JP4342029B2 - 鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ストッカーに収納されている鋼材を鋼材加工機に搬入したり、鋼材加工機により加工された鋼材をストッカーに収納したりする鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置およびこの鋼材搬入搬出装置を用いた鋼材の搬入搬出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、切断機や穴明け機等の鋼材加工機では、素材の搬入側において搬入側ストッカから搬入側ローラコンベア上に素材を供給する搬入側サプライヤ装置が設けられており、また、搬出側において鋼材加工機により加工された製品を搬出側ローラコンベアから搬出側ストッカー上に搬出する搬出側サプライヤ装置が設けられている。
【0003】
すなわち、図10を参照するに、爪引掛け式の搬入側サプライヤー装置101では、モータ103により駆動される駆動スプロケット105と回転自在の従動スプロケット107を両端に有し、駆動スプロケット105と従動スプロケット107に鋼材搬送用のチェーン109が巻回されている。前記チェーン109にはストッカー110滑り面111上を素材Wを滑らせて送るための爪113が取り付けられている。
【0004】
図11を併せて参照するに、チェーン109は、素材Wの滑り面111よりも下方に設けられており、前記爪113の先端が滑り面111よりも上方へ突出していて、図10中矢印A方向にチェーン109が走行する際には爪113が素材Wに引っかかるが、矢印B方向にチェーン109が走行する際には爪113が下方へ逃げて素材Wに引っかからないようになっている。
【0005】
また、搬入方向の前方(図10中右方向)寄りには搬入側ローラコンベア115が設けられており、この搬入側ローラコンベア115には素材Wの位置決めを行う基準ローラ117が設けられている。
【0006】
図11および図12を併せて参照するに、搬入側ローラコンベア115の下方にはシリンダ119により爪121を移動させて素材Wを押すプッシャー123が設けられている。
【0007】
上記構成により、モータ103が駆動スプロケット105を回転させてチェーン109を搬入方向へ走行させ、爪113により素材Wを引っ掛けて滑り面111上を滑らせて搬入側ローラコンベア9の近傍まで搬入する。次いで、プッシャー123の爪121を素材Wに引っかけ、シリンダ119で素材Wを基準ローラ117に押し付けて搬入側ローラコンベア115上に搬入する。
【0008】
また、図13には爪引掛け式の搬出側サプライヤー装置125が示されている。なお、前述の爪引掛け式の搬入側サプライヤー装置101と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0009】
上記構成により、加工された製品Pが搬出側ローラコンベア126により搬出されてきたら、モータ103により駆動スプロケット105を回転させてチェーン109を搬出方向(図13中左方向)へ走行させ、爪113を製品Pに引っ掛けて滑り面111の上を滑らせてストッカー110に収納する。
【0010】
一方、図14〜図16を参照するに、台車式の搬入側サプライヤー装置127が示されている。この台車式の搬入側サプライヤー装置127では、モータ129により回転される駆動スプロケット131と回転自在の従動スプロケット133を両端に備え、駆動スプロケット131と従動スプロケット133にチェーン135が巻回されている。
【0011】
この搬入側サプライヤー装置127は、ストッカー137よりも低い位置においてサプライヤ上下シリンダ139により昇降自在となっている。また、前記チェーン135の上には素材Wを搬入するための台車141が取り付けられており、この台車141はチェーン135と共に昇降自在となっている。
【0012】
その他、前述の爪引掛け式の搬入側サプライヤー装置127と共通する部位には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
上記構成により、サプライヤ上下シリンダ139によりチェーン135を上昇させて素材Wを台車141の上に載せる。モータ129によりチェーン135を搬入方向へ走行させて素材Wを搬入側ローラコンベア115の上に搬入して、サプライヤー上下シリンダ139を下降させて素材Wを搬入側ローラコンベア115上に載せる。次いで、プッシャー123の爪121を素材Wに引っ掛けて、シリンダ119により素材Wを基準ローラ117の押し付けて位置決めする。
【0014】
また、図17には、台車式の搬出側サプライヤー装置143が示されている。なお、前述の台車式の搬入側サプライヤー装置127と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0015】
