JP2002178742A - 車両用吸着式冷凍機 - Google Patents

車両用吸着式冷凍機

Info

Publication number
JP2002178742A
JP2002178742A JP2000374875A JP2000374875A JP2002178742A JP 2002178742 A JP2002178742 A JP 2002178742A JP 2000374875 A JP2000374875 A JP 2000374875A JP 2000374875 A JP2000374875 A JP 2000374875A JP 2002178742 A JP2002178742 A JP 2002178742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorption
outdoor unit
cooling
condensation
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000374875A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahisa Suzuki
隆久 鈴木
Satoru Inoue
哲 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2000374875A priority Critical patent/JP2002178742A/ja
Publication of JP2002178742A publication Critical patent/JP2002178742A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着工程と脱離工程における冷却液の冷却を
別々に行うとともに、吸着工程側の冷却能力を高くする
ことで冷凍能力の向上を可能とした車両用吸着式冷凍機
を実現する。 【解決手段】 水冷式エンジンを有する車両に適用され
る車両用吸着式冷凍機であって、吸着剤Siおよび液冷
媒が封入され、冷凍能力を発揮する第1、2吸着器11
1、112と、この第1、2吸着器111、112内を
循環する冷却液を冷却する車室外熱交換器121、12
2とを備え、かつ車室外熱交換器121、122は、第
1、2吸着コア111a、112a内を循環する冷却液
を冷却する吸着用室外器121と、第1、2凝縮コア1
11b、112b内を循環する冷却液を冷却する凝縮用
室外器122とをそれぞれ独立させて有するとともに、
吸着用室外器121側を凝縮用室外器122よりも空気
流れの上流側に配置させて冷却能力を高めることを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液冷式内燃機関
(水冷エンジン)を有する車両に適用される車両用吸着
式冷凍機に関するものであり、特に吸着器の冷却液の冷
却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の車両用吸着式冷凍機は、周知の
ごとく、低圧(略真空)に保持された吸着器内にて冷媒
を蒸発させて冷凍能力を得るととともに、その蒸発した
冷媒(蒸気冷媒)を吸着剤にて吸着することにより、冷
媒を継続的に蒸発させて冷凍能力を持続させるものであ
る。
【0003】そして、吸着剤の吸着能力が飽和状態に近
づき、吸着能力が低下してきたときには、その低下した
吸着剤を加熱して吸着された冷媒を脱離(再生)し、再
び冷媒を蒸発させて冷凍能力を得る。つまり、吸着式冷
凍機では、その冷凍能力に応じた熱量を吸収して冷凍能
力を発生する。因みに、冷媒を水とし、吸着剤をシリカ
ゲルとした一般的な吸着式冷凍機の成績係数(冷凍能力
/吸着剤に与えた熱量)は約0.5であるので、一般的
な吸着式冷凍機では、1(W)の冷凍能力を発揮するの
に約2(W)の熱量を消費する。
【0004】そこで、例えば特開2000−17737
4号公報に記載の発明では、水冷エンジンから大気中に
放熱されていた廃熱を利用して吸着式冷凍機を稼働させ
ることにより、省動力化を図った車両用吸着式冷凍機が
開示されている。
【0005】上記公報では、2個の吸着器を用い片側の
吸着器が吸着剤を冷却して水を吸着させるときの蒸発熱
で冷凍を行う吸着工程にあるときに、他方の吸着器が吸
着剤を過熱して放出させた水蒸気を冷却して凝縮させる
脱離工程を行わせ、所定時間経過後に吸着、脱離工程を
入れ換えることにより冷凍を継続させるようになってい
