌されるなどの刺激を受け
たときに水解性が発現する「刺激応答水解性」を持たせ
ることができる。この刺激応答水解性を有する不織布に
は、この不織布を形成する繊維の形成樹脂成分の合計を
100重量%としたとき、上記再生セルロースが、通常
は20〜98重量%、好ましくは20〜95重量%、特
に好ましくは30〜85重量%、より好ましくは50〜
80重量%、さらに好ましくは70〜90重量%の量で
含有するとともに、上記水溶性高分子を通常は2〜80
重量%、好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは1
5〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%、さ
らに好ましくは10〜30重量%の量で含有されてい
る。
【0021】特に、上記水溶性高分子においては、カチ
オン性樹脂は、通常は1〜79重量%、好ましくは2〜
68重量%、特に好ましくは2〜50重量%含有される
とともに、アニオン性樹脂が1〜79重量%、好ましく
は2〜68重量%、特に好ましくは13〜48重量%含
有されている。再生セルロースおよび水溶性高分子(カ
チオン性樹脂およびアニオン性樹脂)が、上記範囲内に
あるときは不織布の刺激応答性が良好である。すなわ
ち、引っ張り強度を保持することと、水解性が発現する
こととのバランスが良好である。
【0022】また、上記範囲内にあるときには、水溶性
高分子の脱落が防止できることから繊維間に発生する膠
着が少なくなる効果があり、従来と同じ繊維・不織布製
造設備を用いることができる点で工業的にも有用な技術
と言える。さらに歩留まりが向上し、製造コスト上でも
メリットがあることは言及するまでもない。なお、この
繊維を形成する樹脂組成物には、本発明の目的、効果を
逸脱しない範囲で、基材樹脂(好ましくは再生セルロー
ス)および水溶性高分子以外の第三成分を含有していて
もよく、その含有量は80重量%以下、好ましくは40
重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
【0023】上記不織布は、例えば以下の方法で得られ
た繊維を用いて製造することができる。すなわち、パル
プを水酸化ナトリウム溶液に浸漬してアルカリセルロー
スに変化させ、老成させた後、二硫化炭素を加えて硫化
し、セルロースキサントゲン酸ナトリウムにして溶解し
紡糸原液を作る。ここにカチオン化セルロースの水溶液
およびポリアクリル酸ナトリウムの水溶液を加え混合す
る。これを紡糸孔から凝固浴中に圧出し紡糸する。
【0024】このような繊維の長さは、通常2mm以
上、好ましくは20〜100mm、さらに好ましくは3
0〜80mmである。さらに不織布は、例えば下記のよ
うに上記繊維を用いて製造することができる。上記繊維
を不織布に加工する方法としては、本発明の水解性を逸
脱しない範囲で繊維を交絡もしくは接着すれば良く、湿
式法、湿式スパンレース法、乾式スパンレース法、ニー
ドルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法の
何れも好適に挙げることができる。しかしながら、先に
述べたように、化学的なバインダーを用いることは衛生
上好ましいことではない。本発明において最も好ましい
不織布加工法は乾式スパンレース法およびニードルパン
チ法である。
【0025】ここで、上記再生セルロースとしては、ビ
スコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラ、
鹸化アセテートなどが挙げられ、中でもビスコースレー
ヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラが、衛生性、安
全性の観点から好ましい。これらの再生セルロースは単
独であるいは組み合わせて使用することができる。上記
カチオン性樹脂としては、カチオン化セルロース、カチ
オン化デンプン、カチオン化グアーガム、カチオン化デ
キストリン、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム
などが挙げられ、中でもカチオン化セルロース、カチオ
ン化デンプンが、衛生性、安全性、水解性の観点から好
ましい。これらのカチオン性樹脂は単独であるいは組み
合わせて使用することができる。
【0026】上記アニオン性樹脂としては、ポリアクリ
ル酸塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルデンプン、ポリアルギン酸、キサンタンガムまたはポ
リメタクリル酸塩などが挙げられ、中でもポリアクリル
