JP4341444B2 - 脱水機 - Google Patents

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Description

本発明は蓋のロック機構を有する脱水機に関するものである。
従来、脱水機においては、脱水かごの上方に外蓋を設け、その開閉をスイッチのオン・オフおよびブレーキ動作と連動させ、外蓋を開いたときは脱水かごに連結したモータの電源を切り、脱水かごの回転を停止させていた。しかしながら、外蓋を開いても脱水かごはしばらくの間、慣性によって回転を続けるので、その回転中に脱水かごの中に手を入れると手指を傷つけることがあった。そこでそれに対応するために外蓋にロックがかかるロック機構を有する脱水機が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
図4は、従来のロック機構を有する脱水機のロック機構部分を示したもので、以下その構成について説明する。本体1の上部にタンク2が載置され、タンク2を構成する水受槽4内に脱水かご3が装備され、水受槽4の前面上部には凹部の段部5が形成されている。この段部5には、外蓋6のロック用略L字形の係止突起7を脱水かご3の回転中ロックして外蓋6が開かないようにするための操作レバー8を設けている。操作レバー8は操作軸9に軸支され、係止突起7と係合する略逆L字形の爪部10を有している。また操作レバー8には、脱水機下部のモータの回転検知部(図示せず)と連結するワイヤー11を挿着した操作棒12を連結している。操作棒12はその上端部14を操作レバー8に設けた連結孔13に挿入して遊嵌状態に連結している。操作棒12はその下部にワイヤー11との連結部15を有し、かつ上端部14と連結部15との中間部16には蛇腹パッキング17の固定部18が水密に取り付けられている。蛇腹パッキング17の下部は中空で中央にワイヤー11が通る孔を有するパッキング取付具28により段部5の底面に取り付けられている。取付具28には、段部5の裏面まで突出させた突出部を有しその突出部の外周のねじ部19を設け、取付具28は、ワイヤー11の外周に遊嵌にて挿着されたチューブ21の上端を固定する上端固定部22を有するチューブ固定具23に設けたねじ部20にねじ部19を螺着させることにより固定している。
水受槽4にはその上面を覆うカバー体24を設け、カバー体24には衣類を投入するための投入口25を設けている。水受槽4には、その水受槽4と、操作レバー8を収納する段部5とを仕切る仕切りカバー26を設け、その上面には外蓋6の係止突起7を通す通孔27を設けている。
以上のように構成された脱水機について、その動作を以下に説明する。モータの回転検知部(図示せず)と連結されたワイヤー11が脱水中は、引張り力Fが与えられ、外蓋6をロックする。脱水が終了すると、これを検知してワイヤー11を緩める。ここで操作レバー8は常にイ方向に付勢されているため、外蓋6が操作レバー8の爪部10と係止状態とならず、仕切りカバー26の通孔27を外蓋6の係止突起7が自由に出入りでき、ロック開放状態となる。
特公昭59−13239号公報
しかしながら、このような従来の脱水機においては、外蓋6をロックするために、モータの回転検知部とワイヤー11に引張り力を与えるための駆動装置が必要となり、コストが大幅にかかるものとなっていた。また、モータの回転検知部やワイヤー11に引張り力を与えるための駆動装置が故障した場合など、外蓋6をロックできず、危険な状態になる可能性があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、安価な方法で外蓋を確実にロックし、かつ、信頼性の高いロック機構を有しているので、安全性の高い脱水機を提供することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、本発明の脱水機は、本体と、前記本体に内設され被脱水物を収容する脱水かごと、前記脱水かごを回転駆動するモータと、後部に回転軸を有し前記脱水かごに臨む本体の開口部を開閉する外蓋と、前記外蓋の