JP2004184232A - 磁気検出素子及びその製造方法、並びにその磁気検出素子を用いた磁気検出装置及び方位センサ - Google Patents

磁気検出素子及びその製造方法、並びにその磁気検出素子を用いた磁気検出装置及び方位センサ Download PDF

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小百合 村松
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Abstract

【課題】発振型の検出回路に組合わせて磁気検出装置を構成するのに適した、簡単な構成で製造コストの安い磁気検出素子を提供する。
【解決手段】磁性コアの中央部に枠状のコアを設けて2つの磁路を形成する。枠状のコアの1つの磁路に第1の導体線を巻回し、他の磁路に第2導体線を巻回することで、第1、第2の導体線は平面上で重なることがない。上記2つの磁路の透磁率を互いに異なるように構成して磁気インピーダンス効果による外部磁界の検出感度を高くしている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印加磁界により検出導体のインダクタンスが変化し、それにより検出導体を含む回路のインピーダンスが変化する磁気インピーダンス効果を利用した磁気検出素子、磁気検出素子の製造方法、並びにこの磁気検出素子を用いた磁気検出装置及び方位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
微弱な磁気あるいは磁界を検出する磁気検出素子(磁気センサ)としては、従来から磁気抵抗効果型磁気センサ(以下、MRセンサ)が知られている。MRセンサでは、磁界の強さに応じてMRセンサの直流抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用して磁界を検出する。磁気抵抗効果を利用するMRセンサの抵抗値は磁界の強さに応じて変わるが、強さが同じであれば磁界の方向が反転した場合でも抵抗値は変わらないので、磁界の極性(N又はS)が検出できない。
【0003】
MRセンサにより磁界の極性を検出するためには、MRセンサにバイアス磁界を与えて、磁界による抵抗の変化が磁界の極性によって変わるようにする。バイアス磁界を与えるためには、MRセンサの磁極の近傍に導体を設けてその導体にバイアス電流を流す方法、永久磁石を磁極の両端に配置する方法などがある。
外部磁界によるMRセンサの導体の直流抵抗の変化は磁気材料により大きく影響を受けるが、MRセンサの磁界の検出感度は0.1%〜3%/Oe程度でありあまり高いとはいえない。
【0004】
MRセンサより高い検出感度を有する磁気検出素子として、磁気インピーダンス効果を利用する磁気インピーダンス効果型磁気センサ(以下、MIセンサ)がある。MIセンサでは、磁気回路を構成する軟磁性体の透磁率が磁界により変化するMI効果を利用する。この透磁率の変化により磁気回路内の導体のインダクタンスが変化しこれにより導体を含む回路のインピーダンスが変化することに基づいて磁界を検出する。MIセンサの典型的なものの感度は6%/Oe以上で比較的高い。
【0005】
磁気インピーダンス効果を利用する磁気センサの例が特開平7−63832号公報(以下従来例という)に示されている。図16は前記従来例の磁気センサの上面図である。図16において、非磁性基板4の上に形成された4つの帯状の磁性コア3にその中央部を貫通する導体線2を設ける。導体線2の両端部はそれぞれ端子1A、1Bに接続されている。図17は図16におけるXVII−XVII断面図である。図17において、磁性コア3は、2つの磁性体3A、3Bを張り合わせて形成され、磁性体3Aと3Bとの間に導体線2がはさまれている。図示を省略した高周波電源から導体線2に高周波のキャリア電流を流し、導体線2のインピーダンスの、矢印7で示す外部磁界による変化に基づいて磁界の強さを検出する。この磁気センサでもMRセンサと同様にバイアス磁界を与えて磁界の極性(N又はS)を検出する。
【0006】
バイアス磁界の与え方については、導体線2を流れるキャリア電流に直流バイアス電流を重畳する方法が一般的である。
図18は、例えば1つの磁性コア3を有する磁気検出素子501と、定電流の高周波発振器525、高周波増幅器528及び直流電源529を有する検出回路からなる磁気検出器の回路図である。
【0007】
図18の検出回路は「アンプ型」と呼ばれている。磁気検出素子501の電極端子1A、1Bにそれぞれ接続されている端子521、522に抵抗531を介して一定の周波数(例えば10MHz)の定電流の高周波電流を出力する高周波発振器525が接続されている。定電流高周波発振器525の出力端に並列に直流電源529が接続されている。この構成により、導体線2に、定電流の高周波発振器525から抵抗531を経て直流電流が重畳されたキャリア高周波電流が流れる。直流電流により磁気検出素子501に直流バイアス磁界を与えることができる。この磁気検出器は、磁界Hの強度に応じて変化する導体線2のインピーダンスの変化を、端子521、522間に接続された高周波増幅器528の出力電圧の変化で検出できる。
しかしながら前記のアンプ型の検出回路は磁気検出素子501に定電流高周波発振器525、直流電源529及び高周波増幅器528などを接続しているので、構造が複雑であり組立にも手間がかかる。そのため磁気検出器のコストダウンが難しかった。
【0008】
検出回路の他の例として「発振型」の回路がある。
発振型の検出回路を用いる磁気検出器の従来例を図19に示す。図において、非磁性基板500の上に帯状の軟磁性体の磁性コア546が設けられている。磁性コア546の中央部547を貫通して2つの独立した導体線543及び544が設けられている。導体線544の両端はそれぞれ電極端子531、532に接続されている。また導体線543の両端はそれぞれ電極端子533、534に接続されている。
磁性コア546の中央部のXX−XX断面を図20に示す。図20において、磁性コア546は2つの磁性膜541、542から構成されている。磁性膜541と542との間を導体線543及び544が絶縁膜545A、545B及び545Cによって互に電気的に絶縁されて貫通している。
【0009】
【特許文献1】
特開昭60−138705号公報
【特許文献2】
特開昭62−219221号公報
【特許文献3】
特開平1−96815号公報
【特許文献4】
特開平7−63832号公報
【特許文献5】
特開平7−181239号公報
【特許文献6】
特開平8−288567号公報
【特許文献7】
特開平8−330644号公報
【特許文献8】
特開平8−330645号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
発振型の検出回路を用いる磁気検出器は、図19に示すように電極端子533、534を磁気バイアス用の直流電源529に接続し、導体線543に直流電流を流す。また電極端子531、532間に、インバータ回路551、コンデンサ552及び554を有するLC発振回路を接続する。発振型の検出回路では、図18に示すアンプ型の検出回路のように、高周波発振器525と直流電源529とを並列に接続して、高周波電流に直流電流を重畳させることにより磁気バイアスを与えることができない。従って図20のように、電気的に絶縁された導体線543に磁気バイアス用の直流電流を流し、導体線544にキャリア用の高周波電流を流す。そのため図20のように互に絶縁された、磁気バイアス用の導体線543とキャリア用の導体線を必要とする。
