JP4338275B2 - ミラーサイクルエンジンの運転方法及び排気マニホールド容積の設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、過給機で加圧した給気を冷却器で冷却した後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するとともに、シリンダの給気ポート側に備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部を給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させる遅閉じミラーサイクルエンジンに関するものであり、例えば、コジェネレーション用過給式ミラーサイクルガスエンジンとして採用することが期待されているエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃費向上の手段として、ミラーサイクルが公知である。
ミラーサイクルとは、 圧縮比を膨張比より小さく維持することによりノッキングの発生を回避しつつ、高い熱効率を実現する有効な膨張比を実現するものであり、燃焼ガスが持つエネルギーを十分に膨張させて取り出すことができ、熱効率が向上する。
このミラーサイクルに希薄燃焼を組み合わせると、さらなる膨張比の拡大が可能であり、一層の熱効率向上が見込める。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような希薄燃焼ミラーサイクルを実際のエンジンに適用しようとすると、以下の問題が発生する。
ミラーサイクルのエンジンへの適用にあっては、エンジンの膨張比を圧縮比よりも大きくする。これには、エンジンのストロークを大きくし、膨張終了時のシリンダ容積を大きくする方法と、エンジンのストロークを一定とし、圧縮開始時のシリンダ容積を小さくする方法とがある。
前者の方法は、シリンダ容積が極めて大きくなり、単位出力あたりのエンジンが大きくなりすぎ、実用的でない。従って、実際には、後者の方法を用いることが多い。この場合、エンジンの出力を維持するためには、小さなシリンダ容積に高密度の混合気を供給する必要があり、過給機により予め高圧縮された混合気を供給する必要がある。一般に過給気に排気タービン過給機を用いることがほとんどであり、このように混合気の圧縮仕事を増大するということは、過給機タービンでの膨張仕事を大きくするということに他ならない。
また、理論空気比エンジンに比べて膨張仕事を大きくするためには、排気タービン入り口圧力を高くする必要がある。希薄燃焼エンジンにおいては、排気ガス温度が低いので排気ガスエネルギが少ない割に大きな膨張仕事を得るためにはエンジンの排気タービン入口圧力を高くせざるをえない。
つまり、希薄燃焼ミラーサイクルエンジンは、従来のエンジンあるいは理論空気比ミラーサイクルエンジンに比べ、ポンピングロスが大きくなりやすい。このため、熱膨張比を大きくしたことによるミラーサイクルエンジンの効率向上の効果を充分に確保し難い。
【0004】
この状況を、エンジンのPV曲線に基づいて説明すると以下のようになる。
一般的なターボ過給式ガスエンジンのPV曲線を図6に示す。図6の斜線部分が正の仕事を表し、網かけ部分が負の仕事(ポンピングロス)を表すので、ガスエンジンの仕事量は、斜線部分から網かけ部分を引いたものとなる。熱効率が良いエンジンとは、同消費燃料量で、斜線部分から網かけ部分を引いた部分の面積が大きいエンジンを意味する。
図7に、ミラーサイクルでない希薄燃焼ガスエンジンの低圧部のPV曲線を示す。この場合、前述の理由から過給機タービン入口圧力を低く抑制できるので、エンジンの排気行程中のシリンダ内圧力は低く、ポンピングロスも小さく維持される。
これに対して、希薄燃焼ミラーサイクルでは、過給機の圧縮仕事・膨張仕事が大きく、しかも排気温度が低いので、過給機タービン入口圧力が高くなる傾向にある。
また、過給機の圧力比が大きく過給機を効率の良い圧力比の低いポイントで使用できないのでターボ過給機の効率が低下し、エンジンの排気タービン入り口圧力はさらに高くなってしまうため、図7に示すエンジン構造をそのまま適応して希薄ミラーサイクルとすると、ポンピングロスは図8に示すように大きくなる。即ち、上述のようにミラーサイクルエンジンの効率が充分に発揮できないこととなる。
【0005】
従って、従来よりミラーサイクルエンジンと希薄燃焼を組み合わせたコンセプトは知られているものの、未だ希薄燃焼ミラーサイクルエンジンは実用化に至っていない。
本発明の目的は、希薄燃焼をおこなうミラーサイクルエンジンにおいてポンピングロスを合理的範囲に抑えることができ、熱効率の点で有利な希薄燃焼ミラーサイクルエンジンの運転方法及び排気マニホールド容積の設定方法を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題の解決にあたって、発明者らは、希薄燃焼ミラーサイクルエンジンの排気行程中のシリンダ圧力を下げ、エンジンの燃費を向上させることを考えた。さらに具体的には、希薄燃焼ミラーサイクルエンジンにおいては、給気弁閉時期および空気過剰率と、排気マニホールドの容積との関係を適正化することにより、エンジンのポンピングロスを小さくでき、エンジン効率を改善できることを見出し、本願発明を完成した。