る。また、片方が吸着工程、他方が脱離工程を行うそれ
ぞれの吸着器は、車室外熱交換器に接続され大気(車室
外空気)との間で熱交換された冷却液を吸着器内に循環
させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
公報によれば、吸着された吸着熱を循環する冷却液と脱
離された凝縮熱を循環する冷却液とを混合させて車室外
熱交換器で冷却しているため、外気温度が上昇してくる
と吸着器内に循環する冷却液の温度が高くなり、吸着剤
の吸着温度および凝縮温度が高くなることで冷凍能力が
低下してしまう。
【0007】すなわち、図9に示すように、冷却水の吸
着特性において、例えば、脱離温度(エンジン水温)を
90℃、吸着温度(蒸発温度)を10℃とすると、冷却
水温度が30℃のときにおいては脱離がA1点、吸着が
B1点であるのに対し、冷却水温度が40℃に上昇する
と脱離がC1点、吸着がD1点となり吸着と脱離の水分
吸着率の差が冷却水温度が30℃と比較して小さくな
る。冷凍能力は水分吸着率の差と吸着剤の量に比例する
ため、従って同じ量の吸着剤を有した吸着器では外気温
度が高くなるほど冷凍能力が低下する課題がある。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記点を鑑み、
吸着工程と脱離工程における冷却液の冷却を別々に行う
とともに、吸着工程側の冷却能力を高くすることで冷凍
能力の向上を可能とした車両用吸着式冷凍機を提供する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記、目的を達成するた
めに、請求項1ないし請求項7に記載の技術的手段を採
用する。すなわち、請求項1の発明では、液冷式内燃機
関(200)を有する車両に適用される車両用吸着式冷
凍機であって、蒸気冷媒を吸着するとともに、加熱され
ることにより吸着した蒸気冷媒を脱離する吸着剤(S
i)及び液冷媒が封入され、冷凍能力を発揮する吸着器
(111、112)と、この吸着器(111、112)
に設けられ、吸着剤(Si)が接合された吸着コア(1
11a、112a)と、吸着器(111、112)に設
けられ、吸着剤(Si)が接合されていない凝縮コア
(111b、112b)と、吸着コア(111a、11
2a)および凝縮コア(111b、112b)内を循環
する冷却液を冷却する車室外熱交換器(121、12
2)とを備え、かつ車室外熱交換器(121、122)
は、吸着コア(111a、112a)内を循環する冷却
液を冷却する吸着用室外器(121)と、凝縮コア(1
11b、112b)内を循環する冷却液を冷却する凝縮
用室外器(122)とをそれぞれ独立させて有するとと
もに、吸着用室外器(121)の方が凝縮用室外器(1
22)よりも冷却能力が高くなるようにしたことを特徴
としている。
【0010】請求項1の発明によれば、車室外熱交換器
(121、122)は、吸着用室外器(121)と凝縮
用室外器(122)とをそれぞれ独立させて有するとと
もに、吸着用室外器(121)の方が凝縮用室外器(1
22)よりも冷却能力が高くなるように構成したことに
より、従来、一つの車室外熱交換器で混合して冷却して
いたときに比べ、吸着用室外器(121)側で冷却され
た冷却水温度を下げることができるため吸着時の吸着温
度が低くなって水分吸着率を高めることが可能となる。
【0011】また、一方の凝縮用室外器(122)側
は、冷却水温度が上がるが、脱離時の凝縮温度が上昇し
ても水分吸着率が大きく変化しないため、結果的に吸着
時の水分吸着率と脱離時の水分吸着率との差が大きくと
れる。従って、冷凍能力を向上させることができる。
【0012】請求項2の発明では、冷却風の上流側に吸
着用室外器(121)を配置し、下流側に凝縮用室外器
(122)を配置したことを特徴としている。
【0013】請求項2の発明によれば、吸着用室外器
(121)を凝縮用室外器(122)の上流側に配置し
たことにより、吸着用室外器(121)側の冷却水温度
を下げることができ吸着温度を低くすることができるた
め冷凍能力を向上させることができる。
【0014】請求項3の発明では、吸着用室外器(12
1)の方が、凝縮用室外器(122)よりも熱交換器の
奥行き寸法を大きくしてあることを特徴としている。
【0015】請求項3の発明によれば、吸着用室外器
(121)を凝縮用室外器(122)よりも熱交換器の
奥行き寸法を大きくしてあることにより、冷却能力が大
となり吸着温度を低くすることができるため冷凍能力を
向上させることができる。
