JP4338489B2 - 二次電池電極用黒鉛、該電極用黒鉛を含む二次電池用電極、該電極を用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

二次電池電極用黒鉛、該電極用黒鉛を含む二次電池用電極、該電極を用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池用の電極を製造する際に用いる黒鉛と該黒鉛を含む二次電池用電極、並びに該電極を用いたリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、電子機器等の小型化に伴い、電源となる電池にも小型化が要求されている。特に電池の高容量化の観点からリチウムイオン二次電池が注目されており、リチウムイオン二次電池の中でも、高電圧、大容量が得られ易く、且つ、安全であることから負極に炭素材料を用いたものは有用である。
ところが、一般に炭素材料の表面には種々の酸性官能基(例えば、カルボキシル基、フェノール基、ラクトン基、カルボニル基)が存在し、これらの酸性官能基が初回の充電時に電解液と反応する。この場合、充電に要した電気容量の一部がリチウムのインターカレート以外の反応に用いられることとなり放電されないため、初回の充放電効率(以下、「初期効率」と称する場合がある)が低くなる。この問題を解決すべく、種々の技術が既に提案されている。
例えば特許文献1には、炭素材料の原料を真空下または還元性雰囲気下で熱処理することによって炭素材料表面に存在する酸性官能基量を低減し、この炭素材料を電池の負極材料として用いることで、電池の初期効率を高める技術が提案されている。しかし、電池の負極材料として酸性官能基量を低減した炭素材料を用いた場合、電池の繰り返し充放電特性(以下、「サイクル特性」と称する場合がある)は充分でない。
特開平8-148185号公報([特許請求の範囲]、[0014]参照)
本発明は、この様な問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来程度の初期効率を確保しつつ、サイクル特性に優れた二次電池電極用黒鉛を提供することにある。また、本発明の他の目的は、該黒鉛を含む二次電池用電極および該電極を用いたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る二次電池電極用黒鉛とは、二次電池用電極を製造する際に用いる黒鉛であって、前記黒鉛の酸性官能基量が、質量当たり5ミリ当量/kg以下で、且つ、比表面積当たり0.3μ当量/m2以上である点に要旨を有する。
この二次電池電極用黒鉛を含む二次電池用電極は、初回の充電時における電解液との反応が少なく、しかも黒鉛同士や黒鉛とバインダー等との密着性が良好であるため、該二次電池用電極を負極として構成されるリチウムイオン二次電池は、優れた初期効率とサイクル特性を兼ね備えたものとなる。
本発明によれば、従来程度の初期効率を確保しつつ、黒鉛同士や、黒鉛と例えばバインダー等との密着性を高めることができるので、電極からの剥離を低減でき、サイクル特性にも優れた二次電池を実現するために有用な二次電池電極用黒鉛を提供することができる。また、この黒鉛を使用すれば、優れた初期効率とサイクル特性を兼ね備えた高性能の二次電池用電極、更には該電極を用いた高性能のリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明者らは、前述した様な課題を解決すべく、様々な角度から検討を行なった。その結果、黒鉛が有する酸性官能基量を適切に制御することにより、上記課題を見事解決できることを見出し、本発明に至った。以下に、本発明の作用効果について説明する。
上述した様に、二次電池電極用黒鉛の表面に酸性官能基が存在すると、該酸性官能基が初回充電時に電解液と反応して充電容量を損失することにより、電池の放電容量が低下する。この問題を解決すべく、黒鉛表面に存在する酸性官能基量を低減して初期効率を高める技術が提案されている。しかしこのような黒鉛を二次電池の負極材料として用いると、該電池のサイクル特性が悪くなることが判明した。
