JP2003013756A - 可変動弁機構を備える内燃機関 - Google Patents

可変動弁機構を備える内燃機関

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JP2003013756A
JP2003013756A JP2001197270A JP2001197270A JP2003013756A JP 2003013756 A JP2003013756 A JP 2003013756A JP 2001197270 A JP2001197270 A JP 2001197270A JP 2001197270 A JP2001197270 A JP 2001197270A JP 2003013756 A JP2003013756 A JP 2003013756A
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working angle
lift amount
internal combustion
combustion engine
variable valve
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JP2001197270A
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English (en)
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Toshiaki Asada
俊昭 浅田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は吸気弁の作用角とリフト量を可変と
する可変動弁機構を備える内燃機関に関し、作用角とリ
フト量の関係を適正に維持することで優れた燃費特性を
実現することを目的とする。 【解決手段】 吸気弁の作用角とリフト量とを変更可能
な可変動弁機構を設ける。可変動弁機構は、吸気弁の作
用角とリフト量が、ポンプ損失増大域64と排気損失増
大域60の間に確保される適正域68の関係を常に満た
すように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変動弁機構を備
える内燃機関に係り、特に、吸気弁の作用角とリフト量
を可変とする可変動弁機構を備える内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばWO97−13063号公
報に開示されるように、吸気弁または排気弁の作用角お
よびリフト量を可変とする可変動弁機構を備える内燃機
関が知られている。また、上記公報には、可変動弁機構
を用いて吸入空気量を調整することにより内燃機関のポ
ンプ損失を低減し、燃費を向上できることが開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、吸気弁
の作用角とリフト量をどのように設定することが、燃費
の改善を図るうえで有効であるかは、何ら開示されてい
ない。このため、上記公報の開示内容からは、内燃機関
の燃費向上を図る点で最適化された可変動弁機構を実現
することはできなかった。
【0004】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、吸気弁の作用角とリフト量との関
係を適切に保ちつつそれらを変化させることにより、優
れた燃費特性を実現する内燃機関を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
吸気弁の作用角とリフト量とを変更可能な可変動弁機構
を備える内燃機関であって、前記吸気弁は、前記作用角
と前記リフト量とが、ポンプ損失の面と排気損失の面と
に基づいて設定された所定の関係を満たすように動作す
ることを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の可
変動弁機構を備える内燃機関であって、前記可変動弁機
構は、前記作用角と前記リフト量とを独立に変更し得る
機構を有し、前記作用角と前記リフト量とが前記所定の
関係を満たすように前記機構を制御する制御手段を備え
ることを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の可変動弁機構を備える内燃機関であって、前記所
定の関係は、前記作用角および前記リフト量の全可変領
域において、排気損失が第1判定値以下となるように定
められており、前記第1判定値は、作用角の関数とし
て、リフト量の増加に対する排気損失の増加率の変極点
に対応する値であることを特徴とする。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の可