【0016】請求項4の発明では、吸着用室外器(12
1)の方が、凝縮用室外器(122)よりも放熱フィン
のピッチを小さくしてあることを特徴としている。
【0017】請求項4の発明によれば、吸着用室外器
(121)を凝縮用室外器(122)よりも放熱フィン
のピッチを小さくしてあることにより、冷却能力が大と
なり吸着温度を低くすることができるため冷凍能力を向
上させることができる。
【0018】請求項5の発明では、吸着用室外器(12
1)の方が、凝縮用室外器(122)よりも冷却風量を
大きくしてあることを特徴としている。
【0019】請求項5の発明によれば、吸着用室外器
(121)を凝縮用室外器(122)よりも冷却風量を
大きくしてあることにより、冷却能力が大となり吸着温
度を低くすることができるため冷凍能力を向上させるこ
とができる。
【0020】請求項6の発明では、吸着用室外器(12
1)の方が、凝縮用室外器(122)よりも前面面積を
大きくしてあることを特徴としている。
【0021】請求項6の発明によれば、吸着用室外器
(121)を凝縮用室外器(122)よりも前面面積を
大きくしてあることにより、冷却能力が大となり吸着温
度を低くすることができるため冷凍能力を向上させるこ
とができる。
【0022】請求項7の発明では、吸着用室外器(12
1)および凝縮用室外器(122)は、車両エンジンル
ーム前部の上下方向に配置され、かつ吸着用室外器(1
21)が凝縮用室外器(122)の上方に配置されるこ
とを特徴としている。
【0023】請求項7の発明によれば、吸着用室外器
(121)を凝縮用室外器(122)よりも上方に配置
されることにより、一般的に車両のアイドリングのとき
には、車両の下部より熱風が車両の前面側に回り込みが
あり、概して、車両下方側の方が熱風温度が高く上方側
の方が低いので冷却能力が大となり吸着温度を低くする
ことができるため冷凍能力を向上させることができる。
【0024】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用吸着式冷凍
機を、ガソリン又は軽油を燃料とする水冷式エンジン
(液冷式内燃機関)を有する車両に搭載される空調装置
に適用したものであり、一実施形態を図1ないし図4に
基づいて説明する。
【0026】まず、図1に示すように、200は走行用
の水冷式エンジン(以下、エンジンと略す。)であり、
210はエンジン200内を循環するエンジン冷却水と
大気(車室外空気)との間で熱交換を行い、エンジン冷
却水を冷却するラジエータである。なお、本実施形態で
は、水にエチレングリコールを添加したものをエンジン
冷却水として利用している。
【0027】220はラジエータ210を流通させるエ
ンジン冷却水の水量を調節することにより、エンジン2
00を適温(90℃〜100℃)に維持するサーモスタ
ットであり、230はエンジン200から駆動力を得て
エンジン冷却水を循環させる機械式のウォータポンプで
ある。240はラジータ210に空気を送風するラジエ
ータファンであり、このラジエータファン240は、電
子制御装置(ECU)300により制御されている。
【0028】また、100(一点鎖線で囲まれたもの)
は本発明対象となる吸着式冷凍機であり、この吸着式冷
凍機100は、冷凍能力を発揮する冷凍機本体110、
後述する第1、2吸着器111、112内を循環する冷
凍機用の冷却液(本実施形態では、エンジン冷却水と同
じもの)を大気との間で熱交換を行い、冷却液を冷却す
る車室外熱交換器(以下、室外器と略す。)120、冷
却液を循環させる電動式の第1、2、3ポンプ131、
132、133および室外器120に空気を送風する室
外器ファン140を有して構成されている。
【0029】そして、冷凍機本体110は、図2に示す
ように、蒸気冷媒(水蒸気)を吸着するとともに、加熱
されることにより吸着した蒸気冷媒を脱離する吸着剤
(本実施形態では、シリカゲル)Si、及び略真空状態
で液相冷媒が(水)封入された第1、2吸着器111、
112と、各吸着器111、112にて冷却された熱交
換媒体(本実施形態では、エンジン冷却水と同じもの)
又は加熱された冷却液の通路を切り換える第1〜4切換
弁113〜116等から構成されている。
【0030】ところで、本実施形態では、冷却液と熱交
換媒体とは同一のものであり、かつ、後述するように、
吸着式冷凍機100の稼働時においては、冷却液と熱交
換媒体とは混合するので、以下、両者を総称して冷却液
と呼ぶ。また、第1、2吸着器111、112は、吸着
剤Siが表面に接着された熱交換器(以下、これら熱交
