JP2020006865A - 加湿空気供給装置 - Google Patents

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JP2020006865A JP2018131021A JP2018131021A JP2020006865A JP 2020006865 A JP2020006865 A JP 2020006865A JP 2018131021 A JP2018131021 A JP 2018131021A JP 2018131021 A JP2018131021 A JP 2018131021A JP 2020006865 A JP2020006865 A JP 2020006865A
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Abstract

【課題】車両において温風を供給できる熱量を得にくい状態であっても加湿空気を供給可能な加湿空気供給装置を提供する。【解決手段】加湿空気供給装置は、車室内に送風する空気を加熱する加熱装置を有する空調装置と、加熱装置によって加熱された空気を加熱可能な補助加熱装置と、加湿ユニットと、補助加熱装置の運転と加湿ユニットの運転とを制御する制御装置とを備える。制御装置は、ステップS100で加熱装置を通過後の空気温度について加湿可能温度条件が成立するか否かを判定する。加湿可能温度条件が成立する場合にはステップS120で補助加熱装置を制御して加熱装置を通過後の空気を加熱し、ステップS130で加湿ユニットを制御して補助加熱装置によって加熱された空気を吸着材に供給する。【選択図】図7

Description

この明細書における開示は、室内に対して加湿空気を提供する加湿空気供給装置に関する。
特許文献1は、無給水で加湿した空気を車室内に供給する車両用の加湿装置を開示している。この加湿装置は、第1ダクトと第2ダクトを介して室内空調ユニットに接続されている。車両用空調装置が作動している状態で加湿装置を運転すると、加湿装置用送風機の運転を開始し加湿装置のドアを所定の位置に移動させて、吸着モードと加湿モードが1分おきに交互に行われる。
吸着モード時には、室内空調ユニット内のエバポレータによって冷却された空気は、第1ダクト内を通じて空調ケース内から加湿装置ケース内に引き込まれ、空気中の水分は吸着器に吸着される。吸着器を通過した空気は、第2ダクト内を通じて室内空調ユニット内におけるヒータコアよりも下流側部位に戻される。加湿モード時には、室内空調ユニット内のヒータコアによって加熱された空気は、第1ダクト内を通じて空調ケース内から加湿装置ケース内に引き込まれ、吸着器に吸着されている水分が加熱された空気に移動する。吸着器から移動した水分を含んだ空気は、第3ダクト内を通じて乗員の顔部に向けて吹き出される。
特開2015−217917号公報
特許文献1の装置によれば、例えばエンジン始動直後など、エンジン冷却水の温度が低い状態ではヒータコアの放熱量が小さいため、吸着器に温風を供給できないという問題があった。したがって、加湿装置は、エンジン冷却水の温度が上昇するまで加湿空気を車室内に供給することができない。
この明細書における開示の目的は、車両において温風を供給できる熱量を得にくい状態であっても加湿空気を供給可能な加湿空気供給装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された加湿空気供給装置の一つは、車室内に送風する空気を加熱する加熱装置(32,51)を有する空調装置(1)と、加熱装置によって加熱された空気を加熱可能な補助加熱装置(38)と、空気に含まれる水分を吸着材に吸湿することおよび吸着材に吸湿された水分を車室内に提供する空気に対して放出することを実施可能な加湿ユニット(4)と、補助加熱装置の運転と加湿ユニットの運転とを制御する制御装置(10,11)と、を備え、
制御装置は、加熱装置を通過後の空気の温度について、吸着材から水分を脱離できる加湿可能温度条件が成立していない場合に、加熱装置を通過後の空気を加熱するように補助加熱装置を制御し、補助加熱装置によって加熱された空気を吸着材に供給するように加湿ユニットを制御する。
この加湿空気供給装置によれば、空調装置が備える加熱装置を通過後の空気温度について加湿可能温度条件が成立していない場合に、補助加熱装置によって補充的に加熱した空気を吸着材に供給できる。これにより、空調装置における空気加熱能力が不足している状況において加湿空気を供給する加湿モードを実施できる。したがって、車両において温風を供給できる熱量を得にくい状態であっても加湿空気を供給可能な加湿空気供給装置を提供できる。
第1実施形態の加湿空気供給装置に関わる制御構成を示す図である。 第1実施形態の加湿ユニットと空調装置の構成を示す概要図である。 第1実施形態の加湿空気供給装置における制御を示すフローチャートである。 第2実施形態の加湿空気供給装置に関わる制御構成を示す図である。 第2実施形態の加湿ユニットと空調装置の構成を示す概要図である。 第2実施形態の冷凍サイクルの構成を示す概要図である。 第2実施形態の加湿空気供給装置における制御を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
開示する加湿空気供給装置は、車両に搭載されて車室内に対して加湿空気を提供する装置である。加湿空気供給装置は、液体燃料を爆発燃焼させて動力を発生させる走行用内燃機関の駆動力により走行する車両、電気自動車、ハイブリッド自動車に適用可能である。加湿空気供給装置は、車両に搭載されて車室内に対して加湿空気を提供する装置である。車両が走行用の動力を充電するための二次電池を備える場合、車両は、電気スタンドや商業用電源に接続されるコンセントを備えており、このコンセントに電源供給源を接続することにより充電を行うこともできる。
加湿空気供給装置は、車室内を空調する車両用の空調装置と、空調装置による冷却空気、加熱空気を使用して車室内に加湿空気を提供する加湿ユニットとを備えている。図1には、車両に搭載する場合の加湿空気供給装置100に関する制御構成の一例を示している。図2には、加湿ユニット4と空調装置1を備えた加湿空気供給装置100を示している。
