JP4341273B2 - セメント用添加剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定のポリエーテル化合物を含有するセメント用添加剤および該セメント用添加剤を含有するセメント組成物に関する。さらに、本発明は、特定のポリエーテル化合物を含有するセメント用添加剤、特定のポリエーテル化合物とポリカルボン酸系化合物を含有するセメント用添加剤およびセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート等に代表されるセメント組成物は、施工性、強度、耐久性に優れており、また、安価で大量に生産が可能なことから建築材料として大量に使用されてきた。セメント組成物の製造は、材料を混合し硬化する前の組成物を型枠等に注入し、振動機等で脱泡することで型枠内等に細密に充填する方法が一般的である。
一方、セメント組成物には、施工性、耐久性、品質等の面から、殆どの場合で空気連行剤、減水剤などのセメント用添加剤が用いられている。特に、近年のセメント組成物、特にコンクリートに対する高強度化、高耐久性の要求が高まっており、練り混ぜ水量の低減を目的にポリカルボン酸系をはじめとする高性能(AE)減水剤を使用する機会が増えている。
しかしながら、これらの添加剤を用いたコンクリート等のセメント組成物では、水量の低減等により組成物の硬化前の粘性が高まり、打設時に振動機等での脱泡を行っても硬化後の表面に気泡痕や空隙が残るなどの問題がある。特に硬化表面の意匠性を高めた構造物や、二次製品などでは空隙や気泡痕を補修する作業が必要となり問題となっている。
これらの問題を解決する目的で、セメント組成物を打設する型枠表面に塗布する水系の離型剤中に非イオン系界面活性剤と撥水性の強いアルキルケテンダイマーを添加し、硬化後のセメント組成物の表面気泡を低減させる方法(例えば、特許文献1参照)、セメント組成物にジアルキルスルホコハク酸塩、アルコール類、アミンオキシド類などを添加し、未硬化セメント組成物の表面張力を低下させることにより、硬化後のセメント組成物表面の気泡を低減させる方法(例えば、特許文献2、特許文献3および特許文献4参照)、セメント組成物にポリエチレングリコール類にプロピレンオキシドをブロック状に付加させた特定のポリアルキレングリコール誘導体を添加し、硬化後のセメント組成物表面の気泡痕を低減させる方法(例えば、特許文献5参照)が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−305608号公報 2頁〜3頁
【特許文献2】
特開昭61−163158号公報 1頁〜2頁
【特許文献3】
特開平1−131041号公報 1頁〜2頁
【特許文献4】
特開平4−170346号公報 1頁〜2頁
【特許文献5】
特開平11−199290号公報 1頁〜2頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、離型剤中に各種界面活性剤を添加する方法では、離型剤の塗布面については表面の美観性の向上はあるもののその効果は充分ではない。
また、セメント組成物に使用する添加剤や未硬化のセメント組成物に各種界面活性剤を添加する方法では、表面の美観性の向上はあるものの充分とは言えず、表面美観の優れた硬化後のセメント組成物を得るという点では不充分なものである。また、水溶液中での保存安定性が悪いため、保管中に濃度が不均一となったり、分離が起こったりするなどの問題があり、安定した性能を発揮できない。
本発明は、硬化後のセメント組成物表面の美観を優れたものにし、かつ、水溶液中での保存安定性に優れたセメント用添加剤の提供を目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、以下に示されるものである。
(1) 式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)を含有することを特徴とするセメント用添加剤。
【0006】
【化6】
Figure 0004341273
【0007】
(ただし、式中、Zは窒素原子に結合した活性水素を2〜12個持つ2個以上の窒素原子を有する化合物の残基、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数でn=1〜150であり、R1は炭素数1〜22の炭化水素基またはアシル基であり、a=1〜11、b=1〜11、かつ2≦a+b≦12である。)
(2) 前記の式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)1〜95重量%およびポリカルボン酸系化合物(B)5〜99重量%とからなるセメント用添加剤。
(3) ポリカルボン酸系化合物(B)が式(2)で示されるポリアルキレングリコールエ−テルに基づく構成単位(ア)50〜99重量%、式(3)で示されるジカルボン酸または無水マレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である前記のセメント用添加剤。
【0008】
【化7】
Figure 0004341273
【0009】
(ただし、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R5は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R6は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基、A2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、pは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数でp=1〜150である。)
【0010】
【化8】
Figure 0004341273
【0011】
