JP3995947B2 - コンクリート組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート組成物に関する。詳しくは、セメント、水、細骨材及び粗骨材を必須成分とし、強度及び耐久性に優れた硬化物を与えるコンクリート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート組成物は、セメント、水、細骨材及び粗骨材を混合して製造され、セメント組成物の中でもペーストやモルタルに比べて強度及び耐久性に優れた硬化物を与えることから、建築物外壁材、建築物構造体等の用途に広く好適に用いられている。このようなコンクリート組成物においては、その中に含まれる単位水量を低減すると硬化物の性能が向上することになるが、昨今のコンクリート業界では、コンクリート建造物の強度及び耐久性の向上が強く求められていることから、単位水量の低減が重要な課題となっている。
【0003】
このようなコンクリート組成物には、通常、空気連行性や流動性を高めるための混和剤が加えられている。コンクリート組成物における混和剤の任務は、コンクリート組成物を減水しても充分の分散性を発揮してその流動性及び施工性を確保でき、減水による耐久性及び強度向上を実現すると同時に、経時的に安定した分散性を保持して良好なコンクリート組成物を獲得するところにある。このような混和剤に対して、近年、その重要性が認識され、技術革新が盛んに行われている。特にポリカルボン酸系の分散剤については、従来のナフタレン系等に比べて高い減水性能を発揮することから、多くのものが検討されている。このような分散剤を用いると、空気連行性が高くなり、気泡径が大きくなることから、微細な良質の気泡を連行させて凍結融解性を向上させるためにAE剤を併用することが行われている。
【0004】
しかしながら、ポリカルボン酸系の分散剤とAE剤を併用する場合、コンクリートを混練しつづけると連行空気量がしだいに増大するため、所望のコンクリート強度を得難いという欠点があった。従来の消泡剤を用いて連行空気量を一時的に減らすことは可能であるが、この場合も混練を続けるとしだいに連行空気量が増大する結果となっている。また、コンクリート打設直前で消泡剤を添加することは、現場での作業性を考慮すると困難であることから、コンクリート製造時に消泡剤を入れることが求められている。特に凍結融解対策のためAE剤の添加が必須の場合や、搬送時に長時間混練し続ける場合では、連行空気量の増大の問題は深刻である。
【0005】
ところで、コンクリート組成物等に、特定の化合物のアルキレンオキシド付加体を用いることが検討されている。
特開昭60−27638号公報には、アミン化合物に対しその活性水素1ケに対してエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを必ず含むアルキレンオキシドを20〜300モル付加した分子長6,000〜2,000,000のポリエーテルポリオール又はポリエーテルポリオール誘導体を必須成分とするセメント分散剤に関し、ポリエチレンイミン、エチレンジアミン又はジエチレントリアミンに、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド、又は、それに加えてスチレンオキシドを付加したものを必須成分とするセメント分散剤が開示されている。
【0006】
国際公開第17128号パンフレット(2000)には、セメント等の無機質建築材料用のポリカルボン酸塩の液化剤と、脱気のために用いられるブトキシ化ポリアルキレンポリアミン又はその塩とを含む混合物に関し、ブトキシ化ポリアルキレンポリアミン又はその塩としてはポリエチレンイミンのブチレンオキシド付加体が開示されている。
【0007】
特開昭63−11557号公報には、一級アミンの酸化エチレン誘導体(I)及び水溶性ポリカルボン酸系重合体(II)を特定の重量比率でセメントモルタル又はコンクリート混練時に用いる連行空気量の調整方法に関し、一級アミンの酸化エチレン誘導体(I)としては、ラウリルアミンのエチレンオキシド付加体が開示されている。
【0008】
特開平8−73250号公報には、分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価アルコール、1価メルカプタン、アルキルフェノール、アミンあるいはカルボン酸に、アルキレンオキシドを10〜1000モル付加したポリアルキレンオキシド誘導体からなる水溶性高分子(a)、高性能減水剤(b)及び水硬性粉体(c)を含有する水硬性組成物に関し、ステアリルアルコールとセタノールの混合物のエチレンオキシド付加体、ノニルフェノールのエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加体、ドデシルメルカプタンのエチレンオキシド付加体、パルミチルアルコールのエチレンオキシド付加体、ドデシルアミンのエチレンオキシド付加体、ラウリン酸のエチレンオキシド付加体等が開示されている。
【0009】
しかしながら、これらの技術においては、コンクリート組成物における連行空気量を安定に保つことについては充分に検討されていないことから、この点において優れた性能を発揮するうえに、強度及び耐久性に優れた性能を発揮するコンクリート組成物となるようにアルキレンオキシド付加体の構造を工夫する余地があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、コンクリート組成物製造時の混練時間延長にともなう空気量増加がなく、連行空気量を安定に保つことができると共に、強度及び耐久性に優れたコンクリート組成物を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、コンクリート組成物の連行空気量を安定に保つ混和剤について検討するうち、特定の一般式で表されるポリオキシアルキレン系化合物が消泡剤としての作用を有し、このような化合物を含有するコンクリート組成物が強度及び耐久性に優れた性能を発揮することに着目した。このようなコンクリート組成物において、ポリオキシアルキレン系化合物が有するオキシアルキレン基におけるオキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基との付加モル数の割合を特定し、かつポリオキシアルキレン系化合物が分子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を少なくとも一つ有すると、消泡性が持続することを見いだした。すなわち従来では、コンクリート組成物における消泡剤としては疎水性が高いものがよいと考えられていたが、ポリオキシアルキレン系化合物の構造を特定し、オキシエチレン基による親水性を高めると、AE剤等により生じる泡を効果的に抑制し、コンクリート組成物製造時の混練時間延長にともなう空気量増加を抑制することを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、ポリオキシアルキレン系化合物としては、アルコールの残基又はアミンの残基を有するものや、分子中に少なくとも1つの窒素原子を有するもの、分子量が10000以下であるもの、分子内に炭素原子が8個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を有するものが好適であることも見いだし、本発明に到達したものである。
【0012】
すなわち本発明は、ポリオキシアルキレン系化合物、セメント、水、細骨材及び粗骨材を必須成分とするコンクリート組成物であって、上記ポリオキシアルキレン系化合物は、下記一般式(1);
X−〔(AO)n−R〕k (1)
(式中、Xは、活性水素を有する化合物残基を表し、かつ分子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を有するものである。1は、同一若しくは異なって、水素原子、炭化水素基、−Y−NR23、−COR4又は−CH2CH2NHCO−R5を表す。Yは、炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R2及びR3は、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R4及びR5は、炭素数1〜30の炭化水素基又は少なくとも1個以上のカルボキシル基若しくはスルホニル基又はこれらの塩を有する基を表す。AOは、同一若しくは異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、同一若しくは異なって、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300である。kは、1〜300である。)で表され、該オキシアルキレン基におけるオキシエチレン基の合計付加モル数をuとし、炭素数3以上のオキシアルキレン基の合計付加モル数をvとすると、0.35<u/(u+v)<0.7の関係を満たものであり、上記コンクリート組成物は、更に、後述する一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンエステル系構成単位(I)と、後述する一般式(3)で表されるカルボン酸系構成単位(II)とを有するポリカルボン酸系重合体(A−1)、及び/又は、後述する一般式(4)で表されるポリオキシアルキレンエーテル系構成単位(III)と、後述する一般式(5)で表されるカルボン酸系構成単位(IV)とを有するポリカルボン酸系重合体(A−2)を含むコンクリート組成物である。
以下に、本発明を詳述する。
【0013】
先ず、本発明のコンクリート組成物におけるポリオキシアルキレン系化合物について説明する。
本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物は、上記一般式(1)で表されるものであり、1種又は2種以上用いることができる。
