JP4338760B2 - 自動二輪車 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンを走行風により効果的に冷却できるようにした自動二輪車に関するものである。
空冷式エンジンを備えた自動二輪車では、走行風により効果的にエンジンを冷却する必要がある。特に、シリンダ軸心が前方へ向けてほぼ水平に配置される前向きの空冷式エンジンを備えたもの(特許文献1参照)では、エンジンの前面投影面積、つまり走行風が当たる面積が小さくなることから、必要な冷却性能を得ることが難しくなる。
特開2004−243956号公報
そこで、走行風をエンジンに向けて強制的に導く導風部材を設けることが考えられるが、そのような部材を追加すると、部品点数の増加や構造の複雑化を招く。
本発明は、部品点数の増加を招くことなく、エンジンを走行風で効果的に冷却することができる自動二輪車を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る自動二輪車は、前輪と後輪の間に前向きのエンジンが配置され、前記前輪の上方を覆うフロントフェンダが配置され、前記エンジンのシリンダヘッドの上方に、空気供給系のケース体が配置され、前記ケース体に走行風を前記エンジンのシリンダヘッドに向ける導風面が形成され、前記導風面は車体左右方向の中央部が両側部よりも後退した曲面により形成され、メインフレームがヘッドパイプから後方へ後ろ下がりに傾斜し、前記導風面が前記メインフレームの下側に位置し、前記導風面の少なくとも一部が正面視でフロントフォークの左右両チューブの間の空間に臨んでおり、前記フロントフォークに、水平断面形状が前方または後方に向かって先細り状である整流部が設けられ、前記導風面の上端部が前記フロントフェンダよりも上方に位置し、下端部が前記シリンダヘッドの上方に位置している。前記ケース体は、例えばエアクリーナにおけるクリーナエレメントを収納するケースである。ここで、「前向きのエンジン」とは、シリンダ軸心が、左右方向に延びるエンジン回転軸心から前方へ向かって、水平方向±45°以下、好ましくは±30°以下、さらに好ましくは±15°以下の角度で延びていることをいう。
この自動二輪車によれば、エンジンの上方に配置される空気供給系または燃料供給系のケース体に形成した導風面により、走行風を案内しながら下方のエンジンに向け導いて、その走行風でエンジンを冷却するので、既存の空気供給系または燃料供給系におけるケース体に導風面を形状するだけであるから、部品点数の増加を招くことなく、エンジンの冷却効果を増大させることができる。また、前記導風面は車体左右方向の中央部が両側部よりも後退した曲面により形成されているので、走行風が、導風面から左右方向に逃げるのが抑制されて、導風面により効果的に案内させることができる。さらに、ヘッドパイプから後方へ後ろ下がりに傾斜するメインフレームの下側に、前記導風面が位置しているので、走行風が、メインフレームにより妨げられることなく円滑に導風面に達する。また、先細り状の整流部により、走行風の剥離による逆流が抑制されるので、フロントフォークの左右両チューブの間の空間を通って導風面に当たる走行風の風量が増大し、その結果、導風面に案内されてエンジンに導かれる走行風の風量も増大して、エンジンの冷却効果がさらに増大する。さらに、前記エンジンは前向きであるので、エンジンの頭部の上方に大きなスペースができるから、この大きなスペースに前記導風面を持つケース体を配置することで、前方投影面積の小さい前向きのエンジンに走行風を効果的に導くことができる。
本発明において、前記導風面の少なくとも一部が正面視で前記フロントフォークの左右両チューブの間の空間に臨んでおり、前記前輪の少なくとも上方を覆うフロントフェンダに、上方に突出して前後方向に延びる左右一対の走行風規制突部が形成されていることが好ましい。これにより、フロントフェンダの上方を通過する走行風は、左右一対の走行風規制突部の間を通るように案内されながら、フロントフォークの左右両チューブの間の空間を通って導風面に導かれる。
本発明において、前記前輪を支持するフロントフォークのインナチューブとアウタチューブの連結部分の前方に、この連結部分を保護するフォークガードが配置され、前記フォークガードに、水平断面形状が前方に向かって先細り状である整流部が形成され、前記前輪の少なくとも上方を覆うフロントフェンダに、左右一対の前記フォークガードの前方に位置し上方に突出して前後方向に延びる左右一対の走行風規制突部が形成されていることが好ましい。これにより、フロントフェンダの上方を通過する走行風は、左右一対の走行風規制突部に案内されて左右一対の前記フォークガードの間に導かれたのち、両フォークガードの整流部により逆流の発生を抑制されて後方の導風面に導かれるから、走行風がフロントフェンダから導風面まで効果的に案内される結果、導風面に達する走行風の風量、つまりエンジンに導かれる走行風の風量が一層増大して、エンジンの冷却性能が向上する。しかも、既存のフロントフェンダおよびフォークガードをそれぞれ、左右一対の走行風規制突部および整流部を有する形状に変更するだけであるから、部品点数の増加を防ぐことができる。
