JP4341301B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、画情報に応じて形成したトナー像を中間転写体や記録シートに転写するための転写ロールを備えると共に、かかる転写ロールが装置本体に対して交換自在に構成された画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平6−35258号公報
【特許文献2】
特開平10−240091号公報
【特許文献3】
特開平11−24514号公報
【0003】
一般に、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置においては、画像データに応じて感光体ドラムの表面にトナー像を形成した後、かかるトナー像を記録シートに転写し、転写されたトナー像を記録シートに加熱定着することで記録画像を得ている。また、近年のフルカラー複写機、フルカラレーザビームプリンタにおいては、感光体ドラム上に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、かかる中間転写体上でイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4色のトナー像を重ね合わせ、これら合成トナー像を記録シートに一括して二次転写することでフルカラー記録画像を形成するものも知られている。
【0004】
一方、トナー像を中間転写体や記録シートへ転写する方法としては、半導電性の弾性体から形成された転写ロールを用いる方法が知られている。かかる転写ロールは記録シートを挟んで感光体ドラムや中間転写体等の像担持体と対向する位置に配置されており、かかる転写ロールによって記録シートの裏面にトナーの帯電電荷と逆極性の電荷を与えることで、トナー像を記録シートの表面に静電転写するように構成されている。例えば、トナーの帯電極性がマイナス(−)の場合、記録シートの裏面に配設した転写部材にはプラス(+)の転写バイアスを印加し、記録シートの裏面に対してプラス(+)の電荷を与えることになる。
【0005】
トナー像を中間転写体や記録シートに高効率で転写するためには、両者の間に充分な転写電界を形成することが必要となり、そのためには転写ロールに対してその抵抗値に見合った大きさの転写バイアスを印加することが必要とされる。しかし、前記転写ロールの抵抗値は温度、湿度といった環境要因の変化によって変動し、一般に、低温・低湿環境下では転写ロールの抵抗値が高くなり、高温・高湿環境下では転写ロールの抵抗値が低くなる傾向にある。また、転写ロールの抵抗値は経時的な使用によっても変動し、転写バイアスを印加して使用した累積時間が増加するにつれ、抵抗値が上昇する傾向にある。
【0006】
このため、従来の画像形成装置においては、かかる装置の主電源をONした後の所定のタイミング毎に上記転写ロールの抵抗値を計測し、かかる計測値から該転写ロールに印加すべき最適な転写バイアスを決定するように構成されたものが提案されている。具体的には、ユーザのプリント支持に対応したプリントジョブの開始に先立ち、上記転写ロールに対して一定の電流を供給又は一定の電圧を印可して、その時に出力される電圧値又は電流値を計測すると共に、かかる計測値から転写ロールの抵抗値を推測し、予め記憶されている転写バイアスの設定用テーブルを参照して最適な転写バイアスを選び出すように構成されている。
【0007】
また、前述の如く転写ロールは経時的な使用によってその抵抗値が上昇してしまう他、その表面素地が荒れてしまい、転写効率に影響を及ぼすことから、定期的に交換することが好ましい。このことから、近年の画像形成装置には、転写ロールがクリーナ等の周辺機器と共にユニット化され、かかる転写ロールユニットを画像形成装置の装置本体に対して自在に交換し得るように構成されているものが存在する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本来、転写ロールユニットは複写機やプリンタ等の製造メーカ毎に異なり、また、同一メーカであっても機種によって異なることから、特定の機種の転写ロールユニットを他の機種に使用することは不可能である。しかし、近年では開発コストの低減化のため、同一の製造メーカ内の異なる機種であっても、転写ロールユニットを同一にする例があり、別の機種の転写ロールユニットであっても適合してしまう場合がある。もっとも、転写ロールユニットの外観形状は同一であっても、転写ロールの抵抗値そのものは各機種のコピースピードや画像解像度等に応じて最適化されているので、転写ロールユニットを取り違えると、複写機やプリンタの本来の性能が充分に発揮されず、また、画質不良や機械破損の原因となってしまう。
【0009】
また、近年ではA社が開発したプリンタ等をA社が自ら生産・販売する他、A社がB社のブランドを付して生産し、これをB社が購入・販売する所謂相手先ブランド供給も行われている。この場合、B社が販売するプリンタ等はA社が販売するプリンタと実質的に同一であり、転写ロールユニットの形状は共通のものとなるが、B社がA社に要求するプリンタ等の性能に応じて転写ロールの抵抗値は異なったものとなる場合があり、B社ブランドの転写ロールユニットをA社ブランドのプリンタ等に装着すると、本来の性能が充分に発揮されず、また、画質不良や機械破損の原因となってしまう。
【0010】