上記一般式(1)において、Xは、活性水素を有する化合物残基を表し、かつ分子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を有するものである。活性水素を有する化合物残基とは、活性水素を有する化合物から活性水素を除いた構造を有する基を意味するが、活性水素を有する化合物との反応により形成される基に特に限定されるものではない。また、ポリオキシアルキレン系化合物において、活性水素を有する化合物残基は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。このような基としては、アルコールの水酸基から活性水素を除いた構造を有するアルコールの残基、カルボン酸のカルボキシル基から活性水素を除いた構造を有するカルボン酸の残基、アミンのアミノ基から活性水素を除いた構造を有するアミンの残基、イミンのイミノ基から活性水素を除いた構造を有するイミンの残基、チオールのチオール基から活性水素を除いた構造を有する残基が好適である。これらの中でも、アルコールの残基やアミン、イミンの残基であることが好ましい。また、活性水素を有する化合物残基の形態としては、鎖状、分岐状、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよい。
上記活性水素を有する化合物残基の好ましい形態において、アルコールの残基としては、一価アルコールや、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリンやソルビトール等の多価アルコールから活性水素を除いた構造を有する残基が好適であり、アミンの残基としては、一価アミンや多価アミンから活性水素を除いた構造を有する残基が好適であり、イミンの残基としては、ジエチレンイミンやポリエチレンイミンから活性水素を除いた構造を有する残基が好適である。
【0014】
上記一般式(1)において、R1は、同一若しくは異なって、水素原子、炭化水素基、−Y−NR23、−COR4又は−CH2CH2NHCO−R5を表す。炭化水素基としては、炭素数1〜30の直鎖又は分岐アルキル基;炭素数6〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基;炭素数2〜30のアルケニル基;炭素数2〜30のアルキニル基が好適である。また、炭化水素基の炭素数は1以上であるが、ポリオキシアルキレン系化合物が高い消泡性能を有するためには、2以上が好ましい。より好ましくは、5以上である。また、30以下が好ましい。より好ましくは、22以下であり、更に好ましくは、18以下である。更に、炭化水素基の中でも、直鎖、分岐アルキル基、アルケニル基が特に好ましい。
【0015】
上記Yは、炭素数1〜10のアルキレン基を表すが、炭素数としては、2以上が好ましく、また、8以下が好ましい。上記R2及びR3は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表すが、一般式(1)中のX又はAOに炭素原子が5個以上結合している脂肪族炭化水素基がない場合は、R2及びR3における炭化水素基の炭素数としては、5以上が好ましい。より好ましくは、8以上であり、更に好ましくは、10以上である。また、22以下が好ましい。また、逆にX又はAOに炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基が存在する場合は、R2及びR3は水素原子が好ましい。R4及びR5は、炭素数1〜30の炭化水素基又は少なくとも1個以上のカルボキシル基若しくはスルホニル基又はこれらの塩を有する基を表すが、一般式(1)中のX又はAOに炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基がない場合は、炭素数5以上の炭化水素基が好ましい。また、逆にX又はAOに炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基が存在する場合は、少なくとも1個以上のカルボキシル基若しくはスルホニル基又はこれらの塩を有する基であることが好ましい。炭化水素基の中でも直鎖、分岐アルキル基、アルケニル基が特に好ましい。
【0016】
上記AOは、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表すが、上記オキシアルキレン基におけるオキシエチレン基の合計付加モル数をuとし、炭素数3以上のオキシアルキレン基の合計付加モル数をvとすると、0.15<u/(u+v)<0.9の関係を満たす。0.9以上であると、親水性が強くなりすぎて消泡性が充分ではなくなり、0.15以下であると、消泡性を持続することができなくなり、いずれの場合にも硬化物の強度が低下することになる。u/(u+v)の値としては、0.2を超えることが好ましい。より好ましくは、0.35を超えることである。また、0.8未満が好ましい。より好ましくは、0.7未満である。ここで、上記数値範囲のうち、『0.35<u/(u+v)<0.7』を満たさない部分については、本願発明の範囲外である。
なお本発明においては、個々の〔(AO)n−R〕で表される基がすべて上記の関係を満たすことを意味するのではなく、すべての〔(AO)n−R〕で表される基におけるオキシエチレン基の合計付加モル数をuとし、炭素数3以上のオキシアルキレン基の合計付加モル数をvとすると、0.35<u/(u+v)<0.7の関係を満たすことを意味する。また、(u+v)は、5を超えることがより好ましく、10を超えることが更に好ましい。また、200未満が好ましく、150未満がより好ましく、100未満が更に好ましく、80未満が特に好ましく、50未満が最も好ましい。
なお、(u+v)は、1<u+v<300の関係を満たすことが好ましい。
【0017】
上記オキシアルキレン基において、炭素数3以上のオキシアルキレン基としては、炭素数が8以下であることが好ましい。より好ましくは、6以下であり、更に好ましくは、4以下である。また、平均付加モル数nは、1〜300であるが、2以上が好ましい。より好ましくは、5以上であり、更に好ましくは、10以上である。また、200以下が好ましい。より好ましくは、100以下であり、更に好ましくは、50以下であり、特に好ましくは、40以下である。なお、平均付加モル数とは、〔(AO)n−R〕で表される単位1モル中において付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。また、2種類以上のアルキレンオキシド、すなわちエチレンオキシドと、炭素数3以上のアルキレンオキシドとが付加した形態となっているオキシアルキレン基の付加形態としては、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれであってもよい。好ましい形態としては、ブロック状に付加したものである。
【0018】
上記kは、1〜300であるが、200以下が好ましい。より好ましくは、100以下である。kが2以上の場合、すなわちXに−〔(AO)n−R〕で表される基が複数結合する場合、−〔(AO)n−R〕で表される基は、同一であってもよく異なっていてもよい。
【0019】
本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物は、分子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を少なくとも一つ有するものである。すなわち一般式(1)において、ポリオキシアルキレン系化合物を構成するR1、X、R1−AO及びAOで表される構造の少なくとも1つにおいて、炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基が存在すればよい。好ましくは、分子内に炭素原子が8個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を有することである。また、このような脂肪族炭化水素基としては、炭素原子が10個以上連続して結合しているものがより好ましい。また、30個以下が好ましい。より好ましくは、22個以下である。
【0020】
本発明において、上記ポリオキシアルキレン系化合物は、分子中に少なくとも1つの窒素原子を有することが好ましい。また、このような化合物は、窒素原子を、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸又は酢酸、プロピオン酸、(メタ)アクリル酸等の酸性物質で中和して用いてもよい。このようなポリオキシアルキレン系化合物と、後述する遊離のカルボキシル基を有するポリカルボン酸系重合体とをブレンドすると、ポリオキシアルキレン系化合物中の窒素原子によりポリカルボン酸重合体の遊離のカルボキシル基が中和されて塩を形成するために水溶性が向上し、ポリオキシアルキレン系化合物とポリカルボン系重合体のブレンド物の水溶液は層分離することなく、均一な状態を保ったまま保存することができる。
【0021】
本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物の分子量は、10000以下であることが好ましい。より好ましくは、5000以下である。また、100以上であることが好ましい。より好ましくは、200以上である。
【0022】
本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物としては、下記のものが好適である。
炭素数1〜30の炭化水素基を有する1価アルコール類にエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシアルキレン類;両末端に水酸基を有するポリオキシエチレンポリオキシアルキレン類;分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコールにエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシアルキレン類;分子内にアセチレン基を有するアルコール類にエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシアルキレン類。