(ただし、Xは−OM2または−Y−(A3O)r7〔式(4)〕を表し、M1およびM2はそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表し、Yはエーテル基またはイミノ基を表し、R7は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基、A3Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、rは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数でr=1〜150である。)
(4) ポリカルボン酸系化合物(B)が式(5)で示されるポリアルキレングリコールエステルに基づく構成単位(エ)50〜99重量%、式(6)で示されるモノカルボン酸に基づく構成単位(オ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である前記のセメント用添加剤。
【0012】
【化9】
Figure 0004341273
【0013】
(ただし、R8は水素原子またはメチル基を表し、R9は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基を表し、A4Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、sは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数でs=1〜150である。)
【0014】
【化10】
Figure 0004341273
【0015】
(ただし、R10は水素原子またはメチル基を表し、M3は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表す。)
(5)前記のセメント用添加剤、骨材、水およびセメントからなるセメント組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のセメント用添加剤は、式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)を含有するものである。
式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)において、Zは窒素原子に結合した活性水素を2〜12個持つ2個以上の窒素原子を有する化合物の残基である。窒素原子に結合した活性水素を2〜12個持つ2個以上の窒素原子を有する化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミン;N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N−メチルジエチレントリアミン、N,N’−ジメチルジエチレンテトラミン、N,N’,N’’−トリメチルジエチレントリアミン等のN−アルキルポリアルキレンポリアミン;H2N−C36O−(A5O)q−C36−NH2(ただし、A5Oは炭素数2〜3のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、qは炭素数2〜3のオキシアルキレン基の平均付加モル数でq=1〜50である。)で表されるポリオキシアルキレン基を有するポリアミンおよびそれらのN−アルキル化物;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、メチルイミノビスプロピルアミンなどがあげられ、Zを残基とする化合物の活性水素の数が多くなると、必要なオキシアルキレン基の付加反応が困難となるので、この数は12を超えないことが好ましい。
【0017】
好ましくは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、α−(3−アミノプロピル)−ω−(3−アミノプロポキシ)−ポリ(q=1〜50)オキシエチレン、α−(3−アミノプロピル)−ω−(3−アミノプロポキシ)−ポリ(q=1〜50)オキシプロピレンである。さらに好ましくはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、α−(3−アミノプロピル)−ω−(3−アミノプロポキシ)−ポリ(q=1〜50)オキシプロピレンである。なお、用いられる窒素原子に結合した活性水素を2〜12個持つ2個以上の窒素原子を有する化合物が単一化合物ではなく混合物である場合は、それらが有する活性水素の数は平均値で表され、必ずしも整数であるとは限らない。
【0018】
式(1)のA1Oで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などがあり、オキシプロピレン基としては、1,2−オキシプロピレン基が好適であり、オキシブチレン基としては、1,2−オキシブチレン基、2,3−オキシブチレン基が好適である。A1Oとして、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。オキシアルキレン基の炭素数が4を超えると、R1として、炭素数1〜22の炭化水素基またはアシル基の導入が困難となる場合があるので好ましくない。A1Oで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基は、1種でも2種以上でも良く、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良い。Zの種類にもよるが、2種以上の場合は、ブロック状の方が好ましい。
【0019】