希薄燃焼ミラーサイクルとして大きな効果を発揮できるエンジンの運転条件範囲は、後に示すように空気過剰率が1.5以上で、給気弁閉時期基準圧縮比が行程容積基準圧縮比の0.7倍以下の範囲であり、このような範囲でエンジンが使用されることが好ましい。
ここで、行程容積基準圧縮比は、ピストンが上死点にあるときのシリンダ内容積V2/ピストンが下死点にあるときのシリンダ内容積V1と、さらに給気弁閉時期基準圧縮比は、ピストンが上死点にあるときのシリンダ内容積V2/給気弁が遅閉じを行う時点でのシリンダ内容積V3と定義される。
さらに空気過剰率γは、理論混合比に対する空燃比A/Fとして定義される。
また、本願にあって排気マニホールドの容積とは、エンジンの各シリンダの出口から過給機ターボ入り口までの容積を意味する。
上記の目的を達成するための希薄燃焼ミラーサイクルガスエンジンの構成は、排気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比をt、給気弁閉時期基準圧縮比と行程容積基準圧縮比との比をu、空気過剰率をγとするに、給気弁閉時期基準圧縮比が行程容積基準圧縮比の0.7倍以下、空気過剰率γが1.5以上で運転され、排気マニホールド容積が、(1/u×γ)0.5/10≦t≦3を満足する範囲とされていることにある。
排気マニホールド容積を、前記uとγとの関係において、前記の要件を充たすようにしておくと、希薄燃焼ミラーサイクルにおいて問題となるポンピングロスを、その下限値に近い状態にまで抑えることができる。
ここで、tが上記下限値より小さいとポンピングロスが急激に増加し、好ましくない。一方、tが3より大きくなると、排気マニホールドが大きくなりすぎ、実際上、高コストになるので実用的でない。
両圧縮比の関係と空気過剰率とを、上記の状態にすることにより、エンジン効率を比較的高く維持できる運転状態を実現できるが、このようなチューニングされた状態において、さらに排気マニホールド容積を適正にすることで、より高い効率を実現できる。ここで、給気弁閉時期基準の下限は、4程度であり、空気過剰率の上限は、2.5程度となる。
結局、過給機で加圧した給気を冷却器で冷却した後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するとともに、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンの運転方法としては、請求項1に記載されているように、給気弁閉時期基準圧縮比と行程容積基準圧縮比との比をu、空気過剰率をγ、排気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比をtとして、
(1/u×γ) 0.5 /10≦t≦3を満たすミラーサイクルエンジンを、給気弁閉時期基準圧縮比が行程容積基準圧縮比の0.7倍以下(u≦0.7)、空気過剰率γが1.5以上の運転条件の下に運転することが、ポンピングロス低減と、ひいては、エンジン効率の向上との点で好ましいのである。
【0007】
このようなtの範囲は、請求項2に記載されているように、前記排気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比tが(1/u×γ)0.5/6≦t≦0.8の範囲に設定できる。
このtの下限は、排気マニホールド容積を増加させていった場合に、所定のエンジン運転条件において到達できるポンピングロスの下限をほぼ実現する下限値であり、この値を下限として設定することで、ポンピングロスを十分に抑えた状態で希薄燃焼ミラーサイクルを実現できる。さらに、tを1程度までとすることで、排気マニホールド容積を過大にならない状態に維持できる。
また、上述した範囲に排気マニホールドを設定した場合、排気マニホールドの容積は給気機弁の遅閉じが進むにつれて大きくなることとなる。これは過給機仕事が大きき時ほど、排気マニホールド容積が大きくなることを意味し、これにより過給機タービン入り口の圧力変動が小さくなるので、過給機の効率が向上し、ガスエンジンの効率も向上できる。
【0008】
さらに、前記排気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比tは、(1/u×γ)0.5/6≦t≦0.6の範囲に設定されていることがさらに好ましい。tの下限は上述の理由によるが、上限は実用性を考慮したものである。
【0009】
このように、エンジン総排気量に対する排気マニホールド容積を設定する方法にあっては、請求項3に記載されている様に、排気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比tの範囲を、給気弁閉時期基準圧縮比と行程容積基準圧縮比との比uの逆数1/u及びエンジン空気過剰率γとに基づいて設定することが好ましい。
このような希薄燃焼ミラーサイクルにあっては、排気マニホールド部位における圧力は、上記の1/uとγとに依存することとなるため、これらの要件を考慮して排気マニホールド容積を決定することで、希薄燃焼ミラーサイクルを実現する場合に、ポンピングロスを十分に低い状態とし、効率の向上を達成できるエンジンを得ることとなる。
上述するように、エンジン総排気量に対する排気マニホールド容積の設定を上記の請求項4に記載されているような方法で設定することが好ましいが、この場合も、請求項1に記載されている様に、前記排気マニホールド容積とエンジン総排気量との比tを設定するのに、(1/u×γ)0.5/6≦t≦0.8を満足するものとすることが好ましい。この理由は、先に説明したと同様である。
なお、このミラーサイクルは、制御の複雑さから、一定負荷、一定回転数で運転されるコージェネレーション用エンジンに特に有効であるが、ディーゼルエンジンでは燃料の噴射時期と噴射量を制御することにより、ノッキングを回避することが可能であるので、ミラーサイクルを適用しても大きな効果は得られない。このため、特にコージェネーレーション用ガスエンジンにおいて、本願のような希薄燃焼ミラーサイクルを実現できるエンジン構造を採用することが特に有効である。
【0010】
【発明の実施の形態】
ターボ過給式ガスエンジン1のフローを図1に示す。給気系では、ミキサー2にて混合された混合気が過給機10のブロア部3にて圧縮される。圧縮により高温になった混合気は給気冷却器4により冷却されてから、給気ポート5に導かれ、ガスエンジン1のシリンダ6内に供給される。排気は、過給機のタービン部7を通過して過給機10を駆動させた後、排気される。
このエンジン1の運転にあたっては、過給機10で加圧した給気を吸気冷却器4で冷却した後に給気ポート5を介してシリンダ6内に給気するとともに、前記シリンダ6の前記給気ポート側に備えられた給気弁50を下死点より遅らせて閉じてシリンダ6内の給気の一部を給気ポート5に吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させて運転する。この場合に、給気弁閉時期基準圧縮比を行程容積基準圧縮比の0.7倍以下(好ましくは0.7以下0.3以上)で、空気過剰率γを1.5以上(好ましくは1.5以上2.5以下)で運転する。
【0011】
さて、上記の構成のミラーサイクルガスエンジンを対象として、排気マニホールドの容積を変化させて、ポンピングロスの変化を調べた。この調査に当たっては、実機における実験を行うと共に、数値シミュレーションを行った。
結果を図2に示した。以下、実験状況と数値シミュレーションの状況を順に説明する。
[実験]
エンジン回転数を1200rpm、空気過剰率γを2に保った状態において、排気マニホールド容積を、排気マニホールド容積/エンジン総排気量で、0.1と0.4に変化させると共に、給気弁閉時期基準圧縮比と行程容積基準圧縮比との比uを、0.4から0.7の範囲で変化させた。
これら以外のエンジンの主な要件に関しては、以下のようにした。
主燃料 都市ガス13A、
総行程容積 4086×6cc、
シリンダ数 6、内径×行程(mm)170×180,
給気弁開閉時期
opened 38°deg BTDC,
closed 45〜116° ABDC
排気弁開閉時期
opened 58° deg BBDC,
closed 25° deg ATDC,
アフタークーラの出口の給気温度は45℃程度とし、給気圧力は9.8×104Paから2.45×104Pa程度とした。
結果を図2に丸印で示した。
[数値シミュレーション]
上記の実験に対応して、エンジン回転数、空気過剰率γ等を、上記の条件に相当するものとし、uを上記と同様の値とした場合における、排気マニホールドの容積の変化に対するポンピングロスを求めた。
シミュレーションの結果を図2の実線で示した。各線に対応して、パラメータとしてのuを示した。uも0.4〜0.7まで変化させた。
図中、排気マニホールドの容積は、エンジン総排気量の倍数で示している。この図より、排気マニホールドの容積を大きくすると、ポンピングロスが小さくなり、下限値が存在することがわかる。
図2で示すような状況は、以下のように説明できる。
必要な排気マニホールドの大きさは、おおむね(1/u)0.5に比例する。さらに、1/uは、給気弁閉時期を示すパラメータであるが、この値が大きい程、給気圧が高いことを意味する。遅閉じが進むほど、高い給気圧が必要であるため、必然的にエンジン排気行程中のシリンダ内圧力も大きくなり、ポンピングロスが増大する。エンジン排気行程中のシリンダ内圧力を下げるためには、排気マニホールド内の圧力が一定であるほどよく、このためには、大きな排気マニホールドが必要となる。一方、空気過剰率γを大ききするためには、やはり高い給気圧が必要であり、同様の傾向を持つこととなる。
即ち、効率向上に必要な排気マニホールドの大きさは、おおむね、(1/u×γ)0.5に比例した大きさとなる。従って、この指標に従って、排気マニホールド容積の下限値を設定することが好ましいのである。
更に、図2の数値計算結果からも判明するように、uを一定に維持した場合におけるポンピングロスは、排気マニホールド容積の増加に従ってtが小さい領域では比較的早期に減少するが、tがある値の範囲を超えるとこの減少が起こらなくなる。即ち、図2においてポンピングロスを示す線は横軸に平行な線となる。
このように、ポンピングロスを減少できない領域まで排気マニホールド容積を増加させることは、エンジンの大型化を招来するだけである。
従って、tの下限値は、図2に示すように、(1/u×γ)0.5/10(破線で示す)、もしくは(1/u×γ)0.5/6(二点鎖線で示す)とすることができる。ここで、前者の限界は、減少傾向に変化の兆しがあらわれる限界であり、後者の限界は、排気マニホールド容積の増加に伴う改善が認められない限界である。排気マニホールド容積の上限に関しては、エンジン排気量の3倍程度が実用上の理由から限界となる。
また、実験結果と数値シミュレーション結果はよく一致している。
【0012】
[実験]
図3に、本願発明の一例である、圧縮比の比を0.4、空気過剰率を2として、エンジン回転数を1200(γpm)とした場合において、排気マニホールド容積をエンジン排気量の0.4倍(t=0.4)としたときのエンジンの低圧部のPVを示す。図8に示す従来例(t=0.1)に比べて、エンジンのポンピングロスが減少していることが確認できる。
ポンピングロスは、従来例の約2/3に低減できた。(平均有効圧力が110×104 Paのエンジンにおいて、ポンピングロスが5.9×104 Paから3.9×104 Paに改善され、エンジン効率は0.7〜0.8%改善される)。
【0013】
一方 図4に、圧縮比の比uとエンジン軸端効率の関係を示す。uを大きくすると、図4に示すように、ポンピングロスは低下するものの、逆にエンジン軸端効率が悪くなる。これは、uを大きくすることにより(吸気弁閉時期を早める)、圧縮比<膨張比というミラーサイクルエンジンの本来の有利性が弱くなり、ノッキングを発生するためであり、このため良好な燃焼が実現できない。給気弁閉時期をさらに早めると、この傾向は一層強まるものと思われ、ミラーサイクルの有利性を発揮できない。
即ち、ミラーサイクルとしての効果を期待する場合、uを0.7以下とすることが適当である。さらに、この値が0.4より低くなると、再度、効率の低下傾向が現れる。この実験にあたっては、先に示した実験の条件を踏襲し、エンジン回転数1200回転、空気過剰率2に固定した。
【0014】
図5に空気過剰率γとエンジン軸端効率の関係を示す。空気過剰率γを小さくしすぎると、ノッキングが発生するため、良好な燃焼ができず、空気過剰率1.5以上を確保することが必要である。エンジン回転数1200回転、u=0.4に固定した。ここで、空気過剰率γの上限は燃焼の安定上(希薄になり過ぎると燃焼が不安定になる)の理由から2.5となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミラーサイクルガスエンジンの構成を示す図
【図2】排気マニホールド容積/エンジン排気量tとポンピングロスとの関係を示す図
【図3】本願要件を充たす排気マニホールドを備えたエンジンのPV線図
【図4】給気弁基準圧縮比/行程容積基準圧縮比uとエンジン効率との関係を示す図
【図5】空気過剰率γとエンジン効率との関係を示す図
【図6】ポンピングロスの説明図
【図7】ミラーサイクルでない希薄燃焼ガスエンジンのPV線図
【図8】図7に示すエンジンをミラーサイクルとして運転した場合のPV線図
【符号の説明】
1 希薄燃焼ミラーサイクルエンジン
2 ミキサー
3 過給機ブロアー
4 給気冷却器
5 給気ポート
6 シリンダ
7 過給機タービン
10 過給機
50 給気弁
Claims (4)
- 過給機で加圧した給気を冷却器で冷却した後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するとともに、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンの運転方法であって、
給気弁閉時期基準圧縮比と行程容積基準圧縮比との比をu、空気過剰率をγ、排気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比をtとして、
(1/u×γ)0.5/10≦t≦3を満たすミラーサイクルエンジンを、給気弁閉時期基準圧縮比が行程容積基準圧縮比の0.7倍以下(u≦0.7)、空気過剰率γが1.5以上の運転条件の下に運転するミラーサイクルエンジンの運転方法。 - (1/u×γ)0.5/6≦t≦0.8を満たすミラーサイクルエンジンを使用する請求項1記載のミラーサイクルエンジンの運転方法。
- 過給機で加圧した給気を冷却器で冷却した後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するとともに、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンの排気マニホールド容積の設定方法であって、排気マニホールド容積の下限を、給気弁閉時期基準圧縮比と行程容積基準圧縮比との比uの逆数1/u及び空気過剰率γとに基づいて設定するミラーサイクルエンジンの排気マニホールド容積の設定方法。
- 前記排気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比tを設定するに、(1/u×γ)0.5/6≦t≦0.8を満足するものとする請求項3記載のミラーサイクルエンジンの排気マニホールド容積の設定方法。
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