JP4341090B2 - 車両用吸着式冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液冷式内燃機関(水冷エンジン)を有する車両に適用される吸着式冷凍機に関するもので、車両用空調装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
吸着式冷凍機は、略真空に保たれた吸着器内にて、水等の液冷媒冷媒を蒸発させるとともに、その蒸発した蒸気冷媒をシリカゲル等の吸着剤に吸着させることにより、冷凍能力を得るものである。
そして、蒸気冷媒の吸着が進み、蒸気冷媒の吸着能力が低下したときには、吸着剤を加熱して吸着した冷媒を脱離させ、その脱離した冷媒を凝縮させた後、再び蒸発させて冷凍能力を得る。このため、吸着式冷凍機においては、その冷凍能力(蒸発した冷媒量)に応じた熱量を必要とする。
【0003】
そこで、実開平1−126811号公報に記載の発明では、エンジンの廃熱により吸着剤を加熱して、冷凍能力を得る車両用空調装置が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水冷式エンジン(以下、エンジンと略す。)の冷却水は、ラジエータにより冷却されているが、このラジエータの冷却能力は、エンジンの負荷が最も大きくなり、エンジンの発熱量が最大になるときにおいても、エンジンがオーバヒートしないように選定されている。
【0005】
このため、ラジエータは、最大冷却能力を確保するに必要な大きさに選定されるので、必然的にその大きさが大きくなってしまう。
本発明は、上記点に鑑み、吸着式冷凍機を有する車両において、ラジエータの小型化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1に記載の発明では、液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が所定温度(T1、T2)より高いときには、液冷式内燃機関(200)のラジエータ(210)、及び吸着器(111、112)内を循環する冷却液を冷却する車室外熱交換器(120)にて液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却することを特徴とする。
【0007】
これにより、ラジエータ(210)及び車室外熱交換器(120)にて液冷式内燃機関の冷却液が冷却されることとなるので、ラジエータ(210)単体で液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却する場合に比べて、ラジエータ(210)の小型化を図ることができる。請求項2に記載の発明では、液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が所定温度(T1)より高いときには、吸着工程にある吸着器(111、112)にて発揮する冷凍能力を増大させ、この増大した冷凍能力に応じて脱離工程にある吸着器(111、112)にて液冷式内燃機関(200)の冷却液から吸熱される熱量を増大させることを特徴とする。
【0008】
これにより、増大した冷凍能力に応じて脱離工程にある吸着器にて吸熱される熱量が増大するので、液冷式内燃機関(200)の冷却液をより冷却することができ、ラジエータ(210)単体で液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却する場合に比べて、ラジエータ(210)の小型化を図ることができる。請求項3に記載の発明では、液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が第1所定温度(T1)より高く、かつ、第2所定温度(T2)より低いときであって、ポンプ手段(131)の停止しているときには、液冷式内燃機関(200)の冷却液を車室外熱交換器(120)にも流通させて、ラジエータ(210)及び車室外熱交換器(120)にて液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却し、液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が第1所定温度(T1)より高く、かつ、第2所定温度(T2)より低いときであって、ポンプ手段(131)が稼働しているときには、吸着工程にて発揮する冷凍能力を増大させ、さらに、液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が第1所定温度(T1)より高い第2所定温度(T2)以上となったときには、液冷式内燃機関(200)の冷却液を車室外熱交換器(120)にも流通させて、ラジエータ(210)及び車室外熱交換器(120)にて液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却することを特徴とする。