換器を第1、2吸着コア111a、112aと呼ぶ。)
と、吸着剤Siが接着されていない熱交換器(以下、こ
れら熱交換器を第1、2凝縮コア111b、112bと
呼ぶ。)と、これらコア111a、112a、111
b、112b及び冷媒を収納するケーシング111c、
112cとから構成されている。
【0031】そして、これらコア111a、112a、
111b、112b内には、第1、2吸着コア111、
112内の雰囲気と熱交換をする冷却液が流通してお
り、この冷却液は、第1、2、3電動ポンプ131、1
32、133により循環させられている。
【0032】また、室外器120は、第1、2吸着コア
111a、112a内を循環する冷却液を冷却する吸着
用室外器121と、第1、2凝縮コア111b、112
b内を循環する冷却液を冷却する凝縮用室外器122と
で構成されており、図3に示すように、吸着用室外器1
21が車両前方側にて凝縮用室外器122より空気流れ
の上流側に配設されている。
【0033】ところで、図1中、400は車両空調装置
の空調ユニットであり、410は車室内に吹き出す吹出
空気(空調空気)の通路を構成する空調ケーシングであ
る。そして、この空調ケーシング410の最上流側に
は、車室内の空気を吸入する内気吸入口411及び車室
外空気を吸入する外気吸入口412が形成されていると
ともに、両吸入口411、412を切換開閉する内外切
換ドア420が設けられている。
【0034】430は両吸入口411、412から吸入
した空気を車室内に向けて送風する送風機であり、この
送風機430の空気流れ下流には、吸着式冷凍機100
(第1、2凝縮コア111b、112b)にて冷却され
た冷却液と吹出空気(被冷却体)とを熱交換し、吹出空
気を冷却する車室内熱交換器(以下、室内器と略す。)
440が配設されている。
【0035】そして、室内器440の吹出空気流れ下流
側には、エンジン冷却水を熱源として吹出空気を加熱す
るヒータコア(加熱手段)450が配設されており、こ
のヒータコア450の近傍には、室内器440を通過し
た吹出空気のうち、ヒータコア450を通過する風量と
ヒータコア450を迂回する風量とを調節することによ
り、吹出空気の温度を調節するエアミックスドア(温度
調節手段)460が設けられている。
【0036】次に、413はフロントガラス(図示せ
ず)に向けて開口するデフロスタ吹出口(図示せず)に
連通するデフ開口部であり、414は乗員の上半身に向
けて開口するフェイス吹出口(図示せず)に連通するフ
ェイス開口部であり、415乗員の足下に向けて開口す
るフット吹出口(図示せず)に連通するフット開口部で
ある。そして、471〜473は各開口部413〜41
5を開閉する吹出モード切替ドアであり、これら吹出モ
ード切替ドア471〜473、エアミックスドア46
0、内外気切換ドア420及び送風機430の作動は、
ECU300により制御されている。
【0037】なお、ECU300には、車室内温度を検
出する内気温度センサ310、外気温度を検出する外気
温度センサ320、日射量を検出する日射センサ33
0、エンジン冷却水の温度を検出するエンジン水温セン
サ340等の空調センサからの信号、室内器440を通
過した直後の吹出空気の温度を検出する第1吹出空気温
度センサ350及びエアミックスドア460にて温度調
節された後の吹出空気の温度を検出する第2吹出空気温
度センサ360からの信号、並びに空調コントロールパ
ネル370からの信号が入力されている。
【0038】なお、空調コントロールパネル370は、
乗員により手動操作されるもので、吹出モードを切り換
える吹出モード切換スイッチ(図示せず)、内気吸入状
態と外気吸入状態とを切り換える内外気切換スイッチ
(図示せず)、乗員が希望する車室内温度を設定する設
定温度切換スイッチ(図示せず)、吹出空気量を切り換
える風量切換スイッチ(図示せず)および空調装置の始
動・停止を行うエアコン運転スイッチ(図示せず)より
構成されている。
【0039】次に、吸着式冷凍機100の作動について
述べる。吸着式冷凍機100は、第1吸着コア111a
で冷媒を吸着させる吸着工程、第2吸着コア112aで
冷媒の脱離を行う脱離工程からなる第1工程と、第1吸
着コア111aで冷媒を脱離させる脱離工程、第2吸着
コア112aで冷媒を吸着させる吸着工程からなる第2
工程とを、所定時間t1(本実施形態では100秒)毎
に交互に行う。
【0040】具体的には、第1工程では、第1〜4切換
弁113〜116を図2の実線で示すように作動させ
