JP4341235B2 - ブッシュ軸受 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C27/00Elastic or yielding bearings or bearing supports, for exclusively rotary movement
    • F16C27/06Elastic or yielding bearings or bearing supports, for exclusively rotary movement by means of parts of rubber or like materials
    • F16C27/063Sliding contact bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブッシュ軸受、特に自動車のステアリング機構におけるラック軸を摺動自在に支持するために用いて好適なブッシュ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブッシュ軸受として合成樹脂製のものが種々提案されているが、斯かる合成樹脂製のブッシュ軸受は、通常、締め代をもって軸部材を摺動自在に支持するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
実公昭62−34028号公報
【特許文献2】
実開平4−135875号公報
【特許文献3】
実開昭61−87775号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、合成樹脂製のブッシュ軸受において、支持する軸部材に対して大きな締め代をもつようにすると、軸部材を径方向に関して所定の剛性をもってしっかりと支持できるが、軸部材をきつく締め付けることになるので、摺動摩擦抵抗が大きくなって、軸部材を良好な摺動特性をもって支持できなくなる一方、支持する軸部材に対して小さな締め代をもつようにすると、軸部材に対して低い摺動摩擦抵抗をもった良好な摺動特性は期待できるが、軸部材に大きな心ずれが生じ易くなったり、軸部材との間に隙間が生じ易くなって、径方向の剛性的支持が低下し、しかも、斯かる隙間が生じると軸部材の摺動において軸部材との間に打音が発生することにもなる。
【0005】
また、合成樹脂製のブッシュ軸受では、熱履歴に伴う合成樹脂の応力緩和によって、軸部材との間又は軸部材が取り付けられる取り付け部材との間に隙間が生じて、径方向の剛性的支持が低下し、打音が発生するような不具合が生じ易く、また、合成樹脂の応力緩和によって特に径方向の収縮が生じる場合には、軸部材に対する締め代が増加して摺動摩擦抵抗が大きくなる虞がある。
【0006】
加えて、自動車のステアリング機構におけるラック軸を摺動自在に支持するために斯かる合成樹脂製のブッシュ軸受を用いると、ステアリング機構のギアボックス内が密閉されてギアボックス内の空気の流出入が困難となり、無理矢理な空気の流出入でもって、異音が生じたり或いは軸部材としてのラック軸との間の隙間に適用されたグリース等の潤滑剤の早期の消失が生じたりする虞がある。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ラック軸等の軸部材を径方向に関しては所定の剛性をもって軸方向に関しては低い摩擦抵抗をもって摺動自在に支持できる上に、熱履歴における性能変化の低減を図り得、しかも、自動車のステアリング機構におけるラック軸を摺動自在に支持するために用いても、ギアボックス内の空気圧に起因する空気流をギアボックス内に対して問題なく流出入させることができるブッシュ軸受を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様のブッシュ軸受は、支持すべき軸部材が摺動自在に接触する円筒状の内周面を有すると共に、当該内周面が縮径自在となるように少なくとも一つのスリットを有しており、しかも、外周面に少なくとも一つの円周方向溝を有する合成樹脂製のブッシュ本体と、ブッシュ本体の円周方向溝に装着されていると共に、ブッシュ本体の外周面の径よりも大きな外径を有する無端環状弾性部材とを具備しており、ここで、ブッシュ本体の内周面に軸部材を摺動自在に接触させて配した場合にブッシュ本体の軸方向の一端面側と他端面側とを連通させる少なくとも一つの軸方向溝をブッシュ本体はその内周面に有している。
【0009】