従来、画像形成装置の装置本体に対する交換ユニットの装着間違いを防止する対策としては、交換ユニット側に読み書き自在なメモリを搭載し、かかる交換ユニットを装置本体に装着した際に、装置本体側のコンピュータシステムが交換ユニット側のメモリから必要な情報を読み出すように構成したものが知られている(特開平6−35258号公報、特開平10−240091号公報、特開平11−24514号公報等)。すなわち、交換ユニット側のメモリには形式番号等の個体情報が該ユニットの製造時に予め書き込まれており、装置本体側のコンピュータシステムはこの個体情報を読み出すことにより、装着された交換ユニットが適正な交換品であるか否か、あるいはサードパーティーによる不正な交換品であるか否かを判別することができるようになっている。また、交換ユニットを装置本体に装着すると、かかる交換ユニットのメモリに累積使用時間等の使用履歴が書き込まれるように構成されており、交換ユニットを装着した際に該使用履歴を読み出すことで、新たに装置本体に装着された交換ユニットが新品であるか否か、あるいは既に使用された走行品であるか否かを判断することができるようにもなっている。
【0011】
しかし、転写ロールユニットに対してこのようなメモリを設けると、ユニットそのものの製造コストが上昇すると共に、装置本体側についてもメモリに格納された情報を読み出すための構成が必要となり、画像形成装置そのものの製造コストが上昇してしまう。また、転写ロールユニットの小型化が阻害される他、かかるユニットの製造時にメモリに対して情報を書き込む作業が必要になる等の欠点があった。
【0012】
また、前述の如く、転写ロールを使いこなして高画質の記録画像を形成するためには、プリントジョブの開始に先立って所定の印加電圧に対する転写ロールの抵抗値を測定した後、予め記憶されている転写バイアスの設定用テーブルを参照して最適な転写バイアスを選び出すことが必要とされる。しかし、同一の温度及び湿度の環境下で測定した転写ロールの抵抗値が同一であっても、かかる転写ロールの抵抗値の電圧に対する依存性は該転写ロールの材質や構造等によって異なるものとなり、異なる種類の転写ロールに対して同一の転写バイアス設定用テーブルを使用したのでは、印加する転写バイアスの大きさによっては転写した記録画像の画質に不具合が生じてしまう。
【0013】
近年は製造メーカ間の価格競争が激しく、開発されて既に市場に供給された画像形成装置であっても、その後、開発終了時よりも更に低コストの部品が開発されることがある。このため、画像形成装置に合致した適正品の転写ロールユニットであっても、数種類のユニットが存在する場合もあり、交換後の転写ロールユニットの種別を安価な構成で判別できると都合が良い。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、簡易且つ安価な構成で転写ロールユニットの交換時における新旧ユニットの判別を行い得ると共に、交換後に装着した転写ロールユニットが適正交換品であるか否かを判断することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、適正品の転写ロールユニットが数種類存在する場合に、いずれの転写ロールユニットが装着されたのかを簡易且つ安価な構成で判別することができ、装着された転写ロールユニットに最適な画像形成条件を用いて記録画像の形成を行うことが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、トナー像を中間転写体又は記録シートに静電転写する転写ロールを備えると共に、かかる転写ロールが装置本体に対して交換自在に設けられた画像形成装置を前提とし、かかる画像形成装置が、交換後の転写ロールの抵抗値を把握する計測手段と、把握した抵抗値に基づいて交換後の転写ロールが新品であるか否かを判断する判別手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
転写ロールに対する転写バイアス電圧の累積印加時間が増大してくると、かかる転写ロールの抵抗値は高くなる傾向にあることから、前記計測手段によって新たに画像形成装置本体に装着された転写ロールの抵抗値を把握すれば、この把握した抵抗値と予め記憶されている新品転写ロールの抵抗値とを比較することにより、装着された転写ロールが新品であるか否かを容易に判別することが可能となる。また、従来より、転写バイアスの最適化を目的として、プリントジョブに先立って転写ロールの抵抗値を計測することは行われており、転写ロールによってトナー像の転写を行う画像形成装置であれば、そのような計測手段を備えている場合が殆どなので、既存の構成を利用するのみで転写ロールの新旧判別を行うことが可能となって、極めて簡易に且つ安価に判別を行うことができる。
【0018】
ここで、前記転写ロールの抵抗値は温度及び湿度といった環境要因によっても変動するので、より正確に転写ロールの新旧判別を行うという観点からすれば、前記判別手段が転写ロールの設置された雰囲気の温度及び湿度を測定する環境センサを備え、高温高湿環境、低温低湿環境、常温常湿環境といった各環境毎に新品の転写ロールの抵抗値を記憶していることが好ましい。
【0019】
また、転写ロールの交換時期の判断に関しては、かかる転写ロールの抵抗値が転写バイアスの累積的な印加時間の増大と共に増加してくることから、この累積印加時間を目安とて用いることが可能である。すなわち、転写ロールに対して転写バイアスを印加していた時間を累積的に計数し、あるいはこの累積印加時間を間接的に表現していると考えられる記録シートの通紙枚数を計数し、これらの計数値が所定の値に達するか否かを条件として転写ロールの交換時期を決定することができる。この場合、交換した後の転写ロールが前述した手法によって新品であると判断される場合には、計数値をクリアし、新たに装着した転写ロールに関して転写バイアスの累積印加時間、または記録シートの累積通紙枚数を計数することになる。
【0020】
転写ロールの交換時期を判断する手法としては、これ以外に、転写ロールの表面の反射光量を計測する光量センサを設け、かかる光量センサの出力信号が所定の閾値を跨いだことを条件とすることも可能である。転写ロールの表面素地は転写バイアスの累積印加時間が増加するにつれて荒れてくる傾向にあり、かかる転写ロールの表面の反射光を計測した場合に、その反射光量は使用時間の累積につれて徐々に低下してくる。従って、反射光量を光量センサで計測し、この光量センサの出力信号をチェックすれば、転写ロールに対する転写バイアスの累積印加時間を間接的に把握することができ、転写ロールの交換時期を判断することができるものである。
