JP4342166B2 - 好触感塗装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、しっとり感やさらさら感等の好触感を有する塗装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の内装材、内装建材などの質感を高める方法として、例えば、内装材等の基材の表面に植毛したり、バックスキンを貼着する方法が知られている。
しかし、これらの方法では、コスト、工数等がかさむほか、触感と外観に優れたものが得られない。
【0003】
そこで、好触感の塗装体を形成するため、例えば次の方法が提案されている。
すなわち、マイクロカプセルを含有する樹脂系処理剤を熱可塑性樹脂からなるシートの表面にグラビア印刷し、これを加熱してマイクロカプセルの膨張と樹脂を軟化させて、シート表面に微細な凹凸を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、塩化ビニル樹脂ペースト中にマイクロカプセルを分散させ、このペーストをグラビア印刷等によって裏打材上に印刷し、これを加熱してペーストをゲル化させると同時にマイクロカプセルを膨張させ、スエード調の外観を呈する装飾用シートを得る方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
更に、基材上にマイクロカプセルを含有した下塗り塗料を塗布し、塗料を硬化させた後、さらに上塗り塗料を塗布し、次いで加熱してマイクロカプセルを膨張させて、凹凸模様を有する塗膜を形成する方法が知られている(例えば、特許文献3)。マイクロカプセルの膨張温度より低い温度で容易に硬化させることができ、また、マイクロカプセルの外殻を損傷する恐れのある溶剤を含有しない好ましい下塗り塗料として、アクリル−エポキシ水系エマルジョン塗料、ウレタン水系エマルジョン塗料、アクリル系紫外線硬化塗料が例示されており、外観上好ましい上塗り塗料として、メラミン−アルキッド系、アクリル系などのエナメル塗料が挙げられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−76735号公報
【特許文献2】
特開昭62−28481号公報
【特許文献3】
特開平2−303573号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2−76735号公報(特許文献1)に開示の方法では、加熱によってマイクロカプセルの膨張と基材となる熱可塑性樹脂の軟化とを同時に進行させているため、マイクロカプセルの膨張によって軟化した樹脂が引き寄せられて凹凸が形成され、その外観、触感は固い感じのものとなる。
また、特開昭62−28481号公報(特許文献2)に開示の方法では、膨張したマイクロカプセルを含む層がシートの表面層となっているため、実使用時に、マイクロカプセルがシート表面から脱落することがある。また、シート表面の滑りがよくないため、他の物品と接触して擦られた場合に、マイクロカプセルの一部が損傷を受ける恐れがある。更に、マイクロカプセルを含むペーストを裏打材上に印刷するため、印刷機に目詰まりを生じ易く、印刷面にムラが発生することがあり、この目詰まりの補修にはたいへんな手間を要する。
更に、特開平2−303573号公報(特許文献3)に開示の方法では、上塗り塗装によってマイクロカプセルの損傷、脱落は抑えられるものの、表面の滑りがよくないため、他の物品との擦れによってマイクロカプセルが損傷したり、脱落することがある。
【0006】
本発明は、前記従来公知技術の問題点を解決して、どのような種類や形状の基材にもしっとり感、さらさら感等の好触感を安定的かつ確実に発現可能で、環境問題を生じない下塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物及び上塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物を用いた好触感塗装体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、基材上に下塗り層と上塗り層とを形成してなる、表面平均摩擦係数の平均偏差0.0025〜0.01の好触感塗装体であって、前記下塗り層が、親水性ポリウレタンポリオールを含有する主剤と親水性ポリイソシアネートを含有する硬化剤とからなり、かつ、前記主剤と前記硬化剤の双方又はいずれか一方が更に微小中空体を含有する下塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物を塗布、硬化させて形成される下塗り弾性層であり、かつ、前記上塗り層が、親水性ポリウレタンポリオールを含有する主剤と親水性ポリイソシアネートを含有する硬化剤とからなり、かつ、前記主剤と前記硬化剤の双方又はいずれか一方が更に平均粒径50μm以下の粉粒状体を含有する上塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物を塗布、硬化させて形成される上塗り層であること、を特徴とする前記好触感塗装体である。
【0008】