【0023】
上記炭素数1〜30の炭化水素基を有する1価アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、炭素数12〜14の直鎖、分岐アルコール等の直鎖、分岐飽和アルコール類;アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、オレイルアルコール等の不飽和アルコール類;フェノール、ノニルフェノール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコールが好適である。
【0024】
上記両末端に水酸基を有するポリオキシエチレンポリオキシアルキレン類としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシブチレン等のAB型ブロックタイプ;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンポリオキシエチレン等のABAブロックタイプが好適である。
【0025】
上記分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコールとしはて、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリンやソルビトールが好適である。
【0026】
上記分子内にアセチレン基を有するアルコール類としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル1−ブチン−3−オールが好適である。
【0027】
また、本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物としては、下記に記載する化合物も好適である。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルリン酸エステル等のポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル類。
【0028】
本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物としては、下記のような含窒素化合物も好適である。
(ジ)メチルアミン、(ジ)エチルアミン、(ジ)プロピルアミン、(ジ)ブチルアミン、(ジ)ペンチルアミン、(ジ)ヘキシルアミン、(ジ)ヘプチルアミン、(ジ)オクチルアミン、(ジ)ノニルアミン、(ジ)デカアミン、(ジ)ウンデカアミン、(ジ)ドデカアミン、(ジ)テトラデカアミン、(ジ)ペンタデカアミン、(ジ)ヘキサデカアミン、(ジ)ヘプタデカアミン、(ジ)オクタデカアミン、(ジ)ノナデカアミン、(ジ)イコサンアミン等の炭素数1〜30の直鎖、分岐アルキル基を有する1級アミン、同種類のアルキル基、又は異なる種類のアルキル基を有する2級アミン類;ヤシ油から得られる脂肪酸由来の1級アミン、オレイン酸由来の1級アミン、大豆油から得られる脂肪酸由来の1級アミン、牛脂から得られる脂肪酸由来の1級アミン、硬化牛脂から得られる脂肪酸由来の1級アミン等の炭素数1〜30の直鎖、分岐アルキル基を有し、かつ異なる種類のアルキル基が混合された1級アミン類;ヤシ油から得られる脂肪酸由来の2級アミン、オレイン酸由来の2級アミン、大豆油から得られる脂肪酸由来の2級アミン、牛脂から得られる脂肪酸由来の2級アミン、硬化牛脂から得られる脂肪酸由来の2級アミン等の炭素数1〜30の直鎖、分岐アルキル基を有し、かつ異なる種類のアルキル基が混合された2級アミン類;炭素数6〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基を有する1級又は2級アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等のアミン類にエチレンオキシドと炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得られる付加物。
【0029】
本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物としては、下記のような窒素原子を2以上含む化合物も好適である。
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、テトラプロピレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン類と酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油から得られる脂肪酸、大豆油から得られる脂肪酸、牛脂から得られる脂肪酸、硬化牛脂から得られる脂肪酸等の脂肪酸類と脱水縮合して得られるアミドアミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシド付加物;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、テトラプロピレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン類と酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油から得られる脂肪酸、大豆油から得られる脂肪酸、牛脂から得られる脂肪酸、硬化牛脂から得られる脂肪酸等の脂肪酸類と脱水縮合して得られるアミドアミン類を更に脱水して得られるイミダゾリン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシド付加物;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、テトラプロピレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシド付加物;炭素数1〜30の炭化水素基で変性されたエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、テトラプロピレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシド付加物;エチレンイミン、プロピレンイミン等のアルキレンイミンを重合して得られたポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシド付加物;炭素数1〜30の炭化水素基で変性されたエチレンイミン、プロピレンイミン等のアルキレンイミンを重合して得られたポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシド付加物;炭素数1〜30の炭化水素基を有する1級アミンや2級アミン類にアクリロニトリルを付加させた後に還元して得られるようなアルキルアミノプロピルアミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシド付加物。
【0030】
また、本発明における窒素原子含有ポリオキシアルキレン系化合物としては、下記に記載する化合物も好適である。
炭素数1〜30の炭化水素基を有する1価アルコール類にエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシアルキレン類にアミノ基を導入したアミン類;両末端に水酸基を有するポリオキシエチレンポリオキシアルキレン類にアミノ基を導入したアミン類;分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコールにエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシアルキレン類にアミノ基を導入したアミン類;分子内にアセチレン基を有するアルコール類にエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシアルキレン類にアミノ基を導入したアミン類。
アミノ基の導入方法にはいろいろのものが考えられるが、水酸基自身を種々のアミノ化試薬でアミノ基へ変換する方法や、水酸基へエチレンイミンやプロピレンイミン等のアルキレンイミンを付加させる方法が好適である。
【0031】
上記炭素数1〜30の炭化水素基を有する1価アルコール類、両末端に水酸基を有するポリオキシエチレンポリオキシアルキレン類、分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコール及び分子内にアセチレン基を有するアルコール類としては、上述したのと同様のものが好適である。
【0032】
なお、上記のポリオキシアルキレン系化合物の中で、分子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基が一切含まれていない場合は、合成中又は合成後に、炭素数5以上のアルキレンオキサイドを一部付加させたり、炭素数5以上のアルキルハライドを反応させたりすることで、脂肪族炭化水素基を適宜導入することができる。これにより、本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物、すなわち分子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を少なくとも一つ有するものとなる。
【0033】
また、これまでに述べてきたポリオキシアルキレン系化合物の末端官能基に、更にエチレンオキシド等のようなアルキレンオキシド類やエチレンイミン等のようなアルキレンイミン類を更に付加させて得られる化合物も、本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物として用いることができる。
【0034】
更に、これまでに述べてきたポリオキシアルキレン系化合物の末端官能基に、無水酢酸、無水酪酸等の酸無水物を反応させて得られる化合物も、本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物として用いることができる。