上記構成により、加工された製品Pが搬出側ローラコンベア145により搬出されてきたら、サプライヤ上下シリンダ139により搬出側ローラコンベア145位置にある台車141を上昇させて、製品Pを台車141の上に載せる。モータ129により駆動スプロケット131を回転させてチェーン135を搬出方向へ走行させ、台車141を搬出方向へ移動させる。サプライヤ上下シリンダ139により台車141を下降させて製品Pをストッカー137に収納する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先に説明した爪引掛け式の搬入側サプライヤー装置101および搬出側サプライヤー装置125では、滑り面111の上を素材Wや製品Pが滑るため、滑り抵抗が大きく、大きな動力が要求されて装置が大型化するという問題がある。
【0017】
また、素材Wや製品Pが滑り面111の上を移動するとき、摩擦により耳障りな異音を発生するという問題がある。
【0018】
さらに、搬入側ローラコンベア115上に素材Wや製品Pを搬入出するために、チェーン135とプッシャー123の両方が必要であり、搬入動作が複雑になると共にタイムロスおよび装置の大型化を招くという問題がある。
【0019】
さらにまた、図18に示されているような外周にR部分がある素材Wや製品Pの搬入出については、爪113が引っ掛かりにくいため適さないという問題がある。
【0020】
一方、台車式の搬入側サプライヤー装置127および搬出側サプライヤー装置143では、素材Wや製品Pを台車141に載せて移動させるため、台車141の幅は素材Wの最大幅以上のものが必要となり装置の大型化を招くという問題がある。
【0021】
また、台車141に載せた素材Wを搬入側ローラコンベア115の上に移動させるとき、素材Wの幅が小さいときは基準ローラ117から離れた側の搬入側ローラコンベア115に載せるため、素材Wを基準ローラ117に押し付けるプッシャー123が必要であり、搬入動作が複雑になると共にタイムロスおよび装置の大型化を招くという問題がある。
【0022】
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、鋼材の搬入・搬出時に摩擦による異音を発することなく、鋼材の形状にかかわらず搬入および搬出を行うことのできる鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1による発明の鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置は、鋼材加工機により加工される前の又は加工された後の鋼材を収納するストッカーと、前記鋼材加工機に鋼材を搬入又は鋼材加工機から鋼材を搬出する送材装置と、この送材装置に前記ストッカーに収納されている鋼材を搬入又は前記送材装置から鋼材を前記ストッカーに搬出するサプライヤーとを備え、前記送材装置よりも上方から下方まで前記ストッカーを昇降させるストッカー昇降手段と、前記送材装置よりも上方から下方まで前記サプライヤーを昇降させるサプライヤー昇降手段とを備え、前記ストッカーが、前記送材装置に対応する位置において下方へ切りかかれた低部を有すると共に送材側端部において上下方向に回転自在に支持され、前記低部以外の場所には鋼材を収納する高部を有すると共に前記送材装置と反対側端部が前記ストッカー昇降手段により昇降自在に設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
従って、ストッカーに収納されている加工前の鋼材をサプライヤーにより搬送して送材装置に供給する場合には、サプライヤー昇降手段によりサプライヤーを上昇させると共にストッカー昇降手段によりストッカーを下降させ、サプライヤーを相対的にストッカーおよび送材装置よりも高い位置まで上昇させてストッカー上の鋼材をサプライヤーに載せて送材装置まで搬送し、サプライヤー昇降手段によりサプライヤーを送材装置よりも下方位置まで下降させて送材装置の上に鋼材を供給する。また、鋼材加工機により加工され送材装置により搬送された鋼材をサプライヤーにより取り上げてストッカーに収納する場合には、サプライヤー昇降手段によりサプライヤーを上昇させると共にストッカー昇降手段によりストッカーを下降させてサプライヤーを送材装置およびストッカーよりも高い位置まで上昇させ、送材装置上の鋼材をサプライヤーに載せてストッカーまで搬送し、サプライヤ昇降手段によりサプライヤーを下降させると共にストッカー昇降手段によりストッカーを上昇させて、鋼材をストッカーの上に載置する。また、ストッカーを上昇させる場合には、送材装置側端部を回転中心として、反対側をストッカー昇降手段により持ち上げて上方へ回転させるが、送材装置に対応する位置においては低部は常に送材装置よりも低い位置にある。
