JP4343076B2 - 地下構造物の築造方法及び掘進機 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤に地下構造物を築造する地下構造物の築造方法及び掘進機に関する。
一般に、地下構造物であるトンネルの断面形状には大小様々な円形や矩形等のものが知られている。例えば、大断面の円形又は矩形形状のトンネルは鉄道用や道路用,水路用等として用いられたり、小断面の円形又は矩形形状のトンネルは水道用や電気配線用等として用いられるなど、その用途は様々である。
従来、このようなトンネルを築造する場合には、様々なシールド機(シールド掘削機や掘進機)が用いられるが、主たるその形状は円形断面や矩形断面となっている。
例えば、特許文献1に記載のシールド機はカッターヘッドとそのカッターヘッドの後方に設けられる隔壁とを備えており、カッターヘッドで地盤を掘削したときに出る土砂を排土するために、このカッターヘッドと隔壁との間にチャンバーが形成されおり、このチャンバー内に掘削した土砂を溜め、隔壁の下部に一箇所だけ設けられた排土口にスクリューコンベアを設けて、チャンバー内の土砂を排土することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、地下構造物の築造方法として、正方形の断面形状を有した掘進機を繰り返し用いて、連続して縦方向及び横方向に配列した小断面の矩形形状のトンネルを複数設け、地盤と接する部分を残して小断面の矩形形状のトンネルの壁部を撤去することにより地下構造物を築造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−160988号公報(段落0017〜0021、図2) 特開2001−115794号公報(段落0020〜0048、図1)
しかしながら、このような形状のシールド機は、築造するトンネルの直径に合わせて製作されるため、転用が難しく、しかも使い捨てにされているという現状がある。特に矩形断面のシールド機は、一度、トンネルの築造に使用された後、そのシールド機本体の縦と横の寸法と他のトンネルの縦と横の寸法とが一致する場合が極めて少なく、円形断面のシールド機に比べてより一層転用が難しいという問題がある。
また、このようなシールド機は、トンネル建設コストに占める割合が大きく、使い捨てではなく転用ができるようにしたいという産業界の要望がある。
なお、このような問題はシールド機に限らず推進工法に使用される掘進機にも同様にあてはまる。
また、従来の地下構造物の築造方法は、地盤内に障害物となる構造物が存在する場合、この障害物を迂回するように又は回避するように掘削する位置を大きく変更して地下構造物を築造しなくてはならないという不具合がある。さらに、従来の方法によって築造された地下構造物は、その断面形状が矩形に限定されるため、地下構造物の用途に適した断面形状を採用することができないという問題がある。
そこで、本発明は前記した課題を解決し、築造する地下構造物の位置を大きく変更することなく、また、用途に適した断面形状を採用することが可能な地下構造物の築造方法を提供することを課題とし、加えて、転用が可能で、トンネル建設コストを低減させることができる地下構造物の築造方法及び掘進機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項に記載の発明は、断面が矩形形状である1基の掘進機によって複数の矩形形状のトンネルを隣接して築造することで地下構造物を築造する地下構造物の築造方法であって、断面を横長にした状態の前記掘進機を用いて、断面が横長の矩形形状のトンネルを築造する横長矩形断面トンネル築造工程と、前記横長矩形断面トンネル築造工程の前あるいは後に、断面を縦長にした状態の前記掘進機を用いて、断面が縦長の矩形小断面トンネルを築造する縦長矩形断面トンネル築造工程とを有し、前記掘進機は、矩形の隔壁とカッターヘッドとの間に形成されたチャンバーと、前記隔壁の短辺側に設けられた第一の排土口と、前記隔壁の長辺側に設けられた第二の排土口とを備えており、前記横長矩形断面トンネル築造工程では、前記第二の排土口を利用して前記チャンバー内の土砂を排土し、前記縦長矩形断面トンネル築造工程では、前記第一の排土口を利用して前記チャンバー内の土砂を排土することを特徴とする。
このように、断面が横長の矩形形状のトンネルを築造する横長矩形断面トンネル築造工程の前あるいは後に、断面が縦長の矩形小断面トンネルを築造する縦長矩形断面トンネル築造工程を行うことにより、例えば、地下構造物を築造する領域に障害物が存在したとしても、トンネルの断面を縦長から横長へ、あるいは横長から縦長へ替えることでその障害物を回避して地下構造物を築造することができる。