【0009】
これにより、請求項1、2に記載の発明と同様に、ラジエータ(210)の小型化を図ることができる。
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本実施形態は、ガソリン又は軽油を燃料とする水冷式エンジン(液冷式内燃機関)を有する車両に本発明に係る車両用吸着式冷凍機を適用したものであり、図1は車両用空調装置の模式図である。
図1中、200は走行用の水冷式エンジン(以下、エンジンと略す。)であり、210はエンジン200内を循環するエンジン冷却水と大気(車室外空気)との間で熱交換を行い、エンジン冷却水を冷却するラジエータである。なお、本実施形態では、水にエチレングリコールを添加したものをエンジン冷却水として利用している。
【0011】
220はラジエータ210を流通させるエンジン冷却水の水量を調節することにより、エンジン200を適温(90℃〜100℃)に維持するサーモスタットであり、230はエンジン200から駆動力を得てエンジン冷却水を循環させる機械式のウォータポンプである。240はラジータ210に空気を送風するラジエータファンであり、このラジエータファン240は、電子制御装置(ECU)300により制御されている。
【0012】
また、100(一点鎖線で囲まれたもの)は吸着式冷凍機であり、この吸着式冷凍機100は、冷凍能力を発揮する冷凍機本体110、後述する第1、2吸着器111、112内を循環する冷凍機用の冷却液(本実施形態では、エンジン冷却水と同じもの)を大気との間で熱交換を行い、冷却液を冷却する車室外熱交換器(以下、室外器と略す。)120、冷却液を循環させる電動式の第1、2ポンプ131、132、及び室外器120に空気を送風する室外器ファン140を有して構成されている。
【0013】
なお、室外器120は、図2に示すように、車両前方側にてラジエータ210より空気流れ上流側に配設されている。
そして、冷凍機本体110は、図3に示すように、蒸気冷媒(水蒸気)を吸着するとともに、加熱されることにより吸着した蒸気冷媒を脱離する吸着剤(本実施形態では、シリカゲル)Si、及び略真空状態で液相冷媒が(水)封入された第1、2吸着器111、112と、各吸着器111、112にて冷却された熱交換媒体(本実施形態では、エンジン冷却水と同じもの)又は加熱された冷却液の通路を切り換える第1〜4切換弁113〜116等から構成されている。
【0014】
ところで、本実施形態では、冷却液と熱交換媒体とは同一のものであり、かつ、後述するように、吸着式冷凍機100の稼働時においては、冷却液と熱交換媒体とは混合するので、以下、両者を総称して冷却液と呼ぶ。
また、第1、2吸着器111、112は、吸着剤Siが表面に接着された熱交換器(以下、これら熱交換器を第1、2吸着コア111a、112aと呼ぶ。)と、吸着剤Siが接着されていない熱交換器(以下、これら熱交換器を第1、2凝縮コア111b、112bと呼ぶ。)と、これらコア111a、112a、111b、112b及び冷媒を収納するケーシング111c、112cとから構成されている。
【0015】
そして、これらコア111a、112a、111b、112b内には、第1、2吸着コア111、112内の雰囲気と熱交換をする冷却液が流通しており、この冷却液は、第1、2電動ポンプ131、132により循環させられている。
ところで、図1中、400は車両空調装置の空調ユニットであり、410は車室内に吹き出す吹出空気(空調空気)の通路を構成する空調ケーシングである。そして、この空調ケーシング410の最上流側には、車室内の空気を吸入する内気吸入口411及び車室外空気を吸入する外気吸入口412が形成されているとともに、両吸入口411、412を切換開閉する内外切換ドア420が設けられている。
【0016】
430は両吸入口411、412から吸入した空気を車室内に向けて送風する送風機であり、この送風機430の空気流れ下流には、吸着式冷凍機100(第1、2凝縮コア111b、112b)にて冷却された冷却液と吹出空気(被冷却体)とを熱交換し、吹出空気を冷却する車室内熱交換器(以下、室内器と略す。)440が配設されている。
【0017】
そして、室内器440の吹出空気流れ下流側には、エンジン冷却水を熱源として吹出空気を加熱するヒータコア(加熱手段)450が配設されており、このヒータコア450の近傍には、室内器440を通過した吹出空気のうち、ヒータコア450を通過する風量とヒータコア450を迂回する風量とを調節することにより、吹出空気の温度を調節するエアミックスドア(温度調節手段)460が設けられている。