そこで二次電池のサイクル特性が悪くなる原因について検討したところ、黒鉛の質量当たりの酸性官能基量と比表面積当たりの酸性官能基量の両方が大きな影響を及ぼしていることが分かった。そして更に検討を重ねた結果、質量当たりの酸性官能基量を5ミリ当量/kg以下に制御すると共に、比表面積当たりの酸性官能基量を0.3μ当量/m2以上とすれば、サイクル特性を大幅に改善できることを見出した。これらの範囲を定めた理由は次の通りである。
本発明の二次電池電極用黒鉛は、質量当たりの酸性官能基量を5ミリ当量/kg以下に抑制することが重要である。黒鉛の有する酸性官能基量が5ミリ当量/kgを超えると、酸性官能基量の絶対量が多くなり過ぎるため、該酸性官能基が初回充電時に電解液と反応して酸性官能基の分解を生じ、不可逆容量が大きくなって初期効率の低下を招くからである。また、酸性官能基が電解液と反応して分解し電極表面でガス化すると、これもサイクル特性を低下させる大きな原因となる。質量当たりの酸性官能基量は、好ましくは4ミリ当量/kg以下に抑制するのが望ましい。酸性官能基量の下限値は、後述する比表面積当たりの酸性官能基量が、所定の範囲を満足できるものであれば特に限定されない。なお、当量とは、酸性官能基の酸としての化学当量を意味する。
上記酸性官能基量を定量する手段としては、例えばBoehmらの方法が挙げられる。この測定方法は以下の通りである。
<Boehmらの方法>
黒鉛10gと0.01mol/LのC25ONa水溶液50gをフラスコ中で2時間攪拌後、22時間室温で静置する。静置後、さらに30分間攪拌してから濾過し、濾液を回収する。回収した濾液25mLを0.01mol/LのHCl水溶液で中和滴定し、pHが4.0に到達するまでに要したHCl水溶液量(mL)を測定する。該HCl水溶液量と下記(1)式から酸性官能基量(ミリ当量/kg)を算出する。
酸性官能基量=(25−HCl水溶液量)×2 ・・・(1)
本発明では、上記黒鉛の質量当たりの酸性官能基量を黒鉛の比表面積当たりに換算したとき、0.3μ当量/m2以上であることが必要である。黒鉛の酸性官能基量が比表面積当たり0.3ミリ当量/m2未満では、黒鉛同士や、黒鉛と負極を作製する際に混合するバインダー等との接着力が低下し、粒子同士の密着性が悪くなってサイクル特性の劣化を招く。比表面積当たりの酸性官能基量が0.3ミリ当量/m2以上であれば、黒鉛同士や黒鉛とバインダー等との密着性が良好となり、その結果、電池の充放電を繰り返したときの電極の剥離や粒子間の緩みが低減され、サイクル特性を高めることができる。好ましくは比表面積当たり0.5ミリ当量/m2以上である。比表面積当たりの酸性官能基量の上限値は、上述した黒鉛の質量当たりの酸性官能基量が、上限値を超えない限り特に限定されない。
上記黒鉛の比表面積を定量する手段としては、ガス吸着法が挙げられる。この方法は、測定対象となる粉体にガス(例えば、N2など)を吸着させ、その吸着量に基づいて粉体の質量当たりの表面積を算出するものである。
そして、上記質量当たりの酸性官能基量(ミリ当量/kg)を、上記ガス吸着法で測定された黒鉛の比表面積(m2/g)で除することで、黒鉛の比表面積当たりの酸性官能基量(μ当量/m2)を算出できる。
本発明に係る二次電池電極用黒鉛は、酸性官能基量が上記範囲を満足するものであれば良く、その製法は特に限定されないが、例えばジェットミルによる衝突処理を原料黒鉛に施すことによって効率良く酸性官能基量を制御できる。以下、ジェットミルによる衝突処理の詳細について説明する。
ジェットミルによる衝突処理とは、音速前後の気流によって黒鉛粒子を加速し、粒子相互間および粒子と壁との衝突によって粉砕を行なう処理である。以下、この方法を具体的に図面を参酌しつつ説明する。
図1は、ジェットミル装置の概略説明図であり、1は槽、2はフィーダー、3は噴射ノズル、4は分級機、5は吹き上げノズルを夫々示している。
原料黒鉛を、槽1に設けられたフィーダー2から槽1内へ供給する。フィーダー2は、ホッパー式のものを槽1の適当箇所に設置することが好ましく、処理後の黒鉛粒子の取出口としても利用できる。なお、フィーダー2をスクリュー式とし、槽1の下部に設けてもよい。槽1内への原料供給量は、槽1の容量を考慮して定めれば良い。
槽1の下部側には槽壁を貫通して噴射ノズル3を設け、噴射ノズル3からジェット気流を吹き込むことにより、槽1内の下部側に衝突域を形成する。衝突域の気流に入った前記原料黒鉛は互いに衝突し、粉砕される。このとき、粉砕された黒鉛表面が酸化されて、酸性官能基が付与される。
