JP4338789B2 - 磁気インピーダンス効果素子 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、微小磁気を検出する磁気インピーダンス効果素子に関し、より詳しくは、テープレコーダ等の磁気記録装置やコンピュータの磁気記憶装置、各種の計測制御装置等において磁気を検出するための磁気ヘッド等に使用される磁気インピーダンス効果素子に関する。
背景技術
一般に、磁気を検出する素子としては、コイルが巻回されたコアに磁束を導き、コイルに鎖交する磁束の時間的な変化に比例する誘導起電力をコイルの両端から出力する巻線誘導検出形再生磁気ヘッド(inductive head)が従来より周知である。これに対し、近年、磁気記録の高密度化・大容量化に対応できることから、磁界によって電気抵抗が変化する磁気抵抗(MR)効果素子がパーソナルコンピュータの磁気記憶装置を始めとして、各種の電子機器に採用される傾向にある。特に、巨大磁気抵抗(GMR)素子と呼ばれるものは、20エルステッド(Oe)の磁界での電気抵抗の変化率が10数パーセント程度と、従来の磁気抵抗効果素子に比べて数倍大きい値を有していることから、注目されている。
一方、上記のように磁界によって電気抵抗が変化する磁気抵抗素子効果素子に限らず、磁界によってインピーダンスが変化する磁気インピーダンス効果(MI)を利用した磁気インピーダンス効果素子も周知である(例えば、特開平6−283344号公報、特開平8−75835号公報参照)。
例えば、特開平6−283344号公報には、円周方向に高い透磁率を有する円形断面の磁性体を備えたものが開示されている。この磁性体の両端に交流電流が印加されると、その円周方向磁束の時間変化に伴う電圧と、上記磁性体が有する電気抵抗と電流との積による電圧との和が磁性体両端の間に誘起される。そして、上記磁性体を励磁する交流電流の周波数が、磁性体の表皮効果を考慮しなくてもよい程に低い励磁周波数領域では、主に円周方向磁束の時間変化に伴う電圧が外部磁界により変化する。この際の円周方向磁束の時間変化に伴う電圧、つまりインダクタンスの変化はブリッジ回路で高精度に検出でき、このインダクタンスの変化に基づいて外部磁界を検出することができる。この種の素子は、外部磁界によるインダクタンスの変化から外部磁界を検出しているので、磁気インダクタンス(MI)効果素子と呼ばれている。
これに対し、表皮効果が現われるような高周波領域の交流電流を磁性体に通電すると、該磁性体両端間の電圧の振幅が外部印加磁界によって40〜50パーセントの変化を示すようになる。この場合、上記磁気インダクタンス効果素子は、しばしば磁気インピーダンス(MI)効果素子と呼ばれている。なお、磁気インピーダンス効果素子は、一般に、広義の意味で磁気インダクタンス効果素子を包含するものと解されており、本願においても、磁気インピーダンス効果素子で表わされる概念は、磁気インダクタンス効果素子を包含するものとする。
このように、磁気インピーダンス効果素子では、インダクタンスもしくはインピーダンスの変化として外部磁界を検出することができる。そして、このような磁気インピーダンス効果素子を使用すれば、巨大磁気抵抗素子よりもさらに高い感度を有する、例えば外部磁界が2エルステッドで50パーセント、5エルステッドで80パーセント程度の変化率を有する磁気検知素子を得ることができ、高速応答かつ低消費電力の磁気デバイスを構成することができる。
また、磁気インピーダンス効果素子は、巻線誘導検出形再生磁気ヘッドとは異なり、磁心にコイルを設置する必要がないため、構成が簡単で小型の素子を得ることができるという利点も有している。さらにまた、特開平8−75835号公報に開示されているように、磁気インピーダンス効果を有する磁性体として、磁性薄膜を用いるものでは、さらに、小型で厚みの薄い磁気インピーダンス効果素子を得ることができる。このように、上記従来の磁気インピーダンス効果素子は小型であり、しかもコイルを必要としない簡単な構成で、巨大磁気抵抗効果素子を上回る高い検出感度を得ることができる利点を有している。
ところで、磁界は大きさ及び方向を有するベクトル量であるが、上記従来の磁気インピーダンス効果素子は、原理的に、スカラ量である磁束の変化に対して出力電圧が変化するものであり、従って、磁界の大きさは検出できるが、その方向までは検出できないという問題を有している。
これに対し、特開平9−133742号公報等には、磁界の大きさ及び方向を検出することができる磁気インピーダンス効果素子が提案されている。この種の磁気インピーダンス効果素子は、例えば図1および図2にその構成の一例を示すように、磁気インピーダンス効果を示す磁性体2とソレノイド状の巻き線コイル3とから構成されている。磁気インピーダンス効果素子1の巻き線コイル3の中には磁性体2が挿入され、該巻き線コイル3には直流電源4から直流電流を印加して磁性体2に一定方向の直流磁界をバイアス磁界5として印加する一方、磁性体2の両端に形成された電極を通して交流電源6から上記磁性体2に交流電流を通電している。外部磁界7による上記2極間の電圧の変化は電圧検出手段8によって検出され、出力端子9a,9bから取り出される。
磁性体1にバイアス磁界5を印加するのは、外部磁界7の方向を検出するためであり、図3に示すように、バイアス磁界5を印加しないときは、破線で示すように、磁性体2の両端間に生じる電圧変化は外部磁界強度に依存するが、磁界の極性(正負)には依存しないため点aを中心に対称となり、電圧値から直ちに磁界の方向を特定することはできない。つまり、外部磁界の方向は検出できない。これに対し、磁性体1にバイアス磁界5を印加すると、外部磁界に対する磁性体2の両端の電圧変化は、例えば図3において実線で示すように破線に比べて横軸の正の方向にシフトしたものとなる。このシフトによって、外部磁界がゼロとなる点b近傍での電圧変化は直線状になり、この領域では磁性体2からの出力電圧によって外部磁界の大きさと極性を一義的に決定することができる。
このように、従来の磁気インピーダンス効果素子8では、磁性体1の周囲に巻回した巻線コイル3により磁性体2にバイアス磁界5を印加すると、外部磁界の大きさとともにその方向をも検出することができ、磁界検出感度自体も向上する。
しかしながら、従来の磁気インピーダンス効果素子では、磁性体1にバイアス磁界5を印加するための巻き線コイル3を必要とするので、磁性体1と巻線コイル3の相互の配置関係から両者の形状や構造が制限されるという問題を有していた。さらにまた、素子の製造工程において、巻き線コイル3の中に磁性体2を挿入するか、または磁性体2の周囲に巻き線コイル3を巻回する工程が必ず必要となり、素子の製造が非常に複雑になるという問題を有していた。
発明の開示
本研究の主な目的は平面内に位置する導体パターンをバイアス磁界発生手段として応用することにより、厚み寸法が小さく構造が簡単で、かつ磁界の大きさと方向が検出できる小型の磁気インピーダンス効果素子を提供することにある。
