JP4337998B2 - 積付方法および積付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷姿の安定化が図れる積付方法および積付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、物流において、例えば米等の商品が袋詰めされた複数の変形可能な略同一状である袋状の荷物を、各段に同数の荷物が所定の位置パターンに基づいて行列状に位置するように、三段以上の複数段に積み付ける場合、手作業では作業効率が悪いため、多くの工場等では、ロボットパレタイザ等の積付装置が用いられている。
【0003】
そして、この積付装置は、所定の積付パターンに従って荷物をパレット上に積み付けるもので、所定の積付パターンとしては、例えば、棒積み、つまりコラムパターンがある。
【0004】
しかし、このコラムパターンによる積付方法は、図10に示すように、全段にわたって同じ位置パターンであるので、上下に隣接する二つの荷物同士のみが接した状態になり、荷姿の安定化を図れない問題がある。
【0005】
そこで、例えば、図11に示すような、インターロックパターンによる積付方法が知られている。
【0006】
このインターロックパターンによる積付方法は、各段ごとに位置パターンの向きを変化させることによって、一つの荷物を複数の荷物の上に同時に位置させて、荷姿の安定化を図る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の図11に示すインターロックパターンによる積付方法では、例えば、荷物が略正方形状である場合にあっては、上下に隣接する二つの荷物同士のみが接した状態に近い状態になり、荷姿の安定化を図れない問題を有している。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、荷物の形状に拘わらず、荷姿を安定化できる積付方法および積付装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の積付方法は、複数の変形可能な略同一状の荷物を各段に同数だけ位置させた状態で三段以上の複数段に積み付けるもので、積付け後の各段の段荷物群の外周で規定される面積を一部の荷物を変形させつつ最下位の段から最上位の段に向って順次狭くする積付方法であって、全段数およびシフト量に基づいて平均シフト量を算出し、基準段より下の段では平均シフト量を中心側から外側に向う方向に定めるとともに、基準段より上の段では平均シフト量を外側から中心側に向う方向に定め、次いで、基準段以外の段において、段荷物群の外周に沿って位置する各荷物の位置データを平均シフト量だけ変更するとともに、他の各荷物の位置データを各荷物の中心位置が略均等に分散して位置するように平均シフト量より短い距離だけ変更するものである。
【0010】
請求項2記載の積付装置は、荷物を移送可能な荷物積付機と、積付け後の各段の段荷物群の外周で規定される面積が一部の荷物の変形により最下位の段から最上位の段に向って順次狭く設定された状態で、複数の変形可能な略同一状の荷物が各段に同数だけ位置して三段以上の複数段に積み付けられるように、前記荷物積付機を制御する積付機制御装置とを具備し、前記積付機制御装置は、全段数およびシフト量に基づいて平均シフト量を算出し、基準段より下の段では平均シフト量を中心側から外側に向う方向に定めるとともに、基準段より上の段では平均シフト量を外側から中心側に向う方向に定め、次いで、基準段以外の段において、段荷物群の外周に沿って位置する各荷物の位置データを平均シフト量だけ変更するとともに、他の各荷物の位置データを各荷物の中心位置が略均等に分散して位置するように平均シフト量より短い距離だけ変更するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の積付装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0012】
図1において、1は積付装置で、この積付装置1は、例えば米等の商品が袋詰めされた複数の変形可能な略同一状である袋状の荷物Wを、所定の積付パターンでパレットP上に三段以上の複数段に積み付けるロボットパレタイザ等であり、荷物Wを移送可能な荷物積付機2を備えている。
【0013】
この荷物積付機2は、例えば垂直方向および水平方向に移動可能なロボットアーム3を有し、このロボットアーム3の先端には荷物Wを挟持するハンド4が取り付けられている。そして、このハンド4の移動範囲内の下方には、搬送コンベヤ6の搬送終端部が配設されているとともに、パレットPが配置されている。