【0018】
413はフロントガラス(図示せず)に向けて開口するデフロスタ吹出口(図示せず)に連通するデフ開口部であり、414は乗員の上半身に向けて開口するフェイス吹出口(図示せず)に連通するフェイス開口部であり、415乗員の足下に向けて開口するフット吹出口(図示せず)に連通するフット開口部である。そして、471〜473は各開口部413〜415を開閉する吹出モード切替ドアであり、これら吹出モード切替ドア471〜473、エアミックスドア460、内外気切換ドア420及び送風機430の作動は、ECU300により制御されている。
【0019】
なお、ECU300には、車室内温度を検出する内気温度センサ310、外気温度を検出する外気温度センサ320、日射量を検出する日射センサ330、エンジン冷却水の温度を検出するエンジン水温センサ340等の空調センサからの信号、室内器440を通過した直後の吹出空気の温度を検出する第1吹出空気温度センサ350及びエアミックスドア460にて温度調節された後の吹出空気の温度を検出する第2吹出空気温度センサ360からの信号、並びに空調コントロールパネル370からの信号が入力されている。
【0020】
なお、空調コントロールパネル370は、乗員により手動操作されるもので、図4に示すように、吹出モードを切り換える吹出モード切換レバー371、内気吸入状態と外気吸入状態とを切り換える内外気切換レバー372、乗員が希望する車室内温度を設定する温度コントロールレバー373、吹出空気量を切り換える風量切換レバー374、及び空調装置の始動・停止を行うエアコンS/W376より構成されている。
【0021】
次に、吸着式冷凍機100の作動について述べる。
吸着式冷凍機100は、第1吸着コア111aで冷媒を吸着させる吸着工程、第2吸着コア112aで冷媒の脱離を行う脱離工程からなる第1工程と、第1吸着コア111aで冷媒を脱離させる脱離工程、第2吸着コア112aで冷媒を吸着させる吸着工程からなる第2工程とを、所定時間t1(本実施形態では60秒)毎に交互に行う。
【0022】
具体的には、第1工程では、第1〜4切換弁113〜116を図2の実線で示すように作動させる。これにより、エンジン200で加熱されたエンジン冷却水が、第2吸着コア112aに流入し、第2吸着コア112aの吸着剤Siを加熱して第2吸着コア112aの吸着剤Siに吸着された蒸気冷媒を脱離する。
一方、第1吸着器111内の液冷媒の蒸発が進行するため、第1凝縮コア111b内の冷却液が冷却されるとともに、その蒸発した蒸気冷媒が、第1吸着コア111aの吸着剤Siに吸着される。
【0023】
このとき、第1ポンプ131により第1凝縮コア111bと室内器440との間を冷却液が循環するので、吹出空気(被冷却体)が冷却される。一方、第2ポンプ132により第2凝縮コア112b及び第1吸着コア111aと室外器120との間を冷却液が循環するので、第2吸着器112内で脱離した蒸気冷媒が凝縮するとともに、第1吸着コア111aの吸着剤Siで発生する吸着熱を吸熱され、吸着能力が低下することが防止される。
【0024】
なお、第2工程は、第1〜4切換弁113〜116を図2の破線に示すように作動させることにより、上記した第1工程における第1吸着器51の作動が第2吸着器52の作動となり、第2吸着器52の作動が第1吸着器51の作動となる。
以上のようにして、吸着冷凍機100は、第1工程と第2工程とを所定時間t1毎に交互に行うことにより、連続的に冷房能力(冷却能力)を発揮する。
【0025】
次に、本実施形態に係る吸着式冷凍機100の特徴的作動を図5に示すフローチャートに基づいて述べる。
先ず、エンジン水温センサ340の検出温度(以下、この検出温度をエンジン水温Twと呼ぶ。)を読み込み(S100)、エンジン水温Twと第1、2所定温度T1、T2との大小を比較する(S110)。ここで、第2所定温度T2は第1所定温度T1より高い温度であり、本実施形態では、第1所定温度T1は100℃であり、第1所定温度T2は110℃である。
【0026】
そして、エンジン水温Twが第1所定温度T1より高く、かつ、第2所定温度T2より低いとき(T1<Tw<T2)には、エンジン200の負荷及び発熱量が増大したものと見なして、第1ポンプ131が稼働しているか否か、すなわち吸着式冷凍機100が稼働しているか否かを判定し(S120)、吸着式冷凍機100(第1電動ポンプ131)が停止しているときには、第1〜4切換弁113〜116を図6の実線で示すように作動させる(S130)。
【0027】