従って、噴射ノズル3は、複数個(例えば、三〜四個)設けることが好ましい。噴射ノズル3からガスを吹き込む際のノズル吐出圧、吹き込みガス量、槽圧などは、円滑な衝突と流動が達成できるように設定され、このときの処理時間や槽圧を制御することにより原料黒鉛に付与する酸性官能基量を調整できる。すなわち、黒鉛の質量当たりの酸性官能基量の調整は、処理時間の長短、あるいはノズル吐出圧の高低で行うことができる。
なお、安全操業を確保する観点から、例えば、ノズル吐出圧は0.01〜0.50MPa程度、吹き込みガス量は0.2〜1.0Nm3/min程度、槽圧は−10〜30kPa程度、処理時間は1〜100分程度の範囲で制御すればよい。噴射ノズル3から吹き込むガスとしては、空気や窒素、水蒸気などを用いれば良く、槽1内の温度は0〜60℃程度とすれば良い。
槽1内では気体の対流が起こり、槽1の下部側の衝突域で互いに衝突して酸性官能基が付与された黒鉛粒子は、槽1内の対流に沿って上方へ吹き上げられ、その後沈降する。すなわち、粒子は槽1の中心部近傍で吹き上げられた後、槽1の壁際に沿って降下して、槽1内を循環する。
槽1の上部には、分級機4が設けられており、分級限界以下の微粉は逐次槽1外へ排出される。分級機4としては、公知のものを設ければ良いが、高速回転分級機を用いるのが通常である。このときの排出量は、原料として用いる黒鉛粒子の粒度によって異なる。
上記の操作はバッチで行なうことが好ましく、処理後の黒鉛粉末は、例えば槽1の底部に設けられた吹き上げノズル5から槽1内へ空気を送り込み、フィーダー2から回収することもできる。
原料黒鉛としては、天然黒鉛や人造黒鉛を使用することができ、例えば、天然黒鉛は一般に85%から99%を上まわる純度で入手できるのでそのまま用いれば良い。必要に応じて、公知の方法でさらに純度を高めることも好ましい。黒鉛の粒度には種々のものがあるが、酸性官能基量を制御する前の原料黒鉛の平均粒子径で5〜100μm程度のものを用いるのが好ましい。原料黒鉛の形状は特に限定されず、例えば鱗片状や球状、塊状など種々の形状のものを用いることができる。
本発明では、原料黒鉛の酸性官能基量や、該原料黒鉛の比表面積を予め制御しておくことも好ましい。すなわち、上記処理を施す前の原料黒鉛の有する酸性官能基量や比表面積をある程度調整しておけば、上記処理によって効果的に酸性官能基量を制御できるからである。処理前の原料黒鉛の有する酸性官能基量を調整するには、例えば非酸化性雰囲気中での熱処理などにより酸性官能基量を低減すれば良く、比表面積を調整するには、例えば原料黒鉛から微粉を除去しておけばよい。また、上記処理を施した後に、微粉を除去することによっても比表面積を制御できる。
本発明では、上記要件を満足する黒鉛を、種々の二次電池電極材料として用いることができるが、非水系の二次電池電極材料として用いるのが好適である。非水系の二次電池としては、リチウムイオン二次電池が例示される。
本発明の二次電池電極用黒鉛を用いて電極を作成する際には、バインダーと混合して成形するのが一般的であり、得られた電極は、種々の二次電池用の電極として用いることができる。二次電池としては種々のものがあるが、本発明の二次電池用の電極は、非水系二次電池用の電極として好適に用いることができる。中でも、黒鉛構造の層間へリチウムイオンをスムーズに脱挿入できるといった理由で、リチウムイオン二次電池の負極として用いるのが最適である。
本発明の二次電池用電極を負極として構成されるリチウムイオン二次電池の負極材料としては、本発明に係る二次電池電極用黒鉛の他に、バインダーとして例えばカルボキシメチルセルロースやスチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどを混合し、負極を作成すればよい。
リチウムイオン二次電池における正極材料としては、例えば、LiCoO2やLiNiO2、LiNi1-yCoy2、LiMnO2、LiMn24、LiFeO2などが用いられる。正極のバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデンやポリ四フッ化エチレンなどを採用できる。また導電材として、カーボンブラックなどを混合しても良い。