変動弁機構を備える内燃機関であって、排気損失が前記
第1判定値以下となる関係とは、作用角に対するリフト
量/(作用角/2)の値が、複数の(作用角、リフト量
/(作用角/2))座標:(25,0.025)、 (50,0.04)、 (100,0.07)、および (150,0.11) を通る曲線上の値以下となる関係であることを特徴とす
る。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
何れか1項記載の可変動弁機構を備える内燃機関であっ
て、前記所定の関係は、前記作用角および前記リフト量
の全可変領域において、ポンプ損失が第2判定値以下と
なるように定められており、前記第2判定値は、作用角
の関数として、リフト量の減少に対するポンプ損失の増
加率の変極点に対応する値であることを特徴とする。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項5記載の可
変動弁機構を備える内燃機関であって、前記排気損失の
増加率の変極点に対応するリフト量は、作用角の全可変
領域において、前記ポンプ損失の増加率の変極点に対応
するリフト量に比して大きいことを特徴とする。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項5または6
記載の可変動弁機構を備える内燃機関であって、ポンプ
損失が前記第2判定値以下となる関係とは、作用角に対
するリフト量/(作用角/2)の値が、複数の(作用
角、リフト量/(作用角/2))座標: (25,0.007)、 (50,0.013)、 (100,0.03)、および (150,0.07) を通る曲線上の値以上となる関係であることを特徴とす
る。
【0012】請求項8記載の発明は、吸気弁の作用角と
リフト量とを変更可能な可変動弁機構を備える内燃機関
であって、前記吸気弁は、前記作用角と前記リフト量と
が、作用角の関数f(作用角)に対して、 リフト量/(作用角/2)≦f(作用角) の関係を満たすように動作することを特徴とする。
【0013】請求項9記載の発明は、請求項8記載の可
変動弁機構を備える内燃機関であって、前記関数f(作
用角)は、作用角に対する関数fの値が、複数の(作用
角、f)座標: (25,0.025)、 (50,0.04)、 (100,0.07)、および (150,0.11) を通る曲線に沿って変化するように定められた関数であ
ることを特徴とする。
【0014】請求項10記載の発明は、吸気弁の作用角
とリフト量とを変更可能な可変動弁機構を備える内燃機
関であって、前記吸気弁は、前記作用角と前記リフト量
とが、作用角の関数g(作用角)に対して、 リフト量/(作用角/2)≧g(作用角) の関係を満たすように動作することを特徴とする。
【0015】請求項11記載の発明は、請求項8または
9記載の可変動弁機構を備える内燃機関であって、前記
吸気弁は、前記作用角と前記リフト量とが、作用角の関
数g(作用角)に対して、 リフト量/(作用角/2)≧g(作用角) の関係を満たすように動作することを特徴とする。
【0016】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の可変動弁機構を備える内燃機関であって、前記f(作
用角)の値は、作用角の全可変領域において、前記g
(作用角)の値に比して大きいことを特徴とする。
【0017】請求項13記載の発明は、請求項10乃至
12の何れか1項記載の可変動弁機構を備える内燃機関
であって、前記関数g(作用角)は、作用角に対する関
数gの値が、複数の(作用角、g)座標: (25,0.007)、 (50,0.013)、 (100,0.03)、および (150,0.07) を通る曲線に沿って変化するように定められた関数であ
ることを特徴とする。
【0018】請求項14記載の発明は、請求項8乃至1
3の何れか1項記載の可変動弁機構を備える内燃機関で
あって、前記可変動弁機構は、前記作用角と前記リフト
量とを独立に変更し得る機構を有し、前記作用角と前記
リフト量とが前記関係を満たすように前記機構を制御す
る制御手段を備えることを特徴とする。
【0019】請求項15記載の発明は、請求項8乃至1
4の何れか1項記載の可変動弁機構を備える内燃機関で
あって、前記作用角と前記リフト量とが満たす前記関係
は、ポンプ損失の面と排気損失の面とに基づいて設定さ
れたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。尚、各図において共通す
る要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略す
る。
【0021】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1の内燃機関10の構成を説明するための図を示す。