図20に示す磁気検出素子では、導体線543と544を、磁性膜541と542との間に互に絶縁を保って積層しなければならないため3つの絶縁層545A、545B、545Cを必要とする。例えば絶縁層545Bが不完全であると、導体線543と544間で電流のリークが生じて検出感度が低下することがある。そのため製造工程において絶縁膜の生成に多く工程が必要となり、製造工程が複雑になるとともに製造コストの低減が困難であった。
本発明は、2つの導体線を積層させずに配置することができる、発振型の検出回路に適した磁気検出素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気検出素子は、基板上に形成された少なくとも2つの磁路を有する軟磁性膜の磁性コアと、前記磁性コアに巻回された第1の導体線及び第2の導体線とを有する磁気検出素子であって、前記、第1及び第2の導体線は前記基板上において互いに交差を避けて配置され、前記第1及び第2の導体線にそれぞれ所定の電流を流すことにより磁性コアに発生する磁束の少なくとも2つの磁路が前記基板に平行な面上に形成されることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の観点の磁気検出素子は、基板上に形成された少なくとも1つの帯状の軟磁性膜と、前記帯状の軟磁性膜に連結され、互いに透磁率の異なる少なくとも2つの磁路を前記基板面に平行な面上で形成する枠状の軟磁性膜とを有する磁性コア、前記2つの磁路を形成するそれぞれの軟磁性膜にそれぞれ巻回された第1の導体線及び第2の導体線を有することを特徴とする。
本発明の他の観点の磁気検出素子は、基板上に形成された少なくとも1つの帯状の軟磁性膜、及び前記帯状の軟磁性膜に連結された、互いに透磁率の異なる少なくとも2つの磁路を有する枠状の複数の軟磁性膜を有する磁性コア、前記少なくとも2つの磁路を形成する枠状の複数の軟磁性膜のそれぞれの一方の磁路の回りに巻回された第1の導体線と他方の磁路の回りに巻回された第2の導体線を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の他の観点の磁気検出素子は、基板上に形成された少なくとも1つの帯状の軟磁性膜、前記帯状の軟磁性膜の端部に、前記帯状の軟磁性膜の長手方向にその長手方向が一致し、端面のすべてが前記帯状の軟磁性膜に接して連結された第1の部分軟磁性膜、前記第1の部分軟磁性膜の近傍に所定の間隙をもって設けられ、前記第1の部分軟磁性膜の両端部にその両端部が連結された第2の部分軟磁性膜及び前記第1の部分軟磁性膜の近傍に所定の間隙をもって設けられ、前記第1の部分軟磁性膜の両端部にその両端部が連結された第3の部分軟磁性膜を有する磁性コア、前記第2の部分軟磁性膜に巻回された第1の導体線及び前記第3の部分軟磁性膜に巻回された第2の導体線を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の他の観点の磁気検出素子は、基板上に形成された、複数の第1の帯状軟磁性膜と前記第1の帯状軟磁性膜より幅の狭い複数の第2の帯状軟磁性膜とを交互に連結した帯状コア、前記基板上で、前記第2の帯状軟磁性膜のそれぞれの一方の側に所定の間隙をもって設けられ、両端部が前記第2の帯状軟磁性膜の両端部にそれぞれ連結されている第3の帯状軟磁性膜、及び前記第2の帯状軟磁性膜のそれぞれの他方の側に所定の間隙をもって設けられ、両端部が前記第2の帯状軟磁性膜の両端部にそれぞれ連結されている第4の帯状軟磁性膜を有する磁性コア、前記第3の軟磁性膜のそれぞれに同じ巻方向で巻回された第1の導体線、前記第4の軟磁性膜のそれぞれに同じ巻方向で巻回された第2の導体線を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の磁気検出素子の製造方法は、非磁性基板上に第1の導電膜を形成し、4つの電極端子及び前記4つの電極端子の内の第1及び第2の電子端子にそれぞれつながる、第1の導体線及び第2の導体線となる導電膜を残して他の導電膜を除去する工程、前記基板上に非磁性かつ非導電性の第1の絶縁膜を形成する工程、前記第1の絶縁膜の上に、前記第1及び第2の導体線と交差する枠状部を有する所定の形状の軟磁性膜の磁性コアを形成する工程、少なくとも前記磁性コアの上に非磁性かつ非導電性の第2の絶縁膜を形成する工程、前記第1及び第2の導体線の前記磁性コアの枠状部の枠内に存在する部分及び4つの前記電極端子の上面の、非磁性かつ非導電性の膜を除去する工程、基板上に導電膜を形成し、前記4つの電極端子、及び前記4つの電極端子の内の第3及び第4の電極端子にそれぞれつながり、端部が前記枠状部内の第1及び第2の導体線にそれぞれつながる第3及び第4の導体線となる導電膜を残して他の部分の導電膜を除去する工程、全面に保護膜として非磁性かつ非導電性の膜を形成する工程、及び前記4つの電極端子の上の非磁性かつ非導電性の膜を除去して電極端子を露出させる工程を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の他の観点の磁気検出素子の製造方法は、非磁性基板の上に第1の導電膜を形成し、4つの電極端子及び前記4つの電極端子の内の第1及び第2の電極端子にそれぞれつながる第1の導体線及び第2の導体線となる部分、及び後の工程で複数の巻回数のコイルを形成するための第3の導体線となる導電膜を残して他の導電膜を除去する工程、前記基板上に非磁性、非導電性の第1の絶縁膜を形成する工程、前記第1の絶縁膜の上に、前記第1、第2及び第3の導体線と交差する枠状部を有する所定の形状の軟磁性膜の磁性コアを形成する工程、少なくとも前記磁性コアの上に非磁性かつ非導電線の膜を形成する工程、前記第1、第2及び第3の導体線の前記磁性コアの枠状部の枠内に存在する部分及び4つの前記電極端子の上面の非磁性かつ非導電性の膜を除去する工程、基板上に導電膜を形成し、前記4つの電極端子、及び前記4つの電極端子の内の第3及び第4の電極端子にそれぞれつながり、端部が前記枠状部内の第1及び第2の導体線にそれぞれつながる第3及び第4の導体線及び一方の端部が前記枠内で第1の導体線に接続され、他方の端部が枠外で第3の導体線に接続される導電膜を残して他の導電膜を除去する工程、全面に保護膜として非磁性かつ非導電性の膜を形成する工程、及び前記4つの電極端子の上の非磁性かつ非導電性の膜を除去して電極端子を露出させる工程を有することを特徴とする。
本発明の磁気検出装置は、前記本発明の各磁気検出素子の、前記第1及び第2の導体線のいずれか一方に接続した磁気バイアス用の直流電源、及び前記第1及び第2の導体線の他方に接続したLC発振回路を有し、外部磁界により変化する磁性コアの透磁率の変化による導体線のインダクタンスの変化をLC発振回路の発振周波数の変化に基づいて検出して前記外部磁界の変化を検出することを特徴とする。
本発明の方位センサは、2つの磁気検出装置を磁性コアの長手方向を互いに直角にして同一平面上に配置し、2つの磁気検出装置からの出力の差異に基づいて方位を検出することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例について図1から図15を参照して詳細に説明する。
《第1実施例》
本発明の第1実施例の磁気検出素子を図1及び図2を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施例の磁気検出素子90の上面図である。図1において、非磁性体の基板100の上に軟磁性膜の磁性コア101が形成されている。磁性コア101は、正方形又は長方形の枠状の軟磁性膜による枠状コア101Aと、枠状コア101Aに図の左右方向に連結された帯状の軟磁性膜による帯状コア101B、101Cを有する。枠状コア101Aの窓部101Dには軟磁性体膜がない。帯状コア101B及び101Cは、枠状コア101Aの図において下端部に連結されているので、枠状コア101Aの下の辺の磁性コア102は、ほぼ帯状コア101Bと101Cを結ぶ直線上にある。矢印Hで示す外部磁界により、磁束が帯状コア101Bから枠状コア101Aを経て帯状コア101Cへ通り抜けるとき、枠状コア101Aの「コ」の字形の部分の磁性コア103を通る磁束の磁路は、磁性コア102の磁路より長い。磁性コア102と103は、磁路の長さが互いに異なることから透磁率が異なる。図1の例では磁性コア103の透磁率は磁性コア102の透磁率より小さい。