式(1)のR1は、炭素数1〜22の炭化水素基またはアシル基であり、炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソトリドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ドコシル基、フェニル基、ベンジル基、クレジル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、ブチル基などの炭素数1〜4の炭化水素基である。アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基等の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸に由来するアシル基が挙げられ、好ましくは、炭素数8〜18のアシル基であり、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、オレオイル基が挙げられる。
1で示される炭化水素基またはアシル基の炭素数が22を超えると、式(1)のA1Oで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基への導入が困難なため好ましくない。
【0020】
また、a=1〜11、b=1〜11、かつ2≦a+b≦12である。このように限定されるのは、式(1)のA1Oで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基の末端にあるすべての基が同時に水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基またはアシル基の場合には本発明の効果が得られないためである。A1O末端にあるすべての基が水素原子であると、硬化後のセメント組成物表面の美観向上効果が優れないため好ましくない。また、A1O末端にあるすべての基が炭素数1〜22の炭化水素基またはアシル基であると、硬化後のセメント組成物表面の美観向上効果は優れるものの、水溶液中での保存安定性が優れないため好ましくない。
水溶液中での安定性と表面美観の効果のバランスから、R1の炭素数が6以下の場合にはa≧bであることが好ましく、R1の炭素数が6を超える場合にはa≦bであることが好ましい。また、Zの窒素原子に結合した活性水素は12個以下であり、a=1〜11、b=1〜11であるためaとbの和が12を超えることはない。aとbの和が12を超えると、式(1)のA1Oで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基の付加や、R1で示される炭化水素基またはアシル基の導入が困難となるため好ましくない。
式(1)におけるnは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数1〜150であり、好ましくは5〜50である。これらの値が150を超えると高粘度となるため製造が困難となり好ましくない。
また、式(1)で示される化合物の分子量は、500〜30,000であり、好ましくは1,000〜15,000である。
【0021】
本発明に用いるポリカルボン酸系化合物としては、マレイン酸−スチレンスルホン酸塩の共重合物またはその塩、無水マレイン酸−スチレン共重合物、その加水分解物またはその塩、無水マレイン酸−オレフイン共重合物、その加水分解物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アリルエーテル−マレイン酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルキルモノ(メタ)アリルエーテル−無水マレイン酸共重合物、その加水分解物またはその塩等が挙げられる。
【0022】
この中でも、以下の共重合体のいずれかを用いることが好ましく、混合して用いてもよい。
1)式(2)で示されるポリアルキレングリコールエーテルに基づく構成単位(ア)50〜99重量%と、式(3)で示されるジカルボン酸または無水マレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体
その中でもより好ましくは、以下の共重合体である。
式(2)で示されるポリアルキレングリコールエーテルに基づく構成単位(ア)80〜99重量%と、式(3)で示されるジカルボン酸または無水マレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜20重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜10重量%を有する共重合体
2)式(5)で示されるポリアルキレングリコールエステルに基づく構成単位(エ)50〜99重量%と式(6)で示されるモノカルボン酸に基づく構成単位(オ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体
その中でもより好ましくは、以下の共重合体である。
式(5)で示されるポリアルキレングリコールエステルに基づく構成単位(エ)80〜99重量%と式(6)で示されるモノカルボン酸に基づく構成単位(オ)1〜20重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜10重量%を有する共重合体
【0023】
式(2)において、R2、R3およびR4は水素原子またはメチル基である。
式(2)、式(4)および式(5)において、A2O、A3OおよびA4Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基またはオキシプロピレン基であり、より好ましくはオキシエチレン基である。
5は炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基があり、プロピレン基としては、1,2−プロピレン基が好適であり、ブチレン基としては、1,2−ブチレン基、2,3−ブチレン基が好適である。R5の炭素数が4を超えると製造が困難なため好ましくない。
pは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の付加モル数であり、1〜150であり、好ましくは10〜100である。
【0024】
式(3)のXは−OM2または−Y−(AO)r7〔式(4)〕である。Yはエーテル基またはイミノ基であり、エーテル基は−O−を表し、イミノ基は−NH−を表す。