後端部に設けられ後方へ突出する後方突出部と、前記外蓋を閉状態にロックするロック構成部材と、前記モータへの通電を制御する開閉スイッチと、前記脱水かごの回転を制動するブレーキ機構とを備え、前記ロック構成部材は、前記後方突出部の下方に移動し前記後方突出部の動きを規制することにより前記外蓋を閉状態にロックするロック部と、当接することにより前記開閉スイッチを閉状態にする当接部と、前記ブレーキ機構に連結したコントロールワイヤーの一端を係止し引き上げることにより制動力を解除する係止部とを一体に有し、前記ロック部が前記後方突出部の下方に位置するとき、前記開閉スイッチを閉状態とすることにより前記モータへの通電を可能とするとともに、前記ブレーキ機構の制動力を解除するように構成したものである。
これにより、外蓋をロックするために、モータの回転検知部およびワイヤーに引張り力を与えるための駆動装置が必要でないので、安価な方法で外蓋を確実にロックするとともに安全性を向上させることができ、かつ、信頼性の高いロック機構を実現することができる。
本発明の脱水機は、ロックするための駆動装置等が必要なく、安価な方法で外蓋を確実にロックし、かつ、信頼性の高いロック機構を有しているので、安全性を向上させることができるとともに、低コスト化も実現させることができる。
第1の発明は、本体と、前記本体に内設され被脱水物を収容する脱水かごと、前記脱水かごを回転駆動するモータと、後部に回転軸を有し前記脱水かごに臨む本体の開口部を開閉する外蓋と、前記外蓋の後端部に設けられ後方へ突出する後方突出部と、前記外蓋を閉状態にロックするロック構成部材と、前記モータへの通電を制御する開閉スイッチと、前記脱水かごの回転を制動するブレーキ機構と、外蓋の後方に設けられ後方突出部およびロック構成部材を覆うパネル部材と、前記パネル部材に設けられその外方からのスライド操作が可能なスライド部材とを備え、前記ロック構成部材は、前記スライド部材のスライド動作に連動して回転軸を中心に回転することで移動するようにし、前記スライド部材のスライド動作により前記後方突出部の下方に移動し前記後方突出部の動きを規制することにより前記外蓋を閉状態にロックするロック部と、当接することにより前記開閉スイッチを閉状態にする当接部と、前記ブレーキ機構に連結したコントロールワイヤーの一端を係止し引き上げることにより制動力を解除する係止部とを一体に有し、前記ロック部が前記後方突出部の下方に位置するとき、前記開閉スイッチを閉状態とすることにより前記モータへの通電を可能とするとともに、前記ブレーキ機構の制動力を解除するように構成し、前記ロック部が前記後方突出部の下方から外れて位置するとき、前記開閉スイッチを開状態とすることにより前記モータへの通電を遮断するとともに、前記ブレーキ機構の制動力を付加するように構成し、前記外蓋をロック状態にする位置に前記ロック構成部材を維持するように前記スライド部材を所定の位置に維持するストッパー部を前記パネル部材の裏面に設けた脱水機とすることにより、ロックするための駆動装置等が必要なく、安価な方法で外蓋を確実にロックするとともに、モータへの通電とブレーキ機構の制動力を制御でき、外蓋を開く際に、事前に、確実にモータへの通電を遮断するとともに、脱水かごの回転を制動することができ、スライド部材により使用者が容易に外蓋をロック状態あるいはロック解除状態にすることができ、外蓋のロック状態を確実に維持することができるため、脱水動作中に不用意に外蓋がロック解除状態になるのを防止することができるので、信頼性の高いロック機構を実現するとともに、安全性を向上させることができ、同時に、低コ
スト化も実現させることができる
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における脱水機の側断面図である。図1において、脱水機の本体29には、水受槽30を内設し、その水受槽30内に脱水かご31を配設するとともに、本体29の下部に脱水かご31を回転駆動するモータ32を弾性支持機構33を介して弾性支持している。水受槽30の上面には本体29の一部をなすカバー体34を装着し、その略中央部には脱水かご31内に臨む被脱水物の出し入れ用の開口部35を形設している。