また、本発明は、前記主剤と前記硬化剤の双方又はいずれか一方が更に添加剤を含有する、前記好触感塗装体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における主剤に含有される親水性ポリウレタンポリオールは、それ自体で或いは少なくとも界面活性剤の存在下で水に分散、乳化或いは溶解可能な、分子内に親水性基を有するポリウレタンポリオールである。具体的には、有機ポリイソシアネートと、分子内に水に分散、乳化或いは溶解のために必要な親水性基を有するポリオール又はこのポリオールとそれ以外のポリオールとの混合ポリオール(好適には混合ポリオール)とを、イソシアネート基に対して水酸基過剰の条件で反応させて得られるものが好適である。
【0010】
この親水性ポリウレタンポリオールの水酸基価は30〜300の範囲、さらに100〜250の範囲が好適である。親水性ポリウレタンポリオールの水酸基価を前記の範囲とすることにより、目的とする弾性、強度等の物性を確保することができる。
【0011】
前記有機ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、クルードトリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等の有機ジイソシアネート、及び前記有機ポリイソシアネートのビウレット変性体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体、イソシアヌレート変性体、ウレトンイミン変性体、これらの混合変性体が挙げられる。これらのうち、耐候性に優れている点から、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
【0012】
前記の分子内に親水性基を有するポリオールとしては、原料入手の容易さなどの理由から、分子内にカルボキシル基を有するジオールが好ましい。具体的には、ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシコハク酸等が挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
【0013】
前記の分子内に親水性基を有するポリオール以外のポリオールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジメチロールヘプタン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水素化ビスフェノールA等のジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等のトリオール、ペンタエリスリトール等のテトラオールが挙げられる。この他に、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等も挙げられる。
ポリエステルポリオールは一般に、ポリオールと多塩基酸との重縮合により得られる。このポリオールとしては、例えば、前記のジオール、トリオール、テトラオールが挙げられる。多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂環族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸、トリス−2−カルボキシエチルイソシアヌレートが挙げられる。
アクリルポリオールは、水酸基を有するアクリルモノマーの共重合体である。このようなアクリルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートが挙げられる。
これらは、必要とする塗膜物性に応じて、単独で或いは混合して使用することができる。
【0014】
有機ポリイソシアネートとポリオールとのウレタン化反応に際しては、必要に応じて、ジブチルチンジラウレート等の錫系化合物やトリエチルアミン等のアミン系化合物を反応触媒として使用できる。
この反応において溶媒として使用することのできる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0015】
前記カルボキシル基は中和してカルボキシル塩基として使用するのが好ましく、このために使用される塩基としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。これらは、得られる親水性ポリウレタンポリオールの安定性に応じて、単独で或いは混合して使用することができる。
中和には、例えば、親水性ポリウレタンポリオール中のカルボキシル基1当量に対して塩基を0.6〜1.3当量使用するのが好適である。
【0016】
親水性ポリウレタンポリオールは、濃度10〜80質量%、更に20〜60質量%の水分散液として使用するのが好ましい。
【0017】
本発明における硬化剤に含有される親水性ポリイソシアネートは、具体的には、有機ポリイソシアネートと、前記の分子内に親水性基を有するポリオールを含む親水性基(結合)含有ポリオール又はこのポリオールとそれ以外のポリオールとの混合ポリオール(好適には親水性結合含有ポリオール、更に好適にはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール又はこれらの混合ポリオール)とを、水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で、場合によりイソシアヌレート化触媒の存在下で、反応させて得られる親水性基含有イソシアネートプレポリマー(場合により、親水性基含有イソシアヌレート変性イソシアネートプレポリマー)が好適であり、それ自体で或いは少なくとも界面活性剤の存在下で水に分散、乳化或いは溶解するものである。