【0025】
請求項2による発明の鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置は、請求項1記載の鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置において、前記サプライヤーが、前記送材装置に対して反対側端部において上下方向に回転自在に支持されると共に送材装置側端部が前記サプライヤー昇降手段により昇降自在に設けられていることを特徴とするものである。
【0026】
従って、ストッカーを上昇させる場合には、送材装置側端部を回転中心として、反対側をストッカー昇降手段により持ち上げて上方へ回転させると共に、サプライヤーを上昇させる場合には、送材装置と反対側の端部を回転中心として、送材装置側端部をサプライヤー昇降手段により持ち上げて上方へ回転させる。このとき、ストッカーの送材装置に対応する部分は低い低部となっているので、常に送材装置による送材の邪魔にはならない。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図5には、この発明に係る鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置1の全体が示されている。この鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置1では、中央に例えば切断機や穴明け機等の鋼材加工機3が設けられており、この鋼材加工機3の搬入側(図5中右側)には鋼材搬入装置5が設けられ、搬出側(図5中左側)には鋼材搬出装置7が設けられている。
【0039】
鋼材搬入装置5では、鋼材加工機3の搬入側に、鋼材加工機3に鋼材としての素材Wを搬入する送材装置の一例である搬入側ローラコンベア9と、この搬入側ローラコンベア9に対して直角方向(図5中上下方向)に設けられて素材Wを載置しておく複数個の素材ストッカー11と、この素材ストッカー11に載置されている素材Wを前記搬入側ローラコンベア9に搬入する詳細を後述する複数個の搬入側サプライヤー13が設けられている。
【0040】
搬入側ローラコンベア9の前方(図5中下方)には、鋼材加工機3に搬入する素材Wを基準位置に位置決めするための複数の基準ローラ15が回転自在に設けられている。
【0041】
一方、鋼材加工機3の搬出側には、鋼材加工機3により加工された鋼材としての製品Pを搬出する送材装置の一例としての搬出側ローラコンベア17と、この搬出側ローラコンベア17に沿って製品Pを載置しておく複数個の製品ストッカー19と、前記搬出側ローラコンベア17により搬出されてきた製品Pを製品ストッカー19に搬出する詳細を後述する複数個の搬出側サプライヤー21が設けられている。
【0042】
また、鋼材加工機3に隣接して、加工された短尺な製品Pを貯蔵する短尺用製品ストッカー23と、製品Pを短尺用製品ストッカー19に押し出すためのプッシャー25が設けられている。
【0043】
上記構成により、加工する素材Wを素材ストッカー11に載置し、この素材Wを搬入側サプライヤー13により搬入側ローラコンベア9に搬入して基準ローラ15に押し当てて位置決めし、搬入側ローラコンベア9上を鋼材加工機3に搬入する。鋼材加工機3により加工された製品Pは、短尺の場合にはプッシャー25により短尺用製品ストッカー19に押し出して貯蔵する。一方、製品Pが長尺なものの場合には搬出側ローラコンベア17に搬出され、搬出側サプライヤー21により製品ストッカー19に貯蔵される。
【0044】
次に、図1〜図4を参照して、搬入側サプライヤー13および素材ストッカー11について説明をする。なお、搬出側サプライヤー21および製品ストッカー19もまったく同様の構造なので、構造の説明においては搬入側サプライヤー13および素材ストッカー11のみについて説明する。
【0045】
図1および図2にはモータ付きの搬入側サプライヤー13Aと素材ストッカー11が示されている。このモータ付き搬入側サプライヤー13Aでは、土台27に前後(図1中左右方向、図5中上下方向)の支柱29F、29Bが固定されており、この前後の支柱29F、29Bを連結する梁部材31が設けられている。
【0046】
前後の支柱29F、29Bの上にはサプライヤーフレーム33が渡されており、このサプライヤーフレーム33は後側(図1中左側)の支柱29Bの上では回転軸35を中心として上下に回転自在に支持されており、前側(図1中右側)の支柱29Fの上には昇降自在に設けられている。
【0047】