内燃機関10は、シリンダ12の内部にピストン14を
備えている。ピストン14は、コンロッド16を介して
クランク18に連結されている。クランク18の近傍に
は、クランクシャフトの回転数を検出する機関回転数セ
ンサ20が配置されている。
【0022】ピストン14の上方には、燃焼室22が形
成されている。燃焼室22には、吸気ポート24および
排気ポート26が連通していると共に、先端部が露出す
るように点火プラグ28が挿入されている。吸気ポート
24には、インジェクタ30が組み付けられている。ま
た、インジェクタ30の上流には、スロットルバルブ3
2、および吸入空気量センサ34が配置されている。一
方、排気ポート26には、内燃機関10に供給されてい
る混合気の空燃比に応じた出力を発する空燃比センサ3
6が配置されている。本実施形態において、上記のスロ
ットルバルブ32は、アクセルペダルの踏み込み量に関
わらず任意の開度を実現するためのアクチュエータを内
蔵している。
【0023】内燃機関10は、吸気ポート24を開閉す
る吸気弁38と、排気ポート26を開閉する排気弁40
とを備えている。また、内燃機関10は、吸気弁38を
駆動する吸気カム42と、排気弁40を駆動する排気カ
ム44とを備えている。吸気カム42の近傍には、吸気
カムの回転位置を検出するカムポジションセンサ46が
配置されている。
【0024】本実施形態において、吸気カム42は、図
示しないカムシャフト等と共に可変動弁機構48を構成
している。可変動弁機構48は、例えば特願2001−
143643に示す構造を有し、吸気弁38の作用角と
リフト量とをセットで変更し、また、吸気弁38のリフ
トピークの位置を進新または遅角させることができる。
【0025】尚、「作用角とリフト量とをセットで変
更」するとは、可変動弁機構48の構成上の制約から、
作用角とリフト量とが相互に依存しており、両者は、予
め決められた関係を維持しながら変化し、互いに独立に
は変化しないことを意味する。また、上述した「作用
角」とは、吸気弁38の開弁期間をクランク角(°C
A)の単位で表した値である。
【0026】図1に示す内燃機関10は、ECU(Elect
ronic Control Unit)49を備えている。ECU49
は、機関回転数センサ20、吸入空気量センサ34、空
燃比センサ36、およびクランクポジションセンサ46
等の各種センサから内燃機関の制御に必要な情報を取得
する。そして、それらの情報に基づいて、点火プラグ2
8、インジェクタ30、スロットルバルブ32、および
可変動弁機構48等を駆動する。
【0027】図2は、可変動弁機構48の機能を説明す
るための図である。図2において、曲線50は、排気弁
40の作用角(リフト量)とクランク角との関係を示し
ている。また、曲線52,54,56は、それぞれ吸気
弁38の作用角(リフト量)とクランク角との関係を示
している。これらの曲線52,54,56は、具体的に
は、以下の状況をそれぞれ表している。
【0028】すなわち、曲線52は、可変動弁機構48
の機能により大きな作用角が確保された場合を示してい
る。この場合、吸気弁38は、TDC(上死点)付近か
ら開弁し始め、BDC(下死点)後の所定クランク角に
おいて閉弁する。また、この場合、予め定められた関係
に従って、吸気弁38には大きなリフト量が与えられ
る。
【0029】曲線54は、可変動弁機構48の機能によ
り中程度の作用角が確保された場合を示している。この
場合、吸気弁38は、TDC付近から開弁し始め、BD
C付近で閉弁する。また、この場合、予め定められた関
係に従って、吸気弁38には中程度のリフト量が与えら
れる。
【0030】曲線56は、可変動弁機構48の機能によ
り小さな作用角が確保された場合を示している。この場
合、吸気弁38は、TDC付近から開弁し始め、TDC
とBDCのほぼ中間のクランク角において閉弁する。ま
た、この場合、予め定められた関係に従って、吸気弁3
8には小さなリフト量が与えられる。
【0031】以上説明した通り、本実施形態の内燃機関
10では、吸気弁38の作用角とリフト量とを、予め定
められた関係に拘束されることを条件に、適宜変化させ
ることができる。ここで、内燃機関10は、作用角とリ
フト量との関係、すなわち、両者を拘束する関係が、ポ
ンプ損失を抑制する観点と、排気損失を抑制する観点の
双方からの検討に基づいて決定されたものである点に特
徴を有している。
【0032】図3は、本実施形態において、吸気弁38
の作用角とリフト量とが満たす関係を説明するための図
である。図3において、横軸は(作用角/2)°CAで
あり、縦軸は(リフト量/(作用角/2))mm/°CA
である。
【0033】本実施形態において、ECU49は、内燃
機関10の運転状態に応じて、吸気弁38の作用角を、