【0035】
また、本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物としては、下記のようなものも好適である。
これまでに述べてきたポリオキシアルキレン系化合物と、2個以上のカルボキシル基を有する化合物とが、少なくとも1個のカルボキシル基を残してエステル結合した化合物;上記ポリオキシアルキレン系化合物と、カルボキシル基とスルホニル基とを有する化合物とが、少なくとも1個のスルホニル基を残してエステル結合した化合物;上記ポリオキシアルキレン系化合物と、2個以上のカルボキシル基を有する化合物とが、少なくとも1個のカルボキシル基を残してアミド結合した化合物;上記ポリオキシアルキレン系化合物と、カルボキシル基とスルホニル基とを有する化合物とが、少なくとも1個のスルホニル基を残してアミド結合した化合物。
このようなポリオキシアルキレン系化合物において、残されたカルボキシル基又はスルホニル基は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の塩基で中和されたナトリウム塩やカルシウム塩等の各種金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等でもよい。
【0036】
上記2個以上のカルボキシル基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類及びそれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩;コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸等の飽和ジカルボン酸類及びそれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩;アクリル酸オリゴマー、メタクリル酸オリゴマー、マレイン酸オリゴマー等の不飽和モノカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸類の低分子量の重合体及びそれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩が好適である。
【0037】
上記ポリオキシアルキレン系化合物は、例えば、水酸基を末端に有するポリオキシアルキレン系化合物と、無水マレイン酸又は無水コハク酸等の酸無水物を無溶媒中又は適当な溶媒中で反応させることで得ることができる。このとき適当な塩基触媒を用いると好ましい。その他に、水酸基を末端に有するポリオキシアルキレン系化合物とカルボン酸との脱水反応によるエステル化、また、水酸基を末端に有するポリオキシアルキレン系化合物とエステル化合物とのエステル交換反応によっても得ることができる。
【0039】
次に、本発明のコンクリート組成物における他の必須成分について説明する。
本発明におけるセメントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント)が好適であり、更に、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加してもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】
本発明における細骨材としては、砂が好適であり、粗骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が使用可能である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
本発明のコンクリート組成物において、その1m3あたりの単位水量、セメント使用量、粗骨材量及び水/セメント比としては、単位水量100〜185kg/m3、使用セメント量250〜800kg/m3、単位粗骨材量500〜1500kg/m3、水/セメント比(質量比)=0.1〜0.7とすることが好ましい。単位水量は、120kg/m3以上がより好ましく、また、175kg/m3以下がより好ましい。使用セメント量は、270kg/m3以上がより好ましく、また、800kg/m3以下がより好ましい。単位粗骨材量は、600kg/m3以上がより好ましく、更に好ましくは800kg/m3以上であり、また、1300kg/m3以下がより好ましく、更に好ましくは、1200kg/m3以下である。水/セメント比(質量比)は、0.2以上がより好ましく、また、0.65以下がより好ましい。本発明のコンクリート組成物は、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量の多い高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m3以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。
【0042】
本発明のコンクリート組成物における上記ポリオキシアルキレン系化合物の配合割合としては、セメント質量の0.0001質量%以上が好ましく、また、1.0質量%以下が好ましい。上記配合割合が0.0001質量%未満であると、性能的に不充分となるおそれがあり、1.0質量%を超える多量を使用しても、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となるおそれがある。より好ましくは0.0005質量%以上であり、更に好ましくは0.001質量%以上である。また、より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下であり、このような比率となる量を添加すればよい。この添加により、単位水量の低減、強度の増大、耐久性向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされることとなる。
【0043】
本発明のコンクリート組成物はまた、セメント分散剤を含むことが好ましく、これにより、コンクリート組成物を混練中、常に安定した連行空気量のコンクリート組成物が得られることになる。また、混練後に静置した場合にも常に安定した連行空気量のコンクリート組成物が得られることになる。従来、セメント分散剤に消泡成分として混入されているものは水への溶解性が悪く、セメント分散剤液と混ぜておくと貯蔵時に消泡成分が分離してくる問題があるが、本発明におけるポリオキシアルキレン系化合物は親水性が高いためセメント分散剤液中でも比較的均一になっており、分離することなく安定に貯蔵することができる。このように、コンクリート組成物が上記ポリオキシアルキレン系化合物とセメント分散剤とを必須成分とすることは、本発明の好ましい形態の1つである。
【0044】
上記セメント分散剤としては、コンクリート組成物において減水性能を発揮することができるものであればよく、1種又は2種以上用いることができるが、側鎖にポリアルキレングリコールを有するポリカルボン酸系重合体が好適である。このようなポリカルボン酸系重合体は、セメント分散剤の必須成分とすることができるものであり、ポリカルボン酸系セメント分散剤や減水剤と呼ばれるものである。このようなセメント分散剤は、上記ポリカルボン酸系重合体のみにより構成されていてもよく、その他のものを含んでいてもよいが、ポリカルボン酸系重合体を主成分とすることが好ましい。
上記ポリカルボン酸系重合体としては、下記一般式(2);
【0045】
【化1】
Figure 0003995947
【0046】
(式中、R6、R7及びR8は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。R9Oは、同一若しくは異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。aは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。R10は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表されるポリオキシアルキレンエステル系構成単位(I)と、下記一般式(3);
【0047】
【化2】
Figure 0003995947
【0048】
(式中、R11、R12及びR13は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム又は有機アミンを表す。)で表されるカルボン酸系構成単位(II)を有するポリカルボン酸系重合体(A−1)が好ましい。
【0049】
また上記ポリカルボン酸系重合体としては、下記一般式(4);
【0050】
【化3】
Figure 0003995947
【0051】
(式中、R14、R15及びR16は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。R17は、炭素数1〜5の炭化水素基を表す。R18Oは、同一若しくは異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。bは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。R19は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表されるポリオキシアルキレンエーテル系構成単位(III)と、下記一般式(5);
【0052】
【化4】
Figure 0003995947
【0053】
(式中、R20及びR21は、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基又は−COOM3を表す。ただしR20及びR21は、同時に−COOM3を表さない。R22は、水素原子、メチル基又は−CH2COOM4を表す。R22が−CH2COOM4のときR20及びR21は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。M2、M3及びM4は、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム又は有機アミンを表す。)で表されるカルボン酸系構成単位(IV)を有するポリカルボン酸系重合体(A−2)が好ましい。すなわち上記セメント分散剤は、上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)及び/又は上記ポリカルボン酸系重合体(A−2)を含むことが好ましい。
