JP2001032269A - 廃棄物封じ込め構造及びその施工方法 - Google Patents

廃棄物封じ込め構造及びその施工方法

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JP2001032269A
JP2001032269A JP11209067A JP20906799A JP2001032269A JP 2001032269 A JP2001032269 A JP 2001032269A JP 11209067 A JP11209067 A JP 11209067A JP 20906799 A JP20906799 A JP 20906799A JP 2001032269 A JP2001032269 A JP 2001032269A
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waste
wall
disposal area
continuous wall
containment structure
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JP11209067A
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English (en)
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Hidenori Kawamura
秀紀 河村
Masaru Nada
勝 納多
Akiko Sato
晶子 佐藤
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Obayashi Corp
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物処分領域の新設既設あるいは適正処分
場か不法投棄領域であるかによらず、また、廃棄物処分
領域下方の不透水層の有無及びその遮水性能によらず、
地中連続壁のみで簡便確実な廃棄物封じ込めが可能であ
る廃棄物封じ込め構造及びその施工方法を提供する。 【解決手段】 廃棄物処分領域20を囲う地中連続壁
を、それぞれの端部及び側部を互いに接合させることで
区画を形成し、少なくとも廃棄物処分領域20の下方及
び側方領域を閉塞する複数の連続壁体22、24とな
し、かつこれら連続壁体22、24のうち、少なくとも
一体を斜壁24で構成して、その下端縁がこれと対向す
る連続壁体22、または24に交叉接合すべく形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の封じ込め
構造及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不法投棄などにより結果的に廃棄物が集
積してしまった山間の谷部や、法規制以前に形成される
か、経年により底部或いは側部の遮水工が機能しなくな
った老朽化した廃棄物処分場などの不適正処分場にあっ
ては、廃棄物からの滲出水による処分場下流側の地下水
汚染が社会的問題となっている。
【0003】従って、この種の不適正処分場では、これ
を完全に補修ないしは改修し、積層された廃棄物を地下
水脈などの周辺環境から隔離することが必要となってく
る。この補修工事の従来技術として、地中に連続壁を構
築する方法がある。この工法は、一般に連続地中壁工法
と称されるもので、廃棄物処分領域の周囲地盤に対し
て、泥水を吐出して掘削溝内に満たしつつ掘削を実施
し、次いで前記掘削溝内部にコンクリートを打設して泥
水と置換するといった手順を適宜繰り返すものである。
【0004】このような工法を実施することにより、地
下深部の不透水層にまで到達する鉛直な連続壁を形成
し、廃棄物処分領域となっている区域を囲って区画化す
る廃棄物封じ込め構造を成すことで、周囲の地下水脈か
ら遮断し、廃棄物からの滲出水が周辺地盤に漏出するこ
とを防止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の地中連続壁
による廃棄物封じ込め構造及びその施工方法では、鉛直
壁によって廃棄物処分領域周囲の止水はなされるもの
の、その底面は専ら不透水層の止水性に依存する。従っ
て、不透水層まで前記連続壁が貫入するべくその形成深
度を十分に取ったとしても、あくまでも自然形成された
該不透水層の止水性に頼らざるを得ないため、廃棄物封
じ込め構造全体としての止水性は不確実であった。しか
も、処分領域の規模と比して、施工される封じ込め構造
が大深度となる観は否めず、施工コスト及び期間をかな
り要する大深度、大規模施工を行わざるを得なかった。
【0006】近年では、チェーンソー型のカッターを用
いて、地中に連続したソイルセメント壁を形成する、い
わゆるTRD(Trench cutting Re−
mixing Deep wall method)工
法が開発されている。このTRD工法によれば、チェー
ンソーを用いた掘削原理により、高い掘削能率、及び吐
出されるソイルセメントに対する混合効果により、高品
質の地中壁体を効率よく形成できる。また、このTRD
工法では、鉛直壁のみならず、チェーンソーを傾斜させ
て地盤内に貫入させることで、斜壁も形成可能である。
【0007】本発明は、以上のTRD工法のもつ特性に
着目してなされたものであって、廃棄物処分領域の新設
既設あるいは適正処分場か不法投棄領域であるかによら
ず、また、廃棄物処分領域下方の不透水層の有無及びそ
の遮水性能によらず、地中連続壁のみで簡便確実な廃棄
物封じ込めが可能である廃棄物封じ込め構造及びその施