【0018】
基板100の上には、磁性コア102と絶縁を保って磁性コア102と基板100との間を通る、銅などの導体の膜による導体線104Aが設けられている。導体線104Aの一方の端部は電極端子107につながっており、導体線104Aの他方の端部は窓部101D内で他の導体線104Bの一端に接続されている。導体線104Bは磁性コア102と絶縁を保って磁性コア102の上を通り電極端子106につながっている。同様にして、基板100と磁性コア103との間を通る導体線105Aと磁性コア103の上を通る導体線105Bは、それぞれの下端部が窓部101D内で接続され、上端部はそれぞれ電極端子109、108につながっている。これにより導体線104と105はそれぞれ磁性コア102、103に巻数1で巻回されたコイルになる。
本実施例の磁気検出素子では、導体線104と105が図20に示す従来例のように基板100の上で積層されておらず互いに離隔しているので、両者間で電流のリークが生じることはない。また導体線104と105間を絶縁するための絶縁層を必要としないので構成が簡単になる。
【0019】
図1の磁気検出素子90を用いて磁気検出装置98を構成するには、図2に示すように、磁気検出素子90の電極端子108、109を、抵抗50が直列に接続された磁気バイアス用の直流電源38に接続する。また電極端子106、107間に発振回路60のインバータ回路37を接続する。電極端子106、107にはコンデンサ31、32のそれぞれの一端が接続され、コンデンサ31、32の他端は回路グランドGに接続されている。正の直流電圧(+V)がインバータ回路37の電源端子51に印加されている。この発振回路60はインダクタンスを有する導体線104と組合わされてLC発振器の一種であるコルピッツ形発振回路を構成している。発振回路60の発振周波数は例えば10MHzである。
【0020】
直流電源38から抵抗50を経て導体線105を流れる直流電流により、枠状コア101Aに、図2において矢印70で示す磁束(以下、バイアス磁束70という)が生じる。このバイアス磁束70によりバイアス磁界が形成される。この状態の磁気検出装置98を矢印Hで示す外部磁界(以下、外部磁界Hという)中におくと、外部磁界Hにより磁性コア101に矢印71で示す方向で磁束密度が外部磁界Hの強さに比例する磁束(以下、外部磁束71という)が生じる。外部磁束71はバイアス磁束70と合流して磁束72となり磁性コア102を通る。磁性コア102を通る磁束72の密度の変化により磁性コア102の透磁率が変化する。磁性コア102の透磁率が変化すると、磁気インピーダンス効果により磁性コア102に巻回された導体線104のインダクタンスが変化する。導体線104のインダクタンスの変化により、図2に示す発振回路60の発振周波数が変化する。発振回路60の出力をFM復調回路61で復調することにより、周波数の変化が出力レベルの変化として検出される。FM復調回路61の出力を磁界強度検出回路62に入力して所望のレベルに増幅して表示することにより磁界の強度を検出することができる。磁性コア102において、外部磁束71の方向がバイアス磁束70の方向と同じときは、磁束72の密度は外部磁束71の密度より大きくなる。外部磁界の方向が、矢印HRで示すように外部磁界Hの方向と逆のときは、外部磁束は矢印73に示す方向になり(以下外部磁束73という)、バイアス磁界70の方向と逆になる。そのため磁性コア102の磁束密度は磁束72の密度より大幅に小さくなる。磁束72の密度の大幅な差異により外部磁界H又はHRの方向を検出できる。
【0021】
本実施例の磁気検出素子90では、磁性コア102の磁路が磁性コア103の磁路より短いので磁性コア102の透磁率は磁性コア103の透磁率より高い。そのため外部磁束71の大部分が磁路の短い磁性コア102を通りその磁束密度が高い。従って外部磁束71の磁束密度の変化による磁性コア102の磁束密度の変化も大きく、それによる磁性コア102の透磁率の変化も大きい。大きな透磁率の変化により磁性コア102のインダクタンスも大きく変化するので、発振回路60の発振周波数の変化も大きくなり、結果として高い磁界検出感度が得られる。
本実施例の磁気検出素子90の具体例では、磁性コア101の幅は100μm、長さは2mm、厚さは2μmである。枠状コア101Aの枠状部の幅は50μmである。導体線104A、104B、105A、105Bの幅は40μm、厚さは1μmである。窓部101Dの面積は小さい方が磁路が短くなるので望ましいが、導体線104A、104B、105A、105Bと、磁性コア101間で電流のリークが起きないようにある程度の広さが必要である。
【0022】
図1に示す本実施例の磁気検出素子90の製造方法について図3及び図4を用いて説明する。
非磁性基板100としてNiTiMg等のセラミックを用いる。図3の(a)において、非磁性基板100の全面に第1の導電膜として厚さ1μmの銅の膜をスパッタリングにより形成(製膜)し、導体線104A、105A及び電極端子106、107、108、109となる銅の膜を残して、他の部分をイオンミリングにより除去する。
図3の(b)において、非磁性かつ非導電性の第1の絶縁膜として厚さ1μmの酸化シリコン膜124を全面に製膜する。
図3の(c)において、軟磁性膜として厚さ2μmの鉄系の金属のアモルファス磁性体膜を全面に製膜し、熱処理により磁気特性を制御した後、半導体プロセスを用いるイオンミリングにより磁性コア101のパターンを残して他の部分のアモルファス磁性体膜を除去する。
図3の(d)において、第2の絶縁膜として酸化シリコン膜125を全面に製膜する。
【0023】
図4の(a)において、イオンミリングにより、電極端子106〜109の上面、及び導体線104A、105Aの先端の接続部121A、121Bの酸化シリコン膜124、125を除去し導電膜を露出させる。
図4の(b)において、第2の導電膜として厚さ1μmの銅の膜を全面にスパッタリングにより製膜する。導体線104B、105B及び電極端子106から109の上の導電膜を残して、他の部分の導電膜をイオンミリングにより除去する。この工程において、導体線104Aと104Bは接続部121Aで接続され、導体線105Aと105Bは接続部121Bで接続される。
図4の(c)において、保護膜としてアルミナ膜123を全面に製膜する。
図4の(d)において、イオンミリングにより電極端子106から109が露出するようにアルミナ膜123を除去する。
以上の工程で本実施例の磁気検出素子が得られる。
【0024】
《第2実施例》
本発明の第2実施例である方位センサを図5及び図6を参照して説明する。第2実施例は、図2に示す前記第1実施例の磁気検出装置98を2個用いた方位センサに関するものである。
図5において、図2に示す磁気検出装置98を2個用意し、それぞれ磁気検出装置98X、98Yとする。図5では、図を見易くするために、磁気検出装置98X、98Yの発振回路60や直流電源38などの付属回路の図示を省略している。外部磁界Hのx−y直交座標におけるx方向の磁界成分をHx、y方向の磁界成分をHyとし、それぞれを検出する磁気検出素子を磁気検出素子90X、90Yと表示している。