【0054】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)及び(A−2)は、上記必須の構成単位(繰り返し単位)を有することを特徴とし、後述の単量体(e)に由来する構成単位(V)を更に有するものであってもよい。これらの構成単位はそれぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
【0055】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)は、構成単位(I)を与える単量体(例えば、後述の単量体(a))、構成単位(II)を与える単量体(例えば、後述の単量体(b))を必須成分として含む単量体成分を共重合して製造することができる。このような単量体成分は、構成単位(V)を与える単量体(例えば、後述の単量体(e))を更に含むものでもよい。なお、各構成単位がそれぞれ1種の場合には、各構成単位を与える単量体をそれぞれ1種用いればよく、各構成単位がそれぞれ2種以上の場合には、各構成単位を与える単量体をそれぞれ2種以上用いればよい。
【0056】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)を構成する各構成単位の比率としては、質量比で、構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=1〜99/99〜1/0〜50であることが好ましい。より好ましくは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=50〜99/50〜1/0〜49、更に好ましくは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=60〜95/40〜5/0〜30、最も好ましくは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=70〜95/30〜5/0〜10である。ただし、構成単位(I)、構成単位(II)及び構成単位(V)の合計は、100質量%である。
【0057】
また上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸系単量体と構成単位(II)を与える単量体(例えば、後述の単量体(b))とを必須成分として含む単量体成分を共重合して得られる重合体のカルボキシル基の少なくとも一部に対して、アルコキシポリアルキレングリコールを直接エステル化して製造してもよい。
【0058】
上記一般式(2)において、R10における炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基、炭素原子数2〜30のアルケニル基が好適である。また、オキシアルキレン基の平均付加モル数aは、2〜300以下の数であるが、5以上であることが好ましい。より好ましくは10以上であり、更に好ましくは15以上であり、最も好ましくは20以上である。また、最も好ましくは200以下である。更に、R10の炭素原子数としては、1以上であるが、22以下が好ましい。より好ましくは18以下であり、更に好ましくは12以下であり、更に特に好ましくは6以下であり、特に好ましくは5以下であり、最も好ましくは3以下である。
【0059】
上記一般式(2)におけるオキシアルキレン基R9Oの炭素原子数としては、2〜18が適当であるが、8以下が好ましい。より好ましくは、4以下である。また、構成単位(I)として1種類となる場合には、親水性と疎水性のバランス確保のため、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基を必須として有することが好ましく、より好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%以上がオキシエチレン基であることである。一方、構成単位(I)として2種類以上となる場合には、何れか1種類の構成単位(I)のオキシアルキレン基中にオキシエチレン基を必須として有することが好ましい。
【0060】
上記構成単位(I)を与える単量体(a)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸又は脂肪酸の脱水素(酸化)反応物への炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドの付加物、又は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素原子数1〜30の飽和脂肪族アルコール類、アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコール等の炭素原子数3〜30の不飽和脂肪族アルコール類、シクロヘキサノール等の炭素原子数3〜30の脂環族アルコール類、フェノール、フェニルメタノール(ベンジルアルコール)、メチルフェノール(クレゾール)、p−エチルフェノール、ジメチルフェノール(キシレノール)、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、フェニルフェノール、ナフトール等の炭素原子数6〜30の芳香族アルコール類のいずれかに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸又はクロトン酸とのエステル化合物等が好適であるが、一般式(2)において、R10が炭化水素基となる場合に相当する、アルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸又はクロトン酸とのエステル化合物が好ましい。
【0061】
上記単量体(a)の具体的な化学名としては、下記のものが好適である。メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ペンチルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−オクチルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−エチル−1−ヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、セチルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェニルメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−エチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−t−ブチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ドデシルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ナフトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを付加させた(メタ)アリルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、エチレンオキシドを付加させたクロチルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の各種アルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類。
【0062】
メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドを付加させた(メタ)アリルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、プロピレンオキシドを付加させたクロチルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の各種アルコキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類。
【0063】
メトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドとプロピレンオキシド又はエチレンオキシドとブチレンオキシドを付加させた(メタ)アリルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、エチレンオキシドとプロピレンオキシド又はエチレンオキシドとブチレンオキシドを付加させたクロチルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の2種類以上のアルキレンオキシドを付加させたアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の各種アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類。
【0064】
上記一般式(3)で表される構成単位(II)を与える単量体(b)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩が好適である。特に(メタ)アクリル酸及びこれらの塩が好ましい。
【0065】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−2)は、構成単位(III)を与える単量体(例えば、後述の単量体(c))、構成単位(IV)を与える単量体(例えば、後述の単量体(d))を必須成分として含む単量体成分を共重合して製造することができる。このような単量体成分は、構成単位(V)を与える単量体(例えば、後述の単量体(e))を更に含むものでもよい。