工方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明の廃棄物封じ込め構造は、廃棄物処分領域を
地中連続壁で囲うことにより、廃棄物をその地中連続壁
により仕切られた区画内に封じ込めるようにした廃棄物
封じ込め構造において、前記地中連続壁は、それぞれの
端部及び側部が互いに接合されて区画を形成し、少なく
とも廃棄物の下方及び側方領域を閉塞する複数の連続壁
体からなり、かつこれら連続壁体のうち、少なくとも一
体が斜壁で構成され、その下端縁がこれと対向する連続
壁体に交叉接合すべく形成されることを特徴とする。ま
た、前記連続壁体のうち、少なくとも一体の連続壁体が
垂直壁であってもよい。
【0009】なお、本発明で言う地中連続壁とは、在来
型の地中連続壁工法及びTRD工法の組合わせ、あるい
はTRD工法単独で得られる地中連続壁を言う。
【0010】従って本発明によれば、斜壁と垂直壁、も
しくは斜壁のみを組み合わせた連続壁体によって廃棄物
処分領域の少なくとも底部及び側部が周辺地盤から区画
されるため、完全に廃棄物を地中連続壁内に封じ込める
ことができる。
【0011】さらに本発明の他の要旨として、既設の廃
棄物処分場もしくは不法投棄された廃棄物の周辺等の廃
棄物投棄領域において形成される廃棄物封じ込め構造の
施工方法であって、前記廃棄物投棄領域の少なくとも下
方及び側方領域について区画すべく、少なくとも一体の
斜壁を含む複数の地中連続壁を交叉接合させることを特
徴とする。これにより例えば廃棄物の地中堆積状況に柔
軟に対応して廃棄物封じ込め構造を形成し確実に周辺地
盤と遮断可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の廃棄物封じ込め構造の形
成に際し用いられる斜壁形成用マシンを示し、図の上部
が平面図、下部が側面図である。
【0014】図において、キャタピラ走行式ベースマシ
ン1の上部には、角度調整用の一対のシリンダ2により
支点ピン3を基点として傾角αを調整可能とした平行す
る一対の横行用のガイドフレーム4が設けられ、このガ
イドフレーム4上にはこれに沿って横移動可能に取付け
ベース5が配置され、この取付ベース5上にはこれと直
交して前後移動可能であって、後端を前後進用シリンダ
6に連結したチェーンカッター駆動部7が設けられてい
る。
【0015】駆動部7の先端にはチェーンガイド8が固
定され、チェーンガイド8の先端に回転可能に軸受され
た従動スプロケットと駆動部7に設けた駆動スプロケッ
トとの間にチェーンカッター9が無端状にかけ回され、
駆動部7の駆動によりチェーンカッター9は、無端状に
移動しつつ、地盤Eの内部を掘削する。また、ベースマ
シンの後部には、ソイルセメントタンク10がおかれ、
ポンプ11及び配管経路を介してタンク10の内部に蓄
えたソイルセメントを駆動部7側に送出し、チェーンガ
イド8の内部を通じて従動スプロケットの回転中心孔よ
り吐出する。
【0016】以上のマシンを用いた斜壁形成作業手順
は、まずシリンダ6を後退させてチェーンカッター9を
地上部の待機位置に後退させ、また、ベース5をガイド
フレーム4の一端側に待機させておく。次に形成角度に
応じて、角度調整用シリンダ2の角度を調整した後、駆
動部7を前進させつつ回転駆動することで、チェーンカ
ッター9の先端は地盤Eを掘削しつつ地中に貫入され
る。これと平行してポンプ10を駆動してソイルセメン
トを先端から吐出し、掘削土砂とともに混合する。
【0017】これと同時に、ベース5を横移動させ、ガ
イドフレーム4の他端側までトラバースする。これによ
り、図の上部破線で示す範囲にソイルセメントの混合に
よる斜壁12が形成される。その後は、作業を一旦中断
し、ベースマシン1をトラバース方向に移動させつつ、
相対的にベース5を原点位置に後退させれば、次の形成
区間の形成が可能となり、前記と同様な作業手順で斜壁
12を連続的に形成できる。なお、チェーンカッターを
用いて垂直壁を形成する場合のマシンの構成は、鉛直ガ
イドと横行ガイドにより、駆動部を上下左右に移動可能
とする構造とすれば良い。
【0018】次に、以上の斜壁形成用マシンを用いて形
成される廃棄物封じ込めの構造と、その施工方法の一例
を図2、図3を用いて説明する。この例では、廃棄物処
分領域20の地表における平面形状が略長方形状であっ
て、地下に向けてほぼ逆三角柱状をなして廃棄物が堆積
されている場合について説明する。なお、地下部におけ
る廃棄物の堆積状況などは、例えば予め超音波探査装置
などを用いてその立体形状を特定しておくことが後の施
工効率や施工精度の観点から好ましい。
【0019】図3に示すような立体形状に廃棄物が堆積
している場合には、例えばまず、図2(a)に示すよう
に、廃棄物処分領域20の短辺方向周囲に一対の垂直な
連続壁体22を対向して形成する。この垂直壁体22の
形成方法としては、従来型の連続地中壁工法、またはチ
ェーンソーを用いたTRD工法など種々のものを採用で
きる。また、図中GLは地表面を示す。いずれの工法を
用いたとしても、垂直壁体22の形成深度は、廃棄物の
堆積深度に応じて設定でき、必ずしも不透水層地盤に到
達させる必要はない。
【0020】次いで、(b)に示すように、前述する斜
壁形成マシンを用いて例えば両垂直連続壁体22の一端
部を結んで斜壁24を形成する。両者のつき合わせ角部
は結合しているか、あるいは相貫体としてその角部接合
縁を貫いた状態で形成するようにしてもよい。また斜壁
24の下縁は垂直壁体22の下縁中央に位置すべくその
掘削及び形成深度を設定すると好適である。
【0021】更に(c)に示すように、上述の斜壁24
と反対側で前記と同一の斜壁形成作業を行うことによ
り、斜壁24を同様に形成すれば、両斜壁24の下縁同
士は交叉状態に接合され、図3に示すように廃棄物20
