JP4342750B2 - 電子写真感光体塗膜形成用塗工装置、塗工方法、及び電子写真感光体の製造方法。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体塗膜形成用塗工装置、塗工方法、及び電子写真感光体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、円筒状の電子写真感光体の製造方法として、浸漬塗工法が採用されており、この方法は、基本的に、塗工液中に被塗布物を浸漬させた後、引き上げることによって塗工を行うものであり、その塗工液は、塗工槽と塗工液タンク間を配管で連結し、送液ポンプによって循環させるのが一般的である。
この浸漬塗工法においては、感光層形成液の調製に有機溶剤を用いるが、有機溶剤中及び空気中の水分によって、塗工液中の水分は経時的に増加する。そして、水分の増加に伴い、塗膜欠陥であるハジキが生じることが知られている。
一方、塗工液の種類、循環形式等により塗工ムラが発生する場合が多々報告されており、例えば、顔料分散型の塗工液においては、チキソトロピー性を有しており、ポンプのシェア、循環流量、温度等に左右されて、塗工槽内で不均一な粘度の存在部分が生じ、これに起因して塗膜欠陥が生じることが知られている。
【0003】
このような問題点を解消するために、これまでに多数の提案がなされている。
例えば、特開平4−304463号公報、特開平7−13367号公報、特開平7−248632号公報、特開平8−24743号公報、特開2000−275871号公報には、循環経路中に水分吸着剤又は脱水フィルターを連結させ、塗工液中の水分を吸収させる方法が開示されている。
しかしながら、水分は除去できるが、塗工ムラが発生するという問題点があった。
【0004】
また、特開昭63−104059号公報、特開平4−97257号公報、特開平10−48849号公報には、塗工槽の塗工液面上にフロートを浮遊させ、被塗工物を塗布するために塗工液中浸漬するに際して、そのフロートをその被塗工物にて押し下げることにより、塗工槽内の不均一な粘度の存在を解消する方法が開示されている。
しかしながら、浸漬中の塗工液の流れが被塗工物にムラとなったり、フロートへの異物の付着による点欠陥の増加が生じたりするという問題点があった。
【0005】
特開昭60−146240号公報、特開平1−198760号公報、特開平3−6568号公報、特開平3−20747号公報には、塗工槽中に塗工液を攪拌する装置を有し、塗工槽内の不均一な粘度の存在を解消する方法が開示されている。
しかしながら、装置的に複雑である上に、その装置への異物の付着による点欠陥の増加を来たすという問題点があった。
【0006】
さらに、塗工槽内の塗工液を抜取る方法が、特開昭63−236046号公報、特開平3−196045号公報、特開平5−341540号公報に開示されているが、液抜き方法や液抜きの箇所、塗工液の循環方法からすると、塗工槽内に発生した粘度の不均一部分を効率よく、かつ短時間で解消されるかには、多大の疑問があるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題を解消し、浸漬塗工法による電子写真感光体塗膜形成において、塗工液中の水分の増加を抑制し、かつ均一な塗膜を形成することのできる塗工装置及び塗工方法を提供すると共に、水分のハジキやよどみに起因する濃淡ムラのない電子写真感光体の製造方法を提供することをその課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、特に塗工液中の水分の除去に着目して鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
【0009】
すなわち、本発明によれば、第1に、円筒状基体を塗工槽に浸漬した後、引き上げることによって塗膜を形成する電子写真感光体塗膜形成用塗工装置であって、該円筒状基体(1)を浸漬する塗工槽(2)と戻り配管(3)とが連結され、該塗工槽(2)からオーバーフローした塗工液(4)を貯蔵する塗工液タンク(5)と該塗工液タンク(5)から送液ポンプA(6)により送られた塗工液を濾過するフィルター(7)とを具備し、循環させる循環経路と該循環経路とは別に塗工槽(2)から塗工液を抜き取る液抜きポンプ(8)とその抜き取った塗工液を一時的にストック及び塗工液の水分を除去する水分吸着剤(9)を収容したサブタンク(10)と該サブタンクから塗工液を濾過するフィルター(12)と塗工液タンクに送液する送液ポンプB(11)を具備したことを特徴とする電子写真感光体塗膜形成用塗工装置が提供される。
【0010】
この第1の発明には、下記(1)〜(5)に記載の塗工装置が含まれる。
(1)該塗工液タンク(5)と該サブタンク(10)とが気抜き用配管(13)によって連結されているものである電子写真感光体塗膜形成用の塗工装置。
(2)該塗工液タンク(5)と該サブタンク(10)が同一温度に制御されるものである電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