【0025】
図5において、同一平面上で一方の磁気検出素子90Xを他方の磁気検出素子90Yに対して90度回転した状態で両者を組み合わせて方位センサを構成する。この方位センサを、x方向の磁界成分がHx、x方向に直交するy方向の磁界成分がHyの外部磁界Hの中に置く。磁気検出素子90Xの磁性コア101を通る磁界成分Hxの磁束により、磁性コア101の透磁率が変化し、その結果導体線104のインダクタンスが変化する。同様にして、磁気検出素子90Yの磁性コア101を通る磁界成分Hyの磁束によりその磁性コア101の透磁率が変化し、その結果導体線104のインダクタンスが変化する。それぞれの導体線104のインダクタンス変化により、図2に示すFM復調回路61の出力から磁界成分Hx、Hyの大きさを示す検出出力を得ることができる。
【0026】
図5における、磁気検出装置98X、98Yの検出出力をそれぞれVx、Vyとするとき、外部磁界Hの方向による検出出力Vx、Vyの変化を図6のグラフに示す。検出出力Vxの一点鎖線の曲線は、外部磁界Hの方向と、磁気検出素子90Xの磁性コア101の長手方向とがなす角度θと検出出力Vxとの関係を示す。検出出力Vxは角度θが0度、360度のとき最大となる。角度θが180度のときは外部磁界Hの方向が逆転したときであり、検出出力は最小になる。外部磁界Hの方向が前記長手方向に垂直になるとき検出出力は中間値Nとなる(90度、270度)。同様にして検出出力Vyの実線の曲線は、角度θが90度で最大となり、0度及び180度で中間値Nとなり、270度で最小になる。このようにして求めた検出出力Vx及びVyの値から方位センサに対する外部磁界Hの方向を検出できる。
【0027】
《第3実施例》
本発明の第3実施例の磁気検出素子91を図7の平面図を参照して説明する。磁気検出素子91は非磁性体の基板100の上に磁性コア120を有する。磁性コア120は、4つの枠状コア120A、120B、120C、120Dと、各枠状コア120A〜120D相互間を連結する短い帯状コア121を有する。枠状コア120Aと120Dの端部にはそれぞれ帯状コア120E、120Fが連結されている。各枠状コア120A〜120Dと基板100との間を通って導体線125A、125B、125C、125Dが設けられている。導体線125A、125B、125C、125Dは、各枠状コア120A〜120Dの上を通る導体線126A、126B、126C、126Dと、それぞれの窓部127A、127B、127C、127D内で電気的に接続されている。導体線125Aの端末は電極端子109に接続され、導体線126Dの端末は電極端子108に接続されている。導体線126Aは接続部129で導体線125Bに接続され、導体線126Bは接続部129で導体線125Cに接続され、導体線126Cは接続部129で導体線125Dに接続されている。上記のように接続された導体線125A〜125D及び126A〜126Dによって、枠状コア120A〜120Dの窓部127A〜127Dを通って、枠状コア120A〜120Dのそれぞれに1回づつ同じ方向で巻回されたコイル状の導体線125が形成される。
【0028】
同様にして、枠状コア120A〜120Dと基板100との間を通る導体線131A、131B、131C、131Dは、枠状コア120A〜120Dの上を通る導体線132A、132B、132C、132Dとそれぞれ窓部127A〜127D内で電気的に接続されている。導体線131Aの端末は電極端子107に接続され、導体線132Dの端末は電極端子106に接続されている。導体線132Aは接続部137で導体線131Bに接続され、導体線132Bは接続部137で導体線131Cに接続され、導体線132Cは接続部137で導体線131Dに接続されている。上記の各接続によって、枠状コア120A〜120Dにそれぞれ1回ずつ同じ向きで巻回されたコイル状の導体線131が形成される。
【0029】
第3実施例の磁気検出素子91の製造方法について以下に説明する。磁性コア120は、図1に示す前記第1実施例の磁性コア101とはパターンが異なる点を除いて、図3及び図4に示す工程と実質的に同じ工程によって製造することができる。
以下に導体線125及び131の製造方法について説明する。図3の(a)に示す工程とパターンが異なる点を除いて実質的に同様の工程で、基板100の上に電極端子106〜109、電極端子107につながる導体線131A、電極端子109につながる導体線125A、及び導体線131B、131C及び131D及び導体線125B、125C及び125Dを形成する。
次に図3の(b)及び(c)とパターンが異なる点を除いて実質的に同様の工程によって磁性コア120を形成し、図3の(d)と同様の工程によって全面に酸化シリコン膜を形成する。
図4の(a)と同様の工程で、図7に示す電極端子106〜109及び接続部128、129、138、137の酸化シリコン膜を除去し、導電膜を露出させる。
【0030】
次に図4の(b)に示すものと同様の工程で、導体線126A、126B、126C、126D、導体線132A、132B、132C、132D及び電極端子106〜109を形成する。これにより、導体線126A〜126Dはそれぞれの枠状コア120A〜120Dの内部で導体線125A〜125Dに接続される。また導体線126A〜126Cは接続部129でそれぞれ導体線125B〜125Dに接続される。その結果導体線125は4つの枠状コア120A〜120Dに1回の巻回数で同じ方向に巻回されたコイルとなる。導体線131も、前記導体線125と同様の工程で4つの枠状コア120A〜120Dに1回の巻回数で同じ方向に巻回されたコイルとなる。
本実施例の磁気検出素子91を用いて磁気検出装置を構成するときは、図2に示すように、電極端子108、109に磁気バイアス用の直流電源38を接続し、電極端子106、107に発振回路60を接続する。
【0031】
本実施例によれば、図7に示すように4つの枠状コア120A〜120Dに導体線125が巻回されているので、図2に示すように、電極端子108、109を直流電源38に接続して導体線125に直流電流を流すと、枠状コア120A〜120Dのそれぞれに同じ向きのバイアス磁束が発生する。外部磁界Hの検出原理は前記第1実施例と同じである。
本実施例の磁気検出素子91は発振回路60を接続する導体線131が4つの枠状コア120A〜120Dを同じ向きに巻回するコイルを形成している。そのため本実施例の磁気検出素子91を用いた磁気検出装置を、図2に示す第1実施例の磁気検出装置98と比較すると、同じ強さの外部磁界Hの変化において、導体線131のインダクタンス変化は第1実施例の導体線104のものの約4倍になることを発明者等は実験によって確認した。その結果、本実施例のものの磁気検出感度は、第1実施例のものの約4倍になる。前記枠状コア120A〜120Dの数は4つに限られるものではなく、更に多くの数の枠状コアを設けてもよい。この場合、磁気検出感度は枠状コアの数にほぼ比例して増加する。
【0032】
《第4実施例》
本発明の第4実施例の磁気検出素子92を図8の平面図を参照して説明する。磁気検出素子92は、非磁性の基板100の上に、長方形の1つの枠状コア140Aと、その両端に連結された帯状コア140B及び140Cを有する磁性コア140が設けられている。枠状コア140Aの辺140Dには、図7に示す前記の第3実施例の導体線125と実質的に同じ構成の導体線145が1つの窓140Gを通ってコイル状に4回巻回されている。導体線145の両端はそれぞれ電極端子108と109に接続されている。同様にして、枠状コア140Aの辺140Eにも、導体線144が1つの窓140Gを通ってコイル状に4回巻回されている。導体線144の両端はそれぞれ電極端子106と107に接続されている。