本発明における前記ケース体として、例えばエアクリーナのケースを用い、そのケースに導風面を形成することができる。エアクリーナのケースは比較的広い外壁面を有する形状にできるので、このケースの前面に広い導風面を容易に形成することができる。
前記ケース体としてエアクリーナのケースを用いる場合、このケースの後方に燃料供給装置を配置するのが好ましい。これにより、エアクリーナに強い走行風が当たっても、エアクリーナの後方の燃料供給装置には走行風が直接当たることが防がれるので、走行風との衝突により生じる不安定な圧力変動によって燃料の供給不良が発生するのを防止できる。
本発明において、前記エンジンの少なくとも下方を覆い、走行風を前記エンジンに向けて導くガイド面が形成されていることが好ましい。これにより、前記ガイド面で案内された走行風によってエンジンの下部を効果的に冷却できるとともに、ケース体の導風面から下方のエンジンに向かう走行風がエンジンの下側へ吹き抜けるのを、前記下方のガイド面によって案内される走行風により防止して、エンジンの上部および側部を有効に冷却することができる。
本発明の自動二輪車によれば、エンジンの上方に配置される空気供給系または燃料供給系のケース体に導風面を形成して、その導風面により走行風を下方のエンジンに向けるので、既存の空気供給系または燃料供給系におけるケース体に導風面を形成するだけであるから、部品点数の増加を招くことなく、エンジンの冷却効果を増大させることができる。本発明は、特に、空冷効果が低くなりやすい前向き空冷エンジンに効果的に適用される。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るモペッド型の自動二輪車を示す側面図である。同図において、車体フレームFRの前半部を構成する後ろ下がりのメインフレーム1の前端部にヘッドパイプ2が取り付けられ、このヘッドパイプ2に回動自在に挿通されたステアリングシャフト(図示せず)を介してアッパブラケット4およびロワブラケット7が取り付けられ、これらアッパブラケット4およびロワブラケット7にフロントフォーク8が支持され、これによって、フロントフォーク8がヘッドパイプ2に操向回動自在に支持されている。フロントフォーク8の下端部に前輪9が支持されている。また、フロントフォーク8の上端部のアッパブラケット4にはハンドル10が取り付けられている。
前記メインフレーム1の後端下部にスイングアームブラケット11が設けられ、このスイングアームブラケット11に、スイングアーム12が、前端部のピポット軸13を介して上下揺動自在に支持されている。このスイングアーム12の後端部に後輪14が支持されている。前輪9と後輪14の間であって、メインフレーム1における中央下部には、エンジンEが支持されている。このエンジンEは、シリンダ軸心がエンジン回転軸心から車体の前方に向かってほぼ水平方向に延びている前向きのものである。前記メインフレーム1の後部に連結されたリヤフレーム17が車体フレームFRの後半部を構成しており、このリヤフレーム17にシート18が支持されている。メインフレーム1の上側でハンドル10とシート18との間に燃料タンク19が配置されている。フロントフォーク8の上端部分にはヘッドランプユニット20が取り付けられている。
前記前向きのエンジンEの頂部を形成するシリンダヘッドEHとその上方のメインフレーム1との間にできるスペースに、空気供給系の一部を構成するエアクリーナACのケース(以下、「クリーナケース」という。)15が、前面部を斜め下方に向けた姿勢、つまり、前面部の下部分が前面部の上部分よりも後方斜め下方に偏位するよう傾けた姿勢で配置されている。このクリーナケース15の後方に燃料供給装置であるキャブレタ16が配置され、クリーナケース15とエンジンEとの間に接続されている。前記燃料タンク19は、クリーナケース15の後方斜め上方に配置され、キャブレタ16とともに燃料供給系の一部を構成している。クリーナケース15および燃料タンク19はメインフレーム1に取り付けられて、それぞれメインフレーム1の下側と上側に位置し、クリーナケース15の前端15pが燃料タンク19の前端19pよりも前方に位置している。