(3)該塗工液タンク(5)と該サブタンク(10)に攪拌機構(14)(15)を有するものである電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
(4)該水分吸着剤(9)を除いた該サブタンク(10)内の容積が該塗工槽(2)の容積と同量以上の容積を有するものである電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
(5)該塗工液(4)が顔料分散系の電荷発生層形成液である電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
(6)該塗工液(4)が顔料分散系の下引き層形成液である電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
【0011】
本発明によれば、第2に、上記塗工装置を用い、塗工前に塗工槽(2)から塗工液(4)を液抜きポンプ(8)により抜き取り、水分吸着剤(9)を収容したサブタンク(10)内に一時的に貯蔵させてから、塗工液タンク(5)内の塗工液(4)を送液ポンプA(6)によって塗工槽(2)に供給し、オーバーフローさせる循環とは別にサブタンク内の水分除去された塗工液を送液ポンプB(11)により塗工液タンクへ供給することを特徴とする電子写真感光体塗膜形成用塗工液の塗工方法及び塗工装置を用い、円筒状基体(1)を把持し昇降動作を行うことにより成膜させうる昇降機との動作が連動制御されており、連続塗工時の塗工槽(2)からの液抜きは円筒状基体の塗工後実施され、かつ塗工液のサブタンクからの塗工槽への供給及びオーバーフローが次の塗工までに完了していることを特徴とする電子写真感光体塗膜形成用塗工液の塗工方法が提供される。
【0012】
本発明によれば、第3に、上記電子写真感光体塗膜形成用塗工装置を用いたことを特徴とする電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体が導電性基体に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体であって、該下引き層形成時に上記塗工装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体が導電性基体に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体であって、該電荷発生層形成時に上記塗工装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
電子写真感光体に用いられる塗工液は、塗工の際に経時的に塗工液中の水分が増加する。
水分が混入することにより、塗工液の表面張力が大きくなり、感光体基体又は下引き層との界面張力が大きくなって、感光体基体又は下引き層への濡れ性が悪くなり、ハジキが発生すると思われる。
また、顔料分散型の塗工液は、多少なりともチキソトロピー性を有しており、種々の要因により粘度が変化し、その要因の影響力の強弱により局部的な粘度の不均一が発生する。
循環系においては、ポンプのシェア、温度、配管径、塗工槽径により、その粘度の不均一性が生じ、特に塗膜が形成される塗工槽における粘度の不均一は、塗工ムラとなり感光体の品質を左右する。
【0016】
そこで本発明は、チキソトロピー性を有する顔料分散型塗工液の塗工において塗工槽に発生した粘度の不均一部分を抜き取り、その塗工液の水分を除去することによって、分散良好な塗工液で塗工を実施する装置を提供するものである。
【0017】
すなわち、本発明は、顔料分散型の塗工液を用い、塗工槽内の塗工液に被塗工物を浸漬した後、この被塗工物を所要の速度で上昇させることにより感光層を形成する電子写真感光体の製造方法において、被塗工物を浸漬する直前に、塗工槽内の塗工液を下方からポンプを用いて水分吸着剤が入ったサブタンクに一時的に抜き取り、塗工液タンク内で分散されている塗工液を塗工槽へ供給し、オーバーフローさせた後に被塗工物を浸漬させ、引き上げることによって良好な塗膜を形成させ、電子写真感光体を製造するものである。
また、サブタンク内の塗工液は、水分吸着剤により水分除去され、塗工液タンクへポンプを用い送液され、塗工液タンク内で攪拌される。
【0018】
以下に、本発明を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置の概略を示したものである。
塗工槽2は円筒状の容器であり、その内部には円筒状基体1の表面に塗工するための塗工液4が充填されている。
塗工液4は塗工液タンク5から送液ポンプA6によりフィルターA7を通り、塗工槽2底部の供給口から塗工槽2内部に供給され、オーバーフローした塗工液4は戻り液として戻り、液配管3を通って塗工液タンク5に導かれる(液の流れA)。この循環経路は浸漬塗工時の経路である。
【0019】
