JP4339962B2 - ヒトアンチトロンビン変異体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘパリン非存在下でも高プロテアーゼ阻害活性を有する人工のヒトアンチトロンビン変異体に関する。さらに詳しくは、本発明は天然のヒトアンチトロンビン分子の立体構造を遺伝子操作によって改変した変異体であって、ヘパリン結合後の立体構造を有するヒトアンチトロンビン変異体に関する。該変異体は、例えばDIC、血栓性疾病や妊娠中毒症の治療に用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
天然のアンチトロンビンはいく種類ものアンチトロンビン活性のあることが示され、アンチトロンビンIからVIまでが提唱された。しかし、今日までにタンパク質として単離されたのはアンチトロンビンIIIだけであることから、現在では、アンチトロンビンIIIは単にアンチトロンビンと呼ばれている。従って本発明において以下アンチトロンビンIIIをアンチトロンビンと称する。
【0003】
天然のヒトアンチトロンビンは血液凝固系のプロテアーゼ阻害活性を有する分子量58,000の一本鎖の糖タンパク質である。天然のヒトアンチトロンビンは464個のアミノ酸残基からなる前駆体タンパク質として生合成されるが、分泌過程において、32残基からなるシグナルペプチド部分が切り離されるため、血管内を循環する成熟ヒトアンチトロンビンは432個のアミノ酸残基からなる。6個のシステイン残基(Cys)はすべてジスルフィド結合を形成しており、Cys8−Cys128、Cys21−Cys95およびCys247−Cys430の3個所のS−S架橋でヒトアンチトロンビン分子を安定化している。天然のヒトアンチトロンビンには約15%の糖が含まれており、4ヶ所のアスパラギン残基(Asn96、Asn135、Asn155およびAsn192)に複合型糖鎖が結合している。天然のヒトアンチトロンビンの分子中、プロテアーゼの活性中心と直接相互作用し、結合する箇所は反応部位と呼ばれ、ペプチド鎖のC末端近くのArg393−Ser394である。
【0004】
天然のヒトアンチトロンビンは、α1−アンチトリプシンやヘパリンコファクターIIと同様にセルピン(Serpins)スーパーファミリーに属する血漿タンパク質で、トロンビン、活性化X因子(Xa因子)、活性化IX(IXa因子)など主要な凝固酵素の活性を制御する凝固系の主要な制御因子である。このような薬理活性を有する天然のヒトアンチトロンビンは、凝固の異常亢進の補正、具体的には血管内凝固症候群(DIC)や妊娠中の高血圧、蛋白尿、浮腫を主徴とする妊娠中毒症および先天性ヒトアンチトロンビン欠乏に基づく血栓形成傾向の治療を目的として用いられている。
【0005】
天然のヒトアンチトロンビンはヘパリンに高い親和性があり、ヘパリン存在下でトロンビンやXa因子に対する阻害速度は、それぞれ1000倍と300倍に促進されることが良く知られている。
【0006】
これまでの一次構造レベルの解析により、天然のヒトアンチトロンビンのN末端領域にヘパリン結合部位があり、C末端近傍にプロテアーゼとの反応部位(Arg393−Sre394)があることが明らかにされている。また、天然の血中ヒトアンチトロンビンの5〜10%は、Asn135に糖鎖が結合していない分子種(ヒトアンチトロンビン β)で、主要な分子種(ヒトアンチトロンビン α)よりも高いヘパリン親和性を示す。
【0007】
天然のヒトアンチトロンビン分子は他の血中セルピンと同様に三次元構造的にはA、BおよびCの3方向に大別される逆平行βシートからなる多数のストランド(s1A〜s4Cと略)、9個のα−ヘリックス(hA〜hIと略)とコイル構造部分で構成されるタンパク質である(Stein PE, Carrell RW, Nature Struct Biol 2:96 1995)。最近、天然型(native form)と潜在型(latent form)のアンチトロンビン二量体の2.6Å分解能でのX線結晶構造(Skinner R., et al., J.Mol.Biol.266: 601, 1997)や、高親和性ヘパリンのコア部分のペンタサッカライドとの複合体の2.9Å分解能での結晶構造が報告され(Jin L.,et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.94: 14683,1997)、天然のヒトアンチトロンビンとヘパリンの三次元相互作用部位とヘパリン結合によるヒトアンチトロンビン分子内の動的構造変化が示された。