概ね50°CA〜300°CAの範囲内で変化させる。
すなわち、ECU49は、(作用角/2)を概ね25°
CA〜150°CAの範囲内で変化させる。図3は、そ
の(作用角/2)の全範囲がカバーされるように定めら
れている。
【0034】ECU49は、具体的には、内燃機関10
の運転状態に応じて、多量の吸入空気量が要求される場
合には、吸気弁38の作用角(リフト量)を大きくし、
また、吸入空気量が少量で足りる場合には、その作用角
(リフト量)を小さくする。つまり、本実施形態の内燃
機関10では、吸気弁38の作用角(リフト量)を制御
することで吸入空気量を制御することができる。
【0035】吸気弁38の作用角(リフト量)により吸
入空気量が制御できる場合は、スロットルバルブ32を
アクセルペダルの踏み込み量に対応させる必要がない。
このため、本実施形態において、スロットルバルブ32
の開度は、原則としてアクセルペダルの踏み込み量に対
して十分に大きく制御される。このような制御によれ
ば、スロットルバルブ32の下流に過大な負圧が生じな
いため、内燃機関10のポンプ損失を有効に低減するこ
とができる。
【0036】図3において、排気損失増大域60は、排
気損失(%)が第1判定値を超える領域として予め定め
られた領域であり、曲線62は、その排気損失増大域6
0の下限を区分する境界線である。また、ポンプ損失増
大域64は、ポンプ損失(%)が第2判定値を超える領
域として予め定められた領域であり、曲線66は、その
ポンプ損失増大域64の上限を区分する境界線である。
そして、曲線62と曲線66の間に確保された領域は、
排気損失およびポンプ損失の双方が十分に抑制できる適
正域68である。
【0037】以下、図4を参照して、上述した第1判定
値および第2判定値の内容について説明する。図4
(A)は、特定のリフト角について、排気損失を(リフ
ト量/(作用角/2))との関係で表した特性図であ
る。(リフト量/(作用角/2))が小さい領域では、
吸気弁38の開弁中に大きな絞り効果が生じ、燃焼室2
2の内部で燃料が燃焼し易い状態が形成される。一方、
(リフト量/(作用角/2))が大きい領域では、その
絞り効果が小さくなるため、燃焼室22内部での燃料の
燃焼速度が低下する。排気損失は、内燃機関10から排
出される熱量が多量であるほど、すなわち、排気ガスの
温度が高いほど大きくなる。また、排気ガスの温度は、
燃焼室22内での燃焼速度が遅いほど高くなる。従っ
て、排気損失は、図4(A)に示すように、作用角に対
するリフト量が小さい領域では小さくなり、作用角に対
するリフト量が大きくなるに連れて大きくなる。
【0038】図4(A)は、(リフト量/(作用角/
2))=Bの点を変極点として、リフト量の増加に対す
る排気損失の増加率が大きく変化する様子を表してい
る。上述した第1判定値は、その変極点Bに対応する排
気損失の値である。図4に示す変極点Bと、これに対応
する第1判定値とは、作用角毎に定まる値である。図3
に示す曲線62は、その変極点Bを作用角との関係で示
した曲線である。つまり、図3に示す排気損失増大域6
0は、排気損失が第1判定値より大きい領域であり、か
つ、作用角を固定してリフト量を増加させた場合に、排
気損失が急増する領域である。
【0039】本実施形態において、ECU49は、上記
の如く吸気弁38の作用角により吸入空気量を調整す
る。従って、作用角の大きな領域は、吸入空気量が多量
に生ずる領域である。吸入空気量が多量に生ずる領域で
は、燃焼室22の内部に気流が生じ易いため、吸気弁の
開弁に伴う絞り効果が小さくても、燃料の燃焼性は確保
し易い。このため、排気損失増大域60は、図3に示す
通り、作用角が小さいほど広く、作用角が大きいほど狭
くなっている。
【0040】図3に示す排気損失増大域60は、実験的
に求めたものであり、その下限側の境界を画する曲線6
2は、図3に示す2次元座標上で以下の点を通る曲線と
して概ね定義することができる。 (25,0.025)、(50,0.04)、(10
0,0.07)、および(150,0.11)
【0041】図4(B)は、特定のリフト角について、
ポンプ損失を(リフト量/(作用角/2))との関係で
表した特性図である。(リフト量/(作用角/2))が
小さい領域では、吸気弁38の開弁中に大きな絞り効果
が生じるため、吸気行程においてポンプ損失が生じ易
い。一方、(リフト量/(作用角/2))が大きい領域
では、その絞り効果が小さくなるため、ポンプ損失は十
分に小さくなる。このため、ポンプ損失は、(リフト量
/(作用角/2))に対して図4(B)に示すように変
化する。
【0042】図4(B)は、(リフト量/(作用角/
2))=Aの点を変極点として、リフト量の減少に対す
るポンプ損失の増加率が大きく変化する様子を表してい
る。上述した第2判定値は、その変極点Aに対応するポ