本発明のいま一つの目的は、磁性体に印加されるバイアス磁界の大きさが制御可能で、種々の用途に用いられる磁気センサの仕様に簡単に対応することができる磁気インピーダンス素子を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、磁界の大きさ及び方向が検出できるリニアな特性を持ち、かつ、信号/ノイズ比に優れた磁気インピーダンス効果素子を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子は、平面状導体パターンに流れる電流が周囲に発生する合成磁界をバイアス磁界発生手段として用いることを特徴としている。すなわち、本発明の磁気インピーダンス効果素子は、磁気インピーダンス効果素子を有する磁性体と、磁性体に対するバイアス磁界を発生する平面状のバイアス磁界発生手段とからなる。バイアス磁界発生手段には、平面内に位置する導体パターンを用いるものや、平面状のコイル要素を用いるものがある。また、磁性体と平面状のコイル要素には各種の組み合わせが可能である。たとえば、一つの磁性体と複数の平面状のコイル要素を組み合わせるものや、二つの磁性体と一つ以上の平面状のコイル要素を組み合わせるものがある。磁性体とバイアス磁界発生手段は、1枚または2枚の基板に取りつけ可能である。
本発明に係る第1の磁気インピーダンス効果素子は、磁気インピーダンス効果を有する少なくとも一つの磁性体と、平面内に位置する導体パターンからなり、該導体パターンを流れる電流が発生する磁界をバイアス磁界発生手段とを備えることを特徴にしている。
本発明に係る第2の磁気インピーダンス効果素子は、上記第1の磁気インピーダンス効果素子において磁気インピーダンス効果を有する磁性体と、平面内に位置する導体パターンからなり、該導体パターン中を流れる電流の方向に対して略交差するように配設され、かつ、該導体パターンを流れる電流が発生する磁界をバイアス磁界として上記磁性体に印加するバイアス磁界発生手段を備え、該導体パターンはその電流が流れる方向の寸法が上記磁性体のその配設方向に直角な方向の寸法よりも大きい複数本の帯状導体パターンからなることを特徴としている。上記磁性体には時間的に変化する電流が通電され、そのときの磁性体のインピーダンスが外部磁界の大きさと方向に応じて変化する。このインピーダンスの変化が上記磁性体から信号として取り出される。上記磁性体にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生手段は平面内に位置する導体パターンからなるもので構成が簡単であり、コイルを磁性体に巻回するといった煩雑な工程が不要になる。また、バイアス磁界を発生する電流が流れる導体が実質的に平面内に位置しているので、磁気インピーダンス効果素子の全体の厚みが薄くなる。
また、上記磁性体が電気絶縁材料からなる支持基板の一つの主面上に支持されておれば上記磁性体が支持基板に支持され、かつ、該磁性体と該導体パターンが電気的に絶縁するされて支持されるので、基板の厚みにより磁性体とバイアス磁界発生手段との距離が正確に規定される。
また、上記磁性体は、上記導体パターン中に流れる電流の方向に対して略直角に配置されることが望ましい。上記面状導体パターンに流れる電流により発生するバイアス磁界は磁性体のすべての部分にわたって略一定になり、磁性体のすべての部分に均一なバイアス磁界が印加される。これにより、磁気インピーダンス効果素子の特性のばらつきが少なくなる。複数本の帯状導体パターンの各々には等しい電流が流れる。上記磁性体は上記導体パターン中に流れる電流の方向に対して略直角に配置されることが望ましい。これにより、各帯状導体パターンに流れる電流により発生される磁界が等しくなり、その合成磁界が各部でより均一になり、磁性体にはそのすべての部分でさらに均一なバイアス磁界が印加される。
本発明に係る第3の磁気インピーダンス効果素子は、上記第1の磁気インピーダンス効果素子において磁気インピーダンス効果を有する磁性体と、該磁性体と略平行に同一の平面に配された平面状のコイル要素からなり、これらコイル要素はその各々に流れる電流により発生する磁界が互いに逆になるように接続部材で接続され、上記各コイル要素を流れる電流により発生した磁界の合成磁界をバイアス磁界として上記磁性体に印加するバイアス磁界発生手段を備えたことを特徴としている。上記磁性体には時間的に変化する電流が通電され、そのときの磁性体のインピーダンスが外部磁界の大きさと方向に応じて変化する。このインピーダンスの変化が上記磁性体から信号として取り出される。上記磁性体にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生手段は平面状のコイル要素からなる簡単な構成を有するものであり、コイルを磁性体に巻回するといった工程が不要で、磁気インピーダンス効果素子の全体の厚みも薄くなる。
また、好ましくは、上述の第3の磁気インピーダンス効果素子において、上記平面コイルが渦巻きコイルであり、上記接続部材が隣り合う渦巻きコイルの端部を相互に電気的に接続するとともに、上記磁性体が上記接続部材に沿って配置されていることを特徴としている。上記渦巻きコイルに流れる電流をコントロールすることより、磁性体に印加されるバイアス磁界の大きさが制御される。これにより、磁気インピーダンス効果素子の動作点の調整も容易に行える。
さらにまた、好ましくは、上述の第3の磁気インピーダンス効果素子において、上記磁性体が一枚の支持基板の一つの主面上に配置され、かつ、上記平面コイルがコイル基板上に配置されており、上記支持基板がそのいま一つの主面を渦巻きコイルに対向させて上記コイル基板上に配置されていることを特徴としている。上記コイル基板をその渦巻きコイルの仕様が異なるものと交換することにより、磁性体に印加されるバイアス磁界の調整範囲を種々変更することが可能になる。
さらにまた、好ましくは、上述の第3の磁気インピーダンス効果素子において、上記磁性体と上記バイアス磁界発生手段とがそれぞれ電気的に絶縁されて支持基板の一つの主面上に支持されていることを特徴としている。上記磁性体は電気的に絶縁する層の厚みにより磁性体とバイアス磁界発生手段との距離が正確に規定される。
さらにまた、好ましくは、上述の磁気インピーダンス効果素子において、上記接続部材はその電流が流れる方向の寸法が磁性体のその配設方向に直角な方向の寸法よりも大きい導体パターンを有することを特徴としている。上記導体パターンとしては、複数本の帯状導体パターンであってもよい。
さらにまた、好ましくは、上述の第2の磁気インピーダンス効果素子において、上記バイアス磁界発生手段が導線をその巻回方向が互いに逆となるように巻回してなる扁平ソレノイドコイルからなり、これら扁平ソレノイドコイルはその各々が発生する磁界の方向が逆になるように接続されていることを特徴としている。上記扁平コイルに流れる電流及び位置を調整することにより、磁性体に印加されるバイアス磁界の大きさ及び分布が制御され、磁気インピーダンス効果素子の動作点の広範囲な調整が可能になる。また、扁平ソレノイドコイルを支持する基板も不要になる。
また、本発明に係る第4の磁気インピーダンス効果素子は、上記の第3の磁気インピーダンス効果素子において磁気インピーダンス効果を有する少なくとも2つの磁性体と、該磁性体と略平行に同一の平面に配された平面状のコイル要素を備えるバイアス磁界発生手段とからなり、少なくとも2つの該磁性体が該平面状のコイル要素を挟んだ位置に配置されている。コイル要素を流れる電流によりバイアス磁界が発生され、磁性体に印加される。