【0008】
本発明者はこれまでに、これら天然のヒトアンチトロンビン分子内の動的構造変化から、ヒトアンチトロンビンはヘパリン非存在下ではインヒビターとして「不完全」なセルピンであり、ヘパリン存在下ではじめて「完全」なインヒビターとなると考えた。
【0009】
これまでの知見をもとに天然のヒトアンチトロンビン中の特定のアミノ酸を変換してヘパリン非存在下でも高いプロテアーゼ阻害活性を有するヒトアンチトロンビン変異体の作製が試みられている。例えば、天然のヒトアンチトロンビンの49位、96位、135位、155位、192位、393位および394位のアミノ酸の1個または2個以上が他のアミノ酸に変換されたヒトアンチトロンビン変異体が開示されている(特開平2−262598公報)。また、11〜14位、41〜47位、125〜133位および384〜398位の4つの領域のアミノ酸が、それぞれの領域、単独で又は組み合せで少なくとも1個、他のアミノ酸に変換されたヒトアンチトロンビン変異体が開示されている(特開平5−339292公報)。しかしながら、これらの変異体の効力は必ずしも十分ではなく、ヘパリン非存在下で更に強いプロテアーゼ阻害活性を持つヒトアンチトロンビン変異体の作製が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、ヘパリン非存在下で完全なインヒビターとして機能し、高いプロテアーゼ阻害活性を有する新規なヒトアンチトロンビン変異体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決する手段】
天然のヒトアンチトロンビンがプロテアーゼインヒビターとして機能する際、ヒトアンチトロンビン中の反応ループに大きな構造変化がおこる。つまり、天然のヒトアンチトロンビンの分子表面に突出している反応ループが標的プロテアーゼの「基質」として認識され、反応部位[P1(Arg393)−P1′(Ser394)]のペプチド結合がプロテアーゼにより切断される。この際、P1位Arg393のカルボニル炭素とプロテアーゼの活性中心Ser195の水酸基の酸素との間にアシル結合が形成されてアシル酵素複合体となると同時に、切断された反応ループのN末端側15残基(P1〜P15)が s3Aとs5A間に入り込み、新たなストランド(s4A)となる。この際、Arg393はプロテアーゼを伴って、ヒトアンチトロンビン分子の端から端まで約70Å移動する。この動的変化がプロテアーゼとの安定な複合体形成に重要と考えられている。天然のヒトアンチトロンビンやプラスミノーゲンアクチベータインヒビター1では反応部位が切断されていないにもかかわらず、s4Aとして分子内に挿入された潜在型(latent form)の存在も知られており、s4Aの形成がセルピンの安定な構造と考えられている。
【0012】
天然型α−アンチトリプシンの反応ループは分子表面に完全に露出しており、P1位Met358の側鎖が分子の外側に配向され、セリンプロテアーゼの活性部位と相補的な立体配座(コンフォメーション)を形成しているので、プロテアーゼとの反応性が高く、切断後の反応ループの分子内挿入が起こりやすい。しかし、天然のヒトアンチトロンビンのP1位Arg393の側鎖は分子の内側に配向されているためプロテアーゼとの反応性がきわめて低い(Jin L.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 94: 14683, 1997)。本発明者はさらに重要な点として、天然のヒトアンチトロンビンの反応ループがP14位(Ser380)とP15位(Gly379)においてストランド内に入り込んでいるため、ストランドに歪を与え、切断された反応ループの挿入も起こりにくい点に注目した。ヘパリンが天然のヒトアンチトロンビンに結合するとヒトアンチトロンビン分子中の様々な部位で立体構造上の変化がおこるが、このP14位(Ser380)とP15位(Gly379)のアミノ酸はヘパリン結合のアロステリック的影響(立体障害的な影響)を受けてストランドから押し出され、α−アンチトリプシンと同じ位置に移動する(Jin L.,et al, Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94: 14683, 1997)。