一方、円筒状基体1の浸漬塗工直前又は直後に上記循環経路の途中にある電磁弁17により上記循環経路が閉じ、液抜きポンプ8が稼動し、塗工槽2内部の塗工液4が水分吸着剤9の充填されたサブタンク10に抜き出される。
サブタンク10には液レベルセンサー16が設置されており、内部のフロートが上限になると液抜きポンプ8は停止し電磁弁17は前記循環経路(液の流れA)に切り替えられる。
また、このとき、送液ポンプB11が稼動し、サブタンク下部より塗工液4が抜き出され、フィルターB12を通り塗工液タンク5に送液される(液の流れB)。
【0020】
電子写真用感光体における円筒状基体としては、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属のドラム及びシート、紙、プラスチック又はガラス上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの、酸化インジウム、酸化錫等の導電性金属酸化物を蒸着したもの、金属箔をラミノートしたもの又はカーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、塗布することによって導電処理したドラム状、シート状、プレート状のもの等、公知の材料を用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
また、必要に応じて導電性支持体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。
例えば、表面の酸化処理、薬品処理、着色処理等を行うことができる。
また、導電性支持体と電荷発生層の間にさらに下引き層を設けることもできるが、この下引き層は帯電時において、積層構造からなる感光層における導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止すると共に、感光層を導電性支持体に対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作用又はは導電性支持体からの反射光の防止作用等がある。
この下引き層に用いる無機酸化物としては、酸化チタン、酸化アルミ等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、アルキッド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、これらを主成分とし、有機溶剤に溶解又は分散して調製されたものである。
ここで注意すべきことは、下引き層形成液が分散液である場合には、分散粒子がフィルター7、12との関係で、そのフィルター7、12を通過できる大きさのものでなければならないことである。一般には、分散粒子の大きさは1μm以下である。
【0022】
電荷発生層(キャリア発生層)は、例えば、モノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリスアゾ色素等のアゾ系色素、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレン系色素、インジゴ、チオインジゴ等のインジゴ系色素、アンスラキノン、ピレンキノン及びフラパンスロン類等の多環キノン類、キナグリドン系色素、ビスベンゾイミダゾール系色素、インダスロン系色素、スクエアリリウム系色素、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ピリリウム塩色素、チアピリリウム塩色素とポリカーボネートから形成される共晶錯体等、公知の各種の電荷発生物質(キャリア発生物質)を適当なバインダー樹脂及び必要により電荷輸送物質(キャリア輸送物質)と共に溶媒中に溶解又は分散し、塗布することによって形成することができる。
【0023】
電荷発生物質を樹脂中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等を採用することができる。
この際、電荷発生物質は、体積平均粒径で5μm以下、好ましくは2μm以下、最適には0.5μm以下の粒子サイズにすることが有効である。
これらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、キシレン等の通常の有機溶剤を単独又は2種類以上混合して用いることができる。
本発明で用いる電荷発生層の膜厚は、一般的には0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2μmである。
【0024】
本発明で用いる水分吸着剤9としては、モレキュラーシーブ(合成ゼオライト)が例示でき、好ましくは、ミクロ細孔の有効直径が5Å以下のモレキュラーシーブが用いられる。
これらサブタンク10中における水分吸着剤9は、メッシュ部材の容器に充填された状態で用いられる。
また、フィルター7、12は上記の下引き層形成液や電荷発生層形成液の分散粒子を通過させるが水分吸着剤9は通過させないメッシュを有したものである。
【0025】