加湿空気供給装置100は、車室内空調運転と、車室内空調運転と連動する加湿運転とを実施できる装置である。加湿空気供給装置100は、車室内を加湿対象空間とし、加湿ユニット4が空調装置1に連結されて設置された構成を有している。まず、空調装置1について説明する。
空調装置1は車室内の前方に設けられている。空調装置1は、送風ユニット2、空調ユニット3および冷凍サイクル5、空調ECU10を備えている。送風ユニット2は、空調ユニット3の空調ケース30内を流れる空気流を発生させる送風手段としての室内用ブロワ20を備えている。
送風ユニット2の上流側には、内外気切替ケース設けられている。内外気切換ケースには、車室内の空気を取り入れる内気吸込口24と車室外の空気を取り入れる外気吸込口25とが形成されている。内気吸込口24および外気吸込口25の内側には、内外気切替ドア26が回動自在に設けられている。内外気切替ドア26は、サーボモータ等のアクチュエータにより駆動されて、吸込口モードを、車室内空気を循環する内気循環モード、車外空気を取り入れる外気導入モード等に切り替えることが可能である。
室内用ブロワ20は、ブロワケース、ファン、モータ21を有している。モータ21の回転速度はモータ21への印加電圧に応じて決定される。モータ21への印加電圧が空調ECU10からの制御信号に基づいて制御されることにより、室内用ブロワ20の送風量は制御される。
空調ケース30の内部には、車室内に空調空気を導く空気通路23が設けられている。空気通路23には、室内用ブロワ20よりも送風空気の下流側において、下流側に進むにしたがい順に、蒸発器55、エアミックスドア31、ヒータコア32が設置されている。ヒータコア32は、エンジンのウォータジャケットで暖められた冷却水が電動のウォータポンプによって循環する冷却水回路に設けられている。ヒータコア32は、内部を流れる冷却水を暖房用熱源として空調ケース30内を流れる空気を加熱する加熱装置である。
空気通路23においてヒータコア32よりも空気流れの下流には、補助加熱装置38が設置されている。補助加熱装置38は、例えば、ニクロム線ヒータ、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを有する装置などの通電によって発熱する電気式ヒータである。補助加熱装置38は、ヒータコア32よりも下流において放熱によって空調ケース30内を流れる空気を加熱する。補助加熱装置38は、車載電池からの直流電源の供給を受ける。補助加熱装置38の運転は、空調ECU10による通電、非通電によって制御される。
補助加熱装置38の一例であるPTCヒータは、通電発熱素子部を備え、通電発熱素子部に通電されることによって発熱し、周囲の空気を暖めることができる。この通電発熱素子部は、耐熱性を有する樹脂材料である、例えば、66ナイロンやポリブタジエンテレフタレートなどで成形された樹脂枠の中に複数個のPTC素子を嵌め込むことにより構成したものである。また、PTCヒータは、さらに通電発熱素子部からの発熱を伝達する熱交換フィン部を有してもよい。この熱交換フィン部は、アルミニウムの薄板を波形状に成形したコルゲートフィンと、このコルゲートフィンを一定の形状に保つとともにPTC素子や電極板との接触面積を確保するアルミニウムプレートと、をろう付け接合することにより構成したものである。
空調ケース30の最も下流側には、デフロスタ開口部、フェイス開口部およびフット開口部が形成されている。デフロスタ開口部には、デフロスタダクト34が接続されており、デフロスタダクト34内には、車両のフロント窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出すデフロスタ通路34aが設けられている。フェイス開口部には、フェイスダクト35が接続されており、フェイスダクト35内には、乗員の頭胸部に向かって主に冷風を吹き出すフェイス通路35aが設けられている。フット開口部には、フットダクト37が接続されており、フットダクト37内には、乗員の足元部に向かって主に温風を吹き出すフット通路37aが設けられている。
空調ユニット3は、デフロスタ通路34aとフェイス通路35aとを開閉する第1吹出切替ドア33と、フット通路37aを開閉する第2吹出切替ドア36とを備えている。第1吹出切替ドア33、第2吹出切替ドア36は、サーボモータ等のアクチュエータによってそれぞれ駆動される。第1吹出切替ドア33、第2吹出切替ドア36は、車室内への吹出口モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、デフロスタモード等に切り替えることが可能である。
冷凍サイクル5は、圧縮機50、圧縮された冷媒を凝縮液化させる凝縮器51、気液分離器53、液冷媒を減圧膨張させる膨張弁54、減圧膨張された冷媒を蒸発気化させる蒸発器55、およびこれらを環状に接続する冷媒配管等を備えている。気液分離器53は、凝縮器51において凝縮液化された冷媒を気液分離し、液冷媒は下流に流下する。
圧縮機50は、インバータにより回転数制御されて冷媒を圧縮する電動圧縮機である。圧縮機50は、内蔵された電動モータにより駆動され、回転数制御が可能であり、回転数に応じて冷媒吐出流量が可変である。圧縮機50はインバータにより周波数が調整された交流電圧が印加されてその電動モータの回転速度が制御される。インバータは車載電池から直流電源の供給を受け、空調ECU10により制御される。
凝縮器51は、エンジンコンパートメント等の車両が走行する際に生じる走行風を受け易い場所に設けられている。凝縮器51は、内部を流れる冷媒と室外ファン52により送風される外気および走行風とを熱交換する室外熱交換器である。蒸発器55は、室内用ブロワ20直後の通路全体を横断するように設置されており、室内用ブロワ20から吹き出された空気全部が通過するようになっている。蒸発器55は、内部を流れる冷媒と空気通路23を流れる空気との間で熱交換が行われて当該空気を冷却する空気冷却作用および自身を通過する空気を除湿する空気除湿作用を行う冷却装置である。