式(3)および式(6)のM1、M2およびM3は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムである。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムが挙げられる。
有機アンモニウムとしては、有機アミン由来のアンモニウムであり、有機アミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン;メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミンが挙げられ、好ましくはモノエタノールアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミンである。
【0025】
式(2)、式(4)および式(5)のR6、R7およびR9は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基であり、炭素数1〜22の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ドコシル基、フェニル基、ベンジル基、クレジル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ナフチル基等がある。 好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基など炭素数1〜4の炭化水素基である。R6、R7およびR9で示される炭化水素基の炭素数が22を超えると、ポリカルボン酸系化合物(B)の親水性が十分でなくなるので好ましくない。
式(5)および式(6)において、R8およびR10は水素原子またはメチル基である。
式(4)において、rは1〜150であり、好ましくは1〜100である。
式(5)において、sは1〜150であり、好ましくは1〜100である。
【0026】
ポリカルボン酸系化合物において、共重合可能な他の単量体としては、アクリル酸またはその塩、メタクリル酸またはその塩、アリルスルホン酸またはその塩、メタリルスルホン酸またはその塩、p−スチレンスルホン酸またはその塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、イソブチレン等が挙げられる。共重合可能な他の単量体に基づく構成単位は要求される性能等に応じて有していても、なくともよい。
【0027】
本発明のセメント用添加剤に用いるポリカルボン酸系化合物の重量平均分子量は、500〜100,000であり、好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が100,000を超える化合物はセメント用添加剤としての分散性が低下してしまい、また高粘度のため製造が困難になるので好ましくない。
また、本発明のセメント用添加剤に用いるポリカルボン酸系化合物は、公知の方法により、重合開始剤を用いて重合することにより得ることができる。重合の方法については、塊状重合でも溶液重合でも良い。溶液重合で水を溶剤として用いる場合は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩や、過酸化水素、水溶性のアゾ系開始剤を用いることができ、その際に亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、次亜リン酸ナトリウムなどの促進剤を併用することもできる。また、溶液重合でメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、n−ヘキサン、2−エチルヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤を用いた重合の場合や塊状重合の際には、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソブチレートなどの有機過酸化物やアゾイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物を用いることができる。また、その際にはチオグリコール酸、メルカプトエタノールなどの連鎖移動剤を用いることもできる。
【0028】
本発明のセメント用添加剤は、式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)のみを単独で用いることができ、式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)とポリカルボン酸系化合物(B)とを組み合わせても良く、式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)とポリカルボン酸系化合物(B)の組成割合は、ポリエーテル系化合物1〜95重量%とポリカルボン酸系化合物5〜99重量%であり、好ましくはポリエーテル系化合物5〜50重量%とポリカルボン酸系化合物50〜95重量%であり、ポリエーテル系化合物(A)とポリカルボン酸系化合物(B)の組成割合で、ポリエーテル系化合物の組成割合が1重量%より少ないと硬化後のセメント組成物の表面美観効果が向上しないため本来必要とするセメント組成物の表面美観効果を得るために多量の添加が必要となり、過剰添加による材料分離や水硬性の結合材料の硬化遅延等が起こるため好ましくない。
【0029】
本発明のセメント用添加剤は、そのままの形態で用いることもできるが、水希釈して用いることもできる。セメント用添加剤を実際に使用する場合は、殆どの場合でセメント組成物用の練り混ぜ水に希釈して用いるため、本発明の特徴である水溶液状態での安定性という面でも、水溶液状態の方がより効果的である。
その使用方法は、使用する水に予め溶解させて使用することができ、また注水と同時に添加して使用することができ、また注水から練り上がりまでの間に添加して使用することができ、また一旦練り上がったセメント組成物に後から添加して使用することもできる。