第一の態様のブッシュ軸受によれば、無端環状弾性部材が合成樹脂製のブッシュ本体の外周面の径よりも大きな外径を有しているために、ブッシュ本体の外周面との間に隙間をもって、しかも、無端環状弾性部材を弾性変形させて潰した状態で軸部材の取り付け部材の貫通孔に嵌装することができ、而して、潰しに起因する無端環状弾性部材の弾性反発力に抗する径方向力に基づく軸部材の径方向の大きな変位をブッシュ本体の外周面で規制でき、しかも、潰しに起因する無端環状弾性部材の弾性力でもってブッシュ本体を軸部材に締め付ける結果、軸部材を径方向に関しては所定の剛性をもって軸方向に関しては低い摩擦抵抗をもって摺動自在に支持できる上に、熱履歴に伴う合成樹脂の応力緩和による円筒状の内周面と軸部材との間又は無端環状弾性部材とブッシュ軸受が取り付けられる取り付け部材との間に隙間が生じないようにし得ると共に、合成樹脂の応力緩和に基づく径方向の収縮による締め代に対する影響を小さくできる結果、熱履歴における性能変化の低減を図り得、加えて、軸部材をブッシュ本体の内周面に摺動自在に接触させて配した場合にブッシュ本体の軸方向の一端面側と他端面側とを連通させる少なくとも一つの軸方向溝を合成樹脂製のブッシュ本体がその内周面に有しているために、例えば自動車のステアリング機構における軸部材としてのラック軸を摺動自在に支持するために用いても、取り付け部材としてのギアボックス内を軸方向溝を介して外部に連通させることができる結果、ギアボックス内の空気圧に起因する空気流を軸方向溝を介してギアボックス内に対して問題なく流出入させることができる。
【0010】
ブッシュ本体の形成材料としての合成樹脂は、耐摩耗性に優れて低摩擦特性を有し、しかも、所定の撓み性と剛性とを有すると共に熱伸縮の少ないものが好ましく、具体的には、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂及びフッ素樹脂のうちの少なくとも一つを含む合成樹脂等を挙げることができる。
【0011】
第一の態様のブッシュ軸受では、ブッシュ本体は、少なくとも一つの軸方向溝を具備していればよいのであるが、本発明の第二の態様のブッシュ軸受のように、ブッシュ本体は、複数の軸方向溝をその内周面に有していてもよく、この場合、本発明の第三の態様のブッシュ軸受のように、複数の軸方向溝は、円周方向において同一の間隔をもって配されていてもよい。軸方向溝は軸方向と平行に真っ直ぐに伸びているのが好ましいが、本発明はこれに限定されず、軸方向に対して傾斜していても、途中で曲がっていてもよい。
【0012】
本発明において、スリットは、円筒状の内周面を縮径させるような内径を有した無端環状弾性部材を用いる場合には、熱履歴に伴う合成樹脂の応力緩和を吸収できる上に、無端環状弾性部材の弾性力に起因する円筒状の内周面の縮径を可能とする程度の幅を有していればよい。円筒状の内周面が24mmの径を有する場合には、スリットの幅として1mm程度を好ましい例として提示することができる。
【0013】
スリットは、本発明の第四の態様のブッシュ軸受のように、軸方向に対して傾斜する傾斜スリット部を有していてもよく、この場合、本発明の第五の態様のブッシュ軸受のように、軸方向において傾斜スリット部を間にして当該傾斜スリット部と連続して配されていると共に軸方向と平行に伸びた一対の軸方向スリット部を有していてもよい。
【0014】
また、スリットは、本発明の第六の態様のブッシュ軸受のように、軸方向と平行に伸びた一対の軸方向スリット部と、一対の軸方向スリット部の夫々と連続して配されていると共に軸方向に直交して伸びた一対の直交スリット部と、一対の直交スリット部と連続して配されていると共に軸方向と平行に伸びた他の軸方向スリット部とを有していてもよく、加えて、スリットは、本発明の第七の態様のブッシュ軸受のように、ブッシュ本体の軸方向の一方の端面から他方の端面まで伸びていてもよい。
【0015】
ブッシュ本体は、本発明の第八の態様のブッシュ軸受のように、一つのスリットがブッシュ本体の軸方向の一方の端面から軸方向にブッシュ本体の他方の端面の手前まで伸びており、他の一つのスリットがブッシュ本体の軸方向の他方の端面から軸方向にブッシュ本体の一方の端面の手前まで伸びているように複数個のスリットを有していてもよく、この場合、ブッシュ本体は、本発明の第九の態様のブッシュ軸受のように、一つのスリットと他の一つのスリットとを複数個有していて、斯かる複数個の一つのスリットと他の一つのスリットとが円周方向において交互に配されていてもよい。
【0016】
本発明の第八又は第九の態様のブッシュ軸受において、ブッシュ本体は、本発明の第十の態様のブッシュ軸受のように、ブッシュ本体の他方の端面と一つのスリットの伸長端との間に配された軸方向溝と、ブッシュ本体の一方の端面と他の一つのスリットの伸長端との間に配された軸方向溝とをその内周面に有していてもよい。
【0017】
また、ブッシュ本体は、本発明の第十一の態様のブッシュ軸受のように、少なくとも一対の分割体からなると共に、複数個のスリットを有していてもよい。