酸塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル
デンプンが、衛生性、安全性、水解性の観点から好まし
い。これらのアニオン性樹脂は単独であるいは組み合わ
せて使用することができる。
【0027】上記第三成分としては、パルプ、レーヨ
ン、ポリプロピレン熱融着繊維、コットン、麻(ラミ
ー)、ポリエステル繊維などが挙げられる。本発明の不
織布を形成する水解性繊維は、ウェブを形成して使用す
ることが好ましい。本発明の不織布は、好ましくは上記
のように、再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン
性樹脂とを含有する樹脂組成物から繊維(水解性繊維)
を製造し、この繊維を用いて例えば上記の方法で製造す
ることができるが、さらに、この水解性繊維に非水解性
短繊維を加えて不織布を製造することができる。
【0028】すなわち、本発明の好ましい不織布は、再
生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含
有する樹脂組成物から形成された繊維、および非水解性
短繊維から構成されている。
【0029】ここで使用する非水解性短繊維は、それ自
体では水に溶解あるいは安定に分散する特性は有してい
ない樹脂短繊維であり、このような短繊維の例として
は、パルプ繊維、再生セルロース繊維(例;ビスコース
レーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラ、鹸化アセ
テート)、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリア
クリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリオレフィン繊維な
どの合成繊維、天然繊維および再生繊維を挙げることが
できる。上記のような非水解性短繊維の中でも、再生セ
ルロース繊維を使用することが好ましい。このような再
生セルロース繊維を使用することにより、得られる不織
布の風合いあるいは肌触りが著しく改善されると共に、
吸水性も高くなる。ここで使用する非水解性短繊維は、
本発明の不織布に有する水解性を損なわないように非水
解性短繊維が複雑な交絡を形成せず、不織布の水解性が
損なわれない程度の繊維長を有していることが好まし
い。このような非水解性短繊維の平均繊維長は、通常
は、80mm未満、好ましくは40mm未満、さらに好まし
くは20mm未満である。こうした非水解性短繊維を水解
性繊維に混合して不織布を製造した不織布において、こ
の不織布が良好な水解性を維持するためには、非水解性
短繊維の平均繊維長が短いことが好ましい。また、この
非水解性短繊維の平均繊維長の下限値は、不織布を漉く
際に非水解性短繊維が流出しないような長さであればよ
く、不織布の製造方法により異なるが、通常は下限値は
0.1mm、好ましくは0.5mm程度である。このような非
水解性繊維は、水解性繊維と同様にウェブを形成してい
ることが好ましい。
【0030】このような本発明の特に好ましい不織布に
おいて、水解性繊維と非水解性繊維とは、この不織布の
水解性を損なわないような量比で使用することが好まし
い。水解性繊維と非水解性繊維とは通常は1:99〜9
9:1の範囲内の量、好ましくは30:70〜70:3
0の範囲内の量で混合して使用される。すなわち、水解
性繊維と非水解性繊維とを上記の量で混合して、上述の
湿式法、湿式スパンレース法、乾式スパンレース法、ニ
ードルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド
法、好ましくは乾式スパンレース法あるいはニードルパ
ンチ法などの公知の方法を利用することにより不織布を
製造することができる。
【0031】このような不織布は、非水解性繊維を有し
ているにも拘わらず水解性を有している。このようにし
て得られた不織布の目付は、通常は20〜60g/m2
範囲内にあり、また、厚さは、通常は0.1〜0.6mm
の範囲内にある。また、この不織布は、湿潤時において
充分な強度を保持し、過剰の水中で撹拌したときに水解
性を示す。特に本発明の不織布は、多量の水との接触に
より水解性を示すが、特にアルカリ性水溶液中におい
て、非常に優れた水解性を示す。さらに、従来において
用いられる含水時に一価のアルカリ成分を解離させるバ
インダーを用いずに不織布を形成しているため、直接肌
に密着させても肌あれなどを引き起こしにくい。従っ
て、この不織布は、紙おむつ、尿取りパット、生理用品
などの衛生用品の吸収層として適用することができる。
【0032】本発明の体液吸収体は、上記不織布を吸収
層として用いるものであり、(a)カチオン性樹脂とアニ