また、サプライヤーフレーム33の後端部では後側の支柱29Bの上において前記回転軸35に駆動スプロケット37が回転自在に支持されており、前端部には従動スプロケット39が回転自在に支持されている。この駆動スプロケット37と従動スプロケット39にはコンベアチェーン41が巻回されており、このコンベアチェーン41はサプライヤーフレーム33により案内されている。
【0048】
梁部材31の上にはモータ43が設けられており、このモータ43の回転軸45と駆動スプロケット37に一体的に設けられているスプロケット47との間には駆動用チェーン49が巻回されている。また、梁部材31上で前側の支柱29F付近におけるサプライヤーフレーム33の下側には、サプライヤーフレーム33を前記回転軸35回りに上下方向に回転させるためのサプライヤー昇降手段としてのサプライヤー上下シリンダ51が設けられている。
【0049】
従って、搬入側サプライヤー13は、サプライヤー上下シリンダ51により水平となったり、あるいは回転軸35を中心としてコンベアチェーン41の前端部が下降して搬入側ローラコンベア9の搬送面よりも下方に移動するようになっている。
【0050】
一方、前記サプライヤーフレーム33の近傍に沿って素材ストッカー11が設けられている。この素材ストッカー11の後部は素材Wを載置する高部53となっており、前部は搬入側ローラコンベア9に対応して前記高部53より一段低い低部55となっており、この低部55の前端付近において前側の支柱29Fの上に設けられているピン57により上下方向に回転自在に支持されている。また、サプライヤーフレーム33の後端部はフリーになっていて、梁部材31上で後側の支柱29B付近に設けられているストッカー昇降手段としてのストッカー上下シリンダ59により上下移動自在に支持されている。
【0051】
従って、素材ストッカー11は、ストッカー上下シリンダ59によりピン57を中心として、素材Wを載置しておく高部53が搬入側サプライヤー13のコンベアチェーン41より上方で水平状態となったり、コンベアチェーン41の下方へ下降したりする。
【0052】
図3および図4には、モータなしの搬入側サプライヤー13Bと素材ストッカー11が示されている。このモータなしの搬入側サプライヤー13Bは前述のモータ付きの搬入側サプライヤー13Aからモータ43および駆動用チェーン49を取り除いたものでありその他の構造は大部分共通するので、共通する部位には同じ符号を付して重複する説明は省略する。また、素材ストッカー11は同じものを用いてある。
【0053】
モータなしの搬入側サプライヤー13Bは複数個設けられており、モータ付きの搬入側サプライヤー13Aの回転軸35にカップリング61および連結シャフト63を介して接続されており、全駆動スプロケット37が同期して回転駆動されるようになっている。
【0054】
なお、搬入側サプライヤー13A、13Bおよび素材ストッカー11の前端部には搬入側ローラコンベア9が設けられており、隣り合う搬入側サプライヤー13A、13Bの間あるいは素材ストッカー11の間を連結している。
【0055】
次に、図6(A)〜(F)を参照して、素材W搬入時における搬入側サプライヤー13および素材ストッカー11の動作について説明する。
【0056】
まず、ピン57を中心としてストッカー上下シリンダ59により上方へ回転させて素材ストッカー11を水平にする。また、サプライヤー上下シリンダ51により搬入側サプライヤー13を回転軸35を中心として下降させ、素材ストッカー11の高部53上に素材W1、W2、W3を並べて置く(図6(A)参照)。
【0057】
次いで、ストッカー上下シリンダ59により素材ストッカー11を下方へ回転させると共に、サプライヤー上下シリンダ51により搬入側サプライヤー13を上方へ回転させて水平にし、各素材W1、W2、W3をコンベアチェーン41の上に載せる。モータ43により駆動スプロケット37を回転させてコンベアチェーン41を前方へ走行させ、素材ストッカー11の端部上方に設けられている光電センサ65の位置まで素材W1を搬送する(図6(B)参照)。
【0058】
素材ストッカー11および搬入側サプライヤー13の上下位置はそのままで、モータ43を回転させて駆動スプロケット37を駆動し、コンベアチェーン41を前方へ走行させて、光電センサ65が搬入する素材W1の通過を検出したらタイマー秒後にコンベアチェーン41を停止させる(図6(C)参照)。
【0059】
ストッカー上下シリンダ59により素材ストッカー11を上方へ回転させて水平にする。これにより、素材W2、W3は素材ストッカー11の高部53上にあり、素材W1のみがコンベアチェーン41の上に残る(図6(D)参照)。
【0060】
この状態でモータ43により駆動スプロケット37を回転させて、素材W1が基準ローラ15に当接するまでコンベアチェーン41を前方へ走行させ、リミットスイッチLSやタイマー等により基準ローラ15に当接したことを検知したらコンベアチェーン41を停止させる(図6(E)参照)。