リチウムイオン二次電池における電解液としては、例えば、エチレンカーボネートなどの有機溶媒や、該有機溶媒とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシメタン、エトキシメトキシエタンなどの低沸点溶媒との混合溶媒に、LiPF6やLiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiAsF6などの電解液溶質(電解質塩)を溶解した溶液が用いられる。
リチウムイオン二次電池におけるセパレータとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム等が用いられる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で任意に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
下記実験例1〜7で得た黒鉛粒子を用いてリチウムイオン二次電池の負極を作製した。
実験例1
前掲のガス吸着法で測定した比表面積が4.0m2/gで、前掲のBoehmらの方法で測定した酸性官能基量が1.0ミリ当量/kgである人造黒鉛(平均粒径:25μm、純度:99%以上)に、ジェットミルによる衝突処理を施した。比表面積が4.0m2/g、酸性官能基量が1.0ミリ当量/kgであるので、前記人造黒鉛の比表面積当たりの酸性官能基量は0.25μ当量/m2である。
ジェットミルによる衝突処理は、前記図1に示した装置を用いて行なった。図1は、ホソカワミクロン社製カウンタージェットミル(装置名「100AFG」)の概略説明図である。槽1の内部は円筒状であり、槽1の下部側には三個の噴射ノズル3(ノズル内径:1.7mm)が槽1の中心に向けて配置されている。槽1の頂部には分級機4の一例として高速回転分級機が配置されている。高速回転分級機の回転数は20000rpmである。フィーダー2は槽1の側壁に設けられており、槽1の底部には吹き上げノズル5が設けられている。なお、図1では噴射ノズルを一個のみ図示した。
前記人造黒鉛200gをフィーダー2から導入し、噴射ノズル3のノズル吐出空気圧:0.13MPa、処理時間:10分間、槽1内温度:25℃、槽圧:0.01MPa、大気雰囲気下でジェットミルによる衝突処理を施した。
ジェットミルによる衝突処理後の人造黒鉛粒子の平均粒径は20μmであり、ガス吸着法で測定した比表面積は4.6m2/g、Boehmらの方法で測定した酸性官能基量は3.9ミリ当量/kgである。比表面積が4.6m2/g、酸性官能基量が3.9ミリ当量/kgであるので、前記人造黒鉛粒子の比表面積当たりの酸性官能基量は0.85μ当量/m2である。
実験例2
前記実験例1で用いた人造黒鉛(比表面積:4.0m2/g、酸性官能基量:1.0ミリ当量/kg、平均粒径:25μm、純度:99%以上)に、処理時間を30分間に変えた以外は前記実験例1と同じ条件で、ジェットミルによる衝突処理を施した。ジェットミルによる衝突処理後の人造黒鉛粒子の平均粒径は15μm、比表面積は6.7m2/g、酸性官能基量は8.0ミリ当量/kgであった。比表面積が6.7m2/g、酸性官能基量が8.0ミリ当量/kgであるので、前記ジェットミルによる衝突処理後の人造黒鉛粒子の比表面積当たりの酸性官能基量は1.19μ当量/m2である。
実施例3
天然黒鉛(平均粒径:28μm、ガス吸着法で測定した比表面積:5.0m2/g、Boehmらの方法で測定した酸性官能基量:5.0ミリ当量/kg、純度:99%以上)をN2気流中、1200℃、2時間保持して熱処理を行った。
熱処理後の天然黒鉛の平均粒径は28μm、ガス吸着法で測定した比表面積は4.7m2/g、Boehmらの方法で測定した酸性官能基量は0.2ミリ当量/kgである。比表面積が4.7m2/g、酸性官能基量が0.2ミリ当量/kgであるので、前記熱処理後の天然黒鉛の比表面積当たりの酸性官能基量は0.04μ当量/m2である。
この熱処理後の天然黒鉛に、処理時間を5分間とした以外は前記実験例1と同じ条件でジェットミルによる衝突処理を施した。ジェットミルによる衝突処理後の天然黒鉛粒子の平均粒径は25μm、比表面積は5.5m2/g、酸性官能基量は1.2ミリ当量/kgであった。比表面積が5.5m2/g、酸性官能基量が1.2ミリ当量/kgであるので、前記ジェットミルによる衝突処理後の天然黒鉛粒子の比表面積当たりの酸性官能基量は0.22μ当量/m2である。