本体29の後方上部にはパネル台36が取り付けられ、そのパネル台36を覆うようにパネル部材37が設けられている。その前方には外蓋38が設けられ、外蓋38は後端部にヒンジ部39と後方突出部40を形成している。パネル部材37の内部でパネル台36の上面には、ヒンジ部39に設けたヒンジ軸39aを矢印A方向および反矢印A方向に回動可能に軸支するヒンジ軸受部41が形成されている。外蓋38は、その前方部に外蓋取手部38aを有し、ヒンジ軸39aを中心に開閉可能にカバー体34を覆っている。
モータ32の上方にはブレーキ機構42が配設されており、ブレーキ機構42は、モータ32の回転軸32aに固定され一体に回転するブレーキドラム43と、ブレーキパット(図示せず)を有しそのブレーキパットがブレーキドラム43に摺接して制動力を付与することができるブレーキレバー44と、このブレーキレバー44に連結されブレーキレバー44の位置を変更させることができる可動部材44aと、ブレーキレバー44のブレーキパットがブレーキドラム43に摺接して制動力を付与する位置に付勢するスプリング(図示せず)とから構成されている。可動部材44aにはコントロールワイヤー45の一端が連結されており、コントロールワイヤー45の他端はコントロールワイヤー取付板45aに連結されている。
図2は本発明の実施の形態1における脱水機の外蓋38のロック状態での要部矢視図、図3は本発明の実施の形態1における脱水機の外蓋38のロック解除状態での要部矢視図である。
図1、図2および図3において、パネル部材37には矢印B方向および反矢印B方向にスライド可能なスライド部材47が設けられており、パネル部材37の外方に位置するスライド部材47の上部にはスライド操作部47aが設けられ、パネル部材37の内方に位置するスライド部材47の下端部には逆U字状に切欠いた逆U字部47bが設けられている。
パネル部材37の内部のパネル台36上には、第1支持突部48および第2支持突部49が設けられており、それぞれその先端部分に第1支持凹部48aおよび第2支持凹部49aを有している。第1支持凹部48aおよび第2支持凹部49aは、それぞれ第1軸ピン50aおよび第2軸ピン50bを回転可能に枢支している。第1軸ピン50aおよび第2軸ピン50bには、それぞれ一端側に第1アーム51aおよび第2アーム51bが一体に設けられており、第1アーム51aと第2アーム51bの一端部は係止ピン52aにより連結され、第1軸ピン50aおよび第2軸ピン50bの中心軸をはさんで反対側の他端部は係止リブ52bにより連結されている。係止ピン52aは、スライド部材47の下端部に設けた逆U字部47bに遊嵌されており、スライド部材47の矢印B方向および反矢印B方向へのスライド動作に伴い、第1軸ピン50aおよび第2軸ピン50bの中心軸を
回転中心として、矢印C方向および反矢印C方向に回動可能に構成されている。
また、コントロールワイヤー45を介してブレーキ機構42に連結するコントロールワイヤー取付板45aの上端部には、略L字状に折り曲げた略逆L字部45bが設けられており、係止リブ52bに係止可能に設けられている。図2に示すように、係止ピン52aが矢印C方向に回転したとき係止リブ52bも矢印C方向に回転移動するので、コントロールワイヤー取付板45aの略逆L字部45bが係止リブ52bに係止され、コントロールワイヤー45は可動部材44aを介して、ブレーキレバー44のブレーキパットがブレーキドラム43に摺接して制動力を付与する位置に付勢するスプリングの付勢力に抗してブレーキレバー44のブレーキパットをブレーキドラム43から離れる方向に引っ張る状態となり、ブレーキレバー44のブレーキパットはブレーキドラム43から離間して制動力を解除する制動力不作用位置に位置している。一方、図3に示すように、係止ピン52aが反矢印C方向に回転したとき係止リブ52bも反矢印C方向に回転移動し、コントロールワイヤー取付板45aの略逆L字部45bの係止リブ52bへの係止が外れ、したがって、ブレーキレバー44のブレーキパットは、スプリングの付勢力により、ブレーキドラム43に摺接して制動力を付与する制動力作用位置に移動する。