フロントフォーク8は、上部のインナチューブ21を下部のアウタチューブ22の内側に嵌合して連結した左右一対のフォーク片80を有しており、両チューブ21,22の連結部分に塵埃などが侵入するのを防止するフォークガード23が、アウタチューブ22の上端部に嵌め込み固定されている。また、アウタチューブ22には、前輪9の上方を覆うフロントフェンダ24が取り付けられている。
車体フレームFRにはまた、燃料タンク19を覆うタンクカバー41、タンクカバー41とシート18との間に凹所を形成するステップスルーカバー42、エアクリーナACのクリーナケース15の上部とエンジンEのシリンダECおよびシリンダヘッドEHの下部および側部の一部分を下方および側部から覆うロワカウリング43が取り付けられている。この実施形態では、ロワカウリング43は、クリーナケース15の前面部が車体前方に向けて露出するように形成される。言い換えると、本実施形態の自動二輪車は、クリーナケース15の前面部を車体前方の空間に向けて開放する開放部分を備えている。
自動二輪車の前方斜視図を示す図2において、クリーナケース15の外壁面となる前面には、走行風AをエンジンEに導くための導風面27が形成されている。この導風面27に、車体左右方向に延びる細長い複数の凹部28が、外観向上と、導風面27を形成する後述のケースカバー15b(図4)の補強を目的として形成されている。
自動二輪車の正面図である図3に示すように、フロントフェンダ24には、左右一対のフォークガード23の前方に位置して上方に突出した一対の走行規制突部29が形成されている。クリーナケース15の導風面27の上端部27uとその近傍を含む上部は、正面視でフロントフォーク8の左右一対のインナチューブ21,21間の空間に臨んでいる。前記一対の走行規制突部29は、図2に示すように、フロントフェンダ24の両側部に沿って前後方向に延びている。
図4(a)〜(d)は、クリーナケース15を示す平面図、正面図、右側面図および背面図である。図4(a)の平面図に示すように、クリーナケース15はケース本体15aの前面にケースカバー15bを連結したもので、内部に除塵用のクリーナエレメント(図示せず)を収納している。ケースカバー15bの前面に導風面27が形成されている。ケース本体15aとケースカバー15bが前後入れ代わっている場合は、ケース本体15aの前面に導風面27が形成される。この導風面27は、水平断面形状が車体左右方向の中央部27aが両側部27bよりも後方へ後退したほぼ円弧状の横断面を有する湾曲面に形成されている。中央部27aは側方視ではほぼ直線状である。これにより、走行風が、導風面27から左右方向に逃げるのが抑制されて、凹状である導風面27により効果的に案内されながら、エンジンEに向けて導入される。
また、導風面27は、図4(b)に示すように、上端部27uの左右方向の第1幅寸法W1から徐々に大きくなって、上下方向中央部付近で最も大きな第2幅寸法W2を有し、下端部27dが第1幅寸法W1よりも大きく、第2幅寸法W2よりも小さい第3幅寸法W3を有する形状になっている。図3に示すように、シリンダヘッドEHのヘッド幅寸法WEに対し、図4(b)に示す導風面27の最大幅(例えばW2)がヘッド幅寸法WEよりも大きくなっていることが好ましい。また、導風面27の最小幅(例えばW1)がヘッド幅寸法WEよりも大きくなっていることが好ましい。前記第1〜第3幅寸法W1,W2,W3は、ヘッド幅寸法WEより小さくてもよい。
図4(d)に示すように、クリーナケース15の背面には、左方の上端近傍箇所に空気吸込口30が開口しており、この空気吸込口30に、クリーナケース15の後方からクリーナケース15内に空気を取り入れる吸入ダクト31が取り付けられて、その入口31aが下方を向いている。クリーナケース15の右方の下端近傍箇所に、キャブレタ16に空気を送るための空気供給口32が開口している。
図4(c)に示すように、キャブレタ16は、クリーナケース15の下部の後方に近接して配置されている。クリーナケース15は、上端部および下端近傍部からそれぞれ後方へ突出した取付フランジ35,36により、メインフレーム1(図1)に取り付けられている。
クリーナケース15の導風面27は、図4(b)に示すように、車体の左右方向中心面PLをまたいで車体の両側方に延びており、その両側部27bが左右方向中心面PLよりも左側寄りおよび右側寄りにそれぞれ位置している。この実施形態では、導風面27は、車体の左右方向中心面PLに対して対称に形成されており、左右方向中央部27aが車体の左右方向中心面PL上に位置している。また、図3のエンジンEのシリンダ軸線も、車体の左右方向中心面PL上に位置している。したがって、図4(b)の導風面27の左右方向中央部27a付近を通過した走行風を、エンジンEの左右方向中心部付近に導くことができる。