【0013】
本発明者は、前述のヒトアンチトロンビン、プラスミノーゲンアクチベータインヒビター1およびα1−アンチトリプシン中のそれぞれの反応ループに関する立体構造変化を解析、検討することにより、天然のヒトアンチトロンビン中のP14位(Ser380)がヘパリン非存在下で完全なインヒビターとして機能し、高いプロテアーゼ阻害活性を有する適切な立体構造を作製するための重要な部位であると判断した。さらに、本発明者は、天然のヒトアンチトロンビンの反応ループにおけるP15〜P10位は、近位ヒンジ領域(proximal hinge)と呼ばれていることから、そのヒトアンチトロンビン中における立体構造的な特徴を検討した。その結果、この近位ヒンジ領域は反応ループがs4Aとして入り込む際のヒンジ(蝶番)の役割を担っていることから、その基部にあたるP16位(Glu378)もP14位と同様に高いプロテアーゼ阻害活性を有する適切な立体構造を持つヒトアンチトロンビン変異体を作製するために適切なアミノ酸に変換すべき部位であると判断した。
【0014】
他方、天然のヒトアンチトロンビンの反応ループはプロテアーゼによって切断を受けると、s3Aとs5A間にs4Aとして分子内に挿入されるが、これらのストランド間が開く際に関与している領域がhB(Ser79〜Thr90) を中心とするシャッター(shutter)領域であることが知られている(Stein PE, Carrell RW,Nature Struct Biol 2: 96,1995)。本発明者は、s3Aとs5A間が開く際には、まず両ストランド間の水素結合が切断された後、これらストランドがhBの溝の上をスライドし、この領域の「開きやすさ」が反応ループの「入りやすさ」と関係するとの知見を得た。つまり、天然のヒトアンチトロンビンのシャッター領域はs3Aとs5A間の開閉に影響を与え、さらにヘパリンとの結合やアンチトロンビンの活性にも影響を与える重要な領域であり、このシャッター領域の基部にあたる78位(Leu78)を他のアミノ酸に変換することにより高いプロテアーゼ阻害活性を有する適切な立体構造を持つヒトアンチトロンビン変異体を作製することができると判断した。
【0015】
次に、本発明者はヘパリン結合による天然のヒトアンチトロンビンの動的構造変化とプロテアーゼ阻害活性の促進について特にヘパリン結合領域の各アミノ酸の立体構造を解析、検討した。これまで、天然のヒトアンチトロンビン中のヘパリン結合領域は、47位のArgがCysに変換されたアンチトロンビン富山(Koide T., Takahashi K., et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 81:289,1984)などの異常症例の解析や化学修飾実験、さらには部位特異的変異体の解析によって、hAとhDに存在する塩基性アミノ酸残基群であることが明らかにされてきたが、前述のX線結晶構造解析(Jin L., et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 94: 14683, 1997)によって、天然のヒトアンチトロンビンのヘパリン由来ペンタサッカライド結合部位は、hD(Lys125やArg129の側鎖)、hA(Arg46やArg47の側鎖、およびAsn45の主鎖アミド)、N末端領域(Lys11、Arg13の側鎖と主鎖アミド)とhC−hD間にペンタサッカロイド結合により新生する「P−ヘリックス」(Pはペンタサッカロイドに由来する)中のGlu113の主鎖アミドとLys114の側鎖および主鎖アミドであることが明らかになった。ペンタサッカライドが接触すると、Arg46とArg47はそれぞれ17Åと8Å移動して糖鎖の硫酸基と水素結合を形成する。また、hDはs2Aとs3Aを押す方向へ約10度傾き、そのN末端側のGlu113〜Gln118のコイル構造が2回転のhPとなり、hDに対して直角方向に形成される。さらに、hDのC末端側も1.5回転分のヘリックスが形成されて、Arg132、Lys133、Lys136の側鎖がペンタサッカライド結合部位の方向を向くようになる。