このとき、断面が横長の矩形形状のトンネルの築造と断面が縦長の矩形小断面トンネルとを、同一の掘進機を用いて築造する。つまり、1基の掘進機を用いて、断面が横長の矩形形状のトンネルの築造と断面が縦長の矩形小断面トンネルとを築造することができる。この場合、掘進機は断面が矩形形状となっており、その掘進機の断面を横長にして用いた場合には断面が横長の矩形形状のトンネルを築造することができ、掘進機の断面を縦長にして用いた場合には断面が縦長の矩形形状のトンネルを築造することができる。
また、請求項に記載の発明は、トンネルの断面が矩形断面となるように地盤を掘削する掘進機であって、カッターヘッドと、前記カッターヘッドの後方に矩形の隔壁を設けてチャンバーを形成している矩形断面の掘進機本体とを備え、前記隔壁の一方の辺側に第一の排土口が設けられ、前記隔壁の一方の辺側に第二の排土口が設けられて構成されることを特徴とする掘進機である。
このように、矩形形状の隔壁における一方の辺側に第一の排土口を設け、隔壁の一方の辺側に第二の排土口を設けたことにより、第一の排土口が設けられた辺側を底部として地盤を掘削する場合と、第二の排土口が設けられた辺側を底部として地盤を掘削する場合とで使い分けることができるため、種々の断面形状を有するトンネルに用いることができる。これにより、掘進機を転用する機会が増えるので、トンネルを築造するコストを削減することができる。
また、請求項に記載の本発明は、請求項に記載の発明であって、前記第一の排土口に接続される第一の排土装置と、前記第二の排土口に接続される第二の排土装置とを備えても良い。
このように、また、第一の排土口と第二の排土口とにはそれぞれ第一の排土装置と第二の排土装置とを備えているので、第一の排土口及び第二の排土口のどちらからでも土砂を排土することができるようになっている。
また、請求項に記載の本発明は、請求項に記載の発明であって、前記掘進機本体は、その内部に土砂を外部に送る排土運搬装置を備え、前記排土運搬装置が前記第一の排土装置又は前記第二の排土装置に接続可能に構成されていても良い。
このように、排土運搬装置を第一の排土装置又は第二の排土装置に接続可能に構成されていることにより、矩形の掘進機の短辺側又は長辺側を底部とした場合であっても、容易に掘削した土砂を掘進機の外部に排土することができるようになっている。
このような地下構造物の築造方法によれば、断面が横長、縦長となる矩形形状のトンネルを築造することで、地下構造物を築造する領域に障害物が隣接していても、これをよけて地下構造物を築造することができる。
また、このような掘進機によれば、掘進機の底部を矩形の短辺側又は長辺側に切り替えることができるので、断面が種々の矩形形状のトンネルに転用することができる。また、断面が種々の矩形形状のトンネルに転用することができるため、コストを削減することができる。
また、一台の掘進機を繰り返して使用する場合に、縦長、横長を切り替えて用いることができる。
次に、本発明を実施するための最良の一形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
各実施形態において、地下構造物を大断面の矩形トンネルとして説明し、大断面の矩形トンネルDKT(図7参照)は、トンネル築造領域TKR(図4参照)において上下方向に2段で及び横方向に3列で割り付けられる小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2・・・(図6参照)を地中に設置し、互いに接している外周面を撤去して構成したものを例にして説明する。
本発明の掘進機10は、図1及び図2に示すように、縦の長さと横の長さとが異なった矩形形状に断面が形成されており、地盤G(図3参照)を掘削するカッターヘッド11と、このカッターヘッド11を前進方向の先端に供えた掘進機本体12とを備え、小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2・・・(図6参照)を築造することができるようになっている。この掘進機10により複数の小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2・・・(図6参照)を積み重ねるように隣接させ上下方向に2段、横方向に3列の小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2・・・(図6参照)を築造する。このようにして築造された複数の小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2・・・(図6参照)の、互いに接している外周面を撤去して大断面の矩形形状のトンネルDKT(図7参照)を築造する。