蒸発器55よりも下流側であってヒータコア32よりも上流側の通風路には、蒸発器55を通過した空気を、ヒータコア32を通る空気とヒータコア32を迂回する空気の風量比率を調整できるエアミックスドア31が設けられている。エアミックスドア31は、アクチュエータ等によりそのドア本体の位置を変化させて、空調ケース30内の蒸発器55よりも下流の通路の一部を塞ぐことで、車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調整する温度調整手段である。
操作部110は、加湿空気供給装置100の運転中に表示状態になる動作表示部としての表示画面部と各種スイッチとを有している。表示画面部は、空調ECU10や加湿ECU11からの命令信号によって表示状態または非表示状態に制御される。
空調ECU10は、操作部110の操作によって設定された、マニュアル運転による指令や自動運転の設定温度に応じて、室内用ブロワ20による送風量と空調空気の温度とを制御する。空調装置1の運転、停止および設定温度などの操作信号、各種センサの検出信号が入力されると、空調ECU10は車両ECU、加湿ECU11等と通信する。空調ECU10は、演算結果に基づいて、圧縮機50、室内用ブロワ20、室外ファン52、エアミックスドア31、補助加熱装置38、内外気切替ドア26、吹出口切替等といった各機器の運転を制御する。空調ECU10は、マイクロコンピュータと、車室内前方に設けられた操作部110における各種スイッチからの信号や、各種センサからのセンサ信号が入力される入力回路と、各種アクチュエータに出力信号を送る出力回路と、を備えている。空調ECU10は、水温センサ62によって検出されたエンジン冷却水の温度である冷却水温度に関わる温度情報を取得する。水温センサ62は温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタである。
空調ECU10は、その出力側に接続された各種空調用機器を制御する制御手段が一体に構成された制御装置である。各空調用機器の作動を制御するハードウェアおよびソフトウェアは、各空調用構成機器の作動を制御する制御手段を構成している。空調ECU10はプログラムにしたがって動作するマイコンのようなデバイスを主なハードウェア要素として備える。空調ECU10は、送受信部と、各空調用機器と各種センサとが接続されるインターフェース部と、演算処理部と、記憶部とを少なくとも備えている。記憶部は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。演算処理部は、演算処理装置であり、インターフェース部を通して各種センサから取得した環境情報と、記憶部に記憶された制御特性マップやデータとを用いて所定のプログラムにしたがった判定処理や演算処理を行う。演算処理部は、空調ECU10における演算実行部であり判定処理実行部である。インターフェース部は、演算処理部による判定結果、演算結果に基づいて前述の各調整機器を操作する。したがって、インターフェース部は、制御装置における入力部および制御出力部である。
図2に示すように、加湿ユニット4は、ユニットケース40と吸着材モジュール41と流路切替装置とを備えている。ユニットケース40は、吸着材モジュール41と流路切替装置を収容し、空調ユニット3に連結されている。ユニットケース40の内部には、冷却用通路40aと加熱用通路40bと下流側通路40cが設けられている。冷却用通路40aと加熱用通路40bは下流側において下流側通路40cに接続されている。ユニットケース40の外形は、箱体状でもよいし、細長いダクト状でもよい。
冷却用通路40aは、空調ケース30内において蒸発器55とエアミックスドア31との間の空気通路に接続されている。冷却用通路40aは、蒸発器55によって冷却された空気を加湿ユニット4内に分流させることが可能な流路を構成する。加湿ユニット4は、冷却用通路40aを開閉する第1ドア42を有している。
加熱用通路40bは、空調ケース30内においてヒータコア32よりも下流に接続されている。加熱用通路40bは、ヒータコア32によって加熱された空気を加湿ユニット4内に分流させることが可能な流路を構成する。加湿ユニット4は、加熱用通路40bを開閉する第2ドア43を有している。
下流側通路40cは、下流端においてフェイスダクト35に接続されている。下流側通路40cには吸着材モジュール41が設置されている。下流側通路40cを流下する空気は、吸着材モジュール41を通過した後、フェイス通路35aを介して乗員の頭胸部に向かって吹き出される。
吸着材モジュール41は、吸着材を担持させた複数の金属製の板状部材を間隔をあけて積層設置し、板状部材と板状部材との間に送風空気を通過させる通路を備えている。吸着材モジュール41では、このように吸着材を担持させた複数の板状部材を積層設置する構成により、送風空気と吸着材との接触面積を増加させることができる。吸着材モジュール41では、吸着材として、有機系材料の高分子吸着材、無機系材料のゼロライト、シリカゲル等の吸湿材料を採用している。
下流側通路40cは、フェイス通路35aに合流することなく、車室内に直接連通する構成でもよい。この場合、下流側通路40cを流下する空気は、吸着材モジュール41を通過した後、車室内に吹き出される。また、下流側通路40cはフェイス通路35aとデフロスタ通路34aとの両方に繋がるように分岐し、加湿ユニット4はフェイス通路35aに連通する場合とデフロスタ通路34aに連通する場合とに切り替え可能な手段を有する構成でもよい。この場合、下流側通路40cを流下する空気は、吸着材モジュール41を通過した後、加湿空気を供給する場合にはフェイス通路35aを介して車室内に吹き出され、除湿空気を供給する場合にはデフロスタ通路34aを介して車室内に吹き出される。
加湿空気供給装置100は、加湿ユニット4の運転を制御する加湿ECU11を備えている。加湿ECU11には、操作部110から出力される運転指令信号、空調ECU10からの通信信号等が入力される。加湿ECU11と空調ECU10とは、互いに情報、指令を通信する関係にある。操作部110は、空調装置1の運転に関する指令信号を空調ECU10に送るための各種スイッチに加え、加湿ユニット4を起動、停止するための運転スイッチ等を含んでいる。