しかし、ごく希ではあるが、塗布槽2中の塗工液に水分吸着剤9の粉体又は粒体が混入し、感光体表面に塗膜欠陥であるブツが生じることが見受けられる。
したがって、水分吸着剤9が塗布槽2中の塗工液4に混入されることは極力避けなければならない。
【0026】
このようなことから、本発明では、水分吸着剤9をメッシュ径3〜100μm、好ましくは3〜50μmのメッシュ部材で形成された水分吸着剤充填容器18に収納しておくことが望ましい。
水分吸着剤9をメッシュ部材に入れ、これに塗工液4を通すことによって、水分吸着剤9のサブタンク10からの流出を防ぎ、また、新しい水分吸着剤9の交換が容易になるだけでなく、フィルター7、12の目詰まりや液量変化をも阻止することが可能となる。
メッシュ部材の材質は、SUSメッシュが好ましい。
【0027】
次に、本発明の電子写真感光体を具備した電子写真画像形成装置について説明する。
図2に示すように、矢印Aの方向に回転するドラム状の電子写真感光体12の外周面に帯電部材1により感光体12は正又は負の所定電圧に帯電される。
帯電部材1には正又は負の直流電圧がかけられている。帯電部材1に印可する直流電圧は−2000〜+2000Vが好ましい。
【0028】
帯電部材1には上記直流電圧に加え、さらに交流電圧を重畳して脈流電圧を印可するようにしてもよい。
直流電圧に重畳する交流電圧は、ピーク間電圧4000V以下のものが好ましい。
ただし、交流電圧を重畳すると帯電部材及び電子写真感光体が振動して異常音を発生する場合がある。
帯電部材1には、瞬時に所望の電圧を印可してもよいが、感光体を保護するために、徐々に印可電圧を上げるようにしてもよい。
【0029】
また、帯電部材が間接的に配置された帯電方式、いわゆるスコロトロン方式、コロトロン方式の外に、酸性ガスの発生が抑制できる感光体に直接配置した帯電方式が提案されており、この方式を採用してもよい。
【0030】
帯電部材1は、感光体12と同方向又は逆方向に回転するようにしてもよく、また、回転させることなく感光体の外周面を摺動するようにしてもよい。
さらに、帯電部材に感光体12上の残留トナーをクリーニングする機能を持たせてもよい。この場合、クリーニング手段10を設ける必要はない。
【0031】
帯電した感光体12は、次いで、図示しない像露光手段により光像露光6(スリット露光又はレーザービーム走査露光等)を受ける。
この露光走査時に現行面の非画像部に対しては、露光を中断し、露光によって低電位となった画像部に対して、表面電位よりやや低い現像バイアスを印可して反転現像を行い、それによって、上記の非画像部部分を含めて原稿像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0032】
その静電潜像は、次いで、現像手段7でトナー現像され、そのトナー現像像が転写帯電手段8により図示しない給紙部から感光体12と転写部材8との間に感光体12の回転と同期取りされて給送される記録材9の面に順次転写されていく。
像転写を受けた記録材9は、感光体面から分離されて図示しない像定着手段へ導入されて、像定着を受けて複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
像転写後の感光体12の表面は、クリーニング手段10にて転写残りトナーの除去を受けて正常面化され、前露光11により除電処理がされて、繰り返して像形成に使用される。
【0033】
電子写真装置として、上記の感光体や現像手段等の構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
例えば、図3に示すように、少なくとも感光体12、帯電部材1及び現像手段7を容器20に納めて一つの電子写真装置ユニットとし、この装置ユニットを装置本体のレール等の案内手段を用いて、着脱自在の構成にしてもよい。
クリーニング手段10は容器20内に設けてよく、設けなくてもよい。
【0034】
また、図4に示すように、少なくとも感光体12及び帯電部材1を第1の容器21に納めて第1の電子写真ユニットとし、少なくとも現像手段7を第2の容器22に納めて第2の電子写真ユニットとし、これら第1の装置ユニットと第2の装置ユニットとを着脱自在の構成にしてもよい。
クリーニング手段10は容器21内に設けてもよく、設けなくてもよい。
【0035】
なお、図3及び図4では、転写帯電手段として転写部材23が用いられている。
転写部材23としては、帯電部材1と同じ構成のものが使用できる。
転写帯電手段として用いる転写部材23には、400〜2000Vの直流電圧を印可するのが望ましい、24は定着手段である。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限定されるものではない。
【0037】
実施例1
本発明の装置により、下記成分の下引き層形成液を塗工直前に塗工槽2から抜き取り、水分吸着剤9が入ったサブタンク10を介し塗工液タンク5へ戻し、塗工槽2に再度塗工液4を塗工液タンク5から供給しオーバーフローさせた後、浸漬塗工法により円筒状基体1に塗膜を形成した。
【0038】