ここで、該磁性体の一方の端部は該平面状コイルの中心からコイル外周部を結ぶ半径方向の位置にあり、かつ、少なくとも2つの該磁性体は該平面状コイルを挟んだ相対的な同一空間に配置する。なお、中心とは、平面状のコイルにおいて磁束(磁界)を収束・発散させる面での重心をいう。このとき、上記磁性体に時間的に変化する電流が通電されると、そのときの磁性体のインピーダンスが外部磁界の大きさと方向に応じて変化する。該平面状のコイルの上下にそれぞれ配置された少なくとも2つの磁性体は方向の異なるバイアス磁界を印加されていることになる。そのため、それぞれのインピーダンスの変化は外部磁界よりも正または負にバイアスされている。これらの上記磁性体からの電気信号を差動増幅回路で変換すれば、外部磁界と出力電圧の関係は原点を通る直線の特性となる。こうして、この磁気インピーダンス効果素子は、磁界の大きさ及び方向が検出できるリニアな特性を持ち、かつ、信号/ノイズ比に優れる。上記磁性体にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生手段は平面状のコイル要素からなる簡単な構成を有するものである。平面状のコイルを用いるので、コイルを磁性体に巻回するといった工程が不要であり、磁気インピーダンス効果素子の全体の厚みも薄くなる。また、積層構造などを用いて、磁性体の支持が簡単かつ確実にでき、また、磁性体とバイアス磁界発生手段との距離が正確に規定でき、特性のばらつきが少ない。バイアス発生手段は、磁性体に印加されるバイアス磁界の大きさが容易に制御でき、また、磁性体のすべての部分に均一なバイアス磁界が印加できる。
また、好ましくは、この磁気インピーダンス効果素子において、上記平面状のコイル要素が少なくとも2つの渦巻きコイルからなり、接続部材は、少なくとも2つの渦巻きコイルの端部を、各々の渦巻きコイルに流れる電流により発生する磁界が互いに逆になるように電気的に接続し、上記磁性体が上記接続部材に沿って配置されている。各渦巻きコイルに電流を供給し各渦巻きコイルにより発生した磁界の合成磁界がバイアス磁界として上記磁性体に印加される。渦巻きコイルに流れる電流をコントロールすることにより、磁性体に印加されるバイアス磁界の大きさが制御される。これにより磁気インピーダンス効果素子の動作点も調整も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の磁気インピーダンス効果素子とその検出回路のシステム構成図である。
図2は、図1の磁気インピーダンス効果素子の図である。
図3は、図1の磁気インピーダンス効果素子のバイアス磁界が印加されたとき及びバイアス磁界が零のときの磁界検出特性図である。
図4は、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子の第1実施形態の平面図である。
図5は、図4の磁気インピーダンス効果素子の下面図である。
図6は、図4及び図5のA−A′線に沿う断面図である。
図7は、本発明の第1実施形態に係る磁気インピーダンス効果素子の他の導体パターンの下面図である。
図8は、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子による外部磁界検出のための構成を示すブロック回路図である。
図9は、バイアス磁界が重畳されたとき及びバイアス磁界が零のときの図4の磁気インピーダンス効果素子の磁界検出特性図である。
図10は、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子の第2実施形態の下面図である。
図11は、図10のA−A′線に沿う断面図である。
図12は、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子の第3実施形態のコイル基板の平面図である。
図13は、図12のコイル基板のB−B′線に沿う磁気インピーダンス効果素子の断面図である。
図14は、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子の第4実施形態のコイル基板の断面図である。
図15は、バイアス磁界が重畳されたとき及びバイアス磁界が零のときの図10の磁気インピーダンス効果素子の磁界検出特性図である。
図16は、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子の第5実施形態の平面図である。
図17は、図16の磁気インピーダンス効果素子の下面図である。
図18は、図16及び図17のA−A’線に沿う断面図である。
図19は、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子の第6実施形態のコイル基板の平面図である。
図20は、図19のコイル基板のB−B’線に沿う磁気インピーダンス効果素子の断面図である。
図21は、本発明に係る磁気インピーダンス効果素子による外部磁界検出のための構成を示すブロック回路図である。
図22は、バイアス磁界が重畳されたとき及びバイアス磁界が零のときの図16の磁気インピーダンス効果素子の点63a及び点63bにおける磁界検出特性図である。
図23は、バイアス磁界が重畳されたとき及びバイアス磁界が零のときの図16の磁気インピーダンス効果素子の回路出力64における磁界検出特性図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して本発明に係る磁気インピーダンス効果素子の実施の形態について説明する。なお、図面において、同じ参照記号は、同一または同等のものを指す。
(第1実施形態)
図4〜図6は、本発明の第1実施形態に係る磁気インピーダンス効果素子11を示す。磁気インピーダンス効果素子11は、図4に示すように、ガラス、ガラスエポキシ等の電気絶縁性を有する材料からなる四角形状の支持基板12の一つの主面上に、磁気インピーダンス効果を有する細長い磁性体13を配置する一方、図5に示すように、上記支持基板12のいま一つの主面上に、上記磁性体13にバイアス磁界を印加するための四角形状の面状導体パターン34を、支持基板12を間にして上記磁性体13に対向して配置してなるものである。上記磁性体13は、面状導体パターン34中を流れる電流の方向(図5において、矢印Mで示す)に対して略直交するように上記支持基板12の一つの主面上に配設されている。また、上記面状導体パターン34はその電流が流れる上記方向の寸法Xを、上記磁性体13のその配設方向に直角な方向の寸法Wよりも大きくなるようにしている。
上記磁性体13の材料としては、磁気インピーダンス効果を示すものであれば、その結晶構造(結晶・非晶質)、合金組成及び形状(細線、薄帯、薄膜)は問わないが、5ミリエルステッド、1kHzの励振磁界における透磁率が1000以上の高透磁率金属材料であれば、磁気インピーダンス効果が顕著に認められるので好適に用いることができる。また、Co−Fe−Si−Bを主成分とする非晶質金属材料は、5ミリエルステッド、1kHzの励振磁界における透磁率が10000以上の高透磁率材料として、細線、薄帯、薄膜のいずれの形状のもの容易に得られることから、上記磁性体13の材料として特に好適に用いることができる。中でも、非晶質金属細線及び薄帯は大きな磁気インピーダンス効果を示す材料として特に好ましい。
上記磁性体13は、その両端が支持基板12の上記一つの主面に形成された接続電極15,16にそれぞれ電気的に接続されている。これら接続電極15,16は、接続パターン17,18により、支持基板12の上記一つの主面の一辺の近傍に形成された端子電極21,22にそれぞれ引き出されている。これら端子電極21,22には交流電圧が印加される。また、上記面状導体パターン34も、接続パターン23,24により、支持基板12の上記いま一つの主面の一辺の近傍に形成された電流印加端子25,26にそれぞれ引き出されている。これら端子25,26には直流電流が印加される。
