JP2009115024A - 等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 等温圧縮シリンダを現実の往復動内燃機関において実現させ、超高過給に伴う高出力化及び飛躍的な高効率化の双方を可能にする。
【解決手段】 燃焼シリンダ(2)を有する往復動内燃機関と、この内燃機関によって回転駆動されて燃焼シリンダへ供給するための給気を圧縮シリンダ(22)により圧縮すると共に、給気の圧縮時に圧縮シリンダ内に水が噴射されて給気を等温圧縮する等温圧縮シリンダ(21)と、圧縮シリンダ内に水を噴射する水噴射手段(30,31)と、内燃機関の燃焼ガスにより回転駆動されて給気を予備圧縮して等温圧縮シリンダへ供給する過給手段(35)と、過給手段と等温圧縮シリンダとの間に介在して過給手段により予備圧縮された給気を冷却する給気冷却手段(38)とを備え、上記内燃機関は、ガス燃料を主燃料とするガスエンジン(1)からなり、ガスエンジンは、圧縮行程において吸気弁(3)を遅く閉じる遅閉じを行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関に関する。
近年の温暖化等に代表される地球環境の悪化に伴い、内燃機関についても高出力であると共に、一段と高効率のものが要求されるようになった。このような内燃機関に対する高い性能要求のなかで、既存の内燃機関の概念を根本から覆すような高効率を達成することができるものとして、等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関は、燃料を燃焼させるための燃焼ピストンの他に、これとは別体の圧縮シリンダを装備し、この圧縮シリンダによって吸気を圧縮するとともに、シリンダの内部に水を噴射することによって、等温圧縮を行うものである。
この等温圧縮シリンダの利点は次の通りである。すなわち、従来の内燃機関において行われている断熱圧縮では、断熱圧縮に伴う吸気温度の上昇により、様々な技術改良にもかかわらず、すでに吸い込み空気量が一定の限界点に達している。これに対し、等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関では、圧縮シリンダ内部への水の噴射によって等温圧縮を行わせることにより、内燃機関の吸気温度の上昇を抑制し、これにより吸い込み空気量を飛躍的に増加させ、いわば超高過給を行うことができることである。
そして、この等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関をより具体化したシステム構成が、様々な文献に開示されている(例えば、特許文献2参照)。なお、上記特許文献1及び2に係る特許等は、現在、ともに本願の一の出願人に移転済みである。
特表平08−504014号公報 特表2003−529715号公報
しかしながら、上述の特許文献2等に開示されている等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関は、あくまでも、上記特許文献1等に開示されている等温圧縮シリンダの概念の具体化を理論的に考察したにすぎず、このようなシステム構成によって超高過給に伴う高出力化及び飛躍的な高効率化が現実に可能であるかについては、必ずしも明らかではない。
また、上述の特許文献2等に開示されている等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関においては、想定しうる最大限のシステム構成を提示しているため、システム構成が極めて複雑になっており、この等温圧縮シリンダを現実の往復動内燃機関に適用した場合、最小限いかなるシステム構成が必要であるかについても明らかにされていない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、等温圧縮シリンダを現実の往復動内燃機関で実現させるためのシステム構成を提示し、これにより超高過給に伴う高出力化及び飛躍的な高効率化の双方を可能とした、等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明が採用する手段は、燃焼シリンダを有する往復動内燃機関と、内燃機関によって回転駆動されて燃焼シリンダへ供給するための給気を圧