【0021】
一方、このように転写ロールの抵抗値を計測してその新旧を判別する手法は、交換後の転写ロールが適正な交換品か否か、換言すればサードパーティーによる不正な交換品か否かの判別にも利用することができる。しかし、転写ロールの材質や構造の違いにより、かかる転写ロールの抵抗の電圧に対する依存性は異なっており、例えば、交換後の転写ロールの抵抗値を一点の印加電圧のみで把握した場合に同一の抵抗値を示す場合であっても、異なる電圧を印加した場合には違う抵抗値を示す場合もある。従って、新たに装置本体に装着された転写ロールが適正な交換品か否かを正しく判別するためには、かかる転写ロールに対して複数段階の電圧又は電流を印加し、転写ロールの抵抗の印加電流や印加電圧に対する依存性(以下、「抵抗特性」という)を把握した後、この抵抗特性に基づいて交換後の転写ロールが適正交換品であるか否かを判断することが必要となる。
【0022】
また、このように画像形成装置本体に対して新たに装着した転写ロールが適正交換品か否かを判断した後、前述の構成を用いて交換後の転写ロールが新品であるか否かを判断することも可能である。
【0023】
更に、このように転写ロールの抵抗特性を把握するように構成した場合、予め数種類の転写ロールの抵抗特性を記憶させておくことにより、かかる抵抗特性の異なる数種類の転写ロールのうちから、いずれの転写ロールが画像形成装置本体に装着されたのかを見極めることも可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の画像形成装置を詳細に説明する。
図1は本発明を適用可能なフルカラーレーザビームプリンタMの一例を示すものである。このフルカラープリンタMは、画情報に応じた記録画像を記録シート上に形成する印字部10を有すると共に、この印字部10に対して記録シートを供給する給紙カセット20及び手差しトレイ30を備えている。
【0025】
印字部10には電子写真プロセスによりトナー像を形成するプロセスカートリッジ11が装着されると共に、このプロセスカートリッジ11に隣接してラスタ走査ユニット12が設けられている。かかるプロセスカートリッジ11にはイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKに対応した4本の感光体ドラムが含まれており、これら感光体ドラムは縦一列に配列されている。前記ラスタ走査ユニット12は各色の画情報に応じて変調された4本のレーザ光を発し、これらレーザ光は各色の感光体ドラムを夫々露光して、各感光体ドラム上に画情報に応じた静電潜像を形成する。一方、プロセスカートリッジ11の各感光体ドラムの周囲には、前記レーザ光による露光に先立って感光体ドラムを一様な背景部電位に帯電させる帯電ロール、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像器、感光体ドラムを清掃するクリーナが設けられており、電子写真プロセスによって各色の画情報に応じたトナー像を感光体ドラム上に形成する。尚、図中の符号13Y,13M,13C,13Kはプロセスカートリッジ11の各色現像器に対してトナーを補給するトナーカートリッジである。
【0026】
4本の感光体ドラムのうち、イエローY及びマゼンタMに対応した2本の感光体ドラムは第1の一次中間転写ドラム14に接しており、これら感光体ドラムに上に形成されたイエローY及びマゼンタMのトナー像は第1の一次中間転写ドラム14に一次転写される。また、シアンC及びブラックKに対応した2本の感光体ドラムは第2の一次中間転写ドラム15に接しており、これら感光体ドラムに上に形成されたシアンC及びブラックKのトナー像は第2の一次中間転写ドラム15に一次転写される。更に、第1及び第2の一次中間転写ドラム14,15は二次中間転写ドラム16と接しており、各一次中間転写ドラム14,15上に形成された2色の多重トナー像は二次中間転写ドラム16へ二次転写され、かかる二次中間転写ドラム16上で互いに重なり合って4色の多重トナー像が形成される。このようにして二次中間転写ドラム16上に転写された4色の多重トナー像は、最終転写ロール17によって記録シートPに転写される。
【0027】
記録シートPはプリンタ筐体1の下部に収納される給紙カセット20、あるいはプリンタ筐体1のフロント側に設けられた手差しトレイ30からプリンタの印字部10、具体的には二次中間転写ドラム16と最終転写ロール17との間の転写位置へ供給される。前記印字部10の下方には給紙装置5が設けられており、プリンタ筐体1は前記給紙装置5の装置筐体50に積み重ねられている。前記装置筐体50は略矩形状に形成されると共に、給紙カセット20を装着するための貫通孔を有しており、前記給紙カセット20は装置筐体50の貫通孔に対してフロント側(図1の紙面右側)から押し込んでセットするように構成されている。また、装置筐体50にセットされた給紙カセット20の上部には該カセット20内に収容された記録シートPを引き出すためのピックアップロール21が設けられると共に、記録シートPを給送する給紙ロール22、及びこの給紙ロール22に対向して記録シートPの重送を防止するリタードロール23が配設されている。
【0028】
一方、上記手差しトレイ30はプリンタのフロントカバーの一部として開閉自在に設けられており、使用する場合は図中の一点鎖線矢印に沿って手前に引き倒した手差しトレイ30の上に記録シートPをセットすると共に、手差しトレイ30の開放によって形成された手差し給紙口に記録シートPの先端部のみを差し込んで使用する。手差し給紙口の直ぐ内側には給紙ロール31及びこの給紙ロール31に圧接するリタードロール32が配設されており、これら給紙ロール31とリタードロール32の働きによって、手差しトレイ30上にセットされた記録シートPが一枚ずつ分離されてトナー像の転写位置へ供給される。
【0029】