る。これにより、エンジン200で加熱されたエンジン
冷却水が、ウォータポンプ230より循環され、第1切
換弁113を通り第2吸着コア112aに流入し、第2
吸着コア112aの吸着剤Siを加熱して第2吸着コア
112aの吸着剤Siに吸着された蒸気冷媒を脱離す
る。
【0041】そして、第3ポンプ133により循環さ
れ、かつ凝縮用室外器122によって冷却される冷却液
は第3切換弁115を通って第2凝縮コア112bに流
入し第2凝縮コア112bを冷却する。これにより、吸
着剤Siから脱離した蒸気冷媒を凝縮、液化させる。
【0042】一方、第1吸着コア111aには、吸着用
室外器121で外気により冷却された冷却液が第2ポン
プ132により第1切換弁113を通って循環されるた
め、第1吸着コア111aの吸着剤Siが蒸気冷媒を吸
着し、これにより、第1吸着器111内の液冷媒が蒸発
する。そして、第1凝縮コア111b内の冷却液が冷却
される。この冷却された冷却液が第1ポンプ131によ
り第3切換弁115を通り室内器440に循環される。
これにより、送風機430から吸入した空気と熱交換を
行い吸入した空気を冷却、除湿する。
【0043】なお、第2工程は、第1〜4切換弁113
〜116を図2の破線に示すように作動させることによ
り、上記した第1工程における第1吸着器111の作動
が第2吸着器112の作動となり、第2吸着器112の
作動が第1吸着器111の作動となる。以上のようにし
て、吸着冷凍機100は、第1工程と第2工程とを所定
時間t1毎に交互に行うことにより、連続的に室内器4
40に冷却された冷却液を循環させることで冷凍能力を
発揮する。
【0044】次に、本発明の要部について説明する。本
実施形態では、第1、2吸着コア111a、112aに
循環される冷却液を冷却する吸着用室外器121と第
1、2凝縮コア111b、112bに循環される冷却液
を冷却する凝縮用室外器122とを分離、独立させると
ともに、吸着用室外器121が車両前方側にて凝縮用室
外器122より空気流れの上流側に配置させるように配
設させた。
【0045】これにより、例えば吸着用室外器121と
凝縮用室外器122が単品で冷却能力が同等であっても
空気流れの上流側に配置される吸着用室外器121の方
が冷却能力が大きくなる。従って、吸着用室外器121
で冷却された冷却液の冷却水温度は下がり、凝縮用室外
器122で冷却された冷却液の冷却水温度は上がるもの
である。
【0046】ここで、吸着工程における第1吸着コア1
11aまたは第2吸着コア112aに流れる冷却液と、
脱離過程における第1凝縮コア111bまたは第2凝縮
コア112bに流れる冷却液とを混合させて冷却させる
従来の一つの室外器と吸着特性を実験によって比較した
ので以下説明する。
【0047】図4に示すように、従来の一つの室外器を
用いて冷却させた吸着特性では、図9で述べたように、
脱離がC1点、吸着がD1点となり吸着と脱離の水分吸
着率の差が少なくなってしまう。ところが、本実施形態
では、室外器を分離させることにより、例えば従来の一
つの室外器では冷却水温度が40℃であったものが、吸
着用室外器121と凝縮用室外器122とに分離させる
ことにより、吸着用室外器121の冷却水温度が35℃
となって吸着がF1点、凝縮用室外器122の冷却水温
度が45℃となって脱離がE1点となり吸着と脱離の水
分吸着率の差が大きくとれた。よって、冷凍能力は水分
吸着率の差と吸着剤の量に比例するため従来と比較して
冷凍能力を高めることができる。
【0048】また、この吸着特性より吸着用室外器12
1側の冷却水温度を低くする方が吸着時の水分吸着率を
高めることができる。従って、吸着用室外器121側の
冷却能力を凝縮用室外器122よりも大きくとることで
冷凍能力を高めることができる。
【0049】以上の実施形態の車両用吸着式冷凍機によ
れば、吸着用室外器121と凝縮用室外器122とをそ
れぞれ独立させて設け、吸着用室外器121を凝縮用室
外器122よりも空気流れの上流側に配置させることに
より、従来、一つの室外器で混合して冷却していたとき
に比べ、吸着用室外器121で冷却された冷却水温度を
下げることができることで吸着時の水分吸着率を高める
ことが可能となる。
【0050】一方の凝縮用室外器122側は冷却水温度
が若干上がるが脱離時の凝縮温度が上昇しても水分吸着
率が大きく変化しないため、結果的に吸着時の水分吸着
率と脱離時の水分吸着率との差が大きくとれる。従っ
て、冷凍能力は、吸着温度側を低下させて吸着時と脱着
時における水分吸着率の差を大きくすることで冷凍能力