縮シリンダにより圧縮すると共に、給気の圧縮時に圧縮シリンダ内に水が噴射されて給気を等温圧縮する等温圧縮シリンダと、上記圧縮シリンダ内に水を噴射する水噴射手段と、内燃機関の燃焼ガスにより回転駆動されて給気を予備圧縮して等温圧縮シリンダへ供給する過給手段と、過給手段と等温圧縮シリンダとの間に介在して過給手段により予備圧縮された給気を冷却する給気冷却手段とを備えた等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関において、内燃機関は、ガス燃料を主燃料とするガスエンジンからなり、このガスエンジンは、圧縮行程において吸気弁を遅く閉じる遅閉じを行なうことにある。
上述のように、特許文献1,2等に開示されている等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関においては、具体的にどのような内燃機関において、この超高過給に伴う高出力化及び飛躍的な高効率化が現実に可能であるかについては明らかにされていない。
この一方、天然ガス、都市ガス等のガス燃料を主燃料とするガスエンジンは、環境保全等の観点から、近年急速に発電設備等に利用されている。しかしながら、このガスエンジンは、構造がディーゼルエンジンと類似している一方で、ガスを予混合燃焼させるため、ディーゼルエンジンと比較して、ノッキングが発生しやすいという特有の問題がある。また、シリンダ内に充填された予混合気が、着火までに圧縮されてその温度が高まると、ノッキングがさらに助長される。
これは、着火時の予混合気の温度が高くなると、燃焼行程の途中で、未燃混合気が火炎伝播によらずに自己着火してしまい、これによりノッキングが発生するためである。このため、ガスエンジンにおいて安定的かつ高効率な運転を行なうことができるように、ノッキングや失火などの異常燃焼を早期に検出して、これを事前に回避するための試みが様々になされきた。しかしながら、これらだけでは根本的な解決には至っていないというのが実情である。
このような状況のもと、本発明の等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関によれば、等温圧縮シリンダからガスエンジンへ供給される給気は、等温圧縮シリンダによって高圧圧縮されていると共に、その温度が低く抑えられる。したがって、ガスエンジンへ供給される給気量を、いわば超高過給の領域に到達させることができ、これによりガスエンジンの高出力化及び飛躍的な高効率化の双方を図ることができる。
また、上記ガスエンジンにおいては、圧縮行程において吸気弁を遅く閉じる遅閉じが行われる。これは、燃焼シリンダへ供給される給気は等温圧縮シリンダによってすでに高圧圧縮されているから、燃焼シリンダにおいては、遅閉じによってわずかに断熱圧縮すればよいためである。これにより、燃焼シリンダ内における予混合気の温度上昇がさらに抑制される。つまり、この吸気弁の遅閉じによる着火時の低い予混合気温度によって、ノッキングというガスエンジン特有の問題を解決することができる。
また、本願発明者が行ったシミュレーション結果によれば、ガスエンジンの場合には、特許文献2等に開示されているような極めて複雑なシステム構成を要することなく、従来のガスエンジンに装備されている過給手段、給気冷却手段等のみによって、必要な高出力化及び飛躍的な高効率化の双方を図ることができることが判明している。したがって、ガスエンジンへの適用によって、従来の等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関の概念が、コスト的にも十分に実現可能なものになった。
上記等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関において、圧縮シリンダにより圧縮された給気を蓄圧するための蓄圧手段を、圧縮シリンダとガスエンジンの燃焼シリンダとの間
に備えることが望ましい。圧縮シリンダと燃焼シリンダとの間にこのような蓄圧手段を設けることにより、燃焼シリンダへ供給される超高過給の給気圧の平滑化を図ることができる。