【0018】
本発明においては、ブッシュ本体の円筒状の内周面は、無端環状弾性部材がブッシュ本体の円周方向溝に装着された状態であって、支持すべき軸部材がブッシュ本体の内周面で規定される貫通孔に挿着されていない状態で、その径が支持すべき軸部材の外周面の径に締め代分を差し引いた径と実質的に同一となるように形成されるのが好ましく、そして、斯かる円筒状の内周面が軸部材の外周面にぴたりと隙間なしに接触した場合に、熱履歴に伴う合成樹脂の応力緩和を吸収できるような幅をスリットが有しているとよく、また、無端環状弾性部材は、それがブッシュ本体の円周方向溝に装着された場合に、本発明の第十二の態様のブッシュ軸受のように、円筒状の内周面を縮径させて上記の径を呈するようにブッシュ本体に弾性力を与える内径を有していても、これに代えて、円筒状の内周面を実質的に縮径することなしに上記の径を呈するように円周方向溝においてブッシュ本体に単に接触する内径を有していてもよく、ここで、円筒状の内周面を縮径させるような内径を有した無端環状弾性部材を用いる場合には、スリットは、熱履歴に伴う合成樹脂の応力緩和を吸収できる上に、無端環状弾性部材の弾性力に起因する円筒状の内周面の縮径を可能とする程度の幅を有しているとよい。円筒状の内周面が24mmの径を有する場合には、スリットの幅として1mm程度を好ましい例として提示することができる。
【0019】
ブッシュ本体は、一個だけの円周方向溝を有していてもよいのであるが、本発明の第十三の態様のブッシュ軸受のように、複数個の円周方向溝を有していてもよく、この場合、好ましくは無端環状弾性部材は各円周方向溝に装着されることになる結果、ブッシュ軸受は、複数個の無端環状弾性部材を具備することになる。
【0020】
無端環状弾性部材は、好ましくは本発明の第十四の態様のブッシュ軸受のように、断面において円形、楕円形、矩形又は扁平状の長円形を有しているが、本発明はこれらに限定されず、断面X字形状、断面U字形状又は断面台形状等の他の形状であってもよく、また、好ましくは本発明の第十五の態様のブッシュ軸受のように、天然ゴム製又は合成ゴム製であるが、その他の弾性を有する熱可塑性合成樹脂、例えばポリエステルエラストマーであってもよい。なお、無端環状弾性部材として、一般に使用されているOリングを好ましく用いることができる。
【0021】
ブッシュ本体は、本発明の第十六の態様のブッシュ軸受のように、その円筒状の内周面に少なくとも一つの凹所を有していても、本発明の第十七の態様のブッシュ軸受のように、その円筒状の内周面に離散的に配された複数個の小径の円形の凹所を有していてもよい。
【0022】
ブッシュ本体が以上のような凹所を有している場合には、本発明の第十八の態様のブッシュ軸受のように、斯かる凹所に固体又は流体の潤滑剤が配されていると好ましい。
【0023】
また、ブッシュ本体は、本発明の第十九の態様のブッシュ軸受のように、その円筒状の内周面を軸方向に分断するように配された円周方向凹所を有していてもよい。
【0024】
第十九の態様のブッシュ軸受のようにブッシュ本体が円周方向凹所を有している場合には、好ましくは、無端環状弾性部材は、本発明の第二十の態様のブッシュ軸受のように、分断された円筒状の内周面に対応して配された円周方向溝に装着されている。
【0025】
ブッシュ本体は、好ましくは、本発明の第二十一の態様のブッシュ軸受のように、円筒状の内周面の軸方向の両側において当該円筒状の内周面に連続して配されていると共に、円筒状の内周面から軸方向の端面に向かうに連れて大径となる一対のテーパ内周面を有しており、ここで、無端環状弾性部材は、本発明の第二十二の態様のブッシュ軸受のように、円筒状の内周面とテーパ内周面との境界部に対応して配された円周方向溝に装着されているとよい。
【0026】
本発明において、円周方向溝は、無端環状弾性部材の弾性を十分に得るようにする観点からは好ましくはその第二十三の態様のブッシュ軸受のように、当該円周方向溝に装着される無端環状弾性部材の体積よりも大きい容積を有しているが、これに代えて、その第二十四の態様のブッシュ軸受のように、当該円周方向溝に装着される無端環状弾性部材の体積よりも小さい容積を有していてもよい。
【0027】
第二十四の態様のブッシュ軸受のような容積を有した円周方向溝であると、径方向の力で無端環状弾性部材が大きく潰れて円周方向溝一杯に広がった際に、無端環状弾性部材の剛性を大きくできて、これによっても軸部材を径方向に関しては所定の剛性をもって支持できるようになる。
【0028】