第1軸ピン50aの他端側にはロック部材53が設けられ、第2軸ピン50bの他端側には押圧部材54が設けられている。ロック部材53および押圧部材54は、それぞれ係止ピン52aの回動に伴い、第1軸ピン50aおよび第2軸ピン50bと一体に矢印C方向および反矢印C方向に回動するように構成されている。
また、パネル部材37の内部にはモータ32への通電を制御する開閉スイッチ55が設けられている。開閉スイッチ55は、上スイッチレバー56と変形可能な下スイッチレバー57と有しており、それぞれの先端近傍には上スイッチレバー接触部56aおよび下スイッチレバー接触部57aが設けられている。上スイッチレバー接触部56aと下スイッチレバー接触部57aは、自然状態(無負荷状態)では、図3に示すように、所定の間隙を有しており、開閉スイッチ55は開状態となって、モータへ通電しないように構成している。一方、図2に示すように、下スイッチレバー57の下スイッチレバー先端部57bが下方より上方へ押し上げられると、上端子接触部56aと下端子接触部57aとが接触し、開閉スイッチ55は閉状態となり、モータ32への通電が可能な状態となるように構成している。
また、ロック部材53には、その回転中心から所定の距離を有し他の部分より突出したロック面53aが設けられ、押圧部材54には、その回転中心から所定の距離を有し他の部分より突出した当接面54aが設けられている。
この構成において、図2に示すように、スライド部材47を矢印B方向に第1の所定の位置(X)までスライドさせると、ロック部材53は矢印C方向に回転し、ロック部材53に設けられたロック面53aが、外蓋38に形成した後方突出部40の下方に入り込み停止する。このとき、外蓋38を開けようとしても、ロック面53aが後方突出部40の下方にあるので、矢印A方向への回転が規制され、外蓋38は開放されるのを規制された状態、すなわちロック状態となっている。それとともに、押圧部材54の当接面54aが下スイッチレバー先端部57bに当接し下スイッチレバー先端部57bを下方より上方へ押し上げる。それによって、上スイッチレバー接触部56aと下スイッチレバー接触部57aが接触した状態となるので、開閉スイッチ55は閉状態となり、モータ32への通電が可能な状態となっている。さらに、コントロールワイヤー取付板45aの略逆L字部45bが係止リブ52bに係止された状態となるため、ブレーキレバー44のブレーキパットがブレーキドラム43から離間して制動力を解除する制動力不作用位置に移動し、脱水かご31が回転可能な状態となっている。
一方、図3に示すように、スライド部材47を反矢印B方向に第2の所定の位置(Y)までスライドさせると、ロック部材53は反矢印C方向に回転し、ロック部材53のロック面53aは回転移動して外蓋38に形成した後方突出部40の下方の位置より外れ停止する。このとき、後方突出部40の矢印A方向への回転を規制するものがなくなるため、外蓋38は自由に開放することができる状態、すなわちロックを解除した状態となっている。それとともに、押圧部材54の当接面54aが下スイッチレバー先端部57bへの当接から外れ、上スイッチレバー接触部56aと下スイッチレバー接触部57aが離れた状態となるので、開閉スイッチ55が開状態となり、モータ32への通電が不能な状態となっている。また、コントロールワイヤー取付板45aの略逆L字部45bの係止が係止リブ52bから外れるので、スプリングの付勢力により、ブレーキレバー44のブレーキパットがブレーキドラム43に摺接して制動力を付与する制動力作用位置に移動し、脱水かご31の回転にブレーキをかけている状態となっている。
また、外蓋38の下方のカバー体34には開口部35を覆う内蓋58が設けられている。内蓋58の後端部には横方向に向けて突設した内蓋用回転軸部59を設け、内蓋用回転軸部59はカバー体34の後方部に凹設した内蓋用回転軸支持部60に矢印Dおよび反矢印D方向に回転可能に枢支されている。内蓋58の上面には窪んだ凹部61を設け、凹部61の前方側の一部を内蓋58の上面と略面一に覆い、内蓋取手部62としている。この内蓋取手部62に手を掛け上方後方に引き上げることにより、内蓋58を開放するように構成している。