本発明のセメント用添加剤は、その効果を損なわない程度で、必要に応じて他の添加剤と併用することが可能である。他の添加剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、リグニンスルホン酸の塩、芳香族アミノスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩など他の減水剤、空気連行剤、消泡剤、分離低減剤、凝結遅延剤、凝結促進剤、膨張剤、乾燥収縮低減剤、防錆剤などを挙げることができる。
【0030】
本発明のセメント組成物には、少なくとも、水、セメントおよび本発明の添加剤を含み、砂・砂利などの骨材、粘土など他の増量材などを配合することもできる。セメントとしては、普通、早強、中庸熟、ビーライト等のポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、シリカフューム、石灰石等の鉱物系粉体を配合した混合セメント、石膏等が挙げられる。セメント用添加剤としては、本発明のセメント用添加剤を用いる。
セメント組成物に使用するセメント用添加剤は、セメント組成物中で、セメントに対して0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜3重量%であり、0.01重量%より少ないと効果が得られないので好ましくなく、10重量%を超えて使用しても効果の向上はみられない。
また、セメント組成物の水の比率は、セメントに対して15〜300重量%である。
【0031】
【実施例】
合成例1[ポリエーテル系化合物(a)の合成]
撹拌機、圧力計、温度計、安全弁、破裂弁、ガス吹き込み管、排気管、冷却用コイル、蒸気ジャケットを装備したステンレス(SUS316L)製の耐圧反応装置に、ポリオキシプロピレンジアミン[商品名:ジェファーミンD−230(サン テクノケミカル株式会社製)](平均分子量260)260gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。攪拌下、80℃まで昇温後、80〜100℃、0.05〜0.5MPaの条件でプロピレンレンオキシド235gをガス吹き込み管より窒素ガスにより加圧添加した。添加終了後、同条件で3時間反応させた。窒素ガスを吹き込みながら、70〜80℃、13kPa以下で0.5時間処理を行った。40℃まで冷却後、水酸化ナトリウム5g添加し、系内を窒素ガスで置換した。攪拌下、80℃まで昇温後、80〜100℃、0.05〜0.5MPaの条件でプロピレンレンオキシド2,090gをガス吹き込み管より窒素ガスにより加圧添加した。添加終了後、同条件で3時間反応させた。窒素ガスを吹き込みながら、70〜80℃、13kPa以下で0.5時間処理を行った。続いて、80〜100℃、0.05〜0.5MPaの条件でエチレンオキシド352gをガス吹き込み管より窒素ガスにより加圧添加した。添加終了後、同条件で2時間反応させた。窒素ガスを吹き込みながら、70〜80℃、13kPa以下で0.5時間処理を行った。
反応物を5リットルビーカーに取り出し、1N塩酸で中和後、窒素ガスを吹き込みながら、70〜80℃、13kPa以下で2時間処理を行った後、ろ過助剤(珪藻土)を併用し生じた塩をろ別した。
撹拌機、温度計、ガス吹き込み管、排気管を装備した2リットル四ッ口フラスコに、上記で得られた反応物580g(0.2モル)、オレイン酸111g[酸価(KOHmg/g)=201.4、0.4モル]およびチタニウムテトラn−ブトキシド(モノマー)0.8gを秤取り、窒素ガス雰囲気下、125〜135℃で24時間反応させて、表1に示す茶褐色のポリエーテル系化合物(a)を得た。酸価は0.27(KOHmg/g)であった。
【0032】
【表1】
Figure 0004341273
【0033】
注)EO、POおよびBOは、それぞれオキシエチレン基、オキシプロピレン基およびオキシブチレン基を表す。
[ ]内はランダム状に結合していることを意味する。
【0034】
合成例2[ポリカルボン酸系化合物(イ)の合成]
撹拌装置、冷却管、温度計および窒素ガス導入管を装着した2リットル四つ口フラスコに、ポリオキシエチレン(平均付加モル数;n=33)アリルメチルエーテル762g、無水マレイン酸51.5gおよびトルエン200gを秤取り、窒素ガス雰囲気下、50〜55℃に加温し均一に溶解させた。続いて、ベンゾイルペルオキシド5.8gを加え、80〜85℃で8時間反応させた。続いて80〜90℃の範囲で、窒素ガスを吹き込みながら27kPa以下の減圧下でトルエンを除去した。反応物を60℃まで冷却後、イオン交換水1,225gを加え、ポリカルボン酸系化合物(イ)を含む水溶液を得た。水溶液10gを120±2℃に調整した恒温槽で2時間放置後の重量変化により求めた水溶液の水分は39.9重量%であり、GPC(ポリエチレングリコールを標準体として換算)により求めた重量平均分子量は21,700であった。
【0035】
合成例3[ポリカルボン酸系化合物(ロ)の合成]
撹拌装置、2個の滴下漏斗、冷却管、温度計および窒素ガス導入管を装着した3リットル四つ口フラスコにイオン交換水520gを秤取り、窒素ガス雰囲気下、65〜70℃に加温した。別に用意したポリオキシエチレン(平均付加モル数;n=23)メチルエーテルメタクリレート734g、メタクリル酸93.7g、メルカプトエタノール5.8gをイオン交換水560gに溶解させたモノマー溶液と、過硫酸アンモニウム11.0gをイオン交換水180gに溶解させた開始剤溶液を別々の滴下漏斗に秤取り、それぞれ65〜70℃で5時間かけて滴下した。滴下終了後さらに2時間攪拌反応させ、ポリカルボン酸系化合物(ロ)を含む水溶液を得た。水溶液10gを120±2℃に調整した恒温槽で2時間放置後の重量変化により求めた水溶液の水分は40.2重量%であり、GPC(ポリエチレングリコールを標準体として換算)により求めた重量平均分子量は26,200であった。