加湿ECU11は、その出力側に接続された加湿ユニット4の各種機器を制御する制御手段が一体に構成された制御装置である。加湿ユニット4の各種機器の作動を制御するハードウェアおよびソフトウェアは、制御手段を構成している。加湿ECU11は、プログラムにしたがって動作するマイコンのようなデバイスを主なハードウェア要素として備える。加湿ECU11は、加湿ユニット4の各種機器、操作部110および空調ECU10が接続されるインターフェース部と演算処理部と、記憶部とを少なくとも備える。演算処理部は、インターフェース部を通して所定のセンサの検出信号、空調ECU10からの通信信号等を用いて、記憶部に記憶された制御特性マップ、データ、所定のプログラム等にしたがった判定処理や演算処理を行う。演算処理部は、加湿ECU11における判定処理実行部である。インターフェース部は、演算処理部による判定結果、演算結果に基づいて、第1ドア42、第2ドア43を含む加湿ユニット4の各種機器を操作する。インターフェース部は、加湿ECU11における入力部および制御出力部である。
また、加湿ECU11は、例えば、空調装置1の各空調用機器の作動を制御する空調用制御装置の一部として、または空調用制御装置と一体的に構成される制御装置であってもよい。
加湿ユニット4では、脱離時に、ヒータコア32によって、またはヒータコア32と補助加熱装置38の両方によって加熱された空気が、第2ドア43によって開状態である加熱用通路40bに流入する。加熱用通路40bに流入した空気は吸着材モジュール41を通過するときに水分を貯えてからフェイス通路35aを流下する。このとき第1ドア42は冷却用通路40aを閉状態に制御している。加湿ユニット4は、この脱離時の空気流れを実施することにより、乗員または車室内に対して加湿空気を供給できる。
加湿ユニット4では、吸着素子に水分が吸着される吸湿時に、空調ユニット3の蒸発器55によって冷却された空気が、第1ドア42によって開状態である冷却用通路40aに流入し、吸着材モジュール41の通過時に水分を放出し、フェイス通路35aを流下する。このとき第2ドア43は加熱用通路40bを閉状態に制御し、吸着素子は放出された水分を吸着する。加湿ユニット4は、この吸湿時の空気流れを実施することにより、車室内に対して除湿空気を供給する。
加湿空気供給装置100の作動について説明する。加湿空気供給装置100は、加湿ユニット4が運転していない状態において空調装置1による車室内空調運転と、加湿ユニット4と空調装置1とが連動して車室内に加湿空気を供給する加湿運転とを実施する装置である。加湿空気供給装置100は、例えば、乗員の操作によって操作部110に含まれる加湿運転スイッチがオン状態になると加湿運転を実施可能な状態になる。例えば、加湿運転は、冬季のように比較的外気温が低く、車室内が乾燥しやすいときに作動することが多い。加湿運転スイッチがオン状態になると、加湿ECU11は、冷却用通路40aを開放する状態と加熱用通路40bを開放する状態とを例えば所定時間毎に交互に切り替えるように、第1ドア42および第2ドアを制御する。これにより、空気通路23を流れ空気の一部が冷却用通路40aを流下する流路と加熱用通路40bを流下する流路とが所定時間毎に切り替えられることになる。
送風ユニット2が送風しヒータコア32や補助加熱装置38が通過空気を加熱しているときに、加湿ECU11が第1ドア42を閉状態に制御しかつ第2ドア43を開状態に制御すると、ヒータコア32などによって暖められた空気は加熱用通路40bに流入する。このとき補助加熱装置38を通過後の空気の温度が車室内空気の温度よりも所定温度、例えば5℃程度高くなるように、補助加熱装置38の出力は制御されることが好ましい。
ヒータコア32や補助加熱装置38を通過後の送風空気は、加熱用通路40bを通じて吸着材モジュール41に流入する。この際、加熱されて温度上昇した空気の相対湿度は、車室内の空気の相対湿度よりも低下している。したがって、加熱されて相対湿度が下がった空気を吸着材モジュール41の吸着材に接触させることで吸着材に吸着している水分が空気に脱離しやすい状況となる。つまり、加熱によって相対湿度が下げられた空気は、吸着材が保持している水分を含みやすいため、吸着材モジュール41を流出後の空気は十分に加湿された加湿空気になってから乗員に向けて供給される。
この脱離時には、吸着材モジュール41に供給する前の空気をヒータコア32や補助加熱装置38で加熱するため、当該空気を迅速に温度上昇させることができる。さらに、空気温度が迅速に上昇したことにより、空気の相対湿度を迅速に下げることができるため、吸着材モジュール41での水分脱離が活発に行われ、吸着材モジュール41を流出後の空気の相対湿度を迅速に高めることができる。
送風ユニット2が送風し蒸発器55が通過空気を冷却しているときに、加湿ECU11が第1ドア42を開状態に制御しかつ第2ドア43を閉状態に制御すると、蒸発器55を通過して冷却された空気は冷却用通路40aに流入する。このとき蒸発器55を通過後の温度低下した空気の相対湿度は、車室内の空気の相対湿度よりも上昇している。したがって、車室内の空気に対して相対湿度が高まった空気を吸着材に接触させることができるので、空気の水分が吸着材に吸着しやすい状況となる。つまり、蒸発器55によって相対湿度が上げられた空気は、吸着材に水分を吸着させやすく、吸着材モジュール41を流出後の空気は十分に除湿された除湿空気になってから車室内に向けて供給される。
この吸湿時には、吸着材モジュール41に供給する前の空気を蒸発器55で冷却するため、当該空気を迅速に温度低下させることができる。さらに、空気温度が迅速に低下することにより、空気の相対湿度を迅速に高めることができるため、吸着材モジュール41での水分吸着が活発に行われ、吸着材モジュール41を流出後の空気の相対湿度を迅速に低下させることができる。