このようにして給紙カセット20又は手差しトレイ30から供給された記録シートPは、転写ロール17の手前に配設されたレジストレーションロール18によってトナー像の転写タイミングに対する位置合わせがなされた後、二次中間転写ドラム16と転写ロール17との間に給送され、記録シートP上に画像情報に応じた4色の多重トナー像が転写される。そして、トナー像が転写された記録シートPは定着器19に挿通されてトナー像の定着がなされた後、排出ロール40を経て、プリンタ筐体1の上部に設けられた排紙トレイ1aにフェイスダウン状態で排出される。尚、図1中の符号41は両面プリント用のシート反転通路であり、定着器19から排出された記録シートPを引き戻してレジストレーションロール18へ再給送するように構成されている。
【0030】
図2はトナー像Tを二次中間転写ドラム16から記録シートPに転写するための転写部の構成を示すブロック図である。記録シートPを挟んで二次中間転写ドラム16と対向する最終転写ロール17は金属製の軸心の周囲を発泡ウレタンゴムで被覆すると共に、かかる発泡ウレタンゴムにイオン性導電剤を含浸させ、更に発泡ウレタンゴムの周囲をポイミドのチューブで被覆したものであり、転写電源50から転写バイアスの印加及び所定の電流の供給がなされるようになっている。従って、この最終転写ロール17に対してトナー像Tと逆極性の転写バイアスを印加して記録シートPの裏面に電荷を付与すると、かかる記録シートPと二次中間転写ドラム16との間に転写電界が形成され、二次中間転写ドラム16上に保持されていたトナー像Tは記録シートPに静電転写される。
【0031】
トナー像Tを記録シートPに対して常に一定の転写効率で良好に転写するためには、最終転写ロール17と二次中間転写ドラム16との間に一定の強度の転写電界を形成する必要があるが、前述した構成の最終転写ロール17の抵抗値は環境によって大きく変動し、例えば、高温高湿環境(28℃、85%RH環境)と低温低湿環境(10℃、15%RH環境)とで106 〜1010Ω程度の変動を示す。このように、一定強度の転写バイアスの下で最終転写ロール17の抵抗値が変動すると、転写電界の強度も変動することになり、トナー像Tの転写効率に影響が及ぶことになる。
【0032】
本実施例のプリンタではこのような最終転写ロール17の抵抗値の変動にも拘わらず、常に良好な転写トナー像を得るため、プリントジョブが未だ開始されないプリンタの主電源の投入時やプリントジョブの合間等に、転写電源50より一定電圧を最終転写ロール17に対して印加すると共に、かかる最終転写ロール17と二次中間転写ドラム16との間における出力電流値を電流計51で計測し、この計測値を参照することでそのときの最終転写ロール171の抵抗値をモニタしている。すなわち、この電流計51が本発明における計測手段に相当する。尚、ここでは一定電圧を最終転写ロール17に対して印することにより、かかる最終転写ロール17の抵抗値をモニタしているが、一定電流を最終転写ロール17に対して通電し、そのときの出力電圧値を計測することにより、最終転写ロール17の抵抗値をモニタするように構成することもできる。
【0033】
そして、モニタされた抵抗値に基づいて印加バイアス決定手段52が以降のプリントジョブで使用すべき最適な大きさの転写バイアスを決定すると共に、この値が転写電源50に設定され、この転写バイアスをもって二次中間転写ドラム16から記録シートPへトナー像Tの転写が行われるようになっている。前記印加バイアス決定手段52はMCU(Microprogram Control Unit )で構成されており、内蔵ROMには最終転写ロール17の抵抗値に応じた最適な転写バイアス電圧を設定するための転写バイアステーブルが予め格納されている。従って、印加バイアス決定手段52は計測された電流値から最終転写ロール17の抵抗値をモニタし、このモニタされた抵抗値に基づいてROM内の転写バイアステーブルを参照することで、その時の最適な大きさの転写バイアスを導き出す。尚、上記電流計51で出力電流値を計測すれば、最終転写ロール17の抵抗値をモニタしたと考えられることから、上記ROM内に格納された転写バイアステーブルは実際には最終転写ロール17の抵抗値と転写バイアスとの関係で作成されておらず、計測した出力電流値から直接転写バイアスを導き出せるように構成されている。
【0034】
一方、最終転写ロール17の抵抗値は経時的な使用によって上昇する傾向にあり、特に高温高湿環境よりも抵抗値が高くなる傾向にある低温低湿環境では過大な抵抗となり、印加する転写バイアスの大きさを調整しても該転写ロール17を使いこなすことは次第に困難となってくる。このため、前記最終転写ロール17はその周面を清掃するクリーナ(図示せず)と共に転写ロールユニットUとして構成されており、プリンタ筐体1に対して自在に着脱して交換することができるようになっている。この転写ロールユニットUの交換寿命は、転写ロール17に対する転写バイアスの累積的な通電時間を計数カウンタ53でカウントし、かかるカウンタ53の計数値が所定の値に達したか否かに基づいて判断される。あるいは、転写バイアスの通電時間ではなく、これに略等価なパラメータとして、転写ロール17に対する記録シートPの累積通紙枚数を用いることもできる。
【0035】