オン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された繊維
から構成される不織布、(b)再生セルロースとカチオン
性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形
成された繊維から構成される不織布、および、(c)再生
セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有
する樹脂組成物から形成された繊維、および、非水解性
短繊維から構成される不織布よりなる群から選ばれる少
なくとも1種類の不織布からなる吸収層を有している。
【0033】この体液吸収体は、上記のように通常は多
量の水と接触することにより崩壊する本発明の不織布を
吸水層として有している。この体液吸収体には、吸収し
た水分が漏れ出さないように、最外層に非水分透過層
(バックシート)を形成することが好ましく、また、吸
収した水分の逆戻りを防止するために、表面層を有して
いてもよい。また、吸収層内には、高分子吸収剤のよう
な高吸水性材料を本発明の不織布が水解性を損なわない
範囲内で配合することもできる。このような体液吸収体
は、使用後、水解性を有する吸水層を形成する不織布を
非水解性であるバックシートなどから分離し、この分離
された吸収層を水に晒して崩壊させて処理することがで
きる。
【0034】本発明の体液吸収体は、上記不織布を用い
て上記吸収層を構成することで、この不織布を形成する
際にアルカリ成分を含有するバインダーを用いていない
ので、含水時に一価のアルカリ成分を解離することがな
いため、使用時に上記吸収層を直接肌に当てても、アル
カリ成分による肌が荒れるなどの虞がない。また、吸収
層を構成する不織布が上述の刺激応答水解性を有するこ
とから、吸収層は、排泄物、分泌物などの吸収時にはあ
る程度の引っ張り強度が保持されるとともに、水流など
にさらして刺激を与えると開繊して、繊維の状態に分散
する。このため、体液吸収体を使用した直後に吸収層を
取り外してこの吸収層を水洗トイレなどにて直接流すこ
とができる。このようにすることによって使用後の体液
吸収体を容易に速やかに処理することができる。
【0035】さらに、本発明のウエットティッシュは、
(a)カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂
組成物から形成された繊維から構成される不織布、(b)
再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを
含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される
不織布、および、(c)再生セルロースとカチオン性樹脂
とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形成され
た繊維、および、非水解性短繊維から構成される不織布
よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布と、
該不織布に含浸されている液剤とからなる。
【0036】すなわち、上記不織布は少量の水と接触し
た際には、不織布としての形態が損なわれにくく、大量
の水と接触することにより容易に崩壊するという特性を
利用して、上記不織布に対して、通常1倍〜5倍(重
量)の液剤を含浸させることによりウエットティッシュ
とすることができる。ここで使用される液剤としては、
水、水-アルコールなどを挙げることができ、さらに、
この液剤には、防腐剤(例:安息香酸ナトリウム等の芳
香族系防腐剤など)、保湿剤(例:エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アル
コールなど)、界面活性剤、香料などを配合することが
できる。
【0037】このようなウエットティッシュは、水不透
過性の包装袋に封入して供給することができる。そし
て、本発明のウエットティッシュは、自己の形態を保持
することができる容器と、包装袋に封入され、液剤を含
浸する不織布からなる包装ウエットティッシュとからな
る据え置き型のウエットティッシュ供給キットであるこ
とが好ましい。
【0038】この据え置き型ウエットティッシュ供給キ
ットについてさらに詳細に記載すると、この据え置き型
ウエットティッシュ供給キットは、(i)容器はウエッ
トティッシュの包装袋を収容できる容量を有する収容
部、該収容部への包装袋の詰め替え時に開閉される蓋
部、ウエットティッシュを1枚ずつ容器外部に取り出す
開閉自在な開口部、および前記収容部と開口部との間に
設けられ、ウエットティッシュ取り出しの抵抗となる取