〔下引き層形成液成分〕
TiO2 90重量部
熱硬化性樹脂 150重量部
メチルエチルケトン 600重量部
下引き層膜厚 5μm
結果は、良好であり、ハジキ、塗工ムラの発生は皆無であった。
【0039】
比較例1
上記下引き層形成液を、塗工槽から抜き取ることなく塗工を行なった。
結果、塗工液水分によるハジキと塗工液のよどみに起因する塗工ムラが発生していた。
【0040】
実施例2
本発明の装置により、下記成分の電荷発生層形成液を塗工直前に塗工槽2から抜き取り、水分吸着剤9が入ったサブタンク10を介し塗工液タンク5へ戻し、塗工槽2に再度塗工液4を塗工液タンク5から供給しオーバーフローさせた後、浸漬塗工法により円筒状基体1に塗膜を形成した。
【0041】
〔電荷発生層形成液成分〕
アゾ顔料(A)〔下記式(1)〕 45重量部
ポリビニルブチラール 4.5重量部
メチルエチルケトン 2400重量部
電荷発生層膜厚 0.5μm
【0042】
【化1】
結果は、良好であり、ハジキ、塗工ムラの発生は皆無であった。
【0043】
比較例2
実施例2の電荷発生層塗布液を、塗工槽から抜き取ることなく塗工を行った。
結果、塗工液水分によるハジキと塗工液のよどみに起因する塗工ムラが発生していた。
【0044】
実施例3
実施例1及び実施例2で形成した下引き層及び電荷発生層に、下記電荷輸送層を形成した感光体を作成し、レーザービームプリンターにて画像品質を評価した。
〔電荷輸送層形成液成分〕
電荷発生材料〔下記式(2)〕 180重量部
ポリカーボネート樹脂 250重量部
テトラヒドロフラン 1520重量部
シリコンオイル 0.04重量部
電荷輸送層膜厚 30μm
【0045】
【化2】
外観上、下引き層及び電荷発生層のハジキ、塗膜ムラは皆無であり、印字したハーフトーン画像においては、濃度のムラも検知できなかった。
【0046】
比較例3
比較例1及び2で形成した下引き層及び電荷発生層に実施例3で用いた電荷輸送層を形成した感光体を作成し、レーザービームプリンターにて画像品質を評価した。
外観上、下引き層及び電荷発生層に白ポチ、塗膜ムラが見られ、印字したハーフトーン画像においては、濃度のムラが検知できた。
【0047】
比較例4
実施例1の塗工液及び循環システムにおいて、塗工液タンクとサブタンクの気抜き管を連結することなく、塗工槽からのサブタンクへの液抜きを実施し、塗工液タンクからの塗工槽へ送液し、円筒基体の塗工を行ったが、塗工槽からの液抜きが充分にできず、粘度不均一部分が塗工槽内に残留し、塗工ムラが発生した。
【0048】
比較例5
実施例1の塗工液及び循環システムにおいて、塗工液タンクを20℃に管理し、サブタンクを室温(24℃)とし、液抜き、循環及び塗工を実施したが、塗工液タンクの液温が一定に保てず、連続塗工において、塗工ムラ及び付着量の変化が検知された。
【0049】
比較例6
実施例1の塗工液及び循環システムにおいて、塗工液タンク及びサブタンクでの塗工液の攪拌をすることなく、液抜き、循環及び、塗工を実施したが、塗工液タンク及びサブタンク内で塗工液の粘度不均一部分が発生し、その液が塗工槽に供給され、塗工ムラが発生した。
【0050】
実施例4
実施例1の塗工液及び循環システムにおいて、該循環装置と円筒状基体を把持し、昇降動作を行うことによって成膜させうる昇降機との動作を連動制御し、連続塗工時の塗工槽からの液抜きは、円筒状基体の塗工後実施され、かつ塗工液のサブタンクからの塗工槽への供給及びオーバフローが次の塗工までに完了させることにより、連続塗工時において塗工タクトのロスもなくハジキ、塗工ムラのない感光体を大量作成することができた。
【0051】
比較例7
実施例1の塗工液及び循環システムにおいて、サブタンクの容量を塗工槽容量の1/2とし塗工槽内の液抜きを実施したが、一度に塗工槽内の塗工液を抜き取ることができず、塗工槽からのサブタンクへの塗工液を抜き、サブタンクから塗工液タンクへ送液しサブタンクを空にし、2回目の液抜きを実施した後に塗工液タンクから塗工槽に塗工液を循環し、円筒状基体の塗工を行った。
このように、液抜きを2回実施しなければならず、塗布タクトのロスとなった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、浸漬塗工法による電子写真感光体塗膜形成において、塗工液中の水分の増加を抑制し、かつ均一な塗膜を形成することのできる塗工装置及び塗工方法が提供されると共に、水分のハジキやよどみに起因する濃淡ムラのない電子写真感光体の製造方法が提供され、電子写真分野に寄与するところはきわめて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置の概略を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体を具備した画像形成装置を示す図である。
【図3】感光体、帯電部材及び現像手段からなる装置ユニットを着脱自在に一体的に結合した画像形成装置を示す図である。
【図4】複数の装置ユニットを着脱自在に一体的に結合した画像形成装置を示す図である。