これらの残基はペンタサッカライドとは離れているので、両者の間に水素結合は形成されないが、長鎖ヘパリンとは相互作用する可能性が高いと考えられている。また、hDが伸長することによるアロステリック効果で、上述のヒトアンチトロンビンの天然型ではストランド内に入り込んでいた反応ループ内のP14、P15位のアミノ酸残基が押し出され、ストランドの歪みがなくなるとともにP1位Arg393の側鎖が分子の外側を向くようになり、インヒビターとして反応しやすい形に変換される(Pike RN, et al.,J.Biol.Chem.272:19652, 1997)。また、ヒトアンチトロンビンのN末端部分(Ile22〜Arg46)は、ペンタサッカライドが結合すると大きく移動してアンチトロンビン−ペンタサッカライド複合体を安定化する立体的なゲートとしての役割を担っている(Fitton, HL, et al., Protein science 7: 782,1998)。天然のヒトアンチトロンビンの天然型(native form)と潜在型(latent form)の立体構造を比較すると、天然型のhDはわずかにねじれており、ヘパリン結合部位であるArg47、Lys125およびArg129はペンタサッカライド結合領域の方向を向き、Arg129のNε基はAsp278の側鎖と水素結合を形成して側鎖を安定化することにより、ペンタサッカライドの硫酸基とイオン的な相互作用をしやすくしている。しかし、潜在型(latent form)では、hDはまっすぐに伸び、Arg47はSer112と、Lys125はIle7と水素結合しており、ヘパリン結合に重要なアミノ酸残基の領域はすべてヘパリン結合領域の方向に向いていない(Skinner R., et al., J.Mol.Biol.266:601,1997)。そこで、本発明者はArg129とAsp278の水素結合をあらかじめ切っておくことで、ヘパリン非存在下であってもヘパリン存在下と類似の立体構造に変化させることができると判断した。そこで、Arg129と水素結合している278位(Asp278)のアミノ酸を他のアミノ酸に変換することにより高いプロテアーゼ阻害活性を有する適切な立体構造を持つアンチトロンビン変異体を作製できると考えた。
【0016】
このように、本発明者はこれまでに解析された天然のヒトアンチトロンビンのヘパリン結合によるアンチトロンビンの動的構造変化に関する情報を検討したうえで、天然のヒトアンチトロンビンのプロテアーゼ阻害活性促進に好ましい立体構造上の変換部位を導き出した。すなわち、天然のヒトアンチトロンビンの反応ループのヒンジ領域、s4A形成時のヒンジ領域、さらにヘパリン結合に関連する部位を1または2以上他のアミノ酸に変換することにより高いプロテアーゼ阻害活性を有する適切な立体構造を持つヒトアンチトロンビン変異体を作製することができるとの結論を得た。このような結論に基づき、本発明者はヒトアンチトロンビン変異体の改良を鋭意研究した結果、高いプロテアーゼ阻害活性を有する適切な立体構造を持つ新規なヒトアンチトロンビン変異体作製に成功し本発明を完成した。
【0017】
すなわち、本発明は、天然のヒトアンチトロンビンの変異体であって、天然のヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の78位、278位、378位および380位のアミノ酸の少なくとも1個が他のアミノ酸に変換されていることを特徴とするヒトアンチトロンビン変異体よりなる。これらのヒトアンチトロンビン変異体のうち、次のものが特に好ましい:
ヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の78位がPheに変換されているヒトアンチトロンビン変異体、
ヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の278位がAla、Arg、Asn、Gly、His、TyrおよびValから選ばれるアミノ酸に変換されているヒトアンチトロンビン変異体、
ヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の378位がLys、AsnおよびValから選ばれるアミノ酸に変換されているヒトアンチトロンビン変異体、
ヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の380位がAla、Asp、Gly、His、Ile、Leu、Asn、Pro、Arg、Thr、TyrおよびValから選ばれるアミノ酸に変換されているヒトアンチトロンビン変異体。
さらに本発明は上記ヒトアンチトロンビン変異体をコードしているDNAよりなる。
【0018】
【実施例】
本発明の新規なヒトアンチトロンビン変異体は部位特異的変異導入法によってヘパリン結合後の立体構造に類似する変異体を作製した。
以下に、具体的な変異体作製方法を記載し、本発明をさらに具体的に説明する。
天然型アンチトロンビンcDNA(1本鎖)2.5μg(10μl)にアミノ酸置換のための変異プライマー(0.475 OD/ml)30μlをアニーリングさせ、DNAポリメラーゼで全長を合成させた。次に、塩基配列を決定して変異導入を確認した。各アンチトロンビン変異体cDNA(1.4kb)をpcD2ベクターのEcoRI部位に組み込み、EdoRIとPstIで切り出して、挿入配列の方向を確認した。順方向に組み込まれたものについて、大量調製のために、リン酸カルシウム法で、BHK細胞にトランスフェクトした(図1)。G418でネオマイシン耐性の安定発現細胞を選択し、それらをプールした。安定発現BHK(baby hamster kidney)細胞のプールを用いてパルス−チェイス実験を行った。直径35mmのディッシュに5×105個の細胞をまき、一晩培養した。EXPRE35S35S(100μCi/ml)を6.8μl添加し、30分ラベル後、培養液をDME/10%FCS、Met、Cysに交換して8時間チェイスを行い、0、0.5、1、2、4、8時間後の培養上清液(CM)と細胞抽出液(CE)を得た。各時間毎のCMとCEを抗体とStaphylosorbTMで免疫沈降後、8%SDS−PAGE(+SH)を行い、得られた当該RIバンドのRI量を定量することによって、組み換え変異体の分泌量を定量した。
分泌量の高い変異体については、8時間チェイス後のCMを回収した。回収液500μlに対して、トロンビンまたはXa因子を加え、ヘパリン非存在下では、37℃、5分と60分、ヘパリン存在下では、5分反応後、免疫沈降し、10%SDS−PAGE(+SH)で複合体量を定量した。
【0019】
1) 分泌性
各アンチトロンビン組換え変異体のBHK細胞からの分泌性について、表1にまとめて示した。パルスラベル時の放射線量を100%とした時のチェイス8時間後の細胞内量と分泌量を示したものであるが、天然型組換え体の分泌量が89%であったのに対して、78位のLeuがPheに変換されているLeu78Phe変異体は分泌量が90%であった。また、278位のAspがAla、 Gly、HisまたはTyrに変換されている変異体(Asp278Ala、Asp278Gly、Asp278HisまたはAsp278Tyr)では、それぞれ104%、104%、165%または160%と天然型組換え体以上の分泌性が得られた。
一方で、278位のAspがArg、AsnまたはValに変換されている変異体(Asp278Arg、Asp278AsnまたはAsp278Val)では、それぞれ57%、48%または51%の分泌性であった。380位のSerがAla、Arg、Asn、Asp、Gly、His、Pro、Thr、TyrまたはValに変換されている変異体(Ser380Ala、Ser380Arg、Ser380Asn、Ser380Asp、Ser380Gly、Ser380His、Ser380Pro、Ser380Thr、Ser380TyrまたはSer380Val) では、いずれも良好な分泌性が得られたが、なかでも、AsnとValに変換された変異体では、それぞれ154%と144%と高い分泌性が得られた。
【0020】
2) トロンビンとの複合体(TAT)形成能
各アンチトロンビン組換え変異体のトロンビンとの複合体(TAT)形成能を調べた結果を表2にまとめて示した。本発明の最大の効果であるヘパリン非存在下での即時性のTAT形成能は、天然型組換え体のTAT形成能を100%とした相対値が、78位のLeuがPheに変換されているLeu78Phe変異体では131%、278位のAspがHisに変換されているAsp278His変異体では163%、さらに、380位のSerがGlyまたはTyrに変換されているSer380GlyとSer380Tyr変異体では、それぞれ171%と172%であり、いずれも天然型組換え体よりも高性能な変異体が得られている。さらに、表2に示した変異体は、いずれも長時間(120分)のトロンビンとの相互作用においても、天然型組換え体と同程度(Leu78Phe、Asp278HisおよびSer380Ala変異体)、あるいは天然型組換え体以上(Asp278Ala、Asp278Val、Asp278Tyr、Ser380GlyおよびSer380Tyr変異体)の安定したTAT形成能を有していた。