【0061】
その後、サプライヤー上下シリンダ51により搬入側サプライヤー13を下方へ回転させて、素材W1を搬入側ローラコンベア9の上に載置して(図6(F)参照)、鋼材加工機3に搬入する。
【0062】
次に、図7(A)〜(F)を参照して、製品Pの搬出時における搬出側サプライヤー21および製品ストッカー19の動作について説明する。
【0063】
まず、サプライヤー上下シリンダ51を上昇させて製品ストッカー19をピン57を中心として上方へ回転させ、水平としておく。搬出側サプライヤー21はサプライヤー上下シリンダ51を下降させて回転軸35を中心として下方へ回転させておく。このため、鋼材加工機3により加工されて搬出側ローラコンベア17により搬送されてきた製品P2は、搬出側ローラコンベア17の上に載置された状態にある。なお、ここでは、製品ストッカー19の高部53には先に搬出された製品P1がすでに載置されている(図7(A)参照)。
【0064】
次いで、サプライヤー上下シリンダ51により搬出側サプライヤー21を回転軸35を中心として上方へ回転させて水平とする。これにより、搬出側ローラコンベア17の上にあった製品P2はコンベアチェーン41の上に載せられるが、製品ストッカー19はまだ高い位置にあるので製品P1は製品ストッカー19の高部53に載置されたままである(図7(B)参照)。
【0065】
この状態でモータ43により駆動スプロケット37を回転させてコンベアチェーン41を後方(図7中右方向)へ走行させ、製品P2の先端が光電センサ65により検出されたらタイマー秒後にコンベアチェーン41を停止させる(図7(C)参照)。
【0066】
ストッカー上下シリンダ59により搬出側サプライヤー21を回転軸35回りに上方へ回転させると共にストッカー上下シリンダ59を下降させて製品ストッカー19を下降させる。これにより、製品P1、P2がコンベアチェーン41の上に載置される(図7(D)参照)。
【0067】
この状態でモータ43により駆動スプロケット37を回転させてコンベアチェーン41を後方へ走行させて、製品P1、P2を後方へ移動させる。光電センサ65が製品P2が通過したことを検知したらコンベアチェーン41を停止させる(図7(E)参照)。
【0068】
サプライヤー上下シリンダ51により搬出側サプライヤー21を回転軸35回りに回転させて下降させる。これにより、搬出側ローラコンベア17により次の製品P3が搬出側サプライヤー21の上方に搬送される(図7(F)参照)。以後、前述の(A)〜(F)の工程を繰り返すことにより、製品Pが次々に製品ストッカー19に収納される。
【0069】
以上の結果から、素材Wを搬入・搬出する際に滑り面を滑ることなくコンベアチェーン41により持ち上げて搬送するので、耳障りな摩擦音を発生するのを防止することがができる。また、搬送の抵抗も小さくなる。さらに、素材Wを基準ローラ15の当接させる際に、従来のようなプッシャー装置が不要になる。
【0070】
また、板材、H鋼、コーナーにR部を有する形鋼等、素材Wや製品Pの形状にかかわらず、確実に搬送することができる。
【0071】
また、従来のように台車を用いた場合に比して、台車の大きさによる無駄なスペースを設ける必要がないため、素材Wと素材Wの間隔や、製品Pと製品Pとの間隔を小さくすることが出来、収納効率を改善することができる。
【0072】
また、駆動スプロケット37の回転軸35をサプライヤー13、21の回転中心としており、数台のサプライヤー13、21の駆動スプロケット37の回転軸35を連結することができるので、複数個のコンベアチェーン41を同期して作動させることができる。
【0073】
次に、図8(A)〜(F)を参照して、素材W搬入時における搬入側サプライヤー13および素材ストッカー11の別の動作例について説明する。
【0074】
前述の発明の実施の形態においては、搬入側サプライヤー13や搬出側サプライヤー21を上下方向に回転させるサプライヤー上下シリンダ51、および素材ストッカー11や製品ストッカー19を上下方向へ回転させるストッカー上下シリンダ59はいずれも上昇端または下降端の二段階で上下移動するものであったが、以下に説明するように、途中位置にも位置決めするようにして上位、中位、下位の三段階で上下移動するようにしてもよい。
【0075】
すなわち、搬入側サプライヤー13および素材ストッカー11については、まず、ストッカー上下シリンダ59およびサプライヤー上下シリンダ51を共に下位に下降させて、搬入側サプライヤー13および素材ストッカー11を下げ、素材ストッカー11の高部53上に素材W1、W2、W3を並べて置く(図8(A)参照)。
【0076】
次いで、サプライヤー上下シリンダ51およびストッカー上下シリンダ59を上位まで上昇させて、各素材W1、W2、W3をコンベアチェーン41の上に載せ、モータ43により駆動スプロケット37を回転させてコンベアチェーン41を前方へ走行させ、素材W1を光電センサ65の位置まで搬送する(図8(B)参照)。