ンプ損失の値である。図4に示す変極点Aと、これに対
応する第2判定値とは、作用角毎に定まる値である。図
3に示す曲線66は、その変極点Aを作用角との関係で
示した曲線である。つまり、図3に示すポンプ損失増大
域64は、ポンプ損失が第2判定値より大きい領域であ
り、かつ、作用角を固定してリフト量を減少させた場合
に、ポンプ損失が急増する領域である。
【0043】本実施形態において、ECU49は、上記
の如く吸気弁38の作用角により吸入空気量を調整す
る。従って、作用角の大きな領域は、吸入空気量が多量
に要求される領域である。吸入空気量が多量に要求され
る領域では、その要求量が少ない場合に比してポンプ損
失が生じ易い。このため、ポンプ損失増大域64は、図
3に示す通り、作用角が小さいほど狭く、作用角が大き
いほど広くなっている。
【0044】図3に示すポンプ損失増大域64は、実験
的に求めたものであり、その上限側の境界を画する曲線
66は、図3に示す2次元座標上で以下の点を通る曲線
として概ね定義することができる。 (25,0.007)、(50,0.013)、(10
0,0.03)、および(150,0.07)
【0045】図4(C)は、特定のリフト角について、
内燃機関の燃費率を(リフト量/(作用角/2))との
関係で表した特性図である。図4(C)に示す通り、内
燃機関の燃費率は、変極点AとBの間の領域では安定し
て小さな値となり、一方、その領域を外れると顕著に大
きな値となる。
【0046】図3に示す適正域68は、変極点AとBと
の間の領域を作用角との関係で示した領域である。本実
施形態において、可変動弁機構48は、吸気弁38の作
用角とリフト量とが、常に図3に示す適正域68の関係
を満たすように構成されている。従って、本実施形態の
内燃機関10によれば、如何なる状態で運転されても、
常に排気損失とポンプ損失の双方をほぼ最小の値とし
て、優れた燃費特性を実現することができる。
【0047】尚、上述した実施の形態1においては、排
気損失増大域60の境界を画する曲線62上の値が、前
記請求項8記載の「関数f(作用角)」の値に相当して
いる。また、上述した実施の形態1においては、ポンプ
損失増大域64の境界を画する曲線66上の値が、前記
請求項10または11記載の「関数g(作用角)」の値
に相当している。
【0048】実施の形態2.次に、図5および図6を参
照して、本発明の実施の形態2について説明する。図5
は、本実施形態の内燃機関10の構成を説明するための
図を示す。図5に示すように、本実施形態の内燃機関1
0は、吸気弁38を駆動する機構として吸気弁アクチュ
エータ70を備えていると共に、排気弁40を駆動する
機構として排気弁アクチュエータ72を備えている。
【0049】吸気弁アクチュエータ70は、ECU49
に制御されることにより、任意のタイミングで、かつ、
任意のリフト量で吸気弁38を開閉させることができ
る。同様に、排気弁アクチュエータ72は、ECU49
に制御されることにより、任意のタイミングで、かつ、
任意のリフト量で排気弁40を開閉させることができ
る。
【0050】図6は、本実施形態において、ECU49
が吸気弁38を駆動するために実行する吸気弁駆動ルー
チンのフローチャートである。図6に示すルーチンで
は、先ず、内燃機関10に要求されている出力が検出さ
れる(ステップ100)。要求出力は、具体的には、ア
クセルペダルの踏み込み状態や、機関回転数などに基づ
いて検出される。
【0051】要求出力が検出されると、次に、その要求
出力に基づいて吸気弁38の駆動に用いるべき作用角が
決定される(ステップ102)。ECU49は、要求出
力と作用角との関係を定めたマップを記憶しており、本
ステップ102では、そのマップを参照することにより
作用角が求められる。
【0052】次に、作用角に対応するリフト量が決定さ
れる(ステップ104)。本実施形態において、ECU
49は、作用角とリフト量とに関して、図3に示す適正
域68の関係を満たす所定のマップを記憶している。本
ステップ104では、そのマップを参照することでリフ
ト量が算出される。
【0053】図6に示すルーチンでは、次に、上記の如
く決定された作用角およびリフト量が実現されるように
吸気弁アクチュエータ70が駆動される。上述した一連
の処理によれば、吸気弁38は、実施の形態1の場合と
同様に、常に図3に示す適正域60の関係を満たす条件
で開閉される。このため、本実施形態によれば、吸気弁
38および排気弁40の駆動に関して高い自由度を確保
しつつ、実施の形態1の場合と同様に、如何なる運転状
況の下でも常に優れた燃費特性を発揮する内燃機関10
を実現することができる。
【0054】尚、上述した実施の形態2においては、吸
気弁アクチュエータ70が前記請求項2または14記載
の「前記作用角と前記リフト量とを独立に変更し得る機