出口を設けた抵抗隔壁を有し、(ii)包装ウエットティ
ッシュは、収納されたウエットティッシュの各葉が互い
に重なりを有して折り畳まれ、ウエットティッシュペー
パーの取出口を有する。
【0039】また、このキットは前記(ii)の包装ウエ
ットティッシュに代えて、収納されたウエットティッシ
ュの各葉がミシン目を介してつながっており、かつウエ
ットティッシュペーパーの取出口を有する包装ウエット
ティッシュであってもよい。このウエットティッシュ供
給キットは、ウエットティッシュの包装袋の取出口に貼
着されたシール部材を剥離して除去することにより開口
し、そのまま容器に収容する。ウエットティッシュは、
密閉された容器の開口部から広がった状態で順次1葉ず
つ必要に応じて連続的に取り出すことができる。
【0040】図1(a)は、このキットの一具体例を示
す説明図である。図1(a)は本発明にウエットティッ
シュを用いたキットの容器の蓋部、(b)は包装ウエッ
トティッシュ、(c)は容器本体の説明図である。本発
明のウエットティッシュを用いたキットは図1に示すよ
うに、内部を密閉する容器1と、上記不織布に液剤を含
浸させて水不透過性の包装袋に封入された包装ウエット
ティッシュ2からなる。
【0041】(i)容器 このキットを形成する容器1は全体がほぼ直方体をな
し、容器自身で自己の形状を保持できる材料からなる。
このような材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等の合成樹脂など比較的硬質で若干の柔軟性を備えた
成形用材料を用いるのが好ましい。この容器に用いられ
る材料としては、前記合成樹脂のほか、金属板、あるい
は紙器を用いてもよい。容器は自己の形状を保持できる
ものであればよく、柔軟なシートなどの材料を内部、外
部より補強して形状を保持できるようにしたものであっ
てもよい。
【0042】この容器1は、容器本体30およびこれに
緊密に取り付けることのできる蓋部10からなり、容器
本体30は、上端部に前記蓋部10を被せる段を設けた
受部31が形成されると共に、包装ウエットティッシュ
2の収まる収容部33を有する。前記蓋部10は、ほぼ
中央にウエットティッシュ取り出し用の矩形の開口部1
1を有する。この開口部には、一端にて回転自在な開閉
蓋12が取り付けられる。この開閉蓋12は開口部11
から液体または気体が漏れにくいよう緊密に設けられ
る。
【0043】また、蓋部10の内側の開口部11に対応
する位置には、U字状突起13を有する取出口17を形
成した抵抗隔壁14が設けられ、つぎに取り出されるべ
きウエットティッシュが1枚保持される。抵抗隔壁14
と蓋部10上面の開口部11との間には、空間15が形
成され、抵抗隔壁14に保持されたウエットティッシュ
の先端部が滞留する。なお、抵抗隔壁はウエットティッ
シュの取り出しに対して抵抗となるように設けられ、こ
の具体例ではU字状突起13の弾性に基づく抵抗によ
り、1枚のウエットティッシュに重なって出てきた次の
ウエットティッシュが保持される。
【0044】(ii)包装ウエットティッシュ 包装ウエットティッシュ2に充填された不織布は、上記
不織布に液剤を含浸させたものである。この不織布は、
上述のように少量の水分によっては崩壊することがな
く、他方多量の水と接触し、好ましくは攪拌、水流など
の外部応力の付与により崩壊するという特性を有してい
る。このような特性は、従来の乾燥状態で使用されるテ
ィッシュペーパー、ポケットティッシュペーパーなどに
はない特性である。すなわち、従来の乾燥状態で使用さ
れるティッシュペーパーなどは湿潤するとその引っ張り
強度が著しく低下すると共に、液剤と接触すると数時間
の内に崩壊し、各葉を分離しながら引き出すことはでき
ない。
【0045】包装袋22に封入されたウエットティッシ
ュは、不織布の各葉が互いに重なりを有して折り畳ま
れ、1枚のティッシュペーパーを抵抗隔壁を通して容器
1の開口部11より取り出すと、続く紙葉が抵抗隔壁に
保持され、つぎの使用に備える。このように連続的にウ
エットティッシュを取り出すには、ドライタイプのティ
ッシュペーパーと異なり1枚目と2枚目の重なりをティ
ッシュの面積の1/2以下、好ましくは1/4以下、さ
らに好ましくは1/10程度以下とする。好ましい折り
畳みの具体例としては、図2のような折り畳み方が挙げ
られる。
【0046】しかしながら、重なった各葉間の摩擦力を
種々の手段により調整して小さくし、ドライティッシュ
の場合と同様、重なりの面積を1/2程度とすることも
できる。例えば、不織布にクレープ加工、エンボス加工
などを施して凹凸を設け、ウエットティッシュ間の接触
面積を減じてもよい。さらに、ウエットティッシュの水