【0014】
また、荷物積付機2には、この荷物積付機2を制御する積付機制御装置7が接続され、この積付機制御装置7にはキーボード、マウス等にて構成された入力装置8が接続されているとともに、モニター等にて構成された出力装置9が接続されている。
【0015】
そして、この積付機制御装置7は、CPU、メモリ等を有するコンピュータにて構成されたもので、図2に示すように、荷物Wの全段数αを設定する全段数設定手段11の機能、および、シフト量Sx ,Sy を設定するシフト量設定手段12の機能を有している。
【0016】
なお、このシフト量Sx ,Sy は、図3および図4に示されるように、積付け後において、最上位の段に位置する段荷物群の水平方向の寸法と最下位の段に位置する段荷物群の水平方向の寸法との寸法差に基づく値である。すなわち、互いに直交する二軸をX軸およびY軸とした場合に、シフト量Sx は、最上位の段に位置する段荷物群のX軸に沿った水平方向の寸法と最下位の段に位置する段荷物群のX軸に沿った水平方向の寸法との寸法差を2で割った値であり、また、シフト量Sy は、最上位の段に位置する段荷物群のY軸に沿った水平方向の寸法と最下位の段に位置する段荷物群のY軸に沿った水平方向の寸法との寸法差を2で割った値である。
【0017】
また、積付機制御装置7は、全段数設定手段11およびシフト量設定手段12のそれぞれに接続された平均シフト量算出手段13の機能を有している。この平均シフト量算出手段13は、シフト量Sx ,Sy をそれぞれ全段数より1少ないα−1の値で割ることによって、平均シフト量SAx ,SAy を算出するものである。
【0018】
また一方、積付機制御装置7は、基準段βを設定する基準段設定手段15の機能、および、固定有効領域Rを設定する固定有効領域設定手段16の機能を有している。
【0019】
なお、基準段βは、荷物Wの寸法、パレットPの寸法、荷物積付機2に関するデータ等の積付パターン生成条件に応じて決定される従来の積付パターンにおける位置パターンに従って荷物Wが配置される段である。また、固定有効領域Rは、図4に示されるように、積付け後のピラミッド型荷物群の垂直方向である上下方向に沿ったピラミッド中心軸線Z0 を中心として設定されるものであり、この固定有効領域R内に中心が位置する荷物Wは、基準段βに位置する荷物Wと同様に従来の積付パターンにおける位置パターンに従って配置される。
【0020】
さらに、積付機制御装置7は、平均シフト量算出手段13、基準段設定手段15および固定有効領域設定手段16のそれぞれに接続されたピラミッド型積付パターン決定手段18の機能を有している。
【0021】
このピラミッド型積付パターン決定手段18は、平均シフト量SAx ,SAy 、基準段βおよび固定有効領域Rと、予め決定された従来の積付パターンとを組み合わせて、ピラミッド型積付けパターンを決定するものである。このピラミッド型積付けパターンとは、積付け後の各段の段荷物群の外周で規定される面積が一部の荷物Wの変形により最下位の段から最上位の段に向って順次狭く設定された状態となる積付パターンである。すなわち、例えば、基準段βより下の段では各荷物W間の離間距離が短くされることによって段荷物群の外周で規定される面積が最下位の段から基準段βに向って順次狭く、かつ、基準段βより上の段では各荷物Wが変形することによって段荷物群の外周で規定される面積が基準段βから最上位の段に向って順次狭く設定される積付パターンである。
【0022】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0023】
複数の袋状の荷物Wをピラミッド型積付けパターンでパレットP上に三段以上の複数段に積み付ける場合、図示しないオペレータは、入力装置8を用いて、シフト量Sx ,Sy 、全段数α、基準段β、固定有効領域Rを含む必要な積付パターン生成条件を入力する。
【0024】
すると、この入力された積付パターン生成条件に応じて、積付機制御装置7が、記録媒体から所定のプログラムを読み出し、このプログラムの実行に基づいて、従来の積付パターンの変更処理によりピラミッド型積付けパターンを決定する。
【0025】
ここで、このピラミッド型積付けパターンが決定される際の積付機制御装置7の動作を図5のフローチャートに参照して説明する。
【0026】
まず、基準段β以外の段における荷物WのX方向の位置データが変更処理される。
【0027】
すなわち、入力装置8にて入力され全段数設定手段11およびシフト量設定手段12にてそれぞれ設定された全段数αおよびシフト量Sx に基づいて、平均シフト量算出手段13が、平均シフト量SAx を算出する(ステップ1)。