を高めることができる。
【0051】(他の実施形態)以上の実施形態では、吸
着用室外器121を凝縮用室外器122よりも空気流れ
の上流側に配置させることで吸着時の冷却液の冷却水温
度を低くさせるように説明したが、これに限らず、図5
に示すように、吸着用室外器121のコア部分の厚さを
凝縮用室外器122側よりも大きくさせて冷却能力を大
きくすることも良い。これにより吸着用室外器121側
の冷却水温度を低くすることで冷凍能力を高めることが
できる。
【0052】また、図6に示すように、吸着用室外器1
21側のフィンピッチを凝縮用室外器122側のフィン
ピッチよりも小さくすることで冷却能力を大きくするこ
とも良い。
【0053】また、吸着用室外器121側の冷却能力を
大きくするには、吸着用室外器121側および凝縮用室
外器122側にそれぞれ室外器ファン140を設け、吸
着用室外器121側の送風量を多くすることで冷却能力
を大きくすることも良い。
【0054】また、図7に示すように、吸着用室外器1
21と凝縮用室外器122とを空気流れに対し並列に配
設したときには、吸着用室外器121側の前面面積を凝
縮用室外器122側の前面面積よりも大きくすることで
冷却能力を大きくすることも良い。これにより、吸着用
室外器121側および凝縮用室外器122側の空気流れ
の下流側にラジエータ210が配置でき室外器ファン1
40とラジエータファン240の共用ができる。
【0055】なお、上記並列に配設したときには、車両
前面の左右方向に並べても良いが車両に対して上下方向
に配置しても良い。この上下方向に配置する場合は、図
8に示すように、上側を吸着用室外器121、下側を凝
縮用室外器122に配置させると良い。その理由は、一
般的にアイドリング時にエンジンルームから室外器前面
へ車両下部から熱風回り込みが発生するため上側の方が
冷却水温度を下げることができる。
【0056】ところで、上述の実施形態では、吸着剤S
iとしてシリカゲルを用いたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、吸着剤Siとして活性炭、ゼオライ
ト、活性アルミナなどを用いてもよい。また、上述の実
施形態では、液冷媒として水を用いたが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、アルコール、フロンなど吸
着剤Siに吸着されるものであれば、その他の物であっ
てもよい。
【0057】また、上述の実施形態では、冷風と温風と
の風量割合を調節することにより、吹出空気の温度を調
節するエアミックス式の空調装置であったが、ヒータコ
ア450に流通させる温水流量を調節することにより、
吹出空気の温度を調節するリヒート式の空調装置であっ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両用吸着式冷凍
機の全体構成を示す全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態における吸着式冷凍機の全
体構成を示す全体構成図である。
【図3】本発明の一実施形態における吸着式冷凍機の搭
載状態を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態における吸着式冷凍機の吸
着特性を示す特性図である。
【図5】他の実施形態における吸着式冷凍機の構成を示
す構成図である。
【図6】他の実施形態における吸着式冷凍機の室外器を
示す斜視図である。
【図7】他の実施形態における吸着式冷凍機の構成を示
す構成図である。
【図8】他の実施形態における吸着式冷凍機の搭載状態
を示す模式図である。
【図9】従来技術における吸着式冷凍機の吸着特性を示
す特性図である。
【符号の説明】
100…吸着式冷凍機 111…第1吸着器(吸着器) 111a…第1吸着コア(吸着コア) 111b…第1凝縮コア(凝縮コア) 112…第2吸着器(吸着器) 112a…第2吸着コア(吸着コア) 111b…第2凝縮コア(凝縮コア) 121…吸着用室外器(車室外熱交換器) 122…凝縮用室外器(車室外熱交換器) 200…水冷式エンジン(液冷式内燃機関) Si…吸着剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液冷式内燃機関(200)を有する車両
    に適用される車両用吸着式冷凍機であって、 蒸気冷媒を吸着するとともに、加熱されることにより吸
    着した蒸気冷媒を脱離する吸着剤(Si)及び液冷媒が