計数カウンタ53でカウントされた計数値は、前記印加バイアス決定手段52と同一のMCUで構成された判別手段54に入力され、かかる判別手段54において転写ロールユニットUの交換に関する一連の処理が行われる。図3は前記判別手段54における転写ロールユニットUの交換における処理手順を示すものである。先ず、前記判別手段54は前記計数カウンタ53の計数値を読み込み、かかる計数値、すなわち最終転写ロール17に対する転写バイアスの通電時間の累積値が所定値に達したか否かをチェックする(ST1)。計数値が所定値を超えたと判断される場合、前記判別手段54はプリンタ筐体1に設けられたユーザインターフェースとしての液晶表示部55に対して転写ロールユニットUの交換を促すメッセージを表示させ、あるいは当該プリンタと接続されたコンピュータと通信して、かかるコンピュータのディスプレイに該メッセージを表示させる。そして、転写ロールユニットUの有無を検知するセンサ(図示せず)の出力信号を読み込むことにより、ユーザが転写ロールユニットUの取り外し及び装着、すなわち転写ロールユニットUの交換を行ったか否かをチェックする(ST2)。転写ロールユニットUの交換が行われたと判断されたなら、転写電源50から最終転写ロール17に対して1000Vの定電圧を印加し、最終転写ロール17と二次中間転写ドラム16との間に流れる電流値を計測すると共に、かかる計測値から最終転写ロール17の抵抗値を把握する(ST3)。
【0036】
一方、最終転写ロール17の抵抗値は温度及び湿度によっても変動することから、前記判別手段は環境センサ56からプリンタ筐体1内の温度及び湿度に関するデータを読み込み、筐体1内の環境が低温低湿環境、高温高湿環境、常温常湿環境のいずれにあるのかをチェックする。図4は、使用開始前の新品の最終転写ロールと、既に使用した走行品の転写ロールの抵抗値を比較したグラフである。横軸は環境変動を示しており、紙面の右に進むほど低温低湿環境を示している。新品の最終転写ロールと走行品の最終転写ロールとでは、いずれの環境においても走行品の最終転写ロールが高い抵抗を示している。前述の如く転写ロールは転写バイアスの印加時間の累積値が大きくなるにつれ、高い抵抗を示すから、交換を促すメッセージが表示される程に使用した最終転写ロールと新品の最終転写ロールとでは、その抵抗値に大きな隔たりが存在することになる。従って、ST3において把握した抵抗値が新品転写ロールの抵抗値との関係から予め決定してある閾値R1以下であるか否かをチェックすることにより、ユーザによって新たに装着された転写ロールユニットUが新品であるか、あるいは既に使用された履歴のある走行品かを判別することが可能となる。このようにして環境センサ56の出力信号を参照しながら最終転写ロール17の抵抗値が所定の閾値R1以下か否かをチェックし(ST4)、閾値R1以下であると判断される場合には、転写ロールユニットUが新品であると考えられるから、計数カウンタ53の計数値をクリアし(ST5)、転写ロール17の交換における新旧品の判別処理を終了する。これにより、計数カウンタ17は装着された新品の転写ロールユニットUに関し、次のプリントジョブから転写バイアスの印加時間の累積値を新たに計数し直すことになる。一方、新たに装着された最終転写ロール17の抵抗値が閾値R1を上回っていると判断される場合には、一旦取り外された元の転写ロールユニットがそのまま装着されたか、あるいは既に使用履歴のある走行品の転写ロールユニットが装着されたと考えられることから、新品の転写ロールユニットUの装着を促す警告メッセージを液晶表示パネル55に表示させ(ST6)、転写ロールユニットUが再度交換されるのを待つことになる。尚、警告メッセージはこのプリンタと接続されたコンピュータのディスプレイに表示させるようにしても良い。
【0037】
図3のフローチャートでは、転写ロールユニットUの交換が必要か否かの判断に関し、最終転写ロール17に対する転写バイアスの通電時間の累積値を用いたが、最終転写ロール17に対してその表面の反射光量の強度を測定する光量センサを設け、この光量センサの出力信号の変化を利用して、転写ロールユニットUの交換寿命の判断を行うように構成することも可能である。最終転写ロール17に対する転写バイアスの累積通電時間が増大するにつれ、最終転写ロール17の表面は荒れてくる傾向にあるので、かかる表面をLED素子等を用いて照明し、その反射光をフォトダイオード等の光電変換素子で受光すると、光電変換素子の出力信号は最終転写ロール17の経時的な使用と共に徐々に低下してくることになる。従って、前記光電変換素子を備えた光量センサの出力信号が所定の閾値を跨いだか否かを条件とすれば、最終転写ロール17に対する転写バイアスの累積通電時間を間接的に計測することができ、転写ロールユニットUの交換時期を判断することができる。特に、カラープリンタでは記録画像の色再現性や階調を画情報と正確に合致させるため、プリントジョブの合間等に濃度コントロールのための基準トナー像を形成し、かかるトナー像の反射光量を光量センサで読み込んでいる場合が多々あり、そのような濃度コントロールのための光量センサが最終転写ロール17に対して設けられていれば、新たな光量センサを設けることなく、最終転写ロール17の交換寿命を判断することが可能となる。
【0038】
一方、図3に示した転写ロールユニットUの判別処理手順では、使用履歴のある走行品が装着された場合に、新品の装着を促す警告メッセージが表示されるので、例えばユーザの手元に新品の転写ロールユニットUが存在せず、新たに発注した転写ロールユニットUが手元に届くまでの間、やむを得ず同機種の他のプリンタから取り外してきた転写ロールユニットUを一時的に装着しようとしても、前記警告メッセージが表示されてしまって、プリントジョブを実行することができないといった不都合がある。従って、そのような不都合を回避するという観点からすれば、既に使用履歴の存在する走行品が装着された場合であっても、交換が必要となる程の使用履歴さえ存在しなければ、交換後の転写ロールユニットUをそのまま使用してプリントジョブを行えるようにするのが好ましいと言える。
【0039】
図5は使用履歴の存在する転写ロールユニットUがプリンタ筐体1に装着された場合に、かかるユニットUを使用する際の処理手順を示すものである。転写ロールユニットUの交換の要否の判断、交換がなされたか否かの判断、転写ロール17の抵抗値の把握、装着された転写ロールユニットUが新品であるか否かの判断、新品であると判断した場合の処理については、図3のST1〜ST5と同一なので、ここではフローチャート中に同一の符号を付してその説明は省略し、ST4で新たに装着された最終転写ロール17の抵抗値が閾値R1を上回っていると判断された場合について説明する。