面状導体パターン34は、2本の接続電極部32a,32bの間に、一定の幅を有する複数の帯状導体パターン33,…,33を等しい間隔をおいて接続したものであり、これら帯状導体パターン33,…,33は、上記接続電極部32a,32bにそれぞれ接続された接続パターン23,24により電流印加端子25,26にそれぞれ接続される。上記磁性体13(図5参照)は帯状導体パターン33,…,33の方向に対して略直角に支持基板12の一つの主面上に配設されている。また、上記帯状導体パターン33,…,33の各々は、例えば幅が0.2mm、厚さが0.03mmで、支持基板12の厚み(即ち、図4の磁性体13との距離に等しい)が0.03〜0.8mmであるとき、0.01〜1アンペア程度の電流を流せば充分なバイアス特性が得られる。
本実施の形態では、上記帯状導体パターン33,…,33の各々には等しい電流が流れるので、各帯状導体パターン33により形成される磁界の合成磁界は、磁性体13の各部でより均一になり、さらに均一なバイアス磁界Hbを発生させることができる。また、バイアス磁界Hbを発生させるための構造が比較的単純であり、微小電流により効率良くバイアス磁界Hbを磁性体13に印加することができる。電流印加端子25,26から接続パターン23,24を通して直流電流が供給されると、図6に破線で示すように、上記磁性体13に沿って走るバイアス磁界Hbが発生する。このとき、上記したように、面状導体パターン34の電流が流れる上記方向の寸法Xが、上記磁性体13のその配設方向に直角な方向の寸法Wよりも大きくなっているので、上記バイアス磁界Hbは、磁性体13の各部に均一に分布する。これにより、磁性体13は各部が均一に磁気的にバイアスされ、図3で説明されるように、外部磁界がゼロとなる領域における磁性体13の両端から出力する電圧値によって、外部磁界の大きさ及びその方向(極性)を検出することができる。このように、本実施の形態では、バイアス磁界Hbを発生させるための構造が単純であり、また微小電流を用いても磁性体13に効率良くバイアス磁界Hbを印加することができる。
また、図7は、変形例として、上述の面状導体パターン34の代わりに作成した、バイアス磁界を発生させるための平面コイル状に形成した導体パターン32を示す。この平面コイルパターン32は、その中心部に形成されたスルーホール34a及び対向する主面に形成されてスルーホール34aを相互に接続する接続導体パターン35(図には断続的に図示される)により、平面コイルパターン32の内側の端部が端子26に接続されている。また、上記平面コイルパターン32の外側の端部は、接続パターン23により電流印加端子25に接続されている。コイルの中心から外周部にかけては複数の帯状導体パターン32となり0.01〜1アンペア程度の電流を流せば充分なバイアス特性が得られる。
上記バイアス磁界Hbを発生させるための直流電流は、支持基板12に形成された図5及び図7に示したような平面状の面状導体パターン34、32のほか、一般に、一つの平面上に形成された導体部分や平面上の金属部分を流れる直流電流を用いることができ、外部磁界検出に際して必要に応じてその電流の大きさ、磁性体と電流との距離、導体部分の材質やサイズ等を変化させて用いればよい。
(実施例1)
次に、以上に説明した磁気インピーダンス効果素子の実施例1を説明する。磁気インピーダンス効果を示す磁性体13としてアモルファス磁性細線を用い、図4〜図6において説明した磁気インピーダンス効果素子11を製作した。磁性体13としては、(Co0.94Fe0.0672.5Si12.515組成で、急冷材から冷間線引き工程を経た直径30μm径のアモルファス磁性細線を、更に475℃の温度で熱処理したものを使用した。支持基板12は、厚さ0.6mm、幅4.0mm、長さ9mmの大きさのガラス布エポキシ基板(FR−4:NEMA(米国電気製造業者協会))を用いた。なお、磁性体13が接続される接続電極15,16の面積は1mm×1mmであり、電極間距離は5mmであった。
バイアス磁界Hbの印加手段として、図5の導体パターン34を支持基板12に形成した。また、図7に示す平面コイル状導体パターン32を用いる他は全く同様の構成を有する磁気インピーダンス効果素子も製作した。ここで、上記面状導体パターン34は、幅0.2mm,厚さ0.03mmの8本の帯状導体パターン33,…,33が並列に接続されたものである。また、平面コイル状導体パターン32は、幅0.2mm,厚さ0.03mmの帯状導体パターン33,…,33が並列に設けられたものである。
次に、図8に示したような回路構成で磁気インピーダンス効果素子11の磁界検出特性を測定した。自己発振回路61は直流電源62で駆動され、磁性体13に20MHzの高周波電流を通電するために用いる。また、検波回路63は、磁性体13におけるインピーダンスの変化を電気信号の変化として出力端子63a,63bから出力する。図8に示すように自己発振回路61に接続された磁気インピーダンス効果素子11を、内径100mm、巻き長300mm、巻き数560ターンのソレノイドコイル中に配置して、振幅5エルステッド、周波数300Hzの三角波で変化する外部磁界中に配置し、磁界検出特性を測定した。
図9は、このようにして得られた上記磁気インピーダンス効果素子11の磁界検出特性を示す。図9において、横軸は上記磁気インピーダンス効果素子11にかかる外部磁界を、縦軸は上記磁気インピーダンス効果素子11から得られた電圧を示している。また、図9の破線は導体パターン34に通電しない場合の磁界検出特性であり、実線は面状導体パターン34に0.3アンペアの直流電流を流した場合の検出特性である。
図9に示すように、上記面状導体パターン34に流れる電流により発生するバイアス磁界Hbによって、磁気インピーダンス効果を発現する動作点は、横軸の正の方向にシフトした。このときのバイアス磁界Hbの大きさは0.2エルステッドであった。また、電流の大きさを変えずに上記面状導体パターン34に流れる電流の向きを反転させると、図9とは逆に、検出特性の曲線の頂点は−0.2エルステッドとなった。これにより実施例1の磁気インピーダンス効果素子11によって、外部磁界の大きさと極性(方向)が検知できることを確認した。
同様に、図7に示した構成でも、電流印加端子25,26間に0.3アンペアの直流電流を通電すると、磁性体13には0.2エルステッドのバイアス磁界Hbが印加されることが分かった。そして実施例1と同様に、実施例2の磁気インピーダンス効果素子31においても磁界の大きさと極性(方向)が検知できることを確認した。
以下の第2〜第4の実施の形態において、上記面状導体パターン34、32に代わる、種々のバイアス磁界発生手段を用いた磁気インダクタンス効果素子を説明する。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の磁気インピーダンス素子を説明する。この磁気インピーダンス素子11は、第1実施形態におけるのと同様に図4に示すように支持基板12の上面に磁性体13を配置するが、支持基板の下面とコイル基板43とは、図10と図11に示す構造を備える。
すでに図4により説明した磁気インピーダンス効果素子と同様に、ガラスもしくはガラスエポキシ等の電気絶縁性を有する材料からなる四角形状の支持基板12の一つの主面上に、磁気インピーダンス効果を有する磁性体13を配置している。磁性体13は、その両端が支持基板12の上記一つの主面に形成された接続電極15,16にそれぞれ電気的に接続されている。これら接続電極15,16は、接続パターン17,18により、支持基板12の上記一つの主面の一辺の近傍に形成された端子電極21,22にそれぞれ引き出されている。これら端子電極21,22には交流電圧が印加される。また、図10と図11に示すように、上記支持基板12のいま一つの主面側には、上記磁性体13にバイアス磁界を印加するための渦巻き状の平面コイルパターン(渦巻きコイル)42a,42bを形成したコイル基板43を配置している。