さらに、パネル部材37の裏面には、スライド部材47が第1の所定の位置(X)に位置するとき、スライド部材47をその位置に維持するための、ストッパー部59を設けている。ストッパー部59は、略三角状の凸部59aを有し、逆U字部47bを挟むように対抗して2箇所に設けている。略三角状の凸部59aの先端部が逆U字部47b内に入り込むように形成されている。これにより、ブレーキレバー44のブレーキパットがブレーキドラム43に摺接して制動力を付与する位置に付勢するスプリングの付勢力に抗して、スライド部材47を第1の所定の位置(X)に維持できるので、脱水動作中に不用意に外蓋がロック解除状態になるのを防止することができ、安全性を向上させることができる。
上記構成において動作を説明すると、使用者は、スライド部材47が第2の所定の位置(Y)に位置している状態で、脱水機の外蓋38および内蓋58を開き、開口部35を介して脱水かご31内に被脱水物を投入する。その後、内蓋58を閉じ、さらに外蓋38を閉じ、スライド部材47を矢印B方向に第1の所定の位置(X)までスライドさせる。これにより、外蓋38はロックされた状態となり、また、開閉スイッチ55は閉状態でモータ32への通電が可能な状態となり、さらに、ブレーキ機構42の制動力が解除され、脱水かご31が回転可能な状態となる。この状態において、使用者が図示しない脱水開始スイッチをON状態にすると、モータ32に電力が供給され、脱水かご31が所定回転数で所定時間回転する脱水動作が開始される。その後、所定時間経過するとモータ32への電力の供給が絶たれ、脱水かご31は惰性回転を行った後停止し、その状態で使用者はスライド部材47を反矢印B方向にスライドさせた後、外蓋38を開き、内蓋58を開いて、被脱水物を脱水かご31内から取り出して、脱水を終了する。
上記脱水動作中、すなわち、脱水かご31が所定回転数で回転している状態においては、ロック部材53のロック面53aにより後方突出部40の回転が規制されているため、外蓋38はロックされており、上方に引き上げようとしても開けることができない。したがって、使用者は、何らかの理由(被脱水物の追加、あるいは途中取り出し)で、脱水動作中に、外蓋38を開けようとすると、まず、スライド部材47のスライド操作部47aに手をかけ、スライド部材47を反矢印B方向に第2の所定の位置(Y)までスライドさ
せる。これにより、外蓋38はロック状態を解除された状態となり、また、開閉スイッチ55は開状態となるので、モータ32への通電が絶たれ、脱水かご31は惰性回転の状態となると同時に、ブレーキ機構42に制動力が働き、脱水かご31の回転にブレーキがかかる状態となる。その後、使用者は、ある程度の時間(使用者によって差は生ずるが、大体1秒前後)を要して、その操作する手を後方のスライド操作部47aから前方の外蓋38の外蓋取手部38aまで移動させた後、外蓋38を開き、さらに、操作する手を後方に移動した外蓋38の外蓋取手部38aから前方の内蓋58の内蓋取手部62まで移動させる時間(これも使用者によって差は生ずるが、大体1秒前後)をさらに要して、内蓋58の内蓋取手部62に手をかけ上方後方に引き上げることにより、内蓋58を開放する。すなわち、内蓋58を開放する時は、脱水かご31は、完全に停止した状態であるか、あるいは、回転していたとしても安全性を確保できる低い所定回転速度以下である。したがって、使用者が被脱水物を取り出す時、その手または指が回転している脱水かご31あるいは被脱水物にからみ付くことがなく、安全性の高い脱水機を実現することができる。
したがって、上記構成によれば、蓋をロックするための駆動装置等が必要なく、上記のような安価な方法で、外蓋38を確実にロックでき、かつ、脱水途中で外蓋38を開ける場合にも安全性を確保できるものである。