前記クリーナケース15の導風面27は、図1から明らかなように、その全面が、後ろ下がりのメインフレーム1の下側かつ前方側に位置し、その上端部27uがフロントフェンダ24よりも上方に位置し、下端部27dが、エンジンEの前端部となるシリンダヘッドEHの上方でかつ、前方に配置される。また、導風面27の左右方向中央部27aを通り、導風面27に沿って下方に延びる直線の延長線L上に、シリンダヘッドEHが位置する。これにより、導風面27によって案内された走行風AをシリンダヘッドEHに効率よく導くことができる。
導風面27は、鉛直断面形状において、上方部分から下方部分に進むにつれて後方に偏位するように傾斜している。水平面と導風面27とがなす角度θは、0°を越えて90°未満、好ましくは15°以上75°以下、さらに好ましくは30°以上65°以下に設定される。この実施形態では、傾斜角度θは、約60°に設定されている。
図5(a)〜(c)はフォークガード23を示す平面図、正面図および左側面図である。このフォークガード23は、例えば樹脂製であり、図5(c)に示すように、リング状の取付部34に、上方へ向けて延びる整流部37が一体形成により設けられている。取付部34は図1のフロントフォーク8のアウタチューブ22に圧入により固定されている。図5(a)に示すように、整流部37は、前方に向かって先細り状の水平断面形状を有しており、図5(b)に示すように、下部の中央部は、正面視でほぼ三角形状の傾斜壁37aとなって、取付部34に連なっている。整流部37は、フロントフォーク8のインナチューブ21とアウタチューブ22との連結部分に塵埃などが侵入するのを防止するフォークガード本来の機能も兼ね備えている。図5(b)に示す整流部47の後縁37bの左右方向幅寸法W37は、下側の根元部から上側の先端部にかけて徐々に小さくなっており、最大である根元部の幅寸法W37は、図5(a)に示すインナチューブ21の外径D21よりも小さく設定されている。
前記フォークガード23の整流部37の作用について、図6を参照しながら説明する。図6(a)に示す比較例のフォークガード60は、フロントフォーク8のフォーク片80とほぼ同心の円弧状になっており、走行風AXがフォークガード60の円弧状の外面に沿って流れ、フォーク片80の後方へ流れる際に、フォークガード60の後端部で剥離してフォーク片80の後方領域に負圧が生じるので、その負圧によってフォークガード60を通過した走行風Axの一部が前方へ向けて逆流し、渦を形成する。そのために、比較例のフォークガード60では走行風AXが円滑に後方へ流れるのが妨げられてしまう。
これに対し、図6(b)に示す本実施形態のフォークガード23に設けた整流部37は、前方に向かって先細り状であり、後端部は、その車体左右方向の寸法がインナチューブ21の外径とほぼ同一、つまり、インナチューブ21の側方へ大きくはみ出さない寸法に設定されている。したがって、走行風Aは、実線で示すように、先細り状の整流部37に続いてインナチューブ21の外面に沿って流れ、比較例に比べて、後方に大きな逆流領域を形成するのが防がれて、円滑に後方へ流れる。
図7はフロントフェンダ24の横断面図である。図7において、フロントフェンダ24の幅方向両端部に形成された左右一対の走行風規制突部29は、左右のフォークガード23の整流部37における先細り状の先端部にほぼ合致した左右方向位置にそれぞれ配置されている。これにより、フロントフェンダ24の上方を通過する走行風は、左右一対の走行風規制突部29,29の間を通るように案内されながら、左右のフォークガード23の各整流部37における車体中央側の側面37bに沿ってフロントフォーク8の左右のインナチューブ21,21の間の空間Sを通るように流れたのち、図2に示すエアクリーナACのクリーナケース15の導風面27に導かれる。
図1に矢印で示すように、フロントフォーク8の左右のインナチューブ21,21間を通過した走行風Aは、クリーナケース15に形成された前方斜め下向きの導風面27に当たって案内されながら、後方斜め下向きに流れてエンジンEに達する。前向きのエンジンEは、前面投影面積が小さく、かつ下方に配置されているために前輪9の後ろに隠れる形となって冷却風量が少なくなり易いが、上記のように、エンジンEの前面投影面以外の部分を通る走行風Aを導風面27で案内して効率的にエンジンEに導くことにより、前向きのエンジンEに対する冷却性能を向上させることができる。