次に、加湿空気供給装置100による加湿運転に関する制御について図3のフローチャートを参照して説明する。加湿空気供給装置100が備える制御装置は、例えば乗員の操作によって加湿運転スイッチがオンされると図3のフローチャートにしたがった処理を開始する。図3のステップS10、ステップS20における処理は、空調ECU10や加湿ECU11における演算処理部が実行する。
まず演算処理部はステップS10で、水温センサ62による検出信号を取得し、この検出信号に基づいて現在の冷却水温度が第1の閾温度以上であるか否かを判定する。現在の冷却水温度が第1の閾温度未満であることは、ヒータコア32によって加熱された後の空気の温度について、吸着材に吸着されている水分を脱離できる加湿可能温度条件が成立しない場合の一例である。
ステップS10では一例として、ヒータコア32によって加熱された後の空気温度が40℃以上であるか否かを判定する。加熱後の空気温度がステップS10において40℃以上であると判定した場合はステップS40において加湿モード処理を実行する。加湿モード処理において、空調ECU10は室内用ブロワ20を運転し、加湿ECU11は冷却用通路40aが閉じるように第1ドア42を制御し加熱用通路40bが開くように第2ドア43を制御する。このときに送風ユニット2が空気通路23に取り入れる空気は外気、内気またはその両方のいずれであってもよい。ヒータコア32によって加熱された空気は、空気通路23から加熱用通路40bに分流し、加熱用通路40bから下流側通路40cを流下する過程で吸着材モジュール41において脱離した水分を含んで加湿される。吸着材モジュール41を流出後の加湿空気は車室内または乗員に向けて供給される。加湿ECU11は加湿モードの実施後、ステップS50において吸湿モード処理を実行する。
吸湿モード処理において、空調ECU10は室内用ブロワ20を運転し、加湿ECU11は冷却用通路40aが開くように第1ドア42を制御し加熱用通路40bが閉じるように第2ドア43を制御する。このときも送風ユニット2が空気通路23に取り入れる空気は外気、内気またはその両方のいずれであってもよい。蒸発器55を通過した空気は、空気通路23から冷却用通路40aに分流し、冷却用通路40aから下流側通路40cを流下する過程で吸着材モジュール41において水分が吸着されて除湿される。吸着材モジュール41を流出後の除湿空気は車室内に供給される。加湿空気供給装置100は、加湿モードと吸湿モードとを順に実行した後はステップS10に戻り、以降の処理を継続する。
ステップS10においてヒータコア32で加熱後の空気温度が40℃未満であると判定した場合は、演算処理部はステップS20において吸着材モジュール41において水分を脱離させるために必要な熱量を算出する。例えば演算処理部は、記憶部に記憶された特性マップやデータに基づいて、吸着材に吸着されている水分を脱離できる加湿可能温度を算出しあるいは記憶部に記憶されたデータから加湿可能温度を取得する。演算処理部は、この加湿可能温度とヒータコア32で加熱後の空気温度との温度差を算出し、補助加熱装置38によって加熱される空気の流量と温度差とを用いて、空気の温度をこの温度差分、上昇させるために必要な熱量を算出する。
空調ECU10は、ステップS30において、必要な熱量を加湿ECU11と通信して取得し、この必要な熱量を出力できるように補助加熱装置38へ供給する電力を制御して補助加熱装置38を運転する。そして、前述のステップS40、ステップS50を順に実行した後、ステップS10に進む。このようにステップS10、S20、S30、S40を順に実行する処理により、冷却水温度が高くない場合でも、補助加熱装置38によって必要な熱量を得て加熱された空気が加熱用通路40bに流入して吸着材モジュール41の通過時に吸着材の水分を脱離させることができる。このように吸着材モジュール41に供給される空気が加湿可能温度であるため、吸着材モジュール41の通過時に吸着材が水分を放出できるので、ヒータコア32が加熱能力不足である状況であっても加湿モードを実施することができる。
第1実施形態の加湿空気供給装置100がもたらす作用効果について説明する。加湿空気供給装置100は、車室内に送風する空気を加熱する加熱装置を有する空調装置1と、加熱装置によって加熱された空気を加熱可能な補助加熱装置38と、加湿ユニット4と、補助加熱装置の運転と加湿ユニットの運転とを制御する制御装置とを備える。加湿ユニット4は、空気に含まれる水分を吸着材に吸湿することおよび吸着材に吸湿された水分を車室内に提供する空気に対して放出することを実施可能である。制御装置は、加熱装置を通過後の空気温度について加湿可能温度条件が不成立である場合に、補助加熱装置38を制御して加熱装置を通過後の空気を加熱し、加湿ユニットを制御して補助加熱装置38によって加熱された空気を吸着材に供給する。
この加湿空気供給装置100によれば、空調装置1が備える加熱装置を通過後の空気温度について加湿可能温度条件が成立していない場合に、補助加熱装置38によって補充的に加熱した空気を吸着材に供給できる。加湿空気供給装置100は、例えば空調装置1における空気加熱能力が不足している状況など、車両における様々な状況にわたって加湿空気を供給する加湿モードを実施できる。したがって、車両用の空調装置1において温風を供給できる熱量を得にくい状態であっても加湿空気を供給可能な加湿空気供給装置100を提供できる。
加熱装置は、エンジンの冷却水が流通するヒータコア32である。補助加熱装置38は、通電によって発熱する電気式ヒータである。制御装置は、加湿可能温度条件が成立していない場合に、ヒータコア32を通過後の空気を加熱するように電気式ヒータを制御する(ステップS10,S20,S30)。さらに制御装置は電気式ヒータによって加熱された空気を吸着材に供給するように加湿ユニット4を制御する(ステップS40)。
この加湿空気供給装置100によれば、エンジンの冷却水温が低い場合に、電気式ヒータによって加熱された空気を吸着材に供給して加湿モードを実施できる。これにより、エンジン始動直後やエンジンが暖まるまでの期間においても、乗員の要望や車室内の湿度環境改善に寄与する加湿空気供給装置100を提供できる。