なお、本実施の形態1では、ロック部材53のロック面53a、押圧部材54の当接面54aおよび係止リブ52bは、スライド部材47のスライド動作により回動するようにしたが、スライド部材47のスライド動作に伴って、ロック部材53のロック面53aがスライドし、ロック部材53のロック面53aが外蓋38に形成した後方突出部40の下方に入り込み停止するとともに、押圧部材54の当接面54aがスライドし、開閉スイッチ55を閉状態とし、係止リブ52bがスライドし、ブレーキ機構42を制動力不作用状態にしてもよく、この構成によっても、同等の効果が得られることは言うまでもない。
また、スライド部材47のスライド動作の代わりに、スライド操作部47aと逆U字部47bの間に回転支持部を設け、回転動作により、ロック状態とロック解除状態を切換えるようにしてもよく、同等の効果が得られることは言うまでもない。
また、第1アーム51a、第2アーム51bおよび係止ピン52aに相当する部分を直接、パネル部材37より上方に出し、その第1アーム51a、第2アーム51bおよび係止ピン52に相当する部分を直接操作し、ロック状態とロック解除状態を切換えるようにしてもよく、同等の効果が得られることは言うまでもない。
また、ストッパー部59は、スライド部材47の位置を維持するように設けたが、直接、ロック構成部材のうち、第1アーム51a、第2アーム51b、係止ピン52a、係止リブ52b、ロック部材53および押圧部材54のうち、少なくともいずれか1つの部材の位置を維持する位置に設けてもよく、同等の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる脱水機は、安価な方法で確実に蓋をロックし、安全性を高めることが可能となるので、蓋のロック機構を有する脱水機および脱水機能を有するとともに蓋のロック機構を有する洗濯機等として有用である。
本発明の実施の形態1の脱水機の側断面図 同脱水機の外蓋のロック状態での要部矢視図 同脱水機の外蓋のロック解除状態での要部矢視図 従来の脱水機の要部側断面図
29 本体
31 脱水かご
32 モータ
35 開口部
38 外蓋
39a ヒンジ軸(回転軸)
40 後方突出部
42 ブレーキ機構
45 コントロールワイヤー
52b 係止リブ(係止部)
53 ロック部材(ロック構成部材)
53a ロック面(ロック部)
54a 当接面(当接部)
55 開閉スイッチ

Claims (1)

  1. 本体と、前記本体に内設され被脱水物を収容する脱水かごと、前記脱水かごを回転駆動するモータと、後部に回転軸を有し前記脱水かごに臨む本体の開口部を開閉する外蓋と、前記外蓋の後端部に設けられ後方へ突出する後方突出部と、前記外蓋を閉状態にロックするロック構成部材と、前記モータへの通電を制御する開閉スイッチと、前記脱水かごの回転を制動するブレーキ機構と、外蓋の後方に設けられ後方突出部およびロック構成部材を覆うパネル部材と、前記パネル部材に設けられその外方からのスライド操作が可能なスライド部材とを備え、前記ロック構成部材は、前記スライド部材のスライド動作に連動して回転軸を中心に回転することで移動するようにし、前記スライド部材のスライド動作により前記後方突出部の下方に移動し前記後方突出部の動きを規制することにより前記外蓋を閉状態にロックするロック部と、当接することにより前記開閉スイッチを閉状態にする当接部と、前記ブレーキ機構に連結したコントロールワイヤーの一端を係止し引き上げることにより制動力を解除する係止部とを一体に有し、前記ロック部が前記後方突出部の下方に位置するとき、前記開閉スイッチを閉状態とすることにより前記モータへの通電を可能とするとともに、前記ブレーキ機構の制動力を解除するように構成し、前記ロック部が前記後方突出部の下方から外れて位置するとき、前記開閉スイッチを開状態とすることにより前記モータへの通電を遮断するとともに、前記ブレーキ機構の制動力を付加するように構成し、前記外蓋をロック状態にする位置に前記ロック構成部材を維持するように前記スライド部材を所定の位置に維持するストッパー部を前記パネル部材の裏面に設けた脱水機。
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