コイル基板43において、上記二つの平面コイルパターン42a,42bは、その各々の中心部にそれぞれ形成されたスルーホール44a,44b及び上記コイル基板43の二つの平面コイルパターン42a,42bの形成面と対向する主面に形成されて上記スルーホール44a,44bを相互に接続する接続導体パターン45(破線で示す)により、平面コイルパターン42a,42bの各内側の端部が相互に接続されている。また、上記二つの平面コイルパターン42a,42bの各外側の端部は、接続パターン23,24により電流印加端子25,26にそれぞれ接続されている。上記コイル基板43は、図11に示すように、その二つのコイルパターン42a,42bを、一つの主面に磁性体13を支持してなる支持基板12のいま一つの主面に向けて、該支持基板12に当接させている。
本実施の形態では、平面コイルパターン42aと平面コイルパターン42bとは、電流印加端子25,26の間に異なる極性で直列接続されている。なお、本発明において、「コイルの極性」とは、コイルに直流電流を通電した際に形成される磁界の極性を指しており、コイルが「異なる極性で直列に接続される」とは、複数のコイルを直列に接続するに際して、互いに接続されるコイルの端部の磁極の極性が互いに反対になるようにコイルを接続すること指している。このように、複数のコイルを接続したものでは、コイル間に形成される磁界の分布を、各コイルの仕様や組み合わせを変えることにより、適宜調節することができる。このことから、本実施の形態では、二つの平面コイルパターン42a,42bに流れる電流を制御することにより、磁性体13に印加されるバイアス磁界Hbの分布を容易にコントロールできる。また、平面コイルパターン42a,42bの仕様や組み合わせが異なる多数のコイル基板43を予め用意しておけば、コイル基板43を交換することにより、バイアス磁界Hbの調整範囲が大幅に拡大される。因みに、本実施の形態では、平面コイルパターン42a,42bからの距離が0.1〜10mmの位置に配置された磁性体13に対して、0.05〜10エルステッドの大きさのバイアス磁界Hbを容易に印加することができる。さらに、バイアス磁界印加手段は、磁性体13にコイルを巻回する構造を有するものではないので、構造が簡単であり、その製造も容易になる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る磁気インピーダンス素子51を説明する。この磁気インピーダンス素子51は、第1実施形態と同様に、図4に示すように支持基板の上面に磁性体を配置するが、支持基板12の下面とコイル基板43とは、図12と図13に示す構造を備える。この磁気インピーダンス効果素子51では、二本の接続電極部52,53の間に、一定の幅を有する複数の帯状導体パターン33,…,33を等しい間隔をおいて接続してなる接続導体パターン45aにより、二つの上記平面コイルパターン42a,42bが接続される。上記帯状導体パターン33,…,33の各々は、その電流が流れる方向の寸法Xが磁性体13の寸法W(図4、図12参照)よりも大きくなっている。
上記二本の接続電極部52,53のうちの一方の接続電極部52は、平面コイルパターン42aの外側の端部に接続され、他方の接続電極部53は、平面コイルパターン42bの外側の端部に接続されている。そして、上記平面コイルパターン42aの内側の端部は、スルーホール54及び接続パターン23を通して電流印加端子25に接続されている。また、いま一つの上記平面コイルパターン42bの内側の端部は、スルーホール55及び接続パターン24を通して電流印加端子26に接続されている。
本実施の形態では、上記帯状導体パターン33,…,33の各々には等しい電流が流れるので、各帯状導体パターン33により形成される磁界の合成磁界は接続導体パターン45aの略全領域で均一になり、平面コイルパターン42a,42bの間においても、バイアス磁界Hbは略均一になる。従って、磁気インピーダンス効果素子51の外形の制約から、磁性体13の長さが長く、しかも平面コイルパターン42a,42bの面積が制限されるような場合にも、磁性体13の各部に均一なバイアス磁界Hbを印加することができる。
なお、これまで説明した第1から第3までの実施の形態は、電気絶縁材料からなる支持基板の1つの主面上に磁性体を配置させ、いま一つの主面上にバイアス磁界発生手段が配置されている。一方、磁性体とバイアス磁界発生手段を支持基板の同一の主面上に配した配置もまた、本発明の磁気インピーダンス効果素子として好適である。以下、図10〜図11で示したのと同様の平面コイルを例にして、この点について説明する。はじめに、渦巻き型平面コイル42a,42bを電気絶縁性の支持基板43の1つの主面上に形成し、その上に電気的絶縁性の樹脂などを塗布して絶縁層を形成する。一方、支持基板12の1つの主面上には、磁気インピーダンス効果を示す磁性体13とその電気的信号を検出するための電極端子15,16,17,18,21,22が形成される。そして、磁性体13と平面コイル42a,42bは絶縁層を介して対抗するように配置される。このような配置にすることにより、磁性体とバイアス磁界発生手段は電気的な絶縁状態が保たれる。なお、平面コイル42に接続された電流印加端子25,26の部分は、絶縁層が形成されないようにしなければならないため、絶縁層は必要な領域にだけ部分的に形成する必要があるが、このようなパターニングは、プリント回路基板で永久保護マスクとして一般に用いられている感光性レジストを用いることで容易に得ることができる。さらに、このようなパターニング技術を応用して多層構造にすることで、平面コイルと磁性体を同じ支持基板の同一主面上に配することも可能である。
(第4実施形態)
図14は、本発明の第4実施形態に係る磁気インピーダンス効果素子51を示す。この磁気インピーダンス効果素子51は、図10と図11で説明した磁気インピーダンス効果素子31の二つの平面コイルパターン42a,42bを形成したコイル基板43に代えて、一つの主面に磁性体13を支持してなる支持基板12のいま一つの主面に、二つのソレノイドコイル56a,56bを、その各一端側のコイル面が上記磁性体13に対向するように配置するとともにこれらコイル面の中心が上記磁性体13に沿うように配置してなるものである。これらソレノイドコイル56a,56bはそれらの各々を流れる電流の方向が互いに逆方向になるように、逆直列に接続される。上記二つのソレノイドコイル56a,56bは、その長さhが短い場合は、実質的な平面状コイルとして取り扱うことができる。なお、コイル外径d(コイル断面の最大寸法)に対するコイルの長さhの比d/hが3以上のコイルを、実質的な平面状コイルとして使用できる。
なお、これまで説明した第1から第4の実施の形態は、いずれも電気絶縁材料からなる支持基板の1つの主面上に磁性体を配置させ、いま一つの主面上にバイアス磁界発生手段が配置されている。一方、磁性体とバイアス磁界発生手段を支持基板の同一の主面上に配した配置もまた、本発明の磁気インピーダンス効果素子として好適である。例えば、第2の実施形態と同様のバイアス磁界発生手段を利用する場合を例に挙げる。バイアス磁界発生手段14を電気絶縁性の支持基板12の1つの主面上に形成し、その上に電気的絶縁性の樹脂などを塗布して絶縁層を形成し、さらにその上に磁気インピーダンス効果を示す磁性体13を配する。このような配置にすることにより、磁性体とバイアス磁界発生手段は電気的な絶縁状態が保たれる。バイアス磁界発生手段に接続された電流印加端子25,26の部分は、絶縁層が形成されないようにしなければならないため、絶縁層は必要な領域にだけ部分的に形成する必要があるが、このようなパターニングは、プリント回路基板で永久保護マスクとして一般に用いられている感光性レジストを用いることで容易に得ることができる。