さらに制御装置は、加湿可能温度条件が成立していない場合に、吸着材に供給する空気が加湿可能温度条件を満たす温度になるために必要な熱量を算出し、電気式ヒータに通電する電力を必要な熱量を確保する値に制御する(ステップS10〜S30)。このステップS10〜S30の処理によれば、電気式ヒータに通電する電力値を、加湿モードを実施可能な必要な熱量に対する不足分に抑えることができる。第1実施形態の加湿空気供給装置100は、電気式ヒータによる電力的なエネルギ消費を抑えた加湿運転の実施によって車両の燃費または電費の低下抑制に寄与する。
(第2実施形態)
第2実施形態の加湿空気供給装置100について図4〜図7を参照して説明する。第2実施形態において、第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品やステップ、説明しない構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
図4に示すように、空調ECU10は、吐出冷媒温度センサ63によって検出された冷媒温度情報を取得する。吐出冷媒温度センサ63は、圧縮機50によって吐出された高圧側における冷媒温度を電気信号として出力するサーミスタである。図6に示すように、第2実施形態の空調装置1は、ヒートポンプ式の冷凍サイクル105を備えている。空調装置1は、空気通路23において第1実施形態におけるヒータコア32の位置に設けられた、冷凍サイクル105の凝縮器51を備えている。つまり、補助加熱装置38は、空気通路23において凝縮器51よりも空気流れの下流に設置されている。冷凍サイクル105の凝縮器51は、内部を流れる冷媒と車室内に送風される空気とを熱交換して空気を加熱する加熱装置である。
図6を参照してヒートポンプ式の冷凍サイクル105について説明する。図6において、黒塗り太矢印は暖房運転時のサイクル内の冷媒流れを示しており、斜線太矢印は除湿運転時のサイクル内の冷媒流れを示しており、白抜き太矢印は冷房運転時のサイクル内の冷媒流れを示している。凝縮器51は暖房運転時、除湿運転時および冷房運転時において内部を流れる冷媒の放熱作用によって送風空気を加熱する加熱装置として機能する。
ヒートポンプ式の冷凍サイクル105は、サイクル内を流れる冷媒である、R134a、CO等の状態変化を利用することにより、冷房用の蒸発器55と暖房用の凝縮器51によって冷房、暖房および除湿を行うことができる。
冷凍サイクル105は、圧縮機50と、凝縮器51と、膨張弁56と、室外熱交換器74と、室外熱交換器74から圧縮機50への冷媒流れを形成する電磁弁57と、冷媒を気液分離する気液分離器53とを備え、これらを配管により環状に接続している。凝縮器51は暖房運転時に圧縮機50によって吐出された冷媒と空気とを熱交換させて空気を加熱する。膨張弁56は暖房運転時に冷媒を減圧する。室外熱交換器74は暖房運転時に膨張弁56で減圧された冷媒を蒸発させる。冷凍サイクル105は、暖房運転時には、圧縮機50、凝縮器51、三方弁70、膨張弁56、分岐部72、室外熱交換器74、電磁弁57、気液分離器53、圧縮機50の順に冷媒が循環する暖房運転経路を有している。さらに、圧縮機50の出口には、圧縮機50によって吐出された高圧側冷媒の温度を検出する吐出冷媒温度センサ63が設けられている。
さらに冷凍サイクル105は、除湿運転時に、圧縮機50、凝縮器51、三方弁70、膨張弁56、分岐部72、分岐部73、電磁弁59、蒸発器55、気液分離器53、圧縮機50の順に冷媒が循環する除湿運転経路を有している。除湿運転経路は、除湿運転時に膨張弁56で減圧された冷媒が室外熱交換器74に流入しないで蒸発器55に流入した後、気液分離器53を経由して圧縮機50に吸入される経路である。
さらに冷凍サイクル105は、圧縮機50、凝縮器51、三方弁70、分岐部71、室外熱交換器74、分岐部72、分岐部73、電磁弁58、膨張弁54、蒸発器55、気液分離器53、圧縮機50の順に冷媒が循環する冷房運転経路を有している。冷房運転経路は、凝縮器51で送風空気と熱交換した冷媒が膨張弁56を通らないで室外熱交換器74に流入し、膨張弁54で減圧された後、蒸発器55に流入し、気液分離器53を経由して圧縮機50に吸入される経路である。
室外熱交換器74は車両の車室外に配置されており、室外ファンにより強制的に送風される外気と冷媒とを熱交換する。膨張弁56および膨張弁54は固定式の膨張弁、機械式膨張弁で構成してもよい。機械式である場合は感温筒を備え、室外熱交換器74の出口や蒸発器55の出口の冷媒の蒸発状態が適度な過熱度をもつように出口冷媒温度をフィードバックし適切な弁開度によって冷媒流量を制御する温度作動方式を採用する。
第2実施形態の空調装置1における冷房運転、暖房運転、除湿運転をそれぞれ説明する。空調運転スイッチがオン状態のとき、空調ECU10は圧縮機50を起動し、設定温度と各種センサからの信号とから冷房運転の実行を判定すると、三方弁70の流通方向を分岐部71側、電磁弁58を開状態、電磁弁57および電磁弁59を閉状態に制御する。さらに空調ECU10は、吹出口モードとしてフェイスモードを実施するように吹出切替ドアを制御する。
冷房運転時には、圧縮機50から吐出された高温高圧のガス冷媒は凝縮器51に流入し凝縮器51内を通るときに周囲の空気に吸熱されて冷却されるが、フェイスモードである場合、凝縮器51の周囲を通過する送風量は少なく冷却度合いは大きくない。そして冷媒は、三方弁70によって分岐部71を通過して室外熱交換器74に流入し、室外熱交換器74内を通るときに室外ファンにより送風された空気に吸熱されて冷却され霧状冷媒となる。その後、霧状冷媒は電磁弁58を通った後、膨張弁54で減圧されて蒸発器55に流入し室内用ブロワ20によって空調ケース30内を流れる送風空気から吸熱して蒸発器55内で蒸発し、冷媒は気液分離器53で気液分離された後、圧縮機50に吸入される。蒸発器55で吸熱され冷却された冷風はさらに空気通路23を進んで主にフェイス通路35aを介して乗員の上半身に向けて吹き出されて車室内を冷房する。