構」に相当していると共に、ECU49が上記ステップ
100〜106の処理を実行することにより前記請求項
2または14記載の「制御手段」が実現されている。
【0055】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。請求項1
または15記載の発明によれば、吸気弁の作用角とリフ
ト量の関係が、ポンプ損失と排気損失とに着目して設定
されている。このため、本発明によれば、内燃機関にお
いて優れた燃費特性を実現することができる。
【0056】請求項2記載の発明によれば、作用角とリ
フト量を独立に制御し得る機構を用いることで、吸気弁
の制御につき高い自由度を確保しつつ、請求項1記載の
発明と同様の効果を得ることができる。
【0057】請求項3または4記載の発明によれば、内
燃機関の運転領域の全域で、排気損失を十分に小さく抑
制することができる。
【0058】請求項5乃至7の何れか1項記載の発明に
よれば、内燃機関の運転領域の全域で、ポンプ損失を十
分に小さく抑制することができる。
【0059】請求項8または9記載の発明によれば、内
燃機関の運転領域の全域で、排気損失が十分に小さくな
るように吸気弁を動作させることができる。
【0060】請求項10乃至13の何れか1項記載の発
明によれば、内燃機関の運転領域の全域で、ポンプ損失
が十分に小さくなるように吸気弁を動作させることがで
きる。
【0061】請求項14記載の発明によれば、作用角と
リフト量を独立に制御し得る機構を用いることで、吸気
弁の制御につき高い自由度を確保しつつ、請求項8乃至
13の何れか1項記載の発明と同様の効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の内燃機関の構成を説
明するための図である。
【図2】 実施の形態1の内燃機関が備える可変動弁機
構の機能を説明するための図である。
【図3】 実施の形態1の内燃機関において吸気弁の作
用角とリフト量が満たすべき関係を示した図である。
【図4】 吸気弁の作用角とリフト量との比が排気損
失、ポンプ損失、および燃費率に与える影響を説明する
ための図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の内燃機関の構成を説
明するための図である。
【図6】 本発明の実施の形態2においてECUが実行
する吸気弁駆動ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関 38 吸気弁 40 排気弁 42 吸気カム 44 排気カム 48 可変動弁機構 49 ECU(Electronic Control Unit) 60 排気損失増大域 62、66 曲線 64 ポンプ損失増大域 68 適正域 70 吸気弁アクチュエータ 72 排気弁アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G018 AB09 CA12 EA00 EA02 EA11 EA16 EA35 FA01 FA06 FA08 GA07 3G092 AA11 DA01 DA02 DA07 FA24 HA01Z HA06Z HD05Z HE00Z HE01Z HE03Z HF08Z 3G301 HA19 JA02 LA07 NC02 PA01Z PA11Z PD02Z PE00Z PE01Z PE03Z PF03Z

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁の作用角とリフト量とを変更可能
    な可変動弁機構を備える内燃機関であって、 前記吸気弁は、前記作用角と前記リフト量とが、ポンプ
    損失の面と排気損失の面とに基づいて設定された所定の
    関係を満たすように動作することを特徴とする可変動弁
    機構を備える内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記可変動弁機構は、前記作用角と前記
    リフト量とを独立に変更し得る機構を有し、 前記作用角と前記リフト量とが前記所定の関係を満たす
    ように前記機構を制御する制御手段を備えることを特徴
    とする請求項1記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記所定の関係は、前記作用角および前
    記リフト量の全可変領域において、排気損失が第1判定
    値以下となるように定められており、 前記第1判定値は、作用角の関数であり、リフト量の増
    加に対する排気損失の増加率の変極点に対応する値であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の可変動弁機
    構を備える内燃機関。
  4. 【請求項4】 排気損失が前記第1判定値以下となる関