これにより、エンジン200で加熱されたエンジン冷却水は、冷凍機本体110内を流通して室外器120に流入し、外気にて冷却された後、再び冷凍機本体110内を流通してエンジン200に戻る(図6の太い実線)。つまり、エンジン冷却水は、室外器120及びラジエータ210の両者で冷却されることとなる。
【0028】
一方、S120にて吸着式冷凍機100(第1電動ポンプ131)が稼働していると判定されたときには、送風機430の送風量を増大させて吸着式冷凍機100(吸着工程にある吸着器)にて発揮される冷凍能力を増大させる(S140)。
また、S110にてエンジン水温Twが第2所定温度T2以上であると判定されたときには、エンジン200の負荷及び発熱量が最大になったものと見なして、吸着式冷凍機100(第1電動ポンプ131)の稼働状態によらず、エンジン冷却水を室外器120に流通させて、エンジン冷却水を室外器120及びラジエータ210の両者で冷却する(S130)。
【0029】
なお、S110にてエンジン水温Twが第1所定温度T1以下であると判定されたときは、S100に戻る。次に、本実施形態の特徴を述べる。エンジン水温Twが第1所定温度T1より高く、かつ、第2所定温度T2より低いときであって、吸着式冷凍機100が停止しているときには、エンジン冷却水を室外器120にも流通させて、ラジエータ210及び室外器120にてエンジン冷却水を直接に冷却するので、ラジエータ210単体でエンジン冷却水を冷却する場合に比べて、ラジエータ210の小型化を図ることができる。
【0030】
また、エンジン水温Twが第1所定温度T1より高く、かつ、第2所定温度T2より低いときであって、吸着式冷凍機100が稼働しているときには、送風機430の送風量を増大させて吸着式冷凍機100(吸着工程にある吸着器)にて発揮される冷凍能力を増大させるので、増大した冷凍能力に応じて吸着式冷凍機100(脱離工程にある吸着器)にて吸熱される熱量が増大する。
【0031】
したがって、エンジン冷却水を間接的に冷却することができるので、ラジエータ210単体でエンジン冷却水を冷却する場合に比べて、ラジエータ210の小型化を図ることができる。
因みに、吸着式冷凍機100の一般的な成績係数(冷凍能力/脱離工程にて吸熱した熱力)は、約0.5であるので、冷凍能力を2kw増大させれば、エンジン冷却水の冷却能力が約4kw増加する。
【0032】
なお、この場合、室内器440を通過する吹出空気の温度が過度に低下する可能性があるが、ヒータコア450にて再加熱するので、実際に車室内に吹き出す吹出空気の温度が過度に低下することはない。
また、エンジン水温が第2所定温度T2以上となったときには、吸着式冷凍機100の稼働状態によらず、エンジン冷却水を室外器140に流通させてラジエータ210及び室外器140にてエンジン冷却水を冷却するので、上述のごとく、ラジエータ210単体でエンジン冷却水を冷却する場合に比べて、ラジエータ210の小型化を図ることができる。
【0033】
なお、室外器120(吸着式冷凍機100)にてエンジン冷却水を冷却するときは、空調装置にて冷房運転を行うことができなくなるおそれがある。
しかし、室外器120(吸着式冷凍機100)にてエンジン冷却水を冷却する必要がある場合とは、車両加速時や急勾配登坂時等の限られた時間であり、走行時の多くの場合は、市街地走行時のごとく、エンジンの負荷が小さいときであるので、上述のごとくラジエータ210を小型化しても、実用上、問題ない。
【0034】
ところで、上述の実施形態では、吸着剤Siとしてシリカゲルを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、吸着剤Siとして活性炭、ゼオライト、活性アルミナなどを用いてもよい。
また、上述の実施形態では、液冷媒として水を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、アルコール、フロンなど吸着剤Siに吸着されるものであれば、その他の物であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る車両用空調装置の模式図である。
【図2】実施形態に係る車両用空調装置の搭載状態を示す模式図である。
【図3】冷凍機本体の模式図である。
【図4】コントロールパネルの正面図である。
【図5】実施形態に係る車両用空調装置の制御フローを示すフローチャートである。
【図6】冷凍機本体の模式図である。
【符号の説明】
100…吸着式冷凍機、110…冷凍機本体、120…車室外熱交換器、
430…送風機、440…車室内熱交換器。
Claims (3)
- 液冷式内燃機関(200)、及び前記液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却するラジエータ(210)を有する車両に適用される車両用吸着式冷凍機であって、