    封入され、冷凍能力を発揮する吸着器(111、11
    2)と、 前記吸着器(111、112)に設けられ、前記吸着剤
    (Si)が接合された吸着コア(111a、112a)
    と、 前記吸着器(111、112)に設けられ、前記吸着剤
    (Si)が接合されていない凝縮コア(111b、11
    2b)と、 前記吸着コア(111a、112a)および前記凝縮コ
    ア(111b、112b)内を循環する冷却液を冷却す
    る車室外熱交換器(121、122)とを備え、 かつ前記車室外熱交換器(121、122)は、前記吸
    着コア(111a、112a)内を循環する冷却液を冷
    却する吸着用室外器(121)と、前記凝縮コア(11
    1b、112b)内を循環する冷却液を冷却する凝縮用
    室外器(122)とをそれぞれ独立させて有するととも
    に、前記吸着用室外器(121)の方が前記凝縮用室外
    器(122)よりも冷却能力が高くなるようにしたこと
    を特徴とする車両用吸着式冷凍機。
  2. 【請求項2】 冷却風の上流側に前記吸着用室外器(1
    21)を配置し、下流側に前記凝縮用室外器(122)
    を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用吸
    着式冷凍機。
  3. 【請求項3】 前記吸着用室外器(121)の方が、前
    記凝縮用室外器(122)よりも熱交換器の奥行き寸法
    を大きくしてあることを特徴とする請求項1に記載の車
    両用吸着式冷凍機。
  4. 【請求項4】 前記吸着用室外器(121)の方が、前
    記凝縮用室外器(122)よりも放熱フィンのピッチを
    小さくしてあることを特徴とする請求項1に記載の車両
    用吸着式冷凍機。
  5. 【請求項5】 前記吸着用室外器(121)の方が、前
    記凝縮用室外器(122)よりも冷却風量を大きくして
    あることを特徴とする請求項1に記載の車両用吸着式冷
    凍機。
  6. 【請求項6】 前記吸着用室外器(121)の方が、前
    記凝縮用室外器(122)よりも前面面積を大きくして
    あることを特徴とする請求項1に記載の車両用吸着式冷
    凍機。
  7. 【請求項7】 前記吸着用室外器(121)および前記
    凝縮用室外器(122)は、車両エンジンルーム前部の
    上下方向に配置され、かつ前記吸着用室外器(121)
    が前記凝縮用室外器(122)の上方に配置されること
    を特徴とする請求項6に記載の車両用吸着式冷凍機。
JP2000374875A 2000-12-08 2000-12-08 車両用吸着式冷凍機 Withdrawn JP2002178742A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000374875A JP2002178742A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 車両用吸着式冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000374875A JP2002178742A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 車両用吸着式冷凍機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002178742A true JP2002178742A (ja) 2002-06-26

Family

ID=18843979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000374875A Withdrawn JP2002178742A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 車両用吸着式冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002178742A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008518835A (ja) * 2004-11-05 2008-06-05 フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ 吸収式ヒートポンプを有する自動車の空調装置