【0036】
合成例4[ポリカルボン酸系化合物(ハ)の合成]
撹拌装置、滴下漏斗、冷却管、温度計および窒素ガス導入管を装着した3リットル四つ口フラスコに、ポリオキシエチレン(平均付加モル数;n=25)アリルメチルエーテル762g、無水マレイン酸73.3gおよびイオン交換水1,070gを秤取り、窒素ガス雰囲気下、60〜65℃に加温し均一に溶解させた。続いて、過硫酸アンモニウム12.0gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を、60〜65℃で6時間かけて滴下した。滴下終了後さらに3時間攪拌反応させ、ポリカルボン酸系化合物(ハ)を含む水溶液を得た。水溶液10gを120±2℃に調整した恒温槽で2時間放置後の重量変化により求めた水溶液の水分は40.1重量%であり、GPC(ポリエチレングリコールを標準体として換算)により求めた重量平均分子量は23,800であった。
【0037】
実施例1 「セメント用添加剤の経時安定性評価」
合成例1で得た表1に示すポリエーテル系化合物(a)16gおよび合成例2で得たポリカルボン酸系化合物(イ)を含む水溶液461gを2リットルビーカーに秤取り、これにイオン交換水1,523gを加えて5分間かき混ぜセメント用添加剤(1)とした。調整したセメント用添加剤(1)は、1リットルポリエチレン製モールド洗浄瓶(アズワン(株)製)に約800ml入れ、室温で静置した。静置1日後と静置10日後の状態を以下の基準で観察した。
「添加剤の状態」
A 均一に分散
B 液面に僅かに分離が認められる
C 液面に分離
調整1日後では、セメント用添加剤は均一な状態であり、10日後においても均一な状態であった。結果を表2に示す。
また、調整1日後のセメント用添加剤(1)を用いて、以下のようにコンクリート試験を行った。結果については表3に示す。
「コンクリート試験」
コンクリート試験は、温度20±3℃、湿度50%以上に調整した試験室にて行った。
「コンクリートの調整」
50リットルの強制二軸ミキサに普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)15.0kg、粗骨材(青梅市成木産砕石、表面水率0%)28.6kg、細骨材(静岡県大井川産川砂、表面水率1.0%)23.1kgを投入し、15秒間空練りを行った。空練り終了後、所定量のセメント用添加剤を上水に混合分散させた練り混ぜ水4.8kgを投入し、120秒間練り混ぜ、コンクリートを80リットル容コンテナに排出して測定に用いた。
【0038】
「コンクリート物性の測定方法」
・スランプフローおよび50cm到達時間
中心部分に直径50cmの円を描いた90cm×90cmの鉄製底板の中心部分に置いたJISA1101記載のスランプコーンにコンクリートを詰め、コーンのみを抜いた瞬間からコンクリートが直径50cmの円を越える瞬間までの時間を測定し50cm到達時間とした。また、コンクリートの広がりが静止した時点でのコンクリートの最大直径とそれに直交する方向の直径を測定し、平均値をスランプフロー値とした。
・空気量
ワシントン型エアメーター(テスコ(株)製)を用いJISA1128に準拠して測定を行った。
・表面美観性
予め離型剤(品名:KR−2000 富国石油(株)製)を塗布してある内法が縦40cm×横40cm×巾5cmの鋼製型枠にコンクリートを充填し、振動数180Hzに調整したテーブルバイブレーター上で2分間振動を与え、室温で3日静置後、コンクリートを型枠から取り出した。両面にある最大面の中心部分10cm×10cmの範囲にある最大径が0.5mm以上の気泡痕を数え、両面の合計数と目視により以下の基準で美観性を判断した。
美観性評価の基準
○・・・気泡痕が目立つことなく(79個以下)、表面が綺麗な状態。
△・・・気泡痕はみられるが(80〜120個)、大きな気泡痕(3mm以上)は目立たない状態。
×・・・気泡痕が多くみられ(121個以上)、その大きさも疎らで、大きな気泡痕(3mm以上)が目立つ状態。
さらに、10日静置したセメント用添加剤(1)についても調整直後の場合と同様にコンクリート試験を行った。結果を表3に示す。
【0039】
【表2】
Figure 0004341273
【0040】
【表3】
Figure 0004341273
【0041】
実施例2
実施例1におけるポリエーテル系化合物(a)の代わりに、表1に示すポリエーテル化合物(b)、実施例1におけるポリカルボン酸系化合物(イ)の代わりにポリカルボン酸系化合物(ロ)を用い、含有比率が表2記載の重量比になるように調整した以外は、実施例1と同様にしてセメント用添加剤(2)を調整した。
調整したセメント用添加剤(2)についても、実施例1と同様に、静置1日後と静置10日後の状態を観察し、さらに1日および10日静置したセメント用添加剤(2)を用いてコンクリート試験を行った。結果を表3に示す。
実施例3〜7
表1に示すポリエーテル系化合物を用いた表2に示すセメント用添加剤(3)〜(7)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、静置1日後と静置10日後の状態を観察し、さらに1日および10日静置したセメント用添加剤(3)〜(7)を用いてそれぞれコンクリート試験を行った。結果を表3に示す。
【0042】
比較例1
実施例2におけるポリエーテル化合物(b)の代わりに、表4に示した化合物(h)を用いてセメント用添加剤(8)を含有比率が表5記載の重量比になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で静置1日後と静置10日後の状態を観察した。結果を表5に示す。
さらに1日および10日静置したセメント用添加剤(8)を用いてそれぞれコンクリート試験を行った。結果を表6に示す。
【0043】
【表4】
Figure 0004341273
【0044】
注)Oleylはオレイル基を意味する。
【0045】
【表5】
Figure 0004341273
【0046】
【表6】