実験例4
前記実験例3で用いた熱処理後の天然黒鉛(比表面積:4.7m2/g、酸性官能基量:0.2ミリ当量/kg、平均粒径:28μm)に、処理時間を15分間とした以外は前記実験例1と同じ条件で、ジェットミルによる衝突処理を施した。ジェットミルによる衝突処理後の天然黒鉛粒子の平均粒径は20μm、比表面積は5.9m2/g、酸性官能基量は2.9ミリ当量/kgである。比表面積が5.9m2/g、酸性官能基量が2.9ミリ当量/kgであるので、前記ジェットミルによる衝突処理後の天然黒鉛粒子の比表面積当たりの酸性官能基量は0.49μ当量/m2である。
実験例5
前記実験例1で用いた人造黒鉛(比表面積:4.0m2/g、酸性官能基量:1.0ミリ当量/kg、平均粒径:25μm、純度:99%以上)を、そのままリチウムイオン二次電池の負極材料として用いた。比表面積が4.0m2/g、酸性官能基量が1.0ミリ当量/kgであるので、前記人造黒鉛の比表面積当たりの酸性官能基量は0.25μ当量/m2である。
実験例6
前記実施例3で用いた熱処理後の天然黒鉛(比表面積:4.7m2/g、酸性官能基量:0.2ミリ当量/kg、平均粒径:28μm)を、そのままリチウムイオン二次電池の負極材料として用いた。比表面積が4.7m2/g、酸性官能基量が0.2ミリ当量/kgであるので、前記熱処理後の天然黒鉛の比表面積当たりの酸性官能基量は0.04μ当量/m2である。
実験例7
前記人造黒鉛の代わりに天然黒鉛(平均粒径:45μm、比表面積:4.0m2/g、酸性官能基量:4.2ミリ当量/kg、純度:99%以上)を用い、処理時間を10分間とした以外は前記実験例1と同じ条件でジェットミルによる衝突処理を施した。ジェットミルによる衝突処理後の天然黒鉛粒子の平均粒径は38μm、比表面積は5.5m2/g、酸性官能基量は6.0ミリ当量/kgである。比表面積が5.5m2/g、酸性官能基量が6.0ミリ当量/kgであるので、前記ジェットミルによる衝突処理後の天然黒鉛粒子の比表面積当たりの酸性官能基量は1.09μ当量/m2である。
上記実験例1〜7で得た黒鉛の比表面積、質量当たりの酸性官能基量、比表面積当たりの酸性官能基量を夫々表1に示す。
Figure 0004338489
表1の実験例1と実験例2、実験例3と実験例4から明らかな様に、ジェットミルによる衝突処理時間を長くするにつれて、黒鉛の質量当たりの酸性官能基量は増加している。また、黒鉛の比表面積当たりの酸性官能基量も増加している。
次に、上記実験例1〜7で得た黒鉛粒子を二次電池用電極材料として用いて、コイン型のリチウムイオン二次電池を作製し、負極の性能として初期効率とサイクル特性を評価した。
リチウムイオン二次電池(コイン型)用の負極は、次に示す様に作成した。上記実験例1〜7で得られた人造黒鉛粒子(または天然黒鉛粒子)100質量部に対して、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学社製、商品名:CMC−1150)1質量部およびスチレンブタジエンゴム粉末(日本合成ゴム社製)0.5質量部を混合し、これに純水100質量部を加えてスラリー状にした。得られたスラリーを厚さ18μmの銅箔上に塗布し、乾燥機(100℃)で1時間乾燥した。乾燥後の膜を直径1.6cmの円形に打ち抜いたのち、銅箔を除く塗布量を測定すると20mgであった。この膜をローラープレス機で、銅箔上に塗布した塗布物の密度が1.6g/ccとなるようにプレスしてリチウムイオン二次電池用の負極を作製した。
リチウムイオン二次電池(コイン型)用の正極には、初期効率を算出するために作製するリチウムイオン二次電池用の正極としてはリチウム箔を用い、サイクル特性を算出するために作製するリチウムイオン二次電池用の正極としてはLiCoO2を活物質とする電極を用いた。LiCoO2を活物質とする電極は、次に示す方法で作成した。