カッターヘッド11は、従来から用いられているカッターヘッドを用いることができ、地盤G(図3参照)を掘削する役割を果たす。
掘進機本体12は、図1及び図2に示すように、縦の長さと横の長さとが異なった矩形形状に断面が形成され、進行方向の先端にカッターヘッド11を備えており、そのカッターヘッド11の後部に設けられた隔壁13と、カッターヘッド11と隔壁13との間に形成されたチャンバーCH内の土砂を排出する第一の排土装置14A及び第二の排土装置14Bと、排土運搬装置15とを備えている。
このチャンバーCHには、図1に示すように、カッターヘッド11によって掘削された土砂が溜まるようになっており、掘削した土砂の状態により、添加剤を混合させた土砂を溜めることができるようになっている。
隔壁13は、図1及び図2に示すように、掘進機本体12の内部に設けられており、掘進機本体12の前部を塞いでいる。これにより、チャンバーCHに溜めた土砂が後方に漏れ出ないようになっている。
この隔壁13は、掘進機本体12同様に縦の長さと横の長さとが異なった矩形形状に形成され、短辺部分に第一の排土口13A、長辺部分に第二の排土口13Bが設けられており、これら第一の排土口13A又は第二の排土口13Bから掘削した土砂を排土することができるようになっている。
また、図1に示すように、第一の排土口13Aには第一の排土装置14Aが備えられており、この第一の排土装置14Aの先端部が第一の排土口13Aを介してチャンバーCH内に位置している。
第一の排土装置14Aは、例えば、スクリューコンベアを用いることができ、チャンバーCH内の土砂を排土する役割を果たす。
なお、この第一の排土装置14Aは、第一の排土口13Aを底部T1側(図2参照)に位置させたときに、その第一の排土口13Aの上方より斜めに接続される。
また、図1に示すように、第二の排土口13Bには第二の排土装置14Bが備えられており、この第二の排土装置14Bの先端部が第二の排土口13Bを介してチャンバーCH内に位置している。
第二の排土装置14Bは、第一の排土装置14Aと同様に、例えば、スクリューコンベアを用いることができ、チャンバーCH内の土砂を排出する役割を果たす。
なお、この第二の排土装置14Bは、第一の排土装置14Aと同様に、第二の排土口13Bを底部T2側(図2参照)に位置させたときに、その第二の排土口13Bの上方より斜めに接続される。
つまり、図1及び図2に示すように、第一の排土口13Aを掘進機本体12の底部T1側に位置させて小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2・・・(図6参照)を築造する場合は、第二の排土口13Bが掘進機本体11の側面側に位置し、第一の排土口13Aに設けた第一の排土装置14AによりチャンバーCH内の土砂を排土するようになっている。
同様に、第二の排土口13Bを掘進機本体12の底部T2側に位置させて小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2・・・(図6参照)を築造する場合は、第一の排土口13Aが掘進機本体12の側面側に位置し、第二の排土口13Bに設けた第二の排土装置14BによりチャンバーCH内の土砂を排土するようになっている。
なお、第一の排土口13A又は第二の排土口13Bが土砂の排土に用いられない場合は、そこから土砂が流出しないように蓋がされる。
排土運搬装置15は、図1及び図3に示すように、前記第一の排土装置14A又は前記第一の排土装置14Bと接続可能に掘進機本体12の内部に設けられており、第一の排土装置14A又は第二の排土装置14Bから排土された土砂を外部まで運搬する役割を果たす。
この排土運搬装置15は、第一の排土装置14A又は第二の排土装置14Bと接続する接続部15Aと土砂を掘進機10外に運搬する運搬部15Bとから構成されている。
なお、排土運搬装置15を第一の排土装置14A又は第二の排土装置14Bと接続する際に、排土運搬装置15をもり替えて第一の排土装置14A又は第二の排土装置14Bと接続する構成としても良いし、排土運搬装置15に掘進機10の軸線を中心に回動する回動機構を備えさせて第一の排土装置14A又は第二の排土装置14Bと接続可能としても良い。