【0040】
ST4で新たに装着された最終転写ロール17の抵抗値が閾値R1を上回っていると判断された場合、次にST3で把握した最終転写ロール17の抵抗値が閾値R2以下であるか否かをチェックする(ST10)。ここでの閾値R2は、ST1において交換が必要と判断された際の最終転写ロールの抵抗値と略同等であり、ST4において用いられた閾値R1に比べて充分に大きな抵抗値である。交換後の最終転写ロールに関してST3で把握された抵抗値が閾値R2以下であると判断された場合には、交換後の転写ロールユニットは新品ではないものの、最終転写ロールの寿命は残存しているものと考えられることから、新品への交換を促す警告メッセージを表示せず、そのまま次のプリントジョブを許可する。しかし、このように使用履歴のある転写ロールユニットUが装着された場合にその使用を許可しても、この転写ロールユニットUの最終転写ロールの抵抗値は新品のそれに比べて上昇していると考えられることから、かかる転写ロールユニットの寿命は新品のものに比べて短いものとなる。従って、判別手段54はST3で把握した抵抗値に基づき、装着された最終転写ロール17に対する転写バイアスの累積通電時間を推測する。判別手段54を構成するMCUのROMには予め最終転写ロール17の抵抗値とそれに対応する転写バイアスの累積通電時間の推測値とがテーブルとなって格納されており、判別手段54はこのテーブルから転写バイアスの累積通電時間を読み出す(ST11)。そして、前記計数カウンタ53の計数値を一旦クリアしてから、読み出した累積通電時間を計数カウンタにセットする(ST12)。これにより、計数カウンタ53の計数値は新たに装着された転写ロールユニットUの使用履歴に合致して補正されたことになり、次のプリントジョブからは転写バイアスの累積通電時間をST12においてセットされた計数値から加算してカウントすることになる。従って、走行品の転写ロールユニットUを装着した場合であっても、かかる転写ロールユニットUによるプリントジョブを許可し、更にこの転写ロールユニットUの寿命を正確に判断することが可能となる。
【0041】
尚、図5中のST10において、ST3で把握された抵抗値が閾値R2を上回っていると判断された場合には、新たに装着された転写ロールユニットUに内蔵される最終転写ロール17は更なる使用に耐えられないものと判断し、新品の転写ロールユニットUの装着を促す警告メッセージを液晶表示パネル55に表示させ(ST11)、転写ロールユニットUが再度交換されるのを待つことになる。
【0042】
このように最終転写ロール17の抵抗値を把握して、交換後の転写ロールユニットUが新品であるか否かを判別する手法は、交換後の転写ロールユニットUがプリンタの機種に合致した適正品か、あるいはサードパーティーによる不正品であるかの判断にも応用することができる。
【0043】
図6はその判断処理手順を示すフローチャートである。この処理手順においても、転写ロールユニットUの交換の要否の判断、交換がなされたか否かの判断については、既に説明してきた図3又は図5のST1〜ST2と同一である。転写ロールユニットUが交換されたと判断されたならば、判別手段54は転写電源50から新たに装着された最終転写ロール17に対して電圧を印加させ、最終転写ロール17と二次中間転写ドラム16との間に流れる電流値を測定することにより、印加電圧に対する最終転写ロール17の抵抗値を把握する。但し、抵抗値は1点のみ把握するのではなく、印加電圧を変化させながら、これら印加電圧に対応する抵抗値を把握し、印加電圧に対する最終転写ロール17の抵抗値の変化、すなわち該抵抗値の印加電圧に対する依存性を示す抵抗特性として把握する(ST20)。最終転写ロール17の抵抗値は図4に示したように温度及び湿度といった環境要因によっても変動するが、印加電圧によっても変動し、印加電圧に対する抵抗値の変化は最終転写ロール17の材質や構造によっても異なったものとなる。従って、異なる材質又は構造からなる2種類の最終転写ロールA及びBが存在する場合、図7に示すように、これら最終転写ロールA、Bの電圧依存性を示す特性線はその傾きが異なったものとなる。このため、抵抗特性線の傾きを比較すれば、異なる材質又は構造からなる最終転写ロールを区別することが可能となる。
【0044】
このことから、ST20で最終転写ロール17の抵抗特性を計測したならば、判別手段54はROMから適正品ユニットUの最終転写ロール17の抵抗特性線の傾きを読み出し、計測した抵抗特性線の傾きが適正品ユニットUの最終転写ロール17のそれと合致しているか否かをチェックする(ST21)。ここで、両者の傾きが合致しない場合は、交換した転写ロールユニットUがこのプリンタに適合した適正品ではなく、サードパーティーによる不正品であると考えられることから、表示パネル55に対して、転写ロールユニットUが適正品と異なる旨を告げる警告メッセージを表示させる(ST22)。一方、両者の傾きが合致した場合は、交換した転写ロールユニットUがこのプリンタに適合した適正品であると考えられるから、更にこの適正品である転写ロールユニットが新品であるか否かをチェックする(ST23)。新たに装着した転写ロールユニットUが新品であるか否かの判断は、図3のST4における判断と同じてあり、例えば印加電圧1000Vに対応して計測した最終転写ロール17の抵抗値を所定の閾値R1と比較して行う。そして、かかる抵抗値が閾値R1以下であると判断される場合には、転写ロールユニットUが新品であると考えられるから、計数カウンタ53の計数値をクリアし(ST24)、転写ロール17の交換における適正品及び新旧品の判別処理を終了する。一方、かかる抵抗値が閾値R1を上回っていると判断される場合には、新品の転写ロールユニットUの装着を促す警告メッセージを液晶表示パネル55に表示させ(ST25)、転写ロールユニットUが再度交換されるのを待つことになる。
【0045】