Figure 0004341273
【0047】
比較例2、3
比較例1におけるポリエーテル化合物(h)の代わりに、表1および表4に示した化合物(i)、(j)を用いてセメント用添加剤(9)、(10)を含有比率が表5記載の重量比になるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で、静置1日後と静置10日後の状態を観察した。結果を表5に示す。さらに1日および10日静置したセメント用添加剤(9)、(10)を用いてそれぞれコンクリート試験を行った。結果を表6に示す。
【0048】
本発明のセメント用添加剤を用いた実施例では、得られた硬化体表面の気泡痕が目立つことなく、大きな気泡痕が見られず美観性は優れたと評価できた。また、水溶液中で静置した場合でも、分離することはなく、静置後のセメント用添加剤を用いても硬化体の美観性は優れていた。
比較例(3)では、1日静置したセメント用添加剤を用いた場合、水溶液中で静置したものは僅かではあるが分離が見られ、硬化体の美観性も実施例と比べて低下していることが認められた。10日静置したセメント用添加剤を用いた場合は水溶液中での安定性、硬化体の美観性ともに1日静置したものより悪くなっていた。
また、従来のセメント用添加剤を用いた比較例(1)、(2)では、1日静置したセメント用添加剤を用いた場合、硬化体の美観性は実施例と比べて低下していることが認められ、比較例(1)では10日静置後には水溶液中で分離が認められ、10日静置したセメント用添加剤用いた硬化体は、美観性が劣ることが認められた。また、比較例(2)では、1日および10日静置後においても分離が認められないが、10日静置後の硬化体の美観性が劣ることが認められた。
【0049】
【発明の効果】
本発明のセメント用添加剤は、水溶液中での保存安定性に優れ、安定した性能を発揮することができ、これを用いることで、硬化体の表面美観が向上する。

Claims (5)

  1. 式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)を含有することを特徴とするセメント用添加剤。
    Figure 0004341273
    (ただし、式中、Zは窒素原子に結合した活性水素を2〜12個持つ2個以上の窒素原子を有する化合物の残基、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数でn=1〜150であり、R1は炭素数1〜22の炭化水素基またはアシル基であり、a=1〜11、b=1〜11、かつ2≦a+b≦12である。)
  2. 請求項1記載の式(1)で示されるポリエーテル系化合物(A)1〜95重量%およびポリカルボン酸系化合物(B)5〜99重量%とからなるセメント用添加剤。
  3. ポリカルボン酸系化合物(B)が式(2)で示されるポリアルキレングリコールエ−テルに基づく構成単位(ア)50〜99重量%、式(3)で示されるジカルボン酸または無水マレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である請求項2記載のセメント用添加剤。
    Figure 0004341273
    (ただし、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R5は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R6は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基、A2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、pは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数でp=1〜150である。)
    Figure 0004341273
    (ただし、Xは−OM2または−Y−(A3O)r7〔式(4)〕を表し、M1およびM2はそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表し、Yはエーテル基またはイミノ基を表し、R7は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基、A3Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、rは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数でr=1〜150である。)
  4. ポリカルボン酸系化合物(B)が式(5)で示されるポリアルキレングリコールエステルに基づく構成単位(エ)50〜99重量%、式(6)で示されるモノカルボン酸に基づく構成単位(オ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である請求項2記載のセメント用添加剤。
    Figure 0004341273
    (ただし、R8は水素原子またはメチル基を表し、R9は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基を表し、A4Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、sは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数でs=1〜150である。)
    Figure 0004341273
    (ただし、R10は水素原子またはメチル基を表し、M3は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表す。)
  5. 請求項1〜4記載のセメント用添加剤、骨材、水およびセメントからなるセメント組成物。
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