接続部15Aは、例えば、モータMを備えたスクリューコンベアを用いることができ、接続部15Aのスクリューコンベアを第一の排土装置14A又は第二の排土装置14Bのスクリューコンベアに接続してモータMで回転させることにより、チャンバーCH内の土砂を排土することができるようになっている。
この接続部15Aは、第一の排土装置14A又は第二の排土装置14Bに接続される。
運搬部15Bは、例えば、ベルトコンベアを用いることができ、接続部15AがチャンバーCHから排土した土砂を接続部15Aよりも下方で受けて、掘進機10の外部に運搬することができるようになっている。
この接続部15Aと運搬部15Bとは、掘進機10の底部が矩形形状の長辺側から短辺側に切り替えられた場合、又は矩形形状の短辺側から長辺側に切り替えられた場合に、接続部15Aを第一の排土装置14A又は第二の排土装置14Bに接続するために、掘進機本体12内を移動することができるようになっている。つまり、掘進機10の軸線に対して90度の回動(移動)が行えるようになっている。
このように構成される掘進機10は、小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2・・・(図6参照)を築造する際に矩形断面の縦方向の面を底部としても横方向の面を底部としても利用することができるため、汎用性が高く、最終的に形成される大断面の矩形トンネルDKTの種々の断面形状に対応させることができる。
また、排土運搬装置15を第一の排土装置14A及び第二の排土装置14Bに接続できるように移動可能としたことにより、本発明の掘進機10の底部を変更した場合でも、容易にチャンバーCH内の土砂を排土することができる。
次に、本発明の掘進機を用いて、大断面のトンネルを築造する方法について説明する。
図4は、トンネル築造領域の一例を示す模式図である。図5は、小断面の矩形形状のトンネルを築造した状態を示す模式図である。図6は、トンネル築造領域に設けた掘削領域のすべてに小断面の矩形形状のトンネルを築造した状態を示す模式図である。図7は、複数の小断面の矩形形状のトンネルから大断面の矩形トンネルを築造した状態を示す模式図である。
この方法は、築造すべき大断面トンネルの横断面の全てを包含するように複数の小断面の矩形形状のトンネルを隣接して築造することで大断面トンネルを築造するものであり、断面が横長の小断面の矩形形状のトンネルを築造する工程と、断面が縦長の小断面の矩形形状のトンネルを築造する工程とを有している。
より具体的には、大断面の矩形トンネルDKT(図7参照)の築造方法は、例えば、図4に示すように、大断面の矩形トンネルDKTを築造するために割り付けられたトンネル築造領域TKRのうちの、障害物となる構造物SBに近い掘削領域KR3以外の複数の所定掘削領域KR1,KR2,KR4,KR5,KR6の地盤を、当該掘進機10を横長にした状態、すなわち、掘進機10の隔壁13に設けた前記第二の排土口13Bを下にした状態で掘削して小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2,KT4,KT5,KT6を築造する横長矩形断面トンネル築造工程と、掘削領域KR3の地盤を、当該掘進機10を縦長にした状態、すなわち、掘進機10の隔壁13に設けた前記第一の排土口13Aを下にした状態で掘削して小断面の矩形形状のトンネルKT3を築造する縦長矩形断面トンネル築造工程と、前記横長矩形断面トンネル築造工程で築造した小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2,KT4,KT5,KT6と前記縦長矩形断面トンネル築造工程で築造した小断面の矩形形状のトンネルKT3とで各々が接している外殻部を撤去して大断面の矩形トンネルDKTを築造する地下構造物築造工程とを有して構成されている。
以下、詳細に説明する。
(位置決定工程)
まず、位置決定工程では、大断面の矩形トンネルを設ける位置を決定し、本発明の掘進機で掘削する小断面の矩形形状のトンネルの位置の区分を決定する。
その際に、障害物となる地下構造物の位置を把握して掘進機の底部を長辺側とするか短辺側とするかをも決定する。
例えば、図4に示すように、大断面の矩形トンネルDKT(図7参照)を設ける位置としてトンネル築造領域TKRを設定する。このトンネル築造領域TKRには、長辺側を底部とする本発明の掘進機10(図2参照)が掘削する領域として掘削領域KR1,KR2・・・KR6が設定されている。この際、地盤G内に構造物SBが存在してトンネル築造の際の障害物となる場合は、例えば掘削領域KR3において、短辺側を底部として掘進機10の掘削領域を決定する。これにより、大断面の矩形トンネルDKTの築造位置を大きく変更することなく大断面の矩形トンネルDKTの築造が行える。