本発明の等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関は、燃焼シリンダを有する往復動内燃機関と、内燃機関によって回転駆動されて燃焼シリンダへ供給するための給気を圧縮シリンダにより圧縮すると共に、給気の圧縮時に圧縮シリンダ内に水が噴射されて給気を等温圧縮する等温圧縮シリンダと、上記圧縮シリンダ内に水を噴射する水噴射手段と、内燃機関の燃焼ガスにより回転駆動されて給気を予備圧縮して等温圧縮シリンダへ供給する過給手段と、過給手段と等温圧縮シリンダとの間に介在して過給手段により予備圧縮された給気を冷却する給気冷却手段とを備えた等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関において、内燃機関は、ガス燃料を主燃料とするガスエンジンからなり、このガスエンジンは、圧縮行程において吸気弁を遅く閉じる遅閉じを行なうから、等温圧縮シリンダを現実の往復動内燃機関において実現させ、これにより超高過給に伴う高出力化及び飛躍的な高効率化の双方を図ることができ、併せて、ノッキングというガスエンジン特有の問題を解決することができる、という優れた効果を奏する。。
本発明に係る等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関を実施するための最良の形態を、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関を実施するための最良の形態を示すシステム図、図2は、図1のガスエンジンのPVサイクル線図、図3は、図1のガスエンジンの模式的なPVサイクル線図である。
図1に示すように、内燃機関1は、天然ガス、都市ガス等のガス燃料を主燃料とする4サイクル中速ガスエンジンであり、6つの燃焼シリンダ2を有し、それぞれに吸気弁3と排気弁4が配設される。各燃焼シリンダ2内のピストン5は、連接棒6を介してクランク軸7に連結されている。クランク軸7は発電機8に連結されて、発電を行なうことができる。
ガスエンジン1には、給気管(蓄圧手段)10と排気管12とが配設される。給気管10は、各給気枝管11を介して燃焼シリンダ2の吸気弁3に接続される。排気管12は、各排気枝管13を介して排気弁4に接続される。各給気枝管11には、燃料供給装置15から供給される燃料を噴射するための燃料噴射ノズル16が、それぞれ配設される。
等温圧縮シリンダ21は2つの圧縮シリンダ22を有し、それぞれに吸入弁23と排出弁24が配設される。各圧縮シリンダ22内のピストン25は、連接棒26を介してクランク軸27に連結されている。等温圧縮シリンダ21のクランク軸27は、ガスエンジン1のクランク軸7に直結されている。したがって、等温圧縮シリンダ21の各圧縮シリンダ22は、4サイクル機関であるガスエンジン1の1燃焼サイクルにつき、2回の圧縮行程を行なうことになる。
各圧縮シリンダ22には、水供給装置(水噴射手段)30から供給される水を圧縮シリンダ22内へ噴射するための水噴射ノズル(水噴射手段)31が、それぞれ配設される。各圧縮シリンダ22の排出弁24は、気水分離器32を介して上述の給気管10へ接続される。
ガスエンジン1の排気ガスにより回転駆動される過給機(過給手段)35が配設される。過給機35のタービン37は上述の排気管12に接続されて、ガスエンジン1の排気ガ
スの供給を受ける。過給機35の圧縮機36はインタークーラ(給気冷却手段)38を介して、各圧縮シリンダ22の吸入弁23に接続される。
過給機35の圧縮機36は大気を吸込み、給気の予備圧縮を行なう。この低圧の給気は、インタークーラ38で冷却された後、等温圧縮シリンダ21の吸入弁23から各圧縮シリンダ22内ヘ吸入される。過給機35を配設することにより、等温圧縮シリンダ21の圧力比を低下させることができ、圧縮動力を減少させることができる。
等温圧縮シリンダ21では、その圧縮行程で多量の清水を噴射し、等温圧縮を行わせる。これにより、従来のガスエンジンで行われている断熱圧縮に比べて、圧縮動力を約30%削減することができる。
等温圧縮シリンダ21で等温圧縮された高圧給気は、気水分離器32で水分を除去された後、給気管10から各吸気枝管11及び吸気弁3を介して、ガスエンジン1の各燃焼シリンダ2内へ吸入される。給気枝管11に設けた燃料噴射ノズル16を介して燃料ガスを噴射し、予混合させる。給気管10によって、各燃焼シリンダ2へ供給される超高過給の給気圧力の平滑化を図られる。