第4実施の形態においても、二つのソレノイドコイル56a,56bは、それらが逆直列に接続されているので、これら二つのソレノイドコイル56a,56bに流れる電流を制御することにより、図14において破線で示される平面状のバイアス磁界Hbを得ることができ、その分布を容易にコントロールすることができる。例えば、直径10mm、巻数10ターン、線径0.1mmのワイヤで構成されたソレノイドコイル56a,56bを中心間距離12mmで逆直列に結合したものをバイアス磁界印加手段として用いた磁気インピーダンス効果素子51では、ソレノイドコイル56a,56bの各一端から距離0.1〜10mmの位置に配置された磁性体13に対して0.05〜10エルステッドの一定の大きさのバイアス磁界Hbを容易に発生できる。そして、図15において実線で示すような特性を有する外部磁界の方向(極性)と大きさが検出可能な磁気インピーダンス効果素子を得ることができる。なお、本実施の形態において、上記二つのソレノイドコイル56a,56bに代えて、種々の形状のものを用いることができる。例えば、導線を8の字状に巻装してなる8の字状コイル等も使用できる。
次に、以上に説明した磁気インピーダンス効果素子の実施例2〜5を説明する。
(実施例2)
本発明の第2実施形態に係る磁気インピーダンス素子51を以下のように作成した。バイアス磁界Hbの印加手段として、図10において説明したコイル基板43を製作した。該コイル基板43に形成された平面コイルパターン42a,42bは、上記コイル基板43に貼着した銅箔をエッチング加工により、幅0.2mmで6ターンの方形状の渦巻き状とした。上記平面コイルパターン42a,42bを、各々が発生する磁界が互いに逆極性になるように、スルーホール44a,44bと接続導体パターン45とにより、逆直列に接続した。そして、上記コイル基板43を、磁性体13が2つの平面コイルパターン42a,42bの中心を結ぶ線分上にあって、かつ、バイアス磁界Hbの方向と磁性体13の長手方向が一致するように、支持基板12の上記磁性体13が配置された主面と対向するいま一つの主面に当接させて配置した。
次に、製作した磁気インピーダンス効果素子11は、実施例1と同様の方法により、図8に示したような回路構成で磁界検出特性を測定した。図15は、測定の結果を示す。図15において、破線は上記平面コイルパターン42a,42bに通電しなかったときの出力特性であり、縦軸に関して対称になっている。一方、上記平面コイルパターン42a,42bに通電したときには、実線で示すように、出力特性は縦軸に関して非対称となっている。すなわち、上記平面コイルパターン42a,42bに0.3アンペアの電流を通電したとき、磁気インピーダンス効果素子11の動作点は2.10エルステッドだけ横軸の方向にシフトしている。これにより、磁気インピーダンス効果素子11により磁界の大きさ及び極性(方向)が検知できることを確認した。
(実施例3)
次に、本発明の第3実施形態に係る磁気インピーダンス素子を以下のように作成した。バイアス磁界Hbの印加手段として、図12で説明した平面コイルパターン42a,42b及びそれらを接続する接続導体パターン45aを有するコイル基板43を製作した。該コイル基板43に形成された平面コイルパターン42a,42b及び接続導体パターン45は、上記コイル基板43に貼着した厚さ0.03mmの銅箔をエッチング加工することにより形成した。上記平面コイルパターン42a,42b及び接続導体パターン45の各部はいずれも幅0.2mmで、平面コイルパターン42a,42bの巻数はいずれも3ターンであり、帯状導体パターン33は9本であった。そして、上記コイル基板43を、図10に示すように、磁気インピーダンス効果素子13が2つの平面コイルパターン42a,42bの中心を結ぶ線分上にあり、かつ、バイアス磁界Hbの方向と磁性体13の長手方向が一致するように、支持基板12の上記磁性体13が配置された主面と対向するいま一つの主面に当接させて配置した。上記磁性体13と平面コイルパターン42a,42b及び接続導体パターンとの間の距離は、0.8mmであった。
次に、上記平面コイルパターン42a,42b及び接続導体パターンに1.2アンペアの直流電流を通電し、製作した磁気インピーダンス効果素子51の特性を、実施例1と同様の手法により測定した。その結果、磁性体13には、2.0エルステッドのバイアス磁界Hbが印加されることが分かった。そして、実施例1と同様に、磁気インピーダンス効果素子31においても磁界の大きさ及び極性(方向)が検知できることを確認した。
(実施例4)
本発明の第4実施形態に係る磁気インピーダンス素子を以下のように作成した。バイアス磁界Hbの印加手段として、図14で示すソレノイドコイル56a,56bを製作した。これらソレノイドコイル56a,56bは、0.2mmの被覆導線を用いて、外径dが5mm、長さhが1.0mmとなるように5ターン巻回し、扁平比5(コイル外径dに対する長さhの比d/h)となるようにした。そして2つの上記ソレノイドコイル56a,56bは、図14に示すように、通電したときにこれらソレノイドコイル56a,56bがそれぞれ発生する磁界が逆極性となるように接続し、支持基板12を間にして、その各一端側が磁性体13に対向するように配置した。
次に、製作した上記磁気インピーダンス効果素子51の特性を、実施例1と同様の手法により測定した。測定の結果、ソレノイドコイル56a,56bに0.3アンペアの電流を流すと、2.1エルステッドのバイアス磁界Hbが磁性体13に印加されることを確認した。
(第5実施形態)
図16、図17及び図18は、本発明の第5施形態に係る磁気インピーダンス効果素子を示す。図16に示すように、磁気インピーダンス効果素子は、ガラスまたはガラスエポキシ等の電気絶縁性を有する材料からなる四角形状の支持基板12の一つの主面上に、磁気インピーダンス効果を有する磁性体13を配置している。磁性体13はその両端が、支持基板12の上記の主面に形成された接続電極15,16にそれぞれ電気的に接続されている。これらの接続電極15,16は接続パターン17,18により、支持基板12の上記の主面の一辺の近傍に形成された端子電極21,22に引き出され、端子電極21,22には交流電流が印加される。
図17に示すように、コイル基板43には、上記磁性体13にバイアス磁界を印加するための渦巻き状の平面コイルパターン(渦巻きコイル)42を形成している。端子電極25,26がコイル基板43の一つの主面の一辺の近傍に形成される。平面コイルパターン42の外周側の1端は端子電極25に接続され、内周側の1端は、スルーホール44aを介して他方の主面の接続導線パターン45に接続され、さらにスルーホール44bを介して端子電極26に接続される。端子電極25,26にはバイアス磁界発生用の電流が印加される。