本発明のブッシュ軸受は、ブッシュ本体に加えて、その第二十五の態様のブッシュ軸受のように、ブッシュ本体の外周面において当該ブッシュ本体に一体形成された合成樹脂製の鍔部を更に具備していてもよく、斯かる鍔部を具備していると、ブッシュ軸受を軸方向に移動しないようにして取り付け部材の貫通孔の開口端側に取り付けることができる。
【0029】
本発明のブッシュ軸受は、回転する軸部材、軸方向に直動する軸部材等を摺動自在に支持するために用いることができ、特に、その第二十六の態様のブッシュ軸受のように、自動車のステアリング機構における軸部材としてのラック軸を摺動自在に支持するために好適であって、斯かるラック軸に対して用いることによって、路面から加わる振動に基づくラック軸の径方向の心ずれを無端環状弾性部材の弾性変形でもって好ましく吸収してラック軸を軸方向に直動自在に低摩擦抵抗をもって剛性的に支持できることになる。
【0030】
本発明による自動車のステアリング機構は、軸部材としてのラック軸と、このラック軸を摺動自在に支持している上記のいずれかのブッシュ軸受と、このブッシュ軸受が取り付けられた貫通孔を有した取り付け部材とを具備しており、ここで、取り付け部材の貫通孔を規定する内周面とブッシュ本体の外周面との間には環状の隙間が形成されており、無端環状弾性部材は、取り付け部材の貫通孔を規定する内周面にその外周面で摺動自在に接触している。
【0031】
次に本発明を、図に示す好ましい実施の形態の例を参照して更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1から図3において、自動車のステアリング機構におけるラック軸2(図4参照)を軸方向Aに摺動自在に支持するための本例のブッシュ軸受1は、支持すべき軸部材としてのラック軸2が軸方向Aに摺動自在に接触する円筒状の内周面3を有すると共に、当該内周面3が縮径自在となるように軸方向Aの一方の端面4から他方の端面5まで伸びた少なくとも一つのスリット、本例では一つのスリット6を有しており、しかも、円筒状の外周面7に少なくとも一つの円周方向溝、本例では二つの環状の円周方向溝8及び9を有する合成樹脂製のブッシュ本体10と、ブッシュ本体10の円周方向溝8及び9の夫々に装着されていると共に、ブッシュ本体10の外周面7の径D1よりも大きな外径D2を有しており、天然ゴム製又は合成ゴム製の無端環状弾性部材11及び12と、ブッシュ本体10の外周面7において当該ブッシュ本体10に一体形成された合成樹脂製の鍔部13とを具備している。
【0033】
ブッシュ本体10の軸方向Aの一方の端面4から他方の端面5まで伸びたスリット6は、軸方向Aに対して傾斜する傾斜スリット部21と、軸方向Aにおいて傾斜スリット部21を間にして当該傾斜スリット部21と連続して配されていると共に軸方向Aと平行に伸びた一対の軸方向スリット部22及び23とを有しており、傾斜スリット部21並びに軸方向スリット部22及び23は、本例では1mm程度の幅tを有している。
【0034】
環状の円周方向溝8及び9の夫々は、当該円周方向溝8及び9の夫々に装着される無端環状弾性部材11及び12の体積よりも大きい容積を有しており、これにより、円周方向溝8及び9の夫々は、無端環状弾性部材11及び12が弾性変形されて潰されてブッシュ本体10の外周面7から突出しないようになっても、弾性変形されて潰された無端環状弾性部材11及び12で完全に埋められないようになっている。
【0035】
ブッシュ本体10は、軸方向Aにおいて広幅の円筒状の内周面3に加えて、内周面3の軸方向Aの両側において当該円筒状の内周面3に連続して配されていると共に、円筒状の内周面3から軸方向Aの端面4及び5に夫々向かうに連れて大径となる一対の環状のテーパ内周面25及び26と、端面5側に環状の面取面27とを有している。
【0036】
ブッシュ本体10は更に、その内周面3にラック軸2が摺動自在に接触されて配された場合に一端面4側と他端面5側とを連通させる少なくとも一つの軸方向溝、本例では円周方向において同一の間隔をもって配された複数、具体的には六個の軸方向溝15をその内周面3に有している。
【0037】
断面において円形を有する無端環状弾性部材11及び12の夫々は、ブッシュ本体10の内周面3を縮径させて径D3とする弾性力をブッシュ本体10に与えるような内径D4を有している。
【0038】
ブッシュ本体10の内周面3の径D3は、締め代をδmmとするとラック軸2の径D5よりも2δだけ小さい。斯かるブッシュ本体10の内周面3は、ラック軸2がブッシュ本体10の内周面3で規定される貫通孔28に挿着された場合(図4に示す場合)とそうでない場合(図1に示す場合)とで原理的にはその曲率が異なることになるので、前者の場合では、ラック軸2の外面29にぴったりと合致しなくなるが、締め代δに対して内周面3の径D3が十分に大きく、換言すれば締め代δが極めて小さく、例えば内周面3の径D3が24mm程度であって、締め代δが最大で0.7mm程度の場合には、ラック軸2が貫通孔28に挿着されても、ブッシュ本体10の撓みを含む弾性的変形によってラック軸2の外面29に実質的にぴったりと合致するものとみなし得る。