各燃焼シリンダ2では吸気の後、圧縮、燃焼、膨張がこの順に行われて、ピストン5、連接棒6を介してクランク軸7に動力を伝える。クランク軸7の出力の一部は、等温圧縮シリンダ21のクランク軸27の駆動動力として消費される。また、クランク軸7の出力の残部ないし他の一部は、発電機8を回転駆動させて必要な発電を行なう。
燃焼シリンダ2内の燃焼ガスは、排気ガスとして排気弁4及び排気枝管13を介して、排気管12へ排出される。この排気ガスは、過給機35のタービン37ヘ供給される。タービン37で断熱膨張した排気ガスは、図示しない煙突から大気へ排出される。
ガスエンジン1においては、図2に示すようなサイクルPV線図が形成される。すなわち、IC(吸気弁閉) は圧縮始めで、このときの圧力は等温圧縮シリンダ21の吐出圧力に等しい。続いてCPまで断熱圧縮された後、等容的に燃焼し、TDで最高圧力に達する。
その後、CEまで等圧的に燃焼する。燃焼ガスは排気始めEO(排気弁開) まで断熱膨張する。EBまでが排気吹出し期間、IO(吸気弁開) までが排気押出し期間である。IOから吸入が開始され、EC(排気弁閉) まで吸気の押込みが行われる。このオーバーラップ期間に、一部の給気が素通りして排気管12へ排出される。ECからBDCが、給気の吸入期間である。BCで等温圧縮シリンダ21の吐出圧力まで吸気押込みされた後、IC(吸入弁閉) に至る。
このように、このガスエンジン1の燃焼サイクルでは、圧縮行程において、吸気弁3を従来のガスエンジンよりも遅く閉じる遅閉じが行われる。例えば、従来の従来のガスエンジンにおいて、吸気弁が閉じる時期は下死点後70〜80度であるのに対し、この等温圧縮シリンダ21を用いたガスエンジン1においては、下死点後110〜140度である。
図3の実線は、上述のガスエンジン1のPV線図を模式的に表したものであり、破線は、従来のガスエンジンの圧縮行程を示す。図3の斜線部Aは、等温圧縮シリンダ21を配設することによってガスエンジン1が行うことができる仕事量の増加分を示している。このように、等温圧縮シリンダ21を用いることにより、従来のガスエンジンとは比較にならない程の高出力化を図ることができる。
また、等温圧縮シリンダ21からガスエンジン1へ供給される給気は、圧縮シリンダ22によって高圧圧縮されていると共に、その温度が低く抑えられる。したがって、ガスエンジン1へ供給される給気を、いわば超高過給の領域に到達させることができ、これにより、ガスエンジンの高出力化と飛躍的な高効率化の双方を図ることができる。また、低温の給気によって、ノッキングというガスエンジン特有の問題を同時に解決することができる。
特に、給気は等温圧縮シリンダ21によってすでに高圧圧縮されていると共に、圧縮行程において吸気弁3が遅く閉じる遅閉じが行なわれるから、ガスエンジン1の燃焼シリンダ2が行なう断熱圧縮仕事は、従来のガスエンジンの場合よりも大幅に少ない。したがって、燃焼シリンダ2内における予混合気温度の上昇が抑制され、ノッキングを一段と効果的に防止することができる。
また、このガスエンジン1は、等温圧縮シリンダ21、水供給装置30等の等温圧縮のために必要な機構の他には、従来のガスエンジンに装備されている過給機35、インタークーラ38等を配設するだけで構成することができる。したがって、この単純な構成によって、コスト的にも十分に実現可能なものとなった。
なお、本発明は上述の一実施の形態に制約されるものではなく、種々の変形が可能であり、本発明の範囲から除外されるものではないことは勿論である。例えば、上記ガスエンジン1は、2つの等温圧縮シリンダと4つの燃焼シリンダとを有するものであったが、等温圧縮シリンダ数と燃焼シリンダ数は、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上述の等温圧縮シリンダ21を過給機系に組み込んだ4サイクル中速ガスエンジン1を簡易モデル化して、サイクルシミュレーションを行い、高出力化および熱効率向上の可能性を検証した。
ガスエンジンの諸元及びサイクルシミュレーションの条件は次の通りである。
(ガスエンジン諸元)
エンジン回転数: 720rpm
燃焼シリンダ: シリンダ数 6
シリンダ径 300mm
ストローク 480mm
トップボリューム 可変
等温圧縮シリンダ:シリンダ数 2
シリンダ径 可変
ストローク 400mm
燃料ガス: CH4