図18に示すように、磁気インピーダンス効果素子11は、積層された2枚の磁気インピーダンス効果素子11の支持基板12と1枚のコイル基板25とからなる。(2枚の支持基板12とその上の構成部品は、添字a,bにより区別する。)磁性体にバイアス磁界を印加するためのコイル基板43は、磁性体13a,13bを備える2枚の支持基板12a,12bの間に配置される。コイル基板43は、支持基板12の磁性体を備えない側の主面側に配置される。磁性体13と平面コイルパターン42は、磁性体13の形成した両電極部が少なくとも上記平面コイル42の中心と外周を結ぶ距離(半径)よりも短いことが望ましく、2つの磁性体13a及び13bは、コイル42を挟み、コイル主面から等しい距離に位置していることが好ましい。図16に示した例では、磁性体13の両端部15、16は平面コイルパターン42の中心と外周との間に位置される。3枚の基板を組み合わせて、磁性体13が簡単かつ確実に支持でき、磁性体13a,13bと平面状コイルパターン42との距離が正確に規定される。本実施の形態では、磁性体13a,13bの一方の端部は平面コイルパターン42の中心に配置し、接続電極16a,16bを形成した。もう一方の端部は平面コイルパターン42の最外周部に配置し、接続電極15a,15bを形成した。
なお、磁性体13a,13bと平面コイルパターン42との相対位置関係がコイルを挟んだ対称な位置にある条件を満足すれば、接続電極16a,16bが平面コイルパターンの中心から外周までのいずれの位置にあっても同様な効果が得られる。また、アモルファス磁性細線13が接続電極15、16で電気的に接続され、平面コイルパターンの中心からコイル外周部を結ぶ半径内にあれば、磁性線の長さに制限なく、同様な効果が得られるが、2つの磁性線の検出感度に差を生じないためには磁性線の長さを等しくすることが望ましい。
こうして、特性のばらつきが少なく、しかも、種々の用途に用いられる磁気センサの仕様に簡単に対応できる。
本実施の形態では、平面コイルパターン42に直流電流を流して磁界を発生する。磁界分布は、各コイルの仕様や組み合わせを変え、適宜調節することにより、磁性体13に印加されるバイアス磁界Hbの分布を容易に制御できる。また、支持基板12a、12bおよびコイル基板43について基板の積層技術を用いれば積層内に集約された配線パターンを形成できる。ちなみに、本実施の形態では、平面コイルパターン42からの距離が0.1〜10mmの位置に配置された磁性体13に対して、磁界の方向が逆で0.05〜10エルステッドの大きさのバイアス磁界Hbを容易に印加することができる。さらに、本実施の形態では、磁性体13にコイルを巻回する構造を有するものではないので、磁界発生のための構造が簡単であり、素子の製造も容易になる。
(第6実施形態)
図19と図20は、本発明の第6実施形態に係る磁気インピーダンス効果素子を示す。この磁気インピーダンス効果素子11はコイル基板143において、図16と図17において説明した第5実施形態の磁気インピーダンス効果素子11の1つの平面コイルパターン42に代えて、同一主面上において二つの平面状コイル142a及び142bを直列に接続してなるものである。平面状コイル142a,142bは、その各々の中心部にそれぞれ形成されたスルーホール144a,144bを介して、コイル基板143の二つの平面コイルパターン142a,142bを形成した主面と対向する主面に形成された接続導体パターン145よりスルーホール144a,144bの間が接続されて、平面コイルパターン142a,142bの各内側の端部が相互に接続される。また、二つの平面コイルパターン142a,142bの各外側の端部は、接続パターン123、124により電流印加端子125,126にそれぞれ接続されている。
上記コイル基板143は、図20に示すように、その二つのコイルパターン142a,142bを、一つの主面に磁性体113aを支持してなる一方の支持基板112aのいまひとつの主面に向けて、該支持基板112aに当接させている。そして、上記コイル基板143の該接続導体パターン145が存在する主面には一つの主面に磁性体113bを支持していない支持基板112bのいま一つの主面に向けて、もう一つの支持基板112bを当接させている。
本実施の形態では、渦巻き型平面コイル142a,142bは同一平面状に形成され、コイル基板143上に配置されている。磁性体113a,113bは、渦巻き型平面コイル142に配置された面を挟んで対称な位置にある。磁性体113a,113bの長さは等しく、かつ、一方の端部は渦巻き型平面コイル142aの中心上に、もう一方の端部は他方の渦巻き型平面コイル142bの中心上に配置する。
本実施の形態では、平面コイルパターン142aと平面コイルパターン142bとは、異なる極性で電流印加端子125,126の間に異なる極性で直列接続されている。なお、先に述べたように、本発明において、コイルの「極性」とは、コイルに直流電流を通電した際に形成される磁界の極性を指しており、「コイルが異なる極性で直列に接続される」とは、複数のコイルを直列に接続するに際して、互いに接続されるコイル端部の磁極の極性が互いに反対になるようにコイルを接続することを指している。このことから、この実施の形態では、二つの平面コイルパターン142a,142bに流れる電流を制御することにより、磁性体113に印加されるバイアス磁界Hbの分布を容易にコントロールできる。ちなみに本実施の形態では、平面コイルパターン142a,142bから距離が0.1〜10mmの位置に配置された磁性体113に対して、0.05エルステッド〜10エルステッドの大きさのバイアス磁界Hbを容易に印加することができる。さらに、本実施の形態では、バイアス磁界を発生するコイルは、磁性体113にコイルを巻回する構造を有するものではないので、構造が簡単であり、その製造も容易になる。
上記磁性体113a及び113bにおいて磁性体に形成した電極間の長さが少なくとも上記平面コイル142aと平面コイル142bの中心を結ぶ長さより短いことが望ましく、2つの磁性体113a及び113bは、コイル142a及び142bを挟みコイル主面から等しい距離に位置していることが好ましい。
なお、2つの該磁性体113の相対的な位置関係がコイル142を挟んだ対称な位置にある条件を満足すれば、接続電極115,116が2つの渦巻き型平面コイル142の中心間を結ぶ直線上のいずれの位置に配置されても、同様な効果が得られる。
次に、以上に説明した磁気インピーダンス効果素子の実施例5〜6を説明する。
(実施例5)
本発明の第5実施形態に係る磁気インピーダンス素子51を以下のように作成した。次に、バイアス磁界Hbの印加手段として、図17において説明したコイル基板43を作製した。該コイル基板43に形成された平面コイルパターン42は、上記コイル基板43に貼着した銅箔をエッチング加工により、幅0.2mmで12ターンの方形状の渦巻き状とした。上記平面コイルパターン42は、スルーホール44a,44bと接続導体パターン45とにより接続した。そして、磁性体13a及び13bは、上記基板コイル43の平面コイルパターン42を挟んで対称になるように設置した。このとき、コイルパターン42に電流が流れバイアス磁界+Hbと−Hbが生じたときバイアスの方向と磁性体13a,13bの長手方向が一致するように、支持基板12a及び12bの上記磁性体13a,13bが配置された主面と対向するいま一つの主面とコイル基板43を当接させて配置した。ただし、支持基板12aはコイル基板43の平面コイルパターンを有する主面とで当接されている。そのため、磁性体13a及び磁性体13bが平面コイルパターン42との距離がそれぞれ等しくなるように、支持基板12aは支持基板13bよりコイル基板43の厚み分だけ厚くしている。ここでは、コイル基板43の厚みが0.2mmであるから支持基板12bの厚みは0.4mmとした。