更に、このように最終転写ロール17の抵抗特性を把握して、交換後の転写ロールユニットU適正品であるか否かを判別する手法を利用すれば、1種類のプリンタに対して交換可能な数種類の転写ロールユニットUが用意されている場合に、いずれの転写ロールユニットUが装着されたのかを判別することが可能となる。例えば、プリンタの開発が完了し、実際に市場に出荷された始めた後に、加工性や電気抵抗の調整に優れた安価な材質が開発され、かかる材質を転写ロールに採用したい場合がある。そのような場合に、新たな材質からなる転写ロールを組み込んだ転写ロールユニットUを出荷し、それを既にユーザによって使用されているプリンタに装着することができると便利である。従って、材質や構造の異なる数種類の最終転写ロールを選択的に使用するというニーズは現実に存在する。その反面、前述の如く、最終転写ロールに印加する転写バイアスは、所定の電圧に対する最終転写ロールの抵抗値を把握した後、MCUのROMに格納されている転写バイアステーブルを参照することにより、把握した抵抗値に最適な転写バイアスを選択することにより行われている。従って、プリンタ筐体に装着された転写ロールユニットの種類が判別できれば、MCUのROM内に数種類の転写ロールユニットに対応した転写バイアステーブルを予め用意しておくことにより、自動的に最適な転写バイアステーブルを選択し、かかる転写バイアステーブルから選び出した最適な転写バイアスを印加してトナー像の転写を行うことが可能となる。
【0046】
尚、転写ロールの抵抗特性はその材質や構造等によって異なったものとなるが、その抵抗値の調整方法としては、一般的に、1)導電性を有するカーボンを転写ロールの形成材料に加える、2)イオン導電剤を転写ロールの形成材料に加える、3)カーボンとイオン導電剤の双方を転写ロールの形成材料に加える、の3方法が考えられ、いずれの調整方法でも転写ロールの電気抵抗は適用されるプリンタに最適な値に調整される。例えば、この実施例に記載のプリンタの最終転写ロールに用いるのであれば常温常湿環境下で108 Ω程度に調整されることになる。従って、プリンタの市場出荷開始後に新たに開発された転写ロールであっても、その抵抗特性は前述の3タイプに大きく分類することができ、この3タイプに対応した転写バイアステーブルを予めプリンタのMCUのROMに格納しておけば、事後的に市場に投入された転写ロールユニットUであっても、既にユーザが使用しているプリンタに装着して使用することが可能となる。
【0047】
図8は、プリンタ筐体に装着可能な2種類の転写ロールユニットA及びBのうち、どちらの転写ロールユニットが装着されたのかを判断するための処理手順を示すフローチャートである。この処理手順においても、転写ロールユニットUの交換の要否の判断、交換がなされたか否かの判断、装着された最終転写ロールの抵抗特性の計測については、既に説明した図6のST1、ST2、ST20、ST21と同一である。次に、判別手段54はROMから転写ロールユニットAの最終転写ロール17の抵抗特性線の傾きを読み出し、計測した抵抗特性線の傾きが転写ロールユニットAの最終転写ロール17のそれと合致しているか否かをチェックする(ST30)。ここで、両者の傾きが合致した場合は、交換した転写ロールユニットUがこのプリンタに適合した適正品のユニットAであると考えられるから、印加バイアス決定手段52はROMから転写ロールユニットAに特化した転写バイアステーブルを読み出し(ST31)、以降のプリントジョブではこの転写バイアステーブルを使用して転写バイアスの決定を行う。一方、両者の傾きが合致しない場合は、交換した転写ロールユニットUがこのプリンタの適正交換品の一つであるユニットAではないと考えられることから、更に、判別手段54はROMから転写ロールユニットBの最終転写ロール17の抵抗特性線の傾きを読み出し、計測した抵抗特性線の傾きが転写ロールユニットBの最終転写ロール17のそれと合致しているか否かをチェックする(ST32)。そして、両者の傾きが合致した場合は、交換した転写ロールユニットUがこのプリンタに適合した適正品のユニットBであると考えられるから、印加バイアス決定手段52はROMから転写ロールユニットBに特化した転写バイアステーブルを読み出し(ST33)、以降のプリントジョブではこの転写バイアステーブルを使用して転写バイアスの決定を行う。また、両者の傾きが合致しない場合は、交換した転写ロールユニットUがこのプリンタに適合した適正品の転写ロールユニットA及びBのいずれでもなく、サードパーティーによる不正品であると考えられることから、表示パネル55に対して、転写ロールユニットUが適正品と異なる旨を告げる警告メッセージを表示させ(ST34)、転写ロールユニットUが再度交換されるのを待つことになる。
【0048】
尚、この図8に示した例では、転写バイアステーブルの選択のみにST30又はST32における判別結果を利用したが、かかる判別結果を他の画像形成条件、例えば感光体ドラムの背景部電位や、一次中間転写ドラム14,15、二次中間転写ドラム16の印加電圧等に反映させても良い。
【0049】
このように、本発明では転写ロールユニットが交換された際に、かかるユニットの最終転写ロールの抵抗値又は抵抗特性を把握し、それを新品の転写ロールユニット、適正品の転写ロールユニットのそれと比較することにより、交換によって装着された転写ロールユニットが新品であるか否か、適正品であるか否かを判別することができるものである。その際、転写ロールユニットには使用履歴や製造情報等を記録しておくためのメモリが必要とされず、かかる転写ロールユニットの小型化及びコストダウンを図ることができるものである。また、最終転写ロールの抵抗値を計測するために必要なハードウェアは、最適な転写バイアスを転写ロールに印加することを目的として本来的に具備しているプリンタが多く、本発明を適用するに当たっても、転写ロールユニットが装着されるプリンタ筐体側に新たなハードウェアが必要となることはない。従って、本発明は極めて安価に実施することができるものである。