【0066】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−2)を構成する各構成単位の比率は、質量比で、構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単位(V)=1〜99/99〜1/0〜50であることが好ましい。より好ましくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単位(V)=50〜99/50〜1/0〜49、更に好ましくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単位(V)=60〜95/40〜5/0〜30、最も好ましくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単位(V)=70〜95/30〜5/0〜10である。ただし、構成単位(III)、構成単位(IV)及び構成単位(V)の合計は100質量%である。
【0067】
また上記ポリカルボン酸系重合体(A−2)は、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール等の不飽和アルコールと構成単位(IV)を与える単量体(例えば、後述の単量体(d))とを必須成分として含む単量体成分を共重合して得られる重合体にアルキレンオキシドを平均2〜300モル付加するか、又は、平均付加モル数2〜300のアルコキシポリアルキレングリコールを反応させる方法によっても得ることができる。
【0068】
上記一般式(4)において、オキシアルキレン基の平均付加モル数bは、2〜300の数であるが、5以上が好ましい。より好ましくは、10以上であり、更に好ましくは、20以上であり、特に好ましくは、25以上である。また、200以下が特に好ましい。また、R19の炭素原子数としては、1以上が好ましい。また、22以下が好ましい。より好ましくは、18以下であり、更に好ましくは、12以下であり、更に特に好ましくは、6以下であり、特に好ましくは、5以下であり、最も好ましくは3以下である。更に、R17の炭素原子数としては、1〜5であるが、4以下が好ましい。より好ましくは、3以下であり、特に好ましくは−CH2−、−(CH22−又は−C(CH32−の構造である。
【0069】
上記一般式(4)におけるオキシアルキレン基R18Oの炭素数としては、2〜18であるが、8以下が好ましい。より好ましくは、4以下である。また、構成単位(III)として1種類となる場合には、親水性と疎水性のバランス確保のため、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基を必須として有することが好ましく、より好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%以上がオキシエチレン基であることである。
【0070】
上記一般式(5)で表される構成単位(IV)を与える単量体(d)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、又は、これらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の不飽和ジカルボン酸系単量体が好適である。更に、これらの無水物も用いることができ、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸が好適である。中でも、R20、R21及びR22が、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基の場合に相当する、不飽和モノカルボン酸系単量体を用いることが好ましく、特に(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸及びこれらの塩を用いることが好ましい。
【0071】
本発明で用いることができる構成単位(V)を与える単量体(e)としては、他の単量体の少なくとも1つと共重合可能な単量体であればよく、下記のものが好適である。
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜4のアルコールとのハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル。
【0072】
マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフアミド;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類。
【0073】
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等不飽和モノカルボン酸系類、並びにそれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩。
【0074】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜4のアルコールとのエステル;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類。
【0075】
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類。
ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体;2−アクリロイロキシエチルホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルホスフェート等の不飽和リン酸エステル類。
【0076】
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミンとマロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバチン酸、又はこれらと炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物等の二塩基酸又は二塩基酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステルとの縮合物に更に(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化合物等とを特定の割合で縮合させたポリアマイドポリアミンにアルキレンオキシドを特定量付加させた化合物;ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミンの活性水素にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加した化合物と(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物又は(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化物との縮合物等の窒素原子を有するカチオン性単量体。
【0077】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A−2)を得るには、重合開始剤を用いて上記単量体成分を重合させればよい。重合は、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行うことができる。溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行うことができ、その際使用される溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物等の1種又は2種以上が好適である。原料単量体及び得られるポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A−2)の溶解性並びにポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A−2)の使用時の便宜性からは、水及び炭素原子数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。その場合、炭素原子数1〜4の低級アルコールの中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール等が特に有効である。
【0078】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A−2)を得るために水媒体中で重合を行うときには、重合開始剤としてアンモニウム若しくはアルカリ金属の過硫酸塩又は過酸化水素等の水溶性の重合開始剤を使用することが好ましい。この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット等の促進剤を併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物又はケトン化合物を溶媒とする重合には、ベンゾイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が重合開始剤として用いることが好ましい。この際、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。更に、水−低級アルコール混合溶剤を用いる場合には、上記の種々の重合開始剤又は重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。重合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、通常0〜120℃であり、30℃以上が好ましい。より好ましくは50℃以上である。また、100℃以下が好ましい。より好ましくは95℃以下である。