JP2009083851A (ja) * 2008-11-25 2009-04-23 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 小型デシカント空調装置
JP2014181892A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Toyota Central R&D Labs Inc 吸着式ヒートポンプ
US9435573B2 (en) 2013-03-21 2016-09-06 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Adsorption heat pump

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008518835A (ja) * 2004-11-05 2008-06-05 フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ 吸収式ヒートポンプを有する自動車の空調装置
JP2009083851A (ja) * 2008-11-25 2009-04-23 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 小型デシカント空調装置
JP2014181892A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Toyota Central R&D Labs Inc 吸着式ヒートポンプ
US9435573B2 (en) 2013-03-21 2016-09-06 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Adsorption heat pump

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4281564B2 (ja) 車両用空調装置
US6213198B1 (en) Air conditioning apparatus for vehicle with thermoelectric dehumidifier in a double layer system
US6205805B1 (en) Motor vehicle dehumidifier with drying agent and drying agent regenerative control
US8099969B2 (en) Passenger car air-conditioning systems with adsorption heat pumps
JP2007069733A (ja) 車両用空調装置を利用した発熱体冷却システム
JPH1134640A (ja) 車両用空調装置
JP4265067B2 (ja) 乗物用空調装置
JP2009154862A (ja) 電気自動車の空調システム
JP3959829B2 (ja) 冷凍装置および空調装置
JP4341090B2 (ja) 車両用吸着式冷凍機
JP2002178742A (ja) 車両用吸着式冷凍機
JP4341091B2 (ja) 車両用吸着式空調装置
JP2000140625A (ja) 吸着剤及びこの吸着剤を用いた車両用空調装置
JPH1163719A (ja) 冷凍装置
JP4158235B2 (ja) 車両用空調装置
JP6289881B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004284432A (ja) 車両用吸着式空調装置
JP4457508B2 (ja) 車両用吸着式冷凍機
JP2005127632A (ja) 吸着式ヒートポンプ
JP4206817B2 (ja) 吸着式冷凍機および車両用空調装置
JP4082192B2 (ja) 空調装置
JP2020006865A (ja) 加湿空気供給装置
JP3921815B2 (ja) 車両用空調装置
JP2005121311A (ja) 車両用空調装置
JP4082191B2 (ja) 空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061227

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070427

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090303