本発明において親水性ポリイソシアネートは、有機ポリイソシアネートと、前記親水性基(結合)含有ポリオール又はこのポリオールとそれ以外のポリオールとの混合ポリオールとを、イソシアヌレート化触媒の存在下で、ウレタン化とイソシアヌレート化を同時に行って得られる親水性基含有イソシアヌレート変性イソシアネートプレポリマーが特に好ましい。
この有機ポリイソシアネート、ポリエステルポリオールとしては、親水性ポリウレタンポリオールの製造におけるものを使用することができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前記ポリオールのうち低分子のもの、低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールなどを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の、エポキサイドや環状エーテルの単品又は混合物を開環重合させて得られるものが挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、前記ポリエーテルポリオールと前記多塩基酸等から得られるコポリオールが挙げられる。また、前記ポリエステルポリオールと、エポキサイドや環状エーテルとの反応で得られるものも挙げられる。
イソシアヌレート化触媒としては、例えば、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属フェノラート、アルカリ金属アルコラート、第三級アミン系化合物が挙げられる。イソシアヌレート化触媒には、亜リン酸エステル、リン酸エステルなどの助触媒を併用することができる。
イソシアヌレート化反応は、有機酸、無機酸、これらの酸エステルなどにより所望の反応率で停止させる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
【0018】
親水性ポリウレタンポリオールと親水性ポリイソシアネートとの使用割合は、親水性ポリウレタンポリオールの水酸基に対する親水性ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比が0.8〜3.0の範囲であることが好ましい。
【0019】
本発明における下塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物微小中空体は、下塗り層に弾性の触感を付与するために使用するものであり、熱膨張して塗膜強度を低下させないよう、既に膨張を完了させたタイプである。この微小中空体は、内部が中空で平均粒径10〜1000μm、更に10〜500μmの球状体が好ましい。
微小中空体の材料としては、ガラス、シリカなどの無機系の材料、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリルなどの有機系の材料、無機系と有機系の複合材料などが挙げられるが、弾性触感を得やすい有機系の材料が好ましい。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
【0020】
下塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物において、微小中空体は親水性ポリウレタンポリオールと親水性ポリイソシアネートの合計量100質量部に対して0.1〜20質量部、更に1〜10質量部使用するのが好ましい。
【0021】
微小中空体は、前記主剤と前記硬化剤の双方に配合して使用することができ、また、いずれか一方に配合して使用することもできる。
【0022】
本発明における上塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物の平均粒径50μm以下の粉粒状体は、しっとり感やさらさら感等の好感触を付与するために使用するものであり、1〜30μmのものが好ましく、更に平均粒径50μm以下、特に1〜30μmの無機粉粒状体が好ましい。
前記粉粒状体としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどのシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの無機粉粒状体、或いはこれらの表面を脂肪酸などの有機物で処理したもの、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース、ポリアミド、シリコーンゴム、羊毛、コラーゲンなどの有機粉粒状体が挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上を混合或いは複合して使用することができる。
【0023】
上塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物において、平均粒径50μm以下の粉粒状体は親水性ポリウレタンポリオールと親水性ポリイソシアネートの合計量100質量部に対して1〜100質量部、更に5〜50質量部使用するのが好ましい。
【0024】