    係とは、作用角に対するリフト量/(作用角/2)の値
    が、複数の(作用角、リフト量/(作用角/2))座
    標: (25,0.025)、 (50,0.04)、 (100,0.07)、および (150,0.11) を通る曲線上の値以下となる関係であることを特徴とす
    る請求項3記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記所定の関係は、前記作用角および前
    記リフト量の全可変領域において、ポンプ損失が第2判
    定値以下となるように定められており、前記第2判定値
    は、作用角の関数であり、リフト量の減少に対するポン
    プ損失の増加率の変極点に対応する値であることを特徴
    とする請求項1乃至4の何れか1項記載の可変動弁機構
    を備える内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記排気損失の増加率の変極点に対応す
    るリフト量は、作用角の全可変領域において、前記ポン
    プ損失の増加率の変極点に対応するリフト量に比して大
    きいことを特徴とする請求項5記載の可変動弁機構を備
    える内燃機関。
  7. 【請求項7】 ポンプ損失が前記第2判定値以下となる
    関係とは、作用角に対するリフト量/(作用角/2)の
    値が、複数の(作用角、リフト量/(作用角/2))座
    標: (25,0.007)、 (50,0.013)、 (100,0.03)、および (150,0.07) を通る曲線上の値以上となる関係であることを特徴とす
    る請求項5または6記載の可変動弁機構を備える内燃機
    関。
  8. 【請求項8】 吸気弁の作用角とリフト量とを変更可能
    な可変動弁機構を備える内燃機関であって、前記吸気弁
    は、前記作用角と前記リフト量とが、作用角の関数f
    (作用角)に対して、 リフト量/(作用角/2)≦f(作用角) の関係を満たすように動作することを特徴とする可変動
    弁機構を備える内燃機関。
  9. 【請求項9】 前記関数f(作用角)は、作用角に対す
    る関数fの値が、複数の(作用角、f)座標: (25,0.025)、 (50,0.04)、 (100,0.07)、および (150,0.11) を通る曲線に沿って変化するように定められた関数であ
    ることを特徴とする請求項8記載の可変動弁機構を備え
    る内燃機関。
  10. 【請求項10】 吸気弁の作用角とリフト量とを変更可
    能な可変動弁機構を備える内燃機関であって、 前記吸気弁は、前記作用角と前記リフト量とが、作用角
    の関数g(作用角)に対して、 リフト量/(作用角/2)≧g(作用角) の関係を満たすように動作することを特徴とする可変動
    弁機構を備える内燃機関。
  11. 【請求項11】 前記吸気弁は、前記作用角と前記リフ
    ト量とが、作用角の関数g(作用角)に対して、 リフト量/(作用角/2)≧g(作用角) の関係を満たすように動作することを特徴とする請求項
    8または9記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
  12. 【請求項12】 前記f(作用角)の値は、作用角の全
    可変領域において、前記g(作用角)の値に比して大き
    いことを特徴とする請求項11記載の可変動弁機構を備
    える内燃機関。
  13. 【請求項13】 前記関数g(作用角)は、作用角に対
    する関数gの値が、複数の(作用角、g)座標: (25,0.007)、 (50,0.013)、 (100,0.03)、および (150,0.07) を通る曲線に沿って変化するように定められた関数であ
    ることを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項記
    載の可変動弁機構を備える内燃機関。
  14. 【請求項14】 前記可変動弁機構は、前記作用角と前
    記リフト量とを独立に変更し得る機構を有し、前記作用
    角と前記リフト量とが前記関係を満たすように前記機構
    を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項8
    乃至13の何れか1項記載の可変動弁機構を備える内燃
    機関。
  15. 【請求項15】 前記作用角と前記リフト量とが満たす
    前記関係は、ポンプ損失の面と排気損失の面とに基づい
    て設定されたことを特徴とする請求項8乃至14の何れ
    か1項記載の可変動弁機構を備える内燃機関。
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