【0033】
第4実施例の磁気検出素子92の製造方法については、磁性コア140、導体線144及び導体線145のパターンが、図7に示す前記第3実施例の磁性コア120、導体線125及び131のパターンとそれぞれ異なる点を除いて、図3及び図4を参照して説明した図7の磁性コア91の製造工程と実質的に同じ工程によって製造することができる。
本実施例の磁気検出素子92を用いた磁気検出装置は、図2と同様の構成によって得られる。図2に示す発振回路60が接続される導体線144のインダクタンスLは次の式(1)によって表される。
L=C・n/I ・・・(1)
ここに、Cは導体線の断面積や磁性コア140の透磁率で定まる比例定数、nは導体線144の枠状コア140Aへの巻回数(図8ではn=4)、Iは磁路長であり、枠状部140Aの枠の幅の中央を通って1周する長さに等しい。式(1)に示すようにインダクタンスLは巻回数nの2乗に比例するので、巻回数を増やすことにより、導体線144のインダクタンスは大幅に増加する。インダクタンスが大きいと外部磁界Hの変化によるインダクタンスの変化も大きくなるので検出感度を高くすることができる。しかし式(1)に示すように、インダクタンスLは磁路長Iに逆比例するので、磁路長Iは必要最小限の長さにするのが望ましい。
【0034】
前記の、例えば第1実施例の磁気検出素子90では、導体線104A、105Aの上に形成されたそれぞれの磁性コア102、103は、導体線104A、105Aの厚みにより部分的に盛り上がる。例えば図7に示す第3実施例の磁気検出素子91では、基板100の上に形成した導体線131A〜131Dの上に磁性コア120を形成するので、磁性コア120の導体線131A〜131Dと交差する部分が導体線131A〜131Dの厚み分だけ盛り上がる。その結果磁性コア120は基板100上で上下に波打つように曲がる。このように磁性コア120が曲がると、磁性コア120がフラットな場合に比べて透磁率が下がることを発明者は実験によって見出した。そこで磁性コア120が部分的に波打ち状態になるのを避けるために、導体線131A〜131Dを形成した後に、基板100の導体線131A〜131Dの部分をのぞく全面に導体線131A〜131Dの厚さと同じ厚さの、樹脂の膜、例えばレジスト膜やバインダー膜を形成し全面をフラットにする。このフラットになった面に磁性コア120を形成すると、磁性コア120の面もフラットになる。このことは図8に示す第4実施例の磁気検出素子91の場合でも同様である。しかしながら、樹脂の膜などを設けることは製造時の工程の増加につながり、製造コストが増加する点であまり望ましいことではない。次の第5実施例は上記の問題を解決することを目的としている。
【0035】
《第5実施例》
本発明の第5実施例の磁気検出素子93Aを図9の平面図を参照して説明する。本実施例は、上記のように磁性コアが波打ち状態になってもその影響を受けない磁気検出素子を得ることを目的とする。磁気検出素子93Aにおいて、非磁性の基板100の上に形成された軟磁性膜の磁性コア160は、2つの窓161、162を有する枠状コア160Aと、枠状コア160Aの両端に連結された帯状コア160Bと160Cとを有する。2つの窓161、162を仕切る第1の部分軟磁性膜による中央コア163の長手方向は帯状コア160B、160Cの長手方向と同じになされており、中央コア163の幅は帯状コア161B、160Cの幅より狭い。中央コア163の長手方向の中心線は帯状コア161B、161Cの長手方向の中心線Cと一致している。
枠状コア160Aの一方の側部コア164には導体線168が巻回され、他方の側部コア165には導体線169が巻回されいる。側部コア164と導体線168の構成及び側部コア165と導体線169の構成は、図1に示す磁性コア102と導体線104の構成と同じである。
導体線168の両端はそれぞれ電極端子106及び107に接続され、導体線169の両端はそれぞれ電極端子108及び109に接続されている。
【0036】
本実施例の磁気検出素子93Aでは、中央コア163には導体線が設けられていないので、中央コア163の面はフラットである。従って透磁率も高く保たれ、外部磁界Hによる磁束の大部分は一直線上にある帯状コア160B、中央コア163及び帯状コア160Cを通る。磁気検出素子93Aは、中央コア163を長手方向に通る中心線Cに対して対称なので、導体線168、169のいずれに磁気バイアス用の直流電流を流してもよい。この点で本実施例の磁気検出素子93Aは取扱上便利である。例えば導体線168にキャリア用の高周波電流を流し、導体線169に磁気バイアス用の直流電流を流す場合、側部コア164及び165は閉磁路を形成し、キャリア用高周波電流とバイアス用直流電流による磁束のリターンコアとして働く。
本実施例の磁気センサ93Aの製造方法については、磁性コア160のパターンが異なる点を除き図1に示す前記第1実施例の工程とほぼ同じ工程によって製造できる。
【0037】
図10は第5実施例の他の例の磁気検出素子93Bの平面図である。図10に示す磁気検出素子93Bでは、磁性コア180が図9に示す磁気検出素子93Aの磁性コア160と異なっている。その他の構成は図9に示す磁気検出素子93Aと同じである。
図10において、磁気コア180は、幅の狭い中央コア183で連結された2つの帯状コア180A、180B、及び中央コア183の両側に窓181、182が形成されるように設けられた「コ」の字形の側部コア184、185を有する。側部コア184、185は、透磁率が中央コア183、帯状コア180A、180Bより小さいのが望ましい。例えば、中央コア183、帯状コア180A、180Bの磁性材料には、側部コア184、185の磁性材料より高い透磁率を有し、かつ外部磁界Hによる透磁率の変化が大きいものが適している。そのような磁性材料には例えば、鉄及びコバルトを含む磁性材料が適している。中央コア183の透磁率を側部コア184、185の透磁率より高くすることによって外部磁界Hによる磁束は中央コア183に集中し、その磁束密度が高くなる。また、導体線168を流れる電流により側部コア184に生じる磁束の側部コア185への流入量が少なくなり、中央コア183に流入する磁束が多くなる。逆に導体線169を流れる電流により側部コア185に生じる磁束の側部コア184への流入量が少なくなり、中央コア183に流入する量が多くなる。これにより、中央コア183の磁束密度が増え、外部磁界Hの変化による中央コア183の磁束密度の変化が大きくなる。その結果、外部磁界Hの変化による側部コア184、185の磁束密度の変化が大きくなり、大きなインダクタンス変化が生じるので磁界の検出感度が高くなる。
【0038】
磁気検出素子93Bを用いて磁気検出装置を構成するときは、図2に示すものと類似の構成で、例えば磁気検出素子93Bの電極端子106、107に、高周波発振器60を接続し、電極端子108、109に磁気バイアス用の直流電源38を抵抗50を経て接続する。導体線169を流れる直流電流により、側部コア184、185及び中央コア183からなる閉磁路188にバイアス磁束が生じる。帯状コア180A、中央コア183、及び帯状コア180Bを通る磁束の密度が外部磁界Hの変化に応じて変化すると、中央コア183の透磁率が変化する。その結果側部コア184、185、中央コア183を通る磁束の分布が変化し、導体線168のインダクタンスが変化する。導体線168のインダクタンスの変化により、高周波発振器60の発振周波数(約10MHz)が変化して周波数変調信号が得られる。この周波数変調信号をFM復調回路61で復調することによりレベルが外部磁界Hの強さに比例する出力信号が得られる。出力信号を磁界強度検出回路62で適当なレベルに増幅して表示することにより外部磁界Hの強さを知ることができる。