【0039】
以上のブッシュ軸受1は、図4に示すように、無端環状弾性部材11及び12が断面において楕円形に弾性変形されて潰され、しかも、鍔部13が取り付け部材としての自動車のステアリング機構のギアボックス31の端面32に当接した状態で、当該ギアボックス31の内周面33で規定されると共に無端環状弾性部材11及び12の外径D2よりも小さい径D6を有する貫通孔34に装着されると共に、内周面3で規定される貫通孔28にラック軸2が挿着されて、ラック軸2を軸方向Aに摺動自在にギアボックス31に対して支持するために用いられる。
【0040】
通常の状態では、ブッシュ軸受1は、図4に示すように、ギアボックス31の内周面33と円筒状の外周面7との間に環状の隙間35、例えば径方向Rの幅が0.17mm乃至0.19mmの環状の隙間35が生じるようになって、しかも、無端環状弾性部材11及び12の拡径とその楕円形への弾性変形とに基づく弾性押圧力と締め代δとをもってラック軸2を図4及び図5に示すように、軸方向Aに摺動自在に支持している。
【0041】
ブッシュ軸受1に支持されたラック軸2に径方向Rの変位が生じてラック軸2に心ずれが生じようとしても、ブッシュ軸受1は、その径方向Rの変位力が小さい場合には、無端環状弾性部材11及び12の弾性変形でこれを規制する一方、その径方向Rの変位力が大きい場合には、無端環状弾性部材11及び12の大きな弾性変形の後に、隙間35を消失させてブッシュ軸受1の外周面7がギアボックス31の内周面33に当接して隙間35を消失させこれを剛性的に規制する。
【0042】
以上のようにブッシュ軸受1によれば、ブッシュ本体10の外周面7との間に隙間35をもって、しかも、無端環状弾性部材11及び12を潰した状態でギアボックス31の貫通孔34に嵌装することができ、而して、潰しに起因する無端環状弾性部材11及び12の弾性反発力に抗する径方向力に基づくラック軸2の径方向の大きな変位をブッシュ本体10の外周面7で規制でき、しかも、潰しに起因する無端環状弾性部材11及び12の弾性力でもってブッシュ本体10をラック軸2に締め付ける結果、ラック軸2を径方向に関しては所定の剛性をもって軸方向Aに関しては低い摩擦抵抗をもって摺動自在に支持できる。
【0043】
また、ブッシュ軸受1によれば、ブッシュ本体10がスリット6を有し、しかも、無端環状弾性部材11及び12がブッシュ本体10の円周方向溝8及び9に装着されていると共に、ブッシュ本体10の外周面7の径D1よりも大きな外径D2を有しているために、熱履歴に伴う合成樹脂の応力緩和による内周面3とラック軸2との間又は無端環状弾性部材11及び12とギアボックス31の内周面33との間に隙間が生じないようにし得ると共に、合成樹脂の応力緩和に基づく径方向の収縮による締め代δに対する影響を小さくできる結果、熱履歴における性能変化の低減を図り得る。
【0044】
更に、ブッシュ軸受1は、ブッシュ本体10の外周面7の径D1よりも大きな外径D2を有している無端環状弾性部材11及び12を具備して、これを介してギアボックス31に嵌装するようになっているために、防振、消音特性に優れている上に、ブッシュ本体10、ラック軸2及びギアボックス31等に製作誤差があっても、無端環状弾性部材11及び12の弾性変形によってこれを吸収することができる結果、軸方向Aの摺動におけるラック軸2のこじり等の事態を軽減できる。
【0045】
また、ブッシュ軸受1では、ブッシュ本体10がその端面5側に環状の面取面27を有しているために、無端環状弾性部材11及び12の円周方向溝8及び9への装着を極めて容易に行い得る。
【0046】
なお、環状の隙間35の径方向Rの幅を適宜変えることにより、ブッシュ軸受1におけるラック軸2に対する心ずれ許容量、即ち径方向Rの剛性を最適値に調節することができる。
【0047】
更にまたブッシュ軸受1では、ブッシュ本体10の一端面4側と他端面5側とを連通させる軸方向溝15をブッシュ本体10がその内周面3に有しているために、ギアボックス31内を軸方向溝15を介して外部に連通させることができる結果、仮にブッシュ本体10の縮径でもってスリット6が閉じられてもギアボックス31内がブッシュ軸受1でもって密閉されることがなく、ギアボックス31内の空気圧に起因する空気流を軸方向溝15を介してギアボックス31内に対して問題なく確実に流出入させることができ、無理矢理な空気の流出入に起因する異音の発生をなくし得て、しかも、内周面3とラック軸2の外面29との間に通常配されるグリース等の潤滑剤の早期の消失を生じさせないようにできる。