分率を低く設定することによっても摩擦力を小さくする
ことができる。
【0047】さらに本発明では、図3(a)および
(b)に示すように包装袋に封入されたウエットティッ
シュ21の各葉がミシン目を介してつながっていてもよ
い。このウエットティッシュでは、1枚分のティッシュ
ペーパーを抵抗隔壁を通して容器1の開口部11より取
り出すと、続く紙葉は抵抗隔壁に保持されてミシン目2
7でちぎれ、つぎの使用に備える。このようにミシン目
により連続したウエットティッシュを順次、1枚ずつ取
り出すには、図3(b)に示すようにミシン目27のカ
ット部分28の長さをツナギ部分29の長さよりも長く
するのが好ましい。ウエットティッシュに用いられる材
料は、比較的引張強度が大きいため、各葉の切り放しに
要する力を調整する。例えば、カット部分28の長さに
対してツナギ部分29の長さを1/5以下、好ましくは
1/20以下、さらに好ましくは1/50程度とする。
【0048】ウエットティッシュの包装袋22は、ウエ
ットティッシュに含浸された液体を透過することなく、
また雑菌の侵入を防ぐよう、従来公知のプラスチックフ
ィルム、ラミネートフィルムなどの柔軟な包装材料で形
成するのが好ましい。包装袋22の上面には、使用にあ
たり容易に開封できるようミシン目、ハーフカットなど
適宜の方法により予め切り込み23を入れた取出口24
が設けられ、裏面に粘着剤(感圧接着剤)25を塗布し
たシール部材26がこの取出口24を覆って張り付けら
れ密着固定される。なお、このシール部材26に塗布さ
れる貼着剤は、ウエットティッシュ供給キットが据え置
き型であり、容器に収容される際に剥離撤去されること
から、この粘着剤は再付着性(一度剥離した後、再び接
着することができる接着剤の性質)を有している必要は
ない。
【0049】使用時、このシール部材26を引きはがす
と、閉ループの切り込みの入った取出口24の部分のフ
ィルム断片がシール部材26に粘着したまま取り外され
て包装袋の開口が形成される。図4および図5に示すよ
うに、この包装袋を前記の容器本体30に収納し、蓋部
10を被せた後、1枚目のウエットティッシュ21を抵
抗隔壁14の取出口17に通して使用に供する。
【0050】なお、抵抗隔壁の具体的な形状としては、
図1に示す形状のほか、図7、図10(a)〜(d)に
示すような形状などさまざまなものが挙げられるが、材
質、材料厚さ、形状などの選択により適度の柔軟性と剛
性を有する抵抗突起が張出した形状のものが好ましい。
これら抵抗隔壁は、図7および図9に示すように、取出
口の最大長さ(A)がここを通過するティッシュペーパ
ーの紙幅の15〜99%であるのが好ましい。最大長さ
がこれより短いとティッシュペーパーを滑らかに取り出
すことができない。また、これより長いとティッシュペ
ーパーの保持が充分でなく、容器の設計にも不都合であ
り、さらに異物混入の可能性が高い。
【0051】一方、取出口の最小幅(B)は1mm〜1
cmであるのが好ましい。最小幅がこれより狭いとティ
ッシュペーパーの取り出しが困難である。また、最小幅
がこれより広いとティッシュペーパーの保持が困難とな
る。さらに、抵抗隔壁の取出口の最大長さ方向の中央付
近の膨張部18の幅が、前記の取出口17の最大幅であ
るのが好ましい。このように取出口の中央付近に膨張部
18を設けることにより、ティッシュペーパーよりも幅
の狭い取出口17(幅A)に寄せ集められたティッシュ
ペーパーの逃げが可能となり、適度の保持力を有しつ
つ、滑らかにティッシュペーパーの取り出しが可能とな
る。
【0052】図6はこのキットの容器の他の具体例を示
す斜視図である。この具体例では、蓋部10は容器本体
30に対して回転して開閉可能に取り付けられる。ま
た、抵抗隔壁14は中蓋16に設けられ、該中蓋16を
本体内側に設けた中蓋受部32に緊密に取り付ける。さ
らに、キットの容器において、包装袋の詰め替えを行う
蓋部は、図1、図6のような容器の前面でなく底部、側
部に設けてもよい。
【0053】図8は、ウエットティッシュの包装袋の取
出口の他の具体例を示す斜視図である。この具体例で
は、横長の「H」字型に切り込み23を形成した取出口
が設けられる。この形状の取出口は切り開かれたシート
の断片のために、開口面積が小さくなり、空気中の菌に
よる二次汚染や液体成分の揮散が防止される。上記のよ
うな据え置き型ウエットティッシュ供給キットは、ウエ
ットティッシュの補充、詰め替えが極めて容易でかつ衛
生的である。また、据え置いたまま片手でもウエットテ
ィッシュを1枚ずつ使用しやすい、広がった状態で必要
なだけ迅速に取り出すことができる。
【0054】上記のように本発明の不織布は、ウエット
ティッシュに使用することができ、この不織布は、包装