本実施例の磁気検出素子93A、93Bでは、外部磁界Hによる磁束の主たる磁路となる中央コア163の面がフラットであるので透磁率が高く保たれる。そのため側部コア164、165、184、185の面にそれぞれの導体線168、169による凸部が存在しても検出感度の低下にはつながらない。従って前記の第4実施例で説明した磁性コアの面をフラットにする処理は不要である。
【0039】
《第6実施例》
本発明の第6実施例の磁気検出素子94Aを図11を参照して説明する。図11において、磁気検出素子94Aは、非磁性基板100の上に、軟磁性体の磁性コア200が設けられている。磁性コア200においては、2つの窓を有する複数の枠状コア200A、200B、200C、200Dが所定の間隔をもって直列に配列され、各枠状コア200A、200B、200C、200Dの隣り合うものは短い帯状コア210で連結されている。上記のように連結された枠状コア200A〜200Dの両端にはそれぞれ、帯状コア210と同じ幅の帯状コア215、216が連結されている。
【0040】
枠状コア200Aにはその一方の窓204Aを通って、端部218Aが電極端子107に接続された導体線218が巻回されている。同様にして、枠状コア200B、200C、200Dにはそれぞれの窓204B、204C、204Dを通って、導体線219、220、221がそれぞれ巻回されている。導対線218〜221は直列に接続され、それぞれの枠状コア200A〜200Dに同じ巻き方向で巻回される。導体線221の終端は電極端子106に接続されている。
枠状コア200A〜200Dにはさらに、その他方の窓205A、205B、205C、205Dをそれぞれ通って、導体線228、229、230、231がそれぞれ巻回されている。導体線228〜231は直列に接続され、それぞれの枠状コア200A〜200Dに同じ巻方向で巻回されている。導体線228の終端228Aは電極端子109に接続され、導体線231の終端231Aは電極端子108に接続されている。枠状コア200A〜200D、導体線218〜221及び導体線228〜231の構造及び製造方法は、図1及び図7に示す前記第3実施例のものと、パターンが互いに異なる点を除いて実質的に同じである。
【0041】
本実施例の磁気検出素子94Aでは、電極端子106、107と電極端子108、109のいずれか一方に図2に示す直流電源38を抵抗50を介して接続し、他方に発振回路60を接続して磁気検出装置を構成する。枠状コア200A〜200Dにそれぞれ巻回された導体線218〜221及び導体線228〜231の個々のものの動作は、図9に示す前記第5実施例の導体線168、169の動作と実質的に同じである。
第6実施例では、4つの枠状コア200A〜200Dに同じ巻き方向で巻回された4つの導体線218〜221が直列に接続され、かつ同じ巻方向で巻回された4つの導体線228〜231が直列に接続されている。従って外部磁界Hの変化による導体線218〜221又は導体線228〜231のインダクタンス変化は、図9に示す前記第5実施例のものに比べて実質的に4倍になる。例えば電極端子106、107に高周波発振回路60を接続した場合、外部磁界Hの変化による電極端子106、107間のインダクタンス変化は図9のものに比べて約4倍になるので、磁界の検出感度も約4倍になる。本実施例における枠状コア200A〜200Dの連結数は4つに限定されるものではなく、任意の数に選定することができる。一般に連結数にほぼ比例して検出感度が高くなる。
【0042】
図12は第6実施例の他の例の磁気検出素子94Bの上面図である。磁気検出素子94Bは非磁性の基板100の上に、図10に示す前記第5実施例の磁気検出素子93Bの磁性コア180の枠状コア180Cと同様の構成を有する4つの枠状コア234A、234B、234C、234Dを所定の間隔で直列に配列し、隣り合うものを短い帯状コア250で連結している。上記のように連結された枠状コア234A〜234Dの両端にはそれぞれ帯状コア250と同じ幅の帯状コア251、252が連結されている。その他の構成は図11に示す磁気検出素子94Aと同じである。この磁気検出素子94Bを用いる磁気検出装置の構成は、前記磁気検出素子94Aの場合と同様である。
本実施例の磁気検出素子94Bは、図10に示す磁気検出素子93Bと同様の作用効果に加えて、4つの枠状コア234A〜234Dを有するので、外部磁界Hの検出感度が磁気検出素子93Bに比べて約4倍になる。枠状コア234A〜234Dの数は4つに限定されるものでは任意の数にすることが出来る。
【0043】
《第7実施例》
本発明の第7実施例の磁気検出素子95Aを図13を参照して説明する。図13において、非磁性基板100の上に磁性コア260が設けられている。磁性コア260は、長方形の2つの窓261A、261Bを有する枠状コア261の両端にそれぞれ連結された帯状コア263及び264を有する。2つの窓261A、261Bを仕切る中央コア265の長手方向は帯状コア263及び264の長手方向と同じであり、図9と同様に帯状コア263、264、中央コア265の長手方向の中心線は同一線上にある。枠状コア261の一方の窓261Aを通って導体線144が巻回され、他方の窓261Bを通って導体線145が巻回されている。導体線144及び145の巻回数はともに4であるが、この巻回数は4に限定されるものではなく任意の数にすることができる。また導体線144と145の巻回数は互いに異なっていてもよい。
【0044】
磁気検出素子95Aを用いて磁気検出装置を構成するときは、図2に示すものと同様に、例えば導体線145を磁気バイアス用の直流電源38に接続し、導体線144を発振回路60に接続する。導体線144のインダクタンスLは前記の式(1)によって表されるので、導体線144の巻回数のnの2乗に比例してインダクタンスLは変化する。
本実施例の磁気検出素子95Aは2つの窓261A、261Bを有する1つの枠状コア261に複数の巻回数で導体線144、145を巻回しているので、磁性コア260の形状がシンプルであるにもかかわらず外部磁界の検出感度は高い。
図14は第7実施例の他の例の磁気検出素子95Bの上面図である。磁気検出素子95Bは、磁性コア280が前記磁気検出素子95Aの磁性コア260と異なるが、他の構成は磁気検出素子95Aと同じである。磁性コア280は、側部コア264、265の磁性材料が、帯状コア260A、260B、中央コア285の磁性材料と異なり、側部コア264、265の透磁率は中央コア285の透磁率より低くなされている。
磁気検出素子95Bは、前記磁気検出素子260の有する効果に加えて、前記図10に示す磁気検出素子93Bと同様の効果も有する。
【0045】
《第8実施例》
本発明の第8実施例の磁気検出素子96を図15を参照して説明する。図15において、非磁性基板100の上に磁性コア300が設けられている。磁性コア300は、帯状コア303の一方の側部(図15では下側)に窓290を形成する長大な側部コア284が連結されている。帯状コア300の他方の側部(図15の上側)には窓289を形成する小さい側部コア285が連結されている。窓290を通って、側部コア284に導体線291が複数の巻回数(図15では12回)で巻回されている。導体線291の両端末はそれぞれ電極端子106、107に接続されている。窓289を通って、側部コア285に導体線309が1回巻回されている。導体線309の両端子はそれぞれ電極端子108、109に接続されている。
【0046】
本実施例の磁気検出素子を用いて磁気検出装置を構成するときは、図2に示すように、電極端子108、109を磁気バイアス用の直流電源38に接続し、電極端子106、107を発振回路60に接続する。