蒸気冷媒を吸着するとともに、加熱されることにより吸着した蒸気冷媒を脱離する吸着剤(Si)及び液冷媒が封入され、冷凍能力を発揮する吸着器(111、112)と、
前記吸着器(111、112)内を循環する冷却液を冷却する車室外熱交換器(120)とを備え、
前記液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が所定温度(T1、T2)より高いときには、前記ラジエータ(210)及び前記車室外熱交換器(120)にて前記液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却することを特徴とする車両用吸着式冷凍機。 - 液冷式内燃機関(200)、及び前記液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却するラジエータ(210)を有する車両に適用される車両用吸着式冷凍機であって、
蒸気冷媒を吸着するとともに、加熱されることにより吸着した蒸気冷媒を脱離する吸着剤(Si)及び液冷媒が封入され、冷凍能力を発揮する吸着器(111、112)と、
前記吸着器(111、112)内を循環する冷却液を冷却する車室外熱交換器(120)とを備え、
蒸気冷媒を吸着させて前記吸着器(111、112)にて冷凍能力を発揮させる吸着工程と、前記液冷式内燃機関(200)の冷却液にて前記吸着剤(Si)を加熱して蒸気冷媒を脱離させる脱離工程とを切り替え運転し、
さらに、前記液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が所定温度(T1)より高いときには、前記吸着工程にある前記吸着器(111、112)にて発揮する冷凍能力を増大させ、この増大した冷凍能力に応じて前記脱離工程にある前記吸着器(111、112)にて前記液冷式内燃機関(200)の冷却液から吸熱される熱量を増大させることを特徴とする車両用吸着式冷凍機。 - 液冷式内燃機関(200)、及び前記液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却するラジエータ(210)を有する車両に適用される車両用吸着式冷凍機であって、
蒸気冷媒を吸着するとともに、加熱されることにより吸着した蒸気冷媒を脱離する吸着剤(Si)及び液冷媒が封入され、冷凍能力を発揮する吸着器(111、112)と、
冷凍能力を発揮する前記吸着器(111、112)により冷却された熱交換媒体と車室内に吹き出す吹出空気とを熱交換し、前記吹出空気を冷却する車室内熱交換器(440)と、前記熱交換媒体を循環させるポンプ手段(131)と、
前記吸着器(111、112)内を循環する冷却液を冷却する車室外熱交換器(120)とを備え、
蒸気冷媒を吸着させて前記吸着器(111、112)にて冷凍能力を発揮させる吸着工程と、前記冷却液にて前記吸着剤(Si)を加熱して蒸気冷媒を脱離させる脱離工程とを切り替え運転し、
前記液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度として、第1所定温度(T1)と前記第1所定温度(T1)より高い第2所定温度(T2)とをあらかじめ設定しておき、
前記液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が前記第1所定温度(T1)より高く、かつ、前記第2所定温度(T2)より低いときであって、前記ポンプ手段(131)が停止しているときには、前記液冷式内燃機関(200)の冷却液を車室外熱交換器(120)にも流通させて、前記ラジエータ(210)及び前記車室外熱交換器(120)にて前記液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却し、
前記液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が前記第1所定温度(T1)より高く、かつ、前記第2所定温度(T2)より低いときであって、前記ポンプ手段(131)が稼働しているときには、前記吸着工程にて発揮する冷凍能力を増大させ、
さらに、前記液冷式内燃機関(200)の冷却液の温度が前記第2所定温度(T2)以上となったときには、前記液冷式内燃機関(200)の冷却液を車室外熱交換器(120)にも流通させて、前記ラジエータ(210)及び前記車室外熱交換器(120)にて前記液冷式内燃機関(200)の冷却液を冷却することを特徴とする車両用吸着式冷凍機。
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