次に暖房運転が行われた場合の冷媒の流れを説明する。空調運転スイッチがオン状態のとき、空調ECU10は圧縮機50を起動し、設定温度と各種センサからの信号とから暖房運転の実行を判定すると、三方弁70の流通方向を膨張弁56側、電磁弁57を開状態、電磁弁58および電磁弁59を閉状態に制御する。さらに空調ECU10は、吹出口モードとして設定温度に応じてフットモード、またはデフロスタモードを実施するように吹出切替ドアを制御する。
暖房運転時には、圧縮機50から吐出された高温高圧のガス冷媒は凝縮器51に流入し凝縮器51内を通るときに周囲の送風空気に熱を奪われて冷却され凝縮する。そして冷媒は、膨張弁56に流入し、膨張弁56によって室外熱交換器74の出口で冷媒の蒸発状態が適度な過熱度をもつような冷媒圧力に減圧され、また膨張弁56が固定絞り弁である場合は所定の低圧に減圧される。このように膨張弁56によって低圧に減圧された冷媒は分岐部72を通過して室外熱交換器74に流入し、室外熱交換器74内を通るときに室外ファンにより送風された空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器74で蒸発したガス冷媒は分岐部71を経由して電磁弁57を通り気液分離器53で気液分離された後、圧縮機50に吸入される。
暖房運転時に空調ケース30内に取り込まれた低温の空気は、蒸発器55を通過した後、凝縮器51によって加熱され温風となる。そして、暖房運転時のデフロスタモードが行われる場合は、この温風は凝縮器51を通過した後、吹出切替ドアによって開放されたデフロスタ通路34aを通ってフロントウィンドウの内面に向けて吹き出される。また、暖房運転のフットモードが行われる場合は、この温風は凝縮器51を通過した後、吹出切替ドアによって開放されたフット通路37aを通って乗員の足元に向けて吹き出される。
次に除湿運転が行われた場合の冷媒の流れを説明する。空調運転スイッチがオン状態のとき、空調ECU10は圧縮機50を起動し設定温度と各種センサからの信号とから除湿運転の実行を判定すると、三方弁70の流通方向を膨張弁56側、電磁弁59を開状態、電磁弁57および電磁弁58を閉状態に制御する。さらに空調ECU10は、主にデフロスタモードまたはフットモードを実施するように吹出切替ドアを制御する。
除湿運転時には、圧縮機50から吐出された高温高圧のガス冷媒は凝縮器51に流入し凝縮器51内を通るときに周囲の送風空気に吸熱されて冷却され凝縮する。冷媒は膨張弁56で減圧され、膨張弁56の出口で冷媒の蒸発状態が適度な過熱度をもつような冷媒圧力に減圧され、その後、室外熱交換器74に流入しないで分岐部72,73を通過して蒸発器55に流入する。冷媒は、蒸発器55の内部では空調ケース30内を流れる送風空気から吸熱して蒸発し、気液分離器53で気液分離されてから圧縮機50に吸入される。
除湿運転では蒸発器55および凝縮器51に冷媒が流れ、空調ケース30内の送風空気はまず蒸発器55で冷却、除湿され、その後に凝縮器51で加熱されて温風となる。この温風は主にデフロスタ通路34aを通ってフロントウィンドウの内面に向かって吹き出され、防曇効果を発揮するとともに車室内を除湿暖房する。
第2実施形態の加湿運転に関する制御について図7のフローチャートを参照して説明する。加湿空気供給装置100が備える制御装置は、例えば乗員の操作によって加湿運転スイッチがオンされると図7のフローチャートにしたがった処理を実行する。図7のステップS100、ステップS110における処理は、空調ECU10または加湿ECU11における演算処理部が実行する。
演算処理部はステップS100で、吐出冷媒温度センサ63による検出信号を取得し、この検出信号に基づいて高圧側の冷媒温度が第2の閾温度以上であるか否かを判定する。高圧側の冷媒温度が第2の閾温度未満であることは、凝縮器51によって加熱された後の空気の温度について、吸着材に吸着されている水分を脱離できる加湿可能温度条件が成立しない場合の一例である。
加熱後の空気温度がステップS100において第2の閾温度未満であると判定した場合はステップS130において前述のステップS40と同様の加湿モード処理を実行する。加湿ECU11は加湿モードの実施後、ステップS140において前述のステップS50と同様の吸湿モード処理を実行する。加湿空気供給装置100は、加湿モードと吸湿モードとを順に実行した後はステップS100に戻り、以降の処理を継続する。
ステップS100で現在の高圧側の冷媒温度が第2の閾温度未満であると判定した場合は、演算処理部はステップS110において吸着材モジュール41において水分を脱離させるために必要な熱量を算出する。演算処理部は、前述のステップS20の処理と同様に、記憶部に記憶された特性マップやデータに基づいて、加湿可能温度を算出しあるいは記憶部に記憶されたデータから加湿可能温度を取得する。演算処理部は、この加湿可能温度と凝縮器51で加熱後の空気温度との温度差を算出し、補助加熱装置38によって加熱される空気の流量と温度差とを用いて、空気の温度をこの温度差分、上昇させるために必要な熱量を算出する。
空調ECU10は、ステップS120において、必要な熱量を加湿ECU11と通信して取得し、この必要な熱量を出力できるように補助加熱装置38へ供給する電力を制御して補助加熱装置38を運転する。そして、前述のステップS40、ステップS50と同様のステップS130、ステップS50を順に実行した後、ステップS100に進む。このようにステップS100、S110、S120、S130を順に実行する処理により、凝縮器51が十分な加熱能力を発揮できない状態でも、補助加熱装置38から必要な熱量を得て加熱された空気が加熱用通路40bに流入して、吸着材モジュール41の通過時に吸着材の水分を脱離させることができる。このように吸着材モジュール41に供給される空気が加湿可能温度を満たしているため、吸着材モジュール41の通過時に吸着材が水分を放出できるので、凝縮器51が加熱能力不足である状況でも加湿モードを実施することができる。
第2実施形態の加湿空気供給装置100によれば、加熱装置はヒートポンプ式の冷凍サイクル105に設けられた凝縮器51である。補助加熱装置38は通電によって発熱する電気式ヒータである。制御装置は、加湿可能温度条件が成立していない場合に、凝縮器51を通過後の空気を加熱するように電気式ヒータを制御し、電気式ヒータによって加熱された空気を吸着材に供給するように加湿ユニット4を制御する。