【0028】
続いて、ピラミッド型積付パターン決定手段18が、基準段βより下の段では平均シフト量SAx を中心側から外側に向う方向に定めるとともに、基準段βより上の段では平均シフト量SAx を外側から中心側に向う方向に定める(ステップ2)。
【0029】
次いで、着目する段が基準段βか否か判断し(ステップ3)、この判断の結果、基準段β以外であれば、基準段β以外の段において、段荷物群の外周に沿って位置する各荷物WのX方向の位置データを変更する(ステップ4)。つまり、これら各荷物Wにおける基準段β上の荷物Wと対応していた位置データを、平均シフト量SAx だけシフトする。
【0030】
また、基準段β以外の段において、荷物Wの中心が固定有効領域R内に位置していない他の各荷物WのX方向の位置データを変更する(ステップ5)。つまり、これら各荷物Wにおける基準段β上の荷物Wと対応していた位置データを、各荷物Wの中心位置が略均等に分散して位置するように、固定有効領域Rの中心からの距離に対応した平均シフト量SAx より短い所定距離だけシフトする。
【0031】
その後、基準段β以外の段における荷物WのY方向の位置データが、上記X方向の位置データの変更処理と同じ工程を経て、変更処理される。
【0032】
そして、このような基準段β以外の段におけるX方向およびY方向の位置データの変更処理によってピラミッド型積付けパターンが決定され、この決定されたピラミッド型積付けパターンに応じて荷物積付機2が制御され、その結果、複数の袋状の荷物Wがそのピラミッド型積付けパターンでパレットP上に自動的に積み付けられる。
【0033】
なお、この荷物積付機2による積付時において、少なくとも基準段β以上の段では、各荷物Wは所定高さ位置からの落下により積み付けられる。また、最下位の段に位置する段荷物群の外周で規定される面積が、パレットPの外周で規定される面積より大きくなる場合でも、外周に位置する荷物Wが載置される許容範囲内であればよい。
【0034】
そして、この積付け後のピラミッド型荷物群は、最上位の段と最下位の段との間に位置する基準段βより下の段では、各荷物W間の離間距離が上段に行くに従って順次短くされ、その結果、段荷物群の外周で規定される面積が最下位の段から基準段βに向って順次狭くなっている。また、基準段βより上の段では、各荷物Wが互いに押し付けられることで変形し、その結果、段荷物群の外周で規定される面積が基準段βから最上位の段に向って順次狭くなっている。
【0035】
すなわち、例えば、全段数α=8、基準段β=3、固定有効領域R=0に設定され、所定のシフト量だけシフトされたピラミッド型積付けパターンによる積付け後のピラミッド型荷物群は、図6および図7に示す荷姿となる。
【0036】
また、このピラミッド型荷物群の基準段に位置する段荷物群における各荷物Wの状態を図8に示すとともに、最下位の段に位置する段荷物群における各荷物Wの状態を図9に示す。
【0037】
この図9において、各荷物Wに表示された数字は、積付けの順番を示すものである。また、例えば、図9に示す二つの荷物W1 ,W2 の位置について考えると、荷物W1 は、図8に示す対応する基準段上の荷物W3 に対して、外側にX方向に沿って平均シフト量だけシフトした位置に位置している。また、荷物W2 は、図8に示す対応する基準段上の荷物W4 に対して、外側にX方向に沿って所定の距離だけシフトした位置に位置している。この所定の距離とは、平均シフト量と、荷物W4 の中心およびピラミッド中心軸線Z0 間の距離Bを荷物W3 の中心およびピラミッド中心軸線Z0 間の距離Aで割った値とを掛けて求められた距離である。
【0038】
このようにして、上記一実施の形態によれば、積付機制御装置7による荷物積付機2の制御により、この荷物積付機2が、積付け後の各段の段荷物群の外周で規定される面積を所定の一部の荷物Wを変形させつつ最下位の段から最上位の段に向って順次狭くした状態で、複数の変形可能な略同一状の荷物Wを各段に同数だけ位置させて三段以上の複数段に積み付ける。
【0039】
したがって、荷物Wがいかなる形状であっても、ピラミッド型荷物群の略全体にわたって、一つの荷物Wを少なくと二つ以上の複数の荷物Wの上に同時に位置した状態となり、確実に荷姿を安定化できる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、積付け後の各段の段荷物群の外周で規定される面積を一部の荷物を変形させつつ最下位の段から最上位の段に向って順次狭くした状態で、複数の変形可能な略同一状の荷物を各段に同数だけ位置させて三段以上の複数段に積み付けるので、荷物がいかなる形状であっても、全体にわたって上下に隣接する二つの荷物同士のみが接した状態にはならないため、荷物の形状に拘わらず、荷姿を安定化できる。