袋に液剤と共に包装されている状態では水解することは
なく、一葉づつ容器から取り出すことが可能であるが、
多量の水と接触することにより水解するので、このウエ
ットティッシュを使用後は、水洗トイレなどに流して処
理することができる。本発明の不織布を用いたウエット
ティッシュは例えば乳幼児および介護用の清拭用品、特
に乳幼児用のおしり拭きおよびトイレ清掃用具などの衛
生用品に適用することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る不織布によれば、従来にお
いて不織布を形成する際にバインダーを用いなくても、
湿潤時にある程度の引っ張り強度を保持し、さらに水流
中にさらすなどして多量の水と接触することにより開繊
して溶解分散する。また、本発明に係る体液吸収体によ
れば、吸収層を構成する不織布を形成する際に、含水時
に一価のアルカリ成分を解離するバインダーを使用して
いないため、使用時に上記吸収層を直接肌に当てても、
肌が荒れるなどの虞がない。
【0056】また、上記不織布が刺激応答水解性を有す
ることから、吸収層は、排泄物、分泌物などの体液の吸
収時にはある程度の引っ張り強度が保持されるととも
に、水流などにさらして刺激を与えると開繊して、繊維
の状態に分散し、さらにこの繊維が水に溶解する。この
ため、体液吸収体を使用した後に吸収層のみを取り外し
てこの吸収層を水洗トイレなどにて直接流すことができ
る。このようにすることによって使用後の体液吸収体を
容易に速やかに処理することができる。
【0057】さらに、本発明に係るウエットティッシュ
は、上記不織布と液剤とからなり、液剤が含浸された状
態で包装袋に収容されている間には、引き出しに充分耐
えうる強度を有しており、包装ウエットティッシュを容
器に収容して一葉づつ引き出して使用することができ
る。そして、こうして使用した後、多量の水と接触する
ことにより、このウエットティッシュは水解するので、
水洗トイレなどに流して処理することができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明に係る不織
布およびそれを用いた体液吸収体の好ましい態様をさら
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0059】
【実施例1】ビスコースレーヨンを70重量%、ポリア
クリル酸ナトリウムを15重量%、カチオン化セルロー
スを15重量%含有する樹脂組成物を用いて繊維を作成
した。この作成方法を下記に示す。
【0060】常法によって製造された、セルロース濃度
9.0重量%、アルカリ濃度5.7重量%のビスコース
70重量部にポリアクリル酸ナトリウムとカチオン化セ
ルロースの混合溶液(ポリアクリル酸ナトリウム4.5
重量%、カチオン化セルロース4.5重量%、水酸化ナ
トリウム0.5重量%)30重量部を加えて撹拌機で充
分混合し分散させた。しかる後通常の紡糸工程で3.0
デニール、38mmカット長の繊維とした紡糸工程にお
ける水溶性高分子の溶出はほとんど検出されないことが
わかった。この繊維を精錬機を通して脱硫−水洗−漂白
−水洗し、さらに油剤付与し乾燥した。
【0061】この繊維を試験用のカード機でウェブを形
成した後に、このウェブを6m/分の速度で移動させな
がら25kg/cm2の高圧水ジェット流で交絡処理し
た。交絡処理したウェブを乾燥して目付が25g/
2、厚さ0.26mmである不織布を作成した。この
不織布から幅50mmの試験片を作成し、この試験片を
蒸留水(pH値;約5.5)に10分間浸漬した後、チ
ャック間隔が100mmで、引っ張り速度300mm/
分で縦方向および横方向に延伸して最大荷重を測定し
て、これを各方向での引っ張り強度とした。
【0062】これとは別に、幅50mmの試験片を作成
し、この試験片を0.01Mリン酸水素二ナトリウム溶
液(pH値;約9.0)に10分間浸漬した後、同様の
条件で最大荷重を測定して、縦および横方向の引っ張り
強度を得た。結果を表1に示す。また、容量200mlの
ビーカーに蒸留水(pH値;約5.5)100mlを入
れ、この中に2cm×2cmに切り出した上記不織布を入
れ、マグネチックスターラーで一定回転速度で攪拌し
た。ビーカー内における不織布の開繊状態および繊維の
分散状態を観察したところ、2分後に水解性を示した。
【0063】これとは別に、容量200mlのビーカー
に、0.01Mリン酸水素二ナトリウム溶液(pH値;
約9.0)100mlを入れ、上記と同様にして切り出した
2cm×2cmの試験片を入れ、マグネチックスターラーで
一定回転速度で攪拌した。ビーカー内における不織布の
開繊状態および繊維の分散状態を観察したところ、30