(サイクルシミュレーション条件)
大気条件: 圧力 0.101MPa
温度 25°C
過給機: 圧縮機圧力比 3.15
タービン圧力比 2.88
過給機効率:67.5%
インタークーラ: 出口空気温度 40°C
冷却水入口温度 25°C
等温圧縮シリンダ:入口空気圧力 0.31MPa
入口空気温度 40°C
出口空気圧力 可変
出口空気温度 100°C
清水入口温度 25°C
気水分離器: 水分捕捉効率 100%

シミュレーション結果は次の通りである。なお、比較例とは従来のガスエンジンの場合を示す。
(シミュレーション結果)
(実施例1)(実施例2)(実施例3)(比較例)
燃焼シリンダ最高圧力(MPa) 14.71 19.61 24.52 14.71
燃焼シリンダ出力(kW) 2,803 3,777 4,569 2,437
(MPa) (2.29)(3.09)(3.74)(2.00)
等温圧縮シリンダ動力(kW) 853 1,065 1,241 −
(MPa)(0.70)(0.87)(1.02) −
正味出力(kW) 1,950 2,712 3,328 2,437
(MPa) (1.59)(2.22)(2.72)(2,00)
正味熱効率(%) 48.3 52.7 55.8 46.5

(結論)
燃焼シリンダの最高圧力を比較例(従来例)と同一値に設定した実施例1においては、等温圧縮シリンダ21に使用される動力のため、正味出力については比較例よりも不利な結果が出たが、実施例2及び3については、大幅な出力向上が見られた。また、正味熱効率については、実施例1ないし3とも、比較例に比べて大幅な改善が見られた。
このように、等温圧縮シリンダ21を用いたガスエンジン1について、空気過剰率のノッキング限界の制限下でも、既存ガスエンジンよりも大幅な高出力化と高効率化とを図ることができることが判明した。
本発明の等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関を実施するための最良の形態を示すシステム図である。 図1のガスエンジンのPVサイクル線図である。 図1のガスエンジンの模式的なPVサイクル線図である。
符号の説明
1 ガスエンジン(内燃機関)
2 燃焼シリンダ
3 吸気弁
4 排気弁
5 ピストン
6 連接棒
7 クランク軸
8 発電機
10 給気管(蓄圧手段)
11 給気枝管
12 排気管
13 排気枝管
15 燃料供給装置
16 燃料噴射ノズル
21 等温圧縮シリンダ
22 圧縮シリンダ
23 吸入弁
24 排出弁
25 ピストン
26 連接棒
27 クランク軸
30 水供給装置(水噴射手段)
31 水噴射ノズル(水噴射手段)
32 気水分離器
35 過給機(過給手段)
36 圧縮機
37 タービン
38 インタークーラ(給気冷却手段)
A 仕事量増加分

Claims (2)

  1. 燃焼シリンダ(2)を有する往復動内燃機関と、前記内燃機関によって回転駆動されて前記燃焼シリンダへ供給するための給気を圧縮シリンダ(22)により圧縮すると共に前記給気の圧縮時に前記圧縮シリンダ内に水が噴射されて前記給気を等温圧縮する等温圧縮機(21)と、前記圧縮シリンダ内に前記水を噴射する水噴射手段(30,31)と、前記内燃機関の燃焼ガスにより回転駆動されて前記給気を予備圧縮して前記等温圧縮シリンダへ供給する過給手段(35)と、前記過給手段と前記等温圧縮シリンダとの間に介在して前記過給手段により予備圧縮された前記給気を冷却する給気冷却手段(38)とを備えた等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関において、前記内燃機関は、ガス燃料を主燃料とするガスエンジン(1)からなり、前記ガスエンジンは、圧縮行程において吸気弁(3)を遅く閉じる遅閉じを行なうことを特徴とする等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関。
  2. 前記圧縮シリンダ(21)により圧縮された給気を蓄圧するための蓄圧手段(10)を前記圧縮シリンダと前記ガスエンジン(1)の前記燃焼シリンダ(2)との間に備えたことを特徴とする請求項1に記載の等温圧縮シリンダを用いた往復動内燃機関。
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