また、前述のとおり、図7に示すフロントフェンダ24の上方を通過する走行風Aを、フロントフェンダ24の左右一対の走行風規制突部29,29の間を通過させるように案内し、さらに、一対のフォークガード23の整流部37により逆流を防止しながら、図1に示す導風面27に円滑に導いているので、エンジンEを冷却する走行風Aの風量をさらに増大させることができる。
また、ロワカウリング43に、下方の走行風A1をエンジンEに向けて斜め上方へ導くガイド面44が形成されている。このガイド面44の少なくとも一部(この実施形態では全部)は、シリンダヘッドEHの下方でかつ前方に配置される。ガイド面44は、前端部44aから後端部44bに進むにつれて上方に傾斜する、後ろ上がりとなっている。ガイド面44の前端部44aは、導風面27の下端部27dよりも、前方に配置されている。また、シリンダヘッドEHは、導風面27と、ガイド面44との間に配置されている。ガイド面44とエンジンEとの間には、上下方向の隙間が形成されている。これにより、ガイド面44で案内された走行風A1によってエンジンEの下部をさらに効果的に冷却できるとともに、導風面27から下方のエンジンに導かれた走行風AがエンジンEの下側へ吹き抜けるのを、ガイド面44によって斜め後方上方に案内される走行風A1により防止して、導風面27からの走行風AによってエンジンEの上部および側部をも有効に冷却することができる。
ガイド面44は、図2に示すように、車体左右方向の中央部44cよりも両側部44dが上方へ突出した凹部形状に形成される。ガイド面44は、図3から明らかなとおり、車体の左右方向中心面PLに対して左右対称形であり、その左右方向の幅寸法W44はシリンダヘッドEHのヘッド幅寸法WEよりも大きく、したがって、ガイド面44の両側部44dはそれぞれ、シリンダヘッドEHの両側部よりも車体外側方に位置している。このようにガイド面44が凹部形状に形成されることで、図1に示す導風面27からガイド面44に導かれた走行風Aが左右方向に漏れることを防いで、この走行風AをエンジンEに沿って後方に案内することができる。また側面視において、シリンダヘッドEHは、ガイド面44の両側部から部分的に露出することで、走行方向に交差する方向に流れる横風を、シリンダヘッドEHに衝突させることができ、横風による冷却効果を発揮させることができる。
さらに、図4(d)に示したように、クリーナケース15の背面に吸入ダクト31が設けられており、クリーナケース15の背面側は、走行風Aが直接当たらないので、吸入ダクト31の入口31a付近の空気の流れが常に安定する。したがって、エアクリーナACに安定して空気を吸入することができる。また、図1に示したように、燃料供給装置であるキャブレタ16は、クリーナケース15の後方に配置されているので、クリーナケース15によって、キャブレタ16に走行風Aが直接当たるのを防いで、走行風Aにより生じる不安定な圧力変動によって、燃料の供給が不安定化するのを防止できる。
また、クリーナケース15の導風面27は、図4(b)に示したように、最も小さい上端部27uの第1幅寸法W1および上下方向中央部よりも下方寄りの箇所の最も大きな第2幅寸法W2が、図3のシリンダヘッドEHのヘッド幅寸法WEよりも大きくなっているので、シリンダヘッドEHの全体に走行風を吹き付けさせて、効果的に冷却することができる。さらに、図1に示す導風面27の上端部27uがフロントフェンダ24よりも上方に位置しているとともに、後ろ下がりに傾斜したメインフレーム1の下側でかつ前方側に導風面27が位置しているので、走行風Aの一部は、フロントフェンダ24およびメインフレーム1に衝突せずに円滑に導風面27に達する。
しかも、この実施形態では、図1のエンジンEの冷却性能を向上させるために設けた導風面27、走行風規制突部29および整流部37はそれぞれ、既存の構成要素であるエアクリーナACのクリーナケース15、フロントフェンダ24およびフォークガード23に形成したものであって、クリーナケース15、フロントフェンダ24およびフォークガード23の各々の形状を変更するだけで得られるから、部品点数の増加を招くことなく、エンジンEの冷却効果を増大させることができる。
本発明は、前記実施形態以外に種々の変形例が可能である。例えば、導風面27をエアクリーナACのクリーナケース15の前面に形成したが、クリーナケース15と燃料タンク19の位置を上下入れ替えて、下側に位置する燃料タンク19の前面に、導風面を形成してもよい。また、導風面27の水平断面形状は、湾曲形状以外に形成されてもよい。たとえば、図4(a)に示す導風面27のうち、両側部27bが中央部27aに対して,90度屈曲して突出するようなコの字状に形成されていてもよい。