また、ヘパリン存在下の即時性のTAT形成能については、いずれも変異体でも保存されており、ヘパリンとの共用による抗血栓症薬としての有効性も示された。
【0021】
3) Xa因子との複合体(Xa−AT)形成能
各アンチトロンビン組換え変異体のXa因子との複合体(Xa−AT)形成能を調べた結果を表3にまとめて示した。本発明の最大の効果であるヘパリン非存在下での即時性のXa−AT形成能は、天然型組換え体のXa−AT形成能を100%とした相対値が、78位のLeuがPheに変換されているLeu78Phe変異体では106%であった。また、278位のAspがGly、HisまたはTyrに変換されているAsp278Gly、Asp278HisまたはAsp278Tyr変異体では、それぞれ144%、171%または131%であり、いずれも天然型組換え体よりも高性能な変異体が得られている。さらに、長時間(60分)のXa因子との相互作用においても、天然型組換え体と同程度(Leu78Phe、Asp278Gly、Asp278HisおよびSer380Tyr変異体)、あるいは天然型組換え体以上(Asp278Val、Asp278TyrおよびSer380Gly変異体)の安定したTAT形成能を有していた。
また、ヘパリン存在下の即時性のXa−AT形成能は、Leu78Phe、Asp278AlaおよびAsp278Gly変異体では、天然型組換え体に比べてほぼ半減しており、ヘパリン非依存性の高性能Xa因子阻害剤として有効であることが示された。一方、Asp278Val、Asp278Tyr、Ser380Gly、Ser380ThrおよびSer380Tyrの各変異体については、天然型組換え体以上のヘパリン存在下の即時性のXa−AT形成能が保存されており、ヘパリンとの共用による抗血栓症薬としての有効性も示された。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】
本発明により、ヘパリン非存在下でも高いプロテアーゼ阻害活性を有する適切な立体構造を持つ新規なヒトアンチトロンビン変異体を提供することができる。本発明の組換えヒトアンチトロンビン変異体は、例えば血栓性疾病や妊娠中毒症の治療薬として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】AT組換え変異体発現ベクターの構築(Ser380Hisの例)を示す。
Claims (5)
- 天然のヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の78位がPheに変換されているヒトアンチトロンビン変異体、天然のヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の278位がGly、His又はTyrに変換されているヒトアンチトロンビン変異体、又は天然のヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の380位がGly又はTyrに変換されているヒトアンチトロンビン変異体。
- 天然のヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の78位がPheに変換されている請求項1記載のヒトアンチトロンビン変異体。
- 天然のヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の278位がGly、His又はTyrに変換されている請求項1記載のヒトアンチトロンビン変異体。
- 天然のヒトアンチトロンビンのアミノ酸配列の380位がGly又はTyrに変換されている請求項1記載のヒトアンチトロンビン変異体。
- 請求項1記載のヒトアンチトロンビン変異体をコードしているDNA。
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