本実施例の磁気検出素子96では、中央コア286の長さを側部コア284の長さに比べて大幅に短くしたことを特徴とする。中央コア286の長さに合わせて側部コア285の長さも短くなるので、側部コア285と中央コア286を通る磁路が短くなり、導体線309に流す直流電流が小さくても、中央コア286におけるバイアス磁束の密度を十分高く保つことができる。中央コア286以外の部分にはバイアス磁束がほとんど流れないので磁性コア300全体の透磁率は高く保たれる。そのため、外部磁界Hによる磁性コア300を通る磁束の密度が高いので、側部コア284の磁束密度も高くなる。その結果、側部コア284に巻回された、発振回路60につながる導体線291の外部磁界Hの変化によるインダクタンス変化も大きくなり、磁界検出感度も高くなる。本実施例の磁気検出素子96では側部コア284に巻回された導体線291の巻回数が多いので、前記式(1)に示すようにインダクタンスLの変化が大きくなり、この点も検出感度の向上に寄与する。
【0047】
前記第3から第8実施例の磁気検出素子91、92、93A、93B、94A、94B、95A、95B、及び96を用いて磁気検出装置を構成するときは、図2に示すものと同様に、それぞれの磁気検出素子92〜96の電極端子108、109に直流電源38を抵抗50を介して接続し、電極端子106、107にLC発振回路60を接続すればよい。
前記第1から第8実施例の磁気検出素子90〜96を、図18に示すアンプ型の検出回路と組み合わせても磁気検出装置を構成することができる。この場合電極端子108、109に抵抗531を介して直流電源529を接続し、電極端子106、107に高周波発振器525と高周波増幅器528を並列に接続すればよい。
【0048】
第3から第8実施例の磁気検出素子91〜96を用いて方位センサを構成するときは、図5に示すように、それぞれの磁気検出素子を用いた磁気検出装置を2つ、磁性コアの長手方向が互いに直角になるように配置すればよい。
前記の各実施例では、磁性コアを形成する軟磁性体膜として磁性材のアモルファスを用いたが、磁性コアとしては、実効透磁率の優れたFe系及びCo系の金属磁性体、酸化物磁性体の磁性体膜であれば使用可能である。導体線となる導電性金属膜として銅を用いたが、比抵抗の小さなAu、Agなどの金属膜でもよく、種類の異なる金属膜を組み合わせてもよい。絶縁膜として酸化シリコンを用いたが、アルミナ、ガラスなどの無機質の誘電体膜でもよい。また、基板はNiTiMgのセラミック基板を用いたが、AlTiCなど他のセラミック、ガラス系材料、カーボンの基板を用いてもよい。保護膜としてアルミナを用いたが、SiO等の他の誘電体、樹脂等を用いてもよい。
【0049】
製造方法において、エッチング方法として主にイオンミリング処理を用いたが、ウェットエッチング等、他のエッチング方法を用いてもよい。製膜方法も主としてスパッタリングを用いたが、蒸着、メッキ等の方法を用いてもよい。
磁性コアや導体線の大きさ厚さ等の寸法や形状、また導体線と磁性コアの交差箇所、巻回数等は前記各実施例のものに限定されるものではない。
また、本発明の磁気検出素子を方位センサ以外の磁気検出器、例えば磁気ヘッド等に使用できることはもちろんである。
【0050】
【発明の効果】
上記の各実施例の説明から明らかなように、本発明はMI磁気検出素子において、磁性コアの2つの磁路を形成する軟磁性膜を同じ平面に形成することにより製造時の工程が減るとともに、2つの導体線が交差しないことからリークの危険性が減りコストダウンが計られる。また導体線をコイル状に複数回磁性コアに巻回することにより高感度、高出力を達成することができるので、実用上の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の磁気検出素子の上面図
【図2】本発明の磁気検出装置の回路図
【図3】本発明の第1実施例の磁気検出素子の製造工程の前半を示す上面図
【図4】本発明の第1実施例の磁気検出素子の製造工程の後半を示す上面図
【図5】本発明の第2実施例の方位センサの上面図
【図6】本発明の第2実施例の方位センサの検出方法を示すためのグラフ
【図7】本発明の第3実施例の磁気検出素子の上面図
【図8】本発明の第4実施例の磁気検出素子の上面図
【図9】本発明の第5実施例の磁気検出素子の上面図
【図10】本発明の第5実施例の他の例の磁気検出素子の上面図
【図11】本発明の第6実施例の磁気検出素子の上面図
【図12】本発明の第6実施例の他の例の磁気検出素子の上面図
【図13】本発明の第7実施例の磁気検出素子の上面図
【図14】本発明の第7実施例の他の例の磁気検出素子の上面図
【図15】本発明の第8実施例の磁気検出素子の上面図
【図16】従来例の磁気検出素子の上面図
【図17】前記従来例の磁気検出素子の断面図
【図18】前記従来例の磁気検出装置の回路図
【図19】他の従来例の磁気検出装置の回路図
【図20】図19の磁気検出素子の断面図
【符号の説明】
1A、1B 端子
2、104、105、125、131、144、145、168、169、304 導体線
3、101、120、140、160、180、200、240、260、280、300 磁性コア
3A、3B 磁性体
10 磁気センサ
38 直流電源
60 発振回路
61 FM復調回路
62 磁界強度検出回路
90、90X、90Y、91、92、93A、93B、94A、94B、95B、95A、96 磁気検出素子
98、98X、98Y 磁気検出装置
100 基板
101A、160B、160C、164、165、264、284 軟磁性膜
101B、101C、140B、140C、263、264、303 帯状コア
106、107、108、109 電極端子
140A、160A、261 枠状コア
184、185、264 側部コア
261A、260B、290 窓
H 外部磁界

Claims (23)

  1. 基板上に形成された少なくとも2つの磁路を有する軟磁性膜の磁性コアと、前記磁性コアに巻回された第1の導体線及び第2の導体線とを有する磁気検出素子であって、
    前記、第1及び第2の導体線は前記基板上において互いに交差を避けて配置され、前記第1及び第2の導体線にそれぞれ所定の電流を流すことにより磁性コアに発生する磁束の少なくとも2つの磁路が前記基板に平行な面上に形成されることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 基板上に形成された少なくとも1つの帯状の軟磁性膜と、前記帯状の軟磁性膜に連結され、互いに透磁率の異なる少なくとも2つの磁路を前記基板面に平行な面上で形成する枠状の軟磁性膜とを有する磁性コア、及び
    前記2つの磁路を形成するそれぞれの軟磁性膜にそれぞれ巻回された第1の導体線及び第2の導体線
    を有する磁気検出素子。
  3. 基板上に形成された少なくとも1つの帯状の軟磁性膜、及び前記帯状の軟磁性膜に連結された、互いに透磁率の異なる少なくとも2つの磁路を有する枠状の複数の軟磁性膜を有する磁性コア、及び
    前記少なくとも2つの磁路を形成する枠状の複数の軟磁性膜のそれぞれの一方の磁路の回りに巻回された第1の導体線と他方の磁路の回りに巻回された第2の導体線
    を有する磁気検出素子。
  4. 前記第1及び第2の導体線のいずれか一方にキャリア用高周波電流を流し、他方の導体線に磁気バイアス用の直流電流を流すことを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁気検出素子。
  5. 前記少なくとも2つの磁路の一方の磁路を形成する軟磁性膜は、その長手方向が前記帯状の軟磁性膜の長手方向と一致し、かつ端面のすべてが前記帯状の軟磁性膜に接して前記帯状の軟磁性膜に連結され、