平均粒径50μm以下の粉粒状体は、前記主剤と前記硬化剤の双方に配合して使用することができ、また、いずれか一方に配合して使用することもできる。
【0025】
本発明における下塗り又は上塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物には更に、体質顔料、着色顔料、染料、分散安定剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、レベリング剤、消泡剤、硬化触媒、造膜助剤、有機溶剤、風合い剤(例えばシリコーンオイル)等の添加剤を配合して使用することができる。
【0026】
添加剤は、前記主剤と前記硬化剤の双方に配合して使用することができ、また、いずれか一方に配合して使用することもできる。
【0027】
本発明の好触感塗装体は、基材上に下塗り層と上塗り層とを形成してなるものであり、その表面の平均摩擦係数の平均偏差は0.0025〜0.01である。
この下塗り層は、前記の下塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物を塗布、硬化させて形成される弾性層である。下塗り層の弾性感は、乾燥塗膜の硬度(ユニバーサル硬さ値HUk)と弾性変形割合とによって数値的に表わすことができる。本発明における下塗り層の弾性変形割合は40%以上であることが好ましく、弾性変形割合が40%未満では柔かいだけで反発性のない弾性感しか得られない傾向である。塗膜硬度が0.5N/mm以上では弾性感のない硬い塗膜となるため、本発明の下塗り層の塗膜硬度は0.5N/mm以下であることが好ましい。
上塗り層は、前記の上塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物を塗布、硬化させて形成される。上塗り層のしっとり感やさらさら感等の好触感は、乾燥塗膜の平均摩擦係数(μ)とその変動偏差(μMD)とによって数値的に表わすことができる。本発明における上塗り層の平均摩擦係数の平均偏差は0.0025〜0.0100であり、平均摩擦係数の平均偏差が0.0025未満ではつるつるとした触感となり、0.0100を超えるとざらざらした感触となって好ましくない。本発明における上塗り層はしっとり感を得るためには平均摩擦係数は0.2以下であることが好ましく、さらさら感を得るためには平均摩擦係数は、0.2を超えるのが好ましい。
【0028】
基材には何ら限定がなく、どのような種類や形状であってもよいが、本発明の好触感塗装体の下塗り層は必ずしも加熱硬化や熱膨張させて形成する必要がないため、加熱に弱い合成樹脂基材も本発明における基材として好適に使用することができる。また、基材の表面は平滑であってもよいし、予めしぼ加工などが施されたものであってもよい。更に、基材は、単層であってもよいし、2層以上の複数の層からなるものであってもよい。2層以上からなる場合、各層は同じ材質であってもよいし、異なった材質であってもよい。また、各層が接着剤によって接合されたものであってもよい。
【0029】
基材への下塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物の塗布は、ドクターブレード、リバースロール、グラビアロール、スピンナーコート、エクストルーダ、スプレーコート、ディップコート、フローコート、ワイヤーコート等の公知の方法により行うことができる。塗布量は、固形分100質量%換算で、1〜300g/m、特に1〜200g/mであることが好ましい。塗布後、60℃以下、更に0〜40℃、特に常温で、24時間以内、更に1〜12時間放置して塗膜を硬化させて、好適に下塗り層を形成することができる。
上塗り層の形成も前記と同様の方法、塗布量で形成することができるが、硬化温度は100℃以下、更に20〜80℃で、1時間以内、更に5〜30分間処理するのが好ましい。
【0030】
このようにして形成される本発明の好触感塗装体の下塗り層は、乾燥状態での厚みを100〜5000μm、特に300〜2000μm、上塗り層は、乾燥状態での厚みを10〜100μm、特に20〜50μmとするのが好ましい。
また、本発明の好触感塗装体において、下塗り層、上塗り層はそれぞれ1層からなるものであってもよいし、それぞれ2以上の層からなるものであってもよい。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれ等により限定して解釈されるものではない。なお、実施例及び比較例において、「%」は弾性変形割合を除いて「質量%」を表わす。
合成例1
環流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管及び温度計を備えた反応容器に、窒素気流下で、トリメチロールプロパン201g、グリセリン184g、ジメチロールヘプタン120g、ジメチロールプロピオン酸134g、N−メチル−2−ピロリドン500gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。均一になったら、ヘキサメチレンジイソシアネート714gを滴下し、80℃まで昇温して、4時間反応させた。その後、反応溶液を30℃まで冷却し、攪拌しながら、トリエチルアミン101g、N−メチル−2−ピロリドン170.5g、イオン交換水1741.2gを加えて親水性ポリウレタンポリオールを得た。