【0048】
ところで上記では、無端環状弾性部材11及び12の体積よりも大きい容積を有して円周方向溝8及び9の夫々を構成したが、これに代えて、無端環状弾性部材11及び12の体積よりも小さい容積を有して円周方向溝8及び9の夫々を構成し、無端環状弾性部材11及び12が径方向Rの力で大きく弾性変形されて潰された際には無端環状弾性部材11及び12が円周方向溝8及び9の夫々で一杯に広がるようにして、無端環状弾性部材11及び12の剛性が増大するようにしてもよい。
【0049】
また上記のブッシュ軸受1のブッシュ本体10は、滑らかな平坦な内周面3を有しているが、これに代えて、図6に示すように、その円筒状の内周面3に軸方向溝15に加えて離散的に配された複数個の小径の円形の凹所51を有していてもよく、凹所51には、必要に応じて固体又は流体の潤滑剤を配して、更なる摺動摩擦抵抗の減少を図ってもよい。
【0050】
更に図7に示すように、円筒状の内周面3を軸方向に二つの内周面3a及び内周面3bに分断すると共に内周面3の軸方向溝15を同じく二つの軸方向溝15a及び15bに分断するように配された円周方向凹所52を有してブッシュ本体10を構成し、無端環状弾性部材11及び12を分断された円筒状の内周面3a及び3bに対応して配された円周方向溝8及び9に装着するようにしてもよく、図7に示すブッシュ軸受1では、ブッシュ本体10の一端面4側と他端面5側とは、軸方向溝15a及び15bに加えて円周方向凹所52を介して連通されることになる。
【0051】
上記のブッシュ軸受1のブッシュ本体10は、軸方向Aに挟幅の環状のテーパ内周面25及び26を有しているが、これに代えて、図8に示すように、軸方向溝15を有した広幅の円筒状の内周面3に加えて、円筒状の内周面3の軸方向Aの両側において当該円筒状の内周面3に連続して配されていると共に、円筒状の内周面3から軸方向Aの端面4及び5の夫々に向かうに連れて大径となる軸方向Aに広幅の一対のテーパ内周面55及び56を有していてもよく、この場合、無端環状弾性部材11及び12を円筒状の内周面3とテーパ内周面55及び56との境界部57及び58に対応して配された円周方向溝8及び9に装着するようにしてもよい。
【0052】
なお、図6から図8に示すように、鍔部13を省いてブッシュ軸受1を構成してもよく、この場合に、面取面27と同様の環状の面取面59を端面4側に設けてもよい。
【0053】
また、上記のブッシュ軸受1では、断面において円形の無端環状弾性部材11及び12の夫々を円周方向溝8及び9の夫々に装着したが、これに代えて、図9に示すように、ブッシュ本体10の外周面7の径D1よりも大きな外径D7を有する断面において扁平状の長円形の一つの無端環状弾性部材61をブッシュ本体10の外周面7の一つの円周方向溝62に装着してブッシュ軸受1としてもよい。
【0054】
以上のブッシュ軸受1では、スリット6が傾斜スリット部21を有した例であるが、これに代えて、例えば図10に示すように、軸方向Aと平行に伸びた軸方向スリット部22及び23と、軸方向スリット部22及び23の夫々と連続して配されていると共に軸方向Aに直交して伸びた直交スリット部65及び66と、直交スリット部65及び66と連続して配されていると共に軸方向Aと平行に伸びた軸方向スリット部67とを有してスリット6を構成してもよい。また、図10に示すように、断面において矩形状を有する無端環状弾性部材68を円周方向溝62に装着してブッシュ軸受1としてもよい。
【0055】
更にまた、図11に示すように、ブッシュ本体10に二つのスリット6a及び6bを設けて、ブッシュ本体10を一対の分割体10a及び10bから構成してもよく、斯かる二つのスリット6a及び6bを有して分割体10a及び10bからなるブッシュ軸受1によれば、分割体10a及び10bのいずれか一方を形成すればよく、製造が極めて簡単になる。
【0056】
上記のブッシュ軸受1は、ブッシュ本体10の軸方向Aの一方の端面4から他方の端面5まで伸びたスリット6を具備した例であるが、斯かるスリット6に代えて、図12に示すように、ブッシュ本体10の軸方向Aの一方の端面4から軸方向Aにブッシュ本体10の他方の端面5の手前まで伸びた複数個のスリット6aと、ブッシュ本体10の軸方向Aの他方の端面5から軸方向Aにブッシュ本体10の一方の端面4の手前まで伸びている複数個のスリット6bとを具備してブッシュ軸受1を構成してもよく、本例の場合、スリット6aとスリット6bとは、円周方向において交互に配されていると共に、ブッシュ本体10は、斯かるスリット6aとスリット6bとの間の夫々における内周面3に軸方向溝15を有している。
【0057】