【0050】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の画像形成装置によれば、新たに画像形成装置本体に装着された転写ロールの抵抗値を把握し、この把握した抵抗値と予め記憶されている新品転写ロールの抵抗値、または適正品の転写ロールの抵抗値とを比較することにより、簡易且つ安価な構成で転写ロールユニットの交換時における新旧ユニットの判別を行い得ると共に、交換後に装着した転写ロールユニットが適正交換品であるか否かを判断することが可能であり、更には、適正品の転写ロールユニットが数種類存在する場合に、いずれの転写ロールユニットが装着されたのかを簡易且つ安価な構成で判別することができ、装着された転写ロールユニットに最適な画像形成条件を用いて記録画像の形成を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したフルカラーレーザビームプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】 最終転写ロールの交換に関する判別処理を行うための構成を示すブロック図である。
【図3】 交換後の転写ロールユニットが新品であるか否かを判別するための処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 新品の転写ロールと使用履歴のある走行品の転写ロールの抵抗値を比較したグラフである。
【図5】 交換後の転写ロールユニットが走行品であると判断された場合に、かかる転写ロールユニットを使用可能とするための処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 交換後の転写ロールユニットが適正品であるか否かを判別するための処理手順を示すフローチャートである。
【図7】 材質又は構造が異なる2種類の転写ロールA及びBの抵抗特性の違いを示すグラフである。
【図8】 交換可能な適正品の転写ロールユニットが2種類存在する場合に、いずれの転写ロールユニットが装着されたかを判別するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…プリンタ筐体、16…二次中間転写ドラム、17…最終転写ロール

Claims (7)

  1. トナー像を中間転写体又は記録シートに静電転写する転写ロールを備えると共に、かかる転写ロールが装置本体に対して交換自在に設けられた画像形成装置において、
    交換後の転写ロールの抵抗値を把握する計測手段と、把握した抵抗値に基づいて交換後の転写ロールが新品であるか否かを判断する判別手段とを備え
    前記判別手段は、
    装置本体に装着されている転写ロールに対する通電時間又は通紙枚数を累積計数するカウンタを備え、かかるカウンタの計数値が所定の値に達したことを条件として、前記装置本体のユーザインターフェースに対して転写ロールの交換メッセージを表示させるとともに、
    交換後の転写ロールが走行品であると判断した場合に、前記計測手段で把握される抵抗値に対応して予め設定されている累積通電時間又は累積通紙枚数の推測値を前記カウンタにセットすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記判別手段は転写ロールの設置された雰囲気の温度及び湿度を測定する環境センサを具備するとともに、予め設定される温度及び湿度で区分された環境区分に応じた転写ロールの抵抗値が記憶されており、
    前記環境センサの測定結果から環境区分を判別し、前記計測手段で把握される抵抗値とその判別された環境区分の抵抗値に基づいて前記累積通電時間又は累積通紙枚数の推測値を選定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記判別手段は、交換後の転写ロールが新品であると判断される場合には、前記カウンタの計数値をクリアすることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. トナー像を中間転写体又は記録シートに静電転写する転写ロールを備えると共に、かかる転写ロールが装置本体に対して交換自在に設けられた画像形成装置において、
    交換後の転写ロールが新品であるか否かを判断する判別手段とを備え、
    前記判別手段は、装置本体に装着されている転写ロールの表面の反射光量を計測する光量センサを備え、かかる光量センサの出力信号が所定の閾値を跨いだことを条件として、前記装置本体のユーザインターフェースに対して転写ロールの交換メッセージを表示させることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記計測手段は、交換後の転写ロールに対して複数段階の電圧又は電流を印加して該転写ロールの抵抗特性を把握し
    前記判別手段は、前記計測手段で把握した抵抗特性に基づいて交換後の転写ロールが適正交換品か否かを判断することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  6. 前記判別手段は、交換後の転写ロールが不正交換品であると判断した場合に、前記装置本体のユーザインターフェースに対して警告メッセージを表示させることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  7. 前記転写ロールは、抵抗特性の異なる数種類の転写ロールのうちからいずれか一つを選択して前記装置本体に装着し得るように構成され、
    前記判別手段は、前記計測手段で把握した抵抗特性に基づいて交換後の転写ロールの種類を識別するとともに、その識別結果に応じて画像形成条件を設定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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