    前記少なくとも2つの磁路の内の他方の磁路を形成する軟磁性膜は、前記一方の磁路より長い磁路長を有するように迂回して前記帯状の軟磁性膜に連結されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁気検出素子。
  6. 前記磁性コアを形成する軟磁性膜は、前記基板面において均一な高さを有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁気検出素子。
  7. 前記第1及び第2の導体線の少なくとも一方が、前記磁性コアの枠状の軟磁性膜に複数の巻回数で巻回されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁気検出素子。
  8. 基板上に形成された少なくとも1つの帯状の軟磁性膜、前記帯状の軟磁性膜の端部に、前記帯状の軟磁性膜の長手方向にその長手方向が一致し、端面のすべてが前記帯状の軟磁性膜に接して連結された第1の部分軟磁性膜、前記第1の部分軟磁性膜の近傍に所定の間隙をもって設けられ、前記第1の部分軟磁性膜の両端部にその両端部が連結された第2の部分軟磁性膜及び前記第1の部分軟磁性膜の近傍に所定の間隙をもって設けられ、前記第1の部分軟磁性膜の両端部にその両端部が連結された第3の部分軟磁性膜を有する磁性コア、
    前記第2の部分軟磁性膜に巻回された第1の導体線及び前記第3の部分軟磁性膜に巻回された第2の導体線
    を有する磁気検出素子。
  9. 前記第1の部分軟磁性膜の透磁率は、前記第2及び第3の部分軟磁性膜の透磁率より高くなされていることを特徴とする請求項8記載の磁気検出素子。
  10. 前記帯状の軟磁性膜の磁路と前記第1の部分軟磁性膜の磁路は1つの直線上にあり、
    前記第2及び第3の部分軟磁性膜の磁路は前記第1の部分軟磁性膜の磁路から離隔して迂回する磁路を形成することを特徴とする請求項8記載の磁気検出素子。
  11. 前記第1の部分軟磁性膜は、前記基板の面上において均一な高さを有することを特徴とする請求項8記載の磁気検出素子。
  12. 前記第1及び第2の導体線がそれぞれ前記第2及び第3の部分軟磁性膜に複数の巻回数で巻回されていることを特徴とする請求項8記載の磁気検出素子。
  13. 基板上に形成された、複数の第1の帯状軟磁性膜と前記第1の帯状軟磁性膜より幅の狭い複数の第2の帯状軟磁性膜とを交互に連結した帯状コア、前記基板上で、前記第2の帯状軟磁性膜のそれぞれの一方の側に所定の間隙をもって設けられ、両端部が前記第2の帯状軟磁性膜の両端部にそれぞれ連結されている第3の帯状軟磁性膜、及び前記第2の帯状軟磁性膜のそれぞれの他方の側に所定の間隙をもって設けられ、両端部が前記第2の帯状軟磁性膜の両端部にそれぞれ連結されている第4の帯状軟磁性膜を有する磁性コア、
    前記第3の軟磁性膜のそれぞれに同じ巻方向で巻回された第1の導体線、及び
    前記第4の軟磁性膜のそれぞれに同じ巻方向で巻回された第2の導体線
    を有する磁気検出素子。
  14. 前記第3及び第4の軟磁性膜の透磁率が前記第1及び第2の軟磁性膜の透磁率より低いことを特徴とする請求項13記載の磁気検出素子。
  15. 前記第1の導体線が、前記第3の帯状軟磁性膜のそれぞれに複数の巻回数で巻回されていることを特徴とする請求項13又は14記載の磁気検出素子。
  16. 前記第2の導体線が、前記第4の帯状軟磁性膜のそれぞれに複数の巻回数で巻回されていることを特徴とする請求項13又は14記載の磁気検出素子。
  17. 前記第3の帯状軟磁性膜の磁路は、前記第4の帯状軟磁性膜の磁路より長く設けられており、
    前記第3の帯状軟磁性膜に前記第1の導体線が複数の巻回数で巻かれ、前記第4の帯状軟磁性膜に前記第2の導体線が、前記第1の導体線の巻回数より少ない巻回数で巻回されていることを特徴とする請求項13記載の磁気検出素子。
  18. 前記第1及び第2の導体線のいずれか一方に磁気バイアス用の直流電流を流し、他方にキャリア用高周波電流を流すことを特徴とする請求項13、15、16、17のいずれかに記載の磁気検出素子。
  19. 非磁性基板上に第1の導電膜を形成し、4つの電極端子及び前記4つの電極端子の内の第1及び第2の電子端子にそれぞれつながる、第1の導体線及び第2の導体線となる導電膜を残して他の導電膜を除去する工程、
    前記基板上に非磁性かつ非導電性の第1の絶縁膜を形成する工程、
    前記第1の絶縁膜の上に、前記第1及び第2の導体線と交差する枠状部を有する所定の形状の軟磁性膜の磁性コアを形成する工程、
    少なくとも前記磁性コアの上に非磁性かつ非導電性の第2の絶縁膜を形成する工程、
    前記第1及び第2の導体線の前記磁性コアの枠状部の枠内に存在する部分及び4つの前記電極端子の上面の、非磁性かつ非導電性の膜を除去する工程、
    基板上に導電膜を形成し、前記4つの電極端子、及び前記4つの電極端子の内の第3及び第4の電極端子にそれぞれつながり、端部が前記枠状部内の第1及び第2の導体線にそれぞれつながる第3及び第4の導体線となる導電膜を残して他の部分の導電膜を除去する工程、
    全面に保護膜として非磁性かつ非導電性の膜を形成する工程、及び
    前記4つの電極端子の上の非磁性かつ非導電性の膜を除去して電極端子を露出させる工程
    を有する磁気検出素子の製造方法。
  20. 非磁性基板の上に第1の導電膜を形成し、4つの電極端子及び前記4つの電極端子の内の第1及び第2の電極端子にそれぞれつながる第1の導体線及び第2の導体線となる部分、及び後の工程で複数の巻回数のコイルを形成するための第3の導体線となる導電膜を残して他の導電膜を除去する工程、
    前記基板上に非磁性、非導電性の第1の絶縁膜を形成する工程、
    前記第1の絶縁膜の上に、前記第1、第2及び第3の導体線と交差する枠状部を有する所定の形状の軟磁性膜の磁性コアを形成する工程、
    少なくとも前記磁性コアの上に非磁性かつ非導電線の膜を形成する工程、
    前記第1、第2及び第3の導体線の前記磁性コアの枠状部の枠内に存在する一方の端部、枠外に存在する他方の端部及び4つの前記電極端子の上面の非磁性かつ非導電性の膜を除去する工程、
    基板上に導電膜を形成し、前記4つの電極端子、及び前記4つの電極端子の内の第3及び第4の電極端子にそれぞれつながり、端部が前記枠状部内の第1及び第2の導体線にそれぞれつながる第3及び第4の導体線及び一方の端部が前記枠内で第1の導体線に接続され、他方の端部が枠外で第3の導体線に接続される導電膜を残して他の導電膜を除去する工程、
    全面に保護膜として非磁性かつ非導電性の膜を形成する工程、及び
    前記4つの電極端子の上の非磁性かつ非導電性の膜を除去して電極端子を露出させる工程
    を有する磁気検出素子の製造方法。
  21. 請求項1から18のいずれかに記載の磁気検出素子の、前記第1及び第2の導体線のいずれか一方に接続した磁気バイアス用の直流電源、及び
    前記第1及び第2の導体線の他方に接続したLC発振回路を有し、
    外部磁界により変化する磁性コアの透磁率の変化による導体線のインダクタンスの変化をLC発振回路の発振周波数の変化に基づいて検出して前記外部磁界の変化を検出する磁気検出装置。
  22. 前記LC発振回路の出力を、復調する周波数復調回路を更に有する請求項21記載の磁気検出装置。
  23. 前記請求項21又は22に記載の磁気検出装置を2つ、磁性コアの長手方向を互いに直角にして同一平面上に配置し、2つの磁気検出装置からの出力の差異に基づいて方位を検出する方位センサ。
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