図12に示す例では、軸方向溝15は、スリット6aとスリット6bとの間に配されているが、これに代えて、ブッシュ本体10の他方の端面5とスリット6aの伸長端71との間に配された軸方向溝15cと、ブッシュ本体10の一方の端面4とスリット6bの伸長端72との間に配された軸方向溝15dとを内周面3に有してブッシュ本体10を構成してもよく、図12に示すブッシュ軸受1では、ブッシュ本体10の一端面4側と他端面5側とは、軸方向溝15c及び15dに加えてスリット6a及び6bを介して連通されることになる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、ラック軸等の軸部材を径方向に関しては所定の剛性をもって軸方向に関しては低い摩擦抵抗をもって摺動自在に支持できる上に、熱履歴における性能変化の低減を図り得、しかも、自動車のステアリング機構におけるラック軸を摺動自在に支持するために用いても、ギアボックス内の空気圧に起因する空気流をギアボックス内に対して問題なく流出入させることが可能なブッシュ軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の一例の図2に示すI−I線矢視断面図である。
【図2】図1に示す例の左側面図である。
【図3】図1に示す例の外観図である。
【図4】図1に示す例を自動車のステアリング機構におけるギアボックスに用いた例の説明図である。
【図5】図4に示す例の左側面図である。
【図6】本発明の好ましい実施の形態の他の例の断面図である。
【図7】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の断面図である。
【図8】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の断面図である。
【図9】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の断面図である。
【図10】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の断面図である。
【図11】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の断面図である。
【図12】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の断面図である。
【図13】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の断面図である。
【符号の説明】
1 ブッシュ軸受
2 ラック軸
3 内周面
4、5 端面
6 スリット
8、9 円周方向溝
10 ブッシュ本体
11、12 無端環状弾性部材
15 軸方向溝

Claims (8)

  1. 支持すべき軸部材が摺動自在に接触する円筒状の内周面を有すると共に、当該内周面が縮径自在となるように少なくとも一つのスリットを有しており、しかも、外周面に少なくとも一つの円周方向溝を有する合成樹脂製のブッシュ本体と、ブッシュ本体の円周方向溝に装着されていると共に、ブッシュ本体の外周面の径よりも大きな外径を有する無端環状弾性部材とを具備しており、ブッシュ本体の内周面に軸部材を摺動自在に接触させて配した場合にブッシュ本体の軸方向の一端面側と他端面側とを連通させる少なくとも一つの軸方向溝をブッシュ本体はその内周面に有しており、スリットは、軸方向と平行に伸びた一対の軸方向スリット部と、一対の軸方向スリット部の夫々と連続して配されていると共に軸方向に直交して伸びた一対の直交スリット部と、一対の直交スリット部と連続して配されていると共に軸方向と平行に伸びた他の軸方向スリット部とを有しており、ブッシュ本体は、円筒状の内周面の軸方向の両側において当該円筒状の内周面に連続して配されていると共に、円筒状の内周面から軸方向の端面に向かうに連れて大径となる一対のテーパ内周面を有しており、無端環状弾性部材は、円筒状の内周面とテーパ内周面との境界部に対応して配された円周方向溝に装着されているブッシュ軸受。
  2. 支持すべき軸部材が摺動自在に接触する円筒状の内周面を有すると共に、当該内周面が縮径自在となるように複数個のスリットを有しており、しかも、外周面に少なくとも一つの円周方向溝を有する合成樹脂製のブッシュ本体と、ブッシュ本体の円周方向溝に装着されていると共に、ブッシュ本体の外周面の径よりも大きな外径を有する無端環状弾性部材とを具備しており、ブッシュ本体の内周面に軸部材を摺動自在に接触させて配した場合にブッシュ本体の軸方向の一端面側と他端面側とを連通させる少なくとも一つの軸方向溝をブッシュ本体はその内周面に有しており、一つのスリットは、ブッシュ本体の軸方向の一方の端面から軸方向にブッシュ本体の他方の端面の手前まで伸びており、他の一つのスリットは、ブッシュ本体の軸方向の他方の端面から軸方向にブッシュ本体の一方の端面の手前まで伸びており、ブッシュ本体は、円筒状の内周面の軸方向の両側において当該円筒状の内周面に連続して配されていると共に、円筒状の内周面から軸方向の端面に向かうに連れて大径となる一対のテーパ内周面を有しており、無端環状弾性部材は、円筒状の内周面とテーパ内周面との境界部に対応して配された円周方向溝に装着されているブッシュ軸受。