LiCoO290質量部に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン12%溶液(クレハ化学社製、商品名:KFP−1320)5質量部、導電材としてケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、商品名:ケッチェンブラック)5質量部を夫々混合し、これにN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学社製)200質量部を加えてスラリー状にする。得られたスラリーを厚さ30μmのアルミ箔上に塗布し、乾燥機(100℃)で1時間乾燥した。乾燥後の膜を直径1.6cmの円形に打ち抜いたのち、アルミ箔を除く塗布量を測定すると45mgであった。この膜をアルミ箔上に塗布した塗布物の密度が2.8g/ccとなるようにローラープレス機でプレスし、リチウムイオン二次電池用の正極を作製した。
負極と正極を、セパレータを介して対向させ、ステンレス製セルに組み込んで電池を作製した。電解液としては、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートを容積比1:1で混合した溶媒に、LiPF6を1Mの割合で溶解させたもの(三菱化学社製、商品名:ソルライト)を0.4mL用いた。セパレータとしては、Celgard社製の「セルガード#3501(商品名)」を用いた。なお、電池の組み立てはアルゴンガス雰囲気下で行なった。
負極の性能を評価するために電池の初期効率を算出した。電池の正極としてリチウム箔を用い、電池の充電は電流値0.74mAで0Vまで充電した後、0Vの定電位で電流値が0.2mAとなるまで行なった。電池の放電は、電流値0.74mAで1.0Vになるまで行なった。一回目の充電容量と放電容量から下記(2)式によって初期効率を計算した。算出結果を前記表1に併せて示す。また、黒鉛の質量当たりの酸性官能基量と初期効率の関係を示すグラフを図2に示す。
Figure 0004338489
また、負極の性能を評価するために電池のサイクル特性を算出した。電池の正極としてLiCoO2を活物質とする電極を用い、電池の充電は電流値6.4mAで4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で電流値が0.2mAとなるまで行なった。電池の放電は、電流値6.4mAで3.0Vとなるまで行なった。サイクル特性は、1サイクル目の放電容量と充放電を150サイクル繰り返したときの放電容量から下記(3)式で算出した。算出結果を前記表1に併せて示す。また、黒鉛の比表面積当たりの酸性官能基量とサイクル特性の関係を示すグラフを図3に示す。
Figure 0004338489
表1及び図2〜3から明らかな様に、実験例1または4で得た黒鉛は、本発明で規定する要件を充足するものであり、この黒鉛を用いて作製した電極を電池の負極として構成したリチウムイオン二次電池は、従来程度の初期効率を確保しつつ、サイクル特性を向上させることができる。これに対し、実験例2,3,5〜7で得た黒鉛は、本発明で規定するいずれかの要件を欠くものであり、この黒鉛を用いて作製した電極を、電池の負極として構成したリチウムイオン二次電池は、初期効率またはサイクル特性の少なくとも一方が悪い。
ジェットミル装置の概略説明図である。 黒鉛の質量当たりの酸性官能基量と初期効率の関係を示すグラフである。 黒鉛の比表面積当たりの酸性官能基量とサイクル特性の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 槽
2 フィーダー
3 噴射ノズル
4 分級機
5 吹き上げノズル


Claims (4)

  1. 二次電池用の電極を製造する際に用いる黒鉛であって、
    衝突処理を施すことで、前記黒鉛の酸性官能基量が、質量当たり5ミリ当量/kg以下で、且つ、比表面積当たり0.3μ当量/m2以上に制御されていることを特徴とする二次電池電極用黒鉛。
  2. 前記衝突処理は、ジェットミルによるものである請求項1に記載の二次電池電極用黒鉛。
  3. 請求項1または2に記載の二次電池電極用黒鉛を含むことを特徴とする二次電池用電極。
  4. 請求項に記載の二次電池用電極を、負極として構成されることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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