(横長矩形断面トンネル築造工程)
次に、横長矩形断面トンネル築造工程では、前記位置決定工程で決定された掘削領域に沿って、矩形形状の長辺側を底部にして掘進機により断面が横長の小断面の矩形形状のトンネルを築造する。
この際、最初に築造した小断面の矩形形状のトンネルの断面形状に合わせて、隣接するように他の複数の小断面の矩形形状のトンネルを築造するのが好ましい。
例えば、図5に示すように、矩形の長辺側を底部とする掘削領域KR1を最初に掘削して小断面の矩形形状のトンネルKT1を築造した場合は、その次ぎからは掘削領域KR1と同じ断面形状を有している掘削領域KR2,KR4,KR5,KR6を掘削して断面が横長の小断面の矩形形状のトンネルKT2,KT4,KT5,KT6を築造する。
この小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2,KT4,KT5,KT6の各々を築造するとき、掘進機本体12の隔壁13に設けられた第二の排土口13Bが掘進機10の底部側に位置しており、この第二の排土口13Bに設けられた第二の排土装置14Bに排土運搬装置15の接続部15Aが接続され、チャンバーCH内に溜まった土砂を排土している。
(縦長矩形断面トンネル築造工程)
そして、縦長矩形断面トンネル築造工程では、前記位置決定工程で決定された掘削領域の残された掘削領域に断面が縦長の小断面の矩形形状のトンネルを築造する。つまり、障害物となる地下構造物を回避するために小断面の矩形形状のトンネルの断面形状を90度回転させて、矩形形状の短辺側を底部にした掘削領域を掘削して小断面の矩形形状のトンネルを築造する。
例えば、図4〜図6に示すように、掘削領域KR3は、障害物となる構造物SBを回避するためにその断面形状が短辺側を底部にした状態となっている。これにより、掘進機10を進行方向を軸に90度回転させて短辺側を底部にし、掘削領域KR3を掘削して断面が縦長の小断面の矩形形状のトンネルKT3を築造する。
この小断面の矩形形状のトンネルKT3を築造するとき、掘進機本体12の隔壁13に設けられた第一の排土口13Aが掘進機10の底部側に位置しており、第一の排土口13Aに設けられた第一の排土装置14Aに接続している排土運搬装置15の接続部15Aを第一の排土口13Aに設けられた第一の排土装置14Aに接続して、チャンバーCH内に溜まった土砂を排土している。
(地下構造物築造工程)
地下構造物築造工程では、前記横長矩形断面トンネル築造工程及び縦長矩形断面トンネル築造工程で築造した小断面の矩形形状のトンネルで接している面(壁体、床、天井)を撤去して大断面の矩形トンネルを築造する。
例えば、小断面の矩形形状のトンネルKT1の側壁に接しているKT2の側壁とKT3の側壁を撤去し、小断面の矩形形状のトンネルKT4の側壁に接しているKT5の側壁とKT6の側壁を撤去し、KT1の天井と接しているKT4の床を撤去し、KT2の天井と接しているKT5の床を撤去し、KT3の天井と接しているKT6の床を撤去して、大断面の矩形トンネルを築造する。
このように本発明の掘進機10(図1〜図3参照)を用いることにより、容易に大断面の矩形トンネルDKTを築造することができ、また、掘進機10の底部を短辺側と長辺側とで切り替えて用いることにより、地盤G内に障害物となる構造物SBが存在していても大断面の矩形トンネルDKTの進路を大きく変更することなく大断面の矩形トンネルDKTを築造することができる。
また、掘進機10の底部を短辺側と長辺側とで切り替えて用いることにより、掘進機10の利用機会が多くなり、繰り返し他のトンネルの築造においても使用することができる。
[変形例1]
なお、前記した横長矩形断面トンネル築造工程において、矩形の短辺側を底部とする複数の掘削領域を掘削して小断面の矩形形状のトンネルを築造した後に、縦長矩形断面トンネル築造工程で矩形の長辺側を底部とする複数の掘削領域を掘削して小断面の矩形形状のトンネルを築造しても良い。
[変形例2]
また、横長矩形断面トンネル築造工程よりも先に縦長矩形断面トンネル築造工程を行っても良い。
[変形例3]
また、地盤内に障害物が存在しなければ、図8に示すように、縦長矩形断面トンネル築造工程を行わずに横長矩形断面トンネル築造工程において、矩形の長辺側を底部とする複数の掘削領域を掘削して断面が横長の小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2,KT3,KT4,KT5,KT6を築造して大断面の矩形トンネルDKTを築造しても良いし、図9に示すように、矩形の短辺側を底部とする複数の掘削領域を掘削して断面が縦長の小断面の矩形形状のトンネルKT1,KT2,KT3,KT4,KT5,KT6を築造して大断面の矩形トンネルDKTを築造しても良い。