秒後に水解性を示した。
【0064】
【実施例2】実施例1において、組成をレーヨン50重
量%、ポリアクリル酸ナトリウム25重量%、カチオン
化セルロース25重量%とした以外は実施例1と同様に
物性を測定した。結果を表1に示す。なお、実施例1と
同様に、蒸留水中では2分後、アルカリ水中では30秒
後に水解性を示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【実施例3】実施例1で製造した繊維30重量部と、パ
ルプ70重量部(平均繊維長;10mm)とを混合して用
いた以外は同様にして不織布を製造した。得られた不織
布について実施例1と同様にして水解性を測定した。こ
の不織布の蒸留水中における水解時間は2分、リン酸水
素二ナトリウム水溶液中における水解時間は30秒であ
った。この不織布の乾燥時に引っ張り強度、蒸留水浸漬
後の引っ張り強度を実施例1と同様にして測定し、その
結果を次表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
【実施例4】上記実施例3で製造した不織布の一方の面
に水不透過性のバックシート層を形成して体液吸収体を
製造した。この体液吸収体は良好な吸水性を有すると共
に、吸水後、バックシートを剥離することにより、水解
処理することができた。
【0069】
【実施例5】上記実施例3で製造した不織布70枚84
gを、各葉が互いに重なり合うように折り畳んで、アル
ミニウム蒸着層を有するプラスチック性のラミネートフ
ィルムで形成された水不透過性包装袋に収容した。この
収容袋内に、水97重量部と、安息香酸ナトリウム0.
6重量部とからなる液剤を218g入れ、収容袋の解放
口をヒートシールして包装ウエットティッシュを製造し
た。
【0070】この包装ウエットティッシュの包装袋の上
面には、収容されているウエットティッシュを取り出す
ための切り込みが形成されており、この切り込みは、切
り込みを覆うようにアクリル系接着剤でシール部材が貼
着されている。この包装ウエットティッシュを90日間
放置した後、シール部材を剥離撤去して硬質プラスチッ
クからなる容器に収容し、この容器に蓋をして、蓋体丈
夫の開口部から容器に包装袋ごと収容されているウエッ
トティッシュを一枚一枚取り出したところ、紙切れもな
く、全部の不織布を取り出すことができた。
【0071】また、こうして取り出された不織布は、実
施例3に示したのと同程度の水解性を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、包装ウエットティッシュの具体例を示
す説明図であり、蓋部(a)、包装ウエットティッシュ
(b)および容器本体(c)を示す。
【図2】図2はウエットティッシュの折り畳み方の具体
例を示す断面図である。
【図3】図3は、ミシン目でつながったウエットティッ
シュを示す説明図である。
【図4】図4は、キットの使用状態を示す断面図であ
る。
【図5】図5は、キットの使用状態を示す斜視図であ
る。
【図6】図6は、キットの他の具体例を示す説明図であ
る。
【図7】図7は、抵抗隔壁の他の具体例を示す平面図で
ある。
【図8】図8は、包装ウエットティッシュの取り出し口
の他の具体例を示す斜視図である。
【図9】図9は、図1に示す抵抗隔壁の詳細平面図であ
る。
【図10】図10は、抵抗隔壁の種々の具体例を示す平
面図である。
【符号の説明】
1・・・容器 2・・・包装ウエットティッシュ 10・・・蓋部 11・・・開口部 14・・・抵抗隔壁 17・・・取り出し口 18・・・膨張部 21・・・ウエットティッシュ 22・・・包装袋 23・・・切り込み 24・・・取り出し口 27・・・ミシン目 30・・・容器本体 31・・・受部 33・・・収容部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/46 D01F 2/00 Z // A61F 13/53 C08L 101/00 A 13/49 A41B 13/02 B 13/46 A61F 13/18 307G 13/15 383 13/551 D01F 2/00 (72)発明者 井 上 修 徳島県板野郡北島町高房字川の上8 東邦 レーヨン徳島株式会社内 (72)発明者 小 関 智 樹 徳島県板野郡北島町高房字川の上8 東邦 レーヨン徳島株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを含
    有する樹脂組成物から形成された繊維から構成される不
    織布。
  2. 【請求項2】 上記繊維が、再生セルロースとカチオン
    性樹脂とアニオン性樹脂とを含有する樹脂組成物から形