この親水性ポリウレタンポリオールは、不揮発分35%、水酸基価211(固形分)であった。
【0032】
実施例1及び2(下塗り層の形成)
表1の硬化剤以外の成分を分散機及び高速攪拌機にて混合した後、硬化剤として親水性基含有イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアネートプレポリマー(住友バイエルウレタン(株)製、バイヒジュール3100、NCO含量17.3%、不揮発分100%)を添加し、更に高速攪拌機で混合して、下塗り用塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物をエアースプレーを用いてABS樹脂基材上に塗布し、室温(20℃)で10分間放置した後、更に40℃(物温)で5時間乾燥して、乾燥塗膜(下塗り層)を形成した。
得られた乾燥塗膜について触感試験1を行った。
これらの結果を表1に示す。
【0033】
〔触感試験1〕
得られた乾燥塗膜について超微小硬さ試験機(フィッシャーインストルメント社製、フィッシャースコープH−100)を用いて塗膜硬度(ユニバーサル硬さ値HUk)を測定し、弾性変形割合を求め、弾性触感を判定した。
弾性触感の判定基準;
○:硬度HUk0.500N/mm未満かつ弾性変形割合40%以上の
反発性のある弾性感
×:硬度HUk0.500N/mm以上又は弾性変形割合40%未満の
反発性のない弾性感
【0034】
【表1】
Figure 0004342166
【0035】
実施例3及び4、比較例1(上塗り層の形成)
表2の硬化剤以外の成分を分散機及び高速攪拌機にて混合した後、硬化剤として親水性基含有イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアネートプレポリマー(住友バイエルウレタン(株)製、バイヒジュール3100、NCO含量17.3%、不揮発分100%)を添加し、更に高速攪拌機で混合して、上塗り用塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物をエアースプレーを用いてABS樹脂基材上に塗布し、室温(20℃)で10分間放置した後、更に80℃(物温)で20分間乾燥して、乾燥塗膜を形成した。
得られた乾燥塗膜について触感試験2を行った。
これらの結果を表2に示す。
【0036】
〔触感試験2〕
得られた乾燥塗膜の表面を摩擦感テスター(摩擦子:指紋タイプセンサー)(カトーテック(株)製、KES−SE)を用いて測定し、平均摩擦係数とその平均偏差を求めた。また、乾燥塗膜表面の指触により触感を判定した。
触感の判定基準;
○:さらさら感又はしっとり感があり、触感良好。
×:さらさら感又はしっとり感がなく、触感不良。
【0037】
【表2】
Figure 0004342166
【0038】
実施例5〜8(下塗り層及び上塗り層の形成)
実施例1又は2において調製した下塗り用塗料組成物をエアースプレーを用いてABS樹脂基材上に塗布し、室温(20℃)で10分間放置した後、更に40℃で5時間放置して乾燥を行って、下塗り層を形成した。次いで、実施例3又は4において調製した上塗り用塗料組成物をエアースプレーを用いて前記下塗り層上に塗布し、室温(20℃)で10分間放置した後、更に80℃(物温)で20分間強制乾燥して、乾燥塗膜を形成した。
得られた乾燥塗膜について前述触感試験1及び2を行った。
これらの結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0004342166
【0040】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明により初めて、どのような種類や形状の基材にもしっとり感、さらさら感等の好触感を安定的かつ確実に実現可能で、環境問題を生じない下塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物及び上塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物を用いた好触感塗装体を提供することが可能となった。

Claims (2)

  1. 基材上に下塗り層と上塗り層とを形成してなる、表面平均摩擦係数の平均偏差0.0025〜0.01の好触感塗装体であって、
    前記下塗り層が、親水性ポリウレタンポリオールを含有する主剤と親水性ポリイソシアネートを含有する硬化剤とからなり、かつ、前記主剤と前記硬化剤の双方又はいずれか一方が更に微小中空体を含有する下塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物を塗布、硬化させて形成される下塗り弾性層であり、かつ、
    前記上塗り層が、親水性ポリウレタンポリオールを含有する主剤と親水性ポリイソシアネートを含有する硬化剤とからなり、かつ、前記主剤と前記硬化剤の双方又はいずれか一方が更に平均粒径50μm以下の粉粒状体を含有する上塗り用水系2液型ポリウレタン塗料組成物を塗布、硬化させて形成される上塗り層であること、
    を特徴とする前記好触感塗装体。
  2. 前記主剤と前記硬化剤の双方又はいずれか一方が更に添加剤を含有する、請求項1に記載の好触感塗装体。
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