の堆積形状に応じて断面V字形に囲った不透水性の連続
地下壁が完成し、これによって廃棄物と周囲地盤Eとの
間の完全遮蔽がなされる。
【0022】図4は、廃棄物処分領域20の地下部での
廃棄物堆積形状がある方向に偏っている場合についての
廃棄物封じ込め構造とその施工例を示している。三辺を
垂直壁体22とし、残りの一辺を斜壁24としてその先
端縁を対向する垂直壁体22の下縁に交叉接合し、廃棄
物の地下部における堆積物形状に応じて断面逆直角三角
形状に閉塞する連続壁としている。
【0023】図5はさらに他の施工例を示すもので、一
辺が垂直壁体22であり、この垂直壁体22の両側端部
にV字形をなして交叉接合する一対の斜壁24を形成
し、さらに斜壁24の他端側にはこれらを内側に向けて
傾斜状に貫いた状態で第二の斜壁26を形成している。
【0024】なお、この施工例においては、地下部にお
ける堆積物形状に応じて、垂直壁体22に替えて、両側
とも第二の斜壁26を形成することが出来る。また堆積
物が地下に向かって拡径された様な堆積状況となってい
る場合は、前記とは逆に第二の斜壁26を外方に傾斜さ
せ、全体として断面台形状をなした封じ込め構造を形成
することもできる。また四辺で構成される封じ込め構造
だけでなく、更に多数の壁体を適宜角度にて組み合わせ
ることで、様々な廃棄物の堆積状況に確実に対応して封
じ込め構造を形成することが可能となる。
【0025】以上述べたいずれの施工例においても、廃
棄物を囲える程度の形成深度とすれば良いため、廃棄物
の投棄規模に応じて形成でき、従来に比べて小規模な壁
体であっても確実な止水性を得ることが出来、より経済
的に廃棄物の封じ込めをおこなうことが出来る。
【0026】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明による廃棄物封じ込め構造及びその施工方法にあって
は、地中で斜壁の先端部同士あるいは鉛直壁先端に対す
る斜壁の先端部を交叉結合することによって、底面を簡
便確実に止水状態に区画出来る。
【0027】また、本発明は区画の為の地中連続壁を不
透水性地盤にまで到達させて施工する必要がないため経
済的に施工出来、廃棄物不法投棄領域や、老朽処分場あ
るいは損傷した処分場等の補修ないしは改修にも好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の施工方法が適用される斜壁形成用マシ
ンの平面図及び側面図である。
【図2】(a)〜(c)は同施工手順の一例を示す斜視
説明図である。
【図3】図2(c)におけるA−A線断面図である。
【図4】他の施工例を示す断面図である。
【図5】さらに他の施工例を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
20 廃棄物処分領域 22 垂直壁体 24,26 斜壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 晶子 東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社 大林組東京本社内 Fターム(参考) 2D049 EA14 GA11 GB01 GC11 4D004 AA46 BB06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物処分領域を地中連続壁で囲うこと
    により、廃棄物をその地中連続壁により仕切られた区画
    内に封じ込めるようにした廃棄物封じ込め構造におい
    て、 前記地中連続壁は、それぞれの端部及び側部が互いに接
    合されて区画を形成し、少なくとも廃棄物の下方及び側
    方領域を閉塞する複数の連続壁体からなり、かつこれら
    連続壁体のうち、少なくとも一体が斜壁で構成され、そ
    の下端縁がこれと対向する連続壁体に交叉接合すべく形
    成されることを特徴とする廃棄物封じ込め構造。
  2. 【請求項2】 前記連続壁体のうち、少なくとも一体の
    連続壁体が垂直壁であることを特徴とする請求項1記載
    の廃棄物封じ込め構造。
  3. 【請求項3】 既設の廃棄物処分場もしくは不法投棄さ
    れた廃棄物の周辺等の廃棄物投棄領域において形成され
    る廃棄物封じ込め構造の施工方法であって、前記廃棄物
    投棄領域の少なくとも下方及び側方領域について区画す
    べく、少なくとも一体の斜壁を含む複数の地中連続壁を
    交叉接合させることを特徴とする廃棄物封じ込め構造の
    施工方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016211294A (ja) * 2015-05-12 2016-12-15 大成建設株式会社 拡散防止壁とその造成方法
JP2020002719A (ja) * 2018-06-29 2020-01-09 有限会社手島通商 地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造および構築方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016211294A (ja) * 2015-05-12 2016-12-15 大成建設株式会社 拡散防止壁とその造成方法
JP2020002719A (ja) * 2018-06-29 2020-01-09 有限会社手島通商 地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造および構築方法
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