【0077】
素材ストッカー11および搬入側サプライヤー13の上下位置はそのままで、モータ43を回転させて駆動スプロケット37を駆動し、コンベアチェーン41を走行させて、光電センサ65が搬入する素材W1の通過を検出したらタイマー秒後に、次の素材W2を検出したらコンベアチェーン41を停止させる(図8(C)参照)。
【0078】
ストッカー上下シリンダ59およびサプライヤー上下シリンダ51を中位まで下降させる。これにより、素材W2、W3は素材ストッカー11の高部53上にあり、素材W1のみがコンベアチェーン41の上に残る(図8(D)参照)。
【0079】
この状態でモータ43により駆動スプロケット37を回転させて、素材W1が基準ローラ15に当接するまでコンベアチェーン41を前方へ走行させ、リミットスイッチLSやタイマー等により基準ローラ15に当接したことを検知したらコンベアチェーン41を停止させる(図8(E)参照)。
【0080】
その後、サプライヤー上下シリンダ51およびストッカー上下シリンダ59を下位まで下降させ、素材W1を搬出側ローラコンベア17の上に載置して(図8(F)参照)、鋼材加工機3に搬入する。
【0081】
また、図9を参照するに、搬出側サプライヤー21および製品ストッカー19では、まず、ストッカー上下シリンダ59およびサプライヤー上下シリンダ51を下位まで下降させておいて、鋼材加工機3により加工されて搬出側ローラコンベア17により搬送されてきた製品P2は、搬出側ローラコンベア17の上に載置された状態にある。なお、ここでは、製品ストッカー19の高部53には先に搬出された製品P1がすでに載置されている(図9(A)参照)。
【0082】
次いで、サプライヤー上下シリンダ51およびストッカー上下シリンダ59を中位まで上昇させ、搬出側ローラコンベア17の上にあった製品P2をコンベアチェーン41の上に載せる。このとき、製品ストッカー19はまだコンベアチェーン41よりも高い位置にあるので、製品P1は製品ストッカー19の高部53に載置されたままである(図9(B)参照)。
【0083】
この状態でモータ43により駆動スプロケット37を回転させてコンベアチェーン41を後方(図9中右方向)へ走行させ、製品P2の先端が光電センサ65により検出されたらコンベアチェーン41を停止させる(図9(C)参照)。
【0084】
ストッカー上下シリンダ59およびサプライヤー上下シリンダ51を上位まで上昇させて、製品P1、P2をコンベアチェーン41の上に載置する(図9(D)参照)。
【0085】
この状態でモータ43により駆動スプロケット37を回転させてコンベアチェーン41を後方へ走行させて、製品P1、P2を後方へ移動させる。光電センサ65が製品P2が通過したことを検知したらコンベアチェーン41を停止させる(図9(E)参照)。
【0086】
サプライヤー上下シリンダ51およびストッカー上下シリンダ59を下位まで下降させ、搬出側ローラコンベア17により次の製品P3を搬出側サプライヤー21の上方に搬送する(図9(F)参照)。以後、前述の(A)〜(F)の工程を繰り返すことにより、製品Pが次々に製品ストッカー19に収納される。
【0087】
以上のように構成されているので、前述の図6および図7に示した2ポジション式の場合と同様の効果を得ることができると共に、各工程におけるストッカー上下シリンダ59およびサプライヤー上下シリンダ51の移動量を小さくすることができるので、より迅速な搬送を行うことができる。また、製品Pを製品ストッカー19に収納する際の製品Pと製品Pの間隔を容易に調整することができる。
【0088】
なお、この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明による鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置では、ストッカーに収納されている加工前の鋼材をサプライヤーにより搬送して送材装置に供給する場合および送材装置により搬送されてきた加工後の鋼材をストッカーに搬出する際には、サプライヤー昇降手段およびストッカー昇降手段によりサプライヤーを相対的に高くして鋼材を搬送するので、鋼材を滑り面上を滑らせることなく、耳障りな摩擦音を発生するのを防止することがができる。また、搬送の抵抗も小さくなる。
【0090】
また、ストッカーを上昇させる場合には、送材装置側端部を回転中心として、反対側をストッカー昇降手段により持ち上げて上方へ回転させるので、1個の昇降手段により昇降させることができる。このとき、送材装置に対応する位置においては下部は常に送材装置よりも低い位置にあるので、送材装置による送材の際には常に邪魔にならない。