この加湿空気供給装置100によれば、凝縮器51からの放熱量が十分でない状況、例えば冷房運転時や圧縮機50による冷媒吐出量が少ない場合でも、電気式ヒータによって加熱された空気を吸着材に供給して加湿モードを実施できる。これにより、冷房運転時、低出力暖房時、乗員が空調運転を必要としていない場合においても、乗員の要望や車室内の湿度環境改善に寄与する加湿空気供給装置100を提供できる。
さらに制御装置は、加湿可能温度条件が成立していない場合に、吸着材に供給する空気が加湿可能温度条件を満たす温度になるために必要な熱量を算出し電気式ヒータに通電する電力を必要な熱量を確保する値に制御する(ステップS100,S110,S120)。このステップS100〜S120の処理によれば、電気式ヒータに通電する電力値を、加湿モードを実施可能な必要な熱量に対する不足分に抑えることができる。第2実施形態の加湿空気供給装置100は、電気式ヒータによる電力的なエネルギ消費を抑えた加湿運転の実施によって車両の燃費または電費の低下抑制に寄与する。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
前述の実施形態において補助加熱装置38の運転は空調ECU10によって制御される構成であるが、加湿ECU11または車両に搭載されているその他の制御装置によって制御される構成でもよい。
明細書に開示の目的を達成可能な加湿空気供給装置は、吸湿モード時に吸着材モジュール41を通過させる空気を外気または内気のみに限定する装置ではない。例えば、加湿空気供給装置は、吸湿モード時に外気と内気の混合空気を吸着材モジュール41を通過させる制御処理を実施する装置でもよい。
明細書に開示の目的を達成可能な加湿空気供給装置は、補助加熱装置38を空調装置1に内蔵しているが、このような構成に限定されない。加湿空気供給装置は補助加熱装置38を加湿ユニット4に内蔵する構成でもよい。
前述の実施形態の加湿空気供給装置100が有する加湿ユニット4の構成部品は、一例にすぎない。
明細書に開示の目的を達成可能な加湿空気供給装置に含まれるヒートポンプ式の冷凍サイクルは、前述の実施形態に記載した構成に限定されない。
前述の実施形態でフローチャートを参照して説明した、加湿ECU11が実行する各処理は、空調ECU10が直接実行する構成としてもよい。
前述の実施形態では、吸着材モジュール41として、吸着材を担持させた複数の金属製の板状部材を間隔を開けて積層設置することによって構成されたものを採用した例を説明したが、吸着材モジュール41は、これに限定されない。例えば、波状に折り曲げられたコルゲート板に吸着材を担持させて、このコルゲート板を間隔を開けて積層設置して構成したものを採用してもよいし、断面六角形に形成された通路を有するハニカム部材に吸着材を担持させたものを採用してもよい。
1…空調装置、 4…加湿ユニット
10…空調ECU(制御装置)、 11…加湿ECU(制御装置)
32…ヒータコア(加熱装置)、 51…凝縮器(加熱装置)
38…補助加熱装置、 100…加湿空気供給装置、 105…冷凍サイクル

Claims (5)

  1. 車室内に送風する空気を加熱する加熱装置(32,51)を有する空調装置(1)と、
    前記加熱装置によって加熱された空気を加熱可能な補助加熱装置(38)と、
    空気に含まれる水分を吸着材に吸湿することおよび前記吸着材に吸湿された水分を車室内に提供する空気に対して放出することを実施可能な加湿ユニット(4)と、
    前記補助加熱装置の運転と前記加湿ユニットの運転とを制御する制御装置(10,11)と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記加熱装置を通過後の空気の温度について、前記吸着材から水分を脱離できる加湿可能温度条件が成立していない場合に、前記加熱装置を通過後の空気を加熱するように前記補助加熱装置を制御し、前記補助加熱装置によって加熱された空気を前記吸着材に供給するように前記加湿ユニットを制御する加湿空気供給装置。
  2. 前記加熱装置(32)は、エンジンの冷却水が流通するヒータコアであり、
    前記補助加熱装置は、通電によって発熱する電気式ヒータであり、
    前記制御装置は、前記加湿可能温度条件が成立していない場合に、前記ヒータコアを通過後の空気を加熱するように前記電気式ヒータを制御し、前記電気式ヒータによって加熱された空気を前記吸着材に供給するように前記加湿ユニットを制御する請求項1に記載の加湿空気供給装置。
  3. 前記制御装置は、前記加湿可能温度条件が成立していない場合に、前記吸着材に供給する空気が前記加湿可能温度条件を満たす温度になるために必要な熱量を算出し、前記電気式ヒータに通電する電力を前記必要な熱量を確保する値に制御する請求項2に記載の加湿空気供給装置。
  4. 前記加熱装置(51)は、ヒートポンプ式の冷凍サイクル(105)に設けられた凝縮器であり、
    前記補助加熱装置は、通電によって発熱する電気式ヒータであり、
    前記制御装置は、前記加湿可能温度条件が成立していない場合に、前記凝縮器を通過後の空気を加熱するように前記電気式ヒータを制御し、前記電気式ヒータによって加熱された空気を前記吸着材に供給するように前記加湿ユニットを制御する請求項1に記載の加湿空気供給装置。
  5. 前記制御装置は、前記加湿可能温度条件が成立していない場合に、前記吸着材に供給する空気が前記加湿可能温度条件を満たす温度になるために必要な熱量を算出し、前記電気式ヒータに通電する電力を前記必要な熱量を確保する値に制御する請求項4に記載の加湿空気供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114593468A (zh) * 2022-02-11 2022-06-07 青岛海尔空调电子有限公司 带有调湿功能的空调器

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