【0079】
また塊状重合を行うときには、通常では重合開始剤としてベンゾイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を用い、50〜200℃で行なわれる。
【0080】
更に得られるポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A−2)の分子量調節のために、次亜リン酸(塩)やチオール系連鎖移動剤を併用することもできる。この際に用いられるチオール系連鎖移動剤は、一般式HS−R30−Eg(式中、R30は、炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。Eは、−OH、−COOM、−COOR31又はSO3M基を表す。Mは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。R31は、炭素原子数1〜30のアルキル基を表す。gは、1〜2の整数を表す。)で表され、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチルが好適である。また、水酸基やカルボキシル基等の官能基をもたない炭素数3以上の炭化水素基をもつチオール化合物を連鎖移動剤として用いてもよい。ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール等がそのようなチオール化合物として好適である。また、四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン等の不飽和炭化水素化合物等を連鎖移動剤として用いてもよい。これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、ポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A−2)の分子量調整のためには、単量体(e)として(メタ)アリルスルホン酸(塩)類等の連鎖移動性の高い単量体を用いることも有効である。
【0081】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A−2)は、そのままでも用いることができるが、水に対する溶解性が不足するような場合には、水に対する溶解性を向上させて有機溶媒を含まない水媒体液の形態で取り扱うために、更に一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭素塩等の無機物;アンモニア;有機アミン等(好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一価金属の水酸化物)のアルカリ性物質で中和して得られる重合体塩として用いることが好ましい。
【0082】
上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A−2)の重量平均分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算で、5000〜1000000が適当であるが、500000以下が好ましい。より好ましくは10000以上である。また、より好ましくは300000以下である。重量平均分子量が5000未満であると、材料分離低減性能が低下するおそれがあり、1000000を超えると、分散性能が低下するおそれがある。
【0083】
(重量平均分子量測定条件)
機種:Waters LCM1
検出器:Waters 410 示差屈折検出器
解析ソフト:Waters MILLENNIUM Ver.2.18
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合液に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整した溶離液を用いる。
溶離液流速:0.8ml/min
カラム温度:35℃
カラム:東ソー製 TSKgel GuardColumnSWXL+G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470
【0084】
上記ポリカルボン酸系重合体として、(A−1)や(A−2)以外に、カルボキシル基を側鎖にもつポリオキシアルキレン化合物を用いることもできる。該ポリカルボン酸系重合体は、例えば、ポリオキシアルキレン化合物に不飽和カルボン酸系単量体をグラフト重合させることによって得られる。ポリオキシアルキレン化合物として、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンが好適である。また、不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、又は、これらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の不飽和ジカルボン酸系単量体が好適である。更に、これらの無水物も用いることができ、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸が好適である。中でも、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸及びこれらの塩を用いることが好ましい。
【0085】
本発明のコンクリート組成物には、本発明の作用効果を奏する限り、上記のもの以外にも、従来のセメント分散剤、水溶性高分子、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張材、防水剤、遅延剤、急結剤、水溶性高分子物質、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤等を併用してもよい。
【0086】
本発明のコンクリート組成物においては、アルキルエーテル型陰イオン界面活性剤タイプ、変性ロジン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ、アルキルスルホン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ、高アルキルカルボン酸塩系陰イオン界面活性剤タイプ、変性アルキルカルボン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ等の種々のAE剤、例えば、ヴィンソル(商品名、山宗化学社製)又はMicro−Air(商品名、マスタービルダーズ社製)等を併用してもよく、本発明の作用効果を減ずるものではない。また、ポリカルボン酸系以外のセメント分散剤、収縮低減剤、分離低減剤、中性化防止剤、膨張剤、防水剤、遅延剤、急結剤、効果促進剤、水溶性高分子、増粘剤、凝集剤、セメント湿潤剤、防錆剤等の他のコンクリート混和剤を併用してもその効果を減ずるものではない。
【0087】
本発明においてはまた、コンクリート組成物に良質の空気を導入し、耐凍結融解性を向上させる場合には、更にAE剤を含有させることが好ましい。この場合、コンクリート組成物製造時に混練時間を延長して使用するとき、すなわちコンクリート組成物の搬送時に長時間混練し続けるようなときにも、上記コンクリート組成物では連行空気量を安定に保って、その硬化物の耐凍結融解性や、強度、耐久性を優れたものとすることができる。
【0088】
本発明のセメント組成物は、ポリオキシアルキレン系化合物、セメント、水、細骨材及び粗骨材を必須成分とする製造原料を混合する工程を含むコンクリート組成物の製造方法により製造することができる。この場合、本発明のコンクリート組成物を構成するものすべての製造原料を混合する工程を含むことになる限り、各製造原料の添加方法や順序等は特に限定されるものではない。このようなコンクリート組成物の製造方法は、本発明の好ましい実施形態の一つである。
【0089】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は、「質量%」を意味するものとする。
【0090】
製造例1
温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水339.6gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80度まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25個)333.6g、メタクリル酸66.4g、水100g及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸3.5gを混合したモノマー水媒体液503.5gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム4.6gを溶かした水溶液46gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80度に温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量23800の共重合体水媒体液からなる共重合体(1)を得た。
【0091】
以下の実施例及び比較例で用いた消泡剤の構造を、表1に示す。基本的な構造はアルコール又はアミンにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加させたものである。ここで、エチレンオキシドをEOとプロピレンオキシドをPOと記す。また、EO、POのモル数は平均付加モル数である。RaOは、炭素数12〜14の2級アルコール残基である。RbNは、炭素数14〜18の硬化牛脂アミン残基である。
【0092】
【表1】
Figure 0003995947
【0093】
実施例1〜5及び比較例1
<コンクリート試験>
コンクリート試験では、製造例1で得た共重合体(1)水溶液を濃度30%の水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、更にイオン交換水で希釈し、固形分濃度40%に調整したものを使用した。
セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製:比重3.16)、細骨材として大井川水系産陸砂(比重2.62)、粗骨材として青梅産砕石(比重2.58)及び水として横須賀市水道水を用い、以下に示す3種類の配合で、練り混ぜ量が40Lとなるようにそれぞれの材料を計量し、可傾式ミキサー(光洋機械産業社製:KYCベビーミキサー)を用いて材料の混練を行った。ミキサーの回転数は20回転/分に固定した。
【0094】
<配合1>
単位セメント量:360.0kg/m3
単位水量:144.0kg/m3
単位細骨材量:767.1kg/m3
単位粗骨材量:1043.1kg/m3
水/セメント比:40%
細骨材率:42%
【0095】
<配合2>
単位セメント量:360.0kg/m3
単位水量:144.0kg/m3
単位細骨材量:821.9kg/m3
単位粗骨材量:989.2kg/m3
水/セメント比:40%
細骨材率:45%
【0096】
<配合3>
単位セメント量:350.0kg/m3
単位水量:161.0kg/m3
単位細骨材量:877.1kg/m3
単位粗骨材量:899.0kg/m3
水/セメント比:46%
細骨材率:49%
【0097】
<混練方法>
(1)細骨材のみをミキサーに投入し、30秒間空練りした後、回転を止めた。
(2)セメントを投入し、更に30秒間空練りした。
(3)回転を止め、減水剤及び消泡剤を含む水(水の全所定量の95%)を加え、更に90秒間混練した。
(4)回転を再度止め粗骨材を投入し、更にAE剤を含む水(水の全所定量の5%)を加え、150秒間混練した。
(5)得られたコンクリートを一部ミキサーから取り出し、スランプと空気量を測定した。スランプの測定は日本工業規格JIS A 1101に、また空気量の測定は日本工業規格JIS A 1128に準拠して行った。この時点でのスランプ値をS1、空気量をA1とした。
(6)スランプと空気量の測定に用いたコンクリートをミキサーに戻し5分間混練した後、再度スランプと空気量を測定した。この時点でのスランプ値をS2、空気量をA2とした。
(7)再度測定に用いたコンクリートを戻し、5分間混練した。得られたコンクリートのスランプと空気量を測定した。この時点でのスランプ値をS3、空気量をA3とした。
これらの結果を表2に示した。
【0098】
【表2】
Figure 0003995947
【0099】
表2について、説明する。AE剤において、Micro−Air(商品名)とは、マスタービルダーズ社製のAE剤である。添加量(質量%/C)とは、セメント固形分に対する質量割合である。空気量(%)とは、コンクリート組成物における容積%である。
【0100】
<混和剤との相溶性試験>
消泡剤(3)及び(4)を所定量共重合体(1)の水溶液に加え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整し、更に固形分をイオン交換水で40%に調整した。得られた水溶液の様子をまず室温にて観察した後、43℃に保った恒温室内に放置し、1日後及び6ヶ月後の様子を観察した。
消泡剤(2)及び比較消泡剤(1)の場合は、共重合体(1)の水溶液を水酸化ナトリウムでpH7に調整した水溶液に対して、所定量添加した。イオン交換水で固形分を40%に調整した後、上記と同様の操作を行い、水溶液の様子を観察した。結果を表3にまとめた。
(外観の評価基準)
◎:均一で透明
△:白濁
×:層分離
【0101】
【表3】
Figure 0003995947
【0102】
表3について、以下に説明する。消泡剤の構造において、RaOは、炭素数12〜14の2級アルコール残基であり、RbNは、炭素数14〜18の硬化牛脂アミン残基(全アミン価=215.9)である。固形分濃度(%)とは、水溶液における固形分の質量%である。
【0103】
【発明の効果】
本発明のコンクリート組成物は、上述の構成よりなり、コンクリート組成物製造時の混練時間延長にともなう空気量増加がなく、連行空気量を安定に保つことができると共に、強度及び耐久性に優れた硬化物を形成することができるものである。

Claims (7)

  1. ポリオキシアルキレン系化合物、セメント、水、細骨材及び粗骨材を必須成分とするコンクリート組成物であって、
    該ポリオキシアルキレン系化合物は、下記一般式(1);
    X−〔(AO)n−R〕k (1)
    (式中、Xは、活性水素を有する化合物残基を表し、かつ分子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を有するものである。1は、同一若しくは異なって、水素原子、炭化水素基、−Y−NR23、−COR4又は−CH2CH2NHCO−R5を表す。Yは、炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R2及びR3は、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R4及びR5は、炭素数1〜30の炭化水素基又は少なくとも1個以上のカルボキシル基若しくはスルホニル基又はこれらの塩を有する基を表す。AOは、同一若しくは異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、同一若しくは異なって、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300である。kは、1〜300である。)で表され、該オキシアルキレン基におけるオキシエチレン基の合計付加モル数をuとし、炭素数3以上のオキシアルキレン基の合計付加モル数をvとすると、0.35<u/(u+v)<0.7の関係を満たものであり、
    該コンクリート組成物は、更に、下記一般式(2);
    Figure 0003995947
    (式中、R 6 、R 7 及びR 8 は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。R 9 Oは、同一若しくは異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。aは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。R 10 は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表されるポリオキシアルキレンエステル系構成単位(I)と、下記一般式(3);
    Figure 0003995947
    (式中、R 11 、R 12 及びR 13 は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。M は、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム又は有機アミンを表す。)で表されるカルボン酸系構成単位(II)を有するポリカルボン酸系重合体(A−1)、及び/又は、下記一般式(4);
    Figure 0003995947
    (式中、R 14 、R 15 及びR 16 は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。R 17 は、炭素数1〜5の炭化水素基を表す。R 18 Oは、同一若しくは異なって、炭素数2 〜18のオキシアルキレン基を表す。bは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜300の数である。R 19 は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表されるポリオキシアルキレンエーテル系構成単位(III)と、下記一般式(5);
    Figure 0003995947
    (式中、R 20 及びR 21 は、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基又は−COOM 3 を表す。ただしR 20 及びR 21 は、同時に−COOM 3 を表さない。R 22 は、水素原子、メチル基又は−CH 2 COOM 4 を表す。R 22 が−CH 2 COOM 4 のときR 20 及びR 21 は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。M 2 、M 3 及びM 4 は、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム又は有機アミンを表す。)で表されるカルボン酸系構成単位(IV)を有するポリカルボン酸系重合体(A−2)を含むことを特徴とするコンクリート組成物。
  2. 前記一般式(1)中のXは、アルコールの残基又はアミンの残基であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート組成物。
  3. 前記一般式(1)中のXは、アミンの残基であることを特徴とする請求項記載のコンクリート組成物。
  4. 前記ポリオキシアルキレン系化合物の分子量は、10000以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のコンクリート組成物。
  5. 前記一般式(1)中のXは、分子内に炭素原子が8個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のコンクリート組成物。
  6. 前記ポリカルボン酸系重合体は、前記ポリカルボン酸系重合体(A−1)を少なくとも含むものであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のコンクリート組成物。
  7. 前記コンクリート組成物は、更にAE剤を含有するものである請求項1、2、3、4、5又は6記載のコンクリート組成物。
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