【0041】
請求項2記載の発明によれば、積付機制御装置による荷物積付機の制御により、この荷物積付機が、積付け後の各段の段荷物群の外周で規定される面積を一部の荷物を変形させつつ最下位の段から最上位の段に向って順次狭くした状態で、複数の変形可能な略同一状の荷物を各段に同数だけ位置させて三段以上の複数段に積み付けるので、荷物がいかなる形状であっても、全体にわたって上下に隣接する二つの荷物同士のみが接した状態にはならないため、荷物の形状に拘わらず、荷姿を安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積付装置の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】 同上積付装置の積付機制御装置を示すブロック図である。
【図3】 同上積付装置による積付け後のピラミッド型荷物群を示す概要正面図である。
【図4】 同上ピラミッド型荷物群を示す概要平面図である。
【図5】 同上積付機制御装置によるピラミッド型積付けパターンの決定動作を示すフローチャートである。
【図6】 同上積付装置による積付け後のピラミッド型荷物群を示す斜視図である。
【図7】 同上ピラミッド型荷物群を示す正面図である。
【図8】 同上ピラミッド型荷物群の基準段に位置する段荷物群を示す平面図である。
【図9】 同上ピラミッド型荷物群の最下位の段に位置する段荷物群を示す平面図である。
【図10】 従来の積付けパターンにて積み付けられた荷物群を示す斜視図である。
【図11】 従来の他の積付けパターンにて積み付けられた荷物群を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 積付装置
2 荷物積付機
7 積付機制御装置
W 荷物
Claims (2)
- 複数の変形可能な略同一状の荷物を各段に同数だけ位置させた状態で三段以上の複数段に積み付けるもので、積付け後の各段の段荷物群の外周で規定される面積を一部の荷物を変形させつつ最下位の段から最上位の段に向って順次狭くする積付方法であって、
全段数およびシフト量に基づいて平均シフト量を算出し、
基準段より下の段では平均シフト量を中心側から外側に向う方向に定めるとともに、基準段より上の段では平均シフト量を外側から中心側に向う方向に定め、
次いで、基準段以外の段において、段荷物群の外周に沿って位置する各荷物の位置データを平均シフト量だけ変更するとともに、他の各荷物の位置データを各荷物の中心位置が略均等に分散して位置するように平均シフト量より短い距離だけ変更する
ことを特徴とする積付方法。 - 荷物を移送可能な荷物積付機と、
積付け後の各段の段荷物群の外周で規定される面積が一部の荷物の変形により最下位の段から最上位の段に向って順次狭く設定された状態で、複数の変形可能な略同一状の荷物が各段に同数だけ位置して三段以上の複数段に積み付けられるように、前記荷物積付機を制御する積付機制御装置とを具備し、
前記積付機制御装置は、
全段数およびシフト量に基づいて平均シフト量を算出し、
基準段より下の段では平均シフト量を中心側から外側に向う方向に定めるとともに、基準段より上の段では平均シフト量を外側から中心側に向う方向に定め、
次いで、基準段以外の段において、段荷物群の外周に沿って位置する各荷物の位置データを平均シフト量だけ変更するとともに、他の各荷物の位置データを各荷物の中心位置が略均等に分散して位置するように平均シフト量より短い距離だけ変更する
ことを特徴とする積付装置。
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JP24901499A JP4337998B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 積付方法および積付装置 |
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JP7437946B2 (ja) * | 2020-01-15 | 2024-02-26 | 東芝テック株式会社 | 積載構造体 |
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1999
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