【符号の説明】
(図1において)
1 円筒状基体
2 塗工槽
3 戻り液配管
4 塗工液
5 塗工液タンク
6 送液ポンプA
7 フィルターA
8 液抜きポンプ
9 水分吸着剤
10 サブタンク
11 送液ポンプB
12 フィルターB
13 気抜き管
14 攪拌機A
15 攪拌機B
16 液レベルセンサー
17 電磁弁
18 水分吸着剤充填容器
(図2において)
1 帯電部材
6 光像露光
7 現像手段
8 転写帯電手段
9 記録材
10 クリーニング手段
11 前露光
12 電子写真感光体
(図3、4において)
1 帯電部材
6 露光手段
7 現像手段
8 転写部材(コロナ方式)
9 記録材
10 クリーニング手段
11 助電手段
12 感光体
20 容器
21 容器
22 容器
23 転写部材
24 定着手段
Claims (12)
- 円筒状基体を塗工槽に浸漬した後、引き上げることによって塗膜を形成する電子写真感光体塗膜形成用塗工装置であって、該円筒状基体(1)を浸漬する塗工槽(2)と戻り配管(3)とが連結され、該塗工槽(2)からオーバーフローした塗工液(4)を貯蔵する塗工液タンク(5)と該塗工液タンク(5)から送液ポンプA(6)により送られた塗工液を濾過するフィルター(7)とを具備し、循環させる循環経路と該循環経路とは別に塗工槽(2)から塗工液を抜き取る液抜きポンプ(8)とその抜き取った塗工液を一時的に貯蔵し、かつ塗工液の水分を除去する水分吸着剤(9)を収容したサブタンク(10)と該サブタンクから塗工液を濾過するフィルター(12)と塗工液タンクに送液する送液ポンプB(11)を具備したことを特徴とする電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
- 該塗工液タンク(5)と該サブタンク(10)とが気抜き用配管(13)によって連結されているものである請求項1に記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
- 該塗工液タンク(5)と該サブタンク(10)が同一温度に制御されるものである請求項1又は2に記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
- 該塗工液タンク(5)と該サブタンク(10)に攪拌機構(14)(15)を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
- 該水分吸着剤(9)を除いた該サブタンク(10)内の容積が該塗工槽(2)の容積と同量以上の容積を有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
- 該塗工液(4)が顔料分散系の電荷発生層形成液である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
- 該塗工液(4)が顔料分散系の下引き層形成液である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置を用い、塗工直前に塗工槽(2)から塗工液(4)を液抜きポンプ(8)により抜き取り、水分吸着剤(9)を収容したサブタンク(10)内に一時的に貯蔵させてから、塗工液タンク(5)内の塗工液(4)を送液ポンプA(6)によって塗工槽(2)に供給し、オーバーフローさせる循環とは別にサブタンク内の水分除去された塗工液を送液ポンプB(11)により塗工液タンクへ供給することを特徴とする電子写真感光体塗膜形成用塗工液の塗工方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置を用い、円筒状基体(1)を把持し昇降動作を行うことにより成膜させうる昇降機との動作が連動制御されており、連続塗工時の塗工槽(2)からの液抜きは円筒状基体の塗工後に実施され、かつ塗工液のサブタンクからの塗工槽への供給及びオーバーフローが次の塗工までに完了していることを特徴とする電子写真感光体塗膜形成用塗工液の塗工方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 電子写真感光体が導電性基体に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体であって、該下引き層形成時に請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 電子写真感光体が導電性基体に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体であって、該電荷発生層形成時に請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体塗膜形成用塗工装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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