さらに、図6(b)に二点鎖線で示すように、フォークガード23と一体または別体で、後方に向かって先細り状の整流部40を持つ整流体をフォーク片80に取り付けるか、またはフォーク片80自体の形状によって整流部40を形成することによっても、フォーク片80の後方における走行風Aの逆流を抑制して、円滑な走行風Aの流れを得ることができる。また、図1のロワカウリング43のガイド面44に代えて、別部材のガイド体をエンジンEの下方に配置してもよい。
さらに、図2のフロントフェンダ24には、フロントフォーク8の前側の走行風規制突部29に加えて、後側にも同様な形状の走行風規制突部を形成することができる。また、この走行風規制突部は、クリーナケース15の導風面27に走行風Aを導く位置にあればよく、したがって、フロントフォーク8に対応する位置以外に形成されていてもよい。
本発明は、前記実施形態のようなモペッド型に限られず、スポーツタイプ、クルーザタイプなど、他の種々のタイプの自動二輪車にも適用できる。また、本発明は、空冷エンジンEに好適に用いられるが、水冷エンジンにも適用可能である。エンジンEは前向きに限られず、通常の、シリンダ軸が前方斜め上方に向くエンジンであってもよい。
さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車を示す側面図である。 同上の自動二輪車を前方斜視図である。 同上の自動二輪車を示す正面図である。 (a)〜(d)はエアクリーナを示す平面図、正面図、右側面図および背面図である。 (a)〜(c)はフロークガードを示す平面図、正面図および左側面図である。 (a)は比較例のフォークガードの機能を説明する横断面図、(b)は同上の実施形態のフォークガードの機能を説明する横断面図である。 フロントフェンダの横縦断面図である。
符号の説明
1 メインフレーム
2 ヘッドパイプ
8 フロントフォーク
9 前輪
14 後輪
15 クリーナケース(ケース体)
19 燃料タンク(燃料供給系)
21 インナチューブ
22 アウタチューブ
23 フォークガード
24 フロントフェンダ
27 導風面
27a 導風面の左右方向中央部
27b 導風面の側部
29 走行風規制突部
37,40 整流部
44 ガイド面
AC エアクリーナ(空気供給系)
E エンジン
A 走行風

Claims (6)

  1. 前輪と後輪の間に前向きのエンジンが配置され、
    前記前輪の上方を覆うフロントフェンダが配置され、
    前記エンジンのシリンダヘッドの上方に、空気供給系のケース体が配置され、
    前記ケース体に走行風を前記エンジンのシリンダヘッドに向ける導風面が形成され、
    前記導風面は車体左右方向の中央部が両側部よりも後退した曲面により形成され、
    メインフレームがヘッドパイプから後方へ後ろ下がりに傾斜し、前記導風面が前記メインフレームの下側に位置し、
    前記導風面の少なくとも一部が正面視でフロントフォークの左右両チューブの間の空間に臨んでおり、前記フロントフォークに、水平断面形状が前方または後方に向かって先細り状である整流部が設けられ、
    前記導風面の上端部が前記フロントフェンダよりも上方に位置し、下端部が前記シリンダヘッドの上方に位置している自動二輪車。
  2. 請求項1において、前記導風面の少なくとも一部が正面視で前記フロントフォークの左右両チューブの間の空間に臨んでおり、前記前輪の少なくとも上方を覆うフロントフェンダに、上方に突出して前後方向に延びる左右一対の走行風規制突部が形成されている自動二輪車。
  3. 請求項1または2において、前記前輪を支持するフロントフォークのインナチューブとアウタチューブの連結部分の前方に、この連結部分を保護するフォークガードが配置され、
    前記フォークガードに、水平断面形状が前方に向かって先細り状である整流部が形成され、
    前記前輪の少なくとも上方を覆うフロントフェンダに、左右一対の前記フォークガードの前方に位置し、上方に突出して前後方向に延びる左右一対の走行風規制突部が形成されている自動二輪車。
  4. 請求項1から3のいずれか一項において、前記ケース体はエアクリーナのケースであり、このケースの前面に前記導風面が形成されている自動二輪車。
  5. 請求項4において、前記エアクリーナのケースの後方に燃料供給装置が配置されている自動二輪車。
  6. 請求項1から5のいずれか一項において、前記エンジンの少なくとも下方を覆い、走行風を前記エンジンに向けて導くガイド面が形成されている自動二輪車。
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