    成された繊維から構成されることを特徴とする請求項第
    1項記載の不織布。
  3. 【請求項3】 上記樹脂組成物中に、再生セルロースが
    20〜98重量%、上記カチオン性樹脂が1〜79重量
    %、上記アニオン性樹脂が1〜79重量%、それぞれ含
    有されていることを特徴とする請求項第2項記載の不織
    布。
  4. 【請求項4】 上記不織布が、 再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂とを
    含有する樹脂組成物から形成された繊維、 および非水解性短繊維から構成されていることを特徴と
    する請求項第1項記載の不織布。
  5. 【請求項5】 上記樹脂組成物中に、再生セルロースが
    20〜98重量%、上記カチオン性樹脂が1〜79重量
    %、上記アニオン性樹脂が1〜79重量%、それぞれ含
    有されていることを特徴とする請求項第4項記載の不織
    布。
  6. 【請求項6】 上記非水解性短繊維が、平均繊維長80
    mm未満の再生セルロース繊維であることを特徴とする請
    求項第4項記載の不織布。
  7. 【請求項7】 上記再生セルロースが、ビスコースレー
    ヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラまたは鹸化アセ
    テートであることを特徴とする請求項第2項または第4
    項記載の不織布。
  8. 【請求項8】 上記カチオン性樹脂が、カチオン化セル
    ロース、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガム、
    カチオン化デキストリンおよびポリ塩化ジメチルメチレ
    ンピペリジニウムよりなる群から選ばれる少なくとも一
    種類の樹脂であることを特徴とする請求項第1項、第2
    項または第4項記載の不織布。
  9. 【請求項9】 上記アニオン性樹脂が、ポリアクリル酸
    塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデ
    ンプン、アルギン酸、キサンタンガムおよびポリメタク
    リル酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹
    脂であることを特徴とする第1項、第2項または第4項
    記載の不織布。
  10. 【請求項10】 上記不織布が、水解性を有することを
    特徴とする請求項第1項乃至第9項のいずれかに記載の
    不織布。
  11. 【請求項11】(a)カチオン性樹脂とアニオン性樹脂と
    を含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成され
    る不織布、 (b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂
    とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成さ
    れる不織布、 および、 (c)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂
    とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および、
    非水解性短繊維から構成される不織布 よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布から
    なる吸収層を有することを特徴とする体液吸収体。
  12. 【請求項12】(a)カチオン性樹脂とアニオン性樹脂と
    を含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成され
    る不織布、 (b)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂
    とを含有する樹脂組成物から形成された繊維から構成さ
    れる不織布、 および、 (c)再生セルロースとカチオン性樹脂とアニオン性樹脂
    とを含有する樹脂組成物から形成された繊維、および、
    非水解性短繊維から構成される不織布 よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の不織布と、 該不織布に含浸されている液剤とからなることを特徴と
    するウエットティッシュ。
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