【0092】
請求項2の発明による鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置では、ストッカーを上昇させる場合には、送材装置側端部を回転中心として、反対側をストッカー昇降手段により持ち上げて上方へ回転させると共に、サプライヤーを上昇させる場合には、送材装置と反対側の端部を回転中心として、送材装置側端部をサプライヤー昇降手段により持ち上げて上方へ回転させるので、小さな移動量でサプライヤーとストッカーの高さ関係を変化させることができる。このとき、ストッカーの送材装置に対応する部分は低い低部となっているので、常に送材装置による送材の邪魔にはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置のモータ付きサプライヤーの正面図である。
【図2】図1中II方向から見た平面図である。
【図3】(A)はこの発明に係る鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置のモータなしサプライヤーを示す正面図であり、(B)は(A)中B方向から見た端面図である。
【図4】図3(A)中IV方向から見た平面図である。
【図5】この発明に係る鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置の全体を示す平面図である。
【図6】(A)〜(F)は、ストッカーから鋼材を送材装置に供給する際の手順を示す工程図である。
【図7】(A)〜(F)は、送材装置により搬出されてきた鋼材をストッカーに収納する際の手順を示す工程図である。
【図8】(A)〜(F)は、サプライヤーおよびストッカーを3ステップで昇降する場合の図6相当図である。
【図9】(A)〜(F)は、サプライヤーおよびストッカーを3ステップで昇降する場合の図7相当図である。
【図10】従来における爪により鋼材を搬入する鋼材加工機の素材搬入装置を示す正面図である。
【図11】図10中XI−XI線に沿った断面図である。
【図12】プッシャーの正面図である。
【図13】従来における爪により鋼材を搬出する鋼材加工機の素材搬出装置を示す正面図である。
【図14】従来における台車により鋼材を搬入する鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置を示す正面図である。
【図15】図14中XV−XV線に沿った断面図である。
【図16】プッシャーの正面図である。
【図17】従来における台車により鋼材を搬出する鋼材加工機の素材搬出装置を示す正面図である。
【図18】コーナー部にRを有する鋼材の搬送を示す断面図である。
【符号の説明】
1 鋼材搬入搬出装置
3 鋼材加工機
9 搬入側ローラコンベア(送材装置)
11 素材ストッカー(ストッカー)
13 搬入側サプライヤー(サプライヤー)
17 搬出側ローラコンベア(送材装置)
19 製品ストッカー(ストッカー)
21 搬出側サプライヤー(サプライヤー)
35 回転軸
37 駆動スプロケット
39 従動スプロケット
41 コンベアチェーン
43 モータ
51 サプライヤー上下シリンダ(サプライヤー昇降手段)
59 ストッカー上下シリンダ(ストッカー昇降手段)
W 素材(鋼材)
P 製品(鋼材)
Claims (2)
- 鋼材加工機により加工される前の又は加工された後の鋼材を収納するストッカーと、前記鋼材加工機に鋼材を搬入又は鋼材加工機から鋼材を搬出する送材装置と、この送材装置に前記ストッカーに収納されている鋼材を搬入又は前記送材装置から鋼材を前記ストッカーに搬出するサプライヤーとを備え、前記送材装置よりも上方から下方まで前記ストッカーを昇降させるストッカー昇降手段と、前記送材装置よりも上方から下方まで前記サプライヤーを昇降させるサプライヤー昇降手段とを備え、前記ストッカーが、前記送材装置に対応する位置において下方へ切りかかれた低部を有すると共に送材側端部において上下方向に回転自在に支持され、前記低部以外の場所には鋼材を収納する高部を有すると共に前記送材装置と反対側端部が前記ストッカー昇降手段により昇降自在に設けられていることを特徴とする鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置。
- 請求項1記載の鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置において、前記サプライヤーが、前記送材装置に対して反対側端部において上下方向に回転自在に支持されると共に送材装置側端部が前記サプライヤー昇降手段により昇降自在に設けられていることを特徴とする鋼材加工機の鋼材搬入搬出装置。
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