次に、図21に示したような回路構成で、磁気インピーダンス効果素子11の磁界検出特性を測定した。図21において、2つの自己発振回路61a、61bはそれぞれ直流電源で駆動され、磁性体13a、13bに20MHzの高周波電流を通電する。また、検波回路62a、62bは自己発振回路61a、61bからの出力信号を検波する。差動増幅回路65は、磁性体13a、13bにおけるインピーダンスの変化を電気信号の変化として出力端子64から出力する。
次に、このように各回路が接続された磁気インピーダンス効果素子11は、実施例1と同様の方法により、磁界検出特性を測定した。図22は、図21中の回路で検波回路後の出力点63a及び63bにおける測定の結果を示す。図22において、破線は平面コイルパターン42に通電しなかったときの出力特性であり、縦軸に関して対称になっている。一方、平面コイルパターン42に通電したときには、図22において実線で示すように、磁気インピーダンス効果素子11a及び11bの出力特性は縦軸に関して非対称となっている。すなわち、上記平面コイルパターン42に0.3アンペアの電流を通電したとき、磁気インピーダンス効果素子11aの動作点は+2.1エルステッドだけ横軸の正方向にシフトした特性が得られる。また、磁気インピーダンス効果素子11bの動作点は−2.1エルステッドだけ横軸の負方向にシフトした特性が得られる。これにより、磁気インピーダンス効果素子11a及び11bより、単独でも磁界の大きさ及び極性(方向)が検知できることを確認した。
図23は、図21の回路の出力端子64で得られる外部磁界検出特性を示す。検波回路63aと63bの後の特性の電気信号は差動増幅回路65で変換される。よって、±2.1エルステッド内の外部磁界に対しては出力は原点を通る直線の特性になり、信号/ノイズ比が向上していることが分かる。
(実施例6)
次に、本発明の第6実施形態に係る磁気インピーダンス素子51を以下のように作成した。バイアス磁界の印加手段として、図19で説明した平面コイルパターン142a,142bを有するコイル基板143を製作した。該コイル基板143に形成された平面コイルパターン142a,142bは、上記コイル基板143に貼着した厚さ0.03mmの銅箔をエッチング加工することにより形成した。平面コイルパターン142a,142bの各部はいずれも幅0.2mmで、平面コイルパターン142a,142bの巻数はいずれも6ターンであった。そして、平面コイルパターン142a、142bを、各々が発生する磁界が互いに逆極性になるように、スルーホール144a、144bと接続導体パターン145とにより、逆直列に接続した。そして、上記コイル基板143を挟んだ位置に磁性体113a及び113bがあって、2つの平面コイルパターン142a、142bの中心を結ぶ線分上にあり、かつ、バイアス磁界Hbの方向と磁性体113の長手方向が一致するように、支持基板112の上記磁性体113a及び113bが配置された主面と対向するいま一つの主面に当接させて配置した。
次に、製作した磁気インピーダンス効果素子111の特性を、上記平面コイルパターン142a,142bに0.2アンペアの直流電流を通電し、実施例4と同様の手法により測定した。その結果、磁性体113a及び113bには、大きさ1.4エルステッドのバイアス磁界Hbが印加されることが分かった。そして、実施例5と同様に、磁気インピーダンス効果素子111においても磁界の大きさ及び極性(方向)が検地でき、外部磁界に対する出力電圧が信号/ノイズ比が高く、かつ、原点を通る直線の特性になることを確認した。
なお、本発明は実施の形態を用いて詳細に説明されたが、実施の形態は例として説明されたものであり、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。請求の範囲に記載された範囲で当業者が変形可能な範囲は本発明に含まれる。

Claims (9)

  1. 磁気インピーダンス効果を有する少なくとも1つの磁性体と、平面内に位置する導体パターンからなり、該導体パターンを流れる電流が発生する磁界をバイアス磁界として上記磁性体に印加するバイアス磁界発生手段とを備え
    上記バイアス磁界発生手段は、該磁性体と略平行に同一の平面に配された複数の平面状のコイル要素と、これらコイル要素をその各々に流れる電流により発生する磁界が互いに逆になるように接続する接続部材とからなり、上記各コイル要素を流れる電流により発生した磁界の合成磁界をバイアス磁界として上記磁性体に印加することを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  2. 平面コイルが渦巻きコイルであり、上記接続部材が隣り合う渦巻きコイルの端部を相互に電気的に接続するとともに、上記磁性体が上記接続部材に沿って配置されていることを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  3. 請求項に記載の磁気インピーダンス効果素子において、上記磁性体が一枚の支持基板の一つの主面上に配置され、かつ、上記平面コイルがコイル基板上に配置されており、上記支持基板がそのいま一つの主面を平面コイルに対向させて上記コイル基板上に配置されていることを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  4. 請求項に記載の磁気インピーダンス効果素子において、上記磁性体と上記バイアス磁界発生手段とがそれぞれ電気的に絶縁されて支持基板の一つの主面上に支持されていることを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  5. 請求項2、3又はに記載の磁気インピーダンス効果素子において、上記接続部材はその電流が流れる方向の寸法が磁性体のその配設方向に直角な方向の寸法よりも大きい導体パターンを有することを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  6. 請求項に記載の磁気インピーダンス効果素子において、上記バイアス磁界発生手股が導線をその巻回方向が互いに逆となるように巻回してなる扁平ソレノイドコイルからなり、これら扁平ソレノイドコイルはその各々が発生する磁界の方向が逆になるように接続されていることを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  7. 請求項に記載の磁気インピーダンス効果素子において、上記の磁性体の数が2であり、2つの該磁性体がバイアス磁界発生手段の平面状のコイル要素を狭んだ位置に配置されていることを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  8. 請求項に記載の磁気インピーダンス効果素子において、上記平面状のコイル要素が少なくとも2つの渦巻きコイルからなり、接続部材は、少なくとも2つの渦巻きコイルの端部を、各々の渦巻きコイルに流れる電流により発生する磁界が互いに逆になるように電気的に接続し、上記磁性体が上記接続部材に沿って配置されていることを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
  9. 請求項1に記載された磁気インピーダンス効果素子において、上記導体パターンは、該導体パターン中を流れる電流の方向に対して上記磁性体が略交差するように配設され、上記導体パターンはその電流が流れる方向の寸法が上記磁性体のその配設方向に直角な方向の寸法よりも大きい複数本の帯状パターンからなることを特徴とする磁気インピーダンス効果素子。
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