このように、複数の小断面の矩形形状のトンネルの総てを縦長あるいは横長とすると、地盤内に障害物が存在しない場合のほかに、用地からはみだす場合や障害物を回避できない場合にも好適である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、小断面トンネルを上下方向に2段、横方向に3列で割り付けられるほかに、2段2列や4段3列等のように、n段m列(n、mともに1以上の整数)としてもよい。当然、1段1列、つまり、1本の小断面トンネルの築造に用いても良い。
また、排土運搬装置は、スクリューコンベアやベルトコンベアなどに限定されず、ポンプ圧送で土砂を排土しても良い。
また、この掘進機10で築造される地下構造物は大断面の矩形形状トンネルに限られず、地下に築造され、内部空間を有する各種形状の構造物に用いることもできる。
本発明の掘進機の一例を示す平断面図である。 (a)は本発明の掘進機の短辺側を底部にした場合の隔壁を示す図であり、(b)は本発明の掘進機の長辺側を底部にした場合の隔壁を示す図である。 本発明の掘進機の使用状態を示す模式図である。 トンネル築造領域の一例を示す模式図である。 小断面の矩形形状のトンネルを築造した状態を示す模式図である。 トンネル築造領域に設けた掘削領域のすべてに小断面の矩形形状のトンネルを築造した状態を示す模式図である。 複数の小断面の矩形形状のトンネルから大断面の矩形トンネルを築造した状態を示す模式図である。 矩形の長辺側を底部とする複数の掘削領域を掘削して複数の小断面の矩形形状のトンネルを築造した状態の一例を示す模式図である。 矩形の短辺側を底部とする複数の掘削領域を掘削して複数の小断面の矩形形状のトンネルを築造した状態の一例を示す模式図である。
符号の説明
10 掘進機
11 カッターヘッド
12 掘進機本体
13 隔壁
13A 第一の排土口
13B 第二の排土口
14A 第一の排土装置
14B 第二の排土装置
15 排土運搬装置
15A 接続部
15B 運搬部
DKT 大断面の矩形形状のトンネル
TKR トンネル築造領域
CH チャンバー
G 地盤
T1,T2 底部
M モータ
SB 構造物
KT1,KT2,KT3,KT4,KT5,KT6 小断面の矩形形状のトンネル
KR1,KR2,KR3,KR4,KR5,KR6 掘削領域

Claims (4)

  1. 断面が矩形形状である1基の掘進機によって複数の矩形形状のトンネルを隣接して築造することで地下構造物を築造する地下構造物の築造方法であって、
    断面を横長にした状態の前記掘進機を用いて、断面が横長の矩形形状のトンネルを築造する横長矩形断面トンネル築造工程と、
    前記横長矩形断面トンネル築造工程の前あるいは後に、断面を縦長にした状態の前記掘進機を用いて、断面が縦長の矩形小断面トンネルを築造する縦長矩形断面トンネル築造工程とを有し、
    前記掘進機は、矩形の隔壁とカッターヘッドとの間に形成されたチャンバーと、前記隔壁の短辺側に設けられた第一の排土口と、前記隔壁の長辺側に設けられた第二の排土口とを備えており、
    前記横長矩形断面トンネル築造工程では、前記第二の排土口を利用して前記チャンバー内の土砂を排土し、
    前記縦長矩形断面トンネル築造工程では、前記第一の排土口を利用して前記チャンバー内の土砂を排土することを特徴とする地下構造物の築造方法。
  2. トンネルの断面が矩形断面となるように地盤を掘削する掘進機であって、
    カッターヘッドと、
    前記カッターヘッドの後方に矩形の隔壁を設けてチャンバーを形成している矩形断面の掘進機本体とを備え、
    前記隔壁の一方の辺側に第一の排土口が設けられ、
    前記隔壁の一方の辺側に第二の排土口が設けられて構成されることを特徴とする掘進機。
  3. 前記第一の排土口に接続される第一の排土装置と、
    前記第二の排土口に接続される第二の排土装置とを備えて構成されることを特徴とする請求項に記載の掘進機。
  4. 前記掘進機本体は、その内部に土砂を外部に送る排土運搬装置を備え、
    前記排土運搬装置が前記第一の排土装置又は前記第二の排土装置に接続可能に構成されていることを特徴とする請求項に記載の掘進機。
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