  3. ブッシュ本体は、一つのスリットと他の一つのスリットとを複数個有しており、一つのスリットと他の一つのスリットとは、円周方向において交互に配されている請求項2に記載のブッシュ軸受。
  4. ブッシュ本体は、ブッシュ本体の他方の端面と一つのスリットの伸長端との間に配された軸方向溝と、ブッシュ本体の一方の端面と他の一つのスリットの伸長端との間に配された軸方向溝とをその内周面に有している請求項2又は3に記載のブッシュ軸受。
  5. 支持すべき軸部材が摺動自在に接触する円筒状の内周面を有すると共に、当該内周面が縮径自在となるように複数個のスリットを有しており、しかも、外周面に少なくとも一つの円周方向溝を有する合成樹脂製のブッシュ本体と、ブッシュ本体の円周方向溝に装着されていると共に、ブッシュ本体の外周面の径よりも大きな外径を有する無端環状弾性部材とを具備しており、ブッシュ本体の内周面に軸部材を摺動自在に接触させて配した場合にブッシュ本体の軸方向の一端面側と他端面側とを連通させる少なくとも一つの軸方向溝をブッシュ本体はその内周面に有しており、少なくとも一対の分割体からなるブッシュ本体は、円筒状の内周面の軸方向の両側において当該円筒状の内周面に連続して配されていると共に、円筒状の内周面から軸方向の端面に向かうに連れて大径となる一対のテーパ内周面を有しており、無端環状弾性部材は、円筒状の内周面とテーパ内周面との境界部に対応して配された円周方向溝に装着されているブッシュ軸受。
  6. 支持すべき軸部材が摺動自在に接触する円筒状の内周面を有すると共に、当該内周面が縮径自在となるように少なくとも一つのスリットを有しており、しかも、外周面に少なくとも一つの円周方向溝を有する合成樹脂製のブッシュ本体と、ブッシュ本体の円周方向溝に装着されていると共に、ブッシュ本体の外周面の径よりも大きな外径を有する無端環状弾性部材とを具備しており、ブッシュ本体の内周面に軸部材を摺動自在に接触させて配した場合にブッシュ本体の軸方向の一端面側と他端面側とを連通させる少なくとも一つの軸方向溝をブッシュ本体はその内周面に有しており、円周方向溝は、当該円周方向溝に装着される無端環状弾性部材の体積よりも大きい容積を有しており、ブッシュ本体は、円筒状の内周面の軸方向の両側において当該円筒状の内周面に連続して配されていると共に、円筒状の内周面から軸方向の端面に向かうに連れて大径となる一対のテーパ内周面を有しており、無端環状弾性部材は、円筒状の内周面とテーパ内周面との境界部に対応して配された円周方向溝に装着されているブッシュ軸受。
  7. 支持すべき軸部材が摺動自在に接触する円筒状の内周面を有すると共に、当該内周面が縮径自在となるように少なくとも一つのスリットを有しており、しかも、外周面に少なくとも一つの円周方向溝を有する合成樹脂製のブッシュ本体と、ブッシュ本体の円周方向溝に装着されていると共に、ブッシュ本体の外周面の径よりも大きな外径を有する無端環状弾性部材と、ブッシュ本体の外周面において当該ブッシュ本体に一体形成された合成樹脂製の鍔部とを具備しており、ブッシュ本体の内周面に軸部材を摺動自在に接触させて配した場合にブッシュ本体の軸方向の一端面側と他端面側とを連通させる少なくとも一つの軸方向溝をブッシュ本体はその内周面に有しており、ブッシュ本体は、円筒状の内周面の軸方向の両側において当該円筒状の内周面に連続して配されていると共に、円筒状の内周面から軸方向の端面に向かうに連れて大径となる一対のテーパ内周面を有しており、無端環状弾性部材は、円筒状の内周面とテーパ内周面との境界部に対応して配された円周方向溝に装着されているブッシュ軸受。
  8. 軸部材としてのラック軸と、このラック軸を摺動自在に支持している請求項1から7のいずれか一項に記載のブッシュ軸受と、このブッシュ軸受が取り付けられた貫通孔を有した取り付け部材とを具備しており、取り付け部材の貫通孔を規定する内周面とブッシュ本体の外周面との間には、環状の隙間が形成されており、無端環状弾性部材は、取り付け部材の貫通孔を規定する内周面にその外周面で摺動自在に接触している自動車のステアリング機構。
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