JP2001193468A - ミラーサイクルエンジン - Google Patents

ミラーサイクルエンジン

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JP2001193468A JP2000002536A JP2000002536A JP2001193468A JP 2001193468 A JP2001193468 A JP 2001193468A JP 2000002536 A JP2000002536 A JP 2000002536A JP 2000002536 A JP2000002536 A JP 2000002536A JP 2001193468 A JP2001193468 A JP 2001193468A
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希薄燃焼をおこなうミラーサイクルエンジン
においてポンピングロスを合理的範囲に抑えることがで
き、熱効率の点で有利な物とする。 【解決手段】 給気弁閉時期基準圧縮比が行程容積基準
圧縮比の0.7倍以下、空気過剰率γが1.5以上で運
転される希薄燃焼遅閉じミラーサイクルエンジンを、排
気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比をt、
給気弁閉基準圧縮機比と行程容積基準圧縮比との比をu
とするに、(1/u×γ)0.5/10≦t≦3を満たすも
のとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過給機で加圧した
給気を冷却器で冷却した後に給気ポートを介してシリン
ダ内に給気するとともに、シリンダの給気ポート側に備
えられた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内
の給気の一部を給気ポートに吹き戻すことで膨張比より
も圧縮比を低下させる遅閉じミラーサイクルエンジンに
関するものであり、例えば、コジェネレーション用過給
式ミラーサイクルガスエンジンとして採用することが期
待されているエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃費向上の手段として、ミラ
ーサイクルが公知である。ミラーサイクルとは、 圧縮比
を膨張比より小さく維持することによりノッキングの発
生を回避しつつ、高い熱効率を実現する有効な膨張比を
実現するものであり、燃焼ガスが持つエネルギーを十分
に膨張させて取り出すことができ、熱効率が向上する。
このミラーサイクルに希薄燃焼を組み合わせると、さら
なる膨張比の拡大が可能であり、一層の熱効率向上が見
込める。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな希薄燃焼ミラーサイクルを実際のエンジンに適用し
ようとすると、以下の問題が発生する。ミラーサイクル
のエンジンへの適用にあっては、エンジンの膨張比を圧
縮比よりも大きくする。これには、エンジンのストロー
クを大きくし、膨張終了時のシリンダ容積を大きくする
方法と、エンジンのストロークを一定とし、圧縮開始時
のシリンダ容積を小さくする方法とがある。前者の方法
は、シリンダ容積が極めて大きくなり、単位出力あたり
のエンジンが大きくなりすぎ、実用的でない。従って、
実際には、後者の方法を用いることが多い。この場合、
エンジンの出力を維持するためには、小さなシリンダ容
積に高密度の混合気を供給する必要があり、過給機によ
り予め高圧縮された混合気を供給する必要がある。一般
に過給気に排気タービン過給機を用いることがほとんど
であり、このように混合気の圧縮仕事を増大するという
ことは、過給機タービンでの膨張仕事を大きくするとい
うことに他ならない。また、理論空気比エンジンに比べ
て膨張仕事を大きくするためには、排気タービン入り口
圧力を高くする必要がある。希薄燃焼エンジンにおいて
は、排気ガス温度が低いので排気ガスエネルギが少ない
割に大きな膨張仕事を得るためにはエンジンの排気ター
ビン入口圧力を高くせざるをえない。つまり、希薄燃焼
ミラーサイクルエンジンは、従来のエンジンあるいは理
論空気比ミラーサイクルエンジンに比べ、ポンピングロ
スが大きくなりやすい。このため、熱膨張比を大きくし
たことによるミラーサイクルエンジンの効率向上の効果
を充分に確保し難い。
【0004】この状況を、エンジンのPV曲線に基づい
て説明すると以下のようになる。一般的なターボ過給式
ガスエンジンのPV曲線を図6に示す。図6の斜線部分
が正の仕事を表し、網かけ部分が負の仕事(ポンピング
ロス)を表すので、ガスエンジンの仕事量は、斜線部分
から網かけ部分を引いたものとなる。熱効率が良いエン
ジンとは、同消費燃料量で、斜線部分から網かけ部分を
引いた部分の面積が大きいエンジンを意味する。図7
に、ミラーサイクルでない希薄燃焼ガスエンジンの低圧
部のPV曲線を示す。この場合、前述の理由から過給機
タービン入口圧力を低く抑制できるので、エンジンの排
気行程中のシリンダ内圧力は低く、ポンピングロスも小
さく維持される。これに対して、希薄燃焼ミラーサイク
ルでは、過給機の圧縮仕事・膨張仕事が大きく、しかも
排気温度が低いので、過給機タービン入口圧力が高くな
る傾向にある。また、過給機の圧力比が大きく過給機を
効率の良い圧力比の低いポイントで使用できないのでタ
ーボ過給機の効率が低下し、エンジンの排気タービン入
り口圧力はさらに高くなってしまうため、図7に示すエ
ンジン構造をそのまま適応して希薄ミラーサイクルとす
ると、ポンピングロスは図8に示すように大きくなる。
即ち、上述のようにミラーサイクルエンジンの効率が充
分に発揮できないこととなる。
【0005】従って、従来よりミラーサイクルエンジン
と希薄燃焼を組み合わせたコンセプトは知られているも
のの、未だ希薄燃焼ミラーサイクルエンジンは実用化に
至っていない。本発明の目的は、希薄燃焼をおこなうミ
ラーサイクルエンジンにおいてポンピングロスを合理的
範囲に抑えることができ、熱効率の点で有利な希薄燃焼
ミラーサイクルエンジンを得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題の解決にあた
って、発明者らは、希薄燃焼ミラーサイクルエンジンの
排気行程中のシリンダ圧力を下げ、エンジンの燃費を向
上させることを考えた。さらに具体的には、希薄燃焼ミ
ラーサイクルエンジンにおいては、給気弁閉時期および
空気過剰率と、排気マニホールドの容積との関係を適正
化することにより、エンジンのポンピングロスを小さく
でき、エンジン効率を改善できることを見出し、本願発
明を完成した。希薄燃焼ミラーサイクルとして大きな効
果を発揮できるエンジンの運転条件範囲は、後に示すよ
うに空気過剰率が1.5以上で、給気弁閉時期基準圧縮
比が行程容積基準圧縮比の0.7倍以下の範囲であり、
このような範囲でエンジンが使用されることが好まし
い。ここで、行程容積基準圧縮比は、ピストンが上死点
にあるときのシリンダ内容積V2/ピストンが下死点に
あるときのシリンダ内容積V1と、さらに給気弁閉時期
基準圧縮比は、ピストンが上死点にあるときのシリンダ
内容積V2/給気弁が遅閉じを行う時点でのシリンダ内
容積V3と定義される。さらに空気過剰率γは、理論混
合比に対する空燃比A/Fとして定義される。また、本
願にあって排気マニホールドの容積とは、エンジンの各
シリンダの出口から過給機ターボ入り口までの容積を意
味する。上記の目的を達成するための希薄燃焼ミラーサ
イクルガスエンジンの構成は、請求項1に記載されてい
るように、排気マニホールドの容積とエンジン総排気量
との比をt、給気弁閉基準圧縮比と行程容積基準圧縮比
との比をu、空気過剰率をγとするに、給気弁閉時期基
準圧縮比が行程容積基準圧縮比の0.7倍以下、空気過
剰率γが1.5以上で運転され、排気マニホールド容積
が、(1/u×γ)0.5/10≦t≦3を満足する範囲と
されていることにある。排気マニホールド容積を、前記
uとγとの関係において、前記の要件を充たすようにし
ておくと、希薄燃焼ミラーサイクルにおいて問題となる
ポンピングロスを、その下限値に近い状態にまで抑える
ことができる。ここで、tが上記下限値より小さいとポ
ンピングロスが急激に増加し、好ましくない。一方、t
が3より大きくなると、排気マニホールドが大きくなり
すぎ、実際上、高コストになるので実用的でない。両圧
縮比の関係と空気過剰率とを、上記の状態にすることに
より、エンジン効率を比較的高く維持できる運転状態を
実現できるが、このようなチューニングされた状態にお
いて、さらに排気マニホールド容積を適正にすること
で、より高い効率を実現できる。ここで、給気弁閉時期
基準の下限は、4程度であり、空気過剰率の上限は、
2.5程度となる。結局、過給機で加圧した給気を冷却
器で冷却した後に給気ポートを介してシリンダ内に給気
するとともに、前記シリンダの前記給気ポート側に備え
られた給気弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の
給気の一部を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よ
りも圧縮比を低下させるミラーサイクルエンジンの運転
方法としては、請求項5に記載されているように、給気
弁閉時期基準圧縮比が行程容積基準圧縮比の0.7倍以
下、空気過剰率γが1.5以上の運転条件において、排
気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比をt、
給気弁閉基準圧縮機比と行程容積基準圧縮比との比をu
として、(1/u×γ)0.5/10≦t≦3を満たすミラ
ーサイクルエンジンを採用することが、ポンピングロス
低減と、ひいては、エンジン効率の向上との点で好まし
いのである。
【0007】このようなtの範囲は、請求項2に記載さ
れているように、前記排気マニホールドの容積とエンジ
ン総排気量との比tが(1/u×γ)0.5/6≦t≦0.
8の範囲に設定できる。このtの下限は、排気マニホー
ルド容積を増加させていった場合に、所定のエンジン運
転条件において到達できるポンピングロスの下限をほぼ
実現する下限値であり、この値を下限として設定するこ
とで、ポンピングロスを十分に抑えた状態で希薄燃焼ミ
ラーサイクルを実現できる。さらに、tを1程度までと
することで、排気マニホールド容積を過大にならない状
態に維持できる。また、上述した範囲に排気マニホール
ドを設定した場合、排気マニホールドの容積は給気機弁
の遅閉じが進むにつれて大きくなることとなる。これは
過給機仕事が大きき時ほど、排気マニホールド容積が大
きくなることを意味し、これにより過給機タービン入り
口の圧力変動が小さくなるので、過給機の効率が向上
し、ガスエンジンの効率も向上できる。
【0008】さらに、前記排気マニホールドの容積とエ
ンジン総排気量との比tは、(1/u×γ)0.5/6≦t
≦0.6の範囲に設定されていることがさらに好まし
い。tの下限は上述の理由によるが、上限は実用性を考
慮したものである。
【0009】このように、エンジン総排気量に対する排
気マニホールド容積を設定する方法にあっては、請求項
3に記載されている様に、排気マニホールドの容積とエ
ンジン総排気量との比tの範囲を、給気弁閉基準圧縮機
比と行程容積基準圧縮比との比uの逆数1/u及びエン
ジン空気過剰率γとに基づいて設定することが好まし
い。このような希薄燃焼ミラーサイクルにあっては、排
気マニホールド部位における圧力は、上記の1/uとγ
とに依存することとなるため、これらの要件を考慮して
排気マニホールド容積を決定することで、希薄燃焼ミラ
ーサイクルを実現する場合に、ポンピングロスを十分に
低い状態とし、効率の向上を達成できるエンジンを得る
こととなる。上述するように、エンジン総排気量に対す
る排気マニホールド容積の設定を上記の請求項4に記載
されているような方法で設定することが好ましいが、こ
の場合も、請求項5に記載されている様に、前記排気マ
ニホールド容積とエンジン総排気量との比tを設定する
のに、(1/u×γ)0.5/6≦t≦0.8を満足するも
のとすることが好ましい。この理由は、先に説明したと
同様である。なお、このミラーサイクルは、制御の複雑
さから、一定負荷、一定回転数で運転されるコージェネ
レーション用エンジンに特に有効であるが、ディーゼル
エンジンでは燃料の噴射時期と噴射量を制御することに
より、ノッキングを回避することが可能であるので、ミ
ラーサイクルを適用しても大きな効果は得られない。こ
のため、特にコージェネーレーション用ガスエンジンに
おいて、本願のような希薄燃焼ミラーサイクルを実現で
きるエンジン構造を採用することが特に有効である。
【0010】
【発明の実施の形態】ターボ過給式ガスエンジン1のフ
ローを図1に示す。給気系では、ミキサー2にて混合さ
れた混合気が過給機10のブロア部3にて圧縮される。
圧縮により高温になった混合気は給気冷却器4により冷
却されてから、給気ポート5に導かれ、ガスエンジン1
のシリンダ6内に供給される。排気は、過給機のタービ
ン部7を通過して過給機10を駆動させた後、排気され
る。このエンジン1の運転にあたっては、過給機10で
加圧した給気を吸気冷却器4で冷却した後に給気ポート
5を介してシリンダ6内に給気するとともに、前記シリ
ンダ6の前記給気ポート側に備えられた給気弁50を下
死点より遅らせて閉じてシリンダ6内の給気の一部を給
気ポート5に吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比を低下
させて運転する。この場合に、給気弁閉時期基準圧縮比
を行程容積基準圧縮比の0.7倍以下(好ましくは0.
7以下0.3以上)で、空気過剰率γを1.5以上(好
ましくは1.5以上2.5以下)で運転する。
【0011】さて、上記の構成のミラーサイクルガスエ
ンジンを対象として、排気マニホールドの容積を変化さ
せて、ポンピングロスの変化を調べた。この調査に当た
っては、実機における実験を行うと共に、数値シミュレ
ーションを行った。結果を図2に示した。以下、実験状
況と数値シミュレーションの状況を順に説明する。 [実験]エンジン回転数を1200rpm、空気過剰率
γを2に保った状態において、排気マニホールド容積
を、排気マニホールド容積/エンジン総排気量で、0.
1と0.4に変化させると共に、給気弁閉基準圧縮機比
と行程容積基準圧縮比との比uを、0.4から0.7の
範囲で変化させた。これら以外のエンジンの主な要件に
関しては、以下のようにした。 主燃料 都市ガス13A、 総行程容積 4086×6cc、 シリンダ数 6、内径×行程(mm)170×180, 給気弁開閉時期 opened 38°deg BTDC, closed 45〜116° ABDC 排気弁開閉時期 opened 58° deg BBDC, closed 25° deg ATDC, アフタークーラの出口の給気温度は45℃程度とし、給
気圧力は9.8×10 4 Paから2.45×104 Pa
程度とした。結果を図2に丸印で示した。 [数値シミュレーション]上記の実験に対応して、エン
ジン回転数、空気過剰率γ等を、上記の条件に相当する
ものとし、uを上記と同様の値とした場合における、排
気マニホールドの容積の変化に対するポンピングロスを
求めた。シミュレーションの結果を図2の実線で示し
た。各線に対応して、パラメータとしてのuを示した。
uも0.4〜0.7まで変化させた。図中、排気マニホ
ールドの容積は、エンジン総排気量の倍数で示してい
る。この図より、排気マニホールドの容積を大きくする
と、ポンピングロスが小さくなり、下限値が存在するこ
とがわかる。図2で示すような状況は、以下のように説
明できる。必要な排気マニホールドの大きさは、おおむ
ね(1/u)0.5に比例する。さらに、1/uは、給気弁
閉時期を示すパラメータであるが、この値が大きい程、
給気圧が高いことを意味する。遅閉じが進むほど、高い
給気圧が必要であるため、必然的にエンジン排気行程中
のシリンダ内圧力も大きくなり、ポンピングロスが増大
する。エンジン排気行程中のシリンダ内圧力を下げるた
めには、排気マニホールド内の圧力が一定であるほどよ
く、このためには、大きな排気マニホールドが必要とな
る。一方、空気過剰率γを大ききするためには、やはり
高い給気圧が必要であり、同様の傾向を持つこととな
る。即ち、効率向上に必要な排気マニホールドの大きさ
は、おおむね、(1/u×γ)0.5に比例した大きさとな
る。従って、この指標に従って、排気マニホールド容積
の下限値を設定することが好ましいのである。更に、図
2の数値計算結果からも判明するように、uを一定に維
持した場合におけるポンピングロスは、排気マニホール
ド容積の増加に従ってtが小さい領域では比較的早期に
減少するが、tがある値の範囲を超えるとこの減少が起
こらなくなる。即ち、図2においてポンピングロスを示
す線は横軸に平行な線となる。このように、ポンピング
ロスを減少できない領域まで排気マニホールド容積を増
加させることは、エンジンの大型化を招来するだけであ
る。従って、tの下限値は、図2に示すように、(1/
u×γ)0.5/10(破線で示す)、もしくは(1/u×
γ)0.5/6(二点鎖線で示す)とすることができる。こ
こで、前者の限界は、減少傾向に変化の兆しがあらわれ
る限界であり、後者の限界は、排気マニホールド容積の
増加に伴う改善が認められない限界である。排気マニホ
ールド容積の上限に関しては、エンジン排気量の3倍程
度が実用上の理由から限界となる。また、実験結果と数
値シミュレーション結果はよく一致している。
【0012】[実験]図3に、本願発明の一例である、
圧縮比の比を0.4、空気過剰率を2として、エンジン
回転数を1200(γpm)とした場合において、排気
マニホールド容積をエンジン排気量の0.4倍(t=
0.4)としたときのエンジンの低圧部のPVを示す。
図8に示す従来例(t=0.1)に比べて、エンジンの
ポンピングロスが減少していることが確認できる。ポン
ピングロスは、従来例の約2/3に低減できた。(平均
有効圧力が110×104 Paのエンジンにおいて、ポ
ンピングロスが5.9×104 Paから3.9×104
Paに改善され、エンジン効率は0.7〜0.8%改善
される)。
【0013】一方 図4に、圧縮比の比uとエンジン軸
端効率の関係を示す。uを大きくすると、図4に示すよ
うに、ポンピングロスは低下するものの、逆にエンジン
軸端効率が悪くなる。これは、uを大きくすることによ
り(吸気弁閉時期を早める)、圧縮比<膨張比というミ
ラーサイクルエンジンの本来の有利性が弱くなり、ノッ
キングを発生するためであり、このため良好な燃焼が実
現できない。給気弁閉時期をさらに早めると、この傾向
は一層強まるものと思われ、ミラーサイクルの有利性を
発揮できない。即ち、ミラーサイクルとしての効果を期
待する場合、uを0.7以下とすることが適当である。
さらに、この値が0.4より低くなると、再度、効率の
低下傾向が現れる。この実験にあたっては、先に示した
実験の条件を踏襲し、エンジン回転数1200回転、空
気過剰率2に固定した。
【0014】図5に空気過剰率γとエンジン軸端効率の
関係を示す。空気過剰率γを小さくしすぎると、ノッキ
ングが発生するため、良好な燃焼ができず、空気過剰率
1.5以上を確保することが必要である。エンジン回転
数1200回転、u=0.4に固定した。ここで、空気
過剰率γの上限は燃焼の安定上(希薄になり過ぎると燃
焼が不安定になる)の理由から2.5となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミラーサイクルガスエンジンの構成を示す図
【図2】排気マニホールド容積/エンジン排気量tとポ
ンピングロスとの関係を示す図
【図3】本願要件を充たす排気マニホールドを備えたエ
ンジンのPV線図
【図4】給気弁基準圧縮比/行程容積基準圧縮比uとエ
ンジン効率との関係を示す図
【図5】空気過剰率γとエンジン効率との関係を示す図
【図6】ポンピングロスの説明図
【図7】ミラーサイクルでない希薄燃焼ガスエンジンの
PV線図
【図8】図7に示すエンジンをミラーサイクルとして運
転した場合のPV線図
【符号の説明】
1 希薄燃焼ミラーサイクルエンジン 2 ミキサー 3 過給機ブロアー 4 給気冷却器 5 給気ポート 6 シリンダ 7 過給機タービン 10 過給機 50 給気弁
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 13/02 F02D 13/02 D 15/00 15/00 E 23/00 23/00 L F02M 21/02 301 F02M 21/02 301H 31/20 31/20 A (72)発明者 鶴崎 将弘 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 合田 泰規 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 角濱 義隆 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 遠藤 浩之 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 Fターム(参考) 3G004 AA01 BA03 DA12 3G092 AA09 AA11 AA12 AA18 AB06 AC08 BA04 DA01 DA08 DB03 DD03 DE04S DE18S EA04 FA16 FA25 HA13X HA14X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過給機で加圧した給気を冷却器で冷却し
    た後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するととも
    に、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気
    弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部
    を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比
    を低下させるミラーサイクルエンジンであって、給気弁
    閉時期基準圧縮比が行程容積基準圧縮比の0.7倍以
    下、空気過剰率γが1.5以上で運転され、排気マニホ
    ールドの容積とエンジン総排気量との比をt、給気弁閉
    基準圧縮機比と行程容積基準圧縮比との比をuとする
    に、 (1/u×γ)0.5/10≦t≦3 を満たすミラーサイクルエンジン。
  2. 【請求項2】 前記排気マニホールドの容積とエンジン
    総排気量との比tが(1/u×γ)0.5/6≦t≦0.8
    に設定されている請求項1記載のミラーサイクルエンジ
    ン。
  3. 【請求項3】 過給機で加圧した給気を冷却器で冷却し
    た後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するととも
    に、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気
    弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部
    を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比
    を低下させるミラーサイクルエンジンの排気マニホール
    ド容積の設定方法であって、排気マニホールド容積の下
    限を、給気弁閉基準圧縮機比と行程容積基準圧縮比との
    比uの逆数1/u及び空気過剰率γとに基づいて設定す
    るミラーサイクルエンジンの排気マニホールド容積の設
    定方法。
  4. 【請求項4】 前記排気マニホールドの容積とエンジン
    総排気量との比tを設定するに、(1/u×γ)0.5/6
    ≦t≦0.8を満足するものとする請求項3記載のミラ
    ーサイクルエンジンの排気マニホールド容積の設定方
    法。
  5. 【請求項5】 過給機で加圧した給気を冷却器で冷却し
    た後に給気ポートを介してシリンダ内に給気するととも
    に、前記シリンダの前記給気ポート側に備えられた給気
    弁を下死点より遅らせて閉じてシリンダ内の給気の一部
    を前記給気ポートに吹き戻すことで膨張比よりも圧縮比
    を低下させるミラーサイクルエンジンの運転方法であっ
    て、 給気弁閉時期基準圧縮比が行程容積基準圧縮比の0.7
    倍以下、空気過剰率γが1.5以上の運転条件におい
    て、排気マニホールドの容積とエンジン総排気量との比
    をt、給気弁閉基準圧縮機比と行程容積基準圧縮比との
    比をuとして、(1/u×γ)0.5/10≦t≦3を満た
    すミラーサイクルを採